JP2011185281A - 等速自在継手用外側継手部材および等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度の低下を伴わず、大幅な軽量化が可能な等速自在継手用外側継手部材および等速自在継手を提供する。
【解決手段】外側継手部材3は、金属製外側継手部材本体12のカップ部10の開口部側の外径面17に外径側へ膨出して肉厚部15を構成する鍔部14を設ける。鍔部14よりも反開口側の外径面をFRP層13にて被覆した。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用される等速自在継手の外側継手部材および等速自在継手に関する。
等速自在継手(固定式等速自在継手)は、一般には、内径面にトラック溝が形成された外側継手部材としての外輪と、外径面にトラック溝が形成された内側継手部材としての内輪と、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外輪の内径面と内輪の外径面との間に介在してボールを保持するケージとを備えている。
近年の環境意識の高まりとガソリン高騰を受け、自動車製造メーカは自動車燃費の向上を目的として大幅な軽量化を目指しており、等速自在継手も大幅な軽量化が必要となっている。等速自在継手(固定式等速自在継手)の外側継手部材の構成部材には一般的に熱処理を施した中炭素鋼が使用される。このため、従来には、外輪の外径面に切欠溝部を形成することによって、外輪の一部において薄肉化を図って軽量化を図るようにしたものがある(特許文献1)。
特開2007−285443号公報
一般的に材質を変更すること無く(中炭素鋼のまま)、軽量化を図るためには薄肉化すればよい。しかしながら薄肉化すれば、薄肉化により部品への負荷が相対的に大きくなり、強度や耐久性能の低下を伴う。また大幅な軽量化を、形状の工夫のみで実現するには限界があった。
そこで、本発明は斯かる実情を鑑み、強度の低下を伴わず、大幅な軽量化が可能な等速自在継手用外側継手部材および等速自在継手を提供しようとするものである。
本発明の等速自在継手用外側継手部材は、金属製の外側継手部材本体のカップ部の開口部側の外径面に外径側へ膨出して肉厚部を構成する鍔部を設けるとともに、鍔部よりも反開口側の外径面をFRP層にて被覆したものである。FRP(Fiber Reinforced Plastics)とは、繊維でプラスチックを強化したものである。FRPは使用する繊維によって、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、AFRP、KFRP(アラミド繊維強化プラスチック)と呼ばれる。なお、使用する樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が代表的であるが、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂も使用できる。
本発明の等速自在継手用外側継手部材によれば、鍔部よりも反開口側の外径面を、軽量・高強度材であるFRP層にて被覆しているので、このカップ部の外径部における荷重をFRP層で受け持つことができる。また、引張応力が支配的になるカップ部の開口部側は肉厚とされる。
合成樹脂剤に浸潤させたFRPをフィラメントワインディング法又はシートワインディング法で鍔部よりも反開口側の外径面に直接巻き付けしたり、合成樹脂剤に浸潤させたFRPをフィラメントワインディング法又はシートワインディング法でマンドレルに巻設して焼き固めてなるFRP製筒体にて、前記FRP層を構成したり、さらには、合成樹脂剤に浸潤させたFRPを引抜成形法にて成形したFRP製筒体にて、前記FRP層を構成したりできる。ここで、フィラメントワインディング法とは、樹脂を含浸した炭素繊維(繊維束)を心棒のまわりに巻いて成形し、加熱して硬化させた後に心棒を取り外す方法である。繊維の束でなく、シートを巻きつけるのをシートワインディング法という。引抜成形法とは型の中で樹脂を連続して加熱硬化させる成形法である。
前記FRP層が軸線方向に対して+5°〜+90°、−5°〜−90°の角度で交互に配設される配向角となるように、所定の肉厚となるまで螺旋状に巻設したものとすることができる。
FRP製筒体と外側継手部材本体の外径面とは接着剤を介して接着され、この外径面に接着剤が溜まる溜り溝を設けるようにできる。このように、溜り溝が溜まって接着性の向上を図ることができる。
外側継手部材本体の外径面にFRP製筒体の軸方向の抜けを規制する抜け止め用突起部を設けるようにするも好ましい。抜け止め用突起部としては、外側継手部材本体の外径面の一部の隆起にて構成されるものであっても、外側継手部材本体の外径面に設けられる嵌合溝に装着されるクリップ体にて構成されるものであってもよい。
