JP2001170152A - スルホサリチル酸金属誘導体でなる消臭剤 - Google Patents
スルホサリチル酸金属誘導体でなる消臭剤Info
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Abstract
めの触媒としての機能を有している消臭剤であり、かつ
安価で着色性が低く、日用品への汎用性の高い消臭剤及
び消臭剤組成物を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(I)又は(II)で表される
スルホサリチル酸金属誘導体、或いはそれらの混合体で
なる消臭剤を提供する。 【化1】式(I) [式中、Metは金属を示し、Zは該金属の価数を示
し、M、Y+はカチオンである。] 【化2】式(II) [式中、Metは金属を示し、Zは該金属の価数を示
し、Mはカチオンであり、X-はアニオンである。]
Description
発生する悪臭に対して優れた消臭能力を有し、触媒作用
による消臭のため長時間にわたり、高い消臭効果を持続
するスルホサリチル酸金属誘導体でなる消臭剤、及びそ
の消臭剤を含有する消臭剤組成物に関する。
課題である。悪臭防止法が施行され、その中にも22の
特定悪臭原因物質が規定されており、大きくは、アミン
系、硫黄系、アルデヒド系、酸系等の範疇が含まれてい
る。
する場所は台所、冷蔵庫、トイレ、浴室等であり、その
悪臭の種類はアンモニアやアミン類、硫化水素及びメル
カプタン類が主な原因物質である。これらの悪臭を効率
よく除臭する目的で、様々な防臭、消臭、芳香剤等が実
用化されている。
金属フタロシアニン誘導体が挙げられる。例えば、日本
特許第1508998号、同第1822596号等にそ
の技術が開示されている。しかし、金属フタロシアニン
系消臭剤は、薬剤の関係から高価であり、且つ着色性が
高いので、展開用途に、制限を有する欠点がある。
ついては、既に、抗菌及び消臭作用があることは知られ
ており、特開平10−277139号に開示されてい
る。しかし、ここに示されたスルホサリチル酸の金属塩
は、亜鉛と銅のもの(例えば、スルホサリチル酸亜鉛、
スルホサリチル酸ナトリウム銅)等に限られている。
同5−331704号公報には、アクリロニトリル系重
合体の有機溶剤溶液に強酸性化合物(例えば、スルホン
酸基を有する有機酸、例えば、スルホ安息香酸、スルホ
サリチル酸)、及び銀イオン含有リン酸系微粒子(抗菌
剤)を含有させる抗菌性アクリル系合成繊維の着色防止
方法が記載されている。
課題を解決するもである。i)金属フタロシアニンは、
高い触媒的消臭効果(人工酵素)を有しているが、高価
であり、着色性が高いため、用途の範囲が制限される欠
点がある。ii)スルホサリチル酸亜鉛及びスルホサリ
チル酸銅は、硫黄系の酸性臭に対する評価において良好
であるが、酸化触媒能力においてまだ十分とはいえな
い。
び銅以外の金属化合物について、比較検討した結果、特
に、硫化水素のような悪臭物質に対する消臭効果におい
て優れる、スルホサリチル酸のコバルト及びマンガン消
臭剤等を提供するものである。
を不揮発性物質に変化させるための触媒としての機能を
有し、安価で着色性が低く、日用品への汎用性の高い消
臭剤及び消臭剤組成物を提供することにある。
又は(II)で表されるスルホサリチル酸金属誘導体、或
いはそれらの混合体でなる消臭剤に関する。
ニッケル、チタン、ジルコニウム及び鉄からなる群から
選択される金属を示し、Zは該金属の価数を示し、Mは
水素(H)および/または一部無機又有機のカチオンで
あり、nは金属に配位したスルホサリチル酸の個数を示
し、(2n−Z)−は、[]内の負電荷数を示し、Y+
は水素、無機又は有機のカチオンを示し、(2n−Z)
は、Y+の個数である。但し、(2n−Z)≧0であ
る。]
ニッケル、チタン、ジルコニウム及び鉄からなる群から
