JP2001027860A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2001027860A
JP2001027860A JP11199347A JP19934799A JP2001027860A JP 2001027860 A JP2001027860 A JP 2001027860A JP 11199347 A JP11199347 A JP 11199347A JP 19934799 A JP19934799 A JP 19934799A JP 2001027860 A JP2001027860 A JP 2001027860A
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heat ray
heat
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image
fixing device
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English (en)
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Satoru Haneda
哲 羽根田
Kunio Shigeta
邦男 重田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着部での変形に強いと共に、瞬時加熱が可
能な或いは加熱時間の早いクイックスタート定着用の熱
線を用いた定着装置を提供すること。 【解決手段】 熱線を発光する熱線照射手段を内部に配
し、熱線に対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設
け、透光性基体の外側に、透光性基体を通過した熱線の
略100%を吸収する熱線吸収層を設けることを特徴と
する定着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置に関
し、特に瞬時加熱が可能なクイックスタート定着用の定
着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、FAX等の画
像形成装置に用いられる定着装置として、技術的な完成
度が高く安定したものとして熱ローラ定着方式が、低速
機から高速機まで、モノクロ機からフルカラー機まで、
と幅広く採用されている。
【0003】しかしながら、従来の熱ローラ定着方式の
定着装置では、転写材やトナーを加熱する際に、熱容量
の大きな定着ローラを加熱する必要があるため省エネ効
果が悪く、省エネ面で不利であり、また、プリント時に
定着装置を暖めるのに時間がかかりプリント時間(ウォ
ーミングアップタイム)が長くなってしまうという問題
がある。
【0004】これを解決するためフィルム(熱定着フィ
ルム)を用い、熱ローラを熱定着フィルムという究極の
厚みまで持っていき低熱容量化し、温度制御されたヒー
タ(セラミックヒータ)を熱定着フィルムに直接加圧接
触させることで熱伝導効率を大幅に向上させ、省エネと
ウォーミングアップタイムを殆ど必要としないクイック
スタートとを図ったフィルム定着方式の定着装置が提案
され、最近用いられてきている。
【0005】また、熱ローラの変形として透光性基体を
定着ローラとして用い、内部に設けたハロゲンランプか
らの熱線をトナーに照射して加熱定着する方法が、特開
昭52−106741号公報、同57−82240号公
報、同57−102736号公報、同57−10274
1号公報等により開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記提
案による熱定着フィルムを用いた定着装置では、省エネ
とウォーミングアップタイムを短縮したクイックスター
トとが図られたものの、熱定着フィルムの安定した走行
が得られず、定着部での熱定着フィルムの変形による転
写材上のトナー像の定着時のずれが発生するという問題
が生じる。
【0007】また、上記特開昭52−106741号公
報等により開示される方法では、透光性基体上にトナー
がフィルミングしてしまうと、この部分のみが特に加熱
され易く、定着が不均一になる。また、熱線吸収性から
トナーに制約が生じる。即ち、カラートナーなどには光
吸収性が悪く適用困難であるという問題がある。
【0008】本発明は上記の問題点を解決し、定着部で
の変形に強いと共に、瞬時加熱が可能な或いは加熱時間
の早いクイックスタート定着用の熱線を用いた定着装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、転写材上の
トナー像を加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定
着装置において、熱線を発光する熱線照射手段を内部に
配し、前記熱線に対し透光性を有する円筒状の透光性基
体を設け、前記透光性基体の外側に、前記透光性基体を
通過した熱線の略100%を吸収する熱線吸収層を設け
ることを特徴とする定着装置によって達成される(第1
の発明)。
【0010】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発光する熱線照射手段を内部に配し、前記
熱線に対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設け、
前記透光性基体の外側に、弾性層と熱線吸収層とをその
順に設けることを特徴とする定着装置によって達成され
る(第2の発明)。
【0011】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発光する熱線照射手段を内部に配し、前記
熱線に対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設け、
前記透光性基体の外側に熱線を吸収する濃度分布を有す
る熱線吸収層を設けることを特徴とする定着装置によっ
て達成される(第3の発明)。
【0012】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発光する熱線照射手段を内部に配し、前記
熱線に対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設け、
前記透光性基体の外側に熱線を吸収する熱線吸収層を設
けると共に、前記円筒状の透光性基体の外径をφ、厚さ
をtとするとき、0.02≦t/φ≦0.20であるこ
とを特徴とする定着装置によって達成される(第4の発
明)。
【0013】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発光する熱線照射手段を内部に配し、前記
熱線に対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設け、
前記透光性基体の外側に熱線を吸収する熱線吸収層を設
けると共に、前記熱線吸収層或いは前記熱線吸収層に隣
接する内側の層に熱線に透過性を有する微粒子を混入す
ることを特徴とする定着装置によって達成される(第5
の発明)。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の
意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の
実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示
すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限
定するものではない。なお以下の実施形態の説明におい
て、転写域において像形成体に対向する側の転写材の面
(上側の面)を表面、転写材の他方の面すなわち中間転
写体に対向する側の転写材の面(下側の面)を裏面とい
い、転写材の表面に転写される画像を表面画像、転写材
の裏面に転写される画像を裏面画像という。
【0015】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形
成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構に
ついて、図1ないし図8を用いて説明する。図1は、本
発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施
形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図
2は、図1の画像形成装置におけるトナー像形成状態を
示す図であり、図2(A)は、像形成体に形成した裏面
画像を中間転写体上に転写するときのトナー像形成状態
を示す図であり、図2(B)は、中間転写体上の裏面画
像と同期して像形成体に表面画像を形成するときのトナ
ー像形成状態を示す図であり、図2(C)は、転写材上
への両面画像形成を示す図であり、図3は、原稿画像読
取手段の一例を示す図であり、図4は、画像形成装置の
制御回路ブロック図であり、図5は、定着装置の第1の
例の構造を示す説明図であり、図6は、図5の上側の定
着ローラ部材の拡大断面構成図であり、図7は、定着ロ
ーラ部材の熱線吸収層の濃度分布を示す図であり、図8
は、定着ローラ部材の透光性基体の外径と厚さとを示す
図である。
【0016】図3及び図4に示すように、原稿画像読取
手段としての原稿画像読取装置500は、読取装置本体
501、原稿PSを収納する原稿収納皿505、原稿送
出ローラ502、透明なプレート503、原稿搬送ロー
ラ504、原稿排出皿506及び透明なプレート503
を挟んで設けられ上下より原稿PSの原稿画像を読取る
ライン状の原稿画像読取センサPS1,PS2とによっ
て構成され、外部装置や以下に説明するカラー画像形成
装置に組込まれた信号線により制御部に接続される。
【0017】原稿送出ローラ502により送出された原
稿PSが透明なプレート503を通過する際に、透明な
プレート503を挟んで上下に設けられた原稿画像読取
センサPS1,PS2により、原稿PSが片面原稿か両
面原稿かの判別(片面、両面判別)と、原稿PSの画像
データの読取とが行われる。
【0018】本実施形態では上下1組のセンサにより片
面、両面判別と画像データ読取とを行っているが、画像
データの読取と片面、両面判別とにそれぞれ対応した複
数のセンサを設けてもよく、例えばそれぞれ対応した複
数のセンサを用い、片面、両面判別を行った後画像デー
タの読取りを行ってもよい。原稿画像読取センサPS1
或いはPS2により1束の原稿PSの画像データが読取
られ制御部を通してRAM内に記憶される。