鍔部を省いた外側継手部材本体の外径面のほぼ全周をFRP層にて覆うものであっても、鍔部を省いた外側継手部材本体の外径面の一部をFRP層にて覆うものであってもよい。
FRP層の表面を保護膜にて覆うものであってもよい。保護膜としては、例えば、塗料を吹き付けたりなどしてFRP層の表面に塗料皮膜を形成するようにして構成できる。
FRP層に含まれる繊維としては例えば炭素繊維を用いることができる。炭素繊維とは、アクリル繊維またはピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に高温で炭化して作った繊維をいう。アクリル繊維を使った炭素繊維はPAN(Polyacrylonitrile)、ピッチを使った炭素繊維はPITCHと区分される。
FRP層に含まれる合成樹脂としては例えばエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂とは、高分子内に残存させたエポキシ基で架橋ネットワーク化させることで硬化させることが可能な熱硬化性樹脂の総称である。
本発明の等速自在継手は、前記等速自在継手用外側継手部材を用いたものである。
本発明の等速自在継手用外側継手部材は、軽量・高強度材であるFRP層にて被覆しているので、このカップ部の外径部における荷重をFRP層で受け持つことができ、外側継手部材全体として軽量化を図ることができる。しかも、引張応力が支配的になるカップ部の開口部側は肉厚とされているので、このように軽量化を図っても強度的に低下せず、外側継手部材として安定した機能を発揮できる。
フィラメントワインディング法又はシートワインディング法等にて、安定してFRP層を成形でき、生産性に優れる。また、5°〜+90°、−5°〜−90°の角度で交互に配設される配向角となるように、所定の肉厚となるまで螺旋状に巻設することによって、より強度的に優れたFRP層を構成することができる。
FRPの強度は含まれる繊維によって異なるが、例えば炭素繊維の場合、鋼の2倍程度の引張り強度であるため、より小径化を図ることが可能である。例えば、CFRPは鋼よりも変形しにくい材料であるため、荷重負荷時の外側継手部材の変形を抑え、等速自在継手の内部部品をより理想的な状態に保つことができ、高トルク負荷時の強度が向上する。FRPは異方性材料であるため、繊維の巻き角や厚さを調整することで使用状況に合わせ、容易に最適強度にチューニングできる。
溜り溝を設けたものでは、接着性の向上を図ることができ、FRP製筒体を外側継手部材本体に対して安定した接合が可能となって、製品として安定する。すなわち、接着剤を用いる場合、FRP製筒体の外側継手部材本体のカップ部に対する抜けや回転を防止でき、FRP製筒体の抜けや回転による等速自在継手における損傷を抑制できる。
抜け止め用突起部を設けたものでは、FRP製筒体の軸方向のずれを規制することができ、製品としてより安定する。抜け止め用突起部としても、外側継手部材本体の外径面の一部の隆起にて構成されるものであっても、クリップ体にて構成されるものであってもよく、その形成は容易である。
本発明の等速自在継手では、軽量化を図った外側継手部材を用いることになって、軽量化を図ることが可能な等速自在継手を提供できる。しかも、従来品に比べて強度的に劣ることもない。
本発明の第1の実施形態を示す等速自在継手用外側継手部材を用いた等速自在継手の縦断面図である。 前記等速自在継手の横断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す等速自在継手用外側継手部材を用いた等速自在継手の縦断面図である。 本発明の第3の実施形態を示す等速自在継手用外側継手部材を用いた等速自在継手の縦断面図である。 前記図4に示す等速自在継手用外側継手部材の要部拡大断面図である。 本発明の第4の実施形態を示す等速自在継手用外側継手部材を用いた等速自在継手の縦断面図である。 前記図6に示す外側継手部材の要部拡大断面図である。 本発明の第5の実施形態を示す等速自在継手用外側継手部材を用いた等速自在継手の縦断面図である。 前記図8のA方向矢視図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1と図2は第1の等速自在継手用外側継手部材を用いた等速自在継手を示している。等速自在継手は固定式等速自在継手であって、内球面1に複数のトラック溝2が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外側継手部材3と、外球面4に外側継手部材3のトラック溝2と対をなす複数のトラック溝5が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内側継手部材6と、外側継手部材3のトラック溝2と内側継手部材6のトラック溝5との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外側継手部材3の内球面1と内側継手部材6の外球面4との間に介在してボール7を保持するケージ8とを備えている。また、内側継手部材6の内周にセレーションやスプライン等のトルク伝達手段を介して図示省略のシャフトが結合される。
