JP2001166287A - 投射型カラー表示装置 - Google Patents

投射型カラー表示装置

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JP2001166287A JP34765499A JP34765499A JP2001166287A JP 2001166287 A JP2001166287 A JP 2001166287A JP 34765499 A JP34765499 A JP 34765499A JP 34765499 A JP34765499 A JP 34765499A JP 2001166287 A JP2001166287 A JP 2001166287A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対の基板間に液晶が挟持されてなる液晶装
置をライトバルブとして備えた投射型カラー表示装置に
おいて、投射画像全体に渡って色むらや表示むらを低減
し、コントラスト比が高く且つ明るく鮮明なカラー画像
を表示する。 【解決手段】 液晶装置(100)は、1H反転駆動さ
れる。第1偏光板(201)の偏光軸及び第2偏光板
(202)の偏光軸が直交するように、これらの偏光板
を基板の外側に夫々配置する。第2基板に設けられた配
向膜には、1H反転駆動において同一極性の電圧が印加
される画素電極群の配列方向と直交する方向をラビング
方向(Rb)としてラビング処理が施されている。この
液晶装置をライトバルブとして3枚用いて投射型カラー
表示装置を構成し、この際、各液晶装置におけるミラー
反転軸の方向とラビング方向とを±7度以内に合わせ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の基板間に液
晶が挟持されてなる液晶装置をライトバルブとして備え
た投射型カラー表示装置の技術分野に属し、特にライト
バルブとして、マトリクス状に配置された複数の画素電
極の駆動電圧極性を行毎や列毎に反転させるライン反転
方式を採用する液晶装置を3色の光用に3枚備えた3板
方式の投射型カラー表示装置の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】従来、液晶装置をR(赤)G(緑)B
(青)の3色の光別にライトバルブとして3枚用いる3
板方式(複板方式)のカラー液晶プロジェクタが普及し
ている。
【0003】ここで用いられる液晶装置では、一方の基
板上に、アクティブマトリクス駆動、パッシブマトリク
ス駆動等の駆動方式に応じた、画素電極、走査線、デー
タ線、薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと称す)、
薄膜ダイオード(以下適宜、TFDと称す)などが形成
される。他方の基板上に、やはり駆動方式に応じた、対
向電極、配線、各画素の開口領域を規定する遮光膜等が
形成される。そして、これらの基板は、実際に画像が表
示される画像表示領域の周囲で、シール材により貼り合
わせられる。この貼り合わせられた一対の基板間には、
TN(TwistedNematic)液晶、STN(Super Twisted
Nematic)液晶等が挟持されている。そして動作時に、
一対の基板間に挟持された液晶には、一方の基板上に形
成された画素電極と他方の基板上に形成された対向電極
との間に発生する縦電界が印加され、これにより液晶の
配向状態が変化して、ここを通過する表示光の偏光状態
を変化させることにより画像表示が行われるように構成
されている。更に、この種の液晶装置では、液晶に対す
る直流電圧の印加により該液晶の劣化(例えば、液晶成
分の分解、液晶セル中に発生した不純物による汚染、表
示画像の焼き付きなど)が起きないように、各画素電極
についての駆動電圧の極性を例えば画像信号における1
フレームや1フィールドといった一定周期で反転させる
ことが一般に行われる。しかるに、単純に画像表示領域
を構成する全画素電極における駆動電圧の極性をこの一
定周期で反転させたのでは(即ち、所謂ビデオ反転駆動
方式では)、特に画素数が多い場合には、この一定周期
のフリッカやクロストークが発生してしまう。従ってこ
の一定周期のフリッカやクロストークの発生を防ぐよう
に、例えばこの一定周期で駆動電圧の極性を、画素電極
の行毎に反転させる1H反転駆動方式や画素電極の列毎
に反転させる1S反転駆動方式といったライン反転駆動
方式が開発されている。
【0004】このように構成された液晶装置を備えた3
板方式のカラー液晶プロジェクタでは、3枚の液晶装置
(ライトバルブ)により別々に光変調されたRGBの3
色光は、プリズムやダイクロイックミラーにより一つの
投射光に合成された後、スクリーン上に投写される。こ
のようにプリズム等で合成すると、例えば、図13に示
したように、RGB用の3枚のライトバルブ500R、
500G及び、500Bによる変調後に、ダイクロイッ
クミラー面を含むプリズム502で反射するR光及びB
光と比べると、G光は、プリズム502で反射されな
い。即ち、光の反転回数が、R光やB光と比べて一回だ
けG光について少なくなる。この現象は、もちろんG光
の代わりに、R光又はB光がプリズムで反射されないよ
うに係る合成光学系を構成しても同様に起こり、或いは
プリズムを用いることなく複数のダイクロイックミラー
を組み合わせて合成光学系を構成しても同様に起こる。
従って、このような場合、G光についての画像信号を信
号処理等により反転させることにより(即ち、左右或い
は上下逆方向に画面走査することにより)、ライトバル
ブ500Gでは反転画像を表示し、反転されたライトバ
ルブ500Gからの投射光をダイクロイックミラー又は
プリズムにおいて再度ミラー反転した後に、通常画像が
表示されるライトバルブ500R及び500Bからの投
射光と合成するように構成されている。尚、このように
反転画像及び通常画像間の対称軸をミラー反転軸とい
う。このように構成すれば、3枚の液晶装置を組み合わ
せる際に、特にG光用の液晶装置に対しても何等の装置
仕様の変更を施す必要はないので便利である。即ち、同
じ仕様の液晶装置を3枚用いて、一つの3板方式の投射
型カラー表示装置を構成できる。
【0005】尚、液晶装置における誘電率異方性が負の
液晶と垂直配向材を用いた垂直配向モードは、前述のT
N液晶やSTN液晶を用いたTNモードやSTNモード
と比べて透過率が一般に低いため、投射画像の明るさが
重視されるこの種の液晶プロジェクタには採用されてい
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た投射型カラー表示装置に用いられる液晶装置によれ
ば、上述のライン反転駆動方式の場合には、極性の相異
なる電圧が印加される列方向又は行方向に相隣接する画
素電極間で横電界が生じる。このため、画素電極と対向
電極との間で発生する縦電界で液晶の配向状態を制御す
ることが予定されている液晶装置においては、液晶の配
向不良が引き起こされてしまう。係る液晶の配向不良
は、その配向不良個所における光抜けによるコントラス
ト比の低下、或いはこの配向不良化所を隠すことによる
各画素の開口率(即ち、各画素において、その全体面積
に対する表示に寄与する光が出力される領域の面積の比
率)の低下につながり、表示画像が暗くなってしまう。
特に近時における表示画像の高精細度化に伴って、相隣
接する画素電極間の距離が短くなる程に、該距離に概ね
反比例して横電界の強さは強まるため、この問題は深刻
さを増してしまう。そして、このように横電界により生
じる液晶の配向不良は各画素内で均一に生じないため、
コントラスト比や透過率はこの配向不良によって画像表
示領域全体に渡って均一に低下する訳ではなく、画像表
示領域内の位置及び視角に応じて偏って低下する。例え
ば、コントラスト比や透過率は、画面の中央付近と端付
近とで無視し得ない程に相異なってしまったり、ある方
向から斜めに見た場合と他の方向から斜めに見た場合と
で無視し得ない程に相異なってしまうという問題点を持
つ。
【0007】従って、このような問題点を持つ液晶装置
を、図13を参照して説明したように、3板方式の液晶
プロジェクタに用いると、各液晶装置におけるコントラ
スト比や透過率が、画像表示領域内の位置及び視角に応
じて相異なって低下しているため、特に1枚の液晶装置
では目立たないような投射画像上におけるコントラスト
比や明るさのむらが、色合成により相互に増長されて、
投射画像上で局所的に色むらや表示むらが目立つように
なってしまうのが一般的である。例えば、投射画像の左
寄り部分では、R及びBの色の光が相対的に強いために
紫色っぽくなったり、投射画像の右寄り部分では、Gの
色の光が相対的に強いために緑色っぽくなったりし、或
いは投射画像の縁付近に近付く程コントラスト比が低下
してしまうという問題点がある。
【0008】加えて、前述の如く明るさ重視の要請から
採用されている、比較的透過率の高いTNモードやST
Nモードの液晶装置は、コントラスト比や視角特性が比
較的低いため、これをライトバルブとして用いた上述の
如き液晶プロジェクタでは、鮮明な映像を実現するのに
は本質的な限界があるという問題点もある。
【0009】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
