JPH09159070A - 通信アンテナカバー用ガラス繊維強化プラスチック製パイプ - Google Patents

通信アンテナカバー用ガラス繊維強化プラスチック製パイプ

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JPH09159070A
JPH09159070A JP7319186A JP31918695A JPH09159070A JP H09159070 A JPH09159070 A JP H09159070A JP 7319186 A JP7319186 A JP 7319186A JP 31918695 A JP31918695 A JP 31918695A JP H09159070 A JPH09159070 A JP H09159070A
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JP
Japan
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glass fiber
frp
tubular body
glass
communication antenna
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JP7319186A
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English (en)
Inventor
Masahiko Hori
正彦 堀
Hiroshi Tamura
坦 田村
Hiroshi Matsuoka
寛 松岡
Masaaki Hattori
正昭 服部
Michio Kawabe
倫生 川辺
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内外径の寸法精度が正確で、薄肉性、真直性、
機械的強度、表面平滑性および耐候性に優れた通信アン
テナカバー用ガラス繊維強化プラスチック製パイプを提
供する。 【解決手段】軸方向に引きそろえられたガラス繊維を主
体としてなるガラス繊維強化プラスチック製筒状体1
と、上記ガラス繊維強化プラスチック製筒状体の外周面
に形成された表面保護膜2とを備えた通信アンテナカバ
ー用ガラス繊維強化プラスチック製パイプである。しか
も、上記ガラス繊維強化プラスチック製筒状体1のガラ
ス繊維の体積含有率が60〜72%に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、通信用アンテナ
のカバーに用いられるガラス繊維強化プラスチック(以
下「FRP」という)製パイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、通信用アンテナカバーには、
FRP製パイプが用いられている。このFRP製パイプ
を通信アンテナカバーとして使用するためには、FRP
製パイプが正確な内径および外径の寸法精度、薄肉性、
真直性、耐候性、電波透過性等を満足するものでなけれ
ばならない。
【0003】このような通信アンテナカバー用FRP製
パイプは、例えば、以下のような方法によって作製され
る。すなわち、まず、シートワインディング法、フィラ
メントワインディング法によりFRP製パイプを作製す
る。つぎに、このFRP製パイプに、所定の外径、表面
平滑性を得るためのセンタレス加工等を施し、研磨する
ことによって通信アンテナカバー用FRP製パイプを作
製している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシートワインディング法、フィラメントワインディ
ング法によって作製した通信アンテナカバー用FRP製
パイプは、軸方向の繊維量が大きく影響して、充分な曲
げ強度を得ることができないという問題を有している。
このような曲げ強度の不足は、近年のアンテナの延長化
を考えれば、一層深刻な問題である。加えて、通信アン
テナカバー用FRP製パイプは、屋外に設置される場合
が多く、風雨等による曲げ荷重にも耐える曲げ強度も必
要とされるが、FRP製パイプ自体がそもそも薄肉であ
るため、上記の方法によって得られた通信アンテナカバ
ーは、要求される耐強度を満足するものではなかった。
また、屋外に設置されることから、良好な耐候性が要求
されるが、従来の通信アンテナカバー用FRP製パイプ
