JP2001171699A - チューブ容器装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な使用方法で楽に、収納した練り状物を
最後まで使い尽くすことができ、さらに使用時に周囲を
汚染させることのない練り状物のチューブ容器装置を提
供する。 【構成】 開口筒部２６を有する中空袋体であって外部
から押圧しても形状復元性を有する外側容器１２と、外
側容器１２の中空内部に配置され吐出開口２８を前記開
口筒部２６または外側容器１２内壁に接合させ外側容器
１２との間に気密空隙Ｓ２を形成させるように設けら
れ、さらに内部に練り状物Ｇが収納される中空袋状の内
側容器１４と、外側容器１２の外部から気密空隙Ｓ２側
への方向にのみ空気を通流させる逆止弁機構１６と、を
含むチューブ容器装置１０から構成される。通常で膨ら
んだ状態に戻る外側容器１２を指等で押圧させる極めて
簡単な操作だけで、内側容器１４から練り状物Ｇを瞬時
に吐出させ最後まで使い尽くすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハミガキ
粉、練りワサビ、マヨネーズその他の様々な練り状物を
収納させ外部から押圧されて所要量を吐出させるチュー
ブ容器装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、練り状物を収納させる容器装置と
して、図９に示すような例えば練り歯磨きを収容させた
チューブ容器が広く実用化されている。このチューブ容
器では一端を扁平状に圧着接合させた略円筒形の合成樹
脂製容器を指等で押しつぶしても形状復元可能に設け、
容器内部に練り歯磨きを充填させた構造となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
チューブ容器では、練り歯磨きの収納量が少なくなった
状態から絞り出すには、図９（ｂ）に示すように開口と
離反する方向である後側から順次絞るようにして練り状
物を吐出口に送らねばならなかった。これは使用者にと
って煩雑なものであり、特に、指先を器用に動かせない
障害者やお年寄りにはストレスを感じさせるものであ
る。さらに、図９（ａ）のように保存中にチューブ容器
内に空気を含んでしまった状態で押圧すると、圧縮され
た空気が練り状物を破裂状に飛び出させ周囲を汚染させ
ることがあった。これらの理由から収納した練り状物を
最後まで使い尽くすことが難しく、無駄の多いものであ
った。

【０００４】本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は簡単な使用方法で楽に収納し
た練り状物を最後まで使い尽くすことができ、さらに使
用時に周囲を汚染させることのない練り状物のチューブ
容器装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、開口筒部２６を有する中空袋体であって
外部から押圧しても形状復元性を有する外側容器１２
と、外側容器１２の中空内部に配置され吐出開口２８を
前記開口筒部２６または外側容器１２内壁に接合させ外
側容器１２との間に気密空隙Ｓ２を形成させるように設
けられ、さらに内部に練り状物Ｇが収納される中空袋状
の内側容器１４と、外側容器１２の外部から気密空隙Ｓ
２側への方向にのみ空気を通流させる逆止弁機構１６
と、を含むチューブ容器装置１０から構成される。

【０００６】また、逆止弁機構１６は気密空隙Ｓ２と外
側容器１２の外部とを連通させる連通孔３２であること
としてもよい。

【０００７】また、内側容器１４は任意に形状変形が可
能な柔軟性がある厚みが薄い袋体からなり、該内側容器
１４には気密空隙Ｓ２を介して圧縮されたときに練り状
物Ｇを吐出開口２８側に移動案内させるソリッド案内路
３０が設けられてなることとしてもよい。

【０００８】また、気密空隙Ｓ２は内側容器１４の外周
に周状に設けられてなることとしてもよい。

【０００９】さらに、本発明は、開口筒部２６を有する
中空袋体であって外部から押圧しても形状復元性を有す
る外側容器１２と、外側容器１２の中空内部に本体が配
置されるとともに口縁３８が開口筒部２６から外部に引
き出され、内部に練り状物Ｇが収納される中空袋状の内
側容器１４と、外側容器１２の開口筒部２６から外部に
引きだされた内側容器１４の口縁３８を折り返した状態
で開口筒部２６に外部から嵌合離脱自在に取りつけられ
るアダプタ筒４０と、を有し、アダプタ筒４０の開口筒
部２６に取りつけた状態で外側容器１２と内側容器１４
との間に形成される気密空隙Ｓ２と、外側容器１２の外
部から気密空隙Ｓ２側への方向にのみ空気を通流させる
逆止弁機構１６と、を含むチューブ容器装置１０−１か
ら構成される。

