JP2001172092A - ケイ酸質肥料造粒品 - Google Patents

ケイ酸質肥料造粒品

Info

Publication number
JP2001172092A
JP2001172092A JP35916399A JP35916399A JP2001172092A JP 2001172092 A JP2001172092 A JP 2001172092A JP 35916399 A JP35916399 A JP 35916399A JP 35916399 A JP35916399 A JP 35916399A JP 2001172092 A JP2001172092 A JP 2001172092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
siliceous
fertilizer
calcium silicate
siliceous fertilizer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP35916399A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Yoshida
一男 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP35916399A priority Critical patent/JP2001172092A/ja
Publication of JP2001172092A publication Critical patent/JP2001172092A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05DINORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C; FERTILISERS PRODUCING CARBON DIOXIDE
    • C05D3/00Calcareous fertilisers
    • C05D3/04Calcareous fertilisers from blast-furnace slag or other slags containing lime or calcium silicates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 育苗段階でも効果的に使用できるほぼ中性の
ケイ酸質肥料で、しかも粒状で施肥し易いイネ科植物用
ケイ酸質肥料を提供することである。また、軽量気泡コ
ンクリート端材などの廃材を原料として再利用し、環境
に適した安価なケイ酸質肥料を提供することでもある。 【解決手段】 水熱合成して得られるケイ酸カルシウム
水和結晶を含有するケイ酸質材を、石膏をバインダーと
して粒状にしてなるケイ酸質肥料造粒品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イネ科などの植物
に用いるケイ酸質肥料とその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】イネや麦などのイネ科植物は、多量にケ
イ酸を吸収することが知られている。イネの藁の乾燥物
中にケイ酸が15%程度含まれている。イネ科植物にお
いてケイ酸が不足すると、表皮細胞のケイ酸が少なくな
り、茎が弱くなって倒伏が起こりやすく、また、イモチ
病などの病気にかかり易くなるという問題があった。そ
のためケイ酸質肥料は、水稲肥料として主に水田で広く
用いられている。ケイ酸質肥料は、イネ以外にも麦、サ
トウキビ、トウモロコシなどにも効果があることが知ら
れている。肥料成分としてケイ酸が注目され出したの
は、昭和30年ごろで、そのころから製鉄工業の副産物
である鉱さいが利用され出した。現在では、ケイ酸質肥
料としては、鉱さいおよび軽量気泡コンクリートが用い
られている。
【0003】しかし、鉱さいや軽量気泡コンクリート
は、水溶液スラリーのpHが11以上のアルカリ性を示
すため、pH4〜6の酸性土壌を好むこれらイネ科の植
物にとって必ずしも好ましいケイ酸質肥料とは言えな
い。鉱さいおよび軽量気泡コンクリートをそのままケイ
酸質肥料として用いる場合には、アルカリ性が強いた
め、アルカリ性の影響があまり出ない広い水田や畑に施
肥する用途に限らなければならなかった。
【0004】しかし、イネ科植物の育成上は、育苗段階
でのケイ酸質肥料の施肥効果も大きく、育苗段階で施肥
できるケイ酸質肥料が望まれている。苗の段階でケイ酸
が不足すると茎の強度が弱く、苗の発育上良くないばか
りでなく、田植機で苗をしっかり植え付けにくいという
問題がある。ケイ酸質肥料は、アルカリ性が強いためこ
れを中性化して用いる方法が特開平10−273666
号公報および特開平11−137074号公報に開示さ
れている。特開平10−273666号公報では、軽量
気泡コンクリートなどの多孔質ケイ酸カルシウム水和物
を、硫酸および/またはリン酸で処理して中性化し、ケ
イ酸質肥料としてばかりでなく保水材として使用する。
また、特開平11−137074号公報では、pHを
3.5〜8.0に調整した多孔質ケイ酸カルシウム水和
物を施肥することを特徴とする水稲育苗方法である。こ
れらの方法は、中性化しているため、育苗段階で使用で
きると考えられるが、破砕した形状のものを用いている
ため、播きにくいという問題点がある。破砕した形状の
まま肥料に用いると、出荷時に粒径を揃えても運搬中に
欠けて粉落ちが起こり易く、播くとき目に入り易く、好
ましくない。また、破砕品は手などに傷を付けたりもす
る。さらに、運搬中に欠けて生じた粉末も一緒に施肥す
ると、根の通気性が悪く、根の発育上も好ましくない。
【0005】軽量気泡コンクリート粉末肥料は、鉱さい
ケイ酸質肥料同様に、ケイ酸質肥料として肥料取締法に
も規定がある一般的な肥料であり、できれば造粒品を肥
料として用いることが望まれる。ところが、軽量気泡コ
ンクリート粉末は、多孔質のためバインダーの含浸性が
高く、造粒には多くのバインダーを必要とするため、安
価な方法で造粒品を作ることができないため、造粒品は
実用化されていないのが現状である。
【0006】また、特開平11−157967号公報で
は、pH(5%スラリ−)が3.0〜8.0であるシリ
カゲル又はシリカゾルなどのシリカを主成分とする肥