選択される金属を示し、Zは該金属の価数を示し、Mは
水素(H)および/または一部無機又は有機のカチオン
であり、pは金属に配位したスルホサリチル酸の個数を
示し、(Z−p)+は、[]内の正電荷数を示し、X-
は無機又は有機のアニオンを示し、(Z−p)は、X-
の個数である。但し、(Z−p)≧0である。](請求
項1)
臭原体」ということもある。)は、スルホサリチル酸金
属誘導体が、コバルト又はマンガン誘導体であること
が、特に好ましい(請求項2)。
誘導体が、アルミニウム誘導体であることが好ましい
(請求項3)。
誘導体が、ニッケル又は鉄誘導体であることが好ましい
(請求項4)。
誘導体が、チタン又はジルコニウム誘導体であることが
好ましい(請求項5)。
酸金属誘導体のpHが、7.5以下であることが好まし
い(請求項6)。
とも1種含有する消臭剤組成物(請求項7)。
スルホサリチル酸の金属誘導体である。金属誘導体とし
ては、コバルト誘導体、マンガン誘導体、アルミニウム
誘導体、ニッケル誘導体、チタン誘導体、ジルコニウム
誘導体、及び鉄誘導体が挙げられる。
スルホサリチル酸や4−スルホサリチル酸であることが
好ましい。このスルホサリチル酸は、ナトリウムやカリ
ウムのようなアルカリ金属塩であってもよい。また、ア
ンモニウム塩やアミン塩であってもよく、アルカノール
アミン塩であってもよい。
は、使用目的により、アルキル基等の置換したスルホサ
リチル酸であってもよい。
ち、硫化水素のような酸性臭に対する消臭効果はマンガ
ン誘導体(茶褐色)及びコバルト誘導体(薄紫色)が高
く、消臭効果の目安となる酸化触媒能力(活性値比)の
評価から、コバルト誘導体、マンガン誘導体が最も高
く、次に、ニッケル誘導体(薄緑色)、チタン誘導体
(薄黄色)等が高く、また、無色のアルミニウム誘導体
(白色)は、特開平10−277139号公報に開示の
スルホサリチル酸亜鉛(白色)以上であった(表1参
照)。
系であっても溶剤系であっても可能である。本発明にお
いては、アルコール溶剤系で調製した。合成法の一態様
を以下に示す。
mol)、金属化剤(例えば、塩化コバルト六水和物
0.01mol)、アルコール溶媒(例えば、メタノー
ル120ml)を混合させ、氷浴下で液温を10℃以下
に保持し、攪拌しながら水酸化ナトリウム2.4g
(0.06mol)を徐々に加え、添加終了後、反応溶
液を50〜60℃に上昇させ、3〜5時間攪拌し反応さ
せる。氷浴下で冷却後、反応pHがアルカリ性であれ
ば、10℃で10%塩酸水を加え、pHを7〜7.5に
調整する。得られた固体を濾取し、メタノールによる振
りかけ洗浄後、ケーキを25℃で24時間真空乾燥さ
せ、目的のスルホサリチル酸金属誘導体(例えば、薄紫
色を呈するスルホサリチル酸コバルト誘導体)を得る。
やグリコール類を用いる。アルコール溶媒としては、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、アミルアルコール等の脂肪族アルコー
ル;グリコール類溶媒としては、エチレングリコールメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアル
キレングリコールモノエーテル類;(ポリ)エチレング
リコールやグリセリン等が挙げられる。
好ましくは約50℃以上、約100℃までで行う。反応
時間は、基本的にはスルホサリチル酸が消費されるまで
行う。
しくは6.0〜7.5とするのがよい。このpH域で
は、スルホサリチル酸金属誘導体におけるスルホン基
は、遊離酸または一部アルカリ金属塩の形で存在すると
推定される。
物)、塩化マンガン(水和物)、塩化アルミニウム(水
和物)、塩化ニッケル(水和物)、塩化チタン、塩化ジ
ルコニウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄等の金属塩化物;
