JP2001171011A - 難燃性繊維強化プラスチック部材 - Google Patents

難燃性繊維強化プラスチック部材

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JP2001171011A
JP2001171011A JP36336699A JP36336699A JP2001171011A JP 2001171011 A JP2001171011 A JP 2001171011A JP 36336699 A JP36336699 A JP 36336699A JP 36336699 A JP36336699 A JP 36336699A JP 2001171011 A JP2001171011 A JP 2001171011A
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Masahiko Hori
正彦 堀
Hiroshi Matsuoka
寛 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた難燃性はもちろん、表面平滑性にも優
れ、長期間の曝露においても強度の低下の少ない難燃性
FRP部材を提供する。 【解決手段】最内層である軸方向繊維のFRP層1の外
周に、周方向に巻回された繊維のFRP層2が、ついで
軸方向繊維のFRP層3が形成され、その外周にマット
繊維のFRP層4が形成されている。そして、外表面層
には難燃性不織布からなる層5が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性および表面
平滑性に優れ、高強度の難燃性繊維強化プラスチック部
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、繊維強化プラスチック部材
(以下「FRP部材」という)は、軽量かつ高強度であ
ることから様々な分野に活用され、その特徴を発揮して
いる。
【0003】上記FRP部材としては、通常、含浸樹脂
に不飽和ポリエステル等の樹脂を繊維基材に含浸させこ
れを各種用途に適用した形状に成形したものが使用され
ている。このようなFRP部材は着火すると燃焼し自己
消火能力を備えておらず、難燃性が要求される分野には
適していない。
【0004】したがって、難燃性が要求される分野に
は、従来から、含浸樹脂にフェノール樹脂を用いこれを
繊維基材に含浸させて成形したFRP部材が用いられて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記含
浸樹脂としてフェノール樹脂を用いたFRP部材は、難
燃性に関しては良好であるが、加熱硬化時にフェノール
樹脂が収縮して成形後の部材表面の平滑性に劣るという
問題があり、この表面平滑性を向上させるためには反応
時間を長くしてフェノール樹脂の収縮を抑制する必要が
ある。また、フェノール樹脂の加熱硬化時にホルマリン
が発生して成形機や金型等の金属腐食が生じるという問
題がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、優れた難燃性はもちろん、表面平滑性にも優
れ、長期間の曝露においても強度の低下の少ない難燃性
FRP部材の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の難燃性FRP部材は、下記の熱硬化性樹脂
組成物(A)を含浸してなる繊維基材を加熱硬化してな
る難燃性FRP部材であって、表面層が難燃性不織布か
らなる層で形成されているという構成をとる。 (A)スチレンモノマー含有熱硬化性樹脂組成物。
【0008】すなわち、本発明者らは、含浸樹脂として
フェノール樹脂を用いたFRP部材と同等以上の優れた
難燃性を有するとともに、フェノール樹脂に起因した上
記各問題を解消できるFRP部材を得るために、FRP
部材自身の構成を中心に検討を重ねた。その結果、スチ
レンモノマー含有の熱硬化性樹脂組成物を含浸してなる
繊維基材を加熱硬化してなるFRP部材の表面層を難燃
性不織布からなる層で形成すれば、熱硬化性樹脂組成物
の種類に関わらず優れた難燃性を付与することが可能に
なるとともに、FRP部材の表面に難燃性不織布が設け
られているため、その表面が平滑になる。しかも、難燃
性を得るために含浸樹脂としてフェノール樹脂を使用す
る必要が無いため、FRP部材の着色が自由となり、フ
ェノール樹脂に起因したホルマリンも生じない。また、
難燃性不織布を設けることにより強度の向上が実現する