料、並びにこの肥料を苗床の土壌3kg当たり200g
〜800g混和する施用方法が開示されている。特開平
11−157967号公報では、純粋なシリカゲルまた
はシリカゾルを使用するため、中性ではあるが、水ガラ
スを原料に使用するため製造工程が煩雑で、廃材などを
原料に使用できないため、結果として製造コストが高
く、汎用肥料として使いにくい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、育苗
段階でも効果的に使用できるほぼ中性のケイ酸質肥料
で、しかも粒状で施肥し易いイネ科植物用ケイ酸質肥料
を提供することである。また、本発明の課題は、軽量気
泡コンクリート端材などの廃材を原料として再利用し、
環境に適した安価なケイ酸質肥料を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は、水熱合成して得られるケイ酸カルシウ
ム水和結晶を含有するケイ酸質材である軽量気泡コンク
リートや該端材などの廃材を用いて、育苗にも田畑にも
使えるケイ酸質肥料を鋭意研究し、水熱合成して得られ
るケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材を酸
で中性化させたものを、バインダーとして石膏を用いて
造粒したケイ酸質肥料は、イネ科植物の育苗床および栽
培土壌の肥料として効果があることを見出し、本発明に
至った。
【0009】即ち、本発明は、(1) 水熱合成して得
られるケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材
を、石膏をバインダーとして粒状にしてなることを特徴
とするケイ酸質肥料造粒品、(2) 石膏がケイ酸質材
に硫酸を加えて生成する石膏であることを特徴とする上
記1のケイ酸質肥料造粒品、(3) pHが3.5〜
8.0であることを特徴とする上記1又は2のケイ酸質
肥料造粒品、(4) 水熱合成して得られるケイ酸カル
シウム水和結晶を含有する粉末状のケイ酸質材に硫酸を
加えて得られた粉体を熱処理し、水を加えて造粒するこ
とを特徴とする上記1、2又は3のケイ酸質肥料造粒品
の製造方法、(5) 上記1、2又は3のケイ酸質肥料
造粒品を、育苗床または栽培土壌用肥料として用いるこ
とを特徴とするイネ科植物の栽培方法、である。
【0010】また、本発明者は、水熱合成して得られる
ケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材である
軽量気泡コンクリートや該端材などの粉砕粉を硫酸で中
性化する際にできる副生物である石膏(硫酸カルシウ
ム)をバインダーとして造粒するケイ酸質肥料造粒方法
を見出した。本発明のケイ酸質肥料造粒品は、粒状のた
め、播き易く、運搬中に粉落ちしにくく、播くとき目に
入ったり手などに傷を付けたりする心配も少ない。ま
た、粒状のため根の通気性が良く、根の発育上も好まし
い。
【0011】さらには、肥料原料として軽量気泡コンク
リートなどの水熱合成して得られるケイ酸質カルシウム
水和結晶を含有するケイ酸質材の廃材をリサイクル原料
として用いることができるため、シリカゲルやシリカゾ
ルに比べ原料が容易に手に入り、製造工程が簡易で、結
果として低コストでケイ酸質肥料を供給することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のケイ酸質肥料造粒品と
は、水熱合成して得られるケイ酸カルシウム水和結晶を
含有するケイ酸質材の破砕粉末を、石膏及び/又は該ケ
イ酸質材の破砕粉末に硫酸を加えてできる石膏をバイン
ダーとして粒状にしたケイ酸質肥料である。また、水熱
合成して得られるケイ酸カルシウム水和結晶を含有する
ケイ酸質材の破砕粉末を中和して得られたものを、石膏
及び/又は該ケイ酸質材の破砕粉末に硫酸を加えて中和
する際にできる石膏をバインダーとして粒状にした、p
Hが3.5〜8.0のケイ酸質肥料である。
【0013】本発明で用いている水熱合成して得られる
ケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材とは、
オートクレーブ水蒸気養生で得られる、ケイ酸カルシウ
ム水和結晶を含むものであり、ケイ酸カルシウム水和結
晶以外に、非結晶質のケイ酸カルシウム水和物、ケイ
石、金属酸化物、無機フィラーなどを含んでも良い。ケ
イ酸カルシウム水和結晶としては、一般的には、トバモ
ライト、ゾノトライト、ジャイロライト、ヒレブランラ
イトなどが挙げられる。水熱合成して得られるケイ酸質
材中に含まれるケイ酸カルシウム水和結晶は、以下に示
すピクリン酸/塩酸溶解法で定量することができる。
【0014】本発明において水熱合成して得られるケイ
酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材とは、具体
的には、ピクリン酸/塩酸溶解法で定量したケイ酸カル
シウム水和結晶の含有量が、5重量%〜100重量%の
ケイ酸質材をいう。本発明でいうピクリン酸/塩酸溶解
法の手順を以下に示す。 (1)ケイ酸カルシウム水和結晶を含むケイ酸質材サン
プルを粉砕して、60℃乾燥機中で3日乾燥させ、乾燥
後ふるい目の開き90μmと32μmのふるいでふるい
分けを行い、ふるいにより粒径32〜90μmに調整し
た微粉サンプルAを得る。 (2)ピクリン酸15gとメチルアルコール500ml
を混合した溶液に、微粉サンプルAを2g添加して、室
温で3時間撹拌して、スラリー液Aを得る。 (3)スラリー液AをJIS規格検定5種Bの濾紙で濾
過して濾過液を取り、濾過液を110℃乾燥機中で蒸発
乾固させ、その蒸発乾固物Aを得る。 (4)蒸発乾固物Aを2規定塩酸200mlに完全に溶
解し、溶液Aを得る。溶液Aのケイ素(Si)濃度とカ
ルシウム(Ca)濃度をICP発光分析法で定量する。
溶液Aのケイ素(Si)がすべてケイ酸(SiO2)か
ら由来し、溶液Aのカルシウム(Ca)がすべて酸化カ
ルシウム(CaO)として、溶液A中のケイ酸重量と酸
化カルシウム重量の和をグラム単位で求め、ケイ酸カル
シウム重量Aとする。 (5)60℃の2規定塩酸100mlに微粉サンプルA
を2g混合して、60℃で15分撹拌してスラリー液B
を得る。 (6)スラリー液BをJIS規格検定5種Bの濾紙で濾
過して濾過液を取り、濾過液を110℃乾燥機中で蒸発