アルミニウムイソプロポキシド、チタンイソプロポキシ
ド、ジルコニウムイソプロポキシド等の金属アルコキシ
ド化合物;硫酸コバルト、硫酸マンガン、硫酸アルミニ
ウム、硫酸ニッケル、硫酸第二鉄等の金属硫化物及びそ
れらの水和物;等が挙げられる。
olに対して、理論上、1/4〜1原子当量用いること
ができる。しかし、通常の遷移金属は2価、3価、又は
4価といった電荷を有するので、用いる金属化剤の金属
の電荷数(好ましくは、2価以上のもの)等を考慮して
使用量を決定する必要がある。また、スルホサリチル酸
の金属誘導体が式(II)で表されるような金属誘導体の
形で存在するか、式(I)で表されるような金属誘導体
の形で存在するかによっても異なる。何れにしても単一
品としては得難い。
サリチル酸でなる消臭剤は、一般式(I)で表されるよ
うなスルホサリチル酸の金属誘導体、または一般式(I
I)で表されるようなスルホサリチル酸の金属誘導体、
或いはそれらの混合体である。
(Z)は、2価のコバルト(II)、ニッケル(II)、マ
ンガン(II)、チタン(II)、ジルコニウム(II)又は
鉄(II)であり、3価のアルミニウム(III)、マンガ
ン(III)、チタン(III)、ジルコニウム(III)又は
鉄(III)であり、4価のマンガン(IV)、チタン(I
V)、ジルコニウム(IV)等である。
Mは、−SO3H基、または一部−SO3Na、−SO3
K、−SO3Li等のアルカリ金属塩であってもよく、
また、Mは、一部NH4や揮発性の脂肪族アミンやアル
カノールアミンの塩であってもよい。
(Z)に配位結合したスルホサリチル酸の個数を示し、
1以上の整数を示す。好ましくは1,2,3,4を示
す。また、(2n−Z)Y+は[]内の負電荷を中和す
る(2n−Z)個のY+を示し、(2n−Z)は、0以
上の整数であり、好ましくは、0、1、2、3又は4を
示す。Y+は水素イオン、無機又は有機のカチオンを示
し、Mと同じであってもよい。また、金属Met(Z)
には、水などの中性配位子が結合していてもよい。
(Z)に結合したスルホサリチル酸の個数を示し、1以
上の整数を示す。好ましくは1,2,3,4を示す。ま
た、(Z−p)X-は[]内の正電荷を中和する(Z−
p)個のX-を示し、(Z−p)は、0以上の整数であ
り、好ましくは、0、1、2、3又は4を示す。X-は
塩素イオン等のハロゲンイオン、水酸基イオン、SO4
2-等の無機又は酢酸イオン等の有機のアニオンを示す。
明のスルホサリチル酸金属誘導体は、これらに限定され
ない。
る消臭剤は、種々の担体に担持させて消臭剤組成物もし
くは消臭用材料とすることができる。この消臭剤組成物
中、消臭能を発揮する有効成分は上記スルホサリチル酸
金属誘導体(消臭原体)である。担持させる方法は当業
者に周知の方法を用いる。
系での一般的な方法が適用でき、スルホサリチル酸金属
誘導体を水性溶媒に溶解させ、担体に固着させることに
より、スルホサリチル酸金属誘導体分子の均一な担持を
可能とし、消臭効果を最大に発揮させることができる。
機材料を用いる。例えば、シリカゲル及びガラス繊維の
ような無機材料、セルロース、デンプン、ゼラチン、カ
ゼイン、グアガムのような天然高分子、ポリビニルアル
コール、ポリ(メタ)アクリル酸、その金属塩及びアル
キルエステル、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリモノ
−又はジ−アルキルアミノ(メタ)アクリレート、ポリ
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリビニル
ピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルスルホ
ン酸、その金属塩、ポリビニルエステル、ポリスチレ
