JP2001166618A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2001166618A
JP2001166618A JP34604199A JP34604199A JP2001166618A JP 2001166618 A JP2001166618 A JP 2001166618A JP 34604199 A JP34604199 A JP 34604199A JP 34604199 A JP34604199 A JP 34604199A JP 2001166618 A JP2001166618 A JP 2001166618A
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heating
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temperature
roller
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Satoru Haneda
哲 羽根田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導率の悪いベルト部材の昇温を速め、ウ
ォーミングアップ時間を短縮し、且つ連続プリント時の
ベルト部材の温度変化や温度の不均一を解消して、ニッ
プ部での転写材上のトナー像の定着の際での、定着むら
の少ない良好な定着を行うと共に、高速対応性を有する
定着装置を提供すること。 【解決手段】 第1定着ローラ部材と発熱ローラ部材と
の間に、ベルト部材の内側よりベルト部材に当接し、ベ
ルト部材を加熱する面状の固定発熱体を設けると共に、
発熱ローラ部材は第1の温度制御を行う一方、固定発熱
体は第2の温度制御を行うことを特徴とする定着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置に用いられ
るベルト式の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、FAX等の電
子写真方式の画像形成装置に用いられている定着装置
は、弾性層を有して所定の温度に維持された発熱ゴムロ
ーラと、発熱ゴムローラに圧接し、弾性層を有する加圧
ゴムローラとによって、未定着のトナー画像が形成され
た転写材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ定着方式が
多用されている。
【0003】しかしながら、この種の装置では、発熱ゴ
ムローラの熱容量が大きいので、ウォーミングアップ時
間が長くなると共に、弾性層内側の温度が高くなり、発
熱ゴムローラの寿命を短くしていた。
【0004】また、カラー画像ではベタ面積が大きい画
像が多く、そのベタ画像も黒以外のものが多くて光沢む
らなどが目立つ。上記の発熱ゴムローラ及び加圧ゴムロ
ーラにハードローラを用いる場合は、紙やトナー層の凹
凸に応じた光沢のむらが生じるため、画像品位が低下す
るという問題点があった。
【0005】前記問題点を解決するために、ゴム層を設
けた金属ベルト(ベルト部材)を用い、ベルト部材の内
部にベルト部材を加熱する発熱ローラ(発熱ローラ部
材)を設けた定着方式が、特開平9−138599号公
報等により開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−138599号公報等の開示による定着装置で
は、弾性層(ゴム層)を有するベルト部材(金属ベル
ト)を用いて良好な画像品位を得ることができるが、弾
性層により熱伝導率の悪いベルト部材の昇温が遅く、ウ
ォーミングアップに時間がかかるという問題が起こる。
また、過度な昇温を行うと、主として弾性層とベルト部
材の基体との界面におけるベルト部材の劣化が生じた
り、連続プリント時にベルト部材の温度変化や温度の不
均一により定着むらが生じたりし、良好な定着性が得ら
れないという問題が起こる。さらに、ベルト部材に内包
され、ベルト部材を加熱する発熱ローラ部材(発熱ロー
ラ)からベルト部材の内部へ熱が移動しにくく、ベルト
部材表面までの熱伝導に時間がかかり、高速プリントが
困難であるという問題を有する。
【0007】本発明は上記の問題点を解決し、熱伝導率
の悪いベルト部材の昇温を速め、ウォーミングアップ時
間を短縮し、且つ連続プリント時のベルト部材の温度変
化や温度の不均一を解消して、ニップ部での転写材上の
トナー像の定着の際での、定着むらの少ない良好な定着
を行うと共に、高速対応性を有する定着装置を提供する
ことを第1の目的とする。
【0008】また、ベルト部材にゴム部材を用いるため
熱伝導率が悪く、転写材サイズによる横方向(転写材の
送り方向と直交する方向)の温度分布が不均一が生じ易
く、転写材のサイズの異なりによる定着むらが発生する
という問題が起こる。
【0009】本発明は上記の問題点をも解決し、ゴム部
材を用いるため熱伝導率が悪いベルト部材の、定着の際
の、転写材サイズによる横方向の温度分布を均一化し、
転写材のサイズの異なりによる定着むらを防止する定着
装置を提供することを第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、ベル
ト部材を一方の側で張架し、転写材上のトナー像を定着
するためのニップ部を形成する第1定着ローラ部材と、
該第1定着ローラ部材と共に前記ベルト部材の他方の側
を張架する発熱ローラ部材とを有する定着装置におい
て、前記第1定着ローラ部材と前記発熱ローラ部材との
間に、前記ベルト部材の内側より前記ベルト部材に当接
し、前記ベルト部材を加熱する面状の固定発熱体を設け
ると共に、前記発熱ローラ部材は第1の温度制御を行う
一方、前記固定発熱体は第2の温度制御を行うことを特
徴とする定着装置(第1の発明)、及び、ベルト部材を
一方の側で張架し、転写材上のトナー像を定着するため
のニップ部を形成する第1定着ローラ部材と、該第1定
着ローラ部材と共に前記ベルト部材の他方の側を張架す
る発熱ローラ部材とを有する定着装置において、前記第
1定着ローラ部材と前記発熱ローラ部材との間に、前記
ベルト部材の内側より前記ベルト部材に当接し、前記ベ
ルト部材を加熱する面状の固定発熱体を設けると共に、
前記発熱ローラ部材の温度に応じて、前記固定発熱体の
温度制御を変更することを特徴とする定着装置(第2の
発明)、及び、ベルト部材を一方の側で張架し、転写材
上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する第1
定着ローラ部材と、該第1定着ローラ部材と共に前記ベ
ルト部材の他方の側を張架する発熱ローラ部材とを有す
る定着装置において、前記第1定着ローラ部材と前記発
熱ローラ部材との間に、前記ベルト部材の内側より前記
ベルト部材に当接し、前記ベルト部材を加熱する面状の
固定発熱体を設けると共に、前記発熱ローラ部材の昇温
速度に対し、前記固定発熱体の昇温速度が早いことを特
徴とする定着装置(第3の発明)によって達成される。
【0011】また、上記第2の目的は、ベルト部材を一
方の側で張架し、転写材上のトナー像を定着するための
ニップ部を形成する第1定着ローラ部材と、該第1定着
ローラ部材と共に前記ベルト部材の他方の側を張架する
発熱ローラ部材とを有する定着装置において、前記第1
定着ローラ部材と前記発熱ローラ部材との間に、前記ベ
ルト部材の内側より前記ベルト部材に当接し、前記ベル
ト部材を加熱する面状の固定発熱体を設けると共に、前
記固定発熱体の発熱が分割された加熱領域で行われるこ
とを特徴とする定着装置(第4の発明)、及び、ベルト
部材を一方の側で張架し、転写材上のトナー像を定着す
るためのニップ部を形成する第1定着ローラ部材と、該
第1定着ローラ部材と共に前記ベルト部材の他方の側を
張架する発熱ローラ部材とを有する定着装置において、
前記第1定着ローラ部材と前記発熱ローラ部材との間
に、前記ベルト部材の内側より前記ベルト部材に当接
し、前記ベルト部材を加熱する面状の固定発熱体を設け
ると共に、前記発熱ローラ部材の発熱が分割された加熱
領域で行われることを特徴とする定着装置(第5の発
明)によって達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の
意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の
実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示
すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限
定するものではない。
【0013】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形
成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構に
ついて、図1ないし図7を用いて説明する。図1は、本
発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施
形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図
2は、図1の像形成体の側断面図であり、図3は、定着
装置の構造及び温度制御の説明図であり、図4は、図3
の定着装置の温度制御ブロック図であり、図5は、固定
発熱体に設けられる発熱体の分割構造の加熱領域と転写
