JP2001166660A - 電子写真装置用ブレード - Google Patents

電子写真装置用ブレード

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JP2001166660A
JP2001166660A JP35112999A JP35112999A JP2001166660A JP 2001166660 A JP2001166660 A JP 2001166660A JP 35112999 A JP35112999 A JP 35112999A JP 35112999 A JP35112999 A JP 35112999A JP 2001166660 A JP2001166660 A JP 2001166660A
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JP
Japan
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blade
coating layer
fluororubber
surface coating
roller
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JP35112999A
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Takumi Shimokususono
工 下楠薗
Yoshiro Oki
芳郎 沖
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー等に対する非粘着性に優れ、摺接する
相手材を損傷しないと共に、摺動特性および摩耗特性に
優れる。 【解決手段】 電子写真装置のローラの軸方向に摺接す
る電子写真装置用ブレードであって、上記電子写真装置
用ブレードは、少なくともローラと摺接する部分が表面
コーティング層を有するフッ素ゴム成形体からなり、上
記表面コーティング層がフッ素ゴムにフッ素樹脂粉末を
重量比でフッ素ゴム/フッ素樹脂粉末= 40/60〜97/3の
割合で配合したフッ素ゴム層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置用ブレ
ードに関し、特に複写機やレーザービームプリンタ等に
おいて、感光ドラムやオイル塗布ローラ等の各種ローラ
と摺接して、オイル塗布や除去、またはトナーの除去な
どに使用できるブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やレーザービームプリンタ等の電
子写真装置には、感光ドラム上に形成される静電潜像を
トナー等の現像剤を用いて現像化させ、さらに用紙上に
定着させる画像形成装置を有している。このような画像
形成装置には、感光ドラムや定着ローラなど種々のロー
ラが使用され、このローラの軸方向に摺接する種々のブ
レードが設けられている。例えば感光ドラムには、ドラ
ム表面に残留した現像剤を除去するためにクリーニング
ブレードが配置されている。また、感光ドラムに現像剤
を搬送する役割を担う現像ローラには、現像に供されな
い現像剤を感光ドラム上に供給されるのを遮断する現像
剤遮断ブレードが配置されている。定着装置には定着ロ
ーラと常時摺接し、用紙に現像剤を定着する際、加圧し
圧着するための加圧ローラが配置されている。この加圧
ローラにも離型性オイルを均一に引き延ばし、かつ定着
ローラを介して付着する現像剤を拭い去るクリ−ニング
ブレードが設けられている。さらには定着ローラに離型
性オイルを塗布するためのオイル塗布ローラに、オイル
塗布ブレードが設けられており、オイル塗布ローラ上の
余剰な離型性オイルを均一化している。以上のように電
子写真装置の画像形成装置には、種々のローラが使用さ
れ、また必要に応じて種々のブレードが設けられてい
る。
【0003】従来、電子写真装置用ブレードは、金属等
の支持体にフッ素樹脂成形体やフッ素ゴム成形体の一端
を固定したものが知られており、特にローラへの摺接性
に優れているフッ素ゴム成形体のブレードが広く用いら
れている。このフッ素ゴムは、分子構造にフルオロアル
キル基を含んでいるものであって、耐候性、耐薬品性に
優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フッ素ゴムを用いた電子写真装置用ブレードは、フッ素