ことを見出し本発明に到達した。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0010】本発明の難燃性FRP部材は、特定の熱硬
化性樹脂組成物(A)を含浸させてなる繊維基材を加熱
硬化することにより得られるものであって、その表面層
が難燃性不織布からなる層で形成されているものであ
る。
【0011】上記繊維基材に含浸させる特定の熱硬化性
樹脂組成物(A)としては、スチレンモノマー含有熱硬
化性樹脂を主成分とし、これに各種添加剤を配合したも
のがあげられる。
【0012】上記スチレンモノマー含有熱硬化性樹脂と
しては、特に限定するものではなく、不飽和ポリエステ
ル,ビニルエステル樹脂,ウレタンアクリレート樹脂,
難燃性ポリエステル等があげられる。そして、このよう
なスチレンモノマー含有熱硬化性樹脂において、スチレ
ンモノマー含有量としては、35〜55重量%が好まし
く、特に好ましくは40〜50重量%である。このよう
にスチレンモノマー含有熱硬化性樹脂を使用することに
より、繊維基材に含浸させる上記熱硬化性樹脂組成物
(A)の粘度を低く設定することが可能となり、各種添
加剤である顔料や無機質充填剤等の配合による高粘度化
を抑制することが可能となる。そして、上記スチレンモ
ノマー含有熱硬化性樹脂のなかでも、特に引抜成形によ
る表面平滑性という点から、不飽和ポリエステルを用い
ることが好ましい。なお、本発明においては、繊維基材
に含浸させる樹脂のスチレンモノマー含有熱硬化性樹脂
としては、当然、フェノール樹脂は用いない。
【0013】上記各種添加剤としては、無機質充填剤、
顔料、内部離型剤、触媒、さらに紫外線吸収剤等が必要
に応じて適宜用いられる。
【0014】上記無機質充填剤としては、難燃性を付与
することのできる充填剤が好ましく、例えば、水酸化ア
ルミニウム水和物、半水石膏、水酸化マグネシウム、赤
燐、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン等があげられる。こ
のような無機質充填剤は、通常、上記熱硬化性樹脂10
0重量部(以下「部」と略す)に対して10〜150部
の範囲に設定される。
【0015】また、本発明の難燃性FRP部材は自由に
着色可能であるという点から、上記各種顔料が用いら
れ、例えば、赤色の着色には赤色酸化鉄等が、黄色の着
色には黄色酸化鉄やチタニウムイエロー等が、白色の着
色にはチタン白や硫化亜鉛等が、黒色の着色には鉄黒等
があげられる。
【0016】さらに、上記内部離型剤としては、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等があげられる。
【0017】上記触媒としては、パーオキシエステル
系、パーオキシシクロヘキシル系、パーオキシケタール
系、ジアシルパーオキシド系の第四級アンモニウム塩等
があげられる。
【0018】上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等従来公知のもの
が用いられる。
【0019】上記スチレンモノマー含有熱硬化性樹脂を
主成分とし、これに各種添加剤を配合した特定の熱硬化
性樹脂組成物(A)の粘度は、成形の容易性という点か
ら、25℃において0.1〜4.0Pa・s、特に0.
2〜3.0Pa・sが好ましい。すなわち、上記粘度が
0.1Pa・s未満であれば、粘度が低くなりすぎ、繊
維基材に充分に含浸させることが困難となり、逆に4.
0Pa・sを超えると、連続引抜成形はできるものの、
引抜抵抗が高くなりすぎて真直性のあるFRP部材を安
定して得ることが困難になるからである。なお、上記粘
度は、例えば、東京精機社製、EMD型粘度計(E型粘
度計)を用いて測定することができる。
【0020】上記特定の熱硬化性樹脂組成物(A)を含
浸させる繊維基材としては、例えば、ガラス繊維、カー
ボン繊維等があげられる。上記ガラス繊維としては、例
えば、ガラスロービング、ガラス不織布、ガラスマッ
ト、ガラスクロス等があげられ、コスト的な理由からE
ガラスを使用することが好ましい。
【0021】そして、本発明では、上記特定の熱硬化性
樹脂組成物(A)を含浸させた繊維基材を加熱硬化させ
てなるものの表面層に難燃性不織布からなる層が設けら
れるが、この難燃性不織布としては、難燃性を有するも
のであれは特に限定するものではないが、例えば、フェ
ノール系不織布,難燃性ポリエステル系不織布等があげ
られる。特に、燃焼時での表面層の炭化や分解ガスの発
生を少なくすることができるという点から、フェノール
系不織布を用いることが好ましい。
【0022】本発明の難燃性FRP部材の製造工程を、
管状部材を一例にして述べる。上記管状部材である難燃
