JP2000321906A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2000321906A
JP2000321906A JP11132654A JP13265499A JP2000321906A JP 2000321906 A JP2000321906 A JP 2000321906A JP 11132654 A JP11132654 A JP 11132654A JP 13265499 A JP13265499 A JP 13265499A JP 2000321906 A JP2000321906 A JP 2000321906A
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fixing
heat ray
light
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Hiroyuki Tokimatsu
宏行 時松
Satoru Haneda
哲 羽根田
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広いニップ領域を形成すると共に、熱線定着
用回転部材の対向部材の低熱容量化を図り、カラートナ
ーによるカラー画像の急速加熱定着が可能な定着装置を
提供すること。 【解決手段】 熱線を発光する熱線照射手段と、熱線照
射手段を内部に有し、熱線に対して透光性を有する円筒
状の透光性基体と、熱線に対して透光性を有する円筒状
の透光性弾性層或いは透光性断熱層と、透光性弾性層或
いは透光性断熱層の外側に熱線を吸収する熱線吸収層と
を設けてロール状の熱線定着用回転部材を形成すると共
に、熱線定着用回転部材の対向部材として、熱線定着用
回転部材より小径の2本のローラを、熱線定着用回転部
材に対向配置することを特徴とする定着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、FAX等の画像形成装置に用いられる急速加熱定着
が可能な定着装置に関し、特にカラートナーの急速加熱
定着が可能な定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、FAX等の画
像形成装置に用いられる定着装置として、技術的な完成
度が高く安定したものとして熱ローラ定着方式が、低速
機から高速機まで、モノクロ機からフルカラー機まで、
と幅広く採用されている。
【0003】しかしながら、従来の熱ローラ定着方式の
定着装置では、転写材やトナーを加熱する際に、熱容量
の大きな定着用の熱ローラを加熱する必要があるため省
エネルギー面で不利であり、また、プリント時に定着装
置を暖めるのに時間がかかりプリント時間(ウォーミン
グアップ時間)が長くなってしまうという問題がある。
【0004】これを解決するためフィルム(熱定着フィ
ルム)を用い、熱ローラを熱定着フィルムという究極の
厚みまで持っていき低熱容量化し、温度制御されたヒー
タ(セラミックヒータ)を熱定着フィルムに直接加圧接
触させることで熱伝導効率を大幅に向上させ、省エネル
ギーとウォーミングアップ時間の短縮によるクイックス
タートとを図ったフィルム定着方式の定着装置やそれを
用いた画像形成装置が提案され、最近用いられてきてい
る。
【0005】また、熱ローラの変形として透光性基体を
熱線定着ローラ(熱線定着用回転部材)として用い、内
部に設けたハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線
をトナーに照射して加熱定着し、ウォーミングアップ時
間を要せずクイックスタートを図った定着方法が、特開
昭52−106741号公報、同57−82240号公
報、同57−102736号公報、同57−10274
1号公報等により開示されている。また、透光性基体の
外周面に光吸収層を設けて熱線定着ローラ(熱線定着用
回転部材)を構成し、円筒状の透光性基体内部に設けた
ハロゲンランプ(熱線照射手段)からの光を、透光性基
体の外周面に設けた光吸収層で吸収させ、光吸収層の熱
によりトナー像を定着させる定着方法が特開昭59−6
5867号公報により開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭52−106741号公報等の開示による定着装置
では、ハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線を透
光性基体を通して照射し、トナーを加熱定着する方法に
より、また特開昭59−65867号公報の開示による
定着装置では、透光性基体の外周面に光吸収層(熱線吸
収層)を設けて熱線定着ローラ(熱線定着用回転部材)
を構成し、ハロゲンランプ(熱線照射手段)からの熱線
を透光性基体を通して光吸収層に照射し、該光吸収層の
熱によりトナーを定着する方法により、それぞれ省エネ
ルギーとウォーミングアップ時間を短縮したクイックス
タートとを図ろうとしたものであるが、熱線定着用回転
部材に対向する対向部材として、主に熱容量の大きなゴ
ムローラを設けているため、対向部材(ゴムローラ)に
熱線吸収層の熱が奪われ、急速加熱定着、特にカラート
ナーによる付着量の多いカラー画像の急速加熱定着が困
難であるという問題が生じる。またニップ領域が狭く、
カラートナーの定着に適さないという問題もある。
【0007】本発明は上記の問題点を解決し、広いニッ
プ領域を形成すると共に、熱線定着用回転部材の対向部
材の低熱容量化を図り、カラートナーによるカラー画像
の急速加熱定着が可能な定着装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、転写材上の
トナー像を加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定
着装置において、熱線を発光する熱線照射手段と、該熱
線照射手段を内部に有し、前記熱線に対して透光性を有
する円筒状の透光性基体と、前記熱線に対して透光性を
有する円筒状の透光性弾性層或いは透光性断熱層と、前
記透光性弾性層或いは前記透光性断熱層の外側に前記熱
線を吸収する熱線吸収層とを設けてロール状の熱線定着
用回転部材を形成すると共に、前記熱線定着用回転部材
の対向部材として、前記熱線定着用回転部材より小径の
2本のローラを、前記熱線定着用回転部材に対向配置す
ることを特徴とする定着装置(第1の発明)によって達
成される。
【0009】また、上記目的は、転写材上のトナー像を
加熱と加圧とにより前記転写材に固定する定着装置にお
いて、熱線を発光する熱線照射手段と、該熱線照射手段
を内部に有し、前記熱線に対して透光性を有する円筒状
の透光性基体と、前記熱線に対して透光性を有する円筒
状の透光性弾性層或いは透光性断熱層と、前記透光性弾
性層或いは前記透光性断熱層の外側に前記熱線を吸収す
る熱線吸収層とを設けてロール状の熱線定着用回転部材
を形成すると共に、前記熱線定着用回転部材の対向部材
として、ベルトを対向配置することを特徴とする定着装
置(第2の発明)によって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の
意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の
実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示
すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限
定するものではない。
【0011】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形
成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構に
ついて、図1ないし図7を用いて説明する。図1は、本
発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施
形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図
2は、図1の像形成体の側断面図であり、図3は、定着
装置の構造を示す図であり、図4は、図3のロール状の
熱線定着用回転部材の拡大断面構成図であり、図5は、
図3のロール状の熱線定着用回転部材の熱線吸収層の濃
度分布を示す図であり、図6は、図3のロール状の熱線
定着用回転部材の透光性基体の外径と厚さとを示す図で
あり、図7は、定着装置の他の例を示す図である。
【0012】図1または図2によれば、像形成体である
感光体ドラム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹
脂等の透光性部材によって形成される円筒状の基体の外
周に、透光性の導電層、有機感光層(OPC)の光導電
体層を形成したものである。
【0013】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により透光性の導電層を接地された状態で図1
の矢印で示す時計方向に感光体ドラム10が回転され
る。
【0014】感光体ドラム10は前フランジ10aと後
フランジ10bとにより挟持され、前フランジ10aが
装置本体の前側板501に取付けられるカバー503に
設けられたガイドピン10P1によって軸受支持され、
後フランジ10bが装置本体の後側板502に取付けら
れる複数のガイドローラ10Rに外嵌して感光体ドラム
10が保持される。後フランジ10bの外周に設けられ
た歯車10Gを駆動用の歯車G1に噛合し、その動力に
より透明の導電層を接地された状態で図1の矢印で示す
時計方向に感光体ドラム10が回転される。
【0015】本発明では、画像露光用の露光ビームの結
像点である感光体ドラムの光導電体層において、光導電
体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対して適正なコ
ントラストを付与できる波長の露光光量を有していれば
よい。従って、本実施形態における感光体ドラムの透光
性の基体の光透過率は、100%である必要はなく、露
光ビームの透過時にある程度の光が吸収されるような特
性であってもよく、要は、適切なコントラストを付与で
きればよい。感光体ドラムの透光性の基体の素材として
は、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモ
ノマーを用い重合したものが、透光性、強度、精度、表
面性等において優れており好ましく用いられるが、その
他一般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタ
レートなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、
露光光に対し透光性を有していれば、着色していてもよ
い。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(I
TO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅
や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持
した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着
法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CV
D法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用される。
また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が
使用される。
【0016】光導電体層の感光層としての有機感光層
は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層
(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電
荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光
層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いた
めに有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。
なお有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送
物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされ
てもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、
通常バインダ樹脂が含有される。
【0017】以下に説明する各色毎の、帯電手段として
のスコロトロン帯電器11、画像書込手段としての露光
光学系12、現像手段としての現像器13により、イエ
ロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色
(K)の各色毎の画像形成プロセスが行われ、本実施形
態においては、各色毎の、帯電手段としてのスコロトロ
ン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系12、
現像手段としての現像器13が、図1の矢印にて示す感
光体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの
順に配置される。
【0018】帯電手段としてのスコロトロン帯電器11
は像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して
直交する方向(図1において紙面垂直方向)に感光体ド
ラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム
10の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持さ
れた制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極11
aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性の
コロナ放電とによって帯電作用(本実施形態においては
マイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一様な
電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他
ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0019】各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像
露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を
感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた
線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセル
フォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた
露光用ユニットとして構成される。装置本体の後側板5
02に設けられたガイドピン10P2と、前側板501
に取付けられるカバー503に設けられたガイドピン1
0P1と、を案内として固定される円柱状の保持部材2
0に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ド
ラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはそ
の他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッ
センス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子を
アレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0020】各色毎の画像書込手段としての露光光学系
12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロト
ロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対
して感光体ドラムの回転方向上流側に設けた状態で、感
光体ドラム10の内部に配置される。
【0021】露光光学系12は、別体のコンピュータ
(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像デ
ータに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感
光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に
潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の
発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い6
80〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面か
ら像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に
有しないこれより短い波長でもよい。
【0022】各色毎の現像手段としての現像器13は、
内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)
若しくは黒色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像
剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5mm〜1m
m、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレス
あるいはアルミ材で形成された現像剤担持体である現像
スリーブ131を備えている。
【0023】現像領域では、現像スリーブ131は、突
き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の
間隙、例えば100μm〜1000μmをあけて非接触
に保たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置に
おいて順方向に回転しており、現像スリーブ131に対
して現像バイアスとしてトナーと同極性(本実施形態に
おいてはマイナス極性)の直流電圧或いは直流電圧に交
流電圧ACを重畳する電圧を印加することにより、感光
体ドラム10の露光部に対して非接触の反転現像が行わ
れる。この時の現像間隔精度は画像ムラを防ぐために2
0μm程度以下が必要である。
【0024】以上のように現像器13は、スコロトロン
帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光に
よって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非
接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のト
ナー(本実施形態においては感光体ドラムは負帯電であ
り、トナーは負極性)により反転現像する。
【0025】画像形成のスタートにより不図示の感光体
駆動モータの始動により駆動用の歯車G1を通して感光
体ドラム10の後フランジ10bに設けられた歯車10
Gが回動され感光体ドラム10を図1の矢印で示す時計
方向へ回転し、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯
電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始され
る。感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露
光光学系12において第1の色信号すなわちYの画像デ
ータに対応する電気信号による露光が開始されドラムの
回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロ
ー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この
潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像さ
れ、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が
形成される。
【0026】次いで、感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11
の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12
の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに
対応する電気信号による露光が行われ、Mの現像器13
による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)
のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わ
せて形成される。
【0027】同様のプロセスにより、Cのスコロトロン
帯電器11、露光光学系12及び現像器13によってさ
らに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像
が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系1