【００１０】また、逆止弁機構１６は気密空隙Ｓ２と外
側容器１２の外部とを連通させる連通孔３２であること
としても良い。

【００１１】

【実施例及び発明の実施の形態】以下、図面に基づいて
本発明のチューブ容器装置の好適な実施例を説明する。
図１ないし図６は本発明の第１実施例を示す。チューブ
容器装置１０は、例えば練り歯磨き、練りワサビ、練り
からし、マヨネーズ、その他の様々な練り状物Ｇを収納
させ外部から押圧されて所要量を吐出させる容器装置で
ある。図１に示すように本実施例のチューブ容器装置１
０は例えば練り歯磨きを充填したものであり、従来のチ
ューブ容器装置に似て一端側に短円筒形の開口筒部２６
を有し、他端側をしだいに偏平状として端部を結合して
閉止させた変形円筒体形状となっている。

【００１２】図２はチューブ容器装置１０の内部を示す
図１Ａ−Ａ線断面図であり、図３は同Ｂ−Ｂ線断面図で
ある。図２および図３に示すように本実施例のチューブ
容器装置１０は、外側容器１２と、外側容器の内部に二
重袋体構造をなすように収容された内側容器１４と、外
側容器１２に設けられた逆止弁機構１６と、を備えてい
る。

【００１３】図１および図２に示すように外側容器１２
は、容器の円筒形胴部１８と円筒形胴部１８からしだい
に扁平状に収束し閉止された後端部２０とを有する外側
容器本体２２と、外側容器本体２２の一端側に連結部２
４を介して連設された開口筒部２６と、を備えている。
外側容器本体２２は例えば２ｍｍ以内程度の厚みの合成
樹脂製であってしなやかに変形可能で且つ気密性を有す
る素材から形成され、図２に示すように円筒の一端をつ
ぶして融着させ閉止端２２ａとさせた中空袋体として形
成されている。

【００１４】図２において、円筒形胴部１８の後端部２
０と逆側の端部は円筒形胴部１８から段差状に縮径した
板状円盤部材からなる連結部２４と接続され、さらにこ
の連結部と開口筒部２６が連結されている。連結部２４
は、ある程度の堅さを有しややコシのある合成樹脂で形
成させた中心孔を有する板状円盤部材である。円盤の外
周円の直径大きさは、外側容器本体２２の円筒直径と同
一であり、外側容器本体２２と気密をもって接合されて
いる。また、円盤状の連結部２４の中心側、すなわち中
心孔側は外側容器本体２２から外側に向けてテーパ状に
若干突き出して傘状に形成されている。そして、板状円
盤部材である連結部２４は、半径方向となる中心方向に
向けて強く押圧されると中心孔を外側容器本体２２から
外方向に突き出して変形する。このように、連結部２４
は、ある程度の堅さを有する合成樹脂によって若干のテ
ーパをもった円盤あるいは薄円板に形成されているの
で、その外周縁を外部から押圧されても強い形状復元性
を発揮する。これによって、この連結部２４に一体接合
されている外側容器本体２２を外部から押圧しても、外
力解除後は外側容器本体２２部分が連結部２４に引き張
られて円筒形状に復帰するようになっている。すなわ
ち、連結部２４は、外側容器本体２２を形状復元させる
ように付勢している。

【００１５】一方、板状円盤部材の連結部の中心孔に一
体的に連設されて開口筒部２６が接続されている。開口
筒部２６は、合成樹脂で形成されたやや肉厚の短円筒形
体であり、人の指で押圧されてもほとんど変形しない程
度の硬さに形成されている。開口筒部２６は、常に開か
れた状態に維持されている。また、開口筒部２６の開放
端側は保管時に嵌合蓋（図示せず）を嵌合させ容易に離
脱させないように外周の直径が拡大されている。