であり、液晶装置をライトバルブとして3枚用いる3板
方式の投射型カラー表示装置において、投射画像全体に
渡っての色むらや表示むらが低減されており、コントラ
スト比が高く且つ明るく鮮明なカラー画像の表示が可能
である投射型カラー表示装置を提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の投射型カラー表
示装置は上記課題を解決するために、(i)誘電率異方性
が負である垂直配向型の液晶を挟持して互いに対向する
一対の第1及び第2基板と、該第1基板の前記液晶に対
向する側に、平面的に見て第1方向に配列されており第
1周期で反転駆動されるための第1画素電極群及び該第
1画素電極群と横並びに前記第1方向に配列されており
前記第1周期と相補の第2周期で反転駆動されるための
第2画素電極群を含む複数の画素電極と、前記第2基板
の前記液晶に対向する側に、対向電極と、前記第1及び
第2基板のうち少なくとも一方の前記液晶に対面する側
に、平面的に見て前記第1方向と交わる第2方向にラビ
ング処理が施されており、前記液晶の配向状態を電圧無
印加時にほぼ垂直配向とするように且つ前記第2方向に
所定のプレティルト角を持つように該ラビング処理が施
された配向膜と、前記第1基板の前記液晶の反対側に、
平面的に見て偏光軸が前記第2方向に対して斜めに配置
された第1偏光板と、前記第2基板の前記液晶の反対側
に、平面的に見て偏光軸が前記第1偏光板の偏光軸と直
交するように配置された第2偏光板とを備えた液晶装置
から夫々構成される3枚のライトバルブと、(ii)光を前
記3枚のライトバルブに夫々入射する光源手段と、(iv)
前記3枚のライトバルブから出射する3つの光を合成し
て投射する投射光学系とを備えており、前記3枚のライ
トバルブのうち1枚は、他の2枚と比べてミラー反転さ
れた画像が表示されるように駆動され、前記投射光学系
は、前記1枚のライトバルブからの光を前記他の2枚の
ライトバルブからの光に対して相対的にミラー反転して
から且つ前記3枚のライトバルブにおけるミラー反転軸
を光学的に合わせるように前記3つの光を合成し、前記
3枚のライトバルブは夫々、前記第2方向が前記ミラー
反転軸の方向に合わせられている。
【0011】本発明の投射型カラー表示装置によれば、
各液晶装置において、その動作時には、第1基板上の複
数の画素電極とこれに対向する第2基板上の対向電極と
の間における縦電界により、これらの基板間に挟持され
る液晶が駆動される。そして、偏光軸が直交するように
配置された一対の第1及び第2偏光板並びにこれらの間
で配向状態が変化させられる液晶層により、当該液晶装
置に入射する光が選択的に遮断されたり透過されたりし
て、画像表示が行われる。この際、第1画素電極群は、
第1周期で反転駆動され、第1画素電極と横並びに配列
された第2画素電極群は、該第1周期と相補の第2周期
で反転駆動される。即ち、前述したライン反転駆動方式
(1H反転駆動方式又は1S反転駆動方式)で当該液晶
装置は駆動される。従って、液晶に対する直流電圧の印
加による液晶の劣化を回避しつつフリッカやクロストー
クを防止できる。しかるに、第1基板上で横並びに配列
された第1画素電極群と第2画素電極群との間には、横
電界が生じる。従って、ここで何らの対策を講じなけれ
ば、縦電界で駆動されることが予定されている液晶に
は、係る横電界により配向不良が生じてしまう。そこで
本発明では特に、第1及び第2基板のうち少なくとも一
方の液晶に対面する側に設けられた配向膜には、平面的
に見て第1方向と交わる第2方向にラビング処理が施さ
れており、しかも液晶の配向状態を電圧無印加時にほぼ
垂直配向とするように且つ第2方向に所定のプレティル
ト角を持つように(例えば、基板面に垂直な方向から
0.5度程度傾くように)該ラビング処理が施されてい
る。
【0012】従って、垂直配向型の液晶は、電圧印加時
に第1方向と交わる第2方向に回動して傾斜する(倒れ
る)。他方で、基板に平行な横電界の成分も第1方向と
交わる方向に生じている。
【0013】ここで、本発明における、偏光軸が相互に
交わる一対の偏光板間に垂直配向型の液晶層を配置した
液晶装置の透過率について考察する。
【0014】液晶が一軸方向に揃って傾斜する本発明の
如き液晶装置では、その透過率Tは、次の式(1)で与
えられる。
【0015】 T=Sin2(2α)Sin2(πΔnd/λ)……(1) 但し、 α :偏光板の偏光軸と液晶の傾斜方向(ラビング方
向)のなす角度 Δnd:液晶の光学膜厚(n:液晶の屈折率、d:液晶
の膜厚) λ :入射光の波長 (尚、一対の偏光板は、それらの偏光軸が直交するよう
に配置されているものとする。) 従って本発明の如き構成では、2α及びπΔnd/λを
夫々π/2に近付けることにより、透過率Tを理論上1
00%に近付けることができる。しかも、本願発明者に
よる研究によれば、この理論上の透過率T=100%を
達成するための実践上の主な障害は、或いはこれら2つ
の数値(2αとπΔnd/λ)を固定した条件下で透過
率Tをなるべく大きくしようとするための実践上の主な
障害は、横電界による液晶を構成する液晶分子の一軸方
向からのずれ又は揺らぎであることが判明している。即
ち、横電界により液晶の傾斜方向にバラツキが生じる
と、上記式(1)自体が成立しなくなる(例えば、液晶
が一軸方向に揃って傾斜しないことにより、透過率は8
0%程度にまで低下してしまう)のである。
【0016】しかるに本発明では、ラビング処理は、第
2方向に(即ち、横電界の方向に沿って)行われている
ため、このような横電界による各液晶分子の一軸方向か
らのバラツキは低減されている。即ち、横電界が作用し
ても、ラビング方向により規定された各液晶分子の回動
面に沿った電界として作用するだけであるので、横電界
により各液晶分子がこの面から外れることはない。従っ
て本発明では、上記理論上の最高値である100%に近
い透過率Tを得ることが可能となり、或いは、これら2
つの数値(2αとπΔnd/λ)を固定した条件下で透
過率Tを大きくすることが可能となるのである。
【0017】以上の結果、本発明の液晶装置では、電圧
無印加時には、液晶が配向膜の作用により垂直配向して
いるため、第1及び第2偏光板の特性にほぼ依存する程
度まで良好な黒表示が得られる。他方で電圧印加時に
は、液晶分子の傾斜方向(即ち、ラビング方向)に沿っ
て横電界が作用することにより横電界の悪影響が低減さ
れ、前述した式(1)に従って一軸的に液晶分子が傾斜
する(倒れる)ことにより非常に高い透過率を得ること
ができる。しかも、1H反転駆動方式又は1S反転駆動
方式等のライン反転駆動方式を採用しており、且つ垂直
配向型の液晶装置として構築されているため、コントラ
スト比、視角特性及び応答特性に大変優れている。加え
て、このような独自の効果を得るために、例えば特開平
07−230097号公報等にあるように液晶分子の傾
斜方向を規制するための特殊な電極構造等の複雑な装置
構成を必要とすることもなく、本願発明の液晶装置は比
較的容易に製造可能であり実践上有利である。
【0018】そして以上の如く構成された液晶装置が、
本発明の投射型カラー表示装置におけるライトバルブと
して3枚備えられ、光源手段からの光がこれら3枚のラ
イトバルブに夫々入射される。すると図13に示したの
と同様の原理で、3枚のライトバルブのうち1枚は、他
の2枚と比べてミラー反転された画像が表示されるよう
に駆動され、投射光学系により、1枚のライトバルブか
らの光が他の2枚のライトバルブからの光に対して相対
的にミラー反転され、3枚のライトバルブにおけるミラ
ー反転軸が光学的に合わせられるように3つの光が合成
される。ここで特に、各液晶装置において第2方向(ラ
ビング方向)とミラー反転軸の方向とが合わせられてい
る。従って、ライトバルブとしての1枚の液晶装置では
目立たないようなコントラスト比や明るさのむらが、色
合成により相互に増長されて最終的に投射画像上で局所
的に色むらや表示むらが目立つようになる事態を効果的
に阻止し得る。
【0019】更に本発明の投射型カラー表示装置に備え
られる各液晶装置では、誘電率異方性が負の液晶を用い
て垂直配向モードによる液晶駆動が行われるため、TN
モードやSTNモードの場合と比較して、コントラスト
比や視角特性が比較的高い。従って、係るTNモードや
STNモードの液晶装置を3枚用いた従来の投射型カラ
ー表示装置と比べて、本発明の投射型カラー表示装置で
は、再現性に優れており視認性の高い鮮明な画像を投射
可能となる。加えて、垂直配向モードで駆動される液晶
装置は、視角特性が高いため、例えば約30度の範囲で
配光分布を有する入射光に対して高いコントラストを達
成できるので、液晶装置が小型化されて配光範囲が広く
なる程に、本願発明の上記独自の効果は顕在化してく
る。即ち、本発明の投射型カラー表示装置は、小型軽量
化を図る上でも有利である。
【0020】以上の結果、本発明の投射型カラー表示装
置によれば、投射画像全体に渡っての色むらや表示むら
が低減されており、コントラスト比が高く且つ明るく鮮
明なカラー画像の表示が可能となる。
【0021】本発明の投射型カラー表示装置の一の態様
では、前記3枚のライトバルブは夫々、前記第2方向が
前記ミラー反転軸の方向に±7度以内に合わせられてい
る。
