JP2001171232A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2001171232A
JP2001171232A JP35508999A JP35508999A JP2001171232A JP 2001171232 A JP2001171232 A JP 2001171232A JP 35508999 A JP35508999 A JP 35508999A JP 35508999 A JP35508999 A JP 35508999A JP 2001171232 A JP2001171232 A JP 2001171232A
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layer
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Hideki Nagano
秀樹 長野
Yoshiyuki Nagataki
義幸 長瀧
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、生産性に優れた追記型の光記録媒体
を提供する。 【解決手段】 本発明の光記録媒体は、基板上に含まれ
る記録層、中間層、保護層をこの順に積層している。記
録層を主に形成する有機色素は、下記構造式(5)に示
す化合物を用いる。 【化1】 この色素は、グリコールエーテルに対する溶解度が大き
い。この色素のグリコールエーテル溶液を用いることに
よってスピンコート法での記録層成膜が可能となり、光
記録媒体の製造にかかる時間が短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機色素を含む記
録層を備えた追記型光記録媒体に関し、特に生産性に優
れ、かつ優れた記録特性を持つ追記型光記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、情報化技術の発達により、小型で
かつ大容量の情報を収納できる光記録媒体が実用化され
てきた。このような光記録媒体は、ユーザーがデータの
書き込みをできるかどうかという観点から、CD−RO
M、DVD−ROM等の再生専用型、CD−R(コンパ
クトディスク−レコーダブル)等の追記型、及びMO、
DVD−RAM等に代表される書換え型に分類される。
これらの中で1回だけの書き込みが可能な追記型の光記
録媒体として、情報を書き込むための記録層に有機色素
を用いたものが知られている。この追記型光記録媒体
は、情報の記録の際にレーザー光を記録層に照射し、そ
の熱エネルギーによって記録層の有機色素を変質させ、
その光学的特性を変化させることにより記録が行なわれ
る。このような記録層に用いられる有機色素としてはシ
アニン系色素が知られている(特開昭58−11279
0、特開昭59−24692、特開平5−67349
等)。これらのシアニン系色素は、シアニン分子中のポ
リメチン鎖がアルキル基又はハロゲン原子に置換され
た、メソ体構造を有するインドレニン型シアニン系色素
である。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
用いられている上記のメソ体構造のインドレニン型シア
ニン系色素は、エチレングリコールやアルコール類等の
有機溶媒に対する溶解度が低い。そのため、それらの色
素はディップ法やスピンコート法等の溶液塗布法による
薄膜形成に不適であるという問題点がある。例えば、ス
ピンコート法では、色素塗布の際に飽和溶液であっても
希薄な色素溶液を用いなければならないため、回転速度
を落としてスピンコートしなければならなかった。その
ため、光記録媒体の製造には時間がかかり生産効率が低
かった。一方で、これらのシアニン系色素の溶解度を上
げるために溶媒としてフッ化アルコールを用いることも
考えられるが、フッ化アルコールは高価であるので、製
造コストが高くなるという欠点を有していた。
【0004】なお、本発明者らは、フッ素置換エーテル
溶液を用いてディップ法により容易に記録層として形成
可能な色素として、特願平11−101735におい
て、ポリメチン鎖構成単位となる二つの炭素がいずれも
フッ化アルキル基により置換されたシアニン系色素を用
