JP2001027861A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2001027861A
JP2001027861A JP20013499A JP20013499A JP2001027861A JP 2001027861 A JP2001027861 A JP 2001027861A JP 20013499 A JP20013499 A JP 20013499A JP 20013499 A JP20013499 A JP 20013499A JP 2001027861 A JP2001027861 A JP 2001027861A
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fixing
heat ray
light
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Satoru Haneda
哲 羽根田
Hiroyuki Tokimatsu
宏行 時松
Masayasu Onodera
正泰 小野寺
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着むらが少なく昇温速度の早い熱線定着用
回転部材を可能とする、管状の熱線照射手段の外径とニ
ップ部幅との適正条件を設定する定着装置を提供するこ
と。 【解決手段】 熱線を発する管状の熱線照射手段を内部
に有し、熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性基
体と、透光性基体の外側に透光性弾性層と、透光性弾性
層の外側に熱線を吸収する熱線吸収層とを設けてロール
状の熱線定着用回転部材を形成すると共に、熱線定着用
回転部材に対向して加圧ゴムローラを設けるもので、熱
線定着用回転部材の回転方向における、熱線照射手段の
外径をφL、熱線定着用回転部材と加圧ゴムローラとで
形成されるニップ部の幅をL1とするとき、φL=
(0.5〜2.0)×L1とすることを特徴とする定着
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置に関
し、特にクイックスタートが可能な定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、FAX等の画
像形成装置に用いられる定着装置として、技術的な完成
度が高く安定したものとして熱ローラ定着方式が、低速
機から高速機まで、モノクロ機からフルカラー機まで、
と幅広く採用されている。
【0003】しかしながら、従来の熱ローラ定着方式の
定着装置では、転写材やトナーを加熱する際に、熱容量
の大きな定着用の熱ローラを加熱する必要があるため省
エネ面で不利であり、また、プリント時に定着装置を暖
めるのに時間がかかりプリント時間(ウォーミングアッ
プ時間)が長くなってしまうという問題がある。
【0004】これを解決するためフィルム(熱定着フィ
ルム)を用い、熱ローラを熱定着フィルムという究極の
厚みまで持っていき低熱容量化し、温度制御されたヒー
タ(セラミックヒータ)を熱定着フィルムに直接加圧接
触させることで熱伝導効率を大幅に向上させ、省エネル
ギーとウォーミングアップ時間を殆ど必要としないクイ
ックスタートとを図ったフィルム定着方式の定着装置や
それを用いた画像形成装置が提案され、最近用いられて
きている。
【0005】また、熱ローラの変形として透光性基体を
熱線定着ローラ(熱線定着用回転部材)として用い、内
部に設けたハロゲンランプ(管状の熱線照射手段)から
の熱線をトナーに照射して加熱定着し、ウォーミングア
ップ時間を要せずクイックスタートを図った定着方法
が、特開昭52−106741号公報、同57−822
40号公報、同57−102736号公報、同57−1
02741号公報等により開示されている。また、透光
性基体の外周面に光吸収層を設けて熱線定着ローラ(熱
線定着用回転部材)を構成し、円筒状の透光性基体内部
に設けたハロゲンランプ(管状の熱線照射手段)からの
光を、透光性基体の外周面に設けた光吸収層で吸収さ
せ、光吸収層の熱によりトナー像を定着させる定着方法
が特開昭59−65867号公報により開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭52−106741号公報等の開示による定着装置
では、ハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線を透
光性基体を通して照射し、トナーを加熱定着する方法に
より、また特開昭59−65867号公報の開示による
定着装置では、透光性基体の外周面に光吸収層(熱線吸
収層)を設けて熱線定着ローラ(熱線定着用回転部材)
を構成し、ハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線
を透光性基体を通して熱線吸収層に照射し、該熱線吸収
層の熱によりトナーを定着する方法により、それぞれ省
エネルギーとウォーミングアップ時間を短縮したクイッ
クスタートとを図ろうとしたものであるが、定着装置に
設けられる熱線定着ローラ内部の管状のハロゲンランプ
の径(外径)と、熱線定着ローラと該熱線定着ローラに
対向して設けられる加圧ゴムローラとの間のニップ部幅
との関係や、管状のハロゲンランプの外径と熱線定着ロ
ーラの内径との関係で、熱線定着ローラの温度むらが出
やすくなったり、昇温速度が遅くなったりするという問
題が起こる。温度むらを解消するには、ニップ部の幅が
広い方が良いが、広過ぎると熱線定着ローラの昇温速度
がより遅くなるという問題が起こる。
【0007】本発明は上記の問題点を解決し、定着むら
が少なく昇温速度の早い熱線定着用回転部材を可能とす
る、管状の熱線照射手段の外径とニップ部幅との適正条
件、並びに、管状の熱線照射手段の外径と熱線定着用回
転部材の内径との適正条件を設定する定着装置を提供す
ることを第1の目的とする。
【0008】また上記定着装置における熱線定着ローラ
の外径(熱線定着用回転部材の周長)とニップ部幅との
関係により、熱線定着ローラに熱履歴が生じたり、定着
性が悪いという問題が起こる。
【0009】本発明は上記の問題点を解決し、熱履歴が
少なく定着性の良い熱線定着用回転部材を可能とする、
熱線定着用回転部材の外径とニップ部幅との適正条件を
設定する定着装置を提供することを第2の目的とする。
【0010】また上記定着装置における熱線定着ローラ
は、表面発熱であるので、ハロゲンランプからのエネル
ギー供与が早く応答性が高い一方、熱線吸収層内部に設
けられる透光性弾性層の熱容量が小さく、温度の安定性
に欠けるので、ニップ部幅とニップ部を搬送される転写
材の線速度との関係により、熱線定着ローラに温度むら
や定着不足が生じたり、また内部の透光性弾性層で熱線
が吸収されて熱線定着ローラの表面の発熱不良が生じた
り、吸収した熱線により透光性弾性層が軟化し、熱線定
着ローラ17aが永久変形してしまったりするという問
題が起こる。
【0011】本発明は上記の問題点を解決し、温度むら
や定着不足がなく、また表面の発熱不良や永久変形が防
止された熱線定着用回転部材を可能とする、ニップ部幅
とニップ部を搬送される転写材の線速度との適正条件を
設定する定着装置を提供することを第3の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、転写
材上のトナー像を加熱と加圧とにより前記転写材に固定
する定着装置において、熱線を発する管状の熱線照射手
段を内部に有し、前記熱線に対して透光性を有する円筒
状の透光性基体と、該透光性基体の外側に透光性弾性層
と、該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸
収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成す
ると共に、前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴム
ローラを設けるもので、前記熱線定着用回転部材の回転
方向における、前記熱線照射手段の外径をφL(m
m)、前記熱線定着用回転部材と前記加圧ゴムローラと
で形成されるニップ部の幅をL1(mm)とするとき、
φL=(0.5〜2.0)×L1とすることを特徴とす
る定着装置(第1の発明)、及び、転写材上のトナー像
を加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置に
おいて、熱線を発する管状の熱線照射手段を内部に有
し、前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性基
体と、該透光性基体の外側に透光性弾性層と、該透光性
弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層とを設け
てロール状の熱線定着用回転部材を形成すると共に、前
記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設け
るもので、前記熱線定着用回転部材の回転方向におけ
る、前記熱線照射手段の外径をφL(mm)、前記透光
性基体の内径をφ2(mm)とするとき、φL=(0.