は、その点に関しても充分なものではなかった。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、内外径の寸法精度が正確で、薄肉性、真直
性、機械的強度、表面平滑性および耐候性に優れた通信
アンテナカバー用FRP製パイプを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の通信アンテナカバー用FRP製パイプ
は、軸方向に引きそろえられたガラス繊維(以下「軸方
向ガラス繊維」という)を主体としてなるFRP製筒状
体と、このFRP製筒状体の外周面に形成された表面保
護膜とを備えた通信アンテナカバー用FRP製パイプで
あって、上記FRP製筒状体のガラス繊維の体積含有率
が60〜72%に設定されているという構成をとる。
【0007】ここに、「軸方向ガラス繊維を主体として
なる」とは、上記FRP製筒状体中のガラス繊維が軸方
向ガラス繊維のみからなる場合、もしくはこの軸方向ガ
ラス繊維に加えて周方向のガラス繊維で形成された場
合、上記軸方向および周方向のガラス繊維に加えて、ガ
ラス不織布を使用した場合、さらにガラス繊維の一部を
無機質充填剤で置き換えた場合を意味する。
【0008】すなわち、本発明者らは、上記目的を達成
するために、上記FRP製筒状体中のガラス繊維の体積
含有率および上記FRP製筒状体の耐候性について一連
の研究を重ねた。そして、上記FRP製筒状体が軸方向
ガラス繊維を主体として、しかも上記FRP製筒状体中
のガラス繊維の体積含有率が60〜72%に設定されて
いれば、連続引抜成形ができ、表面平滑性、寸法精度、
真直性、曲げ強度に優れることを見出すとともに、上記
FRP製筒状体の外周面に表面保護膜が形成されていれ
ば、耐候性にも優れることを見出した。その結果、外周
面に表面保護膜が形成された上記FRP製筒状体が、通
信アンテナカバーに要求される寸法精度、表面平滑性、
真直性、曲げ強度、耐候性等を全て満足することを見出
しこの発明に到達した。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態を
詳しく説明する。
【0010】この発明の通信アンテナカバー用FRP製
パイプは、図1に示すように、軸方向ガラス繊維を主体
とし、かつ、ガラス繊維の体積含有率が60〜72%に
設定されてなるFRP製筒状体1と、このFRP製筒状
体1の外周面に形成された表面保護膜2とを備えた構成
からなる。
【0011】上記FRP製筒状体1が「軸方向ガラス繊
維を主体とする」とは、先に述べたように、上記FRP
製筒状体1中のガラス繊維が軸方向ガラス繊維のみから
なる場合、もしくはこの軸方向ガラス繊維に加えて周方
向のガラス繊維で形成された場合、上記軸方向および周
方向のガラス繊維に加えて、ガラス不織布を使用した場
合、さらにガラス繊維の一部を無機質充填剤で置き換え
た場合を意味する。
【0012】上記FRP製筒状体1が軸方向ガラス繊維
のみで構成される場合は、当然、FRP製筒状体1にお
ける樹脂部以外のガラス繊維部分が軸方向ガラス繊維の
みからなる場合である。そして、上記FRP製筒状体1
が軸方向ガラス繊維と、周方向ガラス繊維とによって構
成される場合の双方の割合は、体積比で、軸方向ガラス
繊維:周方向ガラス繊維=60:40〜90:10、特
に軸方向ガラス繊維:周方向ガラス繊維=70:30〜
80:20が好ましい。
【0013】また、上記FRP製筒状体1がガラス繊維
(軸方向、周方向)と、ガラス不織布とによって構成さ
れる場合は、上記FRP製筒状体1中のガラス繊維全体
(体積含有率60〜72%を占める)を100とした場
合に、このガラス繊維全体に対して、ガラス繊維(軸方
向、周方向)が40〜100体積%となるように設定す
るのが好ましい。
【0014】そして、上記ガラス繊維(軸方向、周方
向)およびガラス不織布の一部を無機質充填剤で置き換
えた場合の無機質充填剤の割合は、ガラス繊維(軸方
向、周方向)およびガラス不織布の合計に対して、無機
質充填剤を10〜50重量%に、特に20〜40重量%
に設定するのが好ましい。すなわち、無機質充填剤が5
0重量%を超えると、引抜抵抗が増大し、曲がったFR
P製パイプになるという点で通信アンテナカバーに用い
るには不充分となる傾向がみられるからである。なお、
従来は単にガラス繊維量を減らす目的で無機質充填剤を
添加していたが、この発明においては、無機質充填剤は