【0019】上記により、両面画像と判別された場合、
図3にて示す原稿画像読取手段により原稿PSの画像デ
ータが読取られ、図4に示すROM内に格納された両面
画像形成プログラムP1が制御部を通してRAM内に読
込まれ制御部により両面画像形成プログラムP1が実行
され画像形成プロセスが行われる。
【0020】図1及び図2によれば、10は像形成体で
ある感光体ドラム、11は各色毎の帯電手段であるスコ
ロトロン帯電器、12は各色毎の画像書込手段である露
光光学系、13は各色毎の現像手段である現像器、14
aは中間転写体である中間転写ベルト、14cは第1及
び第2の転写手段である転写器、14gは第3の転写手
段である裏面転写器、14mは除電手段である除電器、
150は転写材帯電手段である紙帯電器、14hは転写
材分離手段である紙分離AC除電器、160は爪部材で
ある分離爪210と拍車部材である拍車162とを有す
る搬送部、169は進入ガイド部材である進入ガイド
板、17は第1の例の定着装置である。
【0021】像形成体である感光体ドラム10は、例え
ば、光学ガラスや透明アクリル樹脂等の透明部材によっ
て形成される円筒状の基体の外周に、透明の導電層、a
−Si層あるいは有機感光層(OPC)等の感光層(光
導電層ともいう)を形成したものであり、導電層を接地
した状態で図1の矢印で示す時計方向に回転される。
【0022】各色毎の帯電手段であるスコロトロン帯電
器11、各色毎の画像書込手段である露光光学系12及
び各色毎の現像手段である現像器13は、これらを1組
として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)および黒色(K)の各色の画像形成プロセス用と
して4組設けられ、図1の矢印にて示す感光体ドラム1
0の回転方向に対して、Y,M,C,Kの順に配置され
る。
【0023】各色毎の帯電手段であるスコロトロン帯電
器11は、それぞれ所定の電位に保持された制御グリッ
ドと例えば鋸歯状電極からなる放電電極11aとを有
し、感光体ドラム10の感光層と対峙して取付けられ、
トナーと同極性のコロナ放電によって帯電作用(本実施
形態においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム1
0に対し一様な電位を与える。放電電極11aとして
は、その他ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能で
ある。
【0024】各色毎の画像書込手段である露光光学系1
2は、感光体ドラム10上での露光位置が、前述した各
色毎のスコロトロン帯電器11に対して感光体ドラム1
0の回転方向下流側に位置するようにして感光体ドラム
10の内部に配置される。それぞれの露光光学系12
は、ドラム軸と平行に主走査方向に配列された像露光光
の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を複数個
アレイ状に並べた線状の露光素子12aと、結像素子と
しての光集束性光伝送体(商品名:セルフォックレンズ
アレイ)12bと、不図示のレンズホルダとで構成され
る露光用ユニットであり、保持部材20に取付けられ
る。保持部材20には各色毎の露光光学系12の他に転
写同時露光器12d及び一様露光器12eが取付けら
れ、一体となって感光体ドラム10の透光性の基体内部
に収容される。各色毎の露光光学系12は、別体の画像
読み取り装置によって読み取られメモリに記憶された各
色の画像データに従って感光体ドラム10の感光層を裏
面から像露光し、感光体ドラム10上に静電潜像を形成
する。露光素子12aとしては、LEDの他、FL(蛍
光体発光),EL(エレクトロルミネッセンス),PL
(プラズマ放電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べ
たものを用いることも可能である。像露光光発光素子の
発光波長は、通常Y,M,Cのトナーに対して透過性の
高い780〜900nmの範囲のものが用いられるが、
本実施形態においては裏面から像露光を行う方式である
ため、カラートナーに対して透過性を十分に有しないこ
れより短い400〜780nmの波長でもよい。像露光
光の多くは感光層で吸収される。
【0025】各色毎の現像手段である現像器13は、感
光体ドラム10の周面に対し所定の間隙を保ち、感光体
ドラム10の回転方向と順方向に回転する例えば厚み
0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性
のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像スリー
ブ131と、現像ケーシング138とを有し、現像ケー
シング138の内部には、各々イエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(C)および黒色(K)の一成分或い
は二成分現像剤を収容している。それぞれの現像器13
は不図示の突き当てコロにより感光体ドラム10と所定
の間隙、例えば100〜500μmをあけて非接触に保
たれており、現像スリーブ131に対して直流電圧と交
流電圧を重畳した現像バイアスを印加することにより、
非接触の反転現像を行い、感光体ドラム10上にトナー
像を形成する。
【0026】中間転写体である中間転写ベルト14aは
体積抵抗率が1010〜1016Ω・cmの無端ベルトであ
り、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレ
ンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリ
デン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチッ
クに導電材料を分散した厚さ0.1〜1.0mmの半導
電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミ
ング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティン
グを行った2層構成のシームレスベルトである。ベルト
の基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタ
ンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mm
の半導電性ゴムベルトを使用することもできる。中間転
写ベルト14aは、それぞれローラ部材である駆動ロー
ラ14dとアースローラ14jと従動ローラ14eとテ
ンションローラ14iとに内接して張架され、図1の矢
印で示す反時計方向に回転される。中間転写ベルト14
aの回転方向に従い従動ローラ14e、アースローラ1
4j、駆動ローラ14d、テンションローラ14iの順
に設けられ、従動ローラ14e、アースローラ14j及
び駆動ローラ14dは固定して回転され、テンションロ
ーラ14iは不図示のバネ等の弾力により移動可能に支
持され、中間転写ベルト14aを張架してテンションロ
ーラ14iが回転される。不図示の駆動モータよりの駆
動をうけて駆動ローラ14dが、回転され、中間転写ベ
ルト14aを駆動して回転させる。中間転写ベルト14
aの回転によりアースローラ14j、従動ローラ14e
及びテンションローラ14iが従動して回転される。回
転中の中間転写ベルト14aのベルト弛みがテンション
ローラ14iにより緊張される。駆動ローラ14dに張
架される中間転写ベルト14aの定着装置17側の端部
の曲率部KTにおいて中間転写ベルト14aから記録紙
Pを分離する。
【0027】第1及び第2の転写手段である転写器14
cは、中間転写ベルト14aを挟んで感光体ドラム10
に対向して設けられるコロナ放電器であり、中間転写ベ
ルト14aと感光体ドラム10との間に転写域14bを
形成する。転写器14cにはトナーと反対極性(本実施
形態においてはプラス極性)の直流電圧が印加され、感
光体ドラム10上のトナー像を中間転写ベルト14a上
または転写材である記録紙Pの表面に転写する。
【0028】第3の転写手段である裏面転写器14gは
好ましくはコロナ放電器により構成され、中間転写ベル
ト14aを挟んで接地された導電性のアースローラ14
jに対向して設けられ、トナーと反対極性(本実施形態
においてはプラス極性)の直流電圧が印加され、中間転
写ベルト14a上のトナー像を記録紙Pの裏面に転写す
る。
【0029】除電手段である除電器14mは好ましくは
コロナ放電器により構成され、中間転写ベルト14aの
移動方向に対し、第1及び第2の転写手段である転写器
14cの下流側に、転写器14cと並列して設けられ、
トナーと同極性または逆極性の直流電圧を重畳した交流
電圧が印加され、転写器14cの電圧印加により荷電さ
れる中間転写ベルト14aの電荷を除電する。
【0030】転写材帯電手段である紙帯電器150は好
ましくはコロナ放電器により構成され、中間転写ベルト
14aを挟んで従動ローラ14eと対向して設けられ、
トナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)
の直流電圧が印加され、記録紙Pを帯電して中間転写ベ
ルト14aに吸着させる。紙帯電器150としてはコロ
ナ放電器の他に、中間転写ベルト14aに当接および当
接解除可能な紙帯電ブラシや紙帯電ローラ等を用いるこ
とも可能である。
【0031】転写材分離手段である紙分離AC除電器1
4hは好ましくはコロナ放電器により構成され、必要に
応じて中間転写ベルト14aの定着装置17側端部に中
間転写ベルト14aを挟んで接地された導電性の駆動ロ
ーラ14dに対向して設けられ、必要に応じてトナーと
同極性または逆極性の直流電圧を重畳した交流電圧が印
加され、中間転写ベルト14aにより搬送される記録紙
Pを除電して中間転写ベルト14aから分離する。
【0032】搬送部160は爪部材である分離爪210
と拍車部材である拍車162とを有し、中間転写ベルト
14aの定着装置17側の端部の曲率部KTと定着装置
17との間に設けられる。搬送部160は、定着装置1
7からの熱により、中間転写ベルト14aが変形した
り、中間転写ベルト14aに担持されるトナー像が融着
気味になって転写しにくくなったり、中間転写ベルト1
4a上にトナーが固着したりすることを防止する。
【0033】爪部材である分離爪210は中間転写ベル
ト14aの曲率部KTに近接し、中間転写ベルト14a
と所定の間隔、好ましくは0.1〜2.0mmを空けて
支持軸221に固定して設けられ、記録紙Pが中間転写
ベルト14aより分離される際に、中間転写ベルト14