2〜0.5)×φ2とすることを特徴とする定着装置
(第2の発明)によって達成される。
【0013】また、上記第2の目的は、転写材上のトナ
ー像を加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装
置において、熱線を発する管状の熱線照射手段を内部に
有し、前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性
基体と、該透光性基体の外側に透光性弾性層と、該透光
性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層とを設
けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると共に、
前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
けるもので、前記熱線定着用回転部材の外径をφ1(m
m)、前記熱線定着用回転部材と前記加圧ゴムローラと
で形成されるニップ部の幅をL1(mm)とするとき、
φ1=(2〜6)×L1とすることを特徴とする定着装
置(第3の発明)によって達成される。
【0014】また、上記第3の目的は、転写材上のトナ
ー像を加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装
置において、熱線を発する管状の熱線照射手段を内部に
有し、前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性
基体と、該透光性基体の外側に透光性弾性層と、該透光
性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層とを設
けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると共に、
前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
けるもので、前記熱線定着用回転部材の回転方向におけ
る、前記熱線定着用回転部材と前記加圧ゴムローラとで
形成されるニップ部の幅をL1(mm)、前記ニップ部
を搬送される前記転写材の線速度をVp(mm/se
c)とするとき、0.03Vp≦L1≦0.2Vpとす
ることを特徴とする定着装置(第4の発明)によって達
成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の
意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の
実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示
すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限
定するものではない。
【0016】本発明の各請求項にかかわる定着装置を用
いる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよ
び各機構について、図1ないし図6を用いて説明する。
図1は、本発明の各請求項にかかわる定着装置を用いる
画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の
断面構成図であり、図2は、図1の像形成体の側断面図
であり、図3は、各請求項にかかわる定着装置の構造を
示す説明図であり、図4は、図3のロール状の熱線定着
用回転部材の拡大断面構成図であり、図5は、図3のロ
ール状の熱線定着用回転部材の熱線吸収層の濃度分布を
示す図であり、図6は、図3のロール状の熱線定着用回
転部材の透光性基体の外径と厚さとを示す図である。
【0017】図1または図2によれば、像形成体である
感光体ドラム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹
脂等の透光性部材によって形成される円筒状の基体の外
周に、透光性の導電層、有機感光層(OPC)の光導電
体層を形成したものである。
【0018】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により、透光性の導電層を接地された状態で図
1の矢印で示す時計方向に回転される。
【0019】本発明では、画像露光用の露光ビームは、
その結像点である感光体ドラム10の光導電体層におい
て、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対し
て適正なコントラストを付与できる波長の露光光量を有
していればよい。従って、本実施形態における感光体ド
ラムの透光性の基体の光透過率は、100%である必要
はなく、露光ビームの透過時にある程度の光を吸収する
ような特性を有していてもよい。要は、適切なコントラ
ストを付与できればよい。透光性の基体の素材として
は、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモ
ノマーを重合したものが、透光性、強度、精度、表面性
等において優れており好ましく用いられるが、その他一
般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレー
トなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、露光
光に対して透光性を有していれば、着色していてもよ
い。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(I
TO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅
や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持
した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着
法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CV
D法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用される。
また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が
使用される。
【0020】光導電体層の感光層としての有機感光層
は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層
(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電
荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光
層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いた
めに有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。
なお有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送
物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされ
てもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、
通常バインダ樹脂が含有される。
【0021】以下に説明する帯電手段としてのスコロト
ロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系1
2、現像手段としての現像器13は、それぞれ、イエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色
(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されて
おり、本実施形態においては、図1の矢印にて示す感光
体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順
に配置される。
【0022】帯電手段としてのスコロトロン帯電器11
は像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して
直交する方向(図1において紙面垂直方向)に感光体ド
ラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム
10の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持さ
れた制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極11
aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性の
コロナ放電とによって帯電作用(本実施形態においては
マイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な
電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他
ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0023】各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像
露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を
感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた
線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセル
フォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた
露光用ユニットとして構成される。円柱状の保持部材2
0に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ド
ラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはそ
の他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッ
センス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子を
アレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0024】各色毎の画像書込手段としての露光光学系