2及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色
(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体
ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー
像が形成される。
【0028】このように、本実施の形態では、Y、M、
C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有
機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より
透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及
び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成
されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形
成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム1
0の外部から露光してもよい。
【0029】一方、転写材としての記録紙Pは、転写材
収納手段としての給紙カセット15より、送り出しロー
ラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号な
し)により給送されてタイミングローラ16へ搬送され
る。
【0030】記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動
によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナ
ー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器1
50の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域
へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された
記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態に
おいてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段とし
ての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上の
カラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0031】カラートナー像が転写された記録紙Pは、
転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより
除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置
17へと搬送される。
【0032】定着装置17はカラートナー像を定着する
ための上側のロール状の熱線定着用回転部材としての熱
線定着ローラ17aと、下側に熱線定着ローラ17aと
対向配置される、熱線定着用回転部材の対向部材として
の対をなす(2本の)ローラ47aとローラ47bとに
より構成され、熱線定着ローラ17aの内部中心には、
光源によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線等
の熱線を発光するハロゲンランプ171gやキセノンラ
ンプ(不図示)等が熱線照射手段として配設される。
【0033】熱線定着ローラ17aとローラ47a,4
7bとの間で形成されるニップ領域Nで記録紙Pが挟持
され、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上のカラ
ートナー像が定着され、記録紙Pが排紙ローラ18によ
り送られて、装置上部のトレイへ排出される。
【0034】転写後の感光体ドラム10の周面上に残っ
たトナーは、像形成体クリーニング手段としてのクリー
ニング装置19に設けられたクリーニングブレード19
aによりクリーニングされる。残留トナーを除去された
感光体ドラム10はスコロトロン帯電器11によって一
様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
【0035】図3によれば、定着装置17は転写材上の
トナー像を定着するための上側の弾性を有するロール状
の熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17a
と、下側に熱線定着ローラ17aと対向配置される、熱
線定着用回転部材の対向部材としての対をなす2本のロ
ーラ47aとローラ47bとにより構成され、弾性を有
する熱線定着ローラ17aとローラ47a,47bとの
間で形成される、幅10〜30mm程度のニップ領域N
で記録紙Pを挟持し、熱と圧力とを加えることにより記
録紙P上のトナー像を定着する。上側に設けられるロー
ル状の熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17
aには、ニップ領域Nの位置より熱線定着ローラ17a
の回転方向に、定着分離爪TR6、定着オイルクリーニ
ングローラTR1、熱均一化ローラTR7、オイル塗布
フェルトTR2、オイル量規制ブレードTR3が設けら
れ、オイルタンクTR4より毛細管パイプTR5を通し
てオイル塗布フェルトTR2に供給されたオイルがオイ
ル塗布フェルトTR2により熱線定着ローラ17aに塗
布される。定着オイルクリーニングブレードTR1によ
り熱線定着ローラ17aの周面上のオイルがクリーニン
グされる。従って熱均一化ローラTR7、及び後述す
る、熱線定着ローラ17aの温度を測定する温度検知手
段である温度センサTS1は、定着オイルクリーニング
ローラTR1とオイル塗布フェルトTR2との間のクリ
ーニングされた熱線定着ローラ17aの周面に設けられ
る。定着分離爪TR6により定着後の転写材が分離され
る。また、アルミ材やステンレス材等の熱伝導性の良好
な金属ローラ部材やヒートパイプを用いた熱均一化ロー
ラTR7により熱線吸収層171bにより加熱される熱
線定着ローラ17a周面の発熱温度分布が均一化され
る。熱均一化ローラTR7により転写材の通紙に伴う熱
線定着ローラ17aの縦方向及び横方向の温度むらが均
一化される。
【0036】転写材上のトナー像を定着するための熱線
定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aは、円筒
状の透光性基体171aと、該透光性基体171aの外
側(外周面)に透光性弾性層171d(或いは後述する
透光性断熱層171e)と熱線吸収層171bと離型層
171cとをその順に設けたソフトローラとして構成さ
れる。透光性基体171a内部中心に、光源によっては
可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線等の熱線を発光す
る熱線照射手段であるハロゲンランプ171gやキセノ
ンランプ(不図示)が設けられる。熱線定着用回転部材
としての熱線定着ローラ17aは、後述するようにして
弾性の高いソフトローラとして構成される。ハロゲンラ
ンプ171gやキセノンランプ(不図示)より発光され
た熱線が熱線吸収層171bにより吸収され急速加熱が