ン、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミ
ド、アミノ樹脂、アルキド樹脂等、及びこれらの共重合
体のような合成高分子等が挙げられる。
状に加工して、担体に用いることができる。好ましい担
体は、例えば、改質セルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、カルボキシメトキシセルロースのようなセル
ロース系高分子粉末及び顆粒、過酢酸処理羊毛粉末又は
顆粒等である。これら担体への担持法としては、水系で
の染着法、粉体表面改質装置を用いる固着法、及び水性
エマルジョンとした後コーティングする方法等が例示で
きる。
体は、液状組成物として使用できる。溶媒としては水、
アルコール、グリコール、グリコールエーテル、グリセ
リン等が挙げられる。これらの溶媒に安定的に溶解させ
るためには、pH調整剤や界面活性剤等が加えられる。
や臭気を消臭するのに有効である。具体的には、硫化水
素臭やメルカプタン臭(硫黄系臭気)に対してのみなら
ず、アンモニアやアミン系臭気に対しても優れた消臭能
を示す。
金属誘導体は、触媒作用により消臭を行うので、消臭効
果が長期間持続され、少量で持続的に除臭することがで
きる。また、安価であり、水溶性で、着色性に乏しいの
で、応用用途が広範である。
明するが、本発明はこれらに限定されない。
リチル酸5.0g、塩化コバルト六水和物2.38g、
メタノール120mlを混合させ、氷浴下で液温を10
℃以下に保持し、攪拌しながら水酸化ナトリウム2.4
gを徐々に加え、添加終了後、反応溶液を50〜60℃
に上昇させ、3〜5時間攪拌し反応させた(pH=10
〜12)。氷浴下で冷却後、10℃で10%塩酸水約
0.1mlを加え、pHを7〜7.5に調整した。得ら
れた固体を濾取し、メタノールによる振りかけ洗浄後、
ケーキを25℃で24時間真空乾燥させ、目的の薄紫色
を呈するスルホサリチル酸コバルト誘導体5.9gを得
た。
のIRスペクトルを図2に示す。
リチル酸5.0g、塩化マンガン四水和物1.98g、
メタノール120mlを混合させ、氷浴下で液温を10
℃以下に保持し、攪拌しながら水酸化ナトリウム2.4
gを徐々に加えた。添加終了後、反応溶液を50〜60
℃に上昇させ、3〜5時間攪拌し反応させた。氷浴下で
冷却後、10℃で10%塩酸水約1.7mlを加え、p
Hを7〜7.5に調整した。得られた固体を濾取し、メ
タノールによる振りかけ洗浄後、ケーキを25℃で24
時間真空乾燥させ、目的の薄茶褐色を呈するスルホサリ
チル酸マンガン誘導体3.3gを得た。
のIRスペクトルを図3に示す。
リチル酸5.0g、塩化アルミニウム六水和物2.41
g、メタノール120mlを混合させ、氷浴下で液温を
10℃以下に保持し、攪拌しながら水酸化ナトリウム
2.4gを徐々に加えた。添加終了後、反応溶液を50
〜60℃に上昇させ、3〜5時間攪拌し反応させた。氷
浴下で冷却後、反応溶液のpHが6.5であったため、
塩酸水によるpH調整は行わなかった。得られた固体を
濾取し、メタノールによる振りかけ洗浄後、ケーキを2
5℃で24時間真空乾燥させ、目的の白色のスルホサリ
チル酸アルミニウム誘導体5.9gを得た。
リチル酸5.0g、塩化ニッケル六水和物2.38g、
メタノール120mlを混合させ、氷浴下で液温を10
℃以下に保持し、攪拌しながら水酸化ナトリウム2.4
gを徐々に加えた。添加終了後、反応溶液を50〜60
℃に上昇させ、3〜5時間攪拌し反応させた。氷浴下で
冷却後、10℃で10%塩酸水約0.2mlを加え、p
Hを7〜7.5に調整した。得られた固体を濾取し、メ
タノールによる振りかけ洗浄後、ケーキを25℃で24
時間真空乾燥させ、目的の薄緑色を呈するスルホサリチ
ル酸ニッケル誘導体5.2gを得た。
リチル酸5.0g、チタンテトライソプロポキシド2.