12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロト
ロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対
して感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態
で、感光体ドラム10の内部に配置される。
【0025】露光光学系12は、別体のコンピュータ
(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像デ
ータに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感
光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に
潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の
発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い6
80〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面か
ら像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に
有しないこれより短い波長でもよい。
【0026】各色毎の現像手段としての現像器13は、
内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)
若しくは黒色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像
剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外
径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるい
はアルミ材で形成された現像剤担持体である現像スリー
ブ13aを備えている。
【0027】現像領域では、現像スリーブ13aは、突
き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の
間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保
たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置におい
て順方向に回転するようになっており、現像時、現像ス
リーブ13aに対してトナーと同極性(本実施形態にお
いてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交流
電圧ACを重畳する現像バイアス電圧を印加することに
より、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転
現像が行われる。この時の現像間隔精度は画像ムラを防
ぐために20μm程度以下が必要である。
【0028】以上のように現像器13は、スコロトロン
帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光に
よって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非
接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のト
ナー(本実施形態においては感光体ドラムは負帯電であ
り、トナーは負極性)により反転現像する。
【0029】図2に示すように、感光体ドラム10と保
持部材20とは、装置背面側と前面側の端部において、
それぞれ感光体ドラム10を回転可能に支持する支持部
材であるフランジ部材10A,10Bと、保持部材20
を支持するフランジ120A,120Bとを圧入もしく
はネジ等の手段を介して一体的に構成されている。感光
体ドラム10は、その支持部材であるフランジ部材10
Aならびにフランジ部材10Bが、保持部材20のフラ
ンジ120Aの一体とする固定部材であるシャフト12
1ならびにフランジ120Bに対して、それぞれベアリ
ングB1ならびにベアリングB2を介して回動自在に支
持されている。
【0030】シャフト121は感光体ドラム10を保持
する軸部121Aを備えており、また背面側の装置基板
70には係合穴130Aを備えるシャフト121の保持
手段である支軸130が設けられている。係合穴130
AにはリニアベアリングB4が嵌入されており、受け部
材130aを挟んで支軸130がネジ等により背面側の
装置基板70に固定されている。支軸130は駆動歯車
G1に噛合する歯車G2の中心に位置され、歯車G2を
一体とする伝導部材131をベアリングB3を介して回
動自在に支持している。一方装置前面側の装置基板70
には保持部材20に固定される露光光学系12を一体と
する感光体ドラム10を挿脱可能とする開口部70Aが
開口されている。
【0031】保持部材20は背面側の装置基板70に対
しては、シャフト121の軸部121Aを支軸130に
設けられたリニアベアリングB4に挿入し、軸部121
Aに挿通した係合ピン121Pを支軸130の係合部1
30Bに形成したV字状の溝に係合することにより露光
光学系12の角度関係位置を規制して取り付けられ、前
面側の装置基板70に対しては、端部の一体とするフラ
ンジ120Cを緩衝材Kを挟み前蓋120Dを軸方向に
押圧した状態でネジ52により固定することにより所定
の位置に装着される。
【0032】感光体ドラム10を支持する支持部材であ
るフランジ部材10Aの側面に取付けられる係合部材で
あるカプリング10Cと、歯車G2を一体とする伝導部
材131の側面に取付けられる結合部材である駆動ピン
131Aと、止めネジ51とにより、フランジ部材10
Aと歯車G2との結合部が構成され、保持部材20を一
体とする感光体ドラム10の装着状態においては、フラ
ンジ部材10Aの側面に取付けられるカプリング10C
が歯車G2を有する伝導部材131の側面に取付けられ
る駆動ピン131Aに嵌込まれ、係合後、歯車G2を有
する伝導部材131とフランジ部材10Aを有する感光
体ドラム10とが中心及び外周面を合わされた状態で、
感光体ドラム10の側方から止めネジ51を用いて駆動
ピン131Aとカプリング10Cとが固定され、フラン
ジ部材10Aと歯車G2とが結合、固定される。
【0033】画像形成のスタートにより不図示の像形成
体駆動モータの始動により、駆動歯車G1の回転動力が
歯車G2により結合部を介して感光体ドラム10に伝達
され、感光体ドラム10が図1の矢印で示す時計方向へ
回転され、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯電作
用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露光光
学系12において第1の色信号すなわちYの画像データ
に対応する電気信号による露光が開始され感光体ドラム
10の回転走査によってその表面の感光層に原稿画像の
イエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成され
る。この潜像はYの現像器13により非接触の状態で反
転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のト
ナー像が形成される。
【0034】次いで、感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11
の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12
の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに
対応する電気信号による露光が行われ、Mの現像器13
による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)
のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わ
せて形成される。
【0035】同様のプロセスにより、Cのスコロトロン
帯電器11、露光光学系12及び現像器13によってさ
らに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像
が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系1
2及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色
(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体
ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー
像が形成される。
【0036】このように、本実施の形態では、Y、M、
C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有
機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より
透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及
び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成
されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形
成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム1
0の外部から露光してもよい。
【0037】一方、転写材としての記録紙Pは、転写材
収納手段としての給紙カセット15より、送り出しロー
ラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号な
し)により給送されてタイミングローラ16へ搬送され
る。
【0038】記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動
によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナ
ー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器1
50の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域
へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された
