JP3879336B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置に関し、特にクイックスタートが可能な定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置として、技術的な完成度が高く安定したものとして熱ローラ定着方式が、低速機から高速機まで、モノクロ機からフルカラー機まで、と幅広く採用されている。
【0003】
しかしながら、従来の熱ローラ定着方式の定着装置では、転写材やトナーを加熱する際に、熱容量の大きな定着用の熱ローラを加熱する必要があるため省エネ面で不利であり、また、プリント時に定着装置を暖めるのに時間がかかりプリント時間(ウォーミングアップ時間)が長くなってしまうという問題がある。
【0004】
これを解決するためフィルム(熱定着フィルム)を用い、熱ローラを熱定着フィルムという究極の厚みまで持っていき低熱容量化し、温度制御されたヒータ(セラミックヒータ)を熱定着フィルムに直接加圧接触させることで熱伝導効率を大幅に向上させ、省エネルギーとウォーミングアップ時間を殆ど必要としないクイックスタートとを図ったフィルム定着方式の定着装置やそれを用いた画像形成装置が提案され、最近用いられてきている。
【0005】
また、熱ローラの変形として透光性基体を熱線定着ローラ(熱線定着用回転部材)として用い、内部に設けたハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線をトナーに照射して加熱定着し、ウォーミングアップ時間を要せずクイックスタートを図った定着方法が、特開昭52−106741号公報、同57−82240号公報、同57−102736号公報、同57−102741号公報等により開示されている。また、透光性基体の外周面に光吸収層(熱線吸収層)を設けて熱線定着ローラ(熱線定着用回転部材)を構成し、円筒状の透光性基体内部に設けたハロゲンランプ(熱線照射手段)からの光を、透光性基体の外周面に設けた光吸収層で吸収させ、光吸収層の熱によりトナー像を定着させる定着方法が特開昭59−65867号公報により開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開昭52−106741号公報等の開示による定着装置では、ハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線を透光性基体を通して照射し、トナーを加熱定着する方法により、また特開昭59−65867号公報の開示による定着装置では、透光性基体の外周面に光吸収層(熱線吸収層)を設けて熱線定着ローラ(熱線定着用回転部材)を構成し、ハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線を透光性基体を通して熱線吸収層に照射し、該熱線吸収層の熱によりトナーを定着する方法により、それぞれ省エネルギーとウォーミングアップ時間を短縮したクイックスタートとを図ろうとしたものであるが、定着性が悪いので、本願発明者らは、透光性基体と光吸収層(熱線吸収層)との間にゴム材層よりなる透光性弾性層を設けてソフトローラの熱線定着ローラを形成し、クイックスタート(急速加熱)が可能で、且つトナー像の定着性を向上する定着装置を特願平10−128917号等にて提案した。
【0007】
しかしながら、上記提案の定着装置において、熱線定着用回転部材に設けられ、ガラス部材を用いる透光性基体は、端部を切断する際に、端部に多数のクラックが存在し、熱線定着用回転部材の加圧時や回転時に透光性基体が端部から破損されるという問題が起こる。
【0008】
本発明は上記の問題点を解決し、熱線定着用回転部材の加圧時や回転時にガラス部材を用いる透光性基体の端部からの破損を防止する保持方法と、透光性基体の端部からの破損を防止するための端部の処理方法とを設けた定着装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、熱線照射手段を内部に有し透光性を有するガラス部材を用いる円筒状の透光性基体と、透光性弾性層と、前記熱線照射手段からの熱線を吸収する熱吸収層とを積層した熱線定着ローラ、該熱線定着ローラに圧着する圧着ローラ並びに前記熱線定着ローラの内部に設けられた前記熱線照射手段を有する定着装置において、
前記ガラス部材を用いる前記透光性基体の端部を加熱溶融処理して形成したふくらみを有することを特徴とする定着装置によって達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構について、図1ないし図6を用いて説明する。図1は、本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図2は、図1の像形成体の側断面図であり、図3は、定着装置の構造を示す説明図であり、図4は、図3のロール状の熱線定着用回転部材の拡大断面構成図であり、図5は、図3のロール状の熱線定着用回転部材の熱線吸収層の濃度分布を示す図であり、図6は、図3のロール状の熱線定着用回転部材の透光性基体の外径と厚さとを示す図である。
【0013】
図1または図2によれば、像形成体である感光体ドラム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の透光性部材によって形成される円筒状の基体の外周に、透光性の導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体層を形成したものである。
【0014】
感光体ドラム10は、図示しない駆動源からの動力により、透光性の導電層を接地された状態で図1の矢印で示す時計方向に回転される。
【0015】