材の送り位置とを示す図であり、図6は、発熱ローラ部
材に設けられる熱線照射手段の分割構造の加熱領域と転
写材の送り位置とを示す図であり、図7は、分割構造の
加熱構造の発熱体或いは熱線照射手段の温度分布と転写
材の送り位置との説明図である。
【0014】図1または図2によれば、像形成体である
感光体ドラム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹
脂等の透光性部材によって形成される円筒状の基体の外
周に、透光性の導電層及び有機感光層(OPC)の光導
電体層を形成したものである。
【0015】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により、透光性の導電層を接地された状態で図
1の矢印で示す時計方向に回転される。
【0016】本発明では、画像露光用の露光ビームは、
その結像点である感光体ドラム10の光導電体層におい
て、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対し
て適正なコントラストを付与できる波長の露光光量を有
していればよい。従って、本実施形態における感光体ド
ラムの透光性の基体の光透過率は、100%である必要
はなく、露光ビームの透過時にある程度の光を吸収する
ような特性を有していてもよい。要は、適切なコントラ
ストを付与できればよい。透光性の基体の素材として
は、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモ
ノマーを重合したものが、透光性、強度、精度、表面性
等において優れており好ましく用いられるが、その他一
般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
トなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、露光
光に対して透光性を有していれば、着色していてもよ
い。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(I
TO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅
や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持
した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着
法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CV
D法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用できる。
また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が
使用できる。
【0017】光導電体層の感光層としての有機感光層
は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層
(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電
荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光
層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いた
めに有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。
なお有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送
物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされ
てもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、
通常バインダ樹脂が含有される。
【0018】以下に説明する帯電手段としてのスコロト
ロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系1
2、現像手段としての現像器13は、それぞれ、イエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色
(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されて
おり、本実施形態においては、図1の矢印にて示す感光
体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順
に配置される。
【0019】帯電手段としてのスコロトロン帯電器11
は像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して
直交する方向(図1において紙面垂直方向)に感光体ド
ラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム
10の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持さ
れた制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極11
aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性の
コロナ放電とによって帯電作用(本実施形態においては
マイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な
電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他
ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0020】各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像
露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を
感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた
線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセル
フォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた
露光用ユニットとして構成される。円柱状の保持部材2
0に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ド
ラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはそ
の他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッ
センス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子を
アレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0021】各色毎の画像書込手段としての露光光学系
12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロト
ロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対
して感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態
で、感光体ドラム10の内部に配置される。
【0022】露光光学系12は、別体のコンピュータ
(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像デ
ータに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感
光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に
潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の
発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い6
80〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面か
ら像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に
有しないこれより短い波長でもよい。
【0023】各色毎の現像手段としての現像器13は、
内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)
若しくは黒色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像
剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外
径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるい
はアルミ材で形成された現像剤担持体である現像スリー
ブ13aを備えている。