a方向へ曲がって搬送されようとする記録紙Pの先端部
を当接させ、記録紙Pの分離を補助する。
【0034】拍車部材である拍車162は、周面に複数
の突起部162aを有し、回転支持軸165を中心とし
て回転自在に設けられる。拍車162は、記録紙Pの裏
面側をガイドして記録紙Pを搬送し、両面にトナー像を
有する記録紙Pの裏面トナー像の乱れを防止するととも
に、記録紙Pの定着装置17への進入方向を一定にしな
がら記録紙Pを安定して定着装置17へと搬送する。
【0035】分離爪210と拍車162とは、中間転写
ベルト14aの曲率部KTと定着装置17のニップ部T
への転写材の入り口部(進入部)とを結ぶ面PL1(以
降転写材搬送面PL1という)に対し、感光体ドラム1
0の反対側で転写材搬送面PL1と接触或いは近接して
配設される。転写材搬送面PL1の両側に拍車部材であ
る拍車162を設けることも可能である。
【0036】進入ガイド部材である進入ガイド板169
は、感光体ドラム10の反対側で転写材搬送面PL1と
接触或いは近接して配設され、先端部が記録紙Pを案内
して、定着時のしわを防止するよう記録紙Pの先端を定
着装置17のニップ部Tに進入させる。
【0037】第1の例の定着装置17は表面画像(上面
側の画像)のトナー像を定着するための上側(表面側)
の定着ローラ部材として用いる第1熱線定着ローラ17
aと、裏面画像(下面側の画像)のトナー像を定着する
ための下側(裏面側)の定着ローラ部材として用いる第
1定着ローラ47aとにより構成され、上下の定着ロー
ラ部材との間で形成されるニップ部Tで記録紙Pを挟持
し、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のトナー
像を定着する。
【0038】次に画像形成プロセスを説明する。
【0039】画像記録のスタートにより不図示の感光体
駆動モータの始動により感光体ドラム10が図1の矢印
で示す時計方向へ回転され、同時にイエロー(Y)のス
コロトロン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム1
0に電位の付与が開始される。
【0040】感光体ドラム10は電位を付与されたあ
と、Yの露光光学系12によって第1の色信号すなわち
Yの画像データに対応する電気信号による画像書込が開
始され、感光体ドラム10の表面に原稿画像のYの画像
に対応する静電潜像が形成される。
【0041】前記の潜像はYの現像器13により非接触
の状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー
(Y)のトナー像が形成される。
【0042】次いで感光体ドラム10は、Yのトナー像
の上からマゼンタ(M)のスコロトロン帯電器11の帯
電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12によ
って第2の色信号すなわちMの画像データに対応する電
気信号による画像書込が行われ、Mの現像器13による
非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナ
ー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形
成される。
【0043】同様のプロセスにより、シアン(C)のス
コロトロン帯電器11、Cの露光光学系12およびCの
現像器13によってさらに第3の色信号に対応するシア
ン(C)のトナー像が重ね合わせて形成され、更にその
上に黒色(K)のスコロトロン帯電器11、Kの露光光
学系12およびKの現像器13によって第4の色信号に
対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成
され、感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にイ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および黒
色(K)の4色の重ね合わせカラートナー像が形成され
る(トナー像形成手段)。
【0044】これらY,M,C及びKの露光光学系12
による感光体ドラム10の感光層に対する画像書込はド
ラムの内部より前述した透光性の基体を通して行われ
る。従って第2、第3および第4の色信号に対応する画
像の書込は何れも先に形成されたトナー像の影響を全く
受けることなく行われ、第1の色信号に対応する画像と
同等の静電潜像を形成することが可能となる。
【0045】上記の画像形成プロセスによって像形成体
である感光体ドラム10上に形成された裏面画像となる
重ね合わせカラートナー像は、転写域14bにおいて、
第1の転写手段としての転写器14cによって、中間転
写体である中間転写ベルト14a上に一括して転写(1
次転写)される(図2(A))。この際、良好な転写が
なされるように、感光体ドラム10の内部に設けた転写
同時露光器12dによる一様露光が行われるようにして
もよい。
【0046】転写後の感光体ドラム10の周面上に残っ
たトナーは感光体ドラムAC除電器16により除電を受
けた後、像形成体クリーニング手段であるクリーニング
装置19にいたり、感光体ドラム10に当接したゴム材
から成るクリーニングブレード19aによってクリーニ
ングされ、スクリュウ19bによって不図示の排トナー
容器に回収される。また、感光体ドラム10の周面は、
例えば発光ダイオードを用いた帯電前の一様露光器12
eによる露光によって先の画像形成における感光体ドラ
ム10の履歴が解消される。
【0047】また、転写器14cにより荷電された中間
転写ベルト14aの電荷は、転写器14cと並列して設
けられる除電手段である除電器14mにより除電され
る。
【0048】以上のようにして中間転写ベルト14a上
に裏面画像となる重ね合わせカラートナー像(第2のト
ナー像)が形成された後、感光体ドラム10上には上記
のカラー画像形成プロセスと同様にして、引続き表面画
像となる重ね合わせカラートナー像(第1のトナー像)
が形成される(図2(B))。この際、感光体ドラム1
0上に形成される表面画像は、前記感光体ドラム10上
に形成した裏面画像に対して鏡像となるように画像デー
タが変更される。
【0049】感光体ドラム10上への表面画像形成にと
もなって転写材である記録紙Pが転写材収納手段である
給紙カセット15より、送り出しローラ15aにより送
り出され、転写材給送手段としてのタイミングローラ1
5bへ搬送され、タイミングローラ15bの駆動によっ
て、感光体ドラム10上に形成される第1のトナー像で
ある表面画像のカラートナー像と、中間転写ベルト14
aに担持されている第2のトナー像である裏面画像のカ
ラートナー像との同期がとられて転写域14bへ給送さ
れる。この際、給送される記録紙Pは、記録紙Pの表面
側に設けられる転写材帯電手段である紙帯電器150に
よりトナーと同極性に帯電され、中間転写ベルト14a
に吸着されて転写域14bへ給送される。トナーと同極
性に紙帯電を行うことにより、中間転写ベルト14a上
のトナー像や感光体ドラム10上のトナー像と引き合う
ことを防止して、トナー像の乱れを防止している。
【0050】転写域14bではトナーと反対極性(本実
施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される第2
の転写手段としての転写器14cによって感光体ドラム
10上の表面画像が一括して記録紙Pの表面に転写(2
次転写)される。このとき、中間転写ベルト14a上の
裏面画像は記録紙Pに転写されないで中間転写ベルト1
4a上に存在する。第2の転写手段としての転写器14
cによる2次転写の際、良好な転写がなされるように、
転写域14bと対向して感光体ドラム10の内部に設け
られた、例えば発光ダイオードを用いた転写同時露光器
12dによる一様露光が行われるようにしてもよい。ま
た転写器14cにより荷電された中間転写ベルト14a
の電荷は除電器14mにより除電される。
【0051】表面にカラートナー像が転写された記録紙
Pは、トナーと反対極性(本実施形態においてはプラス
極性)の電圧が印加される第3の転写手段としての裏面
転写器14gへと搬送され、裏面転写器14gにより中
間転写ベルト14aの周面上の裏面画像が一括して記録
紙Pの裏面に転写(3次転写)される(図2(C))。
【0052】両面にカラートナー像が形成された記録紙
Pは、中間転写ベルト14aの曲率部KTの曲率と、中
間転写ベルト14aの端部に必要に応じて設けられる転
写材分離手段としての紙分離AC除電器14hによる除
電作用と、中間転写ベルト14aと所定の間隔を空けて
搬送部160に設けられる分離爪210とにより、中間
転写ベルト14aから分離され、搬送部160に設けら
れた拍車162及び進入ガイド板169を通して安定し
て定着装置17へと搬送され、進入ガイド板169によ
り先端部を定着装置17のニップ部Tに送り込み、表面
画像(上側の画像)のトナー像を定着するための上側に
配置される第1熱線定着ローラ17aと、裏面画像(下
側の画像)のトナー像を定着するための下側に配置され
る第1定着ローラ47aとの間のニップ部Tで熱と圧力
とを加えられることにより記録紙P上のトナー像が定着
される。両面画像記録がなされた記録紙Pは表裏を反転
されて送られ、排紙ローラ18により装置外部のトレイ
へ排出される。また図1の一点鎖線で示すように、定着
装置17の出口に不図示の切替部材を設け、表裏を反転
させずに装置外部のトレイへ排出するようにしてもよ
い。
【0053】転写後の中間転写ベルト14aの周面上に
残ったトナーは、中間転写ベルト14aを挟んで従動ロ
ーラ14eに対向して設けられ、支軸142を回転支点
として中間転写ベルト14aに当接及び当接解除可能な
中間転写体クリーニングブレード141を有する中間転
写体クリーニング手段である中間転写体クリーニング装
置140によりクリーニングされる。
【0054】また、転写後の感光体ドラム10の周面上
に残ったトナーは、感光体ドラムAC除電器16により
除電を受けた後、クリーニング装置19によりクリーニ
ングされ、帯電前の一様露光器12eにより先の画像形
成における感光体ドラム10の履歴が解消されて、次の
画像形成サイクルにはいる。
【0055】上記の方法を用いることにより、重ね合わ
せカラートナー像を一括転写するので、中間転写ベルト
14a上のカラー画像の色ズレやトナーの散りやこすれ
等が起こりにくく、画像劣化が少ない良好な両面カラー
画像形成がなされる。
【0056】前記の原稿画像読取装置500において、
片面画像と判別された場合や両面画像と判別された場合
の、図3にて示す原稿画像読取手段により読取られた原