樹脂成形体を用いたブレードに比較して、摺動特性およ
び摩耗特性、トナーに対する非粘着性が劣っており、経
時的にクリーニング性が安定しないという問題がある。
【0005】特に近年の複写機やレーザービームプリン
タ等の高速化に伴い、トナー等現像剤の粘着性が増大す
る傾向にあるため、クリーニングブレードやオイル塗布
ブレードに現像剤が付着しやすくなっている。その結
果、フッ素ゴムを用いた電子写真装置用ブレードであっ
ても、現像剤のクリーニング性の低下や、離型性オイル
の不均一化などのオイル塗布性が悪化するという問題が
ある。
【0006】ブレードの圧接力を高めるとクリーニング
性やオイル塗布性は安定するが、エッジ部分の摩耗が激
しくなる。一方、圧接力を小さくすると十分な拭き取り
機能が得られない。このため、ブレードの圧接力を調節
する方法ではクリーニング性やオイル塗布性に優れた電
子写真装置用ブレードが得られないという問題がある。
【0007】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、画像形成装置により長期間安定して
良好な画像を得るために、現像剤に対する非粘着性に優
れ、摺接する相手材を損傷しないと共に、摺動特性およ
び摩耗特性に優れた電子写真装置用ブレードの提供を目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真装置
のローラの軸方向に摺接する電子写真装置用ブレードで
あって、上記電子写真装置用ブレードは、少なくともロ
ーラと摺接する部分が表面コーティング層を有するフッ
素ゴム成形体からなり、上記表面コーティング層がフッ
素ゴムにフッ素樹脂粉末を重量比でフッ素ゴム/フッ素
樹脂粉末= 40/60〜97/3の割合で配合したフッ素ゴム層
であることを特徴とする。
【0009】また、上記表面コーティング層は、さらに
表面コーティング層全体として、低分子量含フッ素重合
体が 3〜20重量%配合されてなることを特徴とする。
【0010】また、上記表面コーティング層の引張り伸
びが 200%以上あることを特徴とする。
【0011】フッ素ゴム成形体の表面に上記割合でフッ
素樹脂粉末を配合した同種材料のフッ素ゴム層からなる
コーティング層を設けることにより、コーティング層の
密着性に優れ、非粘着性に優れた電子写真装置用ブレー
ドが得られる。また、コーティング層がフッ素ゴムを基
材としていることにより、あるいは、低分子量含フッ素
重合体を配合することにより、優れた引張り伸びを示
し、 200%以上の引張り伸び特性を有する。その結果、
耐久性に優れた電子写真装置用ブレードが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真装置用ブレード
を図1により説明する。図1(a)は断面図を、図1
(b)は使用状態をそれぞれ示す図である。電子写真装
置用ブレード1は表面コーティング層3を有するフッ素
ゴム成形体2と金属支持体4とから構成され、フッ素ゴ
ム成形体2の先端部がローラ5と摺接する。金属支持体
4は、トナーやキャリア等に悪影響を与えると考えられ
る錆などが発生しにくいリン青銅、ステンレス、鋼材な
どが使用できる。また、フッ素ゴム成形体2と金属支持
体4との接合は、接着剤を用いてもよく、金属支持体に
凹部や孔を設けてゴムブレードを加硫成形することによ
り接合してもよく、さらにそれらを併用してもよい。
【0013】フッ素ゴム成形体に使用できるフッ素ゴム
は、平均して 1個以上のフッ素原子を含む単位モノマー
の重合体または共重合体であって、ガラス転移点が室温
以下であり、室温でゴム状弾性を有するものであれば、
特に限定されることなく使用できる。また、フッ素ゴム
は、その製造段階で塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶
液重合、触媒重合、電離性放射線重合、レドックス重合
などの重合方式を採用したものであってよい。このよう
なフッ素ゴムの数平均分子量(Mn)は、5×104以上が
好ましく、また可及的に高分子量のフッ素ゴムが良好な
結果を得ることから、Mn 7×104以上、特に好ましく
はMn( 1〜2.5)×105である。
【0014】本発明で使用できるフッ素ゴムの市販品を