【0022】この態様によれば、各ライトバルブにおい
て、第2方向(即ち、ラビング方向)とミラー反転軸の
方向とは、両者のなす角度が±7度以内に入るまで合わ
せられているので、ミラー反転軸に対して良好な光学特
性(コントラスト比及び透過率)の対称性が実現され
る。従って、3枚のライトバルブからの3つの光を合成
して得られる投射画像において、明るさ及びコントラス
ト比の色毎の不均一が低減されているため、色むらや表
示むらが低減された鮮明な投射画像が得られる。
【0023】本発明の投射型カラー表示装置の一の態様
では、前記液晶装置において夫々、前記第1偏光板の偏
光軸は、前記第2方向に対して38度〜52度の角度を
なし、前記第2偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対し
て38度〜52度の角度をなし、前記第1偏光板と前記
第2偏光板の偏光軸が直交に配置されている。
【0024】この態様によれば、第1偏光板の偏光軸
は、第2方向に対して38度〜52度の角度をなし、第
2偏光板の偏光軸は、第2方向に対して38度〜52度
の角度をなすので、上述の式(1)に従って、各液晶装
置における透過率を高めることができる。本願発明者に
よるシミュレーションによれば、これらの条件を満たせ
ば、90%を越す透過率を得ることも可能であり、しか
も液晶分子の一軸方向からのずれに対する透過率の変動
が極めて緩やかとなるので、実際の場合に液晶の傾斜方
向が一軸方向から多少ずれてもそれによる透過率への悪
影響が小さくて済み、最終的には、係る液晶の傾斜方向
のずれによらずに表示品質を均一にできるので大変有利
である。この結果、係る液晶装置をライトバルブとして
利用することで、本発明の投射型カラー表示装置におけ
る明るさを向上でき、色むらや表示むらを更に低減でき
る。
【0025】この態様では、前記液晶装置において夫
々、前記第1偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して
45度の角度をなし、前記第2偏光板の偏光軸は、前記
第2方向に対して45度の角度をなし且つ前記第1偏光
板の偏光軸と直交し、前記第2方向は、前記第1方向と
直交するように構成してもよい。
【0026】このように構成すれば、第1偏光板の偏光
軸は、第2方向に対して45度の角度をなし、第2偏光
板の偏光軸は、第2方向に対して45度の角度をなすの
で、上述の式(1)に従って、各液晶装置における透過
率を最大限に高めることができ、本発明の投射型カラー
表示装置における明るさを一層向上できる。
【0027】本発明の投射型カラー表示装置の他の態様
では、前記液晶装置は夫々、前記第1基板の前記液晶に
対向する側に、相交差する複数の走査線及び複数のデー
タ線を更に備えており、前記第1及び第2画素電極群は
夫々、前記走査線に沿って配列されており、前記ラビン
グ処理は、前記データ線に沿って施されている。
【0028】この態様によれば、各液晶装置は、相交差
する走査線及びデータ線を用いたアクティブマトリクス
駆動方式或いはパッシブマトリクス駆動方式の液晶装置
からなる。この際特に、第1及び第2画素電極群は夫
々、走査線に沿って配列されているので、1H反転駆動
が行われることになり、係る1H反転駆動中には、液晶
分子はデータ線に沿った方向に一軸的に傾斜するので、
これと同じ方向に発生する横電界による悪影響を効率的
に低減できる。この結果、本発明の投射型カラー表示装
置における表示品質を一層向上できる。
【0029】上述した走査線及びデータ線を備えた態様
では、前記液晶装置は夫々、前記第1基板の前記液晶に
対向する側に、前記複数の画素電極に夫々接続された複
数のスイッチング素子を更に備えており、前記複数の走
査線及び前記複数のデータ線は夫々、前記複数のスイッ
チング素子に接続されるように構成してもよい。
【0030】このように構成すれば、TFT、TFD等
の画素スイッチング用のスイッチング素子等から構成さ
れたアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置をライト
バルブとして用いることにより、本発明の投射型カラー
表示装置における表示品質を一層向上できる。
【0031】本発明の投射型カラー表示装置の他の態様
では、前記液晶装置において夫々、前記ラビング処理
は、前記第2基板上に施されており且つ前記第1基板上
に施されていない。
【0032】この態様によれば、各液晶装置において、
ラビング処理は、第2基板上に施されているので、電圧
無印加時に、垂直配向型の液晶を所定のプレティルト角
を持つように垂直配向させることができる。このように
ラビング処理を一方の基板にのみ実施すれば済むので、
工程削減が可能であり、これに伴い不良発生も低減でき
る。しかも、ラビング処理を、各種配線や素子等が形成
される第1基板上には施さないため、第1基板上におけ
る各種配線や素子における静電破壊による不良発生を大
幅に低減できる。この結果、係る液晶装置をライトバル
ブとして用いることにより、本発明の投射型カラー表示
装置における装置信頼性や製造歩留まりを改善できる。
【0033】本発明の投射型カラー表示装置の他の態様
によれば、前記投射光学系は、前記3枚のライトバルブ
から出射された3つの光を合成するダイクロイックミラ
ー又はプリズムを含む。
【0034】この態様によれば、ダイクロイックミラー
又はプリズムにより、1枚のライトバルブからの光(例
えば、Gの光)が他の2枚のライトバルブからの光(例
えば、Rの光及びBの光)に対して相対的にミラー反転
され、3枚のライトバルブにおけるミラー反転軸が光学
的に合わせられるように3つの光が合成される。この
際、ダイクロイックミラー又はプリズムを用いているの
で、比較的簡単な光学系により光損失を抑えつつ3つの
光を合成できる。
【0035】本発明の投射型カラー表示装置の他の態様
によれば、前記光源手段は、前記光を発する光源と、該
光源から発せられた光を3色の光に分離して前記3枚の
ライトバルブに夫々導く入射光学系とを備える。
【0036】この態様によれば、光源から発せられた光
が、入射光学系により3色の光に分離されて、3枚のラ
イトバルブに夫々導かれる。従って、1個の光源を用い
てカラー画像の投射が可能となり、光源手段における小
型軽量化及び製造コストの削減を図れる。
【0037】この態様では、前記入射光学系は、前記光
源から発せられた光を3色の光に分離するダイクロイッ
クミラー又はプリズムを含むように構成してもよい。
【0038】このように構成すれば、比較的簡単な光学
系により光損失を抑えつつ光源からの光を3色の光に分
離できる。
【0039】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。尚、以下の実施形態は、垂直配向
材、及び誘電率異方性が負の液晶を用いた垂直配向モー
ドで且つ1H反転駆動方式で駆動される透過型の液晶装
置を3枚用意し、これらをRGB3色用のライトバルブ
として夫々用いて投射型カラー表示装置を構成した実施
形態である。
【0041】(液晶装置の全体構成)先ず、本実施形態
の投射型カラー表示装置にライトバルブとして用いられ
る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照し
て説明する。ここでは、駆動回路内蔵型のTFTアクテ
ィブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとり説明を加
える。尚、図1は、液晶装置の平面図であり、図2は、
図1のH−H’断面図である。
【0042】図1及び図2において、液晶装置は、第1
基板の一例としてのTFTアレイ基板10と第2基板の
一例としての対向基板20との間に、誘電率異方性が負
である垂直配向モード用液晶からなる液晶層50が挟持
されてなる。TFTアレイ基板10と対向基板20と
は、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に
設けられたシール材52により相互に固着されている。
【0043】シール材52は、両基板を貼り合わせるた
めの、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、
その製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗
布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられた
ものである。また、シール材52中には、両基板間の距
離(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファ
イバー或いはガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)
が散布されている。
【0044】図1において、シール材52が配置された
シール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額
縁を規定する遮光膜53が(対向基板20側に)設けら
れている。
【0045】図1において、シール材52が配置された
シール領域の外側の周辺領域には、データ線駆動回路1
01及び実装端子102がTFTアレイ基板10の一辺