【0024】現像領域では、現像スリーブ13aは、突
き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の
間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保
たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置におい
て順方向に回転するようになっており、現像時、現像ス
リーブ13aに対してトナーと同極性(本実施形態にお
いてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流
電圧ACを重畳する現像バイアス電圧を印加することに
より、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転
現像が行われる。この時の現像間隔精度は画像むらを防
ぐために20μm程度以下が必要である。
【0025】以上のように現像器13は、スコロトロン
帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光に
よって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非
接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のト
ナー(本実施形態においては感光体ドラムは負帯電であ
り、トナーは負極性)により反転現像する。
【0026】図2に示すように、感光体ドラム10と露
光光学系保持部材である保持体20とは、装置背面側と
前面側の端部において、それぞれ感光体ドラム10を回
転可能に支持する感光体ドラム支持部材であるドラムフ
ランジ10A,10Bと、保持体20を支持する露光光
学系支持部材である光学系フランジ120A,120B
とを圧入もしくはネジ等の手段を介して一体的に構成さ
れている。感光体ドラム10は、感光体ドラム支持部材
であるドラムフランジ10Aならびにドラムフランジ1
0Bが、保持体20の光学系フランジ120Aの一体と
するシャフト121ならびに光学系フランジ120Bに
対して、それぞれベアリングB1ならびにベアリングB
2を介して回動自在に支持されている。
【0027】シャフト121は感光体ドラム10を保持
する軸部121Aを備えており、また背面側の装置基板
70には係合穴130Aを備えるシャフト保持手段であ
る支軸130が設けられている。係合穴130Aにはリ
ニアベアリングB4が嵌入されており、受け部材130
aを挟んで支軸130がネジ等により背面側の装置基板
70に固定されている。支軸130は駆動歯車G1に噛
合する歯車G2の中心に位置され、歯車G2を一体とす
る伝導部材131をベアリングB3を介して回動自在に
支持している。一方装置前面側の装置基板70には保持
体20に固定される露光光学系12を一体とする感光体
ドラム10を挿脱可能とする開口部70Aが開口されて
いる。
【0028】保持体20は背面側の装置基板70に対し
ては、シャフト121の軸部121Aを支軸130に設
けられたリニアベアリングB4に挿入し、軸部121A
に挿通した係合ピン121Pを支軸130の係合部13
0Bに形成したV字状の溝に係合することにより露光光
学系12の角度関係位置を規制して取り付けられ、前面
側の装置基板70に対しては、端部の一体とする露光光
学系支持部材である光学系フランジ120Cを緩衝材K
を挟み前蓋120Dを軸方向に押圧した状態でネジ52
により固定することにより所定の位置に装着される。
【0029】感光体ドラム10を支持する感光体ドラム
支持部材であるドラムフランジ10Aの側面に取付けら
れるカプリング10Cと、歯車G2を一体とする伝導部
材131の側面に取付けられる駆動ピン131Aと、止
めネジ51とにより、ドラムフランジ10Aと歯車G2
との結合部が構成され、保持体20を一体とする感光体
ドラム10の装着状態においては、ドラムフランジ10
Aの側面に取付けられるカプリング10Cが歯車G2を
有する伝導部材131の側面に取付けられる駆動ピン1
31Aに嵌込まれ、係合後、歯車G2を有する伝導部材
131とドラムフランジ10Aを有する感光体ドラム1
0とが中心及び外周面を合わされた状態で、感光体ドラ
ム10の側方から止めネジ51を用いて駆動ピン131
Aとカプリング10Cとが固定され、ドラムフランジ1
0Aと歯車G2とが結合、固定される。
【0030】画像形成のスタートにより不図示の像形成
体駆動モータの始動により、駆動歯車G1の回転動力が
歯車G2により結合部を介して感光体ドラム10に伝達
され、感光体ドラム10が図1の矢印で示す時計方向へ
回転され、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯電作
用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露光光
学系12において第1の色信号すなわちYの画像データ
に対応する電気信号による露光が開始され感光体ドラム
10の回転走査によってその表面の感光層に原稿画像の
イエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成され
る。この潜像はYの現像器13により非接触の状態で反
転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のト
ナー像が形成される。
【0031】次いで、感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11
の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12
の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに
対応する電気信号による露光が行われ、Mの現像器13
による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)
のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わ
せて形成される。
【0032】同様のプロセスにより、Cのスコロトロン
帯電器11、露光光学系12及び現像器13によってさ
らに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像
が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系1
2及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色
(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体
ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー
像が形成される。
【0033】このように、本実施の形態では、Y、M、
C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有
機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より
透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及
び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成
されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形
成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム1
0の外部から露光してもよい。
【0034】一方、転写材としての記録紙Pは、転写材
収納手段としての給紙カセット15より、送り出しロー
ラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号な
し)により給送されてタイミングローラ16へ搬送され
る。
【0035】記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動
によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナ
ー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器1
50の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域
へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された
記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態に
おいてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段とし
ての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上の
カラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0036】カラートナー像が転写された記録紙Pは、
転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより
除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置
700へと搬送される。
【0037】定着装置700は、一方の側の第1定着ロ
ーラ部材としての第1定着ローラ17aと、また他方の
側の発熱ローラ部材としての発熱ローラ17Aと、第1
定着ローラ17a及び発熱ローラ17Aに張架されるベ
ルト部材としての定着ベルト27Aと、定着ベルト27
Aを挟んで第1定着ローラ17aと対向して設けられる
第2定着ローラ部材としての第2定着ローラ17bと、
ガイド板173とより構成される。発熱ローラ部材とし
ての発熱ローラ17Aの内部には発熱ローラ17Aを加
熱するための、赤外線或いは遠赤外線等の熱線を発する
熱線照射手段としてのハロゲンランプHL1やキセノン
ランプ(不図示)が設けられ、また発熱体としてのセラ
ミックヒータ171を有し、定着ベルト27Aを加熱す
る面状の固定発熱体としての発熱体ユニット170が、
定着ベルト27Aに内側に当接(接触)して設けられ
る。定着ベルト27Aを挟んで第1定着ローラ17aと
第2定着ローラ17bとの間にニップ部Nが形成され
る。定着ベルト27Aの下側に転写材としての記録紙P
をニップ部Nに案内し、定着ベルト27Aの熱を受けて
予備加熱領域を形成するガイド板173が設けられる。
【0038】ガイド板173による余熱と、上側の定着
ベルト27Aからの熱を受けながら、熱せられたガイド
板173に案内されて記録紙Pが搬送され、記録紙P及
び記録紙P上のトナー像が予備加熱されながら、定着ベ
ルト27Aと第2定着ローラ17bとの間のニップ部N
へ記録紙Pが進入され、ニップ部Nにおいて、定着ベル
ト27Aの熱による加熱と、第1定着ローラ17a及び
第2定着ローラ17bとによる加圧とにより、記録紙P
上のカラートナー像が定着される。
【0039】カラートナー像が定着された記録紙Pは排
紙ローラ18により送られて、装置上部のトレイへ排出
される。
【0040】転写後の感光体ドラム10の周面上に残っ
たトナーは、像形成体クリーニング手段としてのクリー
ニング装置19に設けられたクリーニングブレード19
aによりクリーニングされる。残留トナーを除去された
感光体ドラム10はスコロトロン帯電器11によって一
様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
【0041】図3に示すように、定着装置700は、一
方の側の弾性を有する第1定着ローラ部材としての第1
定着ローラ17aと、また他方の側の発熱ローラ部材と
しての発熱ローラ17Aと、第1定着ローラ17a及び
発熱ローラ17Aにより張架されるベルト部材としての
定着ベルト27Aと、定着ベルト27Aを挟んで第1定
着ローラ17aと対向して設けられる第2定着ローラ部
材としての第2定着ローラ17bと、ガイド板173と
より構成される。
【0042】発熱ローラ部材としての発熱ローラ17A
の内部には発熱ローラ17Aを加熱するための、赤外線
或いは遠赤外線等の熱線を発する熱線照射手段としての
ハロゲンランプHL1やキセノンランプ(不図示)が設
けられる。
【0043】また、ベルト部材としての定着ベルト27
Aには、発熱ローラ17Aと第1定着ローラ17aとの
間で記録紙Pの搬送側に、定着ベルト27Aの内側で定
着ベルト27Aに当接(接触)する、発熱体としてのセ
ラミックヒータ171とヒータホルダ172とを一体と
した面状で、使用される最大転写材サイズに対応する幅
の、例えば長方形の固定発熱体としての発熱体ユニット
170が設けられる。発熱体ユニット170により定着
ベルト27Aを加熱する。この場合、発熱体としてのセ
ラミックヒータ171は必ずしも定着ベルト27Aに直
接接触している必要はなく、定着ベルト27Aとヒータ
ホルダ172を介して接触する構成としてもよい。
【0044】面状の固定発熱体としての発熱体ユニット
170に設けられるヒータホルダ172とセラミックヒ
ータ171とは接触面側(当接面側)の曲率半径Rを1
00〜1000mmとして幅広い加熱部を形成してベル
ト部材としての定着ベルト27Aと接触(当接)され
る。発熱体ユニット170に設けられるヒータホルダ1
72及びセラミックヒータ171の定着ベルト27Aと
の接触面(当接面)には(セラミックヒータ171が定
着ベルト27Aと直接接触していない構成の場合は、ヒ
ータホルダ172の定着ベルト27Aとの接触面(当接
面)には)、定着ベルト27Aとの滑りを良好とするた
めに、5〜20μm程度のフッ素コーティング加工を施
すことが好ましく、また、定着ベルト27Aの内側(内
周面)にも、定着ベルト27Aの滑りを良好とするため
に、フッ素コーティング加工を施すことが好ましい。
【0045】またベルト部材としての定着ベルト27A
には、ニップ部Nの位置より定着ベルト27Aの回転方
向に、定着分離爪TR3、定着オイルクリーニングロー
ラTR1、オイル塗布ローラTR2が設けられ、オイル
を含浸させたフェルト部材を円筒状のアルミパイプや紙
管等に巻き付けたオイル塗布ローラTR2により定着ベ
ルト27Aにオイルが塗布される。定着オイルクリーニ
ングローラTR1により定着ベルト27Aの周面上のオ
イルがクリーニングされる。
【0046】ベルト部材としての定着ベルト27Aとし
ては、基体として内径80〜150mm程度で厚さ20
〜200μm程度の、例えばニッケル電鋳ベルトを用い
た金属ベルトの外側(外周面)に、厚さ30〜300μ
m程度の絶縁性のシリコンゴムを被覆したものを用い
る。
【0047】発熱ローラ部材としての発熱ローラ17A
としては、外径20〜40mm程度で厚さ0.5〜2m
m程度の、アルミ材を用いた金属パイプの外側(外周
面)に、厚さ10〜100μm程度のフッ素樹脂をコー
ティングしたものを用いる。発熱ローラ17Aの内部に
は発熱ローラ17Aを加熱するための、赤外線或いは遠
赤外線等の熱線を発する熱線照射手段としてのハロゲン
ランプHL1やキセノンランプ(不図示)が設けられ
る。
【0048】発熱体としてのセラミックヒータ171
は、定着ベルト27Aに接触或いは非接触の状態でヒー
タホルダ172に一体として設けられて発熱体ユニット
170を形成するもので、厚さ0.5〜2mm程度、5
〜25mm程度の幅(定着ベルト27Aの移動方向の
幅)のアルミナ基板に、厚膜印刷により、抵抗発熱層
と、表面保護層としての厚さ10μm程度のオーバコー
トガラスとを順次設けたものを用いる。表面保護層とし
てのオーバコートガラスにより、セラミックヒータ17
1より定着ベルト27A間の熱抵抗を下げている。表面
保護層はまた、抵抗発熱層の保護と定着ベルト27Aの
摩耗防止の作用をする。また定着ベルト27Aと当接す
る場合、セラミックヒータ171の、少なくとも定着ベ
ルト27Aとの接触面にフッ素コート等の滑面を設け、
定着ベルト27Aとの回動を容易とさせる。定着ベルト
27Aと幅広い接触面を有する面状の固定発熱体として
の発熱体ユニット170に設けられる発熱体としてのセ
ラミックヒータ171により、定着ベルト27Aの即応
性ある加熱が可能となる。
【0049】セラミックヒータ171を保持するヒータ
ホルダ172は、幅10〜100mm、好ましくは30
〜70mm程度であり、例えばアルミニウムや鉄を用い
た熱伝導性のよい金属部材で形成され、発熱体としての
セラミックヒータ171を内装して、ベルト部材として
の定着ベルト27Aに当接(接触)されると共に、定着
ベルト27Aの走行ガイドとなる。ヒータホルダ172
の、少なくとも定着ベルト27Aとの接触面にフッ素コ
ート等の滑面を設け、定着ベルト27Aとの回動を容易
とさせる。
【0050】上側の第1定着ローラ部材としての第1定
着ローラ17aは、外径5〜10mm程度の芯金(符号
なし)の外側(外周面)に、発泡シリコンゴム層(符号
なし)を設けた外径10〜20mm程度で、ゴム硬度が
20Hs〜60Hs(JIS、Aゴム硬度)の低硬度ス
ポンジローラ(ソフトローラ)である。
【0051】定着ベルト27Aを挟んで、上記第1定着
ローラ17aを圧着する第2定着ローラ部材としての第
2定着ローラ17bは、外径5〜10mm程度の芯金
(符号なし)の外側(外周面)に、外径10〜20mm
程度で、ゴム硬度が40Hs〜80Hs(JIS、Aゴ
ム硬度)のシリコンゴム層(符号なし)を設けて、第1
定着ローラ17aよりも硬いハードローラとして形成さ
れる。
【0052】定着ベルト27Aを挟んで、ソフトローラ
としての第1定着ローラ17aとハードローラとしての
第2定着ローラ17bとの間で、上側を凸状とする、幅
10mm以下、好ましくは5mm以上の比較的に幅狭の
ニップ部Nが形成される。これにより、ニップ部Nの記
録紙Pの出口側での曲率が大となり、トナー像定着後の
記録紙Pの分離が良好に行われる。
【0053】記録紙Pをニップ部Nに案内する、例えば
アルミ板或いはステンレス板を用いた金属製のガイド板
173は、セラミックヒータ171の下部で、定着ベル
ト27Aの下部に設けられ、記録紙Pの入口側の開口部
の5〜15mm程度からニップ部Nに近づくに従って、
徐々に狭い間隔となり、セラミックヒータ171を一体
とする発熱体ユニット170により加熱される定着ベル
ト27Aからの熱を受けてガイド板173が熱せられ、
定着ベルト27Aとの間でトナー像の予備加熱のための
幅広い予備加熱領域を形成する。
【0054】TS1は、発熱ローラ17Aに取付けら
れ、内部の熱線照射手段としてのハロゲンランプHL1
やキセノンランプ(不図示)による発熱ローラ17Aの