例示すると、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重
合体である旭硝子社製商品名のアフラス、フッ化ビニリ
デン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体であるデュポ
ン・昭和電工社製商品名のバイトン、フッ化ビニリデン
−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン
共重合体であるアウジモント社製商品名のテクノフロ
ン、フルオロシリコーン系エラストマーであるダウコー
ニング社製商品名のシラスティックLS、フォスファゼ
ン系フッ素ゴムであるファイアストーン社製商品名のP
NF、ペルフルオロ系フッ素ゴムであるダイキン工業社
製商品名のダイエルパーフロ等がある。
【0015】上記フッ素ゴムは、カーボンブラック、ホ
ワイトカーボン(シリカ)、アルミナなどの充填剤、酸
化マグネシウム、酸化カルシウム等の受酸剤、ポリアミ
ン、ポリオール、有機過酸化物等の加硫剤、可塑剤、加
工助剤等を配合して加硫することによりフッ素ゴム成形
体が得られる。加硫方法としては、α、α´−ビス(t-
ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過
酸化物類と、トリアリルイソシアヌレートなどの多価ア
リル化合物、水酸基含有多価アリル化合物、多価ビニル
化合物類とを併用する加硫が電子写真装置用ブレードと
して適度な硬さが得られるため好ましい。
【0016】フッ素ゴム成形体の作製方法としては、特
に限定されるものでなく、従来公知の方法を用いること
ができる。例えば、フッ素ゴム、その他諸原料をそれぞ
れ個別に順次、または同時に混合機などにより混合す
る。次に通常のプレス成形方法で一次加硫( 140〜170
℃で 5〜20分、加圧 5〜100kgf/cm2)した後、二次加硫
( 230〜280 ℃で10〜20時間、加圧なし)を行なう。こ
の場合、 230℃未満の温度で二次加硫を行なうと、フッ
素ゴム成形体の圧縮永久歪特性が劣り、ブレードの刃先
となるエッジ部に「へたり」を生じる。また、 280℃を
越える温度で二次加硫を行なうと、低分子量含フッ素重
合体が少し分解を始め、機械的強度が劣ってしまい好ま
しくない。フッ素ゴム成形体をシート状に成形し、これ
から所望のブレード形状にカッティングする。また、金
属支持体を一体成形した後にブレード形状にカッティン
グしてもよい。
【0017】表面コーティング層を形成するフッ素ゴム
は、ブレード部分を形成するときに用いた上記フッ素ゴ
ムを用いることができる。表面コーティング液は、上記
フッ素ゴムを溶剤または水に分散させて、さらにフッ素
樹脂粉末を配合分散させる。表面コーティング液に用い
ることができるフッ素樹脂を例示すれば、以下のフッ素
樹脂が挙げられる。ポリテトラフルオロエチレン樹脂
(以下、PTFEと略称する)、テトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂
(以下、PFAと略称する)、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体樹脂(以下、EPEと略称す
る)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体樹脂(以下、FEPと略称する)、テトラ
フルオロエチレン−エチレン共重合体樹脂(以下、ET
FEと略称する)、トリフルオロクロロエチレン−エチ
レン共重合体樹脂(以下、ECTFEと略称する)、ポ
リビニルフルオライド樹脂(以下、PVFと略称する)
およびポリビニリデンフルオライド樹脂(以下、PVD
Fと略称する)等があり、フッ素樹脂粉末として、これ
らは単独でも混合物としても使用できる。
【0018】上記フッ素樹脂は、その製造段階で触媒乳
化重合、懸濁重合、触媒溶液重合、気相重合、電離性放
射線重合などの重合方式を採用したものであってよい。
このようなフッ素樹脂の数平均分子量(Mn)は、5×1
04以下が好ましい。また、上記PTFE、FEPなどの
低分子量体、例えばMn 5×103以下であってもフッ素
樹脂として使用できる。特に平均粒径 5μm 以下のPT
FE低分子量体粉末が好ましい。
【0019】本発明で使用できるフッ素樹脂の市販品を
例示すると、PTFEである三井・デュポンフロロケミ