可能なロール状の熱線定着用回転部材が形成される。熱
線定着ローラ17aは外径が20〜60mm程度のソフ
トローラとして形成される。
【0037】また、下側の熱線定着用回転部材の対向部
材としての対をなす2本のローラ47aとローラ47b
とは、例えば棒状或いは円筒状のアルミ材やステンレス
材を用いた芯金(不図示)と、該芯金の外側(外周面)
に、例えばシリコン材を用いた、3〜10mm厚のゴム
層(不図示)と、該ゴム層の外側(外周面)の例えばテ
フロン材を用いたコーティング層とよりなり、外径が2
0〜60mm程度の熱線定着ローラ17aの1/3〜1
/5程度で、熱線定着ローラ17aの外径より小径の4
〜20mm程度の熱容量の小さなゴムローラとしてそれ
ぞれ構成される。また、熱線定着ローラ17aの中心
と、それぞれのローラ47a,47bの中心とを結ぶ線
の成す角度α1は30°以上、50°以下が、ニップ領
域Nの幅が広くなり好ましい。角度α1が30°未満で
小さいと、ニップ領域Nの幅が小さすぎ2つのローラ4
7a,47bの配置がしにくい。また、角度α1が50
°を越えて大きいと、ニップ領域Nの幅が広すぎ2つの
ローラ47a,47b間での記録紙Pの渡しが良好に行
われない。この如く、熱線定着用回転部材に対向配置さ
れる2本の小径ローラの低熱容量化と、幅広いニップ領
域とにより、カラートナーによるカラー画像の急速加熱
定着が可能となる。
【0038】TS1は上側の熱線定着ローラ17aに取
付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサ
ーミスタを用いた温度検知手段である温度センサであ
る。温度センサTS1としては接触タイプの他に、非接
触タイプのものを用いることも可能である。
【0039】図4によれば、熱線定着ローラ17aの構
成は、図4(a)に断面を示すように、円筒状の透光性
基体171aとしては、厚さ1〜20mm、好ましくは
2〜5mm厚で、ハロゲンランプ171gやキセノンラ
ンプ(不図示)よりの赤外線或いは遠赤外線等の熱線を
透過するパイレックスガラス、サファイヤ(Al
23)、CaF2等のセラミック材(熱伝導率が(5〜
20)×10-3J/cm・s・K、比熱が(0.5〜
2.0)×J/g・K、比重が1.5〜3.0)や、ポ
リイミド、ポリアミド等を使用した透光性樹脂(熱伝導
率が(2〜4)×10-3J/cm・s・K、比熱が(1
〜2)×J/g・K、比重が0.8〜1.2)等を用い
る。例えば熱線定着ローラ17aの透光性基体171a
として、内径32mm、外径40mmで、層厚(厚さ)
4mmのパイレックスガラス(比熱が0.78J/g・
K、比重が2.32)を用いたときの透光性基体171
aのA−3サイズ幅(297mm)当たりでの熱容量Q
1は約60cal/degである。また、透光性基体1
71aを通過させる熱線の波長は0.1〜20μm、好
ましくは0.3〜3μmであるので、フィラーとして硬
度や熱伝導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱線の波
長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒子
を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μm
以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含んだ赤外
線或いは遠赤外線透過性)のITO、酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バ
インダに分散させたもので透光性基体171aを形成し
てもよい。層中で1次、2次粒子を含めて平均粒径が1
μm以下、好ましくは0.1μm以下であることが光散
乱を防ぎ、熱線吸収層171bに到達させるのに好まし
い。上記の如く、透光性基体171aはあまり熱伝導性
が良くない。
【0040】透光性弾性層171dは、厚さ1〜20m
m、好ましくは2〜5mm厚の例えばシリコンゴムやフ
ッ素ゴムを用い、熱線(光源によっては可視光を含んだ
赤外線或いは遠赤外線)を透過する熱線透過性のゴム層
(ベース層)で形成される。透光性弾性層171dとし
ては高速化対応のために、ベース層(シリコンゴム)に
フィラーとしてシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等
の金属酸化物の粉末を配合させて熱伝導率を向上させる
方法がとられ、熱伝導率が(1〜3)×10-3J/cm
・s・K、比熱が(1〜2)×J/g・K、比重が0.
9〜1.0のゴム層を用いる。例えば熱線定着ローラ1
7aの透光性弾性層171dとして、外径50mmで、
層厚(厚さ)5mmのシリコンゴム(比熱が1.1J/
g・K、比重が0.91)を用いたときの透光性弾性層
171dのA−3サイズ幅(297mm)当たりでの熱
容量Q2は約50cal/degである。ゴム層は熱伝
導率がガラス部材を用いた透光性の基体(熱伝導率が
(5〜20)×10-3J/cm・s・K)より1桁低い
ので断熱性を有する層の役割をする。熱伝導率を高める
と一般的にゴム硬度が高くなる傾向があり、例えば通常
40Hsのものが60Hs(JIS、Aゴム硬度)近く
まで高くなってしまう。好ましいゴム硬度は5〜60H
sである。熱線定着用回転部材の透光性弾性層171d
の大部分はこのベース層で占められており、加圧時の圧
縮量はベース層のゴム硬度で決定される。透光性弾性層
171dの中間層はオイル膨潤防止のために耐油層とし
てフッ素系ゴムが20〜300μmの厚さで塗られてい
る。透光性弾性層171dのトップ層のシリコンゴムと
しては、HTV(High Temperature
Volcanizing)よりも離型性のよいRTV
(Room Temperature Volcani
zing)やLTV(Low Temperature
Volcanizing)が中間層並の厚さで被覆さ
れている。また、透光性弾性層171dを通過させる熱
線の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3μ
mであるので、硬度や熱伝導率の調整剤として、粒径が
熱線の波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、
2次粒子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは
0.1μm以下の熱線透過性(光源によっては可視光を
含んだ赤外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネ
シウム、炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂
バインダに分散させたもので透光性弾性層171dを形
成してもよい。層中で1次、2次粒子を含めて平均粒径
が1μm以下、好ましくは0.1μm以下であることが
光散乱を防ぎ、熱線吸収層171bに到達させるのに好
ましい。透光性弾性層171dを設けることにより、熱
線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aが弾性
の高いソフトローラとして構成される。また本発明の熱
線定着用回転部材である熱線定着ローラ17aとして
は、断熱性を有する透光性弾性層171dの代わりとし