いた光記録媒体を出願している。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消するものであって、エチレングリコールに対する溶
解度の大きいシアニン系色素を記録層の色素材料に使用
することにより、生産性及び記録特性に優れた光記録媒
体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、光記録媒体であって、基板と;上記基板上に形成
された有機色素を含む記録層と;を備え、上記有機色素
が下記一般式(1)で表わされるシアニン系有機色素で
あることを特徴とする光記録媒体が提供される。
【0007】
【化3】
【0008】式中、R及びRの一方がフッ素置換さ
れたアルキル基を示し、他方が炭素数5以下のフッ素置
換されていないアルキル基を示す。nは重合数を表わ
し、1〜3の整数である。Zはアルキル基又はハロゲン
原子を示す。Y及びY’はそれぞれ同一でも異なっても
よく、−C(CH−、−CH=CH−、−S−又
は−O−のいずれかを示す。Xは対イオンを示し、ハ
ロゲンイオンあるいはハロゲン化合物のアニオンを示
す。Aはベンゼン環あるいは置換ベンゼン環を形成する
原子群を示す。
【0009】本発明は上記の目的を達成するため、追記
型光記録媒体の記録層に上記一般式(1)で表されるシ
アニン系色素を用いる。一般式(1)で表される色素
は、置換基R又はRのいずれか一方のみがフッ素置
換されていることから、分子全体が非対称な構造となっ
ている。シアニン系色素がこのような構造を有すること
により、色素分子がスタックしにくくなりシアニン系色
素のグリコールエーテル等の溶媒に対する溶解度を増大
させることが可能となる。また、容易に合成できるた
め、R又はRのフッ素置換された炭素数は1〜3が
望ましいが、炭素数が4以上でもグリコールエーテル等
への溶解性は炭素数1〜3の場合と変わらない。
【0010】さらに、シアニン系色素の対イオンX
CFSO あるいはBF にすることによって、
従来用いられているCl やPF に比べて、この
色素のグリコールエーテルに対する溶解性を向上でき
る。
【0011】本発明において用いられるシアニン系色素
は、以下に示す合成法により得られる。例えば、上記一
般式(1)において、Aがナフタレン環であり、Yが−
C(CH−であるシアニン系色素を合成するに
は、下記の2−メチルベンゾインドレニンにR及びR
の置換基を含むヨウ化物をそれぞれ反応させ、前駆体
(A)及び(A’)を合成する。
【化4】 得られた2種類の前駆体(A)及び(A’)と、2−ク
ロルプロペンジアニル又は正酢酸エチルエステルをモル
比1:1:1で混合し反応させることにより、以下の式
で示すように、置換基R及びRを有するシアニン系
色素(B)又は(B’)が得られる。
【化5】
【化6】 合成されたシアニン系色素(B)及び(B’)の対イオ
ンはヨウ素イオンであるから、CFSO 又はBF
にイオン交換した後に、メタノール等を用いて再結
晶させる。このようにして、所望の対イオンを有する高
純度のシアニン系色素が得られる。
【0012】上記のような構造及び対イオンを有するシ
アニン系色素は、後述する実施例で具体的に示すよう
に、グリコールエーテルに対する溶解度を3.0wt%
以上に改善できる。一方、従来のシアニン系色素のグリ
コールエーテルに対する溶解度は1.0wt%以下であ
ったため、スピンコート法を用いて記録層を形成するの
は実質的に不可能であったが、式(1)で表される色素
を用いると、高速のスピンコート法での記録層の成膜が
十分可能である。したがって、式(1)で表される色素
を用いることにより、製造時間を短縮し、生産効率を向
上することができる。さらに、溶媒のグリコールエーテ
ルは安価であるため、製造コストも減少させることがで
きる。
【0013】なお、本発明において、シアニン系色素の
グリコールエーテルに対する溶解度は、次のような吸光
度法で測定して求めた。まず、種々の既知濃度の希薄な
シアニン系色素溶液を予め調製し、シアニン系色素の最
大吸収波長、例えば、実施例で用いたシアニン系色素で
は680nm、における光の吸収強度をそれぞれの溶液
について測定した。それらの測定値から、シアニン系色
素の濃度と光の吸収強度との関係を表す検量線を求め
た。次に、測定対象となるシアニン系色素溶液を適宜希
釈して、この試料の680nmにおける吸光度を求め、