FRP製筒状体1の表面平滑性を向上させる目的で使用
される。したがって、上記無機質充填剤の含有量は、上
記範囲内で表面平滑性を満足させることができる量に適
宜に設定される。
【0015】上記ガラス繊維が軸方向と周方向とによっ
て構成される場合、ガラス繊維(軸方向、周方向)とガ
ラス不織布とによって構成される場合、ガラス繊維(軸
方向、周方向)およびガラス不織布の一部を無機質充填
剤で置き換えた場合のいずれにおいても、上記FRP製
筒状体1中のガラス繊維全体(体積含有率60〜72%
を占める)を100とした場合に、このガラス繊維全体
に対して、軸方向ガラス繊維が50体積%以上含まれて
いることを前提とする。したがって、上記FRP製筒状
体1が「軸方向ガラス繊維を主体とする」とは、上記F
RP製筒状体1中に軸方向ガラス繊維がガラス繊維全体
の50体積%以上含まれていることをいう。すなわち、
軸方向ガラス繊維がガラス繊維全体の50体積%未満で
あれば、この発明において、軸方向ガラス繊維を主体と
するとはいえず、FRP製パイプの曲げ強度が弱くな
り、風雨によるFRP製パイプの変形という点で通信ア
ンテナカバーに用いるには不充分となる傾向があるから
である。
【0016】上記ガラス繊維としては、例えば、ガラス
ロービング、ガラス不織布、ガラスマット、ガラスクロ
ス等があげられ、コスト的な理由からEガラスを使用す
ることが好ましい。また、このEガラスとともに、Dガ
ラスと呼ばれる低誘電率繊維を併用することも可能であ
る。
【0017】上記無機質充填剤としては、特に限定する
ものではなく、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、半水石膏、水酸化アルミニウム、マイカ、酸化チタ
ン等があげられるが、特に表面平滑性の点から炭酸カル
シウム、タルク、クレーが好ましい。
【0018】上記ガラス繊維(軸方向、周方向、ガラス
不織布、および一部を無機質充填剤で置換したものも含
む)のFRP製筒状体1における体積含有率は60〜7
2%であるが、特に65〜70%が好ましい。すなわ
ち、体積含有率が60%未満であれば、成形金型のホー
ル面に硬化樹脂が付着することによりFRP製筒状体の
表面にカケができて、表面平滑性が劣り、表面保護膜2
の形成に悪影響を及ぼすからである。また、体積含有率
が72%を超えると、上記FRP製筒状体1を後述の連
続引抜成形法で成形する際の引抜抵抗が大きくなり、成
形が困難になる。したがって、真直性、内面および外面
の平滑性という点で通信アンテナカバーに用いるには不
充分となる傾向がみられるからである。
【0019】上記FRP製筒状体1を形成するにはガラ
ス繊維とともに、各種樹脂が用いられる。この樹脂とし
ては、特に限定するものではなく、不飽和ポリエステル
(ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等も
含む)、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル系、ポリエチレン系等の低収縮剤等があげられ、特に
引抜成形による表面平滑性という点から、不飽和ポリエ
ステル、ポリ酢酸ビニル系の混合系が好ましい。上記樹
脂は単独もしくは2種以上併用され、上記低収縮剤を併
用すれば、表面平滑性を向上させることができる。特
に、この発明の通信アンテナカバー用FRP製パイプに
おいて優れた特性(薄肉性、真直性、機械的強度、表面
平滑性および耐候性)を得るという点から、不飽和ポリ
エステル等の樹脂に、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾー
ル系、ベンゾフェノン系等)等を添加したものを用いる
ことも可能である。
【0020】上記樹脂成分の粘度は、25℃において
0.2〜2Pa・s、特に0.4〜1Pa・sが好まし
い。すなわち、上記樹脂成分の粘度が0.2Pa・s未
満であれば、粘度が低くなりすぎ、ガラス繊維に充分に
含浸させることができなくなるからであり、逆に2Pa
・sを超えると、連続引抜成形はできるものの、引抜抵
抗が高くなりすぎて真直性のあるFRP製パイプを安定
して得ることが困難になるからである。
【0021】上記FRP製筒状体1の外周に形成される
表面保護膜2の形成材料としては、特に限定するもので
はなく、例えば、ウレタン樹脂系塗料、アクリル樹脂系
塗料、フッ素樹脂系塗料、メラミン樹脂系塗料、エポキ