稿PSの画像データを感光体ドラム10による表面のみ
の片面画像としてコピーする場合には、図4に示すRO
M内に格納された像形成体としての感光体ドラム10に
よる表面の片面画像形成プログラムP2が制御部を通し
てRAM内に読込まれ制御部により表面の片面画像形成
プログラムP2が実行され、図1にて説明した感光体ド
ラム10による表面のみの画像形成プロセスが連続して
行われる。
【0057】また、片面画像と判別された場合や両面画
像と判別された場合の、図3にて示す原稿画像読取手段
により読取られた原稿PSの画像データを中間転写ベル
ト14aによる裏面のみの片面画像としてコピーする場
合には、図4に示すROM内に格納された中間転写体と
しての中間転写ベルト14aによる裏面の片面画像形成
プログラムP3が制御部を通してRAM内に読込まれ制
御部により裏面の片面画像形成プログラムP3が実行さ
れ、図1にて説明した中間転写ベルト14aによる裏面
のみの画像形成プロセスが連続して行われる。
【0058】また、本発明の定着装置が用いられる画像
形成装置の実施形態としてカラー画像形成にて説明した
が、本発明は必ずしもこれに限定されるものでなく、図
1及び図2にて説明したと同様のプロセスによるモノク
ロの片面或いは両面の画像形成にも適用されるものであ
る。また、本発明の定着装置が用いられる画像形成装置
の実施形態として両面画像形成装置にて説明したが、本
発明は必ずしもこれに限定されるものでなく、以下に説
明する定着装置も両面定着用として説明するがこれに限
定されるものでなく、片面用の定着装置としても用いら
れる。
【0059】図5に示すように、第1の例の定着装置1
7は表面画像(上面側の画像)のトナー像を定着するた
めの上側(表面側)の定着ローラ部材として用いる第1
熱線定着ローラ17aと、裏面画像(下面側の画像)の
トナー像を定着するための下側(裏面側)の定着ローラ
部材として用いる第1定着ローラ47aとにより構成さ
れ、上下の定着ローラ部材との間で形成されるニップ部
Tで記録紙Pを挟持し、熱と圧力とを加えることにより
記録紙P上のトナー像を定着する。
【0060】表面画像のトナー像を定着するための上側
の定着ローラ部材として用いる第1熱線定着ローラ17
aは、円筒状の透光性基体171aと、該透光性基体1
71aの外側(外周面)に熱線吸収層171bと離型層
171cとをその順に設け、透光性基体171a内部
に、例えばハロゲンランプやキセノンランプを用いた熱
線照射手段である熱線照射部材171gを配したハード
ローラとして構成される。熱線照射部材171gより発
光された熱線が熱線吸収層171bにより吸収され瞬時
加熱が可能な定着ローラ部材が形成される(瞬時加熱用
の定着ローラ部材の第1の例)。
【0061】また、裏面画像のトナー像を定着するため
の下側の定着ローラ部材として用いる第1定着ローラ4
7aは、例えばアルミ材を用いた円筒状の金属パイプ4
71aと、該金属パイプ471aの外周面に例えばシリ
コン材を用いた、2〜20mm厚のゴムローラ471b
を形成し、金属パイプ471aの内部にハロゲンヒータ
471cを配したソフトローラとして構成される。上側
のハードローラと下側のソフトローラとの間に下側を凸
としたニップ部Tが形成されトナー像の定着が行われ
る。
【0062】TS1は上側の第1熱線定着ローラ17a
に取付けられた温度制御を行うための例えばサーミスタ
を用いた温度センサであり、TS2は下側の第1定着ロ
ーラ47aに取付けられた温度制御を行うための例えば
サーミスタを用いた温度センサである。
【0063】図6によれば、第1熱線定着ローラ17a
の構成は、図6(a)に断面を示すように、円筒状の透
光性基体171aとしては、熱線照射部材171gより
の赤外線或いは遠赤外線等の熱線を透過するパイレック
スガラス,サファイヤ(Al 23),CaF2等のセラ
ミック材や、ポリイミド,ポリアミド等を使用した透光
性樹脂等を用いる。また、透光性基体171aを通過さ
せる熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3
〜3μmであるので、フィラーとして硬度や熱伝導率の
調整剤が加えられるが、粒径が熱線の波長の1/2、好
ましくは1/5以下の、1μm以下、好ましくは0.1
μm以下の熱線透過性(主として赤外線或いは遠赤外線
透過性)の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、
酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の
金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに分散させたもので
透光性基体171aを形成してもよい。層φで1次、2
次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.
1μm以下であることが光散乱を防ぎ、熱線吸収層17
1bに到達させるのに好ましい。
【0064】熱線吸収層171bとしては、熱線照射部
材171gより発光され、透光性基体171aを透過し
た熱線の略100%にあたる90〜100%、好ましく
は95〜100%の熱線を熱線吸収層171bにより吸
収し瞬時加熱が可能な定着ローラ部材を形成するよう
に、樹脂バインダにカーボンブラック、黒鉛、鉄黒(F
34)や各種フェライト及びその化合物、酸化銅、酸
化コバルト、ベンガラ(Fe23)等の粉末を混入した
熱線吸収部材を用い、厚さ10〜200μm、好ましく
は20〜100μm厚の該熱線吸収部材を透光性基体1
71aの外側(外周面)に焼付け或いは塗布等により形
成する。熱線吸収層171bでの熱線吸収率が90%程
度よりも低く、例えば20〜80%程度であると熱線が
漏れて、漏れた熱線により定着ローラ部材としての第1
熱線定着ローラ17aがモノクロ画像形成に用いられた
場合、フィルミング等により第1熱線定着ローラ17a
の特定位置の表面に黒トナーが付着すると漏れた熱線に
より付着部から発熱が起き、その部分でさらに熱線吸収
による発熱が重ねて起こり熱線吸収層171bを破損す
る。またカラー画像形成に用いられた場合、カラートナ
ーの吸収効率が一般に低く、かつカラートナー間に吸収
効率の差があることから定着不良となったり、定着ムラ
となる。従って、熱線照射部材171gより発光され、
透光性基体171aを透過した熱線が第1熱線定着ロー
ラ17a内で完全に吸収されるように熱線吸収層171
bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、
好ましくは95〜100%とする。また、熱線吸収層1
71bの厚さが10μm未満で薄いと、熱線吸収層17
1bでの熱線の吸収による加熱速度は速いが、薄膜によ
る局所的な加熱による熱線吸収層171bの破損や強度
不足の原因となり、熱線吸収層171bの厚さが200
μmを越えて厚過ぎると、熱伝導不良となったり、熱容
量が大きくなり瞬時加熱が成しにくくなる。熱線吸収層
171bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜10
0%、好ましくは95〜100%としたり、熱線吸収層
171bの厚さを10〜200μm、好ましくは20〜
100μmとすることにより、熱線吸収層171bでの
局所的な発熱が防止され、均一な発熱が行われる。ま
た、熱線吸収層171bに投光される熱線の波長は0.
1〜20μm、好ましくは0.3〜3μmであるので、
フィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤が加えられる
が、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下
の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好
ましくは0.1μm以下の熱線透過性(主として赤外線
或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸
カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに5
〜50重量%分散させたもので熱線吸収層171bを形
成してもよい。
【0065】また熱線吸収層171bと分離して熱線吸
収層171bの外側(外周面)に、トナーとの離型性を
良好とするため、厚さ30〜100μmのPFA(フッ
素樹脂)チューブを被覆したものや、フッ素樹脂(PF
AまたはPTFE)塗料を20〜30μm塗布した離型
層171cを設ける(分離型)。
【0066】さらに図6(b)に断面を示すように、カ
ーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe 34)や各種フェラ
イト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ
(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材と、バイ
ンダと離型剤とを兼ねたフッ素樹脂(PFAまたはPT
FE)塗料とを混入して配合し、図6(a)にて前述し
た熱線吸収層171bと離型層171cとを一体として
離型性を有する一体型熱線吸収層171Bを透光性基体
171aの外側(外周面)に形成し、定着ローラ部材を
形成する。前述したと同様に、熱線照射部材171gよ
り発光され、透光性基体171aを透過した熱線が完全
に吸収されるように一体型熱線吸収層171Bの熱線吸
収率を略100%にあたる90〜100%、好ましくは
95〜100%とする。一体型熱線吸収層171Bでの
熱線吸収率が90%程度よりも低く、例えば20〜80
%程度であると熱線が漏れて、漏れた熱線により定着ロ
ーラ部材がモノクロ画像形成に用いられた場合、フィル
ミング等により定着ローラ部材の特定位置の表面に黒ト
ナーが付着すると漏れた熱線により付着部から発熱が起
き、その部分でさらに熱線吸収による発熱が重ねて起こ
り一体型熱線吸収層171Bを破損する。またカラー画
像形成に用いられた場合、カラートナーの吸収効率が一
般に低く、かつカラートナー間に吸収効率の差があるこ
とから定着不良となったり、定着ムラとなる。従って、
熱線照射部材171gより発光され、透光性基体171
aを透過した熱線が定着ローラ部材内で完全に吸収され
るように一体型熱線吸収層171Bの熱線吸収率を略1
00%にあたる90〜100%、好ましくは95〜10
0%とする。また、一体型熱線吸収層171Bでの局所
的な発熱も防止され、均一な発熱が行われる。また、一
体型熱線吸収層171Bに投光される熱線の波長は0.