乾固させ、その蒸発乾固物Bを得る。 (7)蒸発乾固物Bを2規定塩酸200mlに完全に溶
解し、溶液Bを得る。溶液Bのケイ素(Si)濃度とカ
ルシウム(Ca)濃度をICP発光分析法で定量する。
溶液Bのケイ素(Si)がすべてケイ酸(SiO2)か
ら由来し、溶液Bのカルシウム(Ca)がすべて酸化カ
ルシウム(CaO)として、溶液B中のケイ酸重量と酸
化カルシウム重量の和をグラム単位で求め、ケイ酸カル
シウム重量Bとする。 (8)ケイ酸カルシウム水和結晶を含むケイ酸質材のケ
イ酸カルシウム水和結晶の含有重量%を以下の式で求め
る。 式:ケイ酸質材のケイ酸カルシウム水和結晶の含有重量
%=[(ケイ酸カルシウム重量B−ケイ酸カルシウム重
量A)/2]×100 ケイ酸カルシウム水和物には、非結晶質の一般にCSH
ゲル呼ばれるものと、結晶質のケイ酸カルシウム水和結
晶がある。非結晶質のCSHゲルおよびケイ酸カルシウ
ム水和結晶はともに2規定塩酸に溶けるが、薄いピクリ
ン酸のメチルアルコール溶液には、非結晶質のCSHゲ
ルのみ溶け、ケイ酸カルシウム水和結晶は溶けない。こ
の原理を利用して、ピクリン酸/塩酸溶解法では、ケイ
酸カルシウム水和結晶を定量できる。
【0015】本発明者は、ケイ酸カルシウム水和結晶の
含有量の異なるケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケ
イ酸質材1重量部に対して培土1重量部を混合したもの
を、イネ育苗用の苗床として育苗試験を行い、イネ育苗
水溶液中に溶出するケイ酸量とイネの苗に取り込まれる
ケイ酸量を測定した。その結果、ピクリン酸/塩酸溶解
法で定量したケイ酸カルシウム水和結晶の含有量が高い
ケイ酸質材ほど、イネ育苗水溶液中のケイ酸溶出濃度が
高く、稲にこのケイ酸が多く取り込まれ、イネの発育が
良いことを見出した。
【0016】そこで、本発明では、水熱合成して得られ
るケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材とし
て、ピクリン酸/塩酸溶解法で定量したケイ酸カルシウ
ム水和結晶の含有量が高いものを用いることが好まし
い。本発明で用いられるケイ酸質材は、ピクリン酸/塩
酸溶解法で定量したケイ酸カルシウム水和結晶の含有量
は5〜100重量%が好ましく、20〜100重量%が
より好ましい。ケイ酸質材のピクリン酸/塩酸溶解法で
定量したケイ酸カルシウム水和結晶の含有量が5重量%
より少ないと、ケイ酸質肥料としての効果が少なく、適
当ではない。また、ケイ酸質材のケイ酸カルシウム水和
結晶の含有量が20重量%以上であれば、より少ない量
で肥料の効果が出るためより好ましい。
【0017】本発明で用いられるケイ酸カルシウム水和
結晶を含有するケイ酸質材として、例えば軽量気泡コン
クリート板、ゾノトライトやトバモライトからなるケイ
カル板およびこれらの端材や廃材などを挙げることがで
きる。ケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材
の製造方法として、ケイ酸成分と酸化カルシウムなどの
カルシウム成分に水加えてをスラリー状にしたものを、
一端半硬化させた後、オートクレ−ブ水蒸気養生を行う
方法を挙げることができる。
【0018】例えばケイ酸カルシウム水和結晶を含有す
るケイ酸質材は、珪石、セメント、生石灰、水を主原料
とし、石膏、原料混合物の解砕屑等を必要に応じて添加
し、さらに気泡を混入させて得られるスラリー(以下、
コンクリートスラリーという。)を使用して作ることが
できる。コンクリートスラリーに気泡を混入させること
は必須ではないが、気泡を混入させた方が、オートクレ
ーブ水蒸気養生処理するときに蒸気が入り易く、ケイ酸
カルシウム水和結晶ができやすい。コンクリートスラリ
ーに気泡を混入させるさせる方法としては、コンクリー
トスラリーにアルミニウム粉などの起泡剤を混入させて
発泡させる方法を用いてもよく、あらかじめ発泡させた
気泡をコンクリートスラリーに混入する方法を用いても
良い。
【0019】次に、コンクリートスラリーを10〜70
℃程度の温度で養生して、半硬化状コンクリート材を得
る。この半硬化状コンクリート材はコンクリートスラリ
ーを型枠に流し込み、圧縮強度が0.05〜0.4MP
aになるように養生して得ることができる。ここでいう
圧縮強度とは、JIS A 5416に準じて測定した
圧縮強度である。さらに、半硬化状コンクリート材をオ
ートクレーブ水蒸気養生して、ケイ酸カルシウム水和結
晶を含有するケイ酸質材を得る。オートクレーブ水蒸気
養生は、温度140〜400℃の温度で行う水蒸気養生
が好ましく、170〜190℃の温度で行う水蒸気養生
がより好ましい。オートクレーブ水蒸気養生温度が高け
れば高いほど、ケイ酸カルシウム水和結晶を得る硬化時
間は短くて良いが、400℃より高い場合には、ケイ酸
カルシウム水和結晶ができにくく、また、オートクレー
ブでの水蒸気養生温度が140℃未満でも、安定なケイ
酸カルシウム水和結晶ができにくく、好ましくない。
【0020】本発明において、水熱合成して得られたケ
イ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材として、
該ケイ酸質材を酸で中性化したものも好ましく用いるこ
とができる。本発明のケイ酸質肥料造粒品は、水熱合成
して得られるケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ
酸質材からなる粉体をバインダーの石膏を介して粒状に
したものである。
【0021】本発明のケイ酸カルシウム水和結晶を含有
するケイ酸質材を粒状化するバインダーの石膏は、硫酸
カルシウム水和物からなるものをいう。硫酸カルシウム
水和物の水和の程度は、特に限定しないが、1/2水塩
から9水塩の硫酸カルシウムが挙げられる。またバイン
ダーの石膏の添加量は、ケイ酸カルシウム水和結晶ケイ
酸質材100重量部に対して石膏1〜40重量部が好ま
しく、ケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材100
重量部に対して石膏5〜20重量部がより好ましい。バ
インダーの石膏の添加量が、ケイ酸カルシウム水和結晶
含有ケイ酸質材100重量部に対して1重量部より少な
いと、バインダーとして粒状を維持する効果が少なく、
好ましくない。また、バインダーの石膏の添加量が、ケ