シ樹脂系塗料等があげられるが、特に耐候性、美観性、
安価等の点でウレタン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料
が好ましい。
【0022】図1に示すような、この発明の通信アンテ
ナカバー用FRP製パイプは、例えば以下に示す方法に
よって作製することができる。
【0023】まず、軸方向ガラス繊維を主体としてなる
FRP製筒状体1は、連続引抜成形法(特公昭54−2
3028号公報)によって作製することができる。
【0024】軸方向ガラス繊維が全体の100体積%で
あるFRP製筒状体は、例えば、以下の方法によって作
製することができる。具体的には、まず、図2および図
3に示すように、垂直に固定したマンドレル11上に、
樹脂を透過しない長尺シート状体(以下「不透過性長尺
シート状体」という)12、12' をこのシート状体1
2、12' の長さ方向を上記マンドレル11の軸方向に
ほぼ一致させるようにガイド環Gおよび介添棒Bによっ
て案内し、マンドレル11を完全に被覆する。つぎに、
樹脂槽13を経由させて樹脂を含浸した一本ないし複数
本の繊維体14を、不透過性長尺シート状体12、1
2' によって被覆されたマンドレル11の軸方向に巻き
つけ、第1被覆層(軸方向補強未硬化樹脂層)を形成す
る。そして、これを連続的に引き抜きつつ、マンドレル
11表面に上記樹脂層が存在している間にこれら樹脂層
を熱硬化させることにより、軸方向ガラス繊維が全体の
100体積%であるFRP製筒状体が得られる。この
際、上記樹脂槽13の経由速度、樹脂粘度、金型温度、
樹脂配合等を適宜に設定することにより、上記FRP製
筒状体のガラス繊維の体積含有率を60〜72%に設定
する。
【0025】また、軸方向ガラス繊維に加えて周方向ガ
ラス繊維で構成したFRP製筒状体は、例えば、以下の
方法によって作製することができる。具体的には、ま
ず、樹脂を含浸した一本ないし複数本の繊維体14を、
不透過性長尺シート状体12、12' によって被覆され
たマンドレル11の周方向に巻きつけ第2被覆層(周方
向補強未硬化樹脂層)を形成する。つぎに、この第2被
覆層(周方向補強未硬化樹脂層)上に、上記と同様にし
て第1被覆層(軸方向補強未硬化樹脂層)を形成するこ
とにより、軸方向ガラス繊維に加えて周方向ガラス繊維
で構成したFRP製筒状体が得られる。もしくは、上記
繊維体14を軸方向に巻きつけて第1被覆層(軸方向補
強未硬化樹脂層)を形成し、つぎにこの第1被覆層(軸
方向補強未硬化樹脂層)上に上記繊維体14を周方向に
巻きつけて第2被覆層(周方向補強未硬化樹脂層)を形
成することも可能である。
【0026】そして、ガラス繊維(軸方向、周方向)に
加えてガラス不織布で構成したFRP製筒状体は、例え
ば、以下の方法によって作製することができる。具体的
には、まず、上記マンドレル11上に被覆した不透過性
長尺シート状体12、12'の表面にガラス不織布を貼
り付けた後、このガラス不織布上に上記と同様にして第
2被覆層(周方向補強未硬化樹脂層)もしくは第1被覆
層(軸方向補強未硬化樹脂層)を形成することにより、
内層にガラス不織布を貼り付けたFRP製筒状体が得ら
れる。または、FRP製筒状体の外層を構成する第1被
覆層(軸方向補強未硬化樹脂層)もしくは第2被覆層
(周方向補強未硬化樹脂層)の表面に、ガラス不織布を
貼り付けることにより、外層にガラス不織布を貼り付け
たFRP製筒状体が得られる。このガラス不織布は、内
層および外層の双方に貼り付けることも可能である。
【0027】最後に、ガラス繊維(軸方向、周方向、ガ
ラス不織布)の一部を無機質充填剤で置き換えたFRP
製筒状体は、例えば、ガラス繊維(軸方向、周方向、ガ
ラス不織布)と、無機質充填剤とを先に述べたような割
合で配合し、この無機質充填剤を添加したガラス繊維を
用いて上記と同様の工程を経由することにより作製され
る。
【0028】つぎに、上記連続引抜成形法によって作製
した軸方向ガラス繊維を主体とするFRP製筒状体1の
外周面に、ウレタン樹脂系塗料等を塗装して表面保護膜
2を形成することにより、図1に示すような、この発明
の通信アンテナカバー用FRP製パイプを作製すること
ができる。上記表面保護膜2は、単層であっても、ある
いは2層以上の多層のいずれでもよいが、例えば、より
一層優れた耐候性の付与という点から、ウレタン樹脂系
塗料等を塗装した後、クリアのウレタン樹脂系塗料等で