外側継手部材3は、前記内球面1にトラック溝2が形成されたカップ部(マウス部)10と、このカップ部10から突設されるステム部11とを有する金属製(例えば中炭素鋼等)の外側継手部材本体12と、この外側継手部材本体12のカップ部10の外径面17を被覆する円筒状のFRP層13とを備える。なお、カップ部10は、本体部10aと、底壁10bとからなり、底壁10bからステム部11が突設される。
カップ部10の本体部10aの外径面17は円筒面とされ、その開口部側においては周方向に沿って形成される鍔部14が形成されている。これによって、外側継手部材本体12は、開口部側においては肉厚部15とされている。そして、鍔部14よりも反開口側の外径面17を前記FRP層13にて被覆している。この場合、FRP層13の外径面13aと鍔部14の外径面14aとは、外径寸法が略同一に設定されて、連続して同一円筒面上に配設される。
すなわち、FRP層13の鍔部14側の端面13bが、鍔部14の反開口側の端面14cに突き合わせ状となっている。なお、FRP層13の端面13bの内径部は凸アールとされ、鍔部14の端面14cはこの凸アールに合う凹アールとされている。また、FRP層13の反開口側の端面13cが、カップ部10の本体部10aの端面16にまでほぼ達している。
FRP層13は、合成樹脂剤に浸潤させたFRPをフィラメントワインディング法又はシートワインディング法でマンドレルに巻設して焼き固めてなるFRP製筒体にて構成している。ここで、FRP(Fiber Reinforced Plastics)とは、繊維でプラスチックを強化したものである。FRPは使用する繊維によって、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、AFRP、KFRP(アラミド繊維強化プラスチック)と呼ばれる。なお、使用する樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が代表的であるが、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂も使用できる。特に、機械的強度が強く、耐熱性に優れ、耐薬品性、耐水性、耐湿性に優れる等の性質からこのFRP層13にはエポキシ樹脂が好ましい。
一般に、FRPは次に記載する特性を有する。耐候性、耐熱性、耐薬品性にすぐれている。電気絶縁性があり電波透過性に優れている。断熱性に優れている。さまざまな形状の製作に対応でき、着色が自由である。軽量かつ強度的に優れている。
この場合、FRP層13を構成するFRP製筒体Pを成形し、このFRP製筒体Pを、外側継手部材本体12のカップ部10の外径面17に圧入することになる。FRP製筒体Pは、軸線方向に対して+5°〜+90°、−5°〜−90°の角度で交互に配設される配向角となるように、所定の肉厚となるまで螺旋状に巻設したものである。
合成樹脂剤に浸潤させたFRPを引抜成形法(型の中で樹脂を連続して加熱硬化させる成形法)にて成形したFRP製筒体Pにて、FRP層13を構成したりできる。ところで、別途FRP製筒体Pを構成した場合、FRP製筒体Pを外側継手部材12のカップ部10に圧入することになる。このため、この圧入の締代としては、使用する材質等によって相違するが、軸方向及び周方向にずれず、しかも、過大な圧入入力を必要とせず、圧入によって変形したり、損傷したりしないものとされる。
また、前記実施形態では、FRP層13を構成するFRP製筒体Pを別途成形して、このFRP製筒体Pを外側継手部材本体12の外径面17に圧入するものであったが、外側継手部材本体12の外径面17に直接的にFRPを巻設するものであってもよい。
すなわち、合成樹脂剤に浸潤させたFRPをフィラメントワインディング法又はシートワインディング法にて外側継手部材本体12の外径面17に巻設して、前記FRP層13を構成することになる。