記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態に
おいてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段とし
ての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上の
カラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0039】カラートナー像が転写された記録紙Pは、
転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより
除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置
17へと搬送される。
【0040】定着装置17はカラートナー像を定着する
ための上側のロール状の熱線定着用回転部材(上側の定
着部材)としての熱線定着ローラ17aと、下側の定着
部材としての加圧ゴムローラ47aとにより構成され、
熱線定着ローラ17aの内部には、光源によっては可視
光を含んだ赤外線或いは遠赤外線等の熱線を発光する管
状のハロゲンランプ171gが熱線照射手段として配設
される。
【0041】熱線定着ローラ17aと加圧ゴムローラ4
7aとの間で形成されるニップ部Nで記録紙Pが挟持さ
れ、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラー
トナー像が定着され、記録紙Pが排紙ローラ18により
送られて、装置上部のトレイへ排出される。
【0042】転写後の感光体ドラム10の周面上に残っ
たトナーは、像形成体クリーニング手段としてのクリー
ニング装置19に設けられたクリーニングブレード19
aによりクリーニングされる。残留トナーを除去された
感光体ドラム10はスコロトロン帯電器11によって一
様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
【0043】図3に示すように、定着装置17は転写材
上のトナー像を定着するための上側の弾性を有するロー
ル状の熱線定着用回転部材(上側の定着部材)としての
熱線定着ローラ17aと、同じく弾性を有する下側の定
着部材としての加圧ゴムローラ47aとにより構成さ
れ、それぞれ弾性を有する熱線定着ローラ17aと加圧
ゴムローラ47aとの間で形成される、幅60mm以
下、好ましくは5mm以上の幅広いニップ部Nで、ニッ
プ部Nに進入されてニップ部Nを通過される記録紙Pを
挟持し、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のト
ナー像を定着する。上側に設けられるロール状の熱線定
着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ロー
ラ17aには、ニップ部Nの位置より熱線定着ローラ1
7aの回転方向に、定着分離爪TR3、定着オイルクリ
ーニングローラTR1、熱均一化ローラTR4、オイル
塗布ローラTR2が設けられ、オイルを含浸させたフェ
ルト部材を円筒状のアルミパイプや紙管等に巻き付けた
オイル塗布ローラTR2により熱線定着ローラ17aに
オイルが塗布される。定着オイルクリーニングローラT
R1により熱線定着ローラ17aの周面上のオイルがク
リーニングされる。従って熱均一化ローラTR4、及び
後述する、熱線定着ローラ17aの温度を測定する温度
検知手段である温度センサTS1は、定着オイルクリー
ニングローラTR1とオイル塗布ローラTR2との間の
クリーニングされた熱線定着ローラ17aの周面に設け
られる。定着分離爪TR3により定着後の転写材が分離
される。また、アルミ材やステンレス材等の熱伝導性の
良好な金属ローラ部材やヒートパイプを用いた熱均一化
ローラTR4により熱線吸収層171bにより加熱され
る熱線定着ローラ17a周面の発熱温度分布が均一化さ
れる。熱均一化ローラTR4により転写材の通紙に伴う
熱線定着ローラ17aの縦方向及び横方向の温度むらが
均一化される。
【0044】転写材上のトナー像を定着するための熱線
定着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ロ
ーラ17aは、円筒状の透光性基体171aと、該透光
性基体171aの外側(外周面)に透光性弾性層171
dと熱線吸収層171bと離型層171cとをその順に
設けたソフトローラとして構成される。透光性基体17
1a内部には、光源によっては可視光を含んだ赤外線或
いは遠赤外線等の熱線を発光する管状の熱線照射手段で
あるハロゲンランプ171gが配設される。熱線定着用
回転部材としての熱線定着ローラ17aは、後述するよ
うにして弾性の高いソフトローラとして構成される。ハ
ロゲンランプ171gより発光された熱線が熱線吸収層
171bにより吸収され急速加熱が可能なロール状の熱
線定着用回転部材が形成される。
【0045】また、下側の定着部材としての加圧ゴムロ
ーラ47aは、例えばアルミ材を用いた芯金471a
と、該芯金471aの外周面に、例えばシリコンゴムの
発泡材を用いたスポンジ状の、5〜20mm厚の厚肉ゴ
ム層よりなるゴムローラ層471bとによりローラ部材
を形成し、該ローラ部材のゴムローラ層471bの外側
(外周面)に離型性を有するPFA、PTFA等の耐熱
性のフッ素樹脂のチューブ471cを被覆した弾性を有
するソフトローラとして構成される。また、ゴムローラ
471bの表面にも当接して従動回転する、アルミ材や
ステンレス材等の熱伝導性の良好な金属ローラ部材を用
いた熱均一化ローラTR4が設けられ、熱均一化ローラ
TR4により加圧ゴムローラ47a周面の発熱温度分布
が均一化される。熱均一化ローラTR4としては、蓄熱
と放熱とを兼ねるヒートパイプを用いることが好まし
い。
【0046】上側のソフトローラと下側のソフトローラ
との間に平面状のニップ部Nが形成されトナー像の定着
が行われる。
【0047】TS1は上側の熱線定着ローラ17aに取
付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサ
ーミスタを用いた温度検知手段である温度センサであ
り、TS2は下側の加圧ゴムローラ47aに取付けられ
た温度制御を行うための例えば接触タイプのサーミスタ
を用いた温度センサである。温度センサTS1,TS2
としては接触タイプの他に、非接触タイプのものを用い
ることも可能である。
【0048】図4によれば、熱線定着ローラ17aの構
成は、図4(a)に断面を示すように、円筒状の透光性
基体171aとしては、厚さ1mm以上、20mm以
下、好ましくは2mm以上、5mm以下で、ハロゲンラ
ンプ171gよりの赤外線或いは遠赤外線等の熱線を透
過するパイレックスガラス、サファイヤ(Al23)、
CaF2等のセラミック材(熱伝導率が(5〜20)×
10-3J/cm・s・K、比熱が(0.5〜2.0)×
J/g・K、比重が1.5〜3.0)が主として用いら
れ、ポリイミド、ポリアミド等を使用した透光性樹脂
(熱伝導率が(2〜4)×10-3J/cm・s・K、比
熱が(1〜2)×J/g・K、比重が0.8〜1.2)
等も用いることが可能である。例えば熱線定着ローラ1
7aの透光性基体171aとして、内径32mm、外径
40mmで、層厚(厚さ)4mmのパイレックスガラス
(比熱が0.78J/g・K、比重が2.32)を用い
たときの透光性基体171aのA−3サイズ幅(297
mm)当たりでの熱容量Q1は約60cal/degで
ある。また、透光性基体171aを通過させる熱線の波
長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3μmであ
るので、フィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤が加え
られるが、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/
5以下の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以
下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性(光源によ
っては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線透過性)の
ITO、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸
化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の金
属酸化物の微粒子を樹脂バインダに分散させたもので透
光性基体171aを形成してもよい。層中で1次、2次
粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1
μm以下であることが光散乱を防ぎ、熱線吸収層171
bに到達させるのに好ましい。上記の如く、透光性基体
171aはあまり熱伝導性が良くない。
【0049】透光性弾性層171dは、厚さ0.5〜2
0mm(0.5mm以上、20mm以下)、好ましくは
2〜5mm(2mm以上、5mm以下)の例えばシリコ
ンゴムやフッ素ゴムを用い、熱線(光源によっては可視
光を含んだ赤外線或いは遠赤外線)を透過する熱線透過
性のゴム層(ベース層)で形成される。透光性弾性層1
71dとしては高速化対応のために、ベース層(シリコ
ンゴム)にフィラーとしてシリカ、アルミナ、酸化マグ
ネシウム等の金属酸化物の粉末を配合させて熱伝導率を
向上させる方法がとられ、熱伝導率が(1〜3)×10
-3J/cm・s・K、比熱が(1〜2)×J/g・K、
比重が0.9〜1.0のゴム層を用いる。例えば熱線定
着ローラ17aの透光性弾性層171dとして、外径5
0mmで、層厚(厚さ)5mmのシリコンゴム(比熱が
1.1J/g・K、比重が0.91)を用いたときの透
光性弾性層171dのA−3サイズ幅(297mm)当
たりでの熱容量Q2は約50cal/degである。ゴ
ム層は熱伝導率がガラス部材を用いた透光性の基体(熱
伝導率が(5〜20)×10-3J/cm・s・K)より
1桁低いので断熱性を有する層の役割をする。熱伝導率
を高めると一般的にゴム硬度が高くなる傾向があり、例
えば通常40Hsのものが60Hs(JIS、Aゴム硬
度)近くまで高くなってしまう。好ましいゴム硬度は5
〜60Hsである。熱線定着用回転部材の透光性弾性層
171dの大部分はこのベース層で占められており、加
圧時の圧縮量はベース層のゴム硬度で決定される。透光
性弾性層171dの中間層はオイル膨潤防止のために耐
油層としてフッ素系ゴムが20〜300μmの厚さで塗
られている。透光性弾性層171dのトップ層のシリコ