本発明では、画像露光用の露光ビームは、その結像点である感光体ドラム10の光導電体層において、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対して適正なコントラストを付与できる波長の露光光量を有していればよい。従って、本実施形態における感光体ドラムの透光性の基体の光透過率は、100%である必要はなく、露光ビームの透過時にある程度の光を吸収するような特性を有していてもよい。要は、適切なコントラストを付与できればよい。透光性の基体の素材としては、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを重合したものが、透光性、強度、精度、表面性等において優れており好ましく用いられるが、その他一般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、露光光に対して透光性を有していれば、着色していてもよい。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CVD法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用できる。また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が使用できる。
【0016】
光導電体層の感光層としての有機感光層は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いために有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。なお有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされてもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、通常バインダ樹脂が含有される。
【0017】
以下に説明する帯電手段としてのスコロトロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系12、現像手段としての現像器13は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されており、本実施形態においては、図1の矢印にて示す感光体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順に配置される。
【0018】
帯電手段としてのスコロトロン帯電器11は像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して直交する方向(図1において紙面垂直方向)に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム10の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持された制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極11aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性のコロナ放電とによって帯電作用(本実施形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0019】
各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセルフォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた露光用ユニットとして構成される。円柱状の保持体20に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0020】
各色毎の画像書込手段としての露光光学系12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロトロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対して感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態で、感光体ドラム10の内部に配置される。
【0021】
露光光学系12は、別体のコンピュータ(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像データに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い680〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面から像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に有しないこれより短い波長でもよい。
【0022】
各色毎の現像手段としての現像器13は、内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像剤担持体である現像スリーブ13aを備えている。
【0023】
現像領域では、現像スリーブ13aは、突き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置において順方向に回転するようになっており、現像時、現像スリーブ13aに対してトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流電圧ACを重畳する現像バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転現像が行われる。この時の現像間隔精度は画像むらを防ぐために20μm程度以下が必要である。
【0024】
以上のように現像器13は、スコロトロン帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光によって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のトナー(本実施形態においては感光体ドラムは負帯電であり、トナーは負極性)により反転現像する。
【0025】