【００１６】なお、外側容器１２の構成は本実施例に限
定されるものではなく、例えば板状円盤部材すなわち,
連結部２４を設けずに開口筒部２６に接続して通常の液
体ボトル形状に一体的に成型しても良い。また、開口筒
部２６に隣接する部分を硬くし、外側容器本体部分をや
や柔らかいように袋体の合成樹脂の厚みを連続的にある
いは段階的に薄く成型させてもよい。また、リング状に
形成した金属バネ線材やプラスチックを並列させてチュ
ーブ形状の復元性フレームを形成し、薄いビニールを張
設させて形成してもよい。

【００１７】図２ないし図４において、外側容器１２の
中空内部には内部に練り状物Ｇが直接に収納される内側
容器１４が配置されている。内側容器１４は、任意に形
状変形が可能な柔軟性がある厚みが薄い薄膜素材で形成
され、一端側に練り状物Ｇの吐出開口２８を有し、１つ
の出口のみを有して他の本体部分をやや横長筒状に展ば
され他端を閉鎖させた袋体として構成されている。実施
例において、内側容器１４は全体としてビニール薄膜か
ら形成され、内部に練り歯磨きやケチャップ等の練り状
物を収納させたときに外部から指等で押圧すると押圧さ
れたぶん内容物とともに変形して形状復元しないように
なっている。

【００１８】図４にも示すように、実施例において、内
側容器１４の本体には長手方向、すなわち袋底部から吐
出開口２８側にかけて周方向の対向位置に筋状に２個の
ソリッド案内路３０が設けられている。このソリッド案
内路３０は必ずしも設ける必要はないが、やわらかな素
材で形成される内側容器１４内の練り状物を円滑、確実
に吐出開口２８側に押圧時に送り移動させる上で好適で
ある。また、実施例において、詳細には内側容器１４は
一端側の吐出開口２８から袋底部にかけて長手方向に折
り目線３６を付けられた鞘状の細長い中空袋状に形成さ
れている。

【００１９】ソリッド案内路３０はややコシの強いゴム
製で細く長い断面円弧状の樋状に形成されており、それ
ぞれ円弧の内側を対面させるように設けられている。ソ
リッド案内路３０は内側容器１４に一体的に成型させて
もよいし、また別体製造したものを接合させるようにし
てもよい。ソリッド案内路３０は、指等で外部から外側
容器１２を押圧させ、後述する気密空隙を介して内側容
器１４が圧縮されるときに内部に充填させた練状物を吐
出開口２８側に移動案内させ、押圧動作に応動して円滑
に内容物が吐出されるようにするものである。そして、
内側容器１４の中程が先に押圧され偏平にされても袋底
部近傍から吐出開口２８までの連通路を確保する。ソリ
ッド案内路は本実施例のように２つである必要はなく、
１つでもよい。

【００２０】図２、３に示すように、内側容器１４の吐
出開口２８の外面と外側容器２０の開口筒部２６の内壁
面とは接着接合されており、これによって、外側容器１
２の内壁と内側容器１４の外表面との間には気密空隙Ｓ
２が形成されている。すなわち、チューブ容器装置１０
は、外側容器２０と内側容器１４で開口を共有する二重
袋体になされており、２つの袋体の間に気密空隙Ｓ２を
形成させている。実施例において、気密空隙Ｓ２は内側
容器１４の外周に周状に設けられており、外側容器１２
の任意のいずれの部分を押圧しても、気密空隙Ｓ２によ
る内側容器１４への圧縮押圧力が付加されるようになっ
ている。なお、内側容器１４の吐出開口２８を外側容器
１２に接合させる位置は、例えば連結部２４の内壁や円
筒形胴部１８の内壁でもよい。