この吸光度と検量線からシアニン系色素の濃度を求め
た。最後にシアニン系色素濃度、すなわち溶媒中に溶解
したシアニン系色素の量とこの溶液を調整する際に加え
たシアニン系色素の重量とから、用いたシアニン系色素
の溶解度を算出した。
【0014】本発明の第2の態様に従えば、光記録媒体
であって、基板と;上記基板上に形成された有機色素を
含む記録層と;を備え、上記有機色素が下記一般式
(2)で表わされるシアニン系有機色素であることを特
徴とする光記録媒体が提供される。
【0015】
【化7】
【0016】式中、R及びRは、それぞれフッ素置
換されたアルキル基であって、互いに炭素数の異なるア
ルキル基を示す。nは重合数を表わし、1〜3の整数で
ある。Zはアルキル基又はハロゲン原子を示す。Y及び
Y’はそれぞれ同一でも異なってもよく、−C(C
−、−CH=CH−、−S−又は−O−のいず
れかを示す。Xは対イオンを示し、ハロゲンイオンあ
るいはハロゲン化合物のアニオンを示す。Aはベンゼン
環あるいは置換ベンゼン環を形成する原子群を示す。
【0017】上記の式(2)で表されるシアニン系色素
についても、フッ化アルキル基RとRでは炭素数が
異なるため、色素分子は非対称な構造となる。したがっ
て、この場合もグリコールエーテル等の溶媒への溶解性
を向上することができる。一般式(2)で表されるシア
ニン系色素は、一般式(1)で表されるシアニン系色素
の前述した合成法と同様にして合成することができる。
後述する実施例で示すように、一般式(2)で表される
シアニン系色素の場合も、グリコールエーテルへの溶解
度は3.0wt%以上となることが分かった。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の光記録媒体の製
造方法を具体的に説明する。
【0019】基板としては、アクリル、ポリカーボネー
ト、ポリメチンメタクリレート、ポリメチルペンテン、
ポリオレフィン、エポキシ等の透明樹脂基板材料を用い
ることができる。これらの材料をプリフォーマット信号
がピットの形で形成されたスタンパを用いて射出成型す
ることもできる。また、ガラス等の透明セラミック板の
片面に光硬化性樹脂のレプリカ層を形成したものを基板
として用いることもできる。
【0020】記録層を構成する有機色素としては、前記
一般式(1)及び(2)で表わされるシアニン系色素
に、これ以外の構造を持つシアニン系色素又はシアニン
系色素以外の色素を添加してもよい。シアニン系色素以
外の色素としては、スクアリリウム色素、アズレニウム
系色素等のポリメチン系色素、フタロシアニン系色素の
ような大環状アザアネレン系色素、ジチオール系色素等
がある。さらに、これらの色素を2種類以上混合して添
加してもよい。また、色素記録層には必要に応じてアク
リル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
フッ素樹脂、ポリビニルアルコール等の樹脂も加えても
よい。
【0021】また、本発明の光記録媒体において、記録
層を構成する有機色素中に劣化抑制剤を含み得る。劣化
抑制剤の合有率は、有機色素に対し5〜30wt%が好
ましい。含有率が5wt%未満では劣化防止の効果が充
分に発揮されない。一方、合有率が30wt%を越える
と、レーザー光による記録ピットの形成の制御が難しく
なる。これらの劣化抑制剤にはジチオール金属錯体、ア
ミノ化合物、アゾ化合物等が挙げられ、下記の一般式
(3)ないし一般式(4)に示される化合物を例示する
ことができる。
【0022】
【化8】
【0023】式中、R、R、R及びRはそれぞ
れ同一でも異なってもよく、水素原子、水酸基、フッ化
アルキル基、アミン、アルキル基、アルコキシル基、ア
ルキルヒドロキシ基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキルカルボキシル基、アルキルスルホニル基又はこれ
らの官能基を持つ芳香環のうちのいずれかを示す。X
は対イオンを示す。nは化合物のイオン価数を示し、1
又は2である。また、上記式(2)で正電荷を有して表
記されているアミノ化合物と同様の構造で電荷のないア
ミノ化合物も劣化抑制剤として用いることができる。
【0024】
【化9】
【0025】式中、A及びA’はそれぞれ同一でも異な
ってもよく、水素原子、水酸基、フッ化アルキル基、ア