イ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材100重量部に
対して40重量部より多いと、ケイ酸質肥料としての効
果が少なくなり、好ましくない。
【0022】また、本発明のケイ酸質肥料のバインダー
である石膏は、ケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質
材を硫酸で中性化することにより生成する硫酸カルシウ
ムの1/2水塩であっても良い。本発明のケイ酸質肥料
造粒品の粒径は、特に限定しないが、肥料に用いるため
に、粒径0.5mm〜30mmが好ましく、粒径1mm
〜10mmがより好ましい。粒径が0.5mmより小さ
いと施肥するときに飛散して目や口などにに入り易く、
また通気性、通水性の観点からも適当ではない。また、
粒径が30mmより大きいと撒きにくく、育苗などに用
いるには、粒径が大きすぎて根になじみにくく好ましく
ない。
【0023】本発明でいうpHが3.5〜8.0のケイ
酸質肥料造粒品とは、粒状のケイ酸質肥料10重量部を
蒸留水50重量部と混合して粒状の形状が壊れない程度
に撹拌、分散して7日経過後、20℃にて測定した液相
部のpHが3.5〜8.0のケイ酸質肥料造粒品をい
う。酸で中和したケイ酸カルシウム結晶含有ケイ酸質材
をケイ酸質肥料造粒品の原料に用いて、ケイ酸質肥料の
pHを3.5〜8.0に、好ましくはpHを4〜7に調
整することができる。
【0024】ケイ酸質肥料造粒品のpHを3.5〜8.
0に、好ましくはpHを4〜7に調整とすることによ
り、イネ科植物の育成に適したpHで肥料効果を得るこ
とができる。すなわち、肥料のpHが3.5より小さい
と根の伸長障害が起こり易く、pHが4以上であれば根
の伸長障害は非常に起こりにくい。また肥料のpHが
8.0を越えるとムレ苗、徒長苗の原因になり、好まし
くなく、pHが7以下であればムレ苗、徒長苗は殆ど起
こらないのでより好ましい。
【0025】次に本発明のケイ酸質肥料の製造方法を以
下に示す。 (1)ケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材を粉砕
した粉末と石膏を混合し、パン造粒機、押し出し式造粒
機、転動式造粒機などの造粒装置を用いて、水を噴霧し
ながら造粒を行い、粒状のケイ酸質肥料造粒品を得る。 (2)ケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材を硫酸
で中和して100〜150℃で熱処理した粉体を、パン
造粒機、押し出し式造粒機、転動式造粒機などの造粒装
置を用いて、水を噴霧しながら造粒を行い、粒状のケイ
酸質肥料造粒品を得る。
【0026】(1)の製造方法では、石膏として水硬化
性の硫酸カルシウム1/2水塩が好ましい。硫酸カルシ
ウムの割合は、ケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質
材100重量部に対して石膏1〜40重量部が好まし
く、ケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材100重
量部に対して石膏5〜20重量部がより好ましい。バイ
ンダーの石膏の割合が、ケイ酸カルシウム水和結晶含有
ケイ酸質材100重量部に対して石膏1重量部より少な
いと、バインダーとして粒状を維持する効果が少なく、
好ましくない。また、バインダーの石膏の割合が、ケイ
酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材100重量部に対
して石膏40重量部より多いと、ケイ酸質肥料としての
効果が少なくなり、好ましくない。
【0027】(2)の製造方法では、ケイ酸カルシウム
水和結晶含有ケイ酸質材を硫酸で中性化するときできる
硫酸カルシウムをバインダーとして造粒する。ケイ酸カ
ルシウム水和結晶含有ケイ酸質材を硫酸で中和すると硫
酸カルシウム2水塩が得られる。本発明では、この硫酸
カルシウム2水塩を含む中性のケイ酸カルシウム水和結
晶含有ケイ酸質材を100〜150℃で熱処理して、1
/2水塩の焼石膏(硫酸カルシウム1/2水塩)を含む
中性のケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材得る。
この焼石膏は、水硬化性を示すため、この焼石膏(硫酸
カルシウム1/2水塩)を含む中性のケイ酸質材に水を
加えて造粒することにより、焼石膏をバインダーとした
中性のケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材の造粒
品を得ることができる。この焼石膏をバインダーとした
中性のケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材の造粒
品は本発明のケイ酸質肥料造粒品である。
【0028】(2)の方法で用いる水熱合成して得られ
たケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材は硫酸で中
和して石膏を得る必要があるので、カルシウムを含む必
要がある。水熱合成して得られたケイ酸カルシウム水和
結晶含有ケイ酸質材のカルシウム含有割合は、重量%で
5〜60%が好ましく、10〜40%がより好ましい。
ケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材のカルシム含
有量が多過ぎて60%を越えると肥料となるケイ酸含有
量が少なく、適当ではない。また、ケイ酸カルシウム水
和結晶含有ケイ酸質材のカルシム含有量が少な過ぎて、
5%より少ない場合には、バインダーとなる石膏の量が
少な過ぎて、うまく造粒ができず好ましくない。ケイ酸
カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材を硫酸で中和する際
の硫酸の量は、ケイ酸カルシウムに含まれるカルシウム
の量により異なる。通常の場合ケイ酸カルシウム水和結
晶含有ケイ酸質材に含まれるカルシウムモル量とほぼ当
モル量の硫酸を加えることにより、ケイ酸カルシウム水
和結晶含有ケイ酸質材を中和できる。ケイ酸カルシウム
水和結晶含有ケイ酸質材のpHと、該ケイ酸カルシウム
水和結晶含有ケイ酸質材を原料として製造したケイ酸質
肥料造粒品のpHはほぼ同じであることから、pH3.