加熱の温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミ
スタを用いた温度検知手段としての温度センサであり、
TS2は、発熱体ユニット170に設けられるヒータホ
ルダ172に、定着ベルト27Aの移動方向でセラミッ
クヒータ171の下流側に埋め込まれて固設され、ベル
ト部材としての定着ベルト27Aに当接する発熱体とし
てのセラミックヒータ171の温度制御を行うための例
えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段とし
ての温度センサであり、TS3は下側の第2定着ローラ
17bに取付けられた温度制御を行うための例えば接触
タイプのサーミスタを用いた温度検知手段としての温度
センサであり、TS4は下側のガイド板173に取付け
られた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミ
スタを用いた温度検知手段としての温度センサである。
温度センサTS1,TS2,TS3,TS4としては接
触タイプの他に、非接触タイプのものを用いることも可
能である。
【0055】図4に温度制御ブロック図を示すが、予め
記憶部のROM内に、ハロゲンランプHL1による発熱
ローラ17Aやセラミックヒータ171による発熱体ユ
ニット170の制御温度を決めるための参照テーブルが
格納される。入力情報として転写材サイズ、厚さ等の転
写材の種類(転写材情報)や機内温度やプリント履歴を
用い、これらの値を元に、ROM内に格納された参照テ
ーブルを参照して、発熱ローラ17Aや発熱体ユニット
170の制御温度を決定し、制御部を通して発熱ローラ
17Aや発熱体ユニット170の温度制御を行う。
【0056】後段において詳述するように、発熱ローラ
部材としての発熱ローラ17Aは一定の温度制御で、ベ
ルト部材としての定着ベルト27Aの温度の安定化用と
して用いる(第1の温度制御)一方、固定発熱体として
の発熱体ユニット170は温度変更を可能とし、定着ベ
ルト27Aの応答性の高い温度制御として用いる(第2
の温度制御)。さらに、発熱ローラ17Aの温度を一定
とする一方で、固定発熱体の温度設定の変更により、転
写材サイズ、厚さ等の転写材の種類や機内温度やプリン
ト履歴等の使用環境条件等に応じた、即時性を要する定
着温度設定条件変更の対応を可能とする。
【0057】セラミックヒータ171を一体とする発熱
体ユニット170により加熱される定着ベルト27Aか
らの熱を受けてガイド板173が熱せられる。上側の定
着ベルト27Aからの熱を受けながら、熱せられたガイ
ド板173に案内されて記録紙Pが搬送され、記録紙P
が温められると共に、記録紙P上のトナー像が溶融され
ながら、定着ベルト27Aと第2定着ローラ17bとの
間の、幅10mm以下、好ましくは5mm以上の比較的
に幅狭のニップ部Nへ進入され、ニップ部Nにおいて、
定着ベルト27Aの熱による加熱と、第1定着ローラ1
7a及び第2定着ローラ17bとによる加圧とにより、
記録紙P上のトナー像が定着される。
【0058】上記図3にて説明した定着装置700によ
り、発熱ローラ部材と固定発熱体とでの加熱により熱せ
られたベルト部材と、熱せられたガイド板とにより転写
材上のトナー像が予め溶融されてニップ部にて定着され
るので、ウォーミングアップ時間が短縮されると共に、
熱線照射手段を用いる発熱ローラ部材とベルト部材に当
接(接触)する固定発熱体とにより、熱伝導率の悪いベ
ルト部材の昇温が速められ、ウォーミングアップ時間が
短縮される。また、熱線照射手段を用いる発熱ローラ部
材と固定発熱体とでの加熱により、連続プリント時のベ
ルト部材の温度変化や温度の不均一が解消されて、定着
むらの少ない良好な定着性が得られると共に、高速対応
性を有する定着装置が可能となる。また加熱初期には、
ベルト部材を介してニップ部の第1定着ローラ部材及び
第2定着ローラ部材の昇温も必要となり、ベルト部材が
定着可能な温度になっていない。それ故上記の如く、固
定発熱体を即応性ある設定とし、加熱初期でのベルト部
材の昇温を補助する。また連続プリント中において、発
熱ローラ部材による加熱でのベルト部材の温度が変動し
ても、下流の固定発熱体での即応性ある加熱により、ベ
ルト部材の温度が応答良く調整できる。
【0059】しかしながら、熱伝導率の悪いベルト部材
の昇温をより速めて、ウォーミングアップ時間をより短
縮すると共に、連続プリント時のベルト部材の温度変化
や温度の不均一をより防止するために、以下の条件を設
定することが好ましい。
【0060】先ず第1に、発熱ローラ部材としての発熱
ローラ17Aの熱容量(Q1(J/deg))を、発熱
体としてのセラミックヒータ171とヒータホルダ17
2とを一体とした固定発熱体としての発熱体ユニット1
70の熱容量(Q2(J/deg))よりも大きく設定
する(Q1>Q2)ことが好ましい。これにより、熱伝
導率の悪い定着ベルト27Aの昇温が速められ、ウォー
ミングアップ時間が短縮されると共に、連続プリント時
の定着ベルト27Aの温度変化や温度の不均一が解消さ
れて、定着性の良好な定着装置が可能となる。
【0061】具体的には、発熱ローラ17Aの熱容量を
Q1(J/deg)、発熱体ユニット170の熱容量を
Q2(J/deg)とするとき、発熱ローラ17Aの熱
容量Q1と、発熱体ユニット170の熱容量Q2との
比、Q1/Q2を、 Q1/Q2=1.5〜10 と設定することが好ましい。発熱ローラ17Aの熱容量
Q1は大きく、発熱体ユニット170の熱容量Q2は小
さい方が好ましい。発熱ローラ17Aの熱容量Q1は、
定着後の温度の低下の著しい定着ベルト27Aを十分に
温めるのに、熱容量が必要なためである。このヒートリ
ザーバの役目を発熱ローラ17Aが担う一方、発熱体ユ
ニット170は、応答性の良さを生かした温度制御の役
割を担う。発熱体ユニット170の熱容量Q2が大き過
ぎて、発熱ローラ17Aの熱容量Q1と発熱体ユニット
170の熱容量Q2との比、Q1/Q2が1.5未満と
なると、セラミックヒータ171による発熱体ユニット
170の加熱時間が長くなり、即応性が低下する。定着
ベルト27Aの温度制御が不十分となる。また、発熱体
ユニット170の熱容量Q2が小さ過ぎて、発熱ローラ
17Aの熱容量Q1と発熱体ユニット170の熱容量Q
2との比、Q1/Q2が10を越えると、発熱体ユニッ
ト170の熱容量が不足して定着ベルト27Aを十分に
加熱できなくなる。
【0062】図3にて説明した定着装置700に上記の
如き条件を設定することにより、発熱ローラ部材と固定
発熱体とでの加熱により熱せられたベルト部材と、熱せ
られたガイド板とにより転写材上のトナー像が予め溶融
されてニップ部にて定着されるので、ウォーミングアッ
プ時間が短縮されると共に、熱線照射手段を用いる発熱
ローラ部材と固定発熱体とでの加熱により、熱伝導率の
悪いベルト部材の昇温がより速められ、ウォーミングア
ップ時間がより短縮される。また、熱容量の小さな固定
発熱体に対し、ニップ部上流側の熱容量を大とする発熱
ローラ部材がヒートリザーバの役目をなして、連続プリ
ント時のベルト部材の温度の安定化が保たれると共に、
トナー像の予備加熱のための広い予備加熱領域を下部に
有し、熱容量の小さな固定発熱体により、連続プリント
時にニップ部に進入するベルト部材の温度が即応性をも
って温められ、連続プリント時のベルト部材の温度変化
や温度の不均一がより解消されて、定着むらの少ない良
好な定着性が得られると共に、高速対応性を有する定着
装置が可能となる。また加熱初期には、ベルト部材を介
してニップ部の第1定着ローラ部材及び第2定着ローラ
部材の昇温が十分でなく、ベルト部材が定着可能な温度
になっていない。この場合も、上記の如く、固定発熱体
を即応性ある設定とし、加熱初期でのベルト部材の昇温
を補助することにより、ウォーミングアップ時間を実質
的に短縮できる。また連続プリント中において、発熱ロ
ーラ部材による加熱でのベルト部材の温度が変動して
も、下流の固定発熱体での即応性ある加熱により、ニッ
プ部でのベルト部材の温度を一定に調整できる。
【0063】第2に、発熱ローラ部材としての発熱ロー
ラ17Aの表面温度をT1(℃)、固定発熱体としての
発熱体ユニット170の表面温度をT2(℃)とすると
き、発熱ローラ部材としての発熱ローラ17Aの表面温
度T1(℃)は一定の温度制御で、ベルト部材としての
定着ベルト27Aの温度の安定化用として用いる(第1
の温度制御)一方、固定発熱体としての発熱体ユニット
170の表面温度をT2(℃)は温度変更を可能とし、
定着ベルト27Aの応答性の高い温度制御として用いる
(第2の温度制御)。熱線照射手段としてのハロゲンラ
ンプHL2やキセノンランプ(不図示)を内部に有する
発熱ローラ17Aは、熱容量が大きく、温度の安定性や
均一性を有する一方、熱容量の小さな発熱体ユニット1
70は昇温特性が良好である。
【0064】発熱体ユニット170の表面温度T2が発
熱ローラ17Aの表面温度T1よりも小さく制御する場
合もあるが、一般的には、T1≦T2で制御を行う。下
流側の発熱体ユニット170で高い熱供給を行って、定
着ベルト27Aの表面を裏面に対し高い温度分布をもた
せて、即応性をもたせることが望ましく、T1≦T2と
することが望ましい。通常、発熱ローラ17Aの表面温
度T1は、薄紙等の定着温度が低くて済む場合の定着温
度である、150〜180℃程度に保ち、発熱体ユニッ
ト170の表面温度T2は、発熱ローラ17Aの表面温
度T1と同等或いは高めに保つ。