性FRP部材は、通常、連続引き抜きフィラメントワイ
ンディング法にしたがって製造される(例えば、特公昭
54−23028号公報に記載の製造方法に基づく)。
すなわち、図1に示すように、マンドレル16上に形成
した樹脂含浸の繊維を加熱金型17に導き(マンドレル
16の先端は加熱金型17の出口に達する)、加熱金型
17内で整形とともに熱硬化性樹脂の加熱硬化を行い、
引き取りロール18により管状の硬化成形体Yを引き取
りつつカッター19で所望の長さに定尺切断していく方
法である。
【0023】より詳しく説明すると、図1において、2
0は含浸樹脂浴、21および22はそれぞれ軸方向繊維
用の繊維、23は周方向に巻回される繊維、24はマッ
ト繊維であり、上記引き取りロール18による管状の硬
化成形体の引き取りにともない、上記各繊維材料が繰り
出され、その各繊維材料が含浸樹脂浴20で浸漬含浸さ
れ、マンドレル16の全周上に軸方向繊維用の繊維は軸
方向に添わされ、また周方向の巻回用繊維は周方向に巻
回されて樹脂含浸の多層体Xが形成される。そして、加
熱金型17の入り口にて、この未硬化の樹脂含浸の多層
体X表面に難燃性不織布25が被覆され、加熱金型17
を通過する間にその金型内部で整形とともに含浸樹脂の
加熱硬化が行われる。ついで、管状の硬化成形体Yが引
き取りロール18にて引き取られ、さらにカッター19
で所望の長さに順次定尺切断する。このようにして目的
とする管状の難燃性FRP部材が製造される。
【0024】上記製造工程において、加熱金型17にお
ける加熱温度は、含浸樹脂の種類にもよるが、通常、8
0〜200℃の範囲内に設定される。
【0025】上記のようにして得られた管状の難燃性F
RP部材は、図2に示すように、1は軸方向繊維のFR
P層で、2は周方向に巻回された繊維のFRP層、3は
軸方向繊維のFRP層であり、4はマット繊維のFRP
層であり、外表面層には難燃性不織布からなる層5が形
成されている。
【0026】そして、このようにして得られた、図2に
示す、管状の難燃性FRP部材は、外径10〜250m
m、好ましくは50〜200mmに、肉厚2.0〜7.
0mm、好ましくは2.5〜4.0mmに、また、外表
面層となる難燃性不織布からなる層5の厚みは100〜
1500μm、好ましくは200〜1200μmに設定
される。
【0027】上記図2に示す管状の難燃性FRP部材
は、FRP層が4層構造のものであるが4層構造に限定
するものではなく軸方向繊維と周方向繊維とが交互に繰
り返し形成されていればよい。
【0028】そして、上記管状の難燃性FRP部材にお
いて、軸方向繊維と、周方向繊維とによって構成される
場合の双方の割合は、その基本骨格となる繊維構成部分
にもよるが、図2に示す管状のように、軸方向が2層、
周方向が1層の形成では体積比で、軸方向繊維:周方向
繊維=2:1が好ましい。また、軸方向と周方向が互い
に同数の層形成の場合は、その体積比は、軸方向繊維:
周方向繊維=1:1が好ましい。
【0029】上記軸方向繊維,周方向繊維,マット繊維
および難燃性不織布の、難燃性FRP部材全体における
体積含有率は40〜70%に設定することが好ましい。
すなわち、体積含有率が40%未満のように硬化樹脂の
体積含有率が多くなれば、金型面に硬化物が付着して堆
積し、その結果、引抜き抵抗が増加して成形性が低下す
るという傾向がみられる。また、体積含有率が70%を
超えると、管状の難燃性FRP部材を前述の連続引抜成
形法で成形する際の引抜抵抗が大きくなり、成形が困難
になり、表面平滑性に劣るという問題が生じる傾向がみ
られるからである。
【0030】本発明の難燃性FRP部材の形状として
は、上記管状に特に限定するものではなくその用途によ
り各種形状に成形される。管状以外に、例えば、棒状,
板状,矩形等種々の形状があげられる。
【0031】本発明の難燃性FRP部材の具体的な用途
の一例として、管状部材であるケーブル保護管があげら
れる。例えば、本発明の難燃性FRP部材をケーブル保
護管として用いる場合のより具体的な例としては、橋梁
下部に添って配設される管のうち、河川地面上の橋梁端
側部分の管路に用いられる橋梁添架ケーブル管路があげ
られる。このように、本発明の難燃性FRP部材を橋梁
添架ケーブル管路に用いた場合、架橋下の焚火を火元と
する延焼を軽度にとどめることができ、安定した電力供
給や通信等の実現が図られる。
【0032】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0033】
【実施例1】先に述べた連続引抜成形法に従い(図1参
照)、軸方向および周方向にガラスロービング(100