図2に示すように、感光体ドラム10と露光光学系保持部材である保持体20とは、装置背面側と前面側の端部において、それぞれ感光体ドラム10を回転可能に支持する感光体ドラム支持部材であるドラムフランジ10A,10Bと、保持体20を支持する露光光学系支持部材である光学系フランジ120A,120Bとを圧入もしくはネジ等の手段を介して一体的に構成されている。感光体ドラム10は、感光体ドラム支持部材であるドラムフランジ10Aならびにドラムフランジ10Bが、保持体20の光学系フランジ120Aの一体とするシャフト121ならびに光学系フランジ120Bに対して、それぞれベアリングB1ならびにベアリングB2を介して回動自在に支持されている。
【0026】
シャフト121は感光体ドラム10を保持する軸部121Aを備えており、また背面側の装置基板70には係合穴130Aを備えるシャフト保持手段である支軸130が設けられている。係合穴130AにはリニアベアリングB4が嵌入されており、受け部材130aを挟んで支軸130がネジ等により背面側の装置基板70に固定されている。支軸130は駆動歯車G1に噛合する歯車G2の中心に位置され、歯車G2を一体とする伝導部材131をベアリングB3を介して回動自在に支持している。一方装置前面側の装置基板70には保持体20に固定される露光光学系12を一体とする感光体ドラム10を挿脱可能とする開口部70Aが開口されている。
【0027】
保持体20は背面側の装置基板70に対しては、シャフト121の軸部121Aを支軸130に設けられたリニアベアリングB4に挿入し、軸部121Aに挿通した係合ピン121Pを支軸130の係合部130Bに形成したV字状の溝に係合することにより露光光学系12の角度関係位置を規制して取り付けられ、前面側の装置基板70に対しては、端部の一体とする露光光学系支持部材である光学系フランジ120Cを緩衝材Kを挟み前蓋120Dを軸方向に押圧した状態でネジ52により固定することにより所定の位置に装着される。
【0028】
感光体ドラム10を支持する感光体ドラム支持部材であるドラムフランジ10Aの側面に取付けられるカプリング10Cと、歯車G2を一体とする伝導部材131の側面に取付けられる駆動ピン131Aと、止めネジ51とにより、ドラムフランジ10Aと歯車G2との結合部が構成され、保持体20を一体とする感光体ドラム10の装着状態においては、ドラムフランジ10Aの側面に取付けられるカプリング10Cが歯車G2を有する伝導部材131の側面に取付けられる駆動ピン131Aに嵌込まれ、係合後、歯車G2を有する伝導部材131とドラムフランジ10Aを有する感光体ドラム10とが中心及び外周面を合わされた状態で、感光体ドラム10の側方から止めネジ51を用いて駆動ピン131Aとカプリング10Cとが固定され、ドラムフランジ10Aと歯車G2とが結合、固定される。
【0029】
画像形成のスタートにより不図示の像形成体駆動モータの始動により、駆動歯車G1の回転動力が歯車G2により結合部を介して感光体ドラム10に伝達され、感光体ドラム10が図1の矢印で示す時計方向へ回転され、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露光光学系12において第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光が開始され感光体ドラム10の回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0030】
次いで、感光体ドラム10は前記イエロー(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに対応する電気信号による露光が行われ、Mの現像器13による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0031】
同様のプロセスにより、Cのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器13によってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。
【0032】
このように、本実施の形態では、Y、M、C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム10の外部から露光してもよい。
【0033】
一方、転写材としての記録紙Pは、転写材収納手段としての給紙カセット15より、送り出しローラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号なし)により給送されてタイミングローラ16へ搬送される。
【0034】
記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器150の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段としての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上のカラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0035】
カラートナー像が転写された記録紙Pは、転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置17へと搬送される。
【0036】
定着装置17はカラートナー像を定着するための上側のロール状の熱線定着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ローラ17aと、下側の定着部材としての圧着ローラ47aとにより構成され、熱線定着ローラ17aの内部には、光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線等の熱線を発するハロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)が熱線照射手段として配設される。
【0037】
熱線定着ローラ17aと圧着ローラ47aとの間で形成されるニップ部Nで記録紙Pが挟持され、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラートナー像が定着され、記録紙Pが排紙ローラ18により送られて、装置上部のトレイへ排出される。