5〜8.0のケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材
を原料に用いることによりpH3.5〜8.0のケイ酸
質肥料造粒品を得ることができる。
【0029】なお(1)および(2)の方法で造粒を行
う際の粉体の粒径は、造粒が行える程度であれば良く、
使用する造粒装置の種類や大きさによって異なるが、一
般的には細かければ細かいほど造粒が容易であり、目開
き250μmのふるいを通過する程度の細かい粒径に調
整することが好ましい。なおここでいう粉体とは、ケイ
酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材及び石膏を含むも
のであり、ケイ酸カルシウム水和結晶含有ケイ酸質材は
酸で中和されたものであっても中和されないものであっ
ても、両者の混合物でも良い。
【0030】本発明のケイ酸質肥料の使用方法として
は、(1)本発明のケイ酸質肥料造粒品をイネ科植物の
苗床へ敷設して、育苗後に苗床ごと栽培土壌に植える方
法、(2)本発明のケイ酸質肥料造粒品をイネ科植物の
栽培土壌に散布する方法、(3)本発明のケイ酸質肥料
を水田の一又は数カ所に局所的に敷設する方法、などが
挙げられる。(1)の本発明のケイ酸質肥料造粒品をイ
ネ科植物の苗床へ敷設する場合には、本発明のケイ酸質
肥料造粒品と培土とを適当な割合で混合したものに、窒
素、リン酸、カリ肥料を加え、必要に応じて病原菌や害
虫防止剤などを加え、苗床とし、その苗床の上に催芽籾
を播き、培土または本ケイ酸質肥料造粒品で覆土する方
法がある。本ケイ酸質肥料と培土を混合する場合の混合
割合は、特に限定しないが、本ケイ酸質肥料100重量
部に対し、培土10〜5000重量部が好ましい。培土
が5000重量部を越えると本ケイ酸質肥料の効果が少
ない。また、培土が10重量部より少ない場合には、根
の発育が良くない場合があり、好ましくない。
【0031】(2)の本発明のケイ酸質肥料をイネ科植
物の栽培土壌に散布する場合には、栽培土壌1000m
2当たり本発明のケイ酸質肥料を10〜1000kg施
肥することが好ましい。本発明のケイ酸質肥料の施肥量
が、栽培土壌1000m2当たり10kgより少ない場
合には、本ケイ酸質肥料の効果が少ない。また、本発明
のケイ酸質肥料の施肥量が、栽培土壌1000m2当た
り1000kgより多い場合には、必要以上に肥料を多
く施肥することになり、好ましくない。(3)の本発明
のケイ酸質肥料を水田の一又は数カ所に局所的に敷設す
る場合には、例えば、水田の取水口付近に本ケイ酸質肥
料を敷設することが好ましい。本ケイ酸質肥料を敷設す
る量は、水田1000m2当たり本発明のケイ酸質肥料
を10〜1000kg施肥することが好ましい。本発明
のケイ酸質肥料の施肥量が、水田1000m2当たり1
0kgより少ない場合には、本ケイ酸質肥料の効果が少
ない。また、本発明のケイ酸質肥料の施肥量が、水田1
000m2当たり1000kgより多い場合には、必要
以上に肥料を多く施肥することになり、あまり適当では
ない。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明のケイ酸質肥料造粒
品とその製造方法を説明する。なお本実施例で使用した
測定法は、以下の通りである。 (1)圧縮強度 JIS A 5416に準じて測定した値。 (2)ピクリン酸/塩酸溶解法によるケイ酸カルシウム
水和結晶を含むケイ酸質材のケイ酸カルシウム水和結晶
の含有重量% 以下の手順で測定したケイ酸カルシウム水和結晶を含む
ケイ酸質材中のケイ酸カルシウム水和結晶の含有重量%
をいう。 ケイ酸カルシウム水和結晶を含むケイ酸質材を粉砕し
て、60℃乾燥機中で3日乾燥させ、乾燥後ふるい目の
開き90μmと32μmのふるいでふるい分けを行い、
ふるいにより粒径32〜90μm調整した微粉サンプル
Aを得る。 ピクリン酸15gとメチルアルコール500mlを混
合した溶液に、微粉サンプルAを2g添加して、室温で
3時間撹拌して、スラリー液Aを得る。 スラリー液AをJIS規格検定5種Bの濾紙で濾過し
て濾過液を取り、濾過液を110℃乾燥機中で蒸発乾固
させ、その蒸発乾固物Aを得る。 蒸発乾固物Aを2規定塩酸200mlに完全に溶解
し、溶液Aを得る。溶液Aのケイ素(Si)濃度とカル
シウム(Ca)濃度をICP発光分析法で定量する。溶
液Aのケイ素(Si)がすべてケイ酸(SiO2)から
由来し溶液Aのカルシウム(Ca)がすべて酸化カルシ
ウム(CaO)として、溶液A中のケイ酸重量と酸化カ
ルシウム重量の和をグラム単位で求め、ケイ酸カルシウ
ム重量Aとする。
【0033】60℃の2規定塩酸100mlに微粉サ