て、透光性樹脂等の非弾性層として断熱性のみの効果を
有する透光性断熱層171eを使用することも可能であ
る。
【0041】熱線吸収層171bとしては、ハロゲンラ
ンプ171gやキセノンランプ(不図示)より発光さ
れ、透光性基体171a及び透光性弾性層171d(或
いは透光性断熱層171e)を透過した熱線の略100
%にあたる90〜100%、好ましくは95〜100%
の熱線を熱線吸収層171bにより吸収し瞬時加熱が可
能な熱線定着用回転部材を形成するように、樹脂バイン
ダにカーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種
フェライト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベ
ンガラ(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材を
用い、厚さ10〜500μm、好ましくは20〜100
μm厚の熱線吸収部材を透光性弾性層171d(或いは
透光性断熱層171e)の外側(外周面)に吹付け或い
は塗布等により形成する。熱線吸収層171bの熱伝導
率は前記透光性弾性層171dのゴム層(熱伝導率が
(1〜3)×10-3J/cm・s・K、比熱が(1〜
2)×J/g・K、比重が0.9〜1.0)と比べて、
カーボンブラック等の吸収剤の添加により、やや高めの
(3〜10)×10-3J/cm・s・K(比熱が(〜
2.0)×J/g・K、比重が(〜0.9))に設定す
ることができる。熱線吸収層171bとしてはニッケル
電鋳ローラ等の金属ローラ部材を同様の厚さで設けても
よい。この時、熱線を吸収するために内側(内周面)は
黒色酸化処理をしておくことが好ましい。熱線吸収層1
71bでの熱線吸収率が90%程度よりも低く、例えば
20〜80%程度であると熱線が漏れて、漏れた熱線に
より熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17a
がモノクロ画像形成に用いられた場合、フィルミング等
により熱線定着ローラ17aの特定位置の表面に黒トナ
ーが付着すると漏れた熱線により付着部から発熱が起
き、その部分でさらに熱線吸収による発熱が重ねて起こ
り熱線吸収層171bを破損する。またカラー画像形成
に用いられた場合、カラートナーの吸収効率が一般に低
く、かつカラートナー間に吸収効率の差があることから
定着不良となったり、定着ムラとなる。従って、ハロゲ
ンランプ171gやキセノンランプ(不図示)より発光
され、透光性基体171a及び透光性弾性層171d
(或いは透光性断熱層171e)を透過した熱線が熱線
吸収層171bで完全に吸収されるように熱線吸収層1
71bの熱線吸収率を略100%にあたる90〜100
%、好ましくは95〜100%とする。これにより、分
光特性が異なることで熱線により定着することが困難な
カラートナーの溶融が良好に行われ、特に図1でのカラ
ー画像形成において、分光特性が異なることで熱線によ
り定着することが困難なトナー層の厚い転写材上の重ね
合わせカラートナー像の溶融が良好に行われる。また、
熱線吸収層171bの厚さが10μm未満で薄いと、熱
線吸収層171bでの熱線の吸収による加熱速度は速い
が、薄膜による局所的な加熱による熱線吸収層171b
の破損や強度不足の原因となり、熱線吸収層171bの
厚さが500μmを越えて厚過ぎると、熱伝導不良とな
ったり、熱容量が大きくなり急速加熱が成しにくくな
る。熱線吸収層171bの熱線吸収率を略100%にあ
たる90〜100%、好ましくは95〜100%とした
り、熱線吸収層171bの厚さを10〜500μm、好
ましくは20〜100μmとすることにより、熱線吸収
層171bでの局所的な発熱が防止され、均一な発熱が
行われる。また、熱線吸収層171bに投光される熱線
の波長は0.1〜20μm、好ましくは0.3〜3μm
であるので、フィラーとして硬度や熱伝導率の調整剤が
加えられるが、粒径が熱線の波長の1/2、好ましくは
1/5以下の、1次、2次粒子を含めて平均粒径が1μ
m以下、好ましくは0.1μm以下の熱線透過性(光源
によっては可視光を含んだ赤外線或いは遠赤外線透過
性)の酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化
シリコン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属
酸化物の微粒子を樹脂バインダに5〜50重量%分散さ
せたもので熱線吸収層171bを形成してもよい。この
ようにして、熱線吸収層171bは温度がすぐに上がる
ように熱容量を小さくしてあるので、熱線定着用回転部
材としての熱線定着ローラ17aに温度低下が生じ、定
着ムラが発生するという問題を防止する。熱線吸収層1
71bとしては、弾性を有するシリコンゴムやフッ素ゴ
ムに、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各
種フェライト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、
ベンガラ(Fe23)等の粉末を混入したものを用いて
もよい。例えば熱線定着ローラ17aの熱線吸収層17
1b(或いは後述する兼用層171B)として、外径5
0mmの透光性弾性層171dの表面(外周面)に、層
厚(厚さ)50μmのフッ素樹脂(比熱が2.0J/g
・K、比重が0.9)を用いたときの熱線吸収層171
b(或いは兼用層171B)のA−3サイズ幅(297
mm)当たりでの熱容量Q3は約1.0cal/deg
である。熱線吸収層171bとしてはニッケル電鋳ベル
トのように金属フィルム部材を用いることもできる。こ
の時、熱線吸収のために内側(内周面)は黒色酸化処理
をしておくことが望ましい。
【0042】また熱線吸収層171bと分離して熱線吸
収層171bの外側(外周面)に、トナーとの離型性を
良好とするため、厚さ30〜100μmのPFA(フッ
素樹脂)チューブを被覆したものや、フッ素樹脂(PF
AまたはPTFE)塗料を20〜30μm塗布した離型
層171c(熱伝導率が(1〜10)×10-3J/cm
・s・K、比熱が(〜2.0)×J/g・K、比重が
(〜0.9))を設ける(分離型)。
【0043】さらに図4(b)に断面を示すように、カ
ーボンブラック、黒鉛、鉄黒(Fe34)や各種フェラ
イト及びその化合物、酸化銅、酸化コバルト、ベンガラ
(Fe23)等の粉末を混入した熱線吸収部材と、バイ
ンダと離型剤とを兼ねたフッ素樹脂(PFAまたはPT
FE)塗料とを混入して配合し、図4(a)にて前述し
た熱線吸収層171bと離型層171cとを一体として
離型性を有する兼用層171Bを、透光性基体171a
の外側(外周面)に形成された透光性弾性層171d
(或いは透光性断熱層171e)の外側(外周面)に形
成し、弾性を有するロール状の熱線定着用回転部材を形
成してもよい。兼用層171Bの熱伝導率は熱線吸収層
171bの熱伝導率と略同様で、(3〜10)×10-3
J/cm・s・K(比熱が(〜2.0)×J/g・K、
比重が(〜0.9))である。前述したと同様に、ハロ
ゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)より発
光され、透光性基体171a及び透光性弾性層171d
(或いは透光性断熱層171e)を透過した熱線が完全
に吸収されるように兼用層171Bの熱線吸収率を略1