9ml、メタノール120mlを混合させ、氷浴下で液
温を10℃以下に保持し、攪拌しながら水酸化ナトリウ
ム2.4gを徐々に加えた。添加終了後、反応溶液を5
0〜60℃に上昇させ、3〜5時間攪拌し反応させた。
氷浴下で冷却後、10℃で10%塩酸水約5mlを加
え、pHを7〜7.5に調整した。得られた固体を濾取
し、メタノールによる振りかけ洗浄後、ケーキを25℃
で24時間真空乾燥させ、目的の薄黄色を呈するスルホ
サリチル酸チタン誘導体1.2gを得た。
リチル酸5.0g、塩化ジルコニウム(ZrCl4)
2.33g、メタノール120mlを混合させ、氷浴下
で液温を10℃以下に保持し、攪拌しながら水酸化ナト
リウム2.4gを徐々に加えた。添加終了後、反応溶液
を50〜60℃に上昇させ、3〜5時間攪拌し反応させ
た。氷浴下で冷却後、10℃で10%塩酸水約0.2m
lを加え、pHを7〜7.5に調整した。得られた固体
を濾取し、メタノールによる振りかけ洗浄後、ケーキを
25℃で24時間真空乾燥させ、白色を呈するスルホサ
リチル酸ジルコニウム誘導体1.25gを得た。
リチル酸5.0g、塩化第二鉄六水和物2.7g、メタ
ノール120mlを混合させ、氷浴下で液温を10℃以
下に保持し、攪拌しながら水酸化ナトリウム2.4gを
徐々に加えた。添加終了後、反応溶液を50〜60℃に
上昇させ、3〜5時間攪拌し反応させた(pH=1.
1)。得られた固体を濾取し、メタノールによる振りか
け洗浄後、ケーキを25℃で24時間真空乾燥させ、目
的の薄茶褐色を呈するスルホサリチル酸鉄(III)誘導
体5.95gを得た。
リチル酸5.0g、塩化銅二水和物1.71g、メタノ
ール120mlを混合させ、氷浴下で液温を10℃以下
に保持し、攪拌しながら水酸化ナトリウム2.4gを徐
々に加えた。添加終了後、反応溶液を50〜60℃に上
昇させ、3〜5時間攪拌し反応させた。氷浴下で冷却
後、反応溶液のpHが3.8であったため、塩酸水によ
るpH調整は行わなかった。得られた固体を濾取し、メ
タノールによる振りかけ洗浄後、ケーキを25℃で24
時間真空乾燥させ、薄緑色を呈するスルホサリチル酸銅
(II)誘導体5.8gを得た。
リチル酸5.0g、塩化亜鉛1.36g、メタノール1
20mlを混合させ、氷浴下で液温を10℃以下に保持
し、攪拌しながら水酸化ナトリウム2.4gを徐々に加
えた。添加終了後、反応溶液を50〜60℃に上昇さ
せ、3〜5時間攪拌し反応させた。氷浴下で冷却後、1
0℃で10%塩酸水約0.1mlを加え、pHを7〜
7.5に調整した。得られた固体を濾取し、メタノール
による振りかけ洗浄後、ケーキを25℃で24時間真空
乾燥させ、白色を呈するスルホサリチル酸亜鉛4.1g
を得た。
596号)に従って、オクタキスカルボン酸鉄フタロシ
アニンを合成した。
活性炭素)。
0mlの稀アルカリ水に溶解させ、スルホサリチル酸コ
バルト誘導体の水溶液を調製した。この水溶液を、ヒド
ロキシプロピルセルロース(HPC)25.0gに添加
し、撹拌することにより、HPCを膨潤させた。この混
合物を60〜70℃で、10〜24時間乾燥した後、ボ
ールミルで平均粒径10〜30μmに粉砕して、HPC
の単位粒子中にスルホサリチル酸コバルト誘導体を均一
に有する粉体状消臭材25gを得た。
型ハイスピードミキサー)に、アビゼル粉末(旭化成社
製)を投入して、粒径150〜250μmに条件を設定
し、水をバインダーとして、装置に分割添加した。生成
した顆粒を乾燥し、篩いで粒径150〜250μmに分
級して顆粒状基材を得た。
施例8で調製した粉体状消臭材12gを、粉体表面改質
装置(深江工業社製、LFS-GS-2JD型ハイスピー
ドミキサー)内で均一に混合した後、60mlの水をバ
インダーとして添加し、粉体状消臭材を顆粒状基材の表
面に固定した。次いで、60〜70℃で10〜20時間