0m当たり4400g)を、マット繊維にはガラスマッ
トを、そして、難燃性不織布にはフェノール系不織布
(日本バイリーン社製、カイノール不織布、厚み880
μm、繊維量100g/m2 )を用いて、図2に示す管
状の難燃性FRP部材を作製した。上記製造において、
加熱硬化温度は160℃、引き抜き速度0.3m/分で
製造した。この難燃性FRP部材の軸方向ガラス繊維と
周方向ガラス繊維との双方の割合は、体積比で、軸方向
ガラス繊維:周方向ガラス繊維=2:1、難燃性FRP
部材の外径は131mm、内径は125mm、表面層の
フェノール系不織布の厚みは500μmであった。
【0034】なお、上記難燃性FRP部材を作製する際
に、ガラス繊維(ガラスロービング、ガラスマット)に
含浸させる含浸樹脂として、つぎの熱硬化性樹脂組成物
を作製し用いた。すなわち、難燃性不飽和ポリエステル
樹脂(スチレンモノマー含有量45重量%、日本ユピカ
社製、FMS−531)100部、水酸化アルミニウム
水和物75部、内部離型剤(ステアリン酸亜鉛)1部、
顔料(オレンジ)4部、触媒(ベンゾイルパーオキサイ
ド)1.5部からなる粘度(25℃)1.8Pa・sの
熱硬化性樹脂組成物を用いた。
【0035】
【実施例2】難燃性不織布として難燃性ポリエステル系
不織布(東洋紡績社製、ハイムH6501A、厚み28
0μm、繊維量50g/m2 )を用いた。それ以外は実
施例1と同様にして管状の難燃性FRP部材を作製し
た。
【0036】
【実施例3】含浸樹脂となる熱硬化性樹脂組成物とし
て、難燃性ビニルエステル樹脂(スチレンモノマー含有
量45重量%、大日本インキ化学工業社製、ディクライ
トUE−7016)100部、水酸化アルミニウム水和
物50部、三酸化アンチモン3部、内部離型剤(ステア
リン酸亜鉛)1部、顔料(グリーン)4部、触媒〔メチ
ルエチルケトンパーオキシド(MEKPO)〕1.5部
からなる粘度(25℃)1.8Pa・sの熱硬化性樹脂
組成物を用いた。一方、難燃性不織布としてフェノール
系不織布(日本バイリーン社製、カイノール不織布、厚
み440μm、繊維量50g/m2 )を用いた。それ以
外は実施例1と同様にして管状の難燃性FRP部材を作
製した。
【0037】
【比較例】先に述べた連続引抜成形法に従い、軸方向お
よび周方向にガラスロービング(1000m当たり44
00g)を、マット繊維にはガラスマットを用いて、管
状の難燃性FRP部材を作製した。上記製造において、
加熱硬化温度は160℃、引き抜き速度0.3m/分で
製造した。この難燃性FRP部材の外径は131mm、
内径は125mmであった。
【0038】なお、上記難燃性FRP部材を作製する際
に、ガラス繊維(ガラスロービング、ガラスマット)に
含浸させる含浸樹脂として、つぎの熱硬化性樹脂組成物
を作製し用いた。すなわち、フェノール樹脂(昭和高分
子社製、ショウノールBRL−240)100部、水酸
化アルミニウム水和物75部、内部離型剤(AXEL社
製、INT−1850H)2部、顔料(オレンジ)4部
からなる粘度(25℃)1.7Pa・sの熱硬化性樹脂
組成物を用いた。
【0039】このようにして得られた実施例および比較
例の管状の難燃性FRP部材について、表面平滑性、難
燃性、曲げ強度、着色性、ホルマリンの発生の有無につ
いて測定・比較評価を行った。これらの結果を、下記の
表1にまとめて示す。なお、これらの特性は、以下の基
準に従って評価した。
【0040】〔表面平滑性〕表面平滑性の評価は、最大
粗さが10μm未満である場合を◎、最大粗さが10〜
50μmの範囲内にある場合を○、最大粗さが50μm
を超えてFRP部材の表面にカケができる状態を×とし
て行った。なお、粗さの測定には、表面粗さ形状測定機
(東洋精密社製、サーフコム550A)を用いた。
【0041】〔難燃性〕JIS−C−8430の試験方
法に準じて試験を実施し、合格したものを○とした。な
お、上記試験において、接炎時間を130秒とした。
【0042】〔曲げ強度〕内径125mm×外径131
の管状FRP部材の、長さ方向に100mm×幅10m
mを切り出して試験片とし、JIS−K−6911に準
じて3点曲げ試験を実施して測定した。
【0043】〔着色性〕得られたFRP部材の表面が、
含浸樹脂に配合した顔料の色に着色されているか否かを
目視により評価した。その結果、FRP部材表面の色が
顔料の色であると認識可能なものを○、顔料以外の色と
認識されたものを×として評価した。
【0044】〔ホルマリンの発生の有無〕管状FRP部
材の引き抜き成形工程中の加熱された金型の、成形方向
に対して出口側から発生する気体を収集し、ガスクロマ