カル社製商品名のテフロン7J、クリアラントTF92
05、PFAである三井・デュポンフロロケミカル社製
商品名のPFAMP10、FEPである三井・デュポン
フロロケミカル社製商品名のテフロンFEP100、E
TFEである旭硝子社製商品名のアフロンCOP、CT
FEであるダイキン工業社製商品名のネオフロンCTF
E、PVDFである呉羽化学社製商品名のKFポリマ
ー、PVFではデュポン社製商品名のテドラー等があ
る。また、平均粒径 5μm 以下のPTFE低分子量体と
しては、旭硝子社製商品名のルブリカントL169、デ
ュポン社製商品名のバイダックスAR等がある。
【0020】フッ素樹脂粉末の配合割合は、重量比でフ
ッ素ゴム/フッ素樹脂粉末= 40/60〜97/3である。フッ
素樹脂粉末の配合が 40/60を越えると表面コーティング
層に十分な弾性特性が得られず、引張り伸びも 200%未
満となる。また、97/3未満では十分な耐摩耗性や非粘着
性が得られない。
【0021】表面コーティング層は、さらに低分子量含
フッ素重合体を配合することにより、さらに優れた摺動
特性や非粘着性を付与できる。低分子量含フッ素重合体
としては、フルオロポリエーテル類、ポリフルオロアル
キル基含有化合物等が挙げられる。フルオロポリエーテ
ル類は、主要構造単位として以下に示す化1を有し、M
n5×104以下の低分子量含フッ素重合体である。
【化1】−Cn2n−O− (nは 1〜4 の整数)
【0022】フルオロポリエーテル類の市販品を例示す
ると、アウジモント社製商品名のフォンブリンZ、フォ
ンブリンY、ダイキン工業社製商品名のデムナム等があ
る。また、フルオロポリエーテル類は、他の配合材料や
添加剤に対する親和性(密着性)を向上させるために、
イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基、エステル
結合等の官能基を含む構造単位を有することができる。
【0023】ポリフルオロアルキル基含有化合物は、分
子中にCF3(CF2)−、H(CF 2)−を含む低分子
量含フッ素重合体であり、分子量が 5×104以下、より
優れた摺動特性を得るためには、分子量が 5×103以下
が好ましい。このようなポリフルオロアルキル基含有化
合物としては、反応性基およびポリフルオロアルキル基
を有する化合物と、その反応性基と反応する基を有する
エチレン性不飽和化合物との反応物などが挙げられる。
ポリフルオロアルキル基含有化合物においても、他の配
合材料や添加剤に対する親和性(密着性)を向上させる
ために、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基、
エステル結合等の官能基を含む構造単位を有することが
好ましい。
【0024】低分子量含フッ素重合体の配合割合は、表
面コーティング層全体として、 3〜20重量%である。こ
の範囲で低分子量含フッ素重合体を配合することによ
り、優れた摺動特性や非粘着性が得られる。
【0025】本発明に係る表面コーティング層は、フッ
素樹脂粉末として平均粒径 5μm 以下のPTFE低分子
量体粉末を、低分子量含フッ素重合体としてフルオロポ
リエーテル類を配合することにより、より優れた潤滑性
が得られる。
【0026】フッ素ゴム成形体表面へのコーティング層
の形成方法は、特に限定されるものでなく、スプレー、
浸漬、ハケ塗り塗装、などの公知のコーティングが採用
できる。コーティング層の厚さは、 20〜 35μm が好ま
しく、 20μm 未満では耐久性が低下し、 35μm を越え
るとコーティング層にクラックが入り好ましくない。
【0027】
【実施例】実施例および比較例で用いた原材料を一括し
て以下に示す。なお、表1における各成分の配合割合は
重量%である。 (1)ブレード部分用フッ素ゴム:アウジモント社製;
テクノフロンFOR5351 (2)コーティング層用フッ素ゴム:ダイキン工業社
製;ダイエルG755 (3)フッ素樹脂:旭硝子社製;ルブリカントL169 (4)低分子量含フッ素重合体(フルオロポリエーテ
ル)[低分子量FEP]:日本ユニモント社製;フォン
ブリンZ−DOLL (5)カーボンブラック:ファンデルビルト社製;MT
カーボン (6)ステアリン酸ナトリウム:一般工業材 (7)有機過酸化物(α,α´−ビス(t-ブチルペルオ
キシ)ジイソプロピルベンゼン):一般試薬 (8)多官能性モノマー(トリアリルインシアヌレー