ンプルAを2g添加して、60℃で15分撹拌してスラ
リー液Bを得る。 スラリー液BをJIS規格検定5種Bの濾紙で濾過し
て濾過液を取り、濾過液を110℃乾燥機中で蒸発乾固
させ、その蒸発乾固物Bを得る。 蒸発乾固物Bを2規定塩酸200mlに完全に溶解
し、溶液Bを得る。溶液Bのケイ素(Si)濃度とカル
シウム(Ca)濃度をICP発光分析法で定量する。溶
液Bのケイ素(Si)がすべてケイ酸(SiO2)から
由来し、溶液Bのカルシウム(Ca)がすべて酸化カル
シウム(CaO)として、溶液B中のケイ酸重量と酸化
カルシウム重量の和をグラム単位で求め、ケイ酸カルシ
ウム重量Bとする。 ケイ酸カルシウム水和結晶を含むケイ酸質材中のケイ
酸カルシウム水和結晶の含有重量%を以下の式で求め
る。 ケイ酸カルシウム水和結晶を含むケイ酸質材中のケイ酸
カルシウム水和結晶の含有重量%=(ケイ酸カルシウム
重量B−ケイ酸カルシウム重量A)/2×100 (3)苗地上部のケイ酸含有率 苗地上部を80℃乾燥器中で恒量になるまで充分に乾燥
させた苗乾物1gを取り、10gの無水炭酸ナトリウム
を加え、混合してから白金るつぼに移し、加熱してアル
カリ溶融する。放冷後白金るつぼの中の固塊を熱蒸留水
で溶かす。さらに熱蒸留水で溶かした溶液に、塩酸と蒸
留水を加え、塩酸0.5規定の200mlの溶液Dを得
る。この溶液D中のケイ素(Si)濃度をICP発光分
析法で定量する。溶液D中のケイ素(Si)がすべてケ
イ酸(SiO2)から由来するとして、溶液D中のケイ
酸重量Dを求める。ケイ酸重量Dは、苗乾物1g中のケ
イ酸重量であるため、ケイ酸重量Dから苗地上部のケイ
酸含有率を重量%で求める。
【0034】
【実施例1】珪石53重量部、生石灰7.5重量部、普
通ポルトランドセメント37重量部、乾燥石膏2.5重
量部、これら固形分100重量部に対し水70重量部、
アルミ粉末0.060重量部をスラリー状に混合し、型
枠に注入した。この型枠に注入したスラリーを40℃の
恒温室に入れ、硬化時間を調整して、圧縮強度が0.1
MPaの半硬化状気泡コンクリート材を得た。
【0035】この半硬化状気泡コンクリート材を、室温
から180℃に昇温2時間、180℃定温5時間、18
0℃から室温に降温3時間かけて、オートクレーブ水蒸
気養生を行い軽量気泡コンクリート板を得た。この軽量
気泡コンクリート板は、本発明でいう水熱合成して得ら
れたケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材で
ある。この軽量気泡コンクリート板を粉砕して、目開き
250μmのふるいでふるい、ふるいを通過した軽量気
泡コンクリート粉を得た。
【0036】この軽量気泡コンクリート粉5kgと蒸留
水15kgを混合し、さらに12規定硫酸を3520m
l加えて撹拌し、7日後に、そのスラリー上澄みの20
℃におけるpHを測定したところ7.0であった。この
中和した軽量気泡コンクリートスラリーを5種Cの濾紙
で濾過して、濾紙上の固体部分を140℃で3日乾燥さ
せ、恒量になるまで水分を除いて中和した軽量気泡コン
クリート粉を得た。この中和した軽量気泡コンクリート
粉を、目開き250μmのふるいでふるい、ふるいを通
過した中和軽量気泡コンクリート粉を得た。この中和軽
量気泡コンクリート粉は、本発明でいう水熱合成して得
られたケイ酸カルシウム水和結晶を含有するケイ酸質材
からなる粉体である。
【0037】このケイ酸質粉末中のケイ酸カルシウム水
和結晶の含有量(重量%)をピクリン酸/塩酸溶解法で
測定したところ、46重量%であった。この中性化した
ケイ酸質材からなる粉体を、ミキサー(日本アイリッヒ
(株)製 アイリッヒミキサーR−02型)を用いて造
粒を行い、造粒品を作った。造粒では、ミキサーで中性
化したケイ酸質材からなる粉体を回転させながら蒸留水
を噴霧して造粒した。造粒後、造粒品を60℃乾燥器中
で1日乾燥後、粒状のケイ酸質肥料造粒品を得た。粒状
のケイ酸質肥料は、目開き2.00mmと4.75mm
のふるいを用いてふるい、ふるい径2.00〜4.75
mmのケイ酸質肥料造粒品を得た。
【0038】このケイ酸質肥料造粒品20gに蒸留水1
00gを加え、撹拌、分散して7日経過後、20℃にて
測定した液相部のpHは、6.9であった。このケイ酸
質肥料造粒品1500gと水稲育苗培土(片倉チッカリ
ン(株)製、粒状ぱあるまっと)1500gを混合した
ものと 、初期抑制型被覆肥料(旭化成工業(株)製
苗箱まかせNK301−100(30−0−10))7
00g、立ち枯れ防止剤(三共(株)製 タチガレエー
ス)6gを混合し、1苗箱用の床土とした。さらに床土
には、速攻性肥料として硫酸アンモニウム、リン酸−石
灰、塩化カリウムを添加し、窒素、リン酸、カリが1苗