本発明の等速自在継手用外側継手部材では、鍔部14よりも反開口側の外径面17を、軽量・高強度材であるFRP層13にて被覆しているので、このカップ部10の外径部における荷重をFRP層13で受け持つことができ、外側継手部材全体として軽量化を図ることができる。しかも、引張応力が支配的になるカップ部10の開口部側は肉厚とされているので、このように軽量化を図っても強度的に低下せず、外側継手部材として安定した機能を発揮できる。
フィラメントワインディング法やシートワインディング法や引抜成形法等にて、安定してFRP層を成形でき、生産性に優れる。また、5°〜+90°、−5°〜−90°の角度で交互に配設される配向角となるように、所定の肉厚となるまで螺旋状に巻設することによって、より強度的に優れたFRP層を構成することができる。
FRPの強度は含まれる繊維によって異なるが、例えば炭素繊維の場合、鋼の2倍程度の引張り強度であるため、より小径化を図ることが可能である。例えば、CFRPは鋼よりも変形しにくい材料であるため、荷重負荷時の外側継手部材の変形を抑え、等速自在継手の内部部品をより理想的な状態に保つことができ、高トルク負荷時の強度が向上する。FRPは異方性材料であるため、繊維の巻き角や厚さを調整することで使用状況に合わせ、容易に最適強度にチューニングできる。
外側継手部材本体12のカップ部10とFRP層13を構成するFRP製筒体Pの間に接着剤を介在させるようにしてもよい。接着剤としては、金属・樹脂間の接合性の点からエポキシ系やウレタン系等の種々の接着剤を選択できる。
外側継手部材本体12とFRP層13とが接着剤を介して接合したものであれば、FRP層13の外側継手部材本体12のカップ部10への嵌め合い関係の隙間として、この隙間に接着剤S(図3参照)を介在させることができる。このため、外側継手部材本体12の外径面17にFRPを直接巻設しないものであって、FRP層13を別個に成形する場合、FRP層13の内径面を外側継手部材本体12の外径面17に圧接させる必要がない。すなわち、FRP層13の内径面寸法を高精度に仕上げる必要がなく、生産性に優れる。
ところで、接着剤Sを用いる場合において、外径面17にFRP製筒体Pを圧入するものであれば、この圧入によって、外径面17のFRP製筒体Pの内径面との界面に接着剤Sが残留しにくい。このため、接着性に劣ることになる。そのため、接着剤Sを用いる場合、図3に示すように、外径面17に接着剤Sが溜まる溜め溝20を設けるのが好ましい。この場合の溜め溝20は、外径面17の底壁側に設けられた断面扁平矩形の周方向溝である。しかしながら、このような形状に限らず、接着剤Sを溜めることができて、カップ部の強度を低下させない範囲で種々変更できる。
このように、溜め溝20を設ければ、圧入の際に予め接着剤Sを流し込んでおくことで、接着剤Sの機能を十分発揮させることができる。これによって、FRP製筒体の外側継手部材本体のカップ部に対する抜けや回転を防止でき、FRP製筒体の抜けや回転による等速自在継手における損傷を抑制できる。
次に、図4と図5に示す外側継手部材本体12では、外径面17にFRP製筒体Pの抜けを規制する抜け止め用突起部21が設けられている。この場合の突起部21は、底壁10b側に設けられ、外径面17から周方向に沿って隆起する隆起部24からなる。この隆起部24は、断面直角三角形状体であって、FRP層13の端面13cが係止する径方向端面24aと、この端面24aの外径端から底壁に向かって縮径する傾斜面24bとで構成される。
このため、FRP製筒体Pを底壁側から外径面17に図5の矢印のように圧入していって、隆起部24にFRP製筒体Pが対応する位置になれば、FRP製筒体Pの内径面が拡径して、FRP製筒体Pは比較的なめらかな傾斜である傾斜面24bを、図5の仮想線で示すように、順次乗り上げていく。そして、この隆起部24を越えれば、FRP製筒体Pの内径面が元の状態に戻る。これによって、FRP製筒体Pにて構成されるFRP層13の端面13cが端面24aに係止(当接)した状態となる。この場合、FRP層13は、前記図1等に示す実施形態とは相違して、端面13cがカップ部10の本体部10aの端面16に達しないものである。すなわち、底壁部10b側を省略している。
このように、FRP層13の端面13cが隆起部24の端面24aに係止した状態となれば、FRP層13の端面13bが鍔部14の端面14bに当接した状態となる。従って、鍔部14の端面14bが開口側へのFRP層13の抜け止めを構成し、隆起部24の端面24aが反開口側のFRP層13の抜け止めを構成する。隆起部24にて抜け止め用突起部21を構成するようにすれば、部品点数を増加させることなく、抜け止め機構を構成することができる。