【0065】具体的には、発熱体ユニット170の表面
温度T2と、発熱ローラ17Aの表面温度T1との比、
T2/T1を、 T2/T1=1.05〜1.25 との間で変化させることが望ましい。発熱ローラ17A
の温度を一定とする一方で、固定発熱体の温度設定の変
更により、転写材サイズ、厚さ等の転写材の種類や機内
温度やプリント履歴等の使用環境条件等に応じた定着温
度変更制御を行う。転写材サイズが大きい場合や厚さが
厚い場合等は、発熱体ユニット170の表面温度T2を
高く制御する。また、環境条件により機内温度が低くな
った場合には、発熱体ユニット170の表面温度T2を
低く制御する。発熱体ユニット170の表面温度T2が
低過ぎて、発熱体ユニット170の表面温度T2と、発
熱ローラ17Aの表面温度T1との比、T2/T1が、
1.05未満であると、発熱体ユニット170による定
着ベルト27Aの加熱の即応性ある制御がなされない。
また、発熱ローラ17Aの表面温度T1が低過ぎて、発
熱体ユニット170の表面温度T2と、発熱ローラ17
Aの表面温度T1との比、T2/T1が、1.25を越
えると、発熱ローラ17Aによる定着ベルト27Aの十
分な加熱が行われず、定着むら等の定着不良を生じる。
【0066】さらに、発熱ローラ17Aの応答性が悪い
ので、発熱ローラ17Aの表面温度T1に基づき(応じ
て)、第1定着ローラ17aとの間でニップ部を形成す
る第2定着ローラ17bの表面温度T3を加味して、温
度発熱体ユニット170の表面温度T2の温度を変更す
るように制御する。
【0067】図3にて説明した定着装置700に上記の
如き条件を設定することにより、発熱ローラ部材と固定
発熱体とでの加熱により熱せられたベルト部材と、熱せ
られたガイド板とにより転写材上のトナー像が予め加熱
(予備加熱)されてニップ部にて定着されるので、ウォ
ーミングアップ時間が短縮されると共に、発熱ローラ部
材と固定発熱体とでの加熱により、熱伝導率の悪いベル
ト部材の昇温がより速められ、ウォーミングアップ時間
がより短縮される。また、発熱ローラ部材がヒートリザ
ーバの役目をなして、連続プリント時のベルト部材の温
度の安定化が保たれると共に、トナー像の予備加熱のた
めの広い予備加熱領域を有し、実質的な昇温速度の速い
固定発熱体により、連続プリント時にニップ部に進入す
るベルト部材の温度が即応性をもって温められ(ベルト
部材の温度制御が応答良く行われ)、連続プリント時の
ベルト部材の温度変化や温度の不均一がより解消され
て、定着むらの少ない良好な定着性が得られると共に、
高速対応性を有する定着装置が可能となる。また、固定
発熱体の実質的な昇温速度が速いとしても、加熱初期に
は、ベルト部材を介してニップ部の第1定着ローラ部材
及び第2定着ローラ部材の昇温が十分でなくなり、ベル
ト部材が定着可能な温度になっていない。この場合も、
上記の如く、固定発熱体の昇温速度を速く設定し、固定
発熱体の温度を高く設定して、加熱初期でのベルト部材
の昇温を補助することにより、ウォーミングアップ時間
を実質的に短縮できる。また連続プリント中において、
発熱ローラ部材による加熱でのベルト部材の温度が変動
しても、下流の固定発熱体での即応性ある加熱により、
ニップ部でのベルト部材の温度を一定に調整できる。特
に、転写材の種類や環境条件に応じた定着温度設定条件
変更の対応が固定発熱体の温度設定の変更により可能と
なる。
【0068】第3に、発熱ローラ部材としての発熱ロー
ラ17Aの内部に設けられる熱線照射手段としてのハロ
ゲンランプHL1やキセノンランプ(不図示)の最大電
力(W1(W))を、固定発熱体としての発熱体ユニッ
ト170に設けられる発熱体としてのセラミックヒータ
171の最大電力(W2(W))よりも大きく設定する
(W1>W2)ことが好ましい。通常定着に消費できる
それぞれの最大電力の和、W1+W2は、プリンタ機能
としての使用条件から、0.8〜1.2kW程度に制限
されている。
【0069】熱線照射手段としてのハロゲンランプHL
1やキセノンランプ(不図示)の最大電力(W1
(W))を発熱体としてのセラミックヒータ171の最
大電力(W2(W))よりも大きく設定する(W1>W
2)ことにより、ヒートリザーバの役割をもたせた発熱
ローラ17Aへの十分な電力の供給を可能とする。
【0070】具体的には、ハロゲンランプHL1やキセ
ノンランプ(不図示)の最大電力をW1(W)、セラミ
ックヒータ171の最大電力をW2(W)とするとき、
ハロゲンランプHL1やキセノンランプ(不図示)の最
大電力W1と、セラミックヒータ171の最大電力W2
との比、W1/W2を、 W1/W2=1.5〜5 と設定することが好ましい。発熱ローラ17Aの最大電
力W1は大きく、セラミックヒータ171の最大電力W
2は小さい方が好ましい。発熱ローラ17Aの最大電力
W1が小さ過ぎて、発熱ローラ17Aの最大電力W1と
セラミックヒータ171の最大電力W2との比、W1/
W2が1.5未満となると、発熱ローラ17Aの加熱が
不足し、定着後の温度低下した定着ベルト27Aが十分
に温まらない。また、セラミックヒータ171の最大電
力W2が小さ過ぎて、発熱ローラ17Aの最大電力W1
とセラミックヒータ171の最大電力W2との比、W1
/W2が5を越えると、セラミックヒータ171が定着
ベルト27Aを即応性をもって十分に加熱できなくな
る。
【0071】以上のように、発熱ローラ17Aの最大電
力W1(W)を固定発熱体としてのセラミックヒータ1
71の最大電力W2(W)よりも大きく(W1>W2)
し、且つセラミックヒータ171の昇温を速くすること
が好ましい。
【0072】このため、発熱ローラ部材としての発熱ロ
ーラ17Aの熱容量をQ1(J/deg)、発熱体とし
てのセラミックヒータ171とヒータホルダ172とを
一体とした固定発熱体としての発熱体ユニット170の
熱容量をQ2(J/deg)とするとき、セラミックヒ
ータ171の最大電力W2と発熱体ユニット170の熱
容量Q2との比、W2/Q2に対して、発熱ローラ17
A内部のハロゲンランプHL1やキセノンランプ(不図
示)の最大電力W1と発熱ローラ17Aの熱容量Q1と
の比、W1/Q1を、 (W2/Q2)>(W1/Q1) と設定することが好ましい。
【0073】すなわち、(W2/Q2)は、発熱体ユニ
ット170自体での(定着ベルト27Aから離した発熱
体ユニット170単体の状態での)発熱体ユニット17
0の実質的な昇温速度であり、(W1/Q1)は発熱ロ
ーラ17A自体での(定着ベルト27Aから離した発熱
ローラ17A単体の状態での)の実質的な昇温速度であ
り、発熱体ユニット170の実質的な昇温速度(W2/
Q2)に対する発熱ローラ17Aの実質的な昇温速度
(W1/Q1)を速く((W2/Q2)>(W1/Q
1))設定することが好ましい。
【0074】具体的には、 (W2/Q2)/(W1/Q1)=2〜7 と設定することが好ましい。本来発熱体ユニット170
の実質的な昇温速度(W2/Q2)を速くして即応性を
もたせる一方、発熱ローラ17Aの実質的な昇温速度
(W1/Q1)は、熱容量Q1の大きい発熱ローラ17
Aにより遅くなる。発熱体ユニット170の実質的な昇
温速度(W2/Q2)が遅くて(小さくて)、発熱体ユ
ニット170の実質的な昇温速度(W2/Q2)と発熱
ローラ17Aの実質的な昇温速度(W1/Q1)との
比、(W2/Q2)/(W1/Q1)は、発熱体ユニッ
ト170での定着ベルト27Aの実質的な昇温速度の即
応性から2以上が好ましい。また、発熱ローラ17Aの
実質的な昇温速度(W1/Q1)が遅くて(小さく
て)、発熱体ユニット170の実質的な昇温速度(W2
/Q2)と発熱ローラ17Aの実質的な昇温速度(W1
/Q1)との比、(W2/Q2)/(W1/Q1)が7
を越える設定では、定着ベルト27Aの昇温は速くなる
が、定着ベルト27Aに対する発熱体ユニット170の
熱容量Q2が小さすぎることとなり、定着ベルト27A
の温度が不安定となる。また、過度に速くしても、定着
ベルト27Aの裏面から表面への熱伝導の時間があるこ
とから有効でなく、7以下で十分である。
【0075】図3にて説明した定着装置700に上記の
如き条件を設定することにより、発熱ローラ部材と固定
発熱体とでの加熱により熱せられたベルト部材と、熱せ
られたガイド板とにより転写材上のトナー像が予め加熱
(予備加熱)されてニップ部にて定着されるので、ウォ
ーミングアップ時間が短縮されると共に、発熱ローラ部
材と固定発熱体とでの加熱により、熱伝導率の悪いベル
ト部材の昇温がより速められ、ウォーミングアップ時間
がより短縮される。また、熱容量及び最大電力の小さな
固定発熱体に対し、ニップ部上流側の熱容量及び最大電
力を大とする発熱ローラ部材がヒートリザーバの役目を
なして、連続プリント時のベルト部材の温度の安定化が
保たれると共に、トナー像の予備加熱のための広い予備
加熱領域を有し、実質的な昇温速度の速い固定発熱体に
より、連続プリント時にニップ部に進入するベルト部材
の温度が即応性をもって温められ(ベルト部材の温度制
御が応答良く行われ)、連続プリント時のベルト部材の
温度変化や温度の不均一がより解消されて、定着むらの
少ない良好な定着性が得られると共に、高速対応性を有
する定着装置が可能となる。また、固定発熱体の実質的
な昇温速度が速いとしても、加熱初期には、ベルト部材
を介してニップ部の第1定着ローラ部材及び第2定着ロ
ーラ部材の昇温が十分でなくなり、ベルト部材が定着可
能な温度になっていない。この場合も、上記の如く、固
定発熱体の昇温速度を速く設定し、固定発熱体の温度を