ミン、アルキル基、アルコキシル基、アルキルヒドロキ
シ基、アラルキル基、アルケニル基、アルキルカルボキ
シル基、アルキルスルホニル基又はこれらの官能基を持
つ芳香環のうちのいずれかを示す。Mは遷移金属を示
し、Xは対イオンを示す。nは化合物のイオン価数を
示し、1又は2である。
【0026】基板上に記録層を形成するには、記録層を
構成する有機色素材料をグリコールエーテルに0.1〜
5wt%、生産性の点からより好ましくは4〜5wt%
溶解させて、スピンコート法により成膜する。記録層の
膜厚は30〜300nm、より好ましくは案内溝部にお
いて100〜250nmが適当である。また、劣化抑制
剤等の溶解を助けるためにグリコールエーテルにアルコ
ール系、エーテル系、ケトン系、炭化水素系等の溶媒を
添加することも可能である。
【0027】本発明による光記録媒体は、基板上に第一
中間層、記録層、第二中間層及び保護層を積層した構造
にし得る。しかし、そのうち第一中間層、第二中間層及
び保護層については、この3層のうち少なくとも1層が
存在すれば、残りの層を除くことが可能である。さらに
DVDのように、記録再生レーザーの入射面を外側にし
て、上記の積層構成を持つ光記録媒体2枚を、接着層を
介して張り合わせた構造にすることも可能である。ま
た、記録再生レーザーの入射面上にヘッドとの接触によ
るダメージを低減させるための潤滑層を設けること、及
びその反対側の面に下層の保護のため又は装飾のための
印刷を施すこともできる。
【0028】中間層として、反射率特性を向上させるた
めの反射層、レーザー光あるいは記録層の分解により発
生する熱の放熱を促すための熱拡散層、記録層の反応を
促進させる為もしくは記録層の光励起によって反応が促
進される第2記録層、外的応力から記録層を隔てるため
の硬質層、スぺーサー等により設けられたエアーグルー
ブ層等が必要によって設けられる。中間層は、金、アル
ミニウム、銀、銅及び白金を主成分とした合金、SiO
、SiN、AlN、Al等の硬質無機材料、希
土類金属を含む合金による非晶質−晶質相変化膜、シア
ニン系色素と異なった光吸収特性を持つ色素層等を用い
ることができる。このうち、金、アルミニウム、銀、銅
及び白金を主成分とした合金層は、レーザー光に対する
反射率が好適であること、及び化学的に安定であること
から反射層として特に有用である。これらの層は真空蒸
着やスパッタリング等のドライプロセスで成膜すること
ができる。
【0029】保護層は中間層上に、紫外線硬化樹脂、熱
硬化性樹脂、2液混合硬化樹脂、室温硬化型樹脂等の有
機材料を用いて、例えばスピンコート法やスクリーン印
刷により、形成することができる。
【0030】以下に、本発明の光記録媒体、及びその製
造方法を実施例を用いて図面を参照しながら具体的に説
明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0031】
【実施例1】本実施例では、図1に示すように、基板1
上に記録層2、中間層3、保護層4を積層した構造を持
ち、記録層2にシアニン系色素及び劣化抑制剤を含む追
記型の光ディスクを製造した。
【0032】ポリカーボネート樹脂をスタンパが装着さ
れた射出成型機を用いて射出成型して、図2に示すよう
に、プリフォーマットパターンが形成されかつ中心部に
センター孔を有する円盤状の透明基板1を形成した。プ
リフォーマットパターンとして、記録/再生用のレーザ
ービームを追従させるための案内溝5、案内溝5によっ
て画定される記録トラック8、及びセクタのアドレスや
基準クロックを表示するプリピット6を基板上に形成し
た。案内溝5はセンター孔7を中心とした渦巻き状に形
成した。この案内溝5はウォブル溝として用い、それに
よって特定の情報をこのウォブル溝から検出できるよう
にした。また、案内溝5及びプリピット6は、それぞれ
異なる深さに形成することもできる。
【0033】上記のように形成されたポリカーボネート
基板1上に、下記のようにして記録層2を形成した。ま
ず、前期の合成法に従って予め合成した下記構造式
(5)に示すシアニン系色素19重量部と下記構造式
(6)に示す劣化抑制剤1重量部を、プロピレングリコ
ールモノメチルエステル660重量部に溶解した。加え
た19重量部のシアニン系色素はほぼ全量がプロピレン