1〜20μm、好ましくは0.3〜3μmであるので、
フィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤が加えられる
が、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下
の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好
ましくは0.1μm以下の熱線透過性(主として赤外線
或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸
カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに5
〜50重量%分散させたもので一体型熱線吸収層171
Bを形成してもよい。
【0067】図7によれば、定着ローラ部材としての第
1熱線定着ローラ17aの熱線吸収層171bに前述し
た熱線吸収部材の濃度分布を設けることにより、熱線吸
収層171b内部で熱を発生させることが好ましい。熱
線吸収層171bの濃度分布はグラフ(イ)で示すよう
に、内接する透光性基体171a側の界面を低濃度とし
外周面側に向かって傾斜をつけ順次高くし、外周面側の
手前(熱線吸収層171bの厚さtに対し、透光性基体
171a側から2/3〜4/5程度の位置)で100%
吸収する濃度となるようにして飽和するようにする。こ
れにより、熱線吸収層171bでの熱線の吸収による発
熱分布は、グラフ(ロ)に示すように、熱線吸収層17
1bの中央部近傍に最大値を有し、熱線吸収層171b
の界面や外周面近傍で最小値をとる放物線状に形成され
る。これにより、前記界面での熱線の吸収による発熱を
小さくし、界面での接着層の破損や熱線吸収層171b
の破損を防止する。また、外周面側の手前(熱線吸収層
171bの厚さtに対し、透光性基体171a側から2
/3〜4/5程度の位置)より外周面までの濃度分布を
飽和するようにし、例えば一体型熱線吸収層171Bを
用いた場合、外周表面層が削れても影響の無いようにす
る。なお点線で示すように、飽和層を形成してもよい。
要するに、十分に内部で吸収が行われれば外側での濃度
の影響はなくなる。削れの影響も生じない。また、濃度
分布に前記傾斜を設け、傾斜角の変更により発熱分布を
調整することができる。
【0068】また図8に示すように、定着ローラ部材と
しての第1熱線定着ローラ17aの円筒状の透光性基体
171aの外径φとしては、15〜60mmのものが用
いられ、厚さtとしては、厚い方が強度の点で良く、薄
い方が熱容量の点で良いが、強度と熱容量との関係か
ら、円筒状の透光性基体171aの外径φと厚さtとの
関係は、 0.02≦t/φ≦0.20 とし、好ましくは 0.04≦t/φ≦0.20 とし、更に好ましくは 0.05≦t/φ≦0.14 とする。透光性基体171aの外径φが40mmでは透
光性基体171aの厚さtは、0.8mm≦t≦8m
m、好ましくは1.6mm≦t≦8mm、更に好ましく
は2.0mm≦t≦5.6mmのものが用いられる。透
光性基体171aでのt/φが0.02未満では強度不
足となり、使用可能であるt/φが0.20を越えると
強度上は問題は生じないが、熱容量が大きくなり第2熱
線定着ローラ17bの加熱が長引くことになる。好まし
くはt/φが0.14以下が好ましい。また、透光性基
体といっても材料によっては1〜20%程度の熱線を吸
収する場合があり、強度の保てる範囲で薄い方が好まし
い。
【0069】上記により、図5にて説明した定着装置1
7を用いることにより定着部(ニップ部)での変形に強
いと共に、瞬時加熱によるクイックスタート定着用の定
着装置が可能となるが、特に図1にて説明した画像形成
装置に用いることにより、使用頻度の多い表面の片面画
像形成の際のトナー像のクイックスタートの瞬時加熱定
着が可能となり、また省エネ効果が得られる。
【0070】定着装置の他の例について、図9及び図1
0を用いて説明する。図9は、定着装置の第2の例の構
造を示す説明図であり、図10は、図9の上側の定着ロ
ーラ部材の拡大断面構成図である。
【0071】図9に示すように、第2の例の定着装置1
7Aは表面画像(上面側の画像)のトナー像を定着する
ための上側(表面側)の定着ローラ部材として用いる第
2熱線定着ローラ17bと、裏面画像(下面側の画像)
のトナー像を定着するための下側(裏面側)の定着ロー
ラ部材として用いる第2定着ローラ47bとにより構成
され、上下の定着ローラ部材との間で形成されるニップ
部Tで記録紙Pを挟持し、熱と圧力とを加えることによ
り記録紙P上のトナー像を定着する。
【0072】表面画像のトナー像を定着するための上側
の定着ローラ部材として用いる第2熱線定着ローラ17
bは、円筒状の透光性基体171aと、該透光性基体1
71aの外側(外周面)に弾性層171dと熱線吸収層
171bと離型層171cとをその順に設け、透光性基
体171a内部に、例えばハロゲンランプやキセノンラ
ンプを用いた熱線照射手段である熱線照射部材171g
を配したソフトローラとして構成される。熱線照射部材
171gより発光された熱線が熱線吸収層171bによ
り吸収され瞬時加熱が可能な定着ローラ部材が形成され
る(瞬時加熱用の定着ローラ部材の第2の例)。
【0073】また、裏面画像のトナー像を定着するため
の下側の定着ローラ部材として用いる第2定着ローラ4
7bは、外周面にテフロン(登録商標)コートを焼き付
け或いは塗布等により施した、例えばアルミ材、鋼材等
を用いた円筒状の金属パイプ472aで形成し、金属パ
イプ472aの内部にハロゲンヒータ471cを配した
ハードローラとして構成される。上側のソフトローラと
下側のハードローラとの間に上側を凸としたニップ部T
が形成されトナー像の定着が行われる。
【0074】TS1は上側の第2熱線定着ローラ17b
に取付けられた温度制御を行うための例えばサーミスタ
を用いた温度センサであり、TS2は下側の第2定着ロ
ーラ47bに取付けられた温度制御を行うための例えば
サーミスタを用いた温度センサである。
【0075】図10によれば、第2熱線定着ローラ17
bの構成は、図10(a)に断面を示すように、円筒状
の透光性基体171aとしては、熱線照射部材171g
よりの赤外線或いは遠赤外線等の熱線を透過するパイレ
ックスガラス,サファイヤ(Al23),CaF2等の
セラミック材や、ポリイミド,ポリアミド等を使用した
透光性樹脂等を用いる。また、透光性基体171aを通
過させる熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは
0.3〜3μmであるので、フィラーとして硬度や熱伝
導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱線の波長の1/
2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒子を含めて
平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱
線透過性(主として赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸
化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコ
ン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物
の微粒子を樹脂バインダに分散させたもので透光性基体
171aを形成してもよい。1次、2次粒子を含めて平
均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下である
ことが光散乱を防ぎ、熱線吸収層171bに到達させる
のに好ましい。
【0076】弾性層171dは、厚さ0.5〜20m
m、好ましくは1〜5mmの例えばシリコンゴムを用
い、前記熱線(主として赤外線或いは遠赤外線)を透過
する熱線透過性のゴム層(ベース層)で形成される。弾
性層171dとしては高速化対応のために、ベースゴム
(シリコンゴム)にフィラーとしてシリカ、アルミナ、
酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末を配合させて熱
伝導率を向上させる方法がとられ、熱伝導率が8.4×
10-1W/(m℃)以上のゴム層とすることが好まし
い。熱伝導率を高めると一般的にゴム硬度が高くなる傾
向があり、例えば通常40Hsのものが60Hs(JI
S、Aゴム硬度)近くまで高くなってしまう。定着ロー
ラ部材の弾性層171dの大部分はこのベース層で占め
られており、加圧時の圧縮量はベース層のゴム硬度で決
定される。弾性層171dの中間層はオイル膨潤防止の
ために耐油層としてフッ素系ゴムが20〜300μmの
厚さで塗られている。弾性層171dのトップ層のシリ
コンゴムとしては、HTV(high tempera
ture volcanizing)よりも離型性のよ
いRTV(room temperature vol
canizing)やLTV(low tempera
ture volcanizing)が中間層並の厚さ
で被覆されている。また、弾性層171dを通過させる
熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3
μmであるので、硬度や熱伝導率の調整剤として、粒径
が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1
次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましく
は0.1μm以下の熱線透過性(主として赤外線或いは
遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシ
ウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに分散させ
たもので弾性層171dを形成してもよい。1次、2次
粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1
μm以下であることが光散乱を防ぎ、熱線吸収層171
bに到達させるのに好ましい。
【0077】熱線吸収層171bとしては、熱線照射部
材171gより発光され、透光性基体171a及び弾性
層171dを透過した熱線の略100%にあたる90〜
100%、好ましくは95〜100%の熱線を熱線吸収
層171bにより吸収し瞬時加熱が可能な定着ローラ部
材を形成するように、樹脂バインダにカーボンブラッ
ク、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェライト及びその
化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ(Fe23