【0038】
転写後の感光体ドラム10の周面上に残ったトナーは、像形成体クリーニング手段としてのクリーニング装置19に設けられたクリーニングブレード19aによりクリーニングされる。残留トナーを除去された感光体ドラム10はスコロトロン帯電器11によって一様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
【0039】
図3に示すように、定着装置17は転写材上のトナー像を定着するための上側の弾性を有するロール状の熱線定着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ローラ17aと、同じく弾性を有する下側の定着部材としての圧着ローラ47aとにより構成され、それぞれ弾性を有する熱線定着ローラ17aと圧着ローラ47aとの間で形成される、幅15mm以下、好ましくは5mm以上の幅広いニップ部Nで、ニップ部Nに進入されてニップ部Nを通過される記録紙Pを挟持し、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のトナー像を定着する。上側に設けられるロール状の熱線定着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ローラ17aには、ニップ部Nの位置より熱線定着ローラ17aの回転方向に、定着分離爪TR3、定着オイルクリーニングローラTR1、熱均一化ローラTR4、オイル塗布ローラTR2が設けられ、オイルを含浸させたフェルト部材を円筒状のアルミパイプや紙管等に巻き付けたオイル塗布ローラTR2により熱線定着ローラ17aにオイルが塗布される。定着オイルクリーニングローラTR1により熱線定着ローラ17aの周面上のオイルがクリーニングされる。従って熱均一化ローラTR4、及び後述する、熱線定着ローラ17aの温度を測定する温度検知手段である温度センサTS1は、定着オイルクリーニングローラTR1とオイル塗布ローラTR2との間のクリーニングされた熱線定着ローラ17aの周面に設けられる。定着分離爪TR3により定着後の転写材が分離される。また、アルミ材やステンレス材等の熱伝導性の良好な金属ローラ部材やヒートパイプを用いた熱均一化ローラTR4により熱線吸収層171bにより加熱される熱線定着ローラ17a周面の発熱温度分布が均一化される。熱均一化ローラTR4により転写材の通紙に伴う熱線定着ローラ17aの縦方向及び横方向の温度むらが均一化される。
【0040】
転写材上のトナー像を定着するための熱線定着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ローラ17aは、円筒状の透光性基体171aと、該透光性基体171aの外側(外周面)に透光性弾性層171dと熱線吸収層171bと離型層171cとをその順に設けたソフトローラとして構成される。透光性基体171a内部には、光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線等の熱線を発する熱線照射手段であるハロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)が配設される。熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aは、後述するようにして弾性の高いソフトローラとして構成される。ハロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)より発された熱線が熱線吸収層171bにより吸収され急速加熱が可能なロール状の熱線定着用回転部材が形成される。
【0041】
また、下側の定着部材としての圧着ローラ47aは、例えばアルミ材を用いた芯金471aと、該芯金471aの外周面に、例えばシリコンゴム層或いはフッ素ゴム層や、シリコンゴムの発泡材を用いたスポンジ状の、5〜20mm厚の厚肉ゴム層よりなるゴムローラ層471bとによりローラ部材を形成し、該ローラ部材のゴムローラ層471bの外側(外周面)に離型性を有するPFA、PTFA等の耐熱性のフッ素樹脂のチューブ471cを被覆した弾性を有するソフトローラとして構成される。また、ゴムローラ471bの表面にも当接して従動回転する、アルミ材やステンレス材等の熱伝導性の良好な金属ローラ部材を用いた熱均一化ローラTR4が設けられ、熱均一化ローラTR4により圧着ローラ47a周面の発熱温度分布が均一化される。熱均一化ローラTR4としては、蓄熱と放熱とを兼ねるヒートパイプを用いることが好ましい。圧着ローラ47aに代えてアルミ等の金属パイプローラを用いることもできる。
【0042】
上側のソフトローラと下側のソフトローラとの間に平面状のニップ部Nが形成されトナー像の定着が行われる。
【0043】
TS1は上側の熱線定着ローラ17aに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度検知手段である温度センサであり、TS2は下側の圧着ローラ47aに取付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタを用いた温度センサである。温度センサTS1,TS2としては接触タイプの他に、非接触タイプのものを用いることも可能である。
【0044】
図4によれば、熱線定着ローラ17aの構成は、図4(a)に断面を示すように、円筒状の透光性基体171aとしては、厚さ1〜20mm、好ましくは2〜5mm厚で、ハロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)よりの赤外線或いは遠赤外線等の熱線を透過するパイレックスガラス、サファイヤ(Al23)、CaF2等のセラミック材(熱伝導率が(5〜20)×10-3J/cm・s・K、比熱が(0.5〜2.0)×J/g・K、比重が1.5〜3.0)が主として用いられる。
【0045】