塗装を行い2層に形成する2層構造の表面保護膜形成が
好ましい態様としてあげられる。この場合、上記FRP
製筒状体1は、優れた寸法精度および真直性を有するた
め、しごき塗装を行っても、塗膜厚が一定になり易く、
色むらが発生しにくくなり、塗膜厚が部分的に薄くなっ
ている箇所から耐候性が劣るという問題が生じることも
ほとんどない。なお、上記表面保護膜2の形成方法とし
ては、スプレー塗工、ハケ塗り、しごき塗装等による塗
装方法等があげられる。
【0029】このようにして得られた、図1に示すこの
発明の通信アンテナカバー用FRP製パイプは、FRP
製筒状体1の外径は8〜30mm、好ましくは10〜2
5mmに、内径が5〜25mm、好ましくは7〜20m
mに、また、表面保護膜2の厚みは5〜100μm、好
ましくは10〜50μmに設定される。
【0030】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0031】
【実施例1】先に述べた連続引抜成形法に従い、100
0m当たり2200gのガラスロービングおよびFRP
製筒状体の内外層にガラス不織布35g/m2 を用い
て、ガラス繊維の体積含有率が65%であるFRP製筒
状体を作製した。このFRP製筒状体の軸方向ガラス繊
維と周方向ガラス繊維との双方の割合は、体積比で、軸
方向ガラス繊維:周方向ガラス繊維=90:10、ガラ
ス繊維(軸方向、周方向)とガラス不織布との双方の割
合は、体積比で、ガラス繊維(軸方向、周方向):ガラ
ス不織布=80:20、FRP製筒状体の外径は21m
m、内径は17mmであった。なお、上記FRP製筒状
体を作製するには、不飽和ポリエステル樹脂100重量
部(以下「部」と略す)、ポリ酢酸ビニル系の低収縮剤
30部、硬化剤1部、内部離型剤0.5部、および顔料
3部からなる樹脂成分(1Pa・s)を用いた。
【0032】そして、得られたFRP製筒状体にセンタ
レス加工を施した。つぎに、このFRP製筒状体の外周
面にウレタン樹脂系塗料をしごき塗装によって塗装し、
厚み40μmの表面保護膜が形成された通信アンテナカ
バー用FRP製パイプを作製した。
【0033】
【実施例2】連続引抜成形法にて、1000m当たり1
00gのガラスロービングを用いて、ガラス繊維の体積
含有量が65%であるFRP製筒状体を作製した。この
FRP製筒状体の軸方向ガラス繊維と周方向ガラス繊維
との双方の割合は、体積比で、軸方向ガラス繊維:周方
向ガラス繊維=90:10であり、FRP製筒状体の外
径は25mm、内径は22mmであった。なお、上記F
RP製筒状体を形成するには、ビニルエステル樹脂10
0部、ポリ酢酸ビニル系の低収縮剤25部、触媒1部、
内部離型剤0.5部、および紫外線吸収剤0.5部から
なる樹脂成分(0.5Pa・s)を用いた。
【0034】そして、得られたFRP製筒状体に実施例
1と同様にしてセンタレス加工を施した。つぎに、この
FRP製筒状体の外周面に上記実施例1と同様にしてウ
レタン塗装を行った後、しごき塗装によってクリアのウ
レタン塗装を行い、厚み35μmである2層構造の表面
保護膜が形成された通信アンテナカバー用FRP製パイ
プを作製した。
【0035】
【実施例3】ガラス繊維の体積含有率が60%である他
は、上記実施例1と同様にして通信アンテナカバー用F
RP製パイプを作製した。
【0036】
【実施例4】ガラス繊維の体積含有率が72%である他
は、上記実施例1と同様にして通信アンテナカバー用F
RP製パイプを作製した。
【0037】
【実施例5】上記連続引抜成形法に従い、1000m当
たり1000gのガラスロービングを用いて、ガラス繊
維の体積含有率が60%であるFRP製筒状体を作製し
た。このFRP製筒状体におけるガラス繊維は、周方向
ガラス繊維およびガラス不織布を含まず、軸方向ガラス
繊維のみで構成した。また、このFRP製筒状体の外径
および内径は、上記実施例1と同じ大きさである。
【0038】以下、このFRP製筒状体を用いて、上記
実施例1と同様の工程により通信アンテナカバー用FR
P製パイプを作製した。
【0039】
【実施例6】ガラス繊維の体積含有率が72%である他
は、上記実施例5と同様にして通信アンテナカバー用F
RP製パイプを作製した。
【0040】
【実施例7】上記連続引抜成形法に従い、1000m当
たり4400gのガラスロービングおよびFRP製筒状
体の内外層にガラスマット300g/m2 を用い、この