等の粉末を混入した熱線吸収部材を用い、厚さ10〜2
00μm、好ましくは20〜100μm厚の該熱線吸収
部材を弾性層171dの外側(外周面)に吹付け或いは
塗布等により形成する。熱線吸収層171bでの熱線吸
収率が90%程度よりも低く、例えば20〜80%程度
であると熱線が漏れて、漏れた熱線により定着ローラ部
材としての第2熱線定着ローラ17bがモノクロ画像形
成に用いられた場合、フィルミング等により第2熱線定
着ローラ17bの特定位置の表面に黒トナーが付着する
と漏れた熱線により付着部から発熱が起き、その部分で
さらに熱線吸収による発熱が重ねて起こり熱線吸収層1
71bを破損する。またカラー画像形成に用いられた場
合、カラートナーの吸収効率が一般に低く、かつカラー
トナー間に吸収効率の差があることから定着不良となっ
たり、定着ムラとなる。従って、熱線照射部材171g
より発光され、弾性層171dを透過した熱線が第2熱
線定着ローラ17b内で完全に吸収されるように熱線吸
収層171bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜
100%、好ましくは95〜100%とする。また、熱
線吸収層171bの厚さが10μm未満で薄いと、熱線
吸収層171bでの熱線の吸収による加熱速度は速い
が、薄膜による局所的な加熱による熱線吸収層171b
の破損や強度不足の原因となり、熱線吸収層171bの
厚さが200μmを越えて厚過ぎると、熱伝導不良とな
ったり、熱容量が大きくなり瞬時加熱が成しにくくな
る。熱線吸収層171bの熱線吸収率を略100%にあ
たる90〜100%、好ましくは95〜100%とした
り、熱線吸収層171bの厚さを10〜200μm、好
ましくは20〜100μmとすることにより、熱線吸収
層171bでの局所的な発熱が防止され、均一な発熱が
行われる。また、熱線吸収層171bに投光される熱線
の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3μm
であるので、フィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤が
加えられるが、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは
1/5以下の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μ
m以下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性(主と
して赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バ
インダに5〜50重量%分散させたもので熱線吸収層1
71bを形成してもよい。
【0078】また熱線吸収層171bと分離して熱線吸
収層171bの外側(外周面)に、トナーとの離型性を
良好とするため、厚さ30〜100μmのPFA(フッ
素樹脂)チューブを被覆したものや、フッ素樹脂(PF
AまたはPTFE)塗料を20〜30μm塗布した離型
層171cを設ける(分離型)。
【0079】さらに図10(b)に断面を示すように、
カーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェ
ライト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガ
ラ(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材と、バ
インダと離型剤とを兼ねたフッ素樹脂(PFAまたはP
TFE)塗料とを混入して配合し、図10(a)にて前
述した熱線吸収層171bと離型層171cとを一体と
して離型性を有する一体型熱線吸収層171Bを、透光
性基体171aの外側(外周面)に形成された弾性層1
71dの外側(外周面)に形成し、定着ローラ部材を形
成する。前述したと同様に、熱線照射部材171gより
発光され、透光性基体171a及び弾性層171dを透
過した熱線が完全に吸収されるように一体型熱線吸収層
171Bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜10
0%、好ましくは95〜100%とする。一体型熱線吸
収層171Bでの熱線吸収率が90%程度よりも低く、
例えば20〜80%程度であると熱線が漏れて、漏れた
熱線により定着ローラ部材がモノクロ画像形成に用いら
れた場合、フィルミング等により定着ローラ部材の特定
位置の表面に黒トナーが付着すると漏れた熱線により付
着部から発熱が起き、その部分でさらに熱線吸収による
発熱が重ねて起こり一体型熱線吸収層171Bを破損す
る。またカラー画像形成に用いられた場合、カラートナ
ーの吸収効率が一般に低く、かつカラートナー間に吸収
効率の差があることから定着不良となったり、定着ムラ
となる。従って、熱線照射部材171gより発光され、
透光性基体171aを透過した熱線が定着ローラ部材内
で完全に吸収されるように一体型熱線吸収層171Bの
熱線吸収率を略100%にあたる90〜100%、好ま
しくは95〜100%とする。また、一体型熱線吸収層
171Bでの局所的な発熱も防止され、均一な発熱が行
われる。また、一体型熱線吸収層171Bに投光される
熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3
μmであるので、フィラーとして硬度や熱伝導率の調整
剤が加えられるが、粒径が熱線の波長の1/2、好まし
くは1/5以下の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が
1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性
(主として赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化
マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子
を樹脂バインダに分散させたもので一体型熱線吸収層1
71Bを形成してもよい。
【0080】さらに図10(c)に断面を示すように、
カーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェ
ライト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガ
ラ(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材と、バ
インダと離型剤とを兼ねたフッ素樹脂(PFAまたはP
TFE)塗料とを、さらにシリコンゴムと混ぜて配合
し、弾性層171dと図10(b)にて前述した一体型
熱線吸収層171Bとを一体として熱線吸収層を兼ねた
一体型弾性層171Dを透光性基体171aの外側(外
周面)に形成し定着ローラ部材を形成する。前述したと
同様に、熱線照射部材171gより発光され、透光性基
体171aを透過した熱線が定着ローラ部材内で完全に
吸収されるように熱線吸収層を兼ねた一体型弾性層17
1Dの熱線吸収率を略100%にあたる90〜100
%、好ましくは95〜100%とする。一体型弾性層1
71Dでの熱線吸収率が90%程度よりも低く、例えば
20〜80%程度であると熱線が漏れて、漏れた熱線に
より定着ローラ部材がモノクロ画像形成に用いられた場
合、フィルミング等により定着ローラ部材の特定位置の
表面に黒トナーが付着すると漏れた熱線により付着部か
ら発熱が起き、その部分でさらに熱線吸収による発熱が
重ねて起こり一体型弾性層171Dを破損する。またカ
ラー画像形成に用いられた場合、カラートナーの吸収効
率が一般に低く、かつカラートナー間に吸収効率の差が
あることから定着不良となったり、定着ムラとなる。従
って、熱線照射部材171gより発光され、透光性基体
171aを透過した熱線が完全に吸収されるように一体
型弾性層171Dの熱線吸収率を略100%にあたる9
0〜100%、好ましくは95〜100%とする。ま
た、一体型弾性層171Dでの局所的な発熱も防止さ
れ、均一な発熱が行われる。また、一体型弾性層171
Dに投光される熱線の波長は0.1〜20μm、好まし
くは0.3〜3μmであるので、フィラーとして硬度や
熱伝導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱線の波長の
1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒子を含
めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下
の熱線透過性(主として赤外線或いは遠赤外線透過性)
の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリ
コン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属酸化
物の微粒子を樹脂バインダに分散させたもので一体型弾
性層171Dを形成してもよい。
【0081】上記における定着ローラ部材としての第2
熱線定着ローラ17bの熱線吸収層171bや一体型熱
線吸収層171Bや一体型弾性層171Dにおいても、
図7にて前述した熱線吸収部材の濃度分布を設けること
により、熱線吸収層171b内部で熱を発生させること
が好ましい。これにより、それぞれの透光性基体171
aとの界面での熱線の吸収による発熱を小さくし、界面
での接着層の破損や熱線吸収層171bや一体型熱線吸
収層171Bや一体型弾性層171Dの破損を防止す
る。また、一体型熱線吸収層171Bや一体型弾性層1
71Dの外周面側の手前(一体型熱線吸収層171Bや
一体型弾性層171Dの厚さtに対し、透光性基体17
1a側から2/3〜4/5程度の位置)で100%吸収
する濃度となるようにして飽和するようにするように
し、一体型熱線吸収層171Bや一体型弾性層171D
を用いた場合、外周表面層が削れても影響の無いように
する。分離型の場合は、飽和層を作る必要はない。ま
た、濃度分布に前記傾斜を設け、傾斜角の変更により発
熱分布を調整することができる。また、外径φとして1
5〜60mmのものが用いられる円筒状の透光性基体1
71aの外径φと厚さtとの関係も図8にて前述したと
同様に、 0.02≦t/φ≦0.20 とし、好ましくは 0.04≦t/φ≦0.20 とし、更に好ましくは 0.05≦t/φ≦0.14 とする。透光性基体171aの外径φが40mmでは透
光性基体171aの厚さtは、0.8mm≦t≦8m
m、好ましくは1.6mm≦t≦8mm、更に好ましく
は2.0mm≦t≦5.6mmのものが用いられる。透
光性基体171aでのt/φが0.02未満では強度不
足となり、使用可能であるt/φが0.20を越えると