高く設定して、加熱初期でのベルト部材の昇温を補助す
ることにより、ウォーミングアップ時間を実質的に短縮
できる。また連続プリント中において、発熱ローラ部材
による加熱でのベルト部材の温度が変動しても、下流の
固定発熱体での即応性ある加熱により、ニップ部でのベ
ルト部材の温度を一定に調整できる。
【0076】第4としては、上記第2の実質的な昇温速
度の設定を規定するものであり、発熱ローラ17A内部
に設けられる熱線照射手段としてのハロゲンランプHL
1やキセノンランプ(不図示)に加熱される発熱ローラ
部材としての発熱ローラ17A単体での(定着ベルト2
7Aから離した発熱ローラ17A単体の状態での、定着
ベルト27A当接面位置での)昇温速度(S1(deg
/sec))よりも、発熱体としてのセラミックヒータ
171とヒータホルダ172とを一体とした固定発熱体
としての発熱体ユニット170単体での(定着ベルト2
7Aから離した発熱体ユニット170単体の状態での、
定着ベルト27A当接面位置での)昇温速度(S2(d
eg/sec))の方を速く設定することが好ましい。
【0077】具体的には、昇温速度Sは時間Δt(se
c)に対する昇温温度ΔT(°)(S=ΔT/Δt)で
決められ、発熱ローラ部材としての発熱ローラ17Aの
昇温速度をS1(deg/sec)、固定発熱体として
の発熱体ユニット170の昇温速度をS2(deg/s
ec)とするとき、 S2/S1=2〜7 と設定することが好ましい。本来発熱体ユニット170
の昇温速度S2を速くして即応性をもたせる一方、発熱
ローラ17Aの昇温速度S1は、熱容量Q1の大きい発
熱ローラ17Aにより遅くなる。発熱体ユニット170
の昇温速度S2が遅くて(小さくて)、発熱体ユニット
170の昇温速度S2と発熱ローラ17Aの昇温速度S
1との比、S2/S1は、発熱体ユニット170での定
着ベルト27Aの昇温速度の即応性がなくなることか
ら、2以上が好ましい。また、発熱ローラ17Aの昇温
速度S1が遅くて(小さくて)、発熱体ユニット170
の昇温速度S2と発熱ローラ17Aの昇温速度S1との
比、S2/S1が7を越える設定では、定着ベルト27
Aの昇温は速くとも、定着ベルト27Aに対する発熱ロ
ーラ17Aの熱容量Q1が小さすぎることとなり、定着
ベルト27Aの温度が不安定となる。また、過度に速く
しても、定着ベルト27Aの裏面から表面への熱伝導の
時間があることから有効でなく、7以下で十分である。
【0078】図3にて説明した定着装置700に上記の
如き条件を設定することにより、発熱ローラ部材と固定
発熱体とでの加熱により熱せられたベルト部材と、熱せ
られたガイド板とにより転写材上のトナー像が予め加熱
されてニップ部にて定着されるので、ウォーミングアッ
プ時間が短縮されると共に、発熱ローラ部材と固定発熱
体とでの加熱により、熱伝導率の悪いベルト部材の昇温
がより速められ、ウォーミングアップ時間がより短縮さ
れる。また、昇温速度の速い固定発熱体に対し、昇温速
度の遅いニップ部上流側の発熱ローラ部材がヒートリザ
ーバの役目をなして、連続プリント時のベルト部材の温
度の安定化が保たれると共に、昇温速度の速い固定発熱
体により、連続プリント時にニップ部に進入するベルト
部材の温度が即応性をもって温められ(ベルト部材の温
度制御が応答良く行われ)、連続プリント時のベルト部
材の温度変化や温度の不均一がより解消されて、定着む
らの少ない良好な定着性が得られ、且つ高速対応性を有
する定着装置が可能となる。また、固定発熱体はトナー
像の予備加熱のための広い予備加熱領域を有することか
ら、ベルト部材の加熱が容易であり、固定発熱体の昇温
速度を速くすることにより温度制御が容易となる。ま
た、固定発熱体の昇温速度が速いとしても、加熱初期に
は、ベルト部材を介してニップ部の第1定着ローラ部材
及び第2定着ローラ部材の昇温が十分でなく、ベルト部
材が定着可能な温度になっていない。この場合も、上記
の如く、固定発熱体の昇温速度を速く設定し、また固定
発熱体の温度を高く設定することにより、加熱初期での
ベルト部材の昇温を補助することにより、ウォーミング
アップ時間を実質的に短縮できる。また連続プリント中
において、発熱ローラ部材による加熱でのベルト部材の
温度が変動しても、下流の固定発熱体での即応性ある加
熱により、ニップ部でのベルト部材の温度を一定に調整
できる。
【0079】上記により、熱伝導率の悪いベルト部材の
昇温が速められ、ウォーミングアップ時間が短縮され、
且つ連続プリント時のベルト部材の温度変化や温度の不
均一が解消されて、ニップ部での転写材上のトナー像の
定着の際での、定着むらの少ない良好な定着性が得られ
ると共に、高速対応性を有する定着装置が可能となる。
【0080】さらに、ベルト部材はゴム部材を用いるた
め熱伝導率が悪く、定着の際に、転写材サイズにより横
方向(転写材の送り方向と直交する方向)の温度分布の
不均一が生じ易い。このため、図3にて前述した、面状
の固定発熱体としての発熱体ユニット170に設けられ
る発熱体としてのセラミックヒータ171に代えて、図
5に示すような分割された加熱領域を有する構造で、図
7に示すような温度分布の発熱体としてのセラミックヒ
ータ171Aを用いる。
【0081】転写材としての記録紙Pは、画面中央をセ
ラミックヒータ171Aの中央を基準として搬送(記録
紙Pの搬送方向と直交する方向の記録紙Pの中心(画面
中央)がセラミックヒータ171Aの長手方向の中央と
一致するように記録紙Pを搬送)されるが、セラミック
ヒータ171Aの中央部に、主として用いられる転写材
のサイズ幅、例えばA−4縦送りサイズ幅(210m
m)に対応する加熱領域A1を有する発熱部171aを
設ける。また、セラミックヒータ171Aの両端部に加
熱領域B1及び加熱領域B2を有する発熱部171bを
設け、最大の転写材のサイズ幅、例えばA−3縦送りサ
イズ幅(A−4横送りサイズ幅と同じ(297mm))
に対応する。A−4縦送りサイズの場合は、セラミック
ヒータ171Aの発熱部171aのみを点灯し、A−3
縦送りの場合は、セラミックヒータ171Aの発熱部1
71a及び発熱部171bの両方を、共に点灯するよう
に不図示の制御部を通して制御する。
【0082】セラミックヒータ171Aの画面中央を基
準として搬送される転写材としての記録紙P(記録紙P
の搬送方向と直交する方向の記録紙Pの中心(画面中
央)がセラミックヒータ171Aの長手方向の中央と一
致するように記録紙Pを搬送)の、主として用いられる
サイズ、例えばA−4縦送りサイズ幅(210mm)の
場合は、図7に示す、A−4縦送りサイズ幅(210m
m)に応じた曲線(a)で示す温度分布を有し、図5に
て前述したセラミックヒータ171Aの中央部に加熱領
域A1を有する一方の発熱部171aの点灯、制御によ
る発熱により、A−4縦送りサイズの記録紙Pを定着す
る。また、セラミックヒータ171Aの画面中央を基準
として搬送される転写材としての記録紙P(記録紙Pの
搬送方向と直交する方向の記録紙Pの中心(画面中央)
がセラミックヒータ171Aの長手方向の中央と一致す
るように記録紙Pを搬送)のサイズが、A−4縦送りサ
イズの記録紙Pの幅より大きい、最大の転写材のサイズ
幅、例えばA−3縦送りサイズ幅(A−4横送りサイズ
幅と同じ(297mm))の記録紙Pを定着する場合
は、図7に曲線(b)で示す温度分布を有する、セラミ
ックヒータ171Aの他方の発熱部171bをさらに点
灯、制御し、図5にて前述した、加熱領域B1と加熱領
域A1と加熱領域B2とで合成され、図7の曲線(a)
と曲線(b)との合成により形成される温度分布とな
る、発熱部171aと発熱部171bとを合成した発熱
により、大きいサイズのA−3縦送りサイズの記録紙P
を定着する。
【0083】上記により、ゴム部材を用いるため熱伝導
率が悪いベルト部材の、定着の際の、転写材サイズによ
る横方向(転写材の送り方向と直交する方向)の温度分
布が均一化され、転写材のサイズの異なりによる定着む
らが防止される。
【0084】また、ゴム部材を用いるため熱伝導率が悪
いベルト部材の、定着の際の、転写材サイズによる横方
向(転写材の送り方向と直交する方向)の温度分布の不
均一を防止するための他の方法として、図3にて前述し
た、発熱ローラ部材としての発熱ローラ17Aの内部
に、図6に示すような分割された加熱領域を有し、並列
配置されるハロゲンランプHLaとハロゲンランプHL
bとを用い、図7に示すような温度分布を有する2本の
熱線照射手段を設ける。
【0085】転写材としての記録紙Pは、画面中央を発
熱ローラ17Aの画面中央を基準として搬送(記録紙P
の搬送方向と直交する方向の記録紙Pの中心(画面中
央)が発熱ローラ17Aの軸方向(長手方向)の中央と
一致するように記録紙Pを搬送)されるが、主として用
いられる転写材のサイズ幅、例えばA−4縦送りサイズ
幅(210mm)に対応する、中央部の発光部FLaに
よる加熱領域(発光領域)A2を有する熱線照射手段と
してのハロゲンランプHLaを設ける。また、両端部
に、それぞれの発光部FLbによる加熱領域(発光領
域)B11及び加熱領域(発光領域)B21を有する熱
線照射手段としてのハロゲンランプHLbを設け、最大
の転写材のサイズ幅、例えばA−3縦送りサイズ幅(A
−4横送りサイズ幅と同じ(297mm))に対応す
る。A−4縦送りサイズの場合は、中央部のハロゲンラ
ンプHLaのみを点灯し、A−3縦送りの場合は、ハロ
ゲンランプHLa及びハロゲンランプHLbの両方を、
共に点灯するように制御する。
【0086】発熱ローラ17Aの画面中央を基準として