乾燥し、篩いで粒径150〜250μmに分級して、顆
粒状消臭材60gを得た。
試験を行った。方法は2−メルカプトエタノールを基質
とし、酸化反応で使われる水中溶存酸素量の変化をDO
メーターにより測定し、酸素の消費速度を算出した。つ
まり、この消費速度が大きいほど、酸化触媒能力が優れ
ている。
し0.1〜0.5gを正確に秤量し、秤量した消臭原体
を100mlの0.1N−NaOH水溶液に完溶させ、
さらに5倍希釈したものをサンプル溶液とした。基質と
する2−メルカプトエタノール溶液は、0.1N−Na
OH水溶液で希釈し、0.05molの2−メルカプト
エタノール水溶液を調整した。
にサンプル溶液を0.9ml入れ、攪拌しながらさらに
2−メルカプトエタノール溶液0.1mlを加えた。こ
の時点から約30秒間、溶存酸素濃度の変化をプロッタ
ー上に記録させた。得られた減少曲線から最も傾きが大
きい部分を選んで接線を引き、傾きを求めた。この傾き
から1分当たりの減少濃度を求め、さらに秤量値から求
めたサンプル溶液0.9ml中に含まれる消臭原体量で
割ることで、単位質量(1mg)当たりの酸素消費速度
を算出した。
消費速度を1とした場合の実施例及び比較例1,2で得
られた消臭原体の酸素消費速度を活性値比とした。結果
を表1に示す。
リチル酸金属誘導体は、悪臭原因物質(臭いの化合物)
の酸化反応に寄与する触媒作用の働きは、本分野におい
て同じ理論で消費する鉄フタロシアニン消臭剤(比較例
3)に比較すると約4倍以上、特に、コバルト誘導体、
マンガン誘導体は8倍以上と活性が高い結果となった。
のなかで、酸性臭の代表である硫化水素に関して、まず
ワンパスでの実際の消費効果の確認を行った。
原体)0.1gを5mlのイオン交換水に溶解させ、1
0cm四方の工業用濾紙に均一に染み込ませ、風乾した
ものを使用した。評価の方法は、テドラーバッグ内に悪
臭原因物質を所定の濃度(硫化水素:5ppm)を設定
した後、上記のサンプルをいれ、所定時間毎にガス検知
管を使用して濃度を測定し、その減少率(%)を求めた
(図1)。
酸素消費による触媒活性値であって液性の差異もあり、
また、評価2における固−気接触反応との態様の差異が
あるので、そのまま比例して活性が消臭効果に影響する
ことはない。図1から、アルミニウム、ニッケル及びチ
タン誘導体では、ワンパスでの効果が比較例3に比べて
低いものであるが、特に、コバルト及びマンガン誘導体
はワンパスでの硫化水素に対する消費効果も高いもので
あった。
悪臭原因物質が、剤に飽和してしまうことによる効果の
消滅という欠点を有する脱臭剤とは異なり、あくまでも
臭う現象の揮発性を、本発明の消臭剤が触媒となり、酸
化反応によって不揮発性化合物に変化させることによる
消臭効果が期待できることから、次に繰り返し消臭効果
の評価を行った(表3)。
アンモニアに関しても、上記硫化水素評価に使用したサ
ンプルを用いて、初期濃度30ppmにて、30分後の
減少率を測定することで評価した(表2)。
しての結果であり、これは、実施例及び比較例において
も実用化レベルでの消臭効果を有しており、本発明の有
意性をみることはできなかった。それは、比較例4以外
は、アンモニア臭に関しては、中和反応による塩形成機
構での消臭効果と考えられるからである。
サンプルを入れ、2時間後の硫化水素濃度をガス検知管
により測定した。そして、その減少率(%)を求めた。
同じサンプルを使用してこの操作を繰り返し、耐久性の
評価を行った(表3)。
水素に対しての繰り返しの消臭効果は、30回を数えて
もほぼ実用化レベルにあることがわかる。一方、オクタ
キスカルボン酸鉄フタロシアニン(比較例3)では、1
0回あたりから触媒効果が減少していることが観測され
た。脱臭剤としてのヤシ殻活性炭(比較例4)では、ほ