【００２１】さらに、図１ないし図３に示すように外側
容器２０には、外側容器１２の外部から気密空隙Ｓ２側
への方向にのみ空気を通流させる逆止弁機構１６が設け
られている。これにより、形状復元性を有する外側容器
１２と内側容器１４との間に常時気密空隙Ｓ２を形成さ
せるようにし、練り状物を最大限充填させた状態、すな
わち円筒形胴部１８をほぼ円筒形状に常時形状復元させ
た外側容器１２を押圧することにより簡単に充填物が開
口筒部２６から外部に吐出される。実施例において、外
側容器の本体部２２の胴側であって指で押圧する際に同
時的に塞ぎやすい位置に、気密空隙Ｓ２と外側容器１２
の外部とを連通させる連通孔３２が設けられており、こ
れが逆止弁機構１６とされる。すなわち、図２および図
３に示すように、気密空隙Ｓ２は連通孔３２によっての
み外部と連通し得る状態で内側容器１４の外周を周状に
包囲している。

【００２２】この連通孔３２を指などで塞ぎつつ外側容
器１２を押圧すると、気密空隙Ｓ２内の空気は連通孔３
２を通流できず逃げ場が無いので内側容器１４を圧縮す
る。連通孔３２を開放させたときには、外部容器１２の
形状復元作用に伴って、外部から気密空隙Ｓ２側への方
向には自由に空気が通流する。

【００２３】逆止弁機構１６は、上述のように外側容器
１２の外部から気密空隙Ｓ２側への方向にのみ空気を通
流させ、逆に気密空隙Ｓ２側から外側容器１２の外部側
へは空気が通流しないようにするものであればよい。図
５は逆止弁機構１２の他の実施例であり、図５の逆止弁
機構１２は連通孔５２と栓弁５４からなっている。連通
孔５２は外側容器１２の閉止端２２ａの近くに設けられ
て外側容器１２の外部と気密空隙Ｓ２を連通させてい
る。連通孔５２の内側であって外側容器１２の壁内面に
は栓弁５４の基部が接合固定されている。栓弁５４は、
栓弁自体のバネ性で連通孔５２に弱く付勢されており、
常時は連通孔５２を塞いでいる。そして外側容器１２の
外部から気密空隙Ｓ２側への方向の空気流に対してのみ
栓弁が開き空気を通流させるようになっている。

【００２４】次に、本発明の第１実施例のチューブ容器
装置１０の作用を説明する。チューブ容器装置１０に収
納された練り状物Ｇを吐出させる場合、まず図５（ａ）
のように外側容器１２の連通孔３２に指を添えて押圧す
る。すると、内側容器１４と外側容器１２の気密空隙Ｓ
２内の空気が圧縮されて内側容器３０を圧縮する。圧縮
された内側容器１４は図５（ｂ）に示すように吐出開口
２８から練り状物Ｇを吐出させる。使用者は必要量を吐
出させた時点で押圧を止めて指を離し連通孔３２を開放
させる。すると図５（ｃ）に示すように連通孔３２が気
密空間Ｓ２に向けて空気を通流させながら外側容器１４
が形状を復元する。この時、気密空間Ｓ２には必要十分
な空気が通流されるので内側容器１４に負圧がかかるこ
とはなく、収納室Ｓ１に吐出開口２８から空気が流入す
ることがない。すなわち、内側容器１４は練り状物Ｇに
密着されたまま、押圧された分だけ内部の練り状物とと
もに形状を変形させるとともに外側容器１２はもとの最
大充填時の状態に形状を復元する。使用者は、再び連通
孔３２を塞ぎつつ外側容器１２を押圧して内側容器１４
に空気圧をかけるだけで、練り状物Ｇを瞬時に吐出させ
ることができる。このように連通孔３２を適宜塞いだり
開放したりすることで、単なる連通孔を外側容器１２の
外部から気密空隙Ｓ２側への方向にのみ空気を通流させ
る逆止弁機構１６として機能させることができる。そし
て、外側容器１２が膨らんだ状態で指等で押圧させる操
作は極めて簡単であり、また、大きな押圧力を加える必
要もなく、充填物を外部に吐出させることができる。使
用時には開口筒部２６の外面側に保護キャップ等を嵌着
あるいはねじ込み式で開放端を密封させるが、通常は完
全な気密状態でキャップされないから放置すると時間と
ともに外側容器１２は自然に形状復元させる。