透光性弾性層171dは、厚さ0.5mm以上、好ましくは6mm以下のシリコンゴムを用い、熱線(光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線)を透過する熱線透過性のシリコンゴム層或いはフッ素ゴム層(ベース層)で形成される。透光性弾性層171dとしては高速化対応のために、ベース層にフィラーとしてシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末を配合させて熱伝導率を向上させる方法がとられ、熱伝導率が(1〜10)×10-3J/cm・s・K、比熱が(1〜2)×J/g・K、比重が0.9〜1.0のシリコンゴム層やフッ素ゴム層を用いる。シリコンゴム層やフッ素ゴム層は熱伝導率がガラス部材を用いた透光性の基体(熱伝導率が(5〜20)×10-3J/cm・s・K)より低いので、ある程度の断熱性を有する層の役割をする。熱伝導率を高めると一般的にゴム硬度が高くなる傾向があり、例えば通常40Hsのものが60Hs(JIS、Aゴム硬度)近くまで高くなってしまう。好ましいゴム硬度は5Hs以上、60Hs以下(JIS、Aゴム硬度)である。熱線定着用回転部材の透光性弾性層171dの大部分はこのベース層で占められており、加圧時の圧縮量はベース層のゴム硬度で決定される。透光性弾性層171dの中間層はオイル膨潤防止のために耐油層としてフッ素系ゴムが20〜300μmの厚さで形成することが好ましい。また、透光性弾性層171dを通過させる熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3μmであるので、先に記した硬度や熱伝導率の調整剤として用いられるフィラーは、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに分散させたもので透光性弾性層171dを形成してもよい。層中で1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下であることが光散乱を防ぎ、熱線吸収層171bに到達させるのに好ましい。透光性弾性層171dを設けることにより、熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aが弾性の高いソフトローラとして構成される。
【0046】
熱線吸収層171bとしては、ハロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)より発せられ、透光性基体171a及び透光性弾性層171dにて吸収された残りの熱線で、透光性基体171a及び透光性弾性層171dを透過した熱線の略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%の熱線を熱線吸収層171bにより吸収し急速加熱が可能な熱線定着用回転部材を形成するように、前記透光性弾性層171dで用いたシリコンゴムやフッ素ゴム中に、或いは樹脂バインダ中にカーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェライト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材を用い、厚さ10〜500μm、好ましくは20〜100μm厚の熱線吸収層171bを透光性弾性層171dの外側(外周面)に塗布或いは吹付け等により形成する。熱線吸収層171bの熱伝導率は前記透光性弾性層171dのベース層(熱伝導率が(1〜10)×10-3J/cm・s・K)と比べて高めの(3〜100)×10-3J/cm・s・Kに設定することができる。熱線吸収層171bの比熱は(〜2.0)×J/g・Kであり、比重は〜0.9である。熱線吸収層171bとしてはニッケル電鋳ローラ等の金属ローラ部材を同様の厚さで設けてもよい。この時、熱線を吸収するために内側(内周面)は黒色酸化処理をしておくことが好ましい。熱線吸収層171bでの熱線吸収率が90%程度よりも低く、例えば20〜80%程度であると熱線が漏れて、漏れた熱線により熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aがモノクロ画像形成に用いられた場合、フィルミング等により熱線定着ローラ17aの特定位置の表面に黒トナーが付着すると漏れた熱線により付着部から発熱が起き、その部分でさらに熱線吸収による発熱が重ねて起こり熱線吸収層171bを破損する。またカラー画像形成に用いられた場合、カラートナーの吸収効率が一般に低く、かつカラートナー間に吸収効率の差があることから定着不良となったり、定着ムラとなる。従って、ハロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)より発せられ、透光性基体171a及び透光性弾性層171dにて吸収された残りの熱線で、透光性基体171a及び透光性弾性層171dを透過した熱線が熱線吸収層171bで完全に吸収されるように熱線吸収層171bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%とする。これにより、分光特性が異なることで熱線により定着することが困難なカラートナーの溶融が良好に行われ、特に図1でのカラー画像形成において、分光特性が異なることで熱線により定着することが困難なトナー層の厚い転写材上の重ね合わせカラートナー像の溶融が良好に行われる。また、熱線吸収層171bの厚さが10μm未満で薄いと、熱線吸収層171bでの熱線の吸収による加熱速度は速いが、薄膜による局所的な加熱による熱線吸収層171bの破損や強度不足の原因となり、熱線吸収層171bの厚さが500μmを越えて厚過ぎると、熱伝導不良となったり、熱容量が大きくなり急速加熱が成しにくくなる。熱線吸収層171bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%としたり、熱線吸収層171bの厚さを10〜500μm、好ましくは20〜100μmとすることにより、熱線吸収層171bでの局所的な発熱が防止され、均一な発熱が行われる。また、熱線吸収層171bに投光される熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3μmであるので、フィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに5〜50重量%分散させたもので熱線吸収層171bを形成してもよい。