強度上は問題は生じないが、熱容量が大きくなり第2熱
線定着ローラ17bの加熱が長引くことになる。好まし
くはt/φが0.14以下が好ましい。また、透光性基
体といっても材料によっては1〜20%程度の熱線を吸
収する場合があり、強度の保てる範囲で薄い方が好まし
い。
【0082】上記により、図9にて説明した定着装置1
7Aを用いることにより定着部(ニップ部)での変形に
強いと共に、瞬時加熱によるクイックスタート定着用の
定着装置が可能となるが、特に図1にて説明した画像形
成装置に用いることにより、使用頻度の多い表面の片面
画像形成の際のトナー像のクイックスタートの瞬時加熱
定着が可能となり、また省エネ効果が得られる。
【0083】上記図9或いは前記図5にて説明した瞬時
加熱用の定着ローラ部材を用いた両面定着用の定着装置
とその温度制御とについて、図11ないし図15を用い
て説明する。図11は、第1の例の瞬時加熱用の定着ロ
ーラ部材と第2の例の瞬時加熱用の定着ローラ部材とを
対として用いた両面定着用の第3の例の定着装置を示す
図であり、図12は、第2の例の瞬時加熱用の定着ロー
ラ部材を対として用いた両面定着用の第4の例の定着装
置を示す図であり、図13は、第3の例或いは第4の例
の定着装置を用いた両面画像形成時の温度制御タイミン
グチャートであり、図14は、第3の例或いは第4の例
の定着装置を用いた表面の片面画像形成時の温度制御タ
イミングチャートであり、図15は、第3の例或いは第
4の例の定着装置を用いた裏面の片面画像形成時の温度
制御タイミングチャートである。
【0084】両面定着用の瞬時加熱用定着ローラ部材を
用いた定着装置の一例としての第3の例の定着装置17
Bは、図11に示すように、表面画像(上面側の画像)
のトナー像を定着するための上側(表面側)の定着ロー
ラ部材として図5にて説明したと同様な第1熱線定着ロ
ーラ17a(瞬時加熱用の定着ローラ部材の第1の例)
と、裏面画像(下面側の画像)のトナー像を定着するた
めの下側(裏面側)の定着ローラ部材として図9にて説
明したと同様な第2熱線定着ローラ17b(瞬時加熱用
の定着ローラ部材の第2の例)を用いて構成され、上下
の定着ローラ部材との間で形成されるニップ部Tで記録
紙Pを挟持し、熱と圧力とを加えることにより記録紙P
上のトナー像を定着する。
【0085】表面画像のトナー像を定着するための上側
の定着ローラ部材として用いる第1熱線定着ローラ17
aは、円筒状の透光性基体171aと、該透光性基体1
71aの外側(外周面)に熱線吸収層171bと離型層
171cとをその順に設け、透光性基体171a内部
に、例えばハロゲンランプやキセノンランプを用いた熱
線照射手段である熱線照射部材171gを配したハード
ローラとして構成される。熱線照射部材171gより発
光された熱線が熱線吸収層171bにより吸収され瞬時
加熱が可能な定着ローラ部材が形成される(瞬時加熱用
の定着ローラ部材の第1の例)。前述した一体型熱線吸
収層171Bを用いた瞬時加熱用の定着ローラ部材も上
側の定着ローラ部材として用いられる。
【0086】裏面画像のトナー像を定着するための下側
の定着ローラ部材として用いる第2熱線定着ローラ17
bは、円筒状の透光性基体171aと、該透光性基体1
71aの外側(外周面)に弾性層171dと熱線吸収層
171bと離型層171cとをその順に設け、透光性基
体171a内部に、例えばハロゲンランプやキセノンラ
ンプを用いた熱線照射手段である熱線照射部材171g
を配したソフトローラとして構成される。熱線照射部材
171gより発光された熱線が熱線吸収層171bによ
り吸収され瞬時加熱が可能な定着ローラ部材が形成され
る(瞬時加熱用の定着ローラ部材の第2の例)。前述し
た一体型熱線吸収層171Bや一体型弾性層171Dを
用いた瞬時加熱用の定着ローラ部材も下側の定着ローラ
部材として用いられる。
【0087】上側のハードローラと下側のソフトローラ
との間に下側を凸としたニップ部Tが形成されトナー像
の定着が行われる。TS1は上側の第1熱線定着ローラ
17aに取付けられた温度制御を行うための例えばサー
ミスタを用いた温度センサであり、TS2は下側の第2
熱線定着ローラ17bに取付けられた温度制御を行うた
めの例えばサーミスタを用いた温度センサである。
【0088】また、両面定着用の瞬時加熱用定着ローラ
部材を用いた定着装置の他の例としての第4の例の定着
装置17Cは、図12に示すように、表面画像(上面側
の画像)のトナー像を定着するための上側(表面側)の
定着ローラ部材或いは裏面画像(下面側の画像)のトナ
ー像を定着するための下側(裏面側)の定着ローラ部材
としては、共に図9にて説明したと同様な第2熱線定着
ローラ17b(瞬時加熱用の定着ローラ部材の第2の
例)を用いて構成され、上下の定着ローラ部材との間で
形成されるニップ部Tで記録紙Pを挟持し、熱と圧力と
を加えることにより記録紙P上のトナー像を定着する。
【0089】表面画像のトナー像を定着するための上側
の定着ローラ部材或いは裏面画像のトナー像を定着する
ための下側の定着ローラ部材として用いる第2熱線定着
ローラ17bは、円筒状の透光性基体171aと、該透
光性基体171aの外側(外周面)に弾性層171dと
熱線吸収層171bと離型層171cとをその順に設
け、透光性基体171a内部に、例えばハロゲンランプ
やキセノンランプを用いた熱線照射手段である熱線照射
部材171gを配したソフトローラとして構成される。
熱線照射部材171gより発光された熱線が熱線吸収層
171bにより吸収され瞬時加熱が可能な定着ローラ部
材が形成される(瞬時加熱用の定着ローラ部材の第2の
例)。前述した一体型熱線吸収層171Bや一体型弾性
層171Dを用いた瞬時加熱用の定着ローラ部材も上側
の或いは下側の定着ローラ部材として用いられる。
【0090】上下のソフトローラの間に平面状のニップ
部Tが形成されトナー像の定着が行われる。TS1は上
側の第2熱線定着ローラ17bに取付けられた温度制御
を行うための例えばサーミスタを用いた温度センサであ
り、TS2は下側の第2熱線定着ローラ17bに取付け
られた温度制御を行うための例えばサーミスタを用いた
温度センサである。
【0091】上記図11或いは図12の定着装置17B
或いは定着装置17Cを、図1の両面画像形成用の画像
形成装置に適用する際の定着温度制御について、以下に
説明する。
【0092】図13に示すように、両面画像形成時、感
光体ドラム10による表裏の画像形成と呼応して定着装
置17B或いは定着装置17Cを通過する記録紙Pの搬
送タイミングは、表面の片面画像形成による連続プリン
トと異なり間欠的に1枚おきに行われるが、表面画像の
トナー像を定着するための上側の定着ローラ部材(定着
装置17Bの場合は第1熱線定着ローラ17a、定着装
置17Cの場合は第2熱線定着ローラ17b)は、記録
紙Pの通過タイミングと合わせて上側の熱線照射手段と
しての熱線照射部材171gがon状態として加熱さ
れ、画像形成休止中の定着温度設定値Tと画像形成中の
適正な定着温度設定値T2との交互のレベルの、上側の
定着ローラ部材の温度制御が行われる。
【0093】これと同様に、裏面画像のトナー像を定着
するための下側の定着ローラ部材(定着装置17Bの場
合も、定着装置17Cの場合も、共に第2熱線定着ロー
ラ17b)は、記録紙Pの通過タイミングと合わせて熱
線照射手段としての熱線照射部材171gがon状態と
して加熱され、画像形成休止中の定着温度設定値Tと画
像形成中の適正な定着温度設定値T2との交互のレベル
の、下側の定着ローラ部材の温度制御が行われる。その
際、両面画像の形成は間欠的に1枚おきに行われるた
め、記録紙Pの非通過時間が長いことから温度制御や温
度の均一化可能であり熱容量が小さな瞬時加熱用の上下
の定着ローラ部材によっても両面画像の定着が可能であ
る。
【0094】温度制御は予めROM内に記憶されている
定着温度設定値T,T1,T2と温度センサTS1,T
S2による検知とにより比較回路を介して制御部を通し
て行われる(図4参照)。
【0095】図13において、上下の定着ローラ部材の
温度制御は記録紙Pの先後端を挟んだ領域で行うが、線
速度が速いと、その温度制御タイミングを早めに設定す
る、さらにはプリント動作中も常時T1,T2に設定す
ることが必要となる。
【0096】また、図14に示すように、表面の片面画
像形成時、感光体ドラム10による表面の画像形成の定
着装置17B或いは定着装置17Cを通過する記録紙P
の搬送タイミングは、両面画像形成や片面のみの裏面の
画像形成における連続プリントと異なり、感光体ドラム
10による連続の表面の画像形成と呼応して連続的に行
われるが、表面画像のトナー像を定着するための上側の
定着ローラ部材(定着装置17Bの場合は第1熱線定着
ローラ17a、定着装置17Cの場合は第2熱線定着ロ
ーラ17b)は、記録紙Pの通過タイミングと合わせて
上側の熱線照射手段である熱線照射部材171gがon
状態として加熱され、画像形成休止中の定着温度設定値
Tと画像形成中の適正な定着温度設定値T1との交互の
レベルの、上側の定着ローラ部材の温度制御が行われ
る。表面の片面画像形成によるコピー中、記録紙Pの通
過以前に熱線照射部材171gをon状態として加熱
し、画像形成中の適正な定着温度設定値T1に保つよう
に、上側の定着ローラ部材の加熱温度制御が行われる。
【0097】これに対して、下側の定着ローラ部材(定
着装置17Bの場合も、定着装置17Cの場合も、共に
第2熱線定着ローラ17b)は、表面の片面画像形成に
よるコピー中、加熱制御は行わずそのままとする、或い
は、画像形成休止中の定着温度設定値Tに保つように、
下側の定着ローラ部材の温度制御が行われる。
【0098】温度制御は予めROM内に記憶されている
定着温度設定値T,T1と温度センサTS1,TS2に
よる検知とにより比較回路を介して制御部を通して行わ
れる(図4参照)。
【0099】図14において、上側の定着ローラ部材の
温度制御は記録紙Pの先後端を挟んだ領域で行うが、線
速度が速いと、その温度制御タイミングを早めに設定す
る、さらにはプリント動作中も常時T1に設定すること
が必要となる。
【0100】また、図15に示すように、裏面の片面画
像形成時、中間転写ベルト14aによる裏面の画像形成
と呼応して定着装置17B或いは定着装置17Cを通過
する記録紙Pの搬送タイミングは、表面の片面画像形成
による連続プリントと異なり間欠的に1枚おきに行われ
るが、裏面画像のトナー像を定着するための下側の定着
ローラ部材(定着装置17Bの場合も、定着装置17C
の場合も、共に第2熱線定着ローラ17b)は、記録紙
Pの通過タイミングと合わせて下側の熱線照射手段であ
る熱線照射部材171gがon状態として加熱され、画
像形成休止中の定着温度設定値Tと画像形成中の適正な
定着温度設定値T2との交互のレベルの、下側の定着ロ
ーラ部材の温度制御が行われる。裏面の片面画像形成に