ト):一般試薬 (9)市販フッ素コーティング液:ダイキン工業社製;
ダイエルGLS213
【0028】ブレード部分フッ素ゴム成形体の作製 配合割合を以下に示す。 フッ素ゴム(アウジモント社製;テクノフロンFOR5351) 88 重量部 カーボンブラック(ファンデンビルト社製:MTカーボン) 5 重量部 ステアリン酸ナトリウム(一般工業材) 1 重量部 α,α´−ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン 1 重量部 トリアリルイソシアヌレート 5 重量部
【0029】ゴムロール間隔 5〜10mmに調整したロール
混合機にフッ素ゴムを巻きつけ、カーボンブラックを加
えて混練した。その後ロール間隔を約 1mmに調整し、素
練りを約 10回行なった。なお、この時の摩擦熱を防止
する目的で、常時ロール内に冷却水を通し、ロール温度
を 60℃以下に保った。次に、冷却水を止め、ロール内
にスチームを通してゴム温度が 70℃以上、90℃以下に
なるように調整し、その後ロール間隔を 5〜10mm程度に
戻し、ステアリン酸ナトリウム、α,α´−ビス(t-ブ
チルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼンおよびトリア
リルイソシアヌレートを少量ずつ添加しながら混練し
た。その後、再びロール間隔を 1mmに狭めて素練りを約
10 回行なった。以上の工程で得られた未加硫コンバウ
ンドからなる縦400mm、横300mm、厚さ 1mmのシートを、
一次加硫( 170℃、 10 分、プレス圧 7kgf/cm2)次い
で二次加硫( 230℃、 16 時間、フリー加熱)を行なっ
て、ブレード部分を形成するフッ素ゴム成形体を得た。
【0030】実施例1〜実施例4、および比較例1〜比
較例4 フッ素ゴム(ダイキン工業社製;ダイエルG755)を
ケトン系溶剤または、水に界面活性剤を用いて分散さ
せ、表1に示す配合により残りの成分を添加し撹拌混合
を行ない表面コーティング液を作製した。これらの表面
コーティング液を用いてスプレーコーティング法により
コーティング層の厚さが 25μm 程度となるように上記
フッ素ゴム成形体に塗布し、230 ℃にて焼成して評価試
験用試験片を得た。なお、実施例4は、フッ素ゴムにフ
ッ素樹脂粉末が配合された市販の表面コーティング液
(ダイキン工業社製;ダイエルGLS213)を用い
た。また、比較例1は表面コーティング層を形成しなか
った。
【0031】次いで、上記評価試験用試験片を 220mm×
8mm ×1mm の短冊状にカットし、 220mm×10mm×0.5mm
のリン青銅製支持体に接着して電子写真装置用ブレード
を得た。
【0032】上記試験片を用いて摩擦特性、非粘着特
性、表面コーティング層の引張り伸び特性および密着特
性を求めた。また、上記電子写真装置用ブレードを用い
て、実機クリ−ニング性試験を行なった。各試験方法を
以下に示す。 (a)摩擦特性 ボールオンディスク型摩擦試験機にてボール材をSUS
304とし、周速 0.24m/sec、荷重300gにて摩擦試験を
10 時間行ない、摩擦係数を測定し、さらに安定性につ
いて、摩擦係数の経時的変動が小さいものを○印、経時
的変動が若干大きいものを△印、経時的変動がかなり大
きいものを×印として、3 段階に評価した。結果を表1
に示す。また試験後のコーティング層の表面状態を観察
し、クラックの発生がないものを○印、クラックの発生
したものを×印として表1に併記する。 (b)非粘着性 各試験片の水に対する接触角をゴニオメータ式接触角測
定器で測定し、接触角の大きいものほど非粘着性に優れ
ていると判断した。結果を表1に示す。 (c)表面コーティング層の引張り伸び特性 各試験片を引張り試験機で伸長して表面コーティング層
にクラックが入るまでの伸びを測定した。結果を表1に
示す。 (d)表面コーティング層の密着特性 各試験片に対して碁盤目試験を行なった。1mm 角のマス
目 100個に対してセロハン粘着テープによる剥離試験を
10 回繰り返した後の残存数を測定した。結果を表1中
に併記する。 (e)実機クリ−ニング性試験 電子写真装置用ブレードと、表面がシリコーンゴム(ゴ
ム硬度 30 度品)からなる直径 20mm のローラとを軸加
熱方式にて 120℃まで昇温し、押し当て力 500gf、ロー