ぼ7回あたりから、脱着の飽和状態が観測された。
ト誘導体のIRスペクトルを示す。
ン誘導体のIRスペクトルを示す。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式(I)又は(II)で表される
スルホサリチル酸金属誘導体、或いはそれらの混合体で
なる消臭剤。 【化1】式(I) [式中、Metはコバルト、マンガン、アルミニウム、
ニッケル、チタン、ジルコニウム及び鉄からなる群から
選択される金属を示し、Zは該金属の価数を示し、Mは
水素(H)および/または一部無機又有機のカチオンで
あり、nは金属に配位したスルホサリチル酸の個数を示
し、(2n−Z)−は、[]内の負電荷数を示し、Y+
は水素、無機又は有機のカチオンを示し、(2n−Z)
は、Y+の個数である。但し、(2n−Z)≧0であ
る。] 【化2】式(II) [式中、Metはコバルト、マンガン、アルミニウム、
ニッケル、チタン、ジルコニウム及び鉄からなる群から
選択される金属を示し、Zは該金属の価数を示し、Mは
水素(H)および/または一部無機又は有機のカチオン
であり、pは金属に配位したスルホサリチル酸の個数を
示し、(Z−p)+は、[]内の正電荷数を示し、X-
は無機又は有機のアニオンを示し、(Z−p)は、X-
の個数である。但し、(Z−p)≧0である。] - 【請求項2】 前記Metがコバルト又はマンガンであ
る請求項1記載の消臭剤。 - 【請求項3】 前記Metがアルミニウムである請求項
1記載の消臭剤。 - 【請求項4】 前記Metがニッケル又は鉄である請求
項1記載の消臭剤。 - 【請求項5】 前記Metがチタン又はジルコニウムで
ある請求項1記載の消臭剤。 - 【請求項6】 前記スルホサリチル酸金属誘導体のpH
が、7.5以下である請求項1記載の消臭剤。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載のスホサリ
チル酸金属誘導体を少なくとも1種含有する消臭剤組成
物。
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---|---|---|---|
JP35610999A JP4121230B2 (ja) | 1999-12-15 | 1999-12-15 | スルホサリチル酸金属誘導体でなる消臭剤 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008037221A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-02-21 | Takehiko Oki | ステアリングホイール |
WO2015055198A1 (de) * | 2013-10-15 | 2015-04-23 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Schweisshemmende kosmetische mittel mit aromatischen sulfonsäuren |
-
1999
- 1999-12-15 JP JP35610999A patent/JP4121230B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2015055198A1 (de) * | 2013-10-15 | 2015-04-23 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Schweisshemmende kosmetische mittel mit aromatischen sulfonsäuren |
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