に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、こ
の一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にT
FTアレイ基板10の残る一辺には、画面表示領域の両
側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための
複数の配線105が設けられている。また、対向基板2
0のコーナー部の少なくとも一個所において、TFTア
レイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとる
ための上下導通材106が設けられている。データ線駆
動回路101及び走査線駆動回路104は各画素に設け
られた画素電極9a(図2参照)に対し各画素スイッチ
ング用TFTを介して画像信号を選択的に供給するため
のデータ線(ソース電極)及び走査線(ゲート電極)に
各々電気的接続されている。データ線駆動回路101に
は、図示しない制御回路から即時表示可能な形式に変換
された画像信号が入力され、走査線駆動回路104がパ
ルス的に走査線に順番に走査信号(ゲート電圧)を送る
のに合わせて、データ線駆動回路101は画像信号(ソ
ース電圧)をデータ線に送る。
【0046】図2において、TFTアレイ基板10上に
は、マトリクス状に配置された複数の画素電極9aと共
に、これを駆動するための画素スイッチング用TFT及
び走査線、データ線、容量線等の配線が形成されててお
り、その最上層(図2で上側の面上)にポリイミド系材
料等からなる垂直配向用の配向膜16が形成されてい
る。他方、対向基板20上(図2では、下側の面上)に
は、対向電極21の他、各画素毎の非開口領域を規定す
る遮光膜、カラーフィルタ等が形成されており、その最
上層にポリイミド系材料等からなる垂直配向用の配向膜
22が形成されている。
【0047】配向膜22は、その製造プロセスにおい
て、ポリイミド系材料を塗布し、焼成した後、液晶層5
0中の液晶を所定方向に配向させると共に液晶に所定の
プレティルト角を付与するようにラビング処理が施され
ている。本実施形態では特に、液晶層50は垂直配向す
るために、配向膜16に対してラビング処理を施す必要
はない。即ち、一方の配向膜22におけるラビング処理
により液晶の倒れる方向を制御できる。但し、配向膜2
2にラビング処理する代りに、配向膜16に対してラビ
ング処理を施してもよいし、或いは両者にラビング処理
を施してもよい。
【0048】更に、TFTアレイ基板10の外側の面上
(図2中、下側の面上)には、第1偏光板201が取り
付けられており、対向基板20の外側の面上(図2中、
上側の面上)には、第2偏光板202が取り付けられて
いる。なお、本実施例では、第1及び第2偏光板を第1
及び第2基板に直接取り付ける構成としたが、基板と偏
光板の間に空気、ガラス等を介在させても良い。これら
第1及び第2偏光板における偏光軸(透過軸)の方向、
配向膜22のラビング方向、同一極性でライン反転駆動
される画素電極群の配列方向、及び投射光学系における
ミラー反転軸の方向は、一定の関係を持つように構成さ
れているが、この点については後述する。
【0049】液晶層50は、垂直配向用の配向膜16及
び配向膜22の作用により、電圧無印加時に両基板間
で、ほぼ垂直配向状態をとる。しかも、配向膜22に対
してラビング処理が施されているため、例えば基板面に
対して約89.5度といった、ほぼ垂直配向状態をと
る。係る液晶のプレティルト角は、90度に近い程に黒
表示が良く(黒く)なるので、要求される装置仕様に応
じて液晶分子が一定の信頼性を持って一軸方向に揃って
傾斜する限りにおいて、なるべく90度に近付ける(例
えば、89.5度程度にする)のが好ましい。更に、液
晶層50は誘電率異方性が負である液晶からなるため、
電圧印加時には基板面に平行な方向に傾斜するがこの際
各液晶分子は、配向膜22に施したラビング方向に一軸
的に揃って傾斜する。液晶層50は、図1に示したよう
に液晶注入口の部分が欠落したシール材53及びこの液
晶注入口をその液晶注入工程の後に封止する封止材54
により液晶が基板間に封入されてなる。
【0050】(液晶装置における回路構成)次に、本実
施形態の投射型カラー表示装置にライトバルブとして用
いられる液晶装置における回路構成及びこれによる全体
動作について図3を参照して説明する。図3は、液晶装
置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された
複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であ
る。
【0051】図3において、液晶装置の画像表示領域を
構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素
電極9aと画素電極9aを制御するためのTFT30が
マトリクス状に複数形成されており、画像信号が供給さ
れるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に
接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S
1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構
わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対し
て、グループ毎に供給するようにしても良い。また、T
FT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されてお
り、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査
信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加す
るように構成されている。画素電極9aは、TFT30
のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素
子の一例としてのTFT30を一定期間だけそのスイッ
チを閉じることにより、データ線6aから供給される画
像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き
込む。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レ
ベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板に形
成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶
は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序
が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能に
する。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された
電圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とさ
れ、ノーマリーブラックモードであれば、印加された電
圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全
体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラスト
を持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリ
ークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との
間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加す
る。
【0052】(液晶装置の詳細構成)次に、本実施形態
の投射型カラー表示装置にライトバルブとして用いられ
る液晶装置の詳細構成について図4から図7を参照して
説明する。
【0053】図4は、データ線、走査線、画素電極等が
形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群
の平面図であり、図5は、図4のA−A’断面図であ
り、図6は、1H反転駆動方式における各電極における
電圧極性と横電界が生じる主領域とを示す画素電極の図
式的平面図であり、図7は、ラビング軸と偏光板透過軸
(偏光軸)とのなす角度に対する透過率の変化特性を示
すグラフである。尚、図5においては、各層や各部材を
図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各
部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0054】図4において、液晶装置のTFTアレイ基
板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a
(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられ
ており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ
線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。
データ線6aは、コンタクトホール5を介して例えばポ
リシリコン膜からなる半導体層1aのうち後述のソース
領域に電気接続されている。画素電極9aは、コンタク
トホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン
領域に電気接続されている。また、半導体層1aのうち
図中右下がりの斜線領域で示したチャネル領域1a’に
対向するように走査線3aが配置されており、走査線3
aはゲート電極として機能する。このように、走査線3
aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、チャネル
領域1a’に走査線3aがゲート電極として対向配置さ
れた画素スイッチング用TFT30が設けられている。
【0055】容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直
線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所か
らデータ線6aに沿って図中上方に突出した突出部とを
有する。
【0056】図5において、液晶装置は、透明なTFT
アレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基
板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例え
ば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向
基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。T
FTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられてい
る。画素電極9aは例えば、ITO(Indium Tin Oxid
e)膜などの透明導電性薄膜からなる。尚、画素電極9
aの表面に、ショート防止用の透明絶縁膜を形成しても
よい。
【0057】他方、対向基板20には、その全面に渡っ
て対向電極(共通電極)21が設けられており、その下
側には配向膜22が設けられている。対向電極21は例
えば、ITO膜などの透明導電性薄膜からなる。
【0058】TFTアレイ基板10には、各画素電極9
aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制
御する画素スイッチング用TFT30が設けられてい
る。
【0059】対向基板20には、対向基板20と対向電
極21との間における各画素の非開口領域に、遮光膜2
3が形成されており、対向基板20の側から入射光が画
素スイッチング用TFT30の半導体層1aのチャネル
領域1a’や低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン
領域1cに侵入することはない。更に、遮光膜23は、
表示画像におけるコントラスト比の向上、カラーフィル
タを用いた場合の色材の混色防止などの機能を有してお
り、走査線3aやデータ線6aに沿って(即ち、各画素
の境界に)発生し易いリバースティルトドメイン等の配
向不良領域を隠す機能をも有する。このような遮光膜を
対向基板20の側ではなく、TFTアレイ基板10上に
形成してもよい。
【0060】尚、本実施形態では、Al等からなる遮光
性のデータ線6aで、各画素の非開口領域のうちデータ
線6aに沿った部分を遮光することにより、各画素の開
口領域のうちデータ線6aに沿った輪郭部分を規定して
もよいし、このデータ線6aに沿った非開口領域につい
ても冗長的に又は単独で対向基板20に設けられた遮光
膜23で遮光するように構成してもよい。
【0061】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基
板10と対向基板20との間には、シール材(図1及び
図2参照)により囲まれた空間に液晶層50が形成され
る。
【0062】ここで図6を参照して、本実施形態で採用
する1H反転駆動方式における、相隣接する画素電極9
aの電圧極性と横電界の発生領域との関係について説明
する。
【0063】即ち、図6(a)に示すように、n(但
し、nは自然数)番目のフィールド或いはフレームの画
像信号を表示する期間中には、画素電極9a毎に+又は
−で示す液晶駆動電圧の極性は反転されず、行毎に同一
極性で画素電極9aが駆動される。その後図6(b)に
示すように、n+1番目のフィールド或いは1フレーム
の画像信号を表示するに際し、各画素電極9aにおける
液晶駆動電圧の電圧極性は反転され、このn+1番目の
フィールド或いは1フレームの画像信号を表示する期間
中には、画素電極9a毎に+又は−で示す液晶駆動電圧
の極性は反転されず、行毎に同一極性で画素電極9aが
駆動される。そして、図6(a)及び図6(b)に示し
た状態が、1フィールド又は1フレームの周期で繰り返
されて、本実施形態における1H反転駆動方式による駆
動が行われる。この結果、本実施形態によれば、直流電
圧印加による液晶の劣化を避けつつ、クロストークやフ
リッカの低減された画像表示を行える。尚、1H反転駆
動方式によれば、1S反転駆動方式と比べて、列方向の
クロストークが殆ど無い点で有利である。
【0064】図6(a)及び図6(b)から分かるよう
に、1H反転駆動方式では、横電界の発生領域C1は常
時、列方向(Y方向)に相隣接する画素電極9a間の間
隙付近となる。
【0065】そこで図4及び図6の下部に夫々複数の矢
印で示すように本実施形態では、第1偏光板201の偏
光軸(透過軸)P1及び第2偏光板202の偏光軸(透
過軸)P2が直交するように、これらの第1偏光板20
1及び第2偏光板202を配置する。そして、1H反転
駆動において同一極性の電圧が印加される画素電極群の
配列方向に等しい行方向(X方向或いは走査線3aに沿
った方向)と直交する列方向(Y方向或いはデータ線6
aに沿った方向)を、ラビング方向Rbとしてラビング
処理を施す。すると、1H反転駆動の際に、電圧無印加
時に液晶は、垂直配向用配向膜22の作用により垂直配
向しているため、偏光板の特性にほぼ依存する程度まで
良好な黒表示が得られる。他方で電圧印加時には、液晶
分子の傾斜方向(即ち、ラビング方向)に沿って横電界
が作用することにより横電界の悪影響が低減され、前述
した式(1)に従って一軸的に液晶分子が傾斜すること
により非常に高い透過率を得ることができる。
【0066】ここで、第1偏光板の偏光軸P1と第2偏
光板202の偏光軸P2とが直交する条件下で、ラビン
グ方向Rbと偏光軸の方向P1とのなす角度(図4及び
図6では、45度とされている角度)を変化させた際の
透過率を、前述の式(1)にしたがってシミュレーショ
ンにより求めた結果を図7のグラフに示す。
【0067】図7に示したグラフから分かるように、上
述の式(1)に従って、90%を超える透過率を得るた
めには、第1偏光板201の偏光軸の方向P1は、ラビ
ング方向Rbに対して38度〜52度の角度をなすこと
及び第2偏光板202の偏光軸の方向P2は、ラビング
方向Rbに対して38度〜52度の角度をなすことが条
件となる。
【0068】更に、図7に示したグラフから分かるよう
に、これらの角度についての条件を満たせば、90%を
越す透過率が得られるだけでなく、液晶層50を構成す
る液晶分子の一軸方向からのずれに対する透過率の変動
が極めて緩やかとなっている(特性曲線上では、極大値
付近で平坦な部分に相当する)。このため、実際の場合
に、製造誤差等の何らかの要因により液晶分子の傾斜方
向が一軸方向から多少ずれても、それによる透過率への
悪影響が小さくて済む。
【0069】また図7から明らかなように、第1偏光板
201の偏光軸の方向P1が、ラビング方向Rbに対し
て45度の角度をなし、第2偏光板202の偏光軸の方
向P2が、ラビング方向Rbに対して45度の角度をな
し且つ第1偏光板201の偏光軸と直交し、更にラビン
グ方向Rbは、同一極性でライン反転駆動される画素電
極群の配列方向である行方向(X方向)と直交するよう
に構成すれば、上述の式(1)に従って、当該垂直配向
型の液晶装置における透過率を最大限に(特性曲線上で
は、約98%程度にまで)高めることができる。
【0070】再び図5において更に、TFTアレイ基板
10と複数の画素スイッチング用TFT30との間に
は、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12
は、TFTアレイ基板10の全面に形成されることによ
り、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れ
や、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT3
0の特性の劣化を防止する機能を有する。下地絶縁膜1
2は、例えば、NSG(ノンドープトシリケートガラ
ス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロ
ンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケー
トガラス)などの高絶縁性ガラス又は、酸化シリコン
膜、窒化シリコン膜等からなる。
【0071】本実施形態では、半導体層1aを高濃度ド
レイン領域1eから延設して第1蓄積容量電極1fと
し、これに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電
極とし、ゲート絶縁膜を含んだ絶縁薄膜2を走査線3a
に対向する位置から延設してこれらの電極間に挟持され
た第1誘電体膜とすることにより、蓄積容量70が構成
されている。
【0072】図6において、画素スイッチング用TFT
30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有して
おり、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチ
ャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1
a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶
縁膜を含む絶縁薄膜2、データ線6a、半導体層1aの
低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半
導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイ
ン領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1eに
は、複数の画素電極9aのうちの対応する一つがコンタ
クトホール8を介して接続されている。また、走査線3
a及び容量線3bの上には、高濃度ソース領域1dへ通
じるコンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1eへ
通じるコンタクトホール8が各々形成された第1層間絶
縁膜4が形成されている。更に、データ線6a及び第1
層間絶縁膜4の上には、高濃度ドレイン領域1eへのコ
ンタクトホール8が形成された第2層間絶縁膜7が形成
されている。前述の画素電極9aは、このように構成さ
れた第2層間絶縁膜7の上面に設けられている。
【0073】図4及び図5に示すように、図4で左右に
相隣接する画素電極9aの間隙に位置する各画素の非開
口領域には、データ線6aが設けられており、各画素の
開口領域の輪郭のうちデータ線6aに沿った部分が規定
されており、且つデータ線6aにより当該非開口領域に
おける光抜けが防止されている。また、データ線6aの
下には、容量線3bの本線部からデータ線6aの下に沿
って突出した部分を利用して、蓄積容量70が形成され
ており、非開口領域の有効利用が図られている。
【0074】以上説明した実施形態では、画素スイッチ
ング用TFT30は、好ましくは図6に示したようにL
DD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ド
レイン領域1cに不純物イオンの打ち込みを行わないオ
フセット構造を持ってよいし、走査線3aの一部からな
るゲート電極をマスクとして高濃度で不純物イオンを打
ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を
形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。ま
た本実施形態では、画素スイッチング用TFT30のゲ
ート電極を高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領
域1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造とした
が、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよ
い。
【0075】ここで、以上のように垂直配向型液晶を用
いて構成された液晶装置において各種の反転駆動方式で
駆動を行った場合の、各反転駆動方式に対する透過率
(%)及びコントラスト比は、例えば次のようになる。
【0076】 反転駆動方式 透過率(%) コントラスト比 ビデオ反転駆動方式 75% 350 ドット反転駆動方式 52% 240 1S反転駆動方式 45% 210 1H反転駆動方式 70% 330 ビデオ反転駆動方式は、透過率及びコントラスト比共に
優れているが、特に画素数が多くなるに連れて、反転周
期であるフィールド或いはフレームの周期のフリッカや
クロストークが顕著に発生するため、特に近時における
高品位の画像表示への応用は困難である。ドット反転駆
動方式は、透過率及びコントラスト比共に総じて低い。
また、1S反転駆動方式では、やはり透過率及びコント
ラスト比が低い。
【0077】これに対して、本実施形態で採用されてい
る1H反転駆動方式は、透過率及びコントラスト比共に
優れており、しかも、ビデオ反転駆動方式のようなフリ
ッカやクロストークが発生しないので、最終的に明るく
高品位の画像表示が可能となる。特に、ここで示した1
S反転駆動方式と1H反転駆動方式との差は、ラビング
方向(即ち液晶分子が傾斜する方向)と横電界の方向と
を揃えたこととこれらを揃えないこととによる、液晶分
子の傾斜方向のバラツキに主に起因すると考えられる。
即ち、本願発明の如く、第1偏光板201における偏光
軸の方向P1、第1偏光板202における偏光軸の方向
P2、配向膜22のラビング方向Rb、及び同一極性で
ライン反転駆動される画素電極群の配列方向(本実施形
態では、走査線の方向)とに一定の関係を持たせること
により、垂直配向型の液晶装置における透過率及びコン
トラスト比を、顕著に高めることができるといえる。
【0078】以上詳細に説明したように、本実施形態の
投射型カラー表示装置にライトバルブとして用いられる
液晶装置によれば、横電界による悪影響を効率的に低減
できるので、明るさ及びコントラスト比を顕著に向上で
き、しかも垂直配向モードの採用によりTNモードやS
TNモードと比べて視角特性及び応答特性を顕著に向上
できる。
【0079】尚、以上説明した液晶装置では、ラビング
処理は、対向基板20側に実施されており、TFTアレ
イ基板10上には実施されていない。このようにラビン
グ処理を一方の基板にのみ実施すれば済むので、工程削
減が可能であり、これに伴い不良発生も低減できる。し
かも、TFTアレイ基板側をラビング処理しない構成と
することで、係るTFTアレイ基板10上に形成された
走査線3a、容量線3b、データ線6a等の各種配線や
画素スイッチング用TFT30等の電子素子等における
静電破壊による不良発生を大幅に低減できる。
【0080】また以上説明した液晶装置を、TFTアク
ティブマトリクス駆動方式以外の、TFDアクティブマ
トリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式などいずれ
の方式の液晶装置に適用しても、横電界の悪影響の低減
を図る本願独自の効果は発揮される。更に、駆動回路内
蔵型の液晶装置(図1及び図2参照)のみならず、駆動
回路を外付けする型の液晶装置に、第1実施形態を適用
しても、やはり同様の効果が得られる。
【0081】以上説明した液晶装置では、対向基板20
の外面及びTFTアレイ基板10の外面には各々、偏光
フィルム、位相差フィルムなどが所定の方向で配置され
てもよい。
【0082】更に、以上説明した液晶装置において、特
開平9−127497号公報、特公平3−52611号
公報、特開平3−125123号公報、特開平8−17
1101号公報等に開示されているように、TFTアレ
イ基板10上において画素スイッチング用TFT30に
対向する位置(即ち、TFTの下側)にも、例えば高融
点金属からなる遮光膜を設けてもよい。このようにTF
Tの下側にも遮光膜を設ければ、TFTアレイ基板10
の側からの裏面反射(戻り光)や複数の液晶装置をプリ
ズム等を介して組み合わせて一つの光学系を構成する場
合に、他の液晶装置からプリズム等を突き抜けて来る投
射光部分等が当該液晶装置のTFTに入射するのを未然
に防ぐことができる。また、対向基板20上に1画素1
個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。こ
のようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、
明るい液晶装置が実現できる。
【0083】(投射型カラー表示装置)次に、以上詳細
に説明した液晶装置をライトバルブとして用いた投射型
カラー表示装置について図8から図12を参照して説明
する。
【0084】先ず、本実施形態の投射型カラー表示装置
の回路構成について図8のブロック図を参照して説明す
る。尚、図8は、投射型カラー表示装置における3枚の
ライトバルブのうちの1枚に係る回路構成を示したもの
である。これら3枚のライトバルブは、基本的にどれも
同じ構成を持つので、ここでは1枚の回路構成に係る部
分について説明を加えるものである。但し厳密には、3
枚のライトバルブでは、入力信号が夫々異なり(即ち、