ンゴムとしては、HTV(High Temperat
ure Volcanizing)よりも離型性のよい
RTV(Room Temperature Volc
anizing)やLTV(Low Temperat
ure Volcanizing)が中間層並の厚さで
被覆されている。また、透光性弾性層171dを通過さ
せる熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3
〜3μmであるので、硬度や熱伝導率の調整剤として、
粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、
1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好まし
くは0.1μm以下の熱線透過性(光源によっては可視
光を含んだ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化
マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子
を樹脂バインダに分散させたもので透光性弾性層171
dを形成してもよい。層中で1次、2次粒子を含めて平
均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下である
ことが光散乱を防ぎ、熱線吸収層171bに到達させる
のに好ましい。透光性弾性層171dを設けることによ
り、熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17a
が弾性の高いソフトローラとして構成される。
【0050】熱線吸収層171bとしては、ハロゲンラ
ンプ171gより発光され、透光性基体171a及び透
光性弾性層171dにて吸収された残りの熱線で、透光
性基体171a及び透光性弾性層171dを透過した熱
線の略100%にあたる90〜100%、好ましくは9
5〜100%の熱線を熱線吸収層171bにより吸収し
急速加熱が可能な熱線定着用回転部材を形成するよう
に、樹脂バインダにカーボンブラック、黒鉛、鉄黒(F
34)や各種フェライト及びその化合物、酸化銅、酸
化コバルト、ベンガラ(Fe23)等の粉末を混入した
熱線吸収部材を用い、厚さ10〜500μm(10μm
以上、500μm以下)、好ましくは20〜100μm
(20μm以上、100μm以下)の熱線吸収部材を透
光性弾性層171dの外側(外周面)に吹付け或いは塗
布等により形成する。熱線吸収層171bの熱伝導率は
前記透光性弾性層171dのシリコンゴム層(熱伝導率
が(1〜3)×10-3J/cm・s・K、比熱が(1〜
2)×J/g・K、比重が0.9〜1.0)と比べて、
カーボンブラック等の吸収剤の添加により、やや高めの
(3〜10)×10-3J/cm・s・K(比熱が(〜
2.0)×J/g・K、比重が(〜0.9))に設定す
ることができる。熱線吸収層171bとしてはニッケル
電鋳ローラ等の金属ローラ部材を同様の厚さで設けても
よい。この時、熱線を吸収するために内側(内周面)は
黒色酸化処理をしておくことが好ましい。熱線吸収層1
71bでの熱線吸収率が90%程度よりも低く、例えば
20〜80%程度であると熱線が漏れて、漏れた熱線に
より熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17a
がモノクロ画像形成に用いられた場合、フィルミング等
により熱線定着ローラ17aの特定位置の表面に黒トナ
ーが付着すると漏れた熱線により付着部から発熱が起
き、その部分でさらに熱線吸収による発熱が重ねて起こ
り熱線吸収層171bを破損する。またカラー画像形成
に用いられた場合、カラートナーの吸収効率が一般に低
く、かつカラートナー間に吸収効率の差があることから
定着不良となったり、定着ムラとなる。従って、ハロゲ
ンランプ171gより発光され、透光性基体171a及
び透光性弾性層171dにて吸収された残りの熱線で、
透光性基体171a及び透光性弾性層171dを透過し
た熱線が熱線吸収層171bで完全に吸収されるように
熱線吸収層171bの熱線吸収率を略100%にあたる
90〜100%、好ましくは95〜100%とする。こ
れにより、分光特性が異なることで熱線により定着する
ことが困難なカラートナーの溶融が良好に行われ、特に
図1でのカラー画像形成において、分光特性が異なるこ
とで熱線により定着することが困難なトナー層の厚い転
写材上の重ね合わせカラートナー像の溶融が良好に行わ
れる。また、熱線吸収層171bの厚さが10μm未満
で薄いと、熱線吸収層171bでの熱線の吸収による加
熱速度は速いが、薄膜による局所的な加熱による熱線吸
収層171bの破損や強度不足の原因となり、熱線吸収
層171bの厚さが500μmを越えて厚過ぎると、熱
伝導不良となったり、熱容量が大きくなり急速加熱が成
しにくくなる。熱線吸収層171bの熱線吸収率を略1
00%にあたる90〜100%、好ましくは95〜10
0%としたり、熱線吸収層171bの厚さを10〜50
0μm、好ましくは20〜100μmとすることによ
り、熱線吸収層171bでの局所的な発熱が防止され、
均一な発熱が行われる。また、熱線吸収層171bに投
光される熱線の波長は0.1〜20μm、好ましくは
0.3〜3μmであるので、フィラーとして硬度や熱伝
導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱線の波長の1/
2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒子を含めて
平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm以下の熱
線透過性(光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは
遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシ
ウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダに5〜50
重量%分散させたもので熱線吸収層171bを形成して
もよい。このようにして、熱線吸収層171bは温度が
すぐに上がるように熱容量を小さくしてあるので、熱線
定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aに温度低
下が生じ、定着ムラが発生するという問題を防止する。
熱線吸収層171bとしては、弾性を有するシリコンゴ
ムやフッ素ゴムに、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒(F
34)や各種フェライト及びその化合物、酸化銅、酸
化コバルト、ベンガラ(Fe23)等の粉末を混入した
ものを用いてもよい。例えば熱線定着ローラ17aの熱
線吸収層171b(或いは後述する兼用層171B)と
して、外径50mmの透光性弾性層171dの表面(外
周面)に、層厚(厚さ)50μmのフッ素樹脂(比熱が
2.0J/g・K、比重が0.9)を用いたときの熱線
吸収層171b(或いは兼用層171B)のA−3サイ
ズ幅(297mm)当たりでの熱容量Q3は約1.0c
al/degである。熱線吸収層171bとしてはニッ
ケル電鋳ベルトのように金属フィルム部材を用いること
もできる。この時、熱線吸収のために内側(内周面)は
黒色酸化処理をしておくことが望ましい。
【0051】また熱線吸収層171bと分離して熱線吸
収層171bの外側(外周面)に、トナーとの離型性を
良好とするため、厚さ30〜100μmのPFA(フッ
素樹脂)チューブを被覆したものや、フッ素樹脂(PF
AまたはPTFE)塗料を20〜30μm塗布した離型
層171c(熱伝導率が(1〜10)×10-3J/cm
・s・K、比熱が(〜2.0)×J/g・K、比重が
(〜0.9))を設ける(分離型)。
【0052】さらに図4(b)に断面を示すように、カ
ーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェラ
イト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ
(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材と、バイ
ンダと離型剤とを兼ねたフッ素樹脂(PFAまたはPT
FE)塗料とを混入して配合し、図4(a)にて前述し
た熱線吸収層171bと離型層171cとを一体として
離型性を有する兼用層171Bを、透光性基体171a
の外側(外周面)に形成された透光性弾性層171dの
外側(外周面)に形成し、弾性を有するロール状の熱線
定着用回転部材を形成してもよい。兼用層171Bの熱
伝導率は熱線吸収層171bの熱伝導率と略同様で、
(3〜10)×10-3J/cm・s・K(比熱が(〜
2.0)×J/g・K、比重が(〜0.9))である。
前述したと同様に、ハロゲンランプ171gより発光さ
れ、透光性基体171a及び透光性弾性層171dにて
吸収された残りの熱線で、透光性基体171a及び透光
性弾性層171dを透過した熱線が完全に吸収されるよ
うに兼用層171Bの熱線吸収率を略100%にあたる
90〜100%、好ましくは95〜100%とする。兼
用層171Bでの熱線吸収率が90%程度よりも低く、
例えば20〜80%程度であると熱線が漏れて、漏れた
熱線により熱線定着用回転部材がモノクロ画像形成に用
いられた場合、フィルミング等により熱線定着用回転部
材の特定位置の表面に黒トナーが付着すると漏れた熱線
により付着部から発熱が起き、その部分でさらに熱線吸
収による発熱が重ねて起こり兼用層171Bを破損す
る。またカラー画像形成に用いられた場合、カラートナ
ーの吸収効率が一般に低く、かつカラートナー間に吸収
効率の差があることから定着不良となったり、定着ムラ
となる。従って、ハロゲンランプ171gより発光さ
れ、透光性基体171a及び透光性弾性層171dにて
吸収された残りの熱線で、透光性基体171a及び透光
性弾性層171dを透過した熱線が熱線定着用回転部材
内で完全に吸収されるように兼用層171Bの熱線吸収
率を略100%にあたる90〜100%、好ましくは9
5〜100%とする。また、兼用層171Bでの局所的
な発熱も防止され、均一な発熱が行われる。また、兼用
層171Bに投光される熱線の波長は0.1〜20μ
m、好ましくは0.3〜3μmであるので、フィラーと
して硬度や熱伝導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱
線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2
次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.