グリコールモノメチルエステル660重量部に溶解し
た。次いで、得られた色素溶液を0.45μmのフィル
ターでろ過した。このろ液を先のポリカーボネート基板
上にスピンコート法を用いて塗布し、記録層2を膜厚1
10nm(案内溝部の厚みを含めた膜厚)に形成した。
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】上述のように形成した記録層2を乾燥した
後、この記録層2上にスパッタリング装置を用いてAg
/Au合金(Ag/合金=95at%)からなる中間層
3を50nmの厚さに成膜した。この中間層3を成膜し
た後に基板についた色素をアルコールで洗浄した。最後
に、中間層3の上に紫外線硬化樹脂をスクリーン印刷に
より塗布し、これに紫外線を照射して硬化させ、膜厚1
0μmの保護層4を形成した。このようにして図1に示
した構造の光ディスクを作製した。
【0037】
【実施例2】本実施例では、実施例1とは異なる構造の
色素材料を記録層に使用するが、この他は実施例1と同
様の材料及び方法で図1に示す構造の光ディスクを作製
した。
【0038】実施例1と同様のポリカーボネート基板上
に、前期の合成法に従って予め合成した下記構造式
(7)に示すシアニン系色素19重量部と、先の構造式
(6)に示す劣化抑制剤1重量部を、プロピレングリコ
ールモノメチルエステル660重量部に溶解した。加え
た19重量部のシアニン系色素はほぼ全量がプロピレン
グリコールモノメチルエステル660重量部に溶解し
た。次いで、得られた溶液を0.45μmのフィルター
でろ過した後、ろ液をポリカーボネート基板上にスピン
コート法を用いて塗布し、記録層を膜厚110nm(案
内溝部の厚みを含めた膜厚)に形成した。
【0039】
【化12】
【0040】上記の記録層を乾燥した後、この記録層上
にスパッタリング装置を用いてAg/Au合金(Ag/
合金=95at%)からなる中間層を60nmの膜厚で
成膜した。中間層を成膜した後に基板についた色素をア
ルコールにより洗浄した。最後に紫外線硬化樹脂をスク
リーン印刷により塗布し、これに紫外線を照射して硬化
させて、膜厚10μmの保護層を形成した。このように
して、図1に示す構造の光ディスクを作製した。
【0041】
【実施例3】本実施例では、実施例1とは異なる構造の
色素材料を記録層に使用するが、この他は実施例1と同
様の材料及び方法で図1に示す構造の光ディスクを作製
した。
【0042】実施例1と同様のポリカーボネート基板上
に、前期の合成法に従って予め合成した下記構造式
(8)に示すシアニン系色素19重量部と、先の構造式
(6)に示す劣化抑制剤1重量部をプロピレングリコー
ルモノメチルエステル660重量部に溶解した。加えた
19重量部のシアニン系色素はほぼ全量がプロピレング
リコールモノメチルエステル660重量部に溶解した。
得られた溶液を0.45μmのフィルターでろ過した
後、ろ液をポリカーボネート基板上にスピンコート法を
用いて塗布し、記録層を膜厚110nm(案内溝部の厚
みを含めた膜厚)に形成した。
【0043】
【化13】
【0044】この記録層を乾燥した後、この記録層上に
スパッタリング装置を用いてAg/Au合金(Ag/合
金=95at%)からなる中間層を50nmの膜厚で成
膜した。中間層を成膜した後に基板についた色素をアル
コールにより洗浄し、最後に紫外線硬化樹脂をスクリー
ン印刷により塗布し、これに紫外線を照射して硬化さ
せ、膜厚10μmの保護層を形成した。このようにし
て、図1に示す構造の光ディスクを作製した。
【0045】
【実施例4】本実施例では、実施例1とは異なる構造の
色素材料を記録層に使用するが、この他は実施例1と同
様の材料及び方法で図1に示す構造の光ディスクを作製
した。
【0046】実施例1と同様のポリカーボネート基板上
に、前期の合成法に従って予め合成した下記構造式
(9)に示すシアニン系色素19重量部と、先の構造式
(6)に示す劣化抑制剤1重量部をプロピレングリコー
ルモノメチルエステル630重量部及び4−ヒドロキシ
−4−メチル−2−ペンタノン30重量部の混合溶媒に
溶解した。加えた19重量部のシアニン系色素はほぼ全
量が660重量部の混合溶媒に溶解した。得られた溶液
を0.45μmのフィルターでろ過した後、ろ液をポリ
カーボネート基板上にスピンコート法を用いて塗布し、
記録層を膜厚110nm(案内溝部の厚みを含めた膜