ラ回転数 100rpm でシリコーンオイルとトナーとを定期
的に供給する条件で 50 時間運転した。 50 時間運転後
のオイルとトナーのかき取り具合を良好(○印)、やや
不良(△印)、不良(×印)の 3段階に評価した。結果
を表1中に併記する。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すように、実施例1〜実施例4の
電子写真装置用ブレードは、いずれも摩擦係数が低く、
10 時間にわたる経時的変化が 0.1〜0.15の低い値で安
定し、引張り伸びが大きいため試験後での表面コーティ
ング層のひび割れもなく、また密着性の点でも剥がれが
発生していない。さらに実機クリーニング性試験の結果
も優れたクリ−ニング性を示した。これに比較して、比
較例1および2は、いずれも摩擦係数が試験開始当初か
ら大きく、これらの摺動状態は、滑るというよりむしろ
スティックスリップの連続で摩擦振幅も大きく不良であ
った。比較例3および4は、表面コーティング層の伸び
が小さいため、試験後にクラックが発生し、また密着性
試験においても剥がれが発生し、実機クリ−ニング試験
においても、表面コーティング層にクラックや剥がれが
発生していた。
【0035】
【発明の効果】本発明の電子写真装置用ブレードは、少
なくともローラと摺接する部分が表面コーティング層を
有するフッ素ゴム成形体からなり、上記表面コーティン
グ層がフッ素ゴムにフッ素樹脂粉末を重量比でフッ素ゴ
ム/フッ素樹脂粉末= 40/60〜97/3の割合で配合したフ
ッ素ゴム層であるので、表面コーティング層の密着性や
耐久性に優れ、また、ブレードとして非粘着性に優れ、
摺接する相手材に対する非損傷性を備えていると共に、
摺動特性および摩耗特性にも優れたものとなり、画像形
成装置に長期間良好な画像を提供できる。
【0036】また、表面コーティング層が、さらに表面
コーティング層全体として、低分子量含フッ素重合体を
3〜20重量%配合してなるので、表面コーティング層の
密着性や耐久性がより優れる。
【0037】また、表面コーティング層の引張り伸びが
200%以上あるので、電子写真装置用ブレードとして、
より優れた摺動特性および摩耗特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真装置用ブレードを示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真装置用ブレードブレード 2 フッ素ゴム成形体 3 表面コーティング層 4 金属支持体 5 ローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真装置のローラの軸方向に摺接す
    る電子写真装置用ブレードであって、 前記電子写真装置用ブレードは、少なくともローラと摺
    接する部分が表面コーティング層を有するフッ素ゴム成
    形体からなり、前記表面コーティング層がフッ素ゴムに
    フッ素樹脂粉末を重量比でフッ素ゴム/フッ素樹脂粉末
    = 40/60〜97/3の割合で配合したフッ素ゴム層であるこ
    とを特徴とする電子写真装置用ブレード。
  2. 【請求項2】 前記表面コーティング層は、さらに表面
    コーティング層全体として、低分子量含フッ素重合体が
    3〜20重量%配合されてなることを特徴とする請求項1
    記載の電子写真装置用ブレード。
  3. 【請求項3】 前記表面コーティング層の引張り伸びが
    200%以上あることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の電子写真装置用ブレード。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006301564A (ja) * 2005-03-25 2006-11-02 Fuji Xerox Co Ltd クリーニング装置、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2015006824A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 日本車輌製造株式会社 鉄道車両

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