1μm以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含ん
だ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バイ
ンダに分散させたもので兼用層171Bを形成してもよ
い。
【0053】図5によれば、ロール状の熱線定着用回転
部材(上側の定着部材)としての熱線定着ローラ17a
の熱線吸収層171bに前述した熱線吸収部材の濃度分
布を均一に設けると境界にある熱線吸収層171bで発
熱が集中することになり、透光性弾性層171d側へ熱
が流失しやすいので、透光性基体171aより低熱伝導
性部材を用いたり、濃度分布を設けて熱線吸収層171
b内部で熱を発生させることが発熱分布を分散させる観
点から好ましい。熱線吸収層171bの濃度分布はグラ
フ(イ)で示すように、内接する透光性弾性層171d
側の界面を低濃度とし外周面側に向かって傾斜をつけ順
次高くし、外周面側の手前(熱線吸収層171bの厚さ
t1に対し、透光性弾性層171d側から2/3〜4/
5程度の位置)で100%吸収する濃度となるようにし
て飽和するようにする。これにより、熱線吸収層171
bでの熱線の吸収による発熱分布は、グラフ(ロ)に示
すように、熱線吸収層171bの中央部近傍に最大値を
有し、熱線吸収層171bの界面や外周面近傍で最小値
をとる放物線状に形成される。或いは熱線吸収層171
bの界面や外周面に透光性の耐熱性樹脂(ポリイミドや
フッ素樹脂やシリコン樹脂)を10〜500μm厚、好
ましくは20〜100μmを設けることが好ましい。ま
た、透光性基体171aより低熱伝導性部材として熱の
流失を押さえることが好ましい。これにより、前記界面
での熱線の吸収による発熱を小さくし、熱の流出を防止
し、界面での接着層の破損や熱線吸収層171bの破損
を防止する。また、外周面側の手前(熱線吸収層171
bの厚さt1に対し、透光性基体171a側から2/3
〜4/5程度の位置)より外周面までの濃度分布を飽和
するようにし、特に、兼用層171Bを用いた場合に
も、外周表面層が削られても影響の無いようにする。な
お点線で示すように、飽和層を形成してもよい。要する
に、十分に内部で吸収が行われれば外側での濃度の影響
はなくなる。削れの影響も生じない。また、濃度分布に
前記傾斜を設け、傾斜角の変更により発熱分布を調整す
ることができる。
【0054】また図6に示すように、ロール状の熱線定
着用回転部材(上側の定着部材)としての熱線定着ロー
ラ17aの円筒状の透光性基体171aの外径φ3とし
ては、15〜60mmのものが用いられ、厚さt3とし
ては、厚い方が強度の点で良く、薄い方が熱容量の点で
良いが、強度と熱容量との関係から、円筒状の透光性基
体171aの外径φ3と厚さt3との関係は、 0.02≦t3/φ3≦0.20 とし、好ましくは 0.04≦t3/φ3≦0.10 とする。透光性基体171aの外径φ3が40mmでは
透光性基体171aの厚さt3は、0.8mm≦t3≦
8mm、好ましくは1.6mm≦t3≦4.0mmのも
のが用いられる。透光性基体171aでのt3/φ3が
0.02未満では強度不足となり、t3/φ3が0.2
0を越えると熱容量が大きくなり熱線定着ローラ17a
の加熱が長引くことになる。また、透光性基体といって
も材料によっては1〜20%程度の熱線を吸収する場合
があり、強度の保てる範囲で薄い方が好ましい。
【0055】図3にて説明した定着装置17を用いるこ
とにより定着部(ニップ部)での変形に強いと共に、ク
イックスタート(急速加熱)が可能な定着装置が可能と
なり、さらに、熱線定着用回転部材の弾性によるソフト
な定着部(ニップ部)での加圧と、該熱線定着用回転部
材の熱線吸収層による加熱とにより、分光特性が異なる
ことで熱線により定着することが困難なカラートナーの
溶融が良好に行われ、カラートナーのクイックスタート
(急速加熱)定着が可能となる。また省エネルギー効果
が得られる。
【0056】実施形態1 しかしながら、上記定着装置17に設けられる熱線定着
ローラ17a内部の管状のハロゲンランプ171gの径
(外径)と、熱線定着ローラ17aと該熱線定着ローラ
17aに対向して設けられる加圧ゴムローラ47aとの
間のニップ部Nの幅と、の関係や、管状のハロゲンラン
プ171gの外径と熱線定着ローラ17aの内径との関
係で、熱線定着ローラ17aの温度むらが出やすくなっ
たり、昇温速度が遅くなったりする。熱線定着ローラ1
7aの温度むらを解消するには、ニップ部Nの幅が広い
方が良いが、ニップ部Nの幅が広過ぎると熱線定着ロー
ラ17aの昇温速度がより遅くなるという問題が起こ
る。
【0057】上記問題を解決するための請求項1ないし
3にかかわる、温度むらが少なく昇温速度の早い熱線定
着用回転部材を可能とする、管状の熱線照射手段の外径
とニップ部幅との適正条件、並びに、管状の熱線照射手
段の外径と熱線定着用回転部材の内径との適正条件につ
いて、図7を用いて説明する。図7は、管状の熱線照射
手段の外径とニップ部幅との関係、並びに、管状の熱線
照射手段の外径と熱線定着用回転部材の内径との関係の
説明図である。
【0058】図7によれば、管状の熱線照射手段である
ハロゲンランプ171gを内部に有する熱線定着用回転
部材(上側の定着部材)である熱線定着ローラ17aは
透光性基体171aと、その外側(外周面)に透光性断
熱層171eと熱線吸収層171bとをその順に設けた
弾性を有するソフトローラとして構成され、また、下側
の定着部材としての加圧ゴムローラ47aは、芯金47
1aとゴムローラ層471bと耐熱性のフッ素樹脂等の
チューブ471cとにより形成される弾性を有するソフ
トローラとして構成され、上側のソフトローラと下側の
ソフトローラとの間に平面状のニップ部Nが形成されト
ナー像の定着が行われるが、先ず、温度むらが少なく昇
温速度の早い熱線定着ローラ17aを可能とするため
の、管状のハロゲンランプ171gの外径とニップ部N
の幅との関係は、熱線定着ローラ17aの回転方向にお
ける、管状のハロゲンランプ171gの外径をφL(m
m)、熱線定着ローラ17aと加圧ゴムローラ47aと
で形成されるニップ部Nの幅をL1(mm)とすると
き、 φL=(0.5〜2.0)×L1 とすることが好ましい。
【0059】すなわち、管状のハロゲンランプ171g
の外径φLが大きいと、空気からの熱伝導で透光性基体
171a内壁の温度が高くなる。また外径φLが大きい
と、ハロゲンランプ171gのリップルで温度むらがで
やすい。またニップ部Nの幅L1を狭くすると、温度む
らがでやすく、ニップ部Nの幅L1も狭く定着性が低下
する。ハロゲンランプ171gの外径φLを大きくした
り、ニップ部Nの幅L1を狭くしたりして、管状のハロ
ゲンランプ171gの外径φLとニップ部Nの幅L1と
の比、φL/L1が2.0を越えて大き過ぎると、温度
むらがでやすく、定着性が不十分となりやすい。この問
題を防止するにはニップ部Nの幅L1を広くした方が良
いが、ニップ部Nの幅L1を広くし、比φL/L1を
0.5未満に小さくすると、透光性弾性層171dを厚
くせねばならぬ必要から、昇温速度が遅くなる。また、
管状のハロゲンランプ171gの外径φLを小さくする
と、ハロゲンランプ171gの表面エネルギー密度が小
さくなり、昇温速度が遅くなる(管状のハロゲンランプ
171gの外径φLを小さくし、比φL/L1が0.5
未満で小さ過ぎると、昇温速度が遅くなる)。
【0060】上記において、熱線定着ローラ17aの透
光性弾性層171dの層厚を0.5mm以上、好ましく
は60mm以下とし幅広いニップ部Nを形成することが
好ましい。
【0061】上記により、管状の熱線照射手段の外径と
ニップ部幅との適正な条件が設定され、温度むらが少な
く昇温速度の早い熱線定着用回転部材が可能となる。
【0062】次に、温度むらが少なく昇温速度の早い熱