【００２５】通常、内側容器１４は外周に周状に設けら
れた気密空隙Ｓ２から全周で均一な空気圧を受けるので
袋体の閉止端側から順次つぶれて図６のように練り状物
Ｇを送り出してゆく。何らかの外乱で内側容器３０の中
程が先につぶれた場合にも、ソリッド案内路３０は内側
容器本体の素材より堅い素材で形成されているからつぶ
されることはなく、練り状物Ｇには常にソリッド案内路
３０の円弧状内側部分により吐出開口２８まで走通した
案内路が確保されている。そして収納された全ての練り
状物Ｇは吐出開口２８まで移動案内されて吐出される。
図７に示すように内側容器１４は、側面に付けられた折
り目線３６から折れてつぶれるので、２つのソリッド案
内路３０は中央で円筒状の案内路を形成し効率よく練り
状物Ｇを案内することができる。収納させた練り状物Ｇ
のほとんどを吐出させソリッド案内路３０だけに練り状
物Ｇが残った後は、例えばゴム製その他の弾性素材で形
成されたソリッド案内路３０を指でしごいて練り状物Ｇ
を吐出開口２８側に送ることで、残った練り状物Ｇを完
全に吐出させることができる。

【００２６】なお、気密空隙Ｓ２は内側容器の外周に周
状に設けなくとも、周方向に間欠的に設けてもよい。外
側容器１２の形状も任意の形状としてよい。練り状物
は、流動性の強弱は問われない。食品に限らず、化粧
品、化学品、絵画用絵の具、その他任意の練り状充填物
について適用可能である。

【００２７】次に、図８に基づいて、本発明の第２実施
例を説明するが、第１実施例と同一の構成部材には同一
の符号を付し、その詳細説明は省略する。本実施例は第
１実施例のチューブ容器装置１０の外側容器１２と内側
容器１４の接合手段を変更したものである。図８は第２
実施例のチューブ容器装置１０−１の要部を示す一部省
略拡大分解斜視図である。この実施例で、開口筒部２６
を有する中空袋体であって外部から押圧しても形状復元
性を有する外側容器１２と、外側容器１２の中空内部に
本体が配置され、内部に練り状物Ｇが収納される中空袋
状の内側容器１４と、外側容器１２と内側容器１４との
間に形成される気密空隙Ｓ２と、外側容器１２の外部か
ら気密空隙Ｓ２側への方向にのみ空気を通流させる逆止
弁機構１６と、を備えた構成は第１実施例と同一構成と
なっている。さらに、逆止弁機構１６は気密空隙Ｓ２と
外側容器１２の外部とを連通させる連通孔３２である構
成も第１実施例と同一である。

【００２８】この実施例では、外側容器１２の中空内部
に、本体が配置された内側容器１４の口縁３８が開口筒
部２６から外部に引き出されるように内側容器１４が配
置されている。すなわち、内側容器１４の吐出開口２８
はあらかじめ開口筒部２６あるいは外側容器１２の内壁
側に接合固定されているのではなく、単にその口縁３８
を開口筒部２６から外部に引き出して内側容器１４の本
体側を外側容器１２の中空内部に収納させただけとなっ
ており、外側容器と内側容器とは別体で分離されてい
る。

【００２９】そして、開口筒部２６から外部に引きださ
れて内側容器１４の口縁３８を開口筒部２６の外側面に
被せるように折り返した状態で開口筒部２６に外部から
嵌合離脱自在にアダプタ筒４０が嵌着固定される。アダ
プタ筒４０を内側容器１４の口縁３８を折り返し状態で
嵌着することにより外側容器１２と、内側容器１４との
間に気密空隙Ｓ２が形成される。