ガラス繊維(軸方向)およびガラスマットの合計に対し
て、炭酸カルシウム(無機質充填剤)を40重量%の割
合になるよう置き換えたFRP製筒状体を作製した。こ
のFRP製筒状体におけるガラス繊維の体積含有率は6
0%である。
【0041】以下、このFRP製筒状体を用いて、上記
実施例1と同様の工程により通信アンテナカバー用FR
P製パイプを作製した。
【0042】
【実施例8】ガラス繊維の体積含有率が72%である他
は、上記実施例7と同様にして通信アンテナカバー用F
RP製パイプを作製した。
【0043】
【比較例1】エポキシ樹脂を含浸したガラスクロス(タ
テ19本/25mm、ヨコ18本/25mm、質量21
0g/m2 )を用い、シートワインディング法にて上記
実施例1と同じ太さのFRP製筒状体を作製した。この
FRP製筒状体のガラス繊維の体積含有量は45%であ
り、軸方向ガラス繊維と周方向ガラス繊維との双方の割
合は、体積比で、軸方向ガラス繊維:周方向ガラス繊維
=50:50であった。
【0044】そして、得られたFRP製筒状体に上記実
施例1と同様のセンタレス加工およびウレタン塗装を行
い、通信アンテナカバー用FRP製パイプを作製した。
【0045】
【比較例2】フィラメントワインディング法にて、エポ
キシ樹脂をガラスロービングに含浸し、上記実施例1と
同じ太さのFRP製筒状体を作製した。このFRP製筒
状体のガラス繊維の体積含有量は35%であり、軸方向
ガラス繊維と周方向ガラス繊維との双方の割合は、体積
比で、軸方向ガラス繊維:周方向ガラス繊維=50:5
0であった。
【0046】そして、得られたFRP製筒状体に上記実
施例1と同様のセンタレス加工およびウレタン塗装を行
い、通信アンテナカバー用FRP製パイプを作製した。
【0047】
【比較例3】ガラス繊維の体積含有率が50%である他
は、上記実施例1と同様にして通信アンテナカバー用F
RP製パイプを作製した。
【0048】
【比較例4】ガラス繊維の体積含有率が74%である他
は、上記実施例1と同様にして通信アンテナカバー用F
RP製パイプを作製した。
【0049】このようにして得られた実施例1〜8およ
び比較例1〜4の通信アンテナカバー用FRP製パイプ
について、表面平滑性、真直性(曲がり)、耐候性、曲
げ強度および曲げ弾性率について比較評価を行った。こ
れらの結果を、下記の表1および表2にまとめて示す。
なお、これらの特性は、以下の基準に従って評価した。
【0050】〔表面平滑性〕表面平滑性の評価は、最大
粗さが10μm未満である場合を◎、最大粗さが10〜
50μmの範囲内にある場合を○、最大粗さが50μm
を超えてFRP製筒状体の表面にカケができる状態を×
として行った。
【0051】〔真直性(曲がり)〕図4に示すように、
得られた長さ1000mmの通信アンテナカバー用FR
P製パイプ41を平面40に置き、この平面40に対す
る1000mm当たりの最大反りa(mm)を測定し
た。
【0052】〔耐候性〕耐候性の評価は、ウエザオメー
タ−で3000時間暴露した時の光沢保持率が80%を
超える場合を◎、80〜40%の範囲内にある場合を
○、40%未満の場合を×として行った。
【0053】〔曲げ強度〕JIS K 6911に準じ
て測定した。
【0054】〔曲げ弾性率〕図5に示すように、得られ
た通信アンテナカバー用FRP製パイプ51を支持ホル
ダー50で片持ち状態で支持した。そして、上記FRP
製パイプ51の中心点に矢印方向bから荷重を加え、曲
げ弾性率(kg/mm2 )を測定した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】上記表1の結果から明らかなように、実施
例1〜8の通信アンテナカバー用FRP製パイプは、最
大粗さがいずれも10μm未満であり、表面平滑性に優
れるとともに、真直性(曲がり)についてもいずれも
0.5mm以下であり、この点においても非常に優れた
結果が得られた。また、光沢保持率がいずれも40%以
上であり、耐候性に優れており、特に実施例2の通信ア
ンテナカバー用FRP製パイプは光沢保持率が80%を
超えており、非常に優れた耐候性を有している。さら
に、曲げ強度がいずれも16kg/mm2 以上であり、
非常に優れた曲げ強度を有している。そして、曲げ弾性
率についても、いずれも3000kg/mm 2 以上であ
り、非常に優れた結果が得られた。
【0058】これに対して、比較例1、2の通信アンテ
ナカバー用FRP製パイプは、上記表2の結果から明ら