厚)に形成した。
【0047】
【化14】
【0048】この記録層を乾燥した後、この記録層上に
スパッタリング装置を用いてAg/Au合金(Ag/合
金=95at%)からなる中間層を50nmの膜厚で成
膜した。中間層を成膜した後に基板についた色素をアル
コールにより洗浄し、最後に紫外線硬化樹脂をスクリー
ン印刷により塗布し、これに紫外線を照射して硬化さ
せ、膜厚10μmの保護層を形成した。このようにし
て、図1に示す構造の光ディスクを作製した。
【0049】
【比較例1】上記実施例との比較のため、本比較例で
は、ポリメチン鎖の両端に結合している窒素がフッ素置
換基を持たないシアニン系色素を記録層に用い、その他
は実施例1と同様の材料及び方法で図1に示す構造の光
ディスクを作製した。
【0050】まず、実施例1と同様のポリカーボネート
基板を形成した。記録層材料として下記構造式(10)
に示すフッ素置換基を持たないシアニン系色素19重量
部と先の構造式(6)に示す劣化抑制剤1重量部を、プ
ロピレングリコールモノメチルエステル660重量部に
加えて溶解させた。しかし、19重量部のシアニン系色
素をプロピレングリコールモノメチルエステル660重
量部に対して完全に溶解させることはできず、シアニン
系色素の一部は不溶であった。次いで、得られた溶液を
0.45μmのフィルターでろ過した後、ろ液をポリカ
ーボネート基板上に実施例1と同条件のスピンコート法
を用いて塗布した。このようにして、図1に示す構造の
光ディスクを作製した。しかし、色素溶液が希薄なた
め、色素を基板上に所望の膜厚でコーティングすること
ができなかった。
【0051】
【化15】
【0052】
【比較例2】上記実施例との比較のため、本比較例では
実施例とは異なるシアニン系色素を用いたが、その他は
実施例1と同様の材料及び方法で、図1に示す構造の光
ディスク作製を試みた。ここで用いたシアニン系色素
は、比較例1と同様に分子内にフッ素置換基を持たない
構造で、さらに対イオンとしてClO を含む色素で
あった。
【0053】まず、実施例1と同様のポリカーボネート
基板を形成した。記録層材料として上記のシアニン系色
素19重量部と先の構造式(6)に示す劣化抑制剤1重
量部を、プロピレングリコールモノメチルエステル66
0重量部に加えて溶解させた。しかし、19重量部のシ
アニン系色素をプロピレングリコールモノメチルエステ
ル660重量部に対して完全に溶解させることはでき
ず、シアニン系色素の一部は不溶であった。次いで、得
られた溶液を0.45μmのフィルターでろ過した。こ
のろ液をポリカーボネート基板上に実施例1と同条件の
スピンコート法を用いて塗布したところ、色素溶液が希
薄に過ぎるため、記録層を形成することができなかっ
た。
【0054】
【比較例3】上記実施例との比較のため、本比較例では
実施例とは異なるシアニン系色素を用いたが、その他は
実施例1と同様の材料及び方法で、図1に示す構造の光
ディスク作製を試みた。ここで用いたシアニン系色素
は、比較例1で用いた分子内にフッ素置換基を持たない
構造であり、さらに対イオンとしてPF を含む色素
であった。
【0055】まず、実施例1と同様のポリカーボネート
基板を形成した。上記のシアニン系色素19重量部と先
の構造式(6)に示す劣化抑制剤1重量部を、プロピレ
ングリコールモノメチルエステル660重量部に加えて
溶解させた。しかし、19重量部のシアニン系色素をプ
ロピレングリコールモノメチルエステル660重量部に
対して完全に溶解させることはできず、シアニン系色素
の一部は不溶であった。次いで、得られた溶液を0.4
5μmのフィルターでろ過した。このろ液をポリカーボ
ネート基板上に実施例1と同条件のスピンコート法を用
いて塗布したところ、色素溶液が希薄に過ぎるため、記
録層を形成することができなかった。
【0056】上記実施例1〜4及び比較例1〜3で得ら
れたろ過後の色素溶液を希釈して、吸光度法を用いてグ
リコールエーテル、及び、実施例4ではグリコールエー
テルを主体とした混合溶媒に対する溶解度を測定した。
それぞれの色素の溶解度は、前述のように実施例に用い
たシアニン系色素の最大吸収波長である680nmの光
の吸収強度を測定し、予め作成した検量線によって、概
算して求めた。このように得られた溶解度の結果を表1