図6に示す抜け止め用突起部21には、図5に示すように、外径面17を隆起させたものではなく、別部材であるクリップ25を用いたものである。すなわち、図7に示すように、外径面17に嵌合溝26を形成し、この嵌合溝26にクリップ25を装着することになる。クリップ25としては、既存の丸サークリップ、角サークリップ、スナップリング等を用いることができる。なお、この実施形態では、断面扁平のサークリップを用いている。
このようなクリップ25を用いる場合、FRP製筒体Pを外径面17に圧入した後、クリップ25を装着すればよい。このため、圧入時に、抜け止め用突起部21を乗り越える必要が無くFRP製筒体Pの装着性に優れる。
ところで、前記図3〜図7に示す等速自在継手の外側継手部材のFRP層13としては、FRP製筒体Pを成形した後、カップ部10の外径面17に圧入することを前提としている。しかしながら、図4〜図7に示す等速自在継手の外側継手部材の場合、カップ部10の外径面17に合成樹脂剤に浸潤させたFRPを、フィラメントワインディング法又はシートワインディング法で直接巻き付けるようにしてもよい。
図3から図7に示す等速自在継手は、他の構成は図1と図2とに示す等速自在継手と同様であるので、図1と図2に示す等速自在継手と同一部材については同一符号を附してそれらの説明を省略する。このため、図3から図7に示す等速自在継手等においても、図1と図2に示す等速自在継手と同様の作用効果を奏する。
図8と図9に示すものでは、FRP層13の軸方向長さをカップ部10の本体部10aの軸方向長さの約半分の長さとしている。この場合、FRP層13の端面13bが、継手中心線L1(継手軸線Lと直交するとともに、作動角をとらない状態でボール中心Oを通る線)よりも僅かに端面16側に位置する。
そして、FRP層13が配置しない部位において、周方向に沿って軸方向に延びる凹溝30を形成している。この場合、凹溝30の配置位置とトラック溝2の配置位置とを周方向に沿ってずらせている。また、凹溝30の数をトラック溝2の数に合わせて8個としている。
このように、凹溝30を設けることによって、一層の軽量化を図ることができ、しかもFRP層13の軸方向長さを小とすることによって、低コスト化を図ることができる。
図8と図9に示すFRP層13では、FRP製筒体Pを成形した後、カップ部10の外径面17に圧入するようにしても、合成樹脂剤に浸潤させたFRPをフィラメントワインディング法又はシートワインディング法で直接巻き付けるようにしてもよい。
図8と図9に示す等速自在継手であっても、他の構成は図1と図2とに示す等速自在継手と同様であるので、図1と図2に示す等速自在継手と同一部材については同一符号を附してそれらの説明を省略する。このため、図8と図9に示す等速自在継手等においても、図1と図2に示す等速自在継手と同様の作用効果を奏する。
各実施形態におけるFRP層13の外径面13aに保護膜を形成することができる。保護膜としては、例えばウレタン系塗料等を塗布する塗装、または、FRP、CFRPを仕上げに薄く巻いたものを保護膜とするカバー材にて構成することができる。
保護膜を形成することによって、FRP層13の外径面13aを保護することができ、FRP層13の劣化、飛び石等による打ち傷を防止することができる。
また、各実施形態におけるFRP層におけるFRPとし、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、AFRP、KFRP(アラミド繊維強化プラスチック)を用いることができ、このように、繊維の種類によって、特性の相違するFRP層を構成することができる。すなわち、GFRPは、材料が安価でいろいろな形状になじみやすいので、様々な反転ができ、形状の自由度が高い。また硬化時間が比較的短いため、短納期で製作できる利点がある。CFRPは、GFRPより高価であるが、強度の面で優れており、積層数を薄くすることによって重さを軽くすることができる。強度を必要とし、なおかつ重量を軽くしたい制作物に向いている。AFRP、KFRPは、切断されにくく、最も優れた強度を発揮する。しかしながら、繊維の持つ「切れにくい」という特性が、自由な形状の成形を困難にし、後加工がしにくいという面もある。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、ボール数は8個に限定されることなく、その増減は任意である。また、各実施形態では、バーフィールド型(BJ)であったが、アンダーカットフリー型(UJ)の固定式等速自在継手であってもよい。すなわち、カップ部10の外径面17が円筒面で構成されている等速自在継手であればよい。図8に示すように、FRP層13の軸方向長さを小とした場合、凹溝30を設けなくてもよい。また、凹溝30を設ける場合、トラック溝2の数に合わせる必要はない。