搬送される転写材としての記録紙P(記録紙Pの搬送方
向と直交する方向の記録紙Pの中心(画面中央)が発熱
ローラ17Aの軸方向(長手方向)の中央と一致するよ
うに記録紙Pを搬送)の、主として用いられるサイズ、
例えばA−4縦送りサイズ幅(210mm)の場合は、
図7に示す、A−4縦送りサイズ幅(210mm)に応
じた曲線(a)で示す温度分布を有し、図6にて前述し
た加熱領域(発光領域)A2を有する一方のハロゲンラ
ンプHLaの発光部FLaの点灯、制御による発熱によ
り、A−4縦送りサイズの記録紙Pを定着する。また、
発熱ローラ17Aの画面中央を基準として搬送される転
写材としての記録紙P(記録紙Pの搬送方向と直交する
方向の記録紙Pの中心(画面中央)が発熱ローラ17A
の軸方向(長手方向)の中央と一致するように記録紙P
を搬送)のサイズが、A−4縦送りサイズの記録紙Pの
幅より大きい、最大の転写材のサイズ幅、例えばA−3
縦送りサイズ幅(A−4横送りサイズ幅と同じ(297
mm))の記録紙Pを定着する場合は、図7に曲線
(b)で示す温度分布を有する、他方のハロゲンランプ
HLbの両端の発光部FLbをさらに点灯、制御し、図
6にて前述した、加熱領域(発光領域)B11と加熱領
域(発光領域)A2と加熱領域(発光領域)B21とで
合成され、図7の曲線(a)と曲線(b)との合成によ
り形成される温度分布となる、ハロゲンランプHLaの
中央部の発光部FLaと、ハロゲンランプHLbの両端
のそれぞれの発光部FLbとの発熱(発光)により、大
きいサイズのA−3縦送りサイズの記録紙Pを定着す
る。
【0087】上記により、ゴム部材を用いるため熱伝導
率が悪いベルト部材の、定着の際の、転写材サイズによ
る横方向(転写材の送り方向と直交する方向)の温度分
布が均一化され、転写材のサイズの異なりによる定着む
らが防止される。
【0088】
【発明の効果】請求項1ないし5によれば、熱伝導率の
悪いベルト部材の昇温が速められ、ウォーミングアップ
時間が短縮され、且つ連続プリント時のベルト部材の温
度変化や温度の不均一が解消されて、ニップ部での転写
材上のトナー像の定着の際での、定着むらの少ない良好
な定着性が得られると共に、高速対応性を有する定着装
置が可能となる。
【0089】請求項6ないし8によれば、ゴム部材を用
いるため熱伝導率が悪いベルト部材の、定着の際の、転
写材サイズによる横方向(転写材の送り方向と直交する
方向)の温度分布が均一化され、転写材のサイズの異な
りによる定着むらが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装
置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図
である。
【図2】図1の像形成体の側断面図である。
【図3】定着装置の構造及び温度制御の説明図である。
【図4】図3の定着装置の温度制御ブロック図である。
【図5】固定発熱体に設けられる発熱体の分割構造の加
熱領域と転写材の送り位置とを示す図である。
【図6】発熱ローラ部材に設けられる熱線照射手段の分
割構造の加熱領域と転写材の送り位置とを示す図であ
る。
【図7】分割構造の加熱構造の発熱体或いは熱線照射手
段の温度分布と転写材の送り位置との説明図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光光学系 13 現像器 17A 発熱ローラ 17a 第1定着ローラ 17b 第2定着ローラ 27A 定着ベルト 170 発熱体ユニット 171,171A セラミックヒータ 171a,171b 発熱部 172 ヒータホルダ 173 ガイド板 700 定着装置 A1,A2,B1,B2,B11,B21 加熱領域 FLa,FLb 発光部 HL1,HLa,HLb ハロゲンランプ P 記録紙

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト部材を一方の側で張架し、転写材
    上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する第1
    定着ローラ部材と、 該第1定着ローラ部材と共に前記ベルト部材の他方の側
    を張架する発熱ローラ部材とを有する定着装置におい
    て、 前記第1定着ローラ部材と前記発熱ローラ部材との間
    に、前記ベルト部材の内側より前記ベルト部材に当接
    し、前記ベルト部材を加熱する面状の固定発熱体を設け
    ると共に、 前記発熱ローラ部材は第1の温度制御を行う一方、前記
    固定発熱体は第2の温度制御を行うことを特徴とする定
    着装置。
  2. 【請求項2】 転写材の種類や使用環境条件に応じて、
    前記固定発熱体の温度を変更することを特徴とする請求
    項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 ベルト部材を一方の側で張架し、転写材
    上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する第1
    定着ローラ部材と、 該第1定着ローラ部材と共に前記ベルト部材の他方の側
    を張架する発熱ローラ部材とを有する定着装置におい
    て、 前記第1定着ローラ部材と前記発熱ローラ部材との間
    に、前記ベルト部材の内側より前記ベルト部材に当接
    し、前記ベルト部材を加熱する面状の固定発熱体を設け
    ると共に、 前記発熱ローラ部材の温度に応じて、前記固定発熱体の
    温度制御を変更することを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 前記ベルト部材を挟み、前記第1定着ロ
    ーラ部材と対向して設けられ、前記第1定着ローラ部材
    との間でニップ部を形成する第2定着ローラ部材の温度
    に応じて、前記固定発熱体の温度制御を変更することを
    特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 ベルト部材を一方の側で張架し、転写材
    上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する第1
    定着ローラ部材と、 該第1定着ローラ部材と共に前記ベルト部材の他方の側
    を張架する発熱ローラ部材とを有する定着装置におい
    て、 前記第1定着ローラ部材と前記発熱ローラ部材との間
    に、前記ベルト部材の内側より前記ベルト部材に当接
    し、前記ベルト部材を加熱する面状の固定発熱体を設け
    ると共に、 前記発熱ローラ部材の昇温速度に対し、前記固定発熱体
    の昇温速度が早いことを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】 ベルト部材を一方の側で張架し、転写材
    上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する第1
    定着ローラ部材と、 該第1定着ローラ部材と共に前記ベルト部材の他方の側
    を張架する発熱ローラ部材とを有する定着装置におい
    て、 前記第1定着ローラ部材と前記発熱ローラ部材との間
    に、前記ベルト部材の内側より前記ベルト部材に当接
    し、前記ベルト部材を加熱する面状の固定発熱体を設け
    ると共に、 前記固定発熱体の発熱が分割された加熱領域で行われる
    ことを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】 ベルト部材を一方の側で張架し、転写材
    上のトナー像を定着するためのニップ部を形成する第1
    定着ローラ部材と、 該第1定着ローラ部材と共に前記ベルト部材の他方の側
    を張架する発熱ローラ部材とを有する定着装置におい
    て、 前記第1定着ローラ部材と前記発熱ローラ部材との間
    に、前記ベルト部材の内側より前記ベルト部材に当接
    し、前記ベルト部材を加熱する面状の固定発熱体を設け
    ると共に、 前記発熱ローラ部材の発熱が分割された加熱領域で行わ
    れることを特徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】 転写材サイズに応じて、前記分割された
    加熱領域を制御することを特徴とする請求項6または7
    に記載の定着装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011008253A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Xerox Corp 印刷に有用な装置
US9037054B2 (en) 2011-07-14 2015-05-19 Sharp Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus using the same

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JP2011008253A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Xerox Corp 印刷に有用な装置
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