に示した。本発明による実施例1〜4の色素溶液では、
グリコールエーテル及びグリコールエーテルを主体とし
た混合溶媒に加えたほぼ全量の色素が溶解した。それに
対し、比較例1のフッ素置換基を持たないシアニン系色
素の場合、この色素はグリコールエーテルに1.0wt
%程度しか溶解しなかった。したがって、この色素を基
板上に所望の色素膜厚でコーティングすることができな
かった。さらに、比較例2及び3で用いたフッ素置換基
を持たずしかも対イオンとしてClO 又はPF
を有するシアニン系色素は、そのグリコールエーテルに
対する溶解度がいずれも0.1Wt%以下であった。そ
のため、この溶液を用いたスピンコート法による色素記
録層の形成はできなかった。
【0057】
【表1】
【0058】次に、上記実施例1〜4で得られた光ディ
スクの記録再生特性を評価した。これらの光ディスクを
線速1.2m/secで回転させ、このディスクに波長
780nm、開口度NA=0.50、出力14.0mW
の半導体レーザーを用いてEFM信号を記録した。その
後、これらの光ディスクに記録した信号を、波長783
nm、開口度NA=0.45、出力値0.4mWの半導
体レーザーを用いた再生機で読み込み、ジッターメータ
ーでジッター値を測定した。その結果、本発明による実
施例1〜4の光ディスクの反射率及び変調度は、CD規
格であるRedBookの仕様値を満たしていた。さら
に、これらの光ディスクのジッター値はいずれも20%
以下で、光記録媒体として十分使用可能であることが明
らかになった。
【0059】
【発明の効果】本発明の追記型光記録媒体は、上記の一
般式(1)及び(2)で表されるシアニン系色素を含む
記録層を有するため、シアニン色素のグリコールエーテ
ルに対する溶解性を向上させることができる。したがっ
て、高速のスピンコート法による記録層の成膜が可能と
なった。それゆえ、光記録媒体の製造時間を短縮でき、
生産効率を向上させることができる。さらに溶媒のグリ
コールエーテルは安価であるため、製造コストを抑える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光ディスクの概略断面図
である。
【図2】本発明の実施例に係る光ディスクを上方から見
た模式図である。
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 中間層 4 保護層 5 案内溝 6 プリピット 7 センター孔 8 トラック 10 光ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 EA03 EA12 EA22 EA25 EA44 FA01 FA12 FA14 FA23 FB43 FB63 GA07 5D029 JA04 LA13 LB12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光記録媒体であって、 基板と;上記基板上に形成された有機色素を含む記録層
    と;を備え、 上記有機色素が一般式(1): 【化1】 (式中、R及びRの一方がフッ素置換されたアルキ
    ル基を示し、他方が炭素数5以下のフッ素置換されてい
    ないアルキル基を示す。nは重合数を表わし、1〜3の
    整数である。Zはアルキル基又はハロゲン原子を示す。
    Y及びY’はそれぞれ同一でも異なってもよく、−C
    (CH−、−CH=CH−、−S−又は−O−の
    いずれかを示す。Xは対イオンを示し、ハロゲンイオ
    ンあるいはハロゲン化合物のアニオンを示す。Aはベン
    ゼン環あるいは置換ベンゼン環を形成する原子群を示
    す。)で表わされるシアニン系色素であることを特徴と
    する光記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記フッ素置換されたアルキル基の炭素
    数が1〜3であることを特徴とする請求項1に記載の光
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記対イオンがCFSO 又はBF
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記記録層が、5〜30wt%の劣化抑
    制剤を含有していることを特徴とする請求項1から3の