かなように、曲げ強度がそれぞれ13kg/mm2 、1
2kg/mm2 であり、上記実施例1〜8の通信アンテ
ナカバー用FRP製パイプに比べてかなり小さい値であ
った。これは、実施例1〜8の通信アンテナカバー用F
RP製パイプは、連続引抜成形法にて作製しているた
め、いずれも軸方向ガラス繊維を主体とするのに対し
て、比較例1、2の通信アンテナカバー用FRP製パイ
プは、それぞれシートワインディング法、フィラメント
ワインディング法にて作製しているため、軸方向のガラ
ス繊維が上記実施例1〜8に比べて少ないという理由に
よるものであると推察される。
【0059】また、比較例3の通信アンテナカバー用F
RP製パイプは、上記実施例1と同様の連続引抜成形法
にて作製したにもかかわらず、上記FRP製筒状体のガ
ラス繊維の体積含有率が50%と小さいため、FRP製
筒状体の表面にカケができ、表面平滑性が劣る結果とな
った。そのため、表面保護膜の形成に悪影響を及ぼし、
耐候性も劣る結果となった。
【0060】さらに、比較例4の通信アンテナカバー用
FRP製パイプは、上記実施例2と同様の連続引抜成形
法にて作製したにもかかわらず、上記FRP製筒状体の
ガラス繊維の体積含有率が74%と大きいため、引抜抵
抗が大きくなり、FRP製パイプが曲がってしまうとい
う結果となった。
【0061】
【発明の効果】以上のように、この発明の通信アンテナ
カバー用FRP製パイプは、上記FRP製筒状体が軸方
向ガラス繊維を主体とし、かつ、上記FRP製筒状体中
のガラス繊維の体積含有率が60〜72%に設定されて
いるため、表面平滑性、寸法精度、真直性、曲げ強度に
優れ、しかも、上記FRP製筒状体の外周面に表面保護
膜が形成されているため、耐候性にも優れている。した
がって、通信アンテナカバーに要求される寸法精度、表
面平滑性、真直性、曲げ強度、耐候性等を全て満足する
非常に有用な通信アンテナカバー用FRP製パイプであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の通信アンテナカバー用FRP製パイ
プの一例を示す概略斜視図である。
【図2】この発明の通信アンテナカバー用FRP製パイ
プにおけるFRP製筒状体の製造工程を示す概略図であ
る。
【図3】この発明の通信アンテナカバー用FRP製パイ
プにおけるFRP製筒状体の製造工程を示す概略図であ
る。
【図4】通信アンテナカバー用FRP製パイプの真直性
の評価方法を説明する概略図である。
【図5】通信アンテナカバー用FRP製パイプの曲げ弾
性率の評価方法を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 FRP製筒状体 2 表面保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01Q 1/00 H01Q 1/40 1/40 7310−4F B29C 67/14 D (72)発明者 服部 正昭 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 川辺 倫生 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に引きそろえられたガラス繊維を
    主体としてなるガラス繊維強化プラスチック製筒状体
    と、このガラス繊維強化プラスチック製筒状体の外周面
    に形成された表面保護膜とを備えた通信アンテナカバー
    用ガラス繊維強化プラスチック製パイプであって、上記
    ガラス繊維強化プラスチック製筒状体のガラス繊維の体
    積含有率が60〜72%に設定されていることを特徴と
    する通信アンテナカバー用ガラス繊維強化プラスチック
    製パイプ。
JP7319186A 1995-12-07 1995-12-07 通信アンテナカバー用ガラス繊維強化プラスチック製パイプ Pending JPH09159070A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008298178A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Asahi Organic Chem Ind Co Ltd 樹脂製配管部材
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