00%にあたる90〜100%、好ましくは95〜10
0%とする。兼用層171Bでの熱線吸収率が90%程
度よりも低く、例えば20〜80%程度であると熱線が
漏れて、漏れた熱線により熱線定着用回転部材がモノク
ロ画像形成に用いられた場合、フィルミング等により熱
線定着用回転部材の特定位置の表面に黒トナーが付着す
ると漏れた熱線により付着部から発熱が起き、その部分
でさらに熱線吸収による発熱が重ねて起こり兼用層17
1Bを破損する。またカラー画像形成に用いられた場
合、カラートナーの吸収効率が一般に低く、かつカラー
トナー間に吸収効率の差があることから定着不良となっ
たり、定着ムラとなる。従って、ハロゲンランプ171
gやキセノンランプ(不図示)より発光され、透光性基
体171a及び透光性弾性層171d(或いは透光性断
熱層171e)を透過した熱線が熱線定着用回転部材内
で完全に吸収されるように兼用層171Bの熱線吸収率
を略100%にあたる90〜100%、好ましくは95
〜100%とする。また、兼用層171Bでの局所的な
発熱も防止され、均一な発熱が行われる。また、兼用層
171Bに投光される熱線の波長は0.1〜20μm、
好ましくは0.3〜3μmであるので、フィラーとして
硬度や熱伝導率の調整剤が加えられるが、粒径が熱線の
波長の1/2、好ましくは1/5以下の、1次、2次粒
子を含めて平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1μ
m以下の熱線透過性(光源によっては可視光を含んだ赤
外線或いは遠赤外線透過性)の酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、酸化亜鉛、酸化シリコン、酸化マグネシウム、
炭酸カルシウム等の金属酸化物の微粒子を樹脂バインダ
に分散させたもので兼用層171Bを形成してもよい。
【0044】図5によれば、ロール状の熱線定着用回転
部材としての熱線定着ローラ17aの熱線吸収層171
bに前述した熱線吸収部材の濃度分布を均一に設けると
境界にある熱線吸収層171bで発熱が集中することに
なり、透光性弾性層171d(或いは透光性断熱層17
1e)側へ熱が流失しやすいので、透光性基体171a
より低熱伝導性部材を用いたり、濃度分布を設けて熱線
吸収層171b内部で熱を発生させることが発熱分布を
分散させる観点から好ましい。熱線吸収層171bの濃
度分布はグラフ(イ)で示すように、内接する透光性弾
性層171d(或いは透光性断熱層171e)側の界面
を低濃度とし外周面側に向かって傾斜をつけ順次高く
し、外周面側の手前(熱線吸収層171bの厚さtに対
し、透光性弾性層171d(或いは透光性断熱層171
e)側から2/3〜4/5程度の位置)で100%吸収
する濃度となるようにして飽和するようにする。これに
より、熱線吸収層171bでの熱線の吸収による発熱分
布は、グラフ(ロ)に示すように、熱線吸収層171b
の中央部近傍に最大値を有し、熱線吸収層171bの界
面や外周面近傍で最小値をとる放物線状に形成される。
或いは熱線吸収層171bの界面や外周面に透光性の耐
熱性樹脂(ポリイミドやフッ素樹脂やシリコン樹脂)を
10〜500μm厚、好ましくは20〜100μmを設
けることが好ましい。また、透光性基体171aより低
熱伝導性部材として熱の流失を押さえることが好まし
い。これにより、前記界面での熱線の吸収による発熱を
小さくし、熱の流出を防止し、界面での接着層の破損や
熱線吸収層171bの破損を防止する。また、外周面側
の手前(熱線吸収層171bの厚さtに対し、透光性基
体171a側から2/3〜4/5程度の位置)より外周
面までの濃度分布を飽和するようにし、特に、兼用層1
71Bを用いた場合にも、外周表面層が削られても影響
の無いようにする。なお点線で示すように、飽和層を形
成してもよい。要するに、十分に内部で吸収が行われれ
ば外側での濃度の影響はなくなる。削れの影響も生じな
い。また、濃度分布に前記傾斜を設け、傾斜角の変更に
より発熱分布を調整することができる。
【0045】また図6に示すように、ロール状の熱線定
着用回転部材としての熱線定着ローラ17aの円筒状の
透光性基体171aの外径φとしては、15〜60mm
のものが用いられ、厚さtとしては、厚い方が強度の点
で良く、薄い方が熱容量の点で良いが、強度と熱容量と
の関係から、円筒状の透光性基体171aの外径φと厚
さtとの関係は、 0.05≦t/φ≦0.20 とし、好ましくは 0.07≦t/φ≦0.14 とする。透光性基体171aの外径φが40mmでは透
光性基体171aの厚さtは、2mm≦t≦8mm、好
ましくは2.8mm≦t≦5.6mmのものが用いられ
る。透光性基体171aでのt/φが0.05未満では
強度不足となり、t/φが0.20を越えると熱容量が
大きくなり熱線定着ローラ17aの加熱が長引くことに
なる。また、透光性基体といっても材料によっては1〜
20%程度の熱線を吸収する場合があり、強度の保てる
範囲で薄い方が好ましい。
【0046】上記の如く、図3にて説明した定着装置1
7を用いることにより定着部(ニップ領域)での変形に
強いと共に、クイックスタート(急速加熱)が可能な定
着装置が可能となり、さらに、熱線定着用回転部材の弾
性によるソフトな定着部(ニップ領域)での加圧と、該
熱線定着用回転部材の熱線吸収層による加熱とにより、
分光特性が異なることで熱線により定着することが困難
なカラートナーの溶融が良好に行われ、カラートナーの
クイックスタート(急速加熱)定着が可能となる。また
省エネルギー効果が得られる。特に、熱線定着用回転部
材に対向配置される2本の小径ローラにより、広いニッ
プ領域が形成されると共に、熱線定着用回転部材の対向
部材の低熱容量化が図られ、カラートナーによるカラー
画像の急速加熱定着が可能な定着装置が可能となる。
【0047】定着装置の他の例を図7に示すが、図7に
示すように、定着装置17Aは転写材上のトナー像を定
着するための上側の弾性を有するロール状の熱線定着用
回転部材としての熱線定着ローラ17aと、下側に熱線
定着ローラ17aと対向配置され、駆動ローラ57a及
び従動ローラ57bに張架される熱線定着用回転部材の
対向部材としてのベルト57cとにより構成され、弾性
を有する熱線定着ローラ17aとベルト57cとの間で
形成される、幅30〜100mm程度のニップ領域Nで
記録紙Pを挟持し、熱と圧力とを加えることにより記録
紙P上のトナー像を定着する。上側に設けられるロール
状の熱線定着用回転部材としての熱線定着ローラ17a
には、ニップ領域Nの位置より熱線定着ローラ17aの
回転方向に、定着分離爪TR6、定着オイルクリーニン
グローラTR1、熱均一化ローラTR7、オイル塗布フ
ェルトTR2、オイル量規制ブレードTR3が設けら
れ、オイルタンクTR4より毛細管パイプTR5を通し
てオイル塗布フェルトTR2に供給されたオイルがオイ
ル塗布フェルトTR2により熱線定着ローラ17aに塗
布される。定着オイルクリーニングブレードTR1によ
り熱線定着ローラ17aの周面上のオイルがクリーニン
グされる。従って熱均一化ローラTR7、及び後述す
る、熱線定着ローラ17aの温度を測定する温度検知手
段である温度センサTS1は、定着オイルクリーニング
ローラTR1とオイル塗布フェルトTR2との間のクリ
ーニングされた熱線定着ローラ17aの周面に設けられ
る。定着分離爪TR6により定着後の転写材が分離され
る。また、アルミ材やステンレス材等の熱伝導性の良好