よるコピー中、記録紙Pの通過以前に熱線照射部材17
1gをon状態として加熱し、画像形成中の適正な定着
温度設定値T2に保つように、下側の定着ローラ部材の
加熱温度制御が行われる。
【0101】これに対して、上側の定着ローラ部材は、
裏面の片面画像形成によるコピー中、加熱制御は行わず
そのままとする、或いは、画像形成休止中の定着温度設
定値Tに保つように、下側の定着ローラ部材の温度制御
が行われる。
【0102】上側の定着ローラ部材は、図15の一点鎖
線にて示すように、裏面の片面画像形成によるコピー
中、記録紙Pの通過以前に熱線照射部材171gをon
状態として画像形成中の適正な定着温度設定値T1に保
つように加熱することがより好ましく、上側の定着ロー
ラ部材をon状態として加熱することによりニップ部T
の先端が過熱され、記録紙Pの先端がニップ部に加え込
まれる際にトナー像が乱されることなく、裏面のみの片
面画像のトナー像の定着が良好に行われる。
【0103】温度制御は予めROM内に記憶されている
定着温度設定値T,T2,(T1)と温度センサTS
1,TS2による検知とにより比較回路を介して制御部
を通して行われる(図4参照)。
【0104】図15において、下側の定着ローラ部材や
上側の定着ローラ部材の温度制御は記録紙Pの先後端を
挟んだ領域で行うが、線速度が速いと、その温度制御タ
イミングを早めに設定する、さらにはプリント動作中も
常時T1,T2に設定することが必要となる。
【0105】上記、図13ないし図15によれば、表面
の片面画像形成時や裏面の片面画像形成時や両面画像形
成時にトナー像の定着は熱容量が小さくクイックスター
トの可能な瞬時加熱用の上下の定着ローラ部材により行
われるため、ウォーミングアップ時間を設けずに良好な
定着が行われる。特に、両面画像形成や片面のみの裏面
の画像形成は間欠的に1枚おきに行われるため、裏面の
トナー像の定着は従来の熱定着ローラに比べ熱容量が小
さな下側の定着ローラ部材によっても熱容量が足り、下
側の定着ローラ部材による裏面画像の定着が可能とな
る。
【0106】なお、画像形成装置は電源スイッチを入れ
た初期動作時、或いは休止モードからプリント動作モー
ドに変更された時に、自動的に両面画像形成の状態に温
度制御が行われるように設定されたり、また、未使用時
間が一定時間を経過すると上下の定着ローラ部材が加熱
制御をoffとされるように制御することも可能であ
る。
【0107】上記にて説明した構成により、表面のみの
片面画像形成時や裏面のみの片面画像形成時や両面画像
形成時とでそれぞれ異なったエネルギー消費が行われ、
従来の上下ローラに発熱体を用いた定着装置に比べ、片
面画像形成時、両面画像形成時にそれぞれの適正なエネ
ルギー消費が行われ、双方共にエネルギー消費が少なく
てすみ、また従来の上下ローラに発熱体を用いた定着装
置やセラミックヒータを用いたフィルム定着装置に比
べ、定着域でのニップ幅が広く高い定着性能が得られる
と共に、低熱容量でウォーミングアップ時間がゼロの両
面定着が可能な定着装置が提供される。
【0108】上記の如く、図11或いは図12にて説明
した定着装置17B或いは定着装置17Cを用いること
により定着部(ニップ部)での変形に強いと共に、瞬時
加熱によるクイックスタート定着用の定着装置が可能と
なるが、上述したように、特に図1にて説明した画像形
成装置に用いることにより、両面画像形成の際のトナー
像のクイックスタートの瞬時加熱定着が可能となり、ま
た省エネ効果が得られる。
【0109】
【発明の効果】請求項1ないし7によれば、定着部での
変形に強いと共に、瞬時加熱が可能な或いは加熱時間の
早いクイックスタート定着用の熱線を用いた定着装置が
提供される。
【0110】請求項8によれば、熱線吸収層での局所的
な発熱が防止され、均一な発熱が可能となる。
【0111】請求項9によれば、適正な強度と熱容量と
のバランスが保たれる。
【0112】請求項10または11によれば、熱線吸収
層及びこれに隣接する内側の層の、適正な硬度や熱伝導
率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装
置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図
である。
【図2】図1の画像形成装置におけるトナー像形成状態
を示す図である。
【図3】原稿画像読取手段の一例を示す図である。
【図4】画像形成装置の制御回路ブロック図である。
【図5】定着装置の第1の例の構造を示す説明図であ
る。
【図6】図5の上側の定着ローラ部材の拡大断面構成図
である。
【図7】定着ローラ部材の熱線吸収層の濃度分布を示す
図である。
【図8】定着ローラ部材の透光性基体の外径と厚さとを
示す図である。
【図9】定着装置の第2の例の構造を示す説明図であ
る。
【図10】図9の上側の定着ローラ部材の拡大断面構成
図である。
【図11】第1の例の瞬時加熱用の定着ローラ部材と第
2の例の瞬時加熱用の定着ローラ部材とを対として用い
た両面定着用の第3の例の定着装置を示す図である。
【図12】第2の例の瞬時加熱用の定着ローラ部材を対
として用いた両面定着用の第4の例の定着装置を示す図
である。
【図13】第3の例或いは第4の例の定着装置を用いた
両面画像形成時の温度制御タイミングチャートである。
【図14】第3の例或いは第4の例の定着装置を用いた
表面の片面画像形成時の温度制御タイミングチャートで
ある。
【図15】第3の例或いは第4の例の定着装置を用いた
裏面の片面画像形成時の温度制御タイミングチャートで
ある。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光光学系 13 現像器 14a 中間転写ベルト 14c 転写器 14g 裏面転写器 17,17A,17B,17C 定着装置 17a 第1熱線定着ローラ 17b 第2熱線定着ローラ 171a 透光性基体 171B 一体型熱線吸収層 171b 熱線吸収層 171c 離型層 171D 一体型弾性層 171d 弾性層 171g 熱線照射部材 P 記録紙

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発光する熱線照射手段を内部に配し、前記熱線に
    対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設け、 前記透光性基体の外側に、前記透光性基体を通過した熱
    線の略100%を吸収する熱線吸収層を設けることを特
    徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記熱線吸収層はトナーとの離型性を有
    することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記熱線吸収層に熱線透過性の微粒子を
    配合することを特徴とする請求項1または2に記載の定
    着装置。
  4. 【請求項4】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発光する熱線照射手段を内部に配し、前記熱線に
    対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設け、 前記透光性基体の外側に、弾性層と熱線吸収層とをその
    順に設けることを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性層は前記熱線透過性であり、そ
    の周囲に前記弾性部材を通過した熱線の略100%を吸
    収する熱線吸収層を設けることを特徴とする請求項4に
    記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記熱線吸収層を兼ねた一体型弾性層を
    設け、前記透光性基体を通過した熱線の略100%を前
    記一体型弾性層で吸収することを特徴とする請求項4ま
    たは5に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 前記弾性層或いは前記熱線吸収層に熱線
    透過性の微粒子を配合することを特徴とする請求項4〜
    6の何れか1項に記載の定着装置。
  8. 【請求項8】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発光する熱線照射手段を内部に配し、前記熱線に
    対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設け、 前記透光性基体の外側に熱線を吸収する濃度分布を有す
    る熱線吸収層を設けることを特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発光する熱線照射手段を内部に配し、前記熱線に
    対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設け、 前記透光性基体の外側に熱線を吸収する熱線吸収層を設
    けると共に、 前記円筒状の透光性基体の外径をφ、厚さをtとすると
    き、 0.02≦t/φ≦0.20 であることを特徴とする定着装置。
  10. 【請求項10】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とに
    より前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発光する熱線照射手段を内部に配し、前記熱線に
    対し透光性を有する円筒状の透光性基体を設け、 前記透光性基体の外側に熱線を吸収する熱線吸収層を設
    けると共に、 前記熱線吸収層或いは前記熱線吸収層に隣接する内側の
    層に熱線に透過性を有する微粒子を混入することを特徴
    とする定着装置。
  11. 【請求項11】 前記微粒子が金属酸化物であることを
    特徴とする請求項10に記載の定着装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7218847B2 (en) * 2003-10-24 2007-05-15 Ushio Denki Kabushiki Kasiha Heating unit for heating a workpiece with light-absorbing heat conducting layer
EP1967917A2 (en) * 2007-03-06 2008-09-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Image forming apparatus with fixing unit

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