トグラフィー(GC−MS)にて分析した。
【0045】
【表1】
【0046】上記表1の結果、実施例品は優れた難燃性
を示すとともに、その表面は平滑であり、しかも強度的
にも優れていることがわかる。さらに、着色性にも優れ
ており、着色の自由度が高いことがわかる。そして、製
造時にはホルマリンも発生しなかった。これに対して比
較例品は、良好な難燃性は示すものの、表面平滑性に劣
っており、しかもフェノール樹脂の硬化に起因した色に
着色された。また、曲げ強度に関しても、実施例品と比
べて低い値であった。さらに、製造時にはホルマリンが
発生した。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明の難燃性FRP部
材は、スチレンモノマー含有の熱硬化性樹脂組成物を含
浸してなる繊維基材を加熱硬化してなるFRP部材の表
面層が難燃性不織布からなる層で形成されている。この
ため、上記含浸樹脂の種類に関わらず優れた難燃性が付
与されるとともに、FRP部材の表面に難燃性不織布か
らなる層が設けられているため、良好な表面平滑性を有
する。しかも、難燃性を得るために含浸樹脂としてフェ
ノール樹脂を使用する必要が無いため、FRP部材の着
色の自由度が向上し、またこのフェノール樹脂に起因し
たホルマリンの発生も抑制される。
【0048】したがって、本発明の難燃性FRP部材
は、例えば、管状部材である電力ケーブル保護管,通信
ケーブル保護管、建築物の内壁材、アンテナ素子の保護
管等のような用途に最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の難燃性FRP部材の製造工程を示す概
略図である。
【図2】本発明の難燃性FRP部材の一例を示す概略斜
視図である。
【符号の説明】
1,3 軸方向繊維のFRP層 2 周方向に巻回された繊維のFRP層 4 マット繊維のFRP層 5 難燃性不織布からなる層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA19 AG00 AH02A AH02B AH02C AK01A AK01B AK01C AK33B AK41B AK44 AL05A AL05B AL05C BA03 BA05 BA07 BA08 BA10B CA13 CA30 DA11 DG01 DG11A DG11C DG15B EJ82A EJ82C GB90 JB13A JB13B JB13C JJ07B JK01 JK15 4F205 AA36 AD16 AG08 AH43 AH46 HA02 HA05 HA33 HA37 HA46 HB02 HC12 HC13 HF05 HK22 HL12 HL13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の熱硬化性樹脂組成物(A)を含浸
    してなる繊維基材を加熱硬化してなる難燃性繊維強化プ
    ラスチック部材であって、表面層が難燃性不織布からな
    る層で形成されていることを特徴とする難燃性繊維強化
    プラスチック部材。 (A)スチレンモノマー含有熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記難燃性繊維強化プラスチック部材が
    管状部材であって、少なくとも上記管状部材の外表面層
    が難燃性不織布からなる層で形成されている請求項1記
    載の難燃性繊維強化プラスチック部材。
  3. 【請求項3】 上記難燃性不織布が、フェノール系不織
    布または難燃性ポリエステル系不織布である請求項1ま
    たは2記載の難燃性繊維強化プラスチック部材。
  4. 【請求項4】 上記難燃性繊維強化プラスチック部材が
    管状部材であって、繊維基材の基本骨格となる繊維構成
    部分が、軸方向に引きそろえられた繊維層と周方向に巻
    回された繊維層とが交互に繰り返し形成されたものであ
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性繊維強化
    プラスチック部材。
  5. 【請求項5】 上記難燃性繊維強化プラスチック部材
    が、橋梁下部に添って配設される管のうち、河川地面上
    の橋梁端側部分の管路に用いられる管状の橋梁添架ケー
    ブル管である請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃
    性繊維強化プラスチック部材。
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