【００３０】アダプタ筒４０は内側容器の口縁の折り返
し状態で開口筒部２６に対して嵌着し外内の容器間隙に
気密空隙Ｓ２を形成させる嵌着手段であり、実施例にお
いて、このアダプタ筒４０は嵌合筒部４２と扉蓋４４か
らなっている。嵌合筒部４２は、有底短円筒の底部に吐
出孔４６を設けて形成されている。嵌合筒部４２の内径
は、外側容器１２の開口筒部２６の外径に嵌着する大き
さで形成されている。そして吐出孔４６の径は、内側容
器３０から送出された練り状物Ｇの吐出量を適量にする
ように設定されている。また、嵌合筒部４２の吐出孔４
６側には扉蓋４４が接続されている。扉蓋４４は、吐出
孔４６を覆蓋しうる円形板体であり、チューブ容器装置
１０−１を保管中に練り状物Ｇが空気に触れて変質する
のを防止する。

【００３１】開口円筒２６に嵌合されたアダプタ筒４０
は、嵌合筒部４２の内側面と開口円筒２６の外側面で内
側容器１４の吐出開口２８を挟持する。

【００３２】この第２実施例のチューブ容器装置１０−
１では、外側容器１２に設けた開口筒部２６の縁に、内
側容器１４の吐出開口２８を引き出して内側容器１４の
口縁３８を開口筒部２６の外表面側に折返し、アダプタ
筒４０を嵌着させるだけで、容易に外側容器１２と内側
容器１４の間に気密空隙Ｓ２を形成させることができ
る。そして、外側容器１２に設けられた連通孔３２を塞
ぎつつ外側容器１２を押圧することで、第１実施例と同
様の作用を奏することができる。また、練り状物Ｇを使
い尽くしたときには、アダプタ筒４０を開口筒部２６か
ら外すだけで空の内側容器１４を外すことができる。そ
して練り状物Ｇを収納した新しい内側容器１４に交換す
ることで、外側容器１２を用いて繰り返し再使用でき
る。また、装置全体の製造が簡単で低コストで製作が可
能であるばかりでなく、既存のチューブ容器を用いて外
側容器に連通孔３２を穿孔させるだけで実現させること
ができる。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るチュ
ーブ容器装置は、開口筒部を有する中空袋体であって外
部から押圧しても形状復元性を有する外側容器と、外側
容器の中空内部に配置され吐出開口を前記開口筒部また
は外側容器内壁に接合させ外側容器との間に気密空隙を
形成させるように設けられ、さらに内部に練り状物が収
納される中空袋状の内側容器と、外側容器の外部から気
密空隙側への方向にのみ空気を通流させる逆止弁機構
と、を含む構成であるから、外側容器を押圧する簡単な
操作だけで適量の練り状物を容易迅速に吐出させること
ができ、収納した全ての練り状物を容易に吐出させるこ
とができる。また、吐出時に押圧力を強くしすぎて練り
状充填物を外部に飛ばし、周辺を汚染させることがな
い。

【００３４】また、逆止弁機構は気密空隙と外側容器の
外部とを連通させる連通孔であるので、構造が簡単で、
コストが低廉で、壊れにくく、適量の練り状物を最後ま
で容易迅速に吐出させることができる。

【００３５】また、内側容器は任意に形状変形が可能な
柔軟性がある厚みが薄い袋体からなり、該内側容器には
気密空隙を介して圧縮されたときに練り状物を吐出開口
側に移動案内させるソリッド案内路が設けられてなるの
で、収納した全ての練り状物を確実に吐出させることが
できる。

【００３６】また、気密空隙は内側容器の外周に周状に
設けられてなるので、内側容器を全周方位から圧縮して
収納した全ての練り状物を吐出させることができる。ま
た、押圧部位は任意の部分でよく、押圧操作性が良好で
ある。