R用、G用、B用の信号で夫々駆動され)、更にG用の
ライトバルブに係る回路構成では、R用及びB用の場合
と比べて、画像を反転して表示するように画像信号の順
番を各フィールド又はフレーム内で逆転させるか又は水
平或いは垂直走査方向を逆転させる点も異なる。
【0085】図8において、投射型カラー表示装置は、
表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、
駆動回路1004、液晶装置100、クロック発生回路
1008並びに電源回路1010を備えて構成されてい
る。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Me
mory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク
装置などのメモリ、画像信号を同調して出力する同調回
路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック
信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表
示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情
報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、相展開回
路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回
路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、ク
ロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル
信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に駆動回路1
004に出力する。駆動回路1004は、液晶装置10
0を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所
定電源を供給する。尚、液晶装置100を構成するTF
Tアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよ
く、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載して
もよい。
【0086】次に図9を参照して、本実施形態の投射型
カラー表示装置の全体構成(特に光学的な構成)につい
て説明する。ここに図9は、投射型カラー表示装置の図
式的断面図である。
【0087】図9において、本実施形態における投射型
カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100
は、上述した駆動回路1004がTFTアレイ基板上に
搭載された液晶装置100を含む液晶モジュールを3個
用意し、夫々RGB用のライトバルブ100R、100
G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成さ
れている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハラ
イドランプ等の白色光源のランプユニット1102から
投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚
のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3
原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対
応するライトバルブ100R、100G及び100Bに
夫々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損
失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1
123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系
1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ10
0R、100G及び100Bにより夫々変調された3原
色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム111
2により再度合成された後、投射レンズ1114を介し
てスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0088】本実施形態では特に、図13に示したのと
同様の原理に基づき、ライトバルブ100Gは、ライト
バルブ100R及び100Bと比べてミラー反転された
画像が表示されるように駆動される。そして、投射光学
系の一例を構成するダイクロイックプリズム1112に
より、ライトバルブ100Gからの光がライトバルブ1
00R及び100Bからの光に対して相対的にミラー反
転され、更に3枚のライトバルブ100R、100G及
び100Bにおけるミラー反転軸が光学的に合わせられ
るように、これら3つの光が合成される。
【0089】即ち、例えば図10に示すように、各ライ
トバルブに係るミラー反転軸110は、ダイクロイック
プリズム1112により光学的に合わされ、ライトバル
ブ100Rから出射される文字“E”に対応するR光
と、ライトバルブ100Gから出射されるに文字“E”
の反転文字に対応するG光がミラー反転した後のG光
と、ライトバルブ100Bから出射される文字“E”に
対応するB光とが重ね合わされる。この結果、重ね合わ
された光は、RGBの画像信号により規定される色の文
字“E”に対応するカラー光となり、最終的にスクリー
ン1120にカラーの文字“E”が投射される。
【0090】図11に、ライトバルブ100R、100
G及び100Bにおける視角特性の一例を示す。尚、こ
れら3つのライトバルブは同一仕様のものであり、製造
誤差を除けば視角特性も同一である。ここに、図11の
特性図は、画像表示領域をどの方向から見るかを、中心
を基準とする方位に対応させて示すと共に、法線方向か
らどれだけ(何度)傾斜して見るかを、中心からの距離
に対応させて示したものである。図11では特に、CR
(コントラスト比)が50以上となる領域を右下がりの
ハッチングで示してあり、CRが100以上となる領域
をクロスハッチングで示してある。
【0091】図11に示すように、コントラスト比は、
どれだけ斜めから見るかでばらつくだけでなく、上下左
右等のどちらの方向から見るかで大きくばらついてい
る。
【0092】そこで本実施形態では図10に示すよう
に、ライトバルブ100R、100G及び100Bにお
いて夫々、ラビング方向Rbとミラー反転軸110の方
向とを±7度以内に合わせる。これにより、ミラー反転
軸110に対して良好な光学特性(コントラスト比及び
透過率)の対称性が実現される。尚、この両者間のなす
角度は、0度に近い程よいが、投射画像における色むら
官能評価結果に基づけば、係る±7度以内であれば良好
な画像を投射でき、更に垂直配向モードにおける視角特
性からも、係る±7度以内であれば実用上問題はない。
このようにミラー反転軸110に対して良好な光学特性
の対称性が実現されると、ライトバルブとしての1枚の
液晶装置では目立たないようなコントラスト比や明るさ
のむらが、色合成により相互に増長されて最終的に投射
画像上で局所的に色むらや表示むらが目立つようになる
事態を効果的に阻止し得る。例えば、投射画像の左寄り
部分でR及びBの色の光が強くても或いはそれらのコン
トラスト比が高くても、Gの色の光も同様に強いため或
いはそのコントラスト比も同様に高いため、3色合成に
おける色バランスがこの左寄り部分でくずれることはな
い。他方、投射画像の右寄り部分でR及びBの色の光が
弱くても或いはそれらのコントラスト比が低くても、G
の色の光も同様に強いため或いはそのコントラスト比も
同様に低いため、やはり3色合成における色バランスが
この右寄り部分でくずれることはない。しかも、図11
に示したように、垂直配向モードで駆動されるライトバ
ルブは、TNモードやSTNモードの場合と比べてコン
トラスト比や視角特性に優れているため、例えば約30
度の範囲で配光分布を有する入射光に対して高いコント
ラストを達成できる。従って、液晶装置が小型化されて
配光範囲が広くなっても、液晶プロジェクタ1100で
十分なコントラスト比や視角特性を実現可能となる。
【0093】以上の結果、液晶プロジェクタ1100
は、小型化に適しており、投射画像の全体に渡って色の
再現性に優れており、視認性の高い鮮明な画像を表示で
きる。特に明るい室内環境でも鮮明な投射画像が得られ
る。
【0094】尚、本実施形態では、図9に示したよう
に、1個のランプユニット1102からの白色光をRG
B3色光に分離するダイクロイックミラー1108と、
3枚のライトバルブ100R、100G及び100Bに
夫々導くミラー、レンズ等の入射光学系とから光源手段
の一例が構成されているので、光損失を低減しつつ不要
な熱の発生による温度上昇を防ぐことができる。
【0095】但し、図12に変形例として示すように、