線定着ローラ17aを可能とするための、管状のハロゲ
ンランプ171gの外径と熱線定着ローラ17aの内径
との関係は、熱線定着ローラ17aの回転方向におけ
る、管状のハロゲンランプ171gの外径をφL(m
m)、透光性基体171aの内径をφ2(mm)とする
とき、 φL=(0.2〜0.5)×φ2 とすることが好ましい。
【0063】すなわち、管状のハロゲンランプ171g
の外径φLが大きいと、空気からの熱伝導が大きく透光
性基体171a内壁の温度上昇が大きくなりすぎてしま
う。また外径φLが大き過ぎると、ハロゲンランプ17
1gのリップルによる温度むらがでやすい。また透光性
基体171aの内径φ2を小さくすると、透光性基体1
71a内壁の温度上昇が大きくなりすぎてしまう。また
ニップ部Nの幅も狭くなる。ハロゲンランプ171gの
外径φLを大きくしたり、透光性基体171aの内径φ
2を小さくしたりして、管状のハロゲンランプ171g
の外径φLと透光性基体171aの内径φ2との比、φ
L/φ2が0.5を越えて大きくなると、温度むらがで
やすく、ニップ部Nの幅も狭いく定着性が低下する。こ
の問題を解消するため、透光性基体171aの内径φ2
を大きくし、比φL/φ2を0.2未満よりも小さくす
ると、熱線定着ローラ17aの表面が大きくなり、熱線
定着ローラ17aの表面(熱線吸収層171b)での昇
温速度が遅くなる。また、管状のハロゲンランプ171
gの外径φLを小さくすると、ハロゲンランプ171g
の表面エネルギー密度が小さくなり、熱線定着ローラ1
7aの表面(熱線吸収層171b)での昇温速度が遅く
なる(管状のハロゲンランプ171gの外径φLを小さ
くし、比φL/φ2を0.2未満に小さくすると、熱線
定着ローラ17aの表面(熱線吸収層171b)での昇
温速度が遅くなる)。
【0064】上記において、熱線定着ローラ17aの透
光性弾性層171dの層厚を0.5mm以上、好ましく
は60mm以下とし幅広いニップ部Nを形成することが
好ましい。
【0065】上記により、管状の熱線照射手段の外径と
熱線定着用回転部材の内径との適正な条件が設定され、
温度むらが少なく昇温速度の早い熱線定着用回転部材が
可能となる。
【0066】実施形態2 また、前記定着装置17に設けられる熱線定着ローラ1
7aの外径(熱線定着ローラ17aの周長)とニップ部
Nの幅との関係により、熱線定着ローラ17aに熱履歴
が生じたり、定着性が悪いという問題が起こる。
【0067】上記問題を解決するための請求項4または
5にかかわる、熱履歴が少なく、また定着性の良い熱線
定着用回転部材を可能とする、熱線定着用回転部材の外
径とニップ部幅との適正条件について、図8を用いて説
明する。図8は、熱線定着用回転部材の外径とニップ部
幅との関係の説明図である。
【0068】図8によれば、管状の熱線照射手段である
ハロゲンランプ171gを内部に有する熱線定着用回転
部材(上側の定着部材)である熱線定着ローラ17aは
透光性基体171aと、その外側(外周面)に透光性断
熱層171eと熱線吸収層171bとをその順に設けた
弾性を有するソフトローラとして構成され、また、下側
の定着部材としての加圧ゴムローラ47aは、芯金47
1aとゴムローラ層471bと耐熱性のフッ素樹脂等の
チューブ471cとにより形成される弾性を有するソフ
トローラとして構成され、上側のソフトローラと下側の
ソフトローラとの間に平面状のニップ部Nが形成されト
ナー像の定着が行われるが、熱履歴が少なく定着性の良
い熱線定着ローラ17aを可能とするための、熱線定着
ローラ17aの外径とニップ部Nの幅との関係は、熱線
定着ローラ17aの外径をφ1(mm)、熱線定着ロー
ラ17aと加圧ゴムローラ47aとで形成されるニップ
部Nの幅をL1(mm)とするとき、 φ1=(2〜6)×L1 とすることが好ましい。
【0069】すなわち、熱線定着ローラ17aの外径φ
1が小さく、またニップ部Nの幅L1が大きいと、熱線
定着ローラ17aに均一に熱が供給されて定着性が良い
一方、透光性弾性層171dを厚くする必要があること
から、透光性弾性層171dでの光吸収層や熱伝導の増
加により昇温が遅くなる。すなわち、熱線定着ローラ1
7aの外径φ1とニップ部Nの幅L1との比、φ1/L
1が2未満で小さ過ぎると、昇温が遅かったり、熱履歴
が生じてしまう。一方熱線定着ローラ17aの外径φ1
が大きかったり、ニップ部Nの幅L1が小さかったりし
て、比φ1/L1を6を越えて大きくすると、熱履歴は
生じぬものの、熱容量が大きく昇温が遅くなったり、ニ
ップ部Nの幅L1が不足して定着性が悪くなる。例えば
熱線定着ローラ17aの外径φ1が20mmであると、
ニップ部Nの幅L1の好ましい範囲は3.3〜10.0
mm(3.3mm以上、10.0mm以下)となり、熱
線定着ローラ17aの外径φ1が40mmであると、ニ
ップ部Nの幅L1の好ましい範囲は6.6〜20.0m
m(6.6mm以上、20.0mm以下)となる。
【0070】上記において、熱線定着ローラ17aの透
光性弾性層171dの層厚を0.5mm以上、好ましく
は60mm以下とし幅広いニップ部Nを形成することが
好ましい。
【0071】上記により、熱線定着用回転部材の外径
(熱線定着用回転部材の周長)とニップ部幅との適正な
条件が設定され、熱履歴が少なく定着性の良い熱線定着
用回転部材が可能となる。
【0072】実施形態3 また前記定着装置17に設けられる熱線定着ローラ17
aは表面発熱であるのでハロゲンランプ171gからの
エネルギー供与が早く応答性が高い一方、内部の透光性
弾性層171dの熱容量が小さく、温度の安定性に欠け
るので、ニップ部Nの幅とニップ部Nを搬送される転写
材の線速度との関係により、熱線定着ローラ17aに温
度むらや定着不足が生じたり、また熱線吸収層171b
の内部の透光性弾性層171dで熱線が吸収されて、熱
線定着ローラ17aの表面の発熱不良が生じたり、吸収
した熱線により透光性弾性層171dが軟化し、熱線定
着ローラ17aが永久変形してしまったりするという問
題が起こる。
【0073】上記問題を解決するための請求項6または
7にかかわる、温度むらや定着不足がなく、また表面の
発熱不良や永久変形が防止された熱線定着用回転部材を
可能とする、ニップ部幅とニップ部を搬送される転写材
の線速度との適正条件について、図9を用いて説明す
る。図9は、ニップ部幅とニップ部を搬送される転写材
の線速度との関係の説明図である。
【0074】図9によれば、管状の熱線照射手段である
ハロゲンランプ171gを内部に有する熱線定着用回転
部材(上側の定着部材)である熱線定着ローラ17aは
透光性基体171aと、その外側(外周面)に透光性断
熱層171eと熱線吸収層171bとをその順に設けた
弾性を有するソフトローラとして構成され、また、下側
の定着部材としての加圧ゴムローラ47aは、芯金47
1aとゴムローラ層471bと耐熱性のフッ素樹脂等の
チューブ471cとにより形成される弾性を有するソフ
トローラとして構成される。上側のソフトローラと下側
のソフトローラとの間に平面状のニップ部Nが形成さ
れ、該ニップ部Nを転写材としての記録紙Pが搬送され
て、熱と圧力とによりトナー像の定着が行われるが、熱
線定着ローラ17aの回転方向における、熱線定着ロー
ラ17aと加圧ゴムローラ47aとで形成されるニップ
部Nの幅をL1(mm)、ニップ部Nを搬送される記録
紙Pの線速度をVp(mm/sec)とするとき、 0.03Vp≦L1≦0.2Vp とすることが好ましい。
【0075】すなわち、ニップ部Nを搬送される記録紙
Pの線速度Vpに対し、熱線定着ローラ17aの透光性
弾性層171dが薄く、ニップ部Nの幅L1が狭く、ニ
ップ部Nの幅L1が0.03Vp未満であると、表面発
熱による熱線定着ローラ17aの利用面積の低下から温
度むらや定着不足となる。また、ニップ部Nを搬送され
る記録紙Pの線速度Vpに対し、熱線定着ローラ17a
の透光性弾性層171dが厚く、ニップ部Nの幅L1が