こうすると、熱線を熱線吸収層171bの内部まで進入させ、界面での発熱を防止できる。このようにして、熱線吸収層171bは温度がすぐに上がるように熱容量を小さくしてあるので、熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aに温度低下が生じ、定着むらが発生するという問題を防止する。熱線吸収層171bとしては、弾性を有するシリコンゴムやフッ素ゴムに、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェライト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ(Fe23)等の粉末を混入したものを用いてもよい。熱線吸収層171bとしてはニッケル電鋳ベルトのように金属フィルム部材を用いることもできる。この時、熱線吸収のために内側(内周面)は黒色酸化処理をしておくことが望ましい。
【0047】
また熱線吸収層171bと分離して熱線吸収層171bの外側(外周面)に、トナーとの離型性や定着性を良好とするため、厚さ20〜100μmのPFA(フッ素樹脂)チューブを被覆したものや、フッ素樹脂(PFAまたはPTFE)塗料を20〜100μm塗布したものや、層厚20〜500μmのシリコンゴムやフッ素ゴムを成形したもので、熱伝導率が(3〜100)×10-3J/cm・s・Kの離型層171cを設ける(分離型)。
【0048】
さらに図4(b)に断面を示すように、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェライト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材と、バインダと離型剤とを兼ねたフッ素樹脂(PFAまたはPTFE)塗料或いはシリコンゴムやフッ素ゴム等とを混入して配合し、図4(a)にて前述した熱線吸収層171bと離型層171cとを一体として離型性を有する兼用層171Bを、透光性基体171aの外側(外周面)に形成された透光性弾性層171dの外側(外周面)に形成し、弾性を有するロール状の熱線定着用回転部材を形成してもよい。兼用層171Bの熱伝導率は熱線吸収層171bの熱伝導率と略同様で、(3〜100)×10-3J/cm・s・Kである。前述したと同様に、ハロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)より発せられ、透光性基体171a及び透光性弾性層171dにて吸収された残りの熱線で、透光性基体171a及び透光性弾性層171dを透過した熱線が完全に吸収されるように兼用層171Bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%とする。兼用層171Bでの熱線吸収率が90%程度よりも低く、例えば20〜80%程度であると熱線が漏れて、漏れた熱線により熱線定着用回転部材がモノクロ画像形成に用いられた場合、フィルミング等により熱線定着用回転部材の特定位置の表面に黒トナーが付着すると漏れた熱線により付着部から発熱が起き、その部分でさらに熱線吸収による発熱が重ねて起こり兼用層171Bを破損する。またカラー画像形成に用いられた場合、カラートナーの吸収効率が一般に低く、かつカラートナー間に吸収効率の差があることから定着不良となったり、定着むらとなる。従って、ハロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)より発せられ、透光性基体171a及び透光性弾性層171dにて吸収された残りの熱線で、透光性基体171a及び透光性弾性層171dを透過した熱線が熱線定着用回転部材内で完全に吸収されるように兼用層171Bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%とする。また、兼用層171Bでの局所的な発熱も防止され、均一な発熱が行われる。また、兼用層171Bに投光される熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3μmであるので、フィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに分散させたもので兼用層171Bを形成してもよい。
【0049】
図5によれば、ロール状の熱線定着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ローラ17aの熱線吸収層171bに前述した熱線吸収部材の濃度分布を、点線(a−1)に示すように均一に設けると、熱線吸収層171bの発熱分布は、曲線(b−1)に示すように境界にある熱線吸収層171bで発熱が集中することになり、透光性弾性層171d側へ熱が流失しやすいので、濃度分布を設けて熱線吸収層171b内部で熱を発生させることが発熱分布を分散させる観点から好ましい。このため、熱線吸収層171bの濃度分布を点線(a−2)で示すように、内接する透光性弾性層171d側の界面を低濃度とし外周面側に向かって傾斜をつけ順次高くし、外周面側の手前(熱線吸収層171bの厚さt1に対し、透光性弾性層171d側から1/2〜3/5程度の位置)で100%吸収する濃度となるようにして飽和するようにする。これにより、熱線吸収層171bでの熱線の吸収による発熱分布は、曲線(b−2)に示すように熱線吸収層171bの最大値が、界面から熱線吸収層171bの厚さt1に対し、透光性弾性層171d側から1/3〜2/5程度に位置するように移行され、熱の流出が少なくなると共に、特に、兼用層171Bを用いた場合にも、外周表面層が削られても影響の無いようになる。さらに点線(a−3)で示すように、傾斜を設けて飽和層を形成することが好ましく、これにより、曲線(b−3)に示すように、熱線吸収層171bの発熱分布は熱線吸収層171bの中央部近傍に最大値を有し、熱線吸収層171bの界面や外周面近傍で最小値をとる放物線状に形成されて、外周表面層の削れの影響も少なく、特に熱の流出の影響の無いようにする。要するに、十分に内部で吸収が行われれば外側での濃度の影響はなくなる。削れの影響も生じない。また、濃度分布に上記傾斜を設け、傾斜角の変更により発熱分布を調整することもできる。