3個のランプユニット1102’から発せられる光をコ
リメータレンズ1115並びにRGB別のカラーフィル
タ1116R、1116G及び1116Bを夫々介して
3枚のライトバルブ100R、100G及び100Bに
入射するように液晶プロジェクタ1100’を構成して
もよい。更に、この場合には、カラーフィルタ1116
R、1116G及び1116Bをライトバルブ100
R、100G及び100Bの出射側に夫々設けてもよ
い。
【0096】本発明は、上述した各実施形態に限られる
ものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れ
る発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能
であり、そのような変更を伴なう投射型カラー表示装置
もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の投射型カラー表示装置にラ
イトバルブとして用いられる液晶装置の全体構成を示す
平面図である。
【図2】図1のH−H’断面図である。
【図3】図1の液晶装置における画像表示領域を構成す
るマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配
線等の等価回路である。
【図4】図1の液晶装置におけるデータ線、走査線、画
素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複
数の画素群の平面図である。
【図5】図4のA−A’断面図である。
【図6】図1の液晶装置で用いられる1H反転駆動方式
における各電極における電圧極性と横電界が生じる領域
とを示す画素電極の図式的平面図である。
【図7】図1の液晶装置におけるラビング軸と偏光板の
透過軸とのなす角度に対する透過率の変化特性を示す特
性図である。
【図8】本実施形態の投射型カラー表示装置におけるラ
イトバルブに係る回路構成を示したブロック図である。
【図9】本実施形態の投射型カラー表示装置の一例たる
カラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
【図10】本実施形態に係るライトバルブにおけるミラ
ー反転軸とラビング方向との関係を示す説明図である。
【図11】本実施形態に係るライトバルブにおける視角
特性の一例を示す特性図である。
【図12】本実施形態に係るカラー液晶プロジェクタの
変形例を示す図式的断面図である。
【図13】カラー液晶プロジェクタにおける3色の色を
合成する様子を示す色合成光学系の図式的断面図であ
る。
【符号の説明】
9a…画素電極 10…TFTアレイ基板 16…配向膜 20…対向基板 21…対向電極 22…配向膜 30…TFT 50…液晶層 52…シール材 53…遮光膜 54…封止材 100…液晶装置 100R、100G、100B…ライトバルブ 110…ミラー反転軸 1100…液晶プロジェクタ 1102…ランプユニット 1108…ダイクロイックミラー 1112…ダイクロイックプリズム 1120…スクリーン 1121…リレーレンズ系 1122…入射レンズ 1123…リレーレンズ 1124…出射レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 EA14 HA13 HA24 KA27 MA04 2H091 FA05X FA05Z FA26X FA41Z FD01 GA11 LA15 MA07 2H093 NA16 NA32 NA43 NA62 NC34 5G435 AA02 BB12 BB17 CC09 CC12 DD02 DD05 EE33 FF05 GG01 GG02 GG03 GG04 GG08 GG12 GG26 GG28 GG46 LL15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)誘電率異方性が負である垂直配向型
    の液晶を挟持して互いに対向する一対の第1及び第2基
    板と、 該第1基板の前記液晶に対向する側に、平面的に見て第
    1方向に配列されており第1周期で反転駆動されるため
    の第1画素電極群及び該第1画素電極群と横並びに前記
    第1方向に配列されており前記第1周期と相補の第2周
    期で反転駆動されるための第2画素電極群を含む複数の
    画素電極と、 前記第2基板の前記液晶に対向する側に、対向電極と、 前記第1及び第2基板のうち少なくとも一方の前記液晶
    に対面する側に、平面的に見て前記第1方向と交わる第
    2方向にラビング処理が施されており、前記液晶の配向
    状態を電圧無印加時にほぼ垂直配向とするように且つ前
    記第2方向に所定のプレティルト角を持つように該ラビ
    ング処理が施された配向膜と、 前記第1基板の前記液晶の反対側に、平面的に見て偏光
    軸が前記第2方向に対して斜めに配置された第1偏光板
    と、 前記第2基板の前記液晶の反対側に、平面的に見て偏光
    軸が前記第1偏光板の偏光軸と直交するように配置され
    た第2偏光板とを備えた液晶装置から夫々構成される3
    枚のライトバルブと、 (ii)光を前記3枚のライトバルブに夫々入射する光源手
    段と、 (iv)前記3枚のライトバルブから出射する3つの光を合
    成して投射する投射光学系とを備えており、 前記3枚のライトバルブのうち1枚は、他の2枚と比べ
    てミラー反転された画像が表示されるように駆動され、 前記投射光学系は、前記1枚のライトバルブからの光を
    前記他の2枚のライトバルブからの光に対して相対的に
    ミラー反転してから且つ前記3枚のライトバルブにおけ
    るミラー反転軸を光学的に合わせるように前記3つの光
    を合成し、 前記3枚のライトバルブは夫々、前記第2方向が前記ミ
    ラー反転軸の方向に合わせられていることを特徴とする
    投射型カラー表示装置。
  2. 【請求項2】 前記3枚のライトバルブは夫々、前記第
    2方向が前記ミラー反転軸の方向に±7度以内に合わせ
    られていることを特徴とする請求項1に記載の投射型カ
    ラー表示装置。
  3. 【請求項3】 前記液晶装置において夫々、前記第1偏
    光板の偏光軸は、前記第2方向に対して38度〜52度
    の角度をなし、 前記第2偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して38
    度〜52度の角度をなし、 前記第1偏光板と前記第2偏光板の偏光軸が直交するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の投射型カラー表
    示装置。
  4. 【請求項4】 前記液晶装置において夫々、前記第1偏
    光板の偏光軸は、前記第2方向に対して45度の角度を
    なし、 前記第2偏光板の偏光軸は、前記第2方向に対して45
    度の角度をなし且つ前記第1偏光板の偏光軸と直交し、 前記第2方向は、前記第1方向と直交することを特徴と
    する請求項3に記載の投射型カラー表示装置。
  5. 【請求項5】 前記液晶装置は夫々、前記第1基板の前
    記液晶に対向する側に、相交差する複数の走査線及び複
    数のデータ線を更に備えており、 前記第1及び第2画素電極群は夫々、前記走査線に沿っ
    て配列されており、 前記ラビング処理は、前記データ線に沿って施されてい
    ることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記
    載の投射型カラー表示装置。
  6. 【請求項6】 前記液晶装置は夫々、前記第1基板の前
    記液晶に対向する側に、前記複数の画素電極に夫々接続
    された複数のスイッチング素子を更に備えており、 前記複数の走査線及び前記複数のデータ線は夫々、前記
    複数のスイッチング素子に接続されたことを特徴とする
    請求項5に記載の投射型カラー表示装置。
  7. 【請求項7】 前記液晶装置において夫々、前記ラビン
    グ処理は、前記第2基板上に施されており且つ前記第1
    基板上に施されていないことを特徴とする請求項1から
    6のいずれか一項に記載の投射型カラー表示装置。
  8. 【請求項8】 前記投射光学系は、前記3枚のライトバ
    ルブから出射された3つの光を合成するダイクロイック
    ミラー又はプリズムを含むことを特徴とする請求項1か
    ら7のいずれか一項に記載の投射型カラー表示装置。
  9. 【請求項9】 前記光源手段は、前記光を発する光源
    と、該光源から発せられた光を3色の光に分離して前記
    3枚のライトバルブに夫々導く入射光学系とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の
    投射型カラー表示装置。
  10. 【請求項10】 前記入射光学系は、前記光源から発せ
    られた光を3色の光に分離するダイクロイックミラー又
    はプリズムを含むことを特徴とする請求項9に記載の投
    射型カラー表示装置。
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