【００３７】また、本発明のチューブ容器装置は、開口
筒部を有する中空袋体であって外部から押圧しても形状
復元性を有する外側容器と、外側容器の中空内部に本体
が配置されるとともに口縁が開口筒部から外部に引き出
され、内部に練り状物が収納される中空袋状の内側容器
と、外側容器の開口筒部から外部に引きだされた内側容
器の口縁を折り返した状態で開口筒部に外部から嵌合離
脱自在に取りつけられるアダプタ筒と、を有し、アダプ
タ筒の開口筒部に取りつけた状態で外側容器と内側容器
との間に形成される気密空隙と、外側容器の外部から気
密空隙側への方向にのみ空気を通流させる逆止弁機構
と、を含む構成であるから外側容器と内側容器の間に気
密空隙を形成させつつ結合する構造が簡単で、コストが
低廉である。また、既存のチューブ容器装置に連通孔を
設けるだけで外側容器に流用でき、製造コストを低廉に
維持できる。

【００３８】また、逆止弁機構は気密空隙と外側容器の
外部とを連通させる連通孔である構成とすることによ
り、構造が簡単で、コストが低廉で、壊れにくく、適量
の練り状物を最後まで容易迅速に吐出させることが可能
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例にかかるチューブ容器装置
の正面図である

【図２】同チューブ容器装置の内部を示す図１Ａ−Ａ線
断面図である。

【図３】同チューブ容器装置の内部を示す図１Ｂ−Ｂ線
断面図である。

【図４】同チューブ容器装置の内側容器の形状を示す斜
視説明図である。

【図５】逆止弁機構の他の実施例を示す要部断面図であ
る。

【図６】同チューブ容器装置の使用状態を示す説明図で
ある。

【図７】図６Ｃ−Ｃ線断面図である。

【図８】本発明の第２実施例にかかるチューブ容器装置
の要部分解斜視図である。

【図９】従来のチューブ容器装置の縦断面図である。

【符号の説明】

１０ チューブ容器装置 １２ 外側容器 １４ 内側容器 １６ 逆止弁機構 ２６ 開口筒部 ２８ 吐出開口 ３０ ソリッド案内路 ３２ 連通孔 ３８ 口縁 ４０ アダプタ筒 Ｓ２ 気密空隙 Ｇ 練り状物

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口筒部を有する中空袋体であって外部
   から押圧しても形状復元性を有する外側容器と、 外側容器の中空内部に配置され吐出開口を前記開口筒部
   または外側容器内壁に接合させ外側容器との間に気密空
   隙を形成させるように設けられ、さらに内部に練り状物
   が収納される中空袋状の内側容器と、 外側容器の外部から気密空隙側への方向にのみ空気を通
   流させる逆止弁機構と、を含むチューブ容器装置。
2. 【請求項２】 逆止弁機構は気密空隙と外側容器の外部
   とを連通させる連通孔である請求項１記載のチューブ容
   器装置。
3. 【請求項３】 内側容器は任意に形状変形が可能な柔軟
   性がある厚みが薄い袋体からなり、該内側容器には気密
   空隙を介して圧縮されたときに練り状物を吐出開口側に
   移動案内させるソリッド案内路が設けられてなる請求項
   １または２記載のチューブ容器装置。
4. 【請求項４】 気密空隙は内側容器の外周に周状に設け
   られてなる請求項１ないし３のいずれかに記載のチュー
   ブ容器装置。
5. 【請求項５】 開口筒部を有する中空袋体であって外部
   から押圧しても形状復元性を有する外側容器と、外側容
   器の中空内部に本体が配置されるとともに口縁が開口筒
   部から外部に引き出され、内部に練り状物が収納される
   中空袋状の内側容器と、外側容器の開口筒部から外部に
   引きだされた内側容器の口縁を折り返した状態で開口筒
   部に外部から嵌合離脱自在に取りつけられるアダプタ筒
   と、を有し、アダプタ筒の開口筒部に取りつけた状態で
   外側容器と内側容器との間に形成される気密空隙と、外
   側容器の外部から気密空隙側への方向にのみ空気を通流
   させる逆止弁機構と、を含むチューブ容器装置。
6. 【請求項６】 逆止弁機構は気密空隙と外側容器の外部
   とを連通させる連通孔である請求項５記載のチューブ容
   器装置。