箱当たり各1.5gになるように補正した。この苗床の
厚さは、2cm程度であった。
【0039】この上に催芽籾(こしひかり)140gを
均一に播き、充分灌水し、水稲育苗培土(片倉チッカリ
ン(株)製 粒状ぱあるまっと)1200gで覆土して
育苗の設置をした。播種3日後に出芽苗における種子露
出または根上りは無く、また、出芽も良好であった。さ
らに播種後22日間苗を育てた。苗の葉色や、障害など
外観上の問題は無かった。この苗の草丈、苗地上部のケ
イ酸含有率、を測定した結果を表1に示す。表1から判
るように、本実施例のケイ酸質肥料造粒品を施肥したも
のは、これを使用しない比較例1に比べ、苗の草丈およ
び苗地上部のケイ酸含有率が大きく、成長が良い。
【0040】
【実施例2】実施例1において軽量気泡コンクリート粉
5kgと蒸留水15kgを混合し、さらに12規定硫酸
を3540ml加えて撹拌し、12規定硫酸を加えて7
日後に、そのスラリー上澄みの20℃におけるpHを
6.0に調整した以外は実施例1と同様にしてふるい径
2.00〜4.75mmのケイ酸質肥料造粒品を得た。
このケイ酸質肥料造粒品20gに蒸留水100gを加
え、撹拌、分散して7日経過後、20℃にて測定した液
相部のpHは、5.9であった。
【0041】このケイ酸質肥料造粒品1500gを用い
て、実施例1と同様に苗床、育苗の設置をした。播種3
日後に出芽苗における種子露出または根上りは無く、ま
た、出芽も良好であった。さらに播種後22日間苗を育
てた。苗の葉色や、障害など外観上の問題は無かった。
この苗の草丈、苗地上部のケイ酸含有率、を測定した結
果を表1に示す。表1から判るように、本実施例のケイ
酸質肥料造粒品を施肥したものは、これを使用しない比
較例1に比べ、苗の草丈および苗地上部のケイ酸含有率
が大きく、成長が良い。
【0042】
【実施例3】実施例1において軽量気泡コンクリート粉
5kgと蒸留水15kgを混合し、さらに12規定硫酸
を3560ml加えて撹拌し、12規定硫酸を加えて7
日後に、そのスラリー上澄みの20℃におけるpHを
5.0に調整した以外は実施例1と同様にしてふるい径
2.00〜4.75mmのケイ酸質肥料造粒品を得た。
このケイ酸質肥料造粒品20gに蒸留水100gを加
え、撹拌、分散して7日経過後、20℃にて測定した液
相部のpHは、4.9であった。
【0043】このケイ酸質肥料造粒品1500gを用い
て、実施例1と同様に苗床、育苗の設置をした。播種3
日後に出芽苗における種子露出または根上りは無く、ま
た、出芽も良好であった。さらに播種後22日間苗を育
てた。苗の葉色や、障害など外観上の問題は無かった。
この苗の草丈、苗地上部のケイ酸含有率、を測定した結
果を表1に示す。表1から判るように、本実施例のケイ
酸質肥料造粒品を施肥したものは、これを使用しない比
較例1に比べ、苗の草丈および苗地上部のケイ酸含有率
が大きく、成長が良い。
【0044】
【実施例4】実施例1において軽量気泡コンクリート粉
5kgと蒸留水15kgを混合し、さらに12規定硫酸
を3570ml加えて撹拌し、12規定硫酸を加えて7
日後に、そのスラリー上澄みの20℃におけるpHを
4.0に調整した以外は実施例1と同様にしてふるい径
2.00〜4.75mmのケイ酸質肥料造粒品を得た。
このケイ酸質肥料造粒品20gに蒸留水100gを加
え、撹拌、分散して7日経過後、20℃にて測定した液
相部のpHは、4.1であった。
【0045】このケイ酸質肥料造粒品1500gを用い
て、実施例1と同様に苗床、育苗の設置をした。播種3
日後に出芽苗における種子露出または根上りは無く、ま
た、出芽も良好であった。さらに播種後22日間苗を育
てた。苗の葉色や、障害など外観上の問題は無かった。
この苗の草丈、苗地上部のケイ酸含有率、を測定した結
果を表1に示す。表1から判るように、本実施例のケイ
酸質肥料造粒品を施肥したものは、これを使用しない比
較例1に比べ、苗の草丈および苗地上部のケイ酸含有率
が大きく、成長が良い。
【0046】
【実施例5】本実施例では、軽量気泡コンクリート粉と
して、旭化成工業(株)製ヘーベルライトの施工現場廃
材を粉砕したものを用いた。旭化成工業(株)製ヘーベ
ルライトの施工現場廃材をハンマーでたたいて粗粉砕し
て、内部の補強ラス網部と軽量気泡コンクリート部を分
離した。この軽量気泡コンクリート部を粉砕して、目開
き250μmのふるいでふるい、ふるいを通過した軽量
気泡コンクリート粉を得た。
【0047】この現場廃材から得た軽量気泡コンクリー
ト粉5kgと蒸留水15kgを混合し、さらに12規定
硫酸を3060ml加えて撹拌し、7日後に、そのスラ
リー上澄みの20℃におけるpHを測定したところ5.