    いずれか一項に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記記録層が、上記有機色素のグリコー
    ルエーテル溶液をスピンコートすることにより形成され
    ることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記
    載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 さらに、上記記録層上に中間層及び保護
    層を有し、該中間層が金、銀、銅、白金及びアルミニウ
    ムからなる群より選ばれた少なくとも1種類を含む合金
    であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項
    に記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 光記録媒体であって、 基板と;上記基板上に形成された有機色素を含む記録層
    と;を備え、 上記有機色素が一般式(2): 【化2】 (式中、R及びRは、それぞれフッ素置換されたア
    ルキル基であって、互いに炭素数の異なるアルキル基を
    示す。nは重合数を表わし、1〜3の整数である。Zは
    アルキル基又はハロゲン原子を示す。Y及びY’はそれ
    ぞれ同一でも異なってもよく、−C(CH−、−
    CH=CH−、−S−又は−O−のいずれかを示す。X
    は対イオンを示し、ハロゲンイオンあるいはハロゲン
    化合物のアニオンを示す。Aはベンゼン環あるいは置換
    ベンゼン環を形成する原子群を示す。)で表わされるシ
    アニン系色素であることを特徴とする光記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記フッ素置換されたアルキル基の炭素
    数が1〜3であることを特徴とする請求項7に記載の光
    記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記対イオンがCFSO 又はBF
    であることを特徴とする請求項7又は8に記載の光
    記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記記録層が、5〜30wt%の劣化
    抑制剤を含有していることを特徴とする請求項7から9
    のいずれか一項に記載の光記録媒体。
  11. 【請求項11】 上記記録層が、上記有機色素のグリコ
    ールエーテル溶液をスピンコートすることにより形成さ
    れることを特徴とする請求項7から10のいずれか一項
    に記載の光記録媒体。
  12. 【請求項12】 さらに、上記記録層上に中間層及び保
    護層を有し、該中間層が金、銀、銅、白金及びアルミニ
    ウムからなる群より選ばれた少なくとも1種類を含む合
    金であることを特徴とする請求項7から11のいずれか
    一項に記載の光記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005052064A1 (ja) * 2003-11-27 2005-06-09 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo シアニン色素
JP2006099890A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Taiyo Yuden Co Ltd 光情報記録媒体

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WO2005052064A1 (ja) * 2003-11-27 2005-06-09 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo シアニン色素
JP2006099890A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Taiyo Yuden Co Ltd 光情報記録媒体

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