【0050】
また図6に示すように、ロール状の熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aの円筒状の透光性基体171aの外径φとしては、15〜60mmのものが用いられ、厚さtとしては、厚い方が強度の点で良く、薄い方が熱容量の点で良いが、強度と熱容量との関係から、円筒状の透光性基体171aの外径φと厚さtとの関係は、
0.025≦t/φ≦0.10
とし、好ましくは
0.035≦t/φ≦0.07
とする。透光性基体171aの外径φが40mmでは透光性基体171aの厚さtは、1mm≦t≦4mm、好ましくは1.4mm≦t≦2.8mmのものが用いられる。透光性基体171aでのt/φが0.025未満では強度不足となり、t/φが0.10を越えると熱容量が大きくなり熱線定着ローラ17aの加熱が長引くことになる。また、透光性基体といっても材料によっては1〜20%程度の熱線を吸収する場合があり、強度の保てる範囲で薄い方が好ましい。同様に、透光性弾性層171dといっても材料によっては5〜25%程度の熱線を吸収する場合があり、強度の保てる範囲で薄い方が好ましい。
【0051】
図3にて説明した定着装置17を用いることにより定着部(ニップ部)での変形に強いと共に、クイックスタート(急速加熱)が可能な定着装置が可能となり、さらに、熱線定着用回転部材の弾性によるソフトな定着部(ニップ部)での加圧と、該熱線定着用回転部材の熱線吸収層による加熱とにより、分光特性が異なることで熱線により定着することが困難なカラートナーの溶融が良好に行われ、カラートナーのクイックスタート(急速加熱)定着が可能となる。また省エネルギー効果が得られる。
【0052】
上記において、透光性弾性層171dを設けず、透光性基体171aと、該透光性基体171aの外側(外周面)に熱線吸収層171bと離型層171cとをその順に設けて(或いは該透光性基体171aの外側(外周面)に兼用層171Bを設けて)、ハードローラとしての熱線定着用回転部材を形成し、定着装置17を構成するようにしてもよい。この場合、ソフトローラとしての圧着ローラ47aとの間で形成されるニップ部Nは、下側を凸状とした構造とされる。
【0053】
しかしながら、上記の定着装置17において、熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aに設けられ、ガラス部材を用いる透光性基体171aは、端部を切断する際に、端部に多数のクラックが存在し、熱線定着ローラ17aの加圧時や回転時に透光性基体171aが端部から破損されるという問題が生じる。
【0054】
これを解決するための定着装置に用いられる熱線定着用回転部材の加圧時や回転時にガラス部材を用いる透光性基体の端部からの破損を防止する保持方法を、図7または図8を用いて、また、定着装置に用いられる熱線定着用回転部材の加圧時や回転時にガラス部材を用いる透光性基体の端部からの破損を防止するための透光性基体端部の処理方法を、図9または図10を用いて説明する。図7は、透光性基体の端部に設けられて、熱線定着用回転部材を保持する軸受部材と、その位置関係とを示す図であり、図8は、図7の軸受部材の詳細説明図であり、図9は、透光性基体の端部処理と、透光性基体への熱線定着ローラ軸受部材の挿入との説明図であり、図10は、透光性基体の端部処理と、透光性基体への保持部材の挿入との説明図である。
【0055】
図7または図8によれば、定着装置17の熱線定着用回転部材である熱線定着ローラ17aは透光性基体171aと、その外側(外周面)に透光性弾性層171dと熱線吸収層171bと離型層171cとをその順に設けて構成されるが、ガラス部材を用いる円筒状の透光性基体171aの中心軸と平行して、透光性基体171aの外周面の両端部に、熱線定着ローラ17aに設けられる透光性基体171aの軸受部材(熱線定着ローラ17aの軸受部材でもある)としての自動調芯軸受け(自動調芯ベアリングともいう)BA1を、透光性基体171aを貫通して(透光性基体171aの両端部を残して(余らせて)中心部へ挿入し)、透光性基体171aの両端部に配設する。自動調芯ベアリングBA1にベアリングホルダBH1が挿入され、熱線定着ローラ17aが回転可能に保持される。
【0056】
軸受部材としての自動調芯ベアリングBA1は、図8に示すように、外輪Baと、内輪Bbと、内輪Bb及び外輪Baとの間に嵌込まれる玉Bcと保持器(不図示)とにより構成される。外輪Baの内周面は、その曲率中心が軸受部材の中心と一致する半径R1の球面で形成されており、従って、内輪Bb、玉Bc及び保持器(不図示)は外輪Baを基準とした軸受部材中心の周りを自由に回転できる調芯性を有し、内輪Bbが少し傾いても中心をだして回転することができる。これにより、ガラス部材を用いる透光性基体171aの変形に倣って透光性基体171aが保持され、自動調芯ベアリングBA1を軸受部材とする熱線定着ローラ17aが中心をだして回転される。
【0057】
透光性基体171aの外径や厚みに応じて、自動調芯ベアリングBA1の幅L1(mm)は5〜40mm程度のものを用いることが好ましく、また自動調芯ベアリングBA1の透光性基体171a端部側の端部と透光性基体171aの端部との距離L2(mm)は、端部のクラックを避ける意味で2〜30mm程度設けることが好ましい。
【0058】
また透光性基体171aの両端部に、透光性基体171aの端部を押圧し、透光性基体171aの移動を規制する、例えばリン青銅やステンレスのバネ性を有する板材を用いる移動規制部材としての移動規制板PLaを設けることが好ましい。移動規制板PLa先端部の透光性基体171aとの接触面に、ガラス部材を用いる透光性基体171a端部との滑り性やガラス部材を傷つけぬように、ポリカーボネイト(PC)やポリオキシメチレン(POM)等の樹脂部材を用いる受け板PLbを設けることが好ましい。
【0059】
下側に設けられる圧着ローラ47aとの間にニップ部Nが形成され、不図示の定着駆動モータにより回転される圧着ローラ47aに押圧されながら、圧着ローラ47aの回転を受けて熱線定着ローラ17aが従動回転される。