広く、ニップ部Nの幅L1が0.2Vpを越えると、熱
線吸収層171bの内部の透光性弾性層171dで熱線
が吸収されて、熱線定着ローラ17aの表面の発熱不良
が生じたり、吸収した熱線により透光性弾性層171d
が軟化し、熱線定着ローラ17aが永久変形してしま
う。例えばニップ部Nを搬送される記録紙Pの線速度V
pが100mm/secであると、ニップ部Nの幅L1
の好ましい範囲は3〜20mm(3mm以上、20mm
以下)となり、記録紙Pの線速度Vpが300mm/s
ecであると、ニップ部Nの幅L1の好ましい範囲は9
〜60mm(9mm以上、60mm以下)となる。
【0076】上記において、熱線定着ローラ17aの透
光性弾性層171dの層厚を0.5mm以上、好ましく
は60mm以下とし幅広いニップ部Nを形成することが
好ましい。
【0077】上記により、ニップ部幅とニップ部を搬送
される転写材の線速度との適正な条件が設定され、温度
むらや定着不足がなく、また表面の発熱不良や永久変形
が防止された熱線定着用回転部材が可能となる。
【0078】
【発明の効果】請求項1によれば、管状の熱線照射手段
の外径とニップ部幅との適正な条件が設定され、温度む
らが少なく昇温速度の早い熱線定着用回転部材が可能と
なる。
【0079】請求項2によれば、管状の熱線照射手段の
外径と熱線定着用回転部材の内径との適正な条件が設定
され、温度むらが少なく昇温速度の早い熱線定着用回転
部材が可能となる。
【0080】請求項3によれば、熱線定着用回転部材と
加圧ゴムローラとの間で幅広いニップ部が形成され、良
好な定着が行われる。
【0081】請求項4によれば、熱線定着用回転部材の
外径(熱線定着用回転部材の周長)とニップ部幅との適
正な条件が設定され、熱履歴が少なく定着性の良い熱線
定着用回転部材が可能となる。
【0082】請求項5によれば、熱線定着用回転部材と
加圧ゴムローラとの間で幅広いニップ部が形成され、良
好な定着が行われる。
【0083】請求項6によれば、ニップ部幅とニップ部
を搬送される転写材の線速度との適正な条件が設定さ
れ、温度むらや定着不足がなく、また表面の発熱不良や
永久変形が防止された熱線定着用回転部材が可能とな
る。
【0084】請求項7によれば、熱線定着用回転部材と
加圧ゴムローラとの間で幅広いニップ部が形成され、良
好な定着が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各請求項にかかわる定着装置を用いる
画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の
断面構成図である。
【図2】図1の像形成体の側断面図である。
【図3】各請求項にかかわる定着装置の構造を示す説明
図である。
【図4】図3のロール状の熱線定着用回転部材の拡大断
面構成図である。
【図5】図3のロール状の熱線定着用回転部材の熱線吸
収層の濃度分布を示す図である。
【図6】図3のロール状の熱線定着用回転部材の透光性
基体の外径と厚さとを示す図である。
【図7】管状の熱線照射手段の外径とニップ部幅との関
係、並びに、管状の熱線照射手段の外径と熱線定着用回
転部材の内径との関係の説明図である。
【図8】熱線定着用回転部材の外径とニップ部幅との関
係の説明図である。
【図9】ニップ部幅とニップ部を搬送される転写材の線
速度との関係の説明図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光光学系 13 現像器 17 定着装置 17a 熱線定着ローラ 47a 加圧ゴムローラ 171a 透光性基体 171B 兼用層 171b 熱線吸収層 171c 離型層 171d 透光性弾性層 171g ハロゲンランプ N ニップ部 P 記録紙
フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA30 BA25 BB03 BB04 BB13 BB14 BB15 BB18 BB29 BB30 BB33 3K058 AA45 AA86 BA18 DA02 GA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する管状の熱線照射手段を内部に有し、前記熱
    線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性弾性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記熱線定着用回転部材の回転方向における、前記熱線
    照射手段の外径をφL(mm)、前記熱線定着用回転部
    材と前記加圧ゴムローラとで形成されるニップ部の幅を
    L1(mm)とするとき、 φL=(0.5〜2.0)×L1 とすることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する管状の熱線照射手段を内部に有し、前記熱
    線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性弾性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記熱線定着用回転部材の回転方向における、前記熱線
    照射手段の外径をφL(mm)、前記透光性基体の内径
    をφ2(mm)とするとき、 φL=(0.2〜0.5)×φ2 とすることを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 前記透光性弾性層の層厚が0.5mm以
    上であることを特徴とする請求項1または2に記載の定
    着装置。
  4. 【請求項4】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する管状の熱線照射手段を内部に有し、前記熱
    線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性弾性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記熱線定着用回転部材の外径をφ1(mm)、前記熱
    線定着用回転部材と前記加圧ゴムローラとで形成される
    ニップ部の幅をL1(mm)とするとき、 φ1=(2〜6)×L1 とすることを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 前記透光性弾性層の層厚が0.5mm以
    上であることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発する管状の熱線照射手段を内部に有し、前記熱
    線に対して透光性を有する円筒状の透光性基体と、 該透光性基体の外側に透光性弾性層と、 該透光性弾性層の外側に前記熱線を吸収する熱線吸収層
    とを設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると
    共に、 前記熱線定着用回転部材に対向して加圧ゴムローラを設
    けるもので、 前記熱線定着用回転部材の回転方向における、前記熱線
    定着用回転部材と前記加圧ゴムローラとで形成されるニ
    ップ部の幅をL1(mm)、前記ニップ部を搬送される
    前記転写材の線速度をVp(mm/sec)とすると
    き、 0.03Vp≦L1≦0.2Vp とすることを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】 前記透光性弾性層の層厚が0.5mm以
    上であることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
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