5であった。この中和した軽量気泡コンクリートスラリ
ーを実施例1と同様に処理して、中和軽量気泡コンクリ
ート粉を得た。この中和軽量気泡コンクリート粉のケイ
酸カルシウム水和結晶の含有量(重量%)をピクリン酸
/塩酸溶解法で測定したところ、40重量%であった。
【0048】この中和軽量気泡コンクリート粉を用い
て、実施例1と同様の方法で造粒して、ふるい径2.0
0〜4.75mmの培土被覆ケイ酸質肥料を得た。この
ケイ酸質肥料造粒品20gに蒸留水100gを加え、撹
拌、分散して7日経過後、20℃にて測定した液相部の
pHは、5.4であった。このケイ酸質肥料造粒品15
00gを用いて、実施例1と同様に苗床、育苗の設置を
した。播種3日後に出芽苗における種子露出または根上
りは無く、また、出芽も良好であった。さらに播種後2
2日間苗を育てた。苗の葉色や、障害など外観上の問題
は無かった。この苗の草丈、苗地上部のケイ酸含有率、
を測定した結果を表1に示す。表1から判るように、本
実施例のケイ酸質肥料造粒品を施肥したものは、これを
使用しない比較例1に比べ、苗の草丈および苗地上部の
ケイ酸含有率が大きく、成長が良い。
【0049】
【実施例6】実施例1において、実施例5と同様に作成
した中和軽量気泡コンクリート粉1000gに対して石
膏として硫酸カルシウム1/2水塩200gを均一に混
合した粉体を用いた以外は実施例1と同様にして、ふる
い径2.00〜4.75mmのケイ酸質肥料造粒品を得
た。このケイ酸質肥料造粒品20gに蒸留水100gを
加え、撹拌、分散して7日経過後、20℃にて測定した
液相部のpHは、5.4であった。このケイ酸質肥料造
粒品1500gを用いて、実施例1と同様に苗床、育苗
の設置をした。播種3日後に出芽苗における種子露出ま
たは根上りは無く、また、出芽も良好であった。さらに
播種後22日間苗を育てた。苗の葉色や、障害など外観
上の問題は無かった。この苗の草丈、苗地上部のケイ酸
含有率、を測定した結果を表1に示す。
【0050】
【比較例1】ケイ酸質肥料造粒品を施肥せずに、実施例
1と同様に苗床、育苗の設置をした。播種3日後、及び
播種22日後の草丈、苗地上部のケイ酸含有率を測定し
た結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明のケイ酸質肥料造粒品は粒状であ
ることから施肥し易く、また、施肥したものは、これを
用いないものに比べ、苗の成長が良く、草丈、苗地上部
のケイ酸含有率において、優れた結果を示し、本発明の
ケイ酸質肥料造粒品がイネ科植物に優れた効果を示すこ
とが判った。また、軽量気泡コンクリート端材などの廃
材を再利用し、安価なケイ酸質肥料を提供することが可
能であり、産業上、大いに有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水熱合成して得られるケイ酸カルシウム
    水和結晶を含有するケイ酸質材を、石膏をバインダーと
    して粒状にしてなることを特徴とするケイ酸質肥料造粒
    品。
  2. 【請求項2】 石膏がケイ酸質材に硫酸を加えて生成す
    る石膏であることを特徴とする請求項1記載のケイ酸質
    肥料造粒品。
  3. 【請求項3】 pHが3.5〜8.0であることを特徴
    とする請求項1又は2記載のケイ酸質肥料造粒品。
  4. 【請求項4】 水熱合成して得られるケイ酸カルシウム
    水和結晶を含有する粉末状のケイ酸質材に硫酸を加えて
    得られた粉体を熱処理し、水を加えて造粒することを特
    徴とする請求項1、2又は3記載のケイ酸質肥料造粒品
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載のケイ酸質肥料
    造粒品を、育苗床または栽培土壌用肥料として用いるこ
    とを特徴とするイネ科植物の栽培方法。
JP35916399A 1999-12-17 1999-12-17 ケイ酸質肥料造粒品 Withdrawn JP2001172092A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35916399A JP2001172092A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 ケイ酸質肥料造粒品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35916399A JP2001172092A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 ケイ酸質肥料造粒品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001172092A true JP2001172092A (ja) 2001-06-26

Family

ID=18463074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35916399A Withdrawn JP2001172092A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 ケイ酸質肥料造粒品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001172092A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006000043A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Mitsubishi Materials Corp 水稲のカドミウム吸収抑制方法
JP2009273371A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Mitsubishi Material Kenzai Corp 造粒人工土壌の製造方法
WO2012034016A1 (en) * 2010-09-10 2012-03-15 Harsco Corporation Agricultural blend comprising a sulfate source and calcium silicate and process of forming thereof
JP2015067513A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 太平洋セメント株式会社 ケイ酸質肥料および水稲の育苗方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006000043A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Mitsubishi Materials Corp 水稲のカドミウム吸収抑制方法
JP4655516B2 (ja) * 2004-06-17 2011-03-23 三菱マテリアル株式会社 水稲のカドミウム吸収抑制方法
JP2009273371A (ja) * 2008-05-12 2009-11-26 Mitsubishi Material Kenzai Corp 造粒人工土壌の製造方法
WO2012034016A1 (en) * 2010-09-10 2012-03-15 Harsco Corporation Agricultural blend comprising a sulfate source and calcium silicate and process of forming thereof
CN102811977A (zh) * 2010-09-10 2012-12-05 哈斯科公司 含有硫酸盐源和硅酸钙的农业混合物及其形成方法
JP2015067513A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 太平洋セメント株式会社 ケイ酸質肥料および水稲の育苗方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060117655A1 (en) Agglomerated volcanic ash
JP5336706B2 (ja) 土壌改良性肥料
WO2017029883A1 (ja) 防草材及びその使用方法
JP2001172092A (ja) ケイ酸質肥料造粒品
KR100746822B1 (ko) 바텀애쉬, 폐경량기포콘크리트 및 점토를 이용한토양개량제
JP2001158685A (ja) 崩壊性粒状肥料及びその製造方法
JPH10152363A (ja) 植栽用コンクリート基盤の製造方法及び植栽用コンクリート 製品
JP2001181073A (ja) 粒状培土混合ケイ酸質肥料
JPH06271379A (ja) 造粒成形物
KR100503703B1 (ko) 입상 규산질 비료
JP6086834B2 (ja) 肥料、その製造方法、および作物の栽培方法
TW567179B (en) Granular silica fertilizers
KR101852125B1 (ko) 지렁이 분변토가 함유된 녹지조성용 토양조성물 및 이의 제조방법
JP6545637B2 (ja) ゼオライト含有硬化体およびゼオライト含有硬化体の製造方法
KR20060103745A (ko) 폐석고가 함유된 석회질 개토제 조성물
JP3766898B2 (ja) 新規な高カルシウム作物用土壌改良剤
JPH07121836B2 (ja) 土壌改良肥料
JP3028994B2 (ja) 機械散布に適した稲用の珪酸質肥料及び稲の施肥方法
JPH05244820A (ja) 植物栽培用多孔性人工土壌体およびその製造方法
JP2003246618A (ja) 崩壊性粒状石膏
JP2007008792A (ja) 植物用ケイ酸補給材及びその製造方法
JP6204136B2 (ja) ケイ酸質肥料および水稲の育苗方法
JP2011223939A (ja) 不燃性軽量マルチング材およびその製造方法
JPH08333178A (ja) 緑化用コンクリート
JPH01226785A (ja) 珪酸カルシウム肥料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070306