な金属ローラ部材やヒートパイプを用いた熱均一化ロー
ラTR7により熱線吸収層171bにより加熱される熱
線定着ローラ17a周面の発熱温度分布が均一化され
る。熱均一化ローラTR7により転写材の通紙に伴う熱
線定着ローラ17aの縦方向及び横方向の温度むらが均
一化される。
【0048】転写材上のトナー像を定着するための熱線
定着用回転部材としての熱線定着ローラ17aは、円筒
状の透光性基体171aと、該透光性基体171aの外
側(外周面)に透光性弾性層171d(或いは前述した
透光性断熱層171e)と熱線吸収層171bと離型層
171cとをその順に設けたソフトローラとして構成さ
れる。透光性基体171a、透光性弾性層171d(ま
たは透光性断熱層171e)、熱線吸収層171b及び
離型層171cは、または兼用層171Bは図4にて前
述したと同様な部材により構成される。透光性基体17
1a内部中心に、光源によっては可視光を含んだ赤外線
或いは遠赤外線等の熱線を発光する熱線照射手段である
ハロゲンランプ171gやキセノンランプ(不図示)が
設けられる。熱線定着用回転部材としての熱線定着ロー
ラ17aは、後述するようにして弾性の高いソフトロー
ラとして構成される。ハロゲンランプ171gやキセノ
ンランプ(不図示)より発光された熱線が熱線吸収層1
71bにより吸収され急速加熱が可能なロール状の熱線
定着用回転部材が形成される。熱線定着ローラ17aは
外径が20〜60mm程度のソフトローラとして形成さ
れる。
【0049】また、下側の熱線定着用回転部材の対向部
材としてのベルト57cは、厚さ0.05〜0.5mm
の、例えばポリイミド系の耐熱性で表面にフッ素系樹脂
をコーティングした熱容量の小さなゴムベルトとして形
成される。また、ベルト57cを張架するそれぞれロー
ラ部材としての駆動ローラ57aと従動ローラ57bと
は、例えば棒状或いは円筒状のアルミ材やステンレス材
を用いた芯金(不図示)と、該芯金の外側(外周面)
に、例えばシリコン材を用いた、3〜10mm厚のゴム
層(不図示)とよりなり、外径が20〜60mm程度の
熱線定着ローラ17aの1/3〜1/5程度で、熱線定
着ローラ17aの外径より小径の4〜20mm程度の熱
容量の小さなゴムローラとしてそれぞれ構成される。熱
線定着ローラ17aの中心と、駆動ローラ57aと従動
ローラ57bとの中心とを結ぶ線の成す角度α2は40
°以上、60°以下が、ニップ領域Nの幅が広くなり好
ましい。角度α2が40°未満で小さいと、ニップ領域
Nの幅が小さすぎ駆動ローラ57a及び従動ローラ57
bの2つのローラ部材の配置がしにくい。また、角度α
2が60°を越えて大きいと、ニップ領域Nの幅が広す
ぎ記録紙Pに皺が生じる。この如く、熱線定着用回転部
材に対向配置されるベルト及び2本のローラ部材の小径
化による低熱容量化と、幅広いニップ領域とにより、カ
ラートナーによるカラー画像の急速加熱定着が可能とな
る。
【0050】TS1は上側の熱線定着ローラ17aに取
付けられた温度制御を行うための例えば接触タイプのサ
ーミスタを用いた温度検知手段である温度センサであ
る。温度センサTS1としては接触タイプの他に、非接
触タイプのものを用いることも可能である。
【0051】上記の如く、図7にて説明した定着装置1
7Aを用いることにより定着部(ニップ領域)での変形
に強いと共に、クイックスタート(急速加熱)が可能な
定着装置が可能となり、さらに、熱線定着用回転部材の
弾性によるソフトな定着部(ニップ領域)での加圧と、
該熱線定着用回転部材の熱線吸収層による加熱とによ
り、分光特性が異なることで熱線により定着することが
困難なカラートナーの溶融が良好に行われ、カラートナ
ーのクイックスタート(急速加熱)定着が可能となる。
また省エネルギー効果が得られる。特に、熱線定着用回
転部材に対向配置されるベルト(対向部材)と2本の小
径のローラ部材とにより、広いニップ領域が形成される
と共に、熱線定着用回転部材の対向部材の低熱容量化が
図られ、カラートナーによるカラー画像の急速加熱定着
が可能な定着装置が可能となる。
【0052】
【発明の効果】請求項1によれば、熱線定着用回転部材
に対向配置される2本の小径ローラ(対向部材)によ
り、広いニップ領域が形成されると共に、熱線定着用回
転部材の対向部材の低熱容量化が図られ、カラートナー
によるカラー画像の急速加熱定着が可能な定着装置が可
能となる。
【0053】請求項2によれば、熱線定着用回転部材に
対向配置されるベルト(対向部材)により、広いニップ
領域が形成されると共に、熱線定着用回転部材の対向部
材の低熱容量化が図られ、カラートナーによるカラー画
像の急速加熱定着が可能な定着装置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装
置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図
である。
【図2】図1の像形成体の側断面図である。
【図3】定着装置の構造を示す図である。
【図4】図3のロール状の熱線定着用回転部材の拡大断
面構成図である。
【図5】図3のロール状の熱線定着用回転部材の熱線吸
収層の濃度分布を示す図である。
【図6】図3のロール状の熱線定着用回転部材の透光性
基体の外径と厚さとを示す図である。
【図7】定着装置の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光光学系 13 現像器 17,17A 定着装置 17a 熱線定着ローラ 47a,47b ローラ 57a 駆動ローラ 57b 従動ローラ 57c ベルト 171a 透光性基体 171B 兼用層 171b 熱線吸収層 171c 離型層 171d 透光性弾性層 171e 透光性断熱層 171g ハロゲンランプ P 記録紙

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発光する熱線照射手段と、 該熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対して透光性
    を有する円筒状の透光性基体と、 前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性弾性層
    或いは透光性断熱層と、 前記透光性弾性層或いは前記透光性断熱層の外側に前記
    熱線を吸収する熱線吸収層とを設けてロール状の熱線定
    着用回転部材を形成すると共に、 前記熱線定着用回転部材の対向部材として、前記熱線定
    着用回転部材より小径の2本のローラを、前記熱線定着
    用回転部材に対向配置することを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 転写材上のトナー像を加熱と加圧とによ
    り前記転写材に固定する定着装置において、 熱線を発光する熱線照射手段と、 該熱線照射手段を内部に有し、前記熱線に対して透光性
    を有する円筒状の透光性基体と、 前記熱線に対して透光性を有する円筒状の透光性弾性層
    或いは透光性断熱層と、 前記透光性弾性層或いは前記透光性断熱層の外側に前記
    熱線を吸収する熱線吸収層とを設けてロール状の熱線定
    着用回転部材を形成すると共に、 前記熱線定着用回転部材の対向部材として、ベルトを対
    向配置することを特徴とする定着装置。
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