【0060】
上記の如く、ガラス部材を用いる透光性基体171aの端部を避けて、軸受部材で透光性基体171aを保持することで、透光性基体171aの破損が防止され、また軸受部材としての自動調芯ベアリングBA1により、ガラス部材を用いる透光性基体171aの変形に倣って透光性基体171aが保持され、ガラス部材を用いる透光性基体171aの端部に存在するクラックによる、熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aの加圧時や回転時の透光性基体171aの端部からの破損を防止する透光性基体171aの保持が可能となる。
【0061】
図9または図10によれば、定着装置17の熱線定着用回転部材である熱線定着ローラ17aは透光性基体171aと、その外側(外周面)に透光性弾性層171dと熱線吸収層171bと離型層171cとをその順に設けて構成されるが、ガラス部材を用いる円筒状の透光性基体171aの両端部を加熱処理して溶融し、透光性基体171aの両端部に、リング状の溶融塊としてのふくらみFBを形成する。端部の加熱処理により、外径精度を落とさずに、透光性基体171a端部に多数存在するクラックが溶融されて除去される。
【0062】
透光性基体171a端部のふくらみFBの突出量は、外側(外径側)の突出量ΔR1(μm)を100μm程度以内とし、また、内側(内径側)の突出量ΔR2(μm)を1000μm程度以内とし、透光性基体171aの外側よりも内側が大きくなるよう成形する(ΔR2>ΔR1)。外側(外径側)の突出量ΔR1(μm)を100μm程度以内としてふくらみFBを形成することにより、透光性基体171aの端部まで透光性弾性層171dを形成する場合の、熱線定着ローラ17a表面の端部の厚みの変形を防止したり、図9に示す、透光性基体171aの端部に嵌込まれる熱線定着ローラ軸受部材としての熱線定着ローラベアリングB5の装着時のガタの発生や、図10に示す透光性基体171aの保持部材としての、例えばステンレス材による金属部材や耐熱性のポリイミド、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂部材等を用いるフランジFR1の装着時のガタの発生等の不具合を生じにくくする。
【0063】
図9に示す熱線定着ローラベアリングB5にベアリングホルダBH1が挿入され、熱線定着ローラ17aが回転可能に保持される。下側に設けられる圧着ローラ47aとの間にニップ部Nが形成され、不図示の定着駆動モータにより回転される圧着ローラ47aに押圧されながら、圧着ローラ47aの回転を受けて熱線定着ローラ17aが従動回転される。
【0064】
また図10に示すフランジFR1にベアリングB6が嵌込まれ、さらにベアリングB6にベアリングホルダBH1が挿入され、熱線定着ローラ17aが回転可能に保持される。下側に設けられる圧着ローラ47aとの間にニップ部Nが形成され、不図示の定着駆動モータにより回転される圧着ローラ47aに押圧されながら、圧着ローラ47aの回転を受けて熱線定着ローラ17aが従動回転される。
【0065】
上記の如く、ガラス部材を用いる透光性基体171a端部を加熱処理し、透光性基体171aの外側(外径側)より内側(内径側)方向に大きなふくらみFBを形成することにより、透光性基体171a端部のクラックが除去され、熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aの加圧時や回転時の、透光性基体171a端部のクラックからの破損が防止される。
【0066】
【発明の効果】
請求項1ないし7によれば、ガラス部材を用いる透光性基体の端部に存在するクラックによる、熱線定着用回転部材の加圧時や回転時の透光性基体の端部からの破損を防止した透光性基体の保持が可能となる。
【0067】
請求項8ないし11によれば、ガラス部材を用いる透光性基体端部を加熱処理し、透光性基体の外側より内側方向に大きなふくらみを形成することにより、透光性基体端部のクラックが除去され、熱線定着用回転部材の加圧時や回転時の、透光性基体の端部のクラックからの破損が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】図1の像形成体の側断面図である。
【図3】定着装置の構造を示す説明図である。
【図4】図3のロール状の熱線定着用回転部材の拡大断面構成図である。
【図5】図3のロール状の熱線定着用回転部材の熱線吸収層の濃度分布を示す図である。
【図6】図3のロール状の熱線定着用回転部材の透光性基体の外径と厚さとを示す図である。
【図7】透光性基体の端部に設けられて、熱線定着用回転部材を保持する軸受部材と、その位置関係とを示す図である。
【図8】図7の軸受部材の詳細説明図である。
【図9】透光性基体の端部処理と、透光性基体への熱線定着ローラ軸受部材の挿入との説明図である。
【図10】透光性基体の端部処理と、透光性基体への保持部材の挿入との説明図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム
11 スコロトロン帯電器
12 露光光学系
13 現像器
17 定着装置
17a 熱線定着ローラ
47a 圧着ローラ
171a 透光性基体
171B 兼用層
171b 熱線吸収層
171c 離型層
171d 透光性弾性層
171g ハロゲンランプ
BA1 自動調芯ベアリング
FB ふくらみ
FR1 フランジ
P 記録紙
PLa 移動規制板

Claims (1)

  1. 熱線照射手段を内部に有し透光性を有するガラス部材を用いる円筒状の透光性基体と、透光性弾性層と、前記熱線照射手段からの熱線を吸収する熱吸収層とを積層した熱線定着ローラ、該熱線定着ローラに圧着する圧着ローラ並びに前記熱線定着ローラの内部に設けられた前記熱線照射手段を有する定着装置において、
    前記ガラス部材を用いる前記透光性基体の端部を加熱溶融処理して形成したふくらみを有することを特徴とする定着装置。
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