FRP層13の肉厚や軸方向長さとしては、カップ部10の材質、肉厚、外径寸法、FRP層13の材質等に基づいて、形成される外側継手部材3としての強度を考慮して種々選択できる。
FRP層13をFRP製筒体Pにて構成する場合、長尺状のFRP製筒体を成形した後、この長尺状のFRP製筒体を所定寸に切断してFRP製筒体Pを製作するようにすることができる。このような製法では、所定寸のFRP製筒体Pを個々に成形するより複数個分のFRP製筒体Pを一度に成形することができ、生産性に優れる。なお、このように長尺状のFRP製筒体を成形する場合、所定寸に切断した際に無駄な部分が生じなく、かつ、たわまない範囲とするのが好ましい。
10 カップ部
12 外側継手部材本体
13 FRP層
14 鍔部
15 肉厚部
17 外径面
20 溜り溝
21 抜け止め用突起部
24 隆起部
25 クリップ
26 嵌合溝

Claims (15)

  1. 金属製の外側継手部材本体のカップ部の開口部側の外径面に外径側へ膨出して肉厚部を構成する鍔部を設けるとともに、鍔部よりも反開口側の外径面をFRP層にて被覆したことを特徴とする等速自在継手用外側継手部材。
  2. 合成樹脂剤に浸潤させたFRPをフィラメントワインディング法又はシートワインディング法で鍔部よりも反開口側の外径面に直接巻き付けたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  3. 合成樹脂剤に浸潤させたFRPをフィラメントワインディング法又はシートワインディング法でマンドレルに巻設して焼き固めてなるFRP製筒体にて、前記FRP層を構成したことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  4. 合成樹脂剤に浸潤させたFRPを引抜成形法にて成形したFRP製筒体にて、前記FRP層を構成したことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  5. 前記FRP層が軸線方向に対して+5°〜+90°、−5°〜−90°の角度で交互に配設される配向角となるように、所定の肉厚となるまで螺旋状に巻設したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  6. FRP製筒体と外側継手部材本体の外径面とは接着剤を介して接着され、この外径面に接着剤が溜まる溜り溝を設けたことを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  7. 外側継手部材本体の外径面にFRP製筒体の軸方向の抜けを規制する抜け止め用突起部を設けたことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  8. 前記突起部は、外側継手部材本体の外径面の一部の隆起にて構成されることを特徴とする請求項7に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  9. 前記突起部は、外側継手部材本体の外径面に設けられる嵌合溝に装着されるクリップ体にて構成されることを特徴とする請求項7に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  10. 鍔部を省いた外側継手部材本体の外径面のほぼ全周をFRP層にて覆うことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  11. 鍔部を省いた外側継手部材本体の外径面の一部をFRP層にて覆うことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  12. FRP層の表面を保護膜にて覆うこと特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  13. FRP層に含まれる繊維が炭素繊維であること特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  14. FRP層に含まれる合成樹脂がエポキシ樹脂であること特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の等速自在継手用外側継手部材。
  15. 前記請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の等速自在継手用外側継手部材を用いたことを特徴とする等速自在継手。
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