JP2001164992A - スターリングエキスパンダ - Google Patents

スターリングエキスパンダ

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JP2001164992A
JP2001164992A JP35309699A JP35309699A JP2001164992A JP 2001164992 A JP2001164992 A JP 2001164992A JP 35309699 A JP35309699 A JP 35309699A JP 35309699 A JP35309699 A JP 35309699A JP 2001164992 A JP2001164992 A JP 2001164992A
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JP
Japan
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piston
temperature chamber
power piston
pressure gas
volume
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JP35309699A
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English (en)
Inventor
Sumio Yagyu
寿美夫 柳生
Naoji Isshiki
尚次 一色
Seita Isshiki
誠太 一色
Hiroshi Kojima
博 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Maeta Concrete Industry Ltd
Kashiyama Industries Ltd
Original Assignee
Kubota Corp
Maeta Concrete Industry Ltd
Kashiyama Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スターリングエキスパンダの比出力を向上さ
せる。 【解決手段】 全室容積を増加させる容積増加工程と減
少させる容積減少工程とを繰り返すパワーピストン2、
及び、低温室Cから加熱器5を備える高温室Hへ熱再生
器7を通じ作動ガスGを移動させる高温化工程と作動ガ
スGを逆に移動させる低温化工程とを繰り返すディスプ
レーサピストン4を設け、容積減少工程から容積増加工
程への移行時点付近で低温室Cへ作動ガスGとする圧力
ガスSを注入し、かつ、容積減少工程に伴い低温室Cか
ら内部圧力ガスSを排出する圧力ガス給排手段Lを設け
る構成において、容積増加工程の前期に、高温化工程に
あるディスプレーサピストン4のパワーピストン2に対
する見掛け上の、又は、実際の先行クランク角度差Δθ
を拡大して、注入圧力ガスSの低温室Cから高温室Hへ
の移動を高速化するディスプレーサピストン早戻し機構
Kを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の用途の動力
源に用いるスターリングエキスパンダに関し、詳しく
は、熱再生器を通じて連通する高温室と低温室との全室
容積を増加させる容積増加工程とその全室容積を減少さ
せる容積減少工程とを繰り返すパワーピストンを設け、
このパワーピストンと等しい周期で動作して、パワーピ
ストンの容積増加工程の際に低温室から加熱器を備える
高温室へ熱再生器を通じ作動ガスを移動させる高温化工
程と、パワーピストンの容積減少工程の際に高温室から
低温室へ熱再生器を通じ作動ガスを移動させる低温化工
程とを繰り返すディスプレーサピストンを設け、パワー
ピストンの容積減少工程から容積増加工程への移行時点
付近で低温室へ作動ガスとする圧力ガスを注入し、か
つ、パワーピストンの容積減少工程に伴い低温室から作
動ガスとしての内部圧力ガスの一部を排出する圧力ガス
給排手段を設けるスターリングエキスパンダに関する。
【0002】
【従来の技術】このようなスターリングエキスパンダ
は、スターリングサイクルを行うスターリングエンジン
や、ランキンサイクルを行う蒸気機関に比べ、図3に実
線で示す如き複合サイクル(一点鎖線で示すスターリン
グサイクルの上半部を上部に有し、二点鎖線で示すラン
キンサイクルの下半部を下部に有する複合サイクル)の
実施により高い比出力を得られるものとして、また、高
圧ヘリウムガスなどの封入ガスを作動ガスとするスター
リングエンジンに比べ、特殊な作動ガスの高圧封入が不
要で装置構造も簡略にし得るものとして提案されている
が(例えば、特開平11−107856号参照)、従
来、この種のスターリングエキスパンダでは、図4,図
5に示す如く、ディスプレーサピストン4をパワーピス
トン2よりも一定のクランク角度差Δθ(例えば60°
〜90°程度の所定角度差)だけ単純に先行(進相)さ
せた位相差関係で両ピストン2,4を動作させており、
両ピストン2,4は全工程を通じ、その一定のクランク
角度差Δθを保って動作していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の如き従
来のスターリングエキスパンダでは、一定のクランク角
度差Δθを保った両ピストン2,4の動作上、パワーピ
ストン2の容積増加工程において、低温室Cへ注入した
圧力ガスS(例えば蒸気)のディスプレーサピストン動
作による高温室Hへの移動がパワーピストン動作による
全室容積Vの増加と同調的に進行する緩慢なものに制限
され、その分、熱再生器7及び加熱器5での熱付与によ
る内部圧力ガスSの圧力上昇(スターリングサイクルに
おける等温膨張)が効果的に進まず、比出力の向上が制
限される問題があった。
【0004】この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、
パワーピストンとディスプレーサピストンとの連係に対
する合理的な改良により、スターリングエキスパンダに
おける比出力の一層効果的な向上を可能にする点にあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔1〕請求項1に係る発
明では、熱再生器を通じて連通する高温室と低温室との
全室容積を増加させる容積増加工程とその全室容積を減
少させる容積減少工程とを繰り返すパワーピストンを設
け、このパワーピストンと等しい周期で動作して、前記
パワーピストンの容積増加工程の際に前記低温室から加
熱器を備える前記高温室へ前記熱再生器を通じ作動ガス
を移動させる高温化工程と、前記パワーピストンの容積
減少工程の際に前記高温室から前記低温室へ前記熱再生
器を通じ作動ガスを移動させる低温化工程とを繰り返す
ディスプレーサピストンを設け、前記パワーピストンの
容積減少工程から容積増加工程への移行時点付近で前記
低温室へ作動ガスとする圧力ガスを注入し、かつ、前記
パワーピストンの容積減少工程に伴い前記低温室から作
動ガスとしての内部圧力ガスの一部(先の注入量に対し
質量的に相当する量)を排出する圧力ガス給排手段を設
けるスターリングエキスパンダにおいて、前記パワーピ
ストンの容積増加工程における前期に、高温化工程にあ
る前記ディスプレーサピストンの前記パワーピストンに
対する見掛け上の、又は、実際の先行クランク角度差を
拡大して、前記圧力ガス給排手段による注入圧力ガスの
前記低温室から前記高温室への移動を全室容積の増加に
対し相対的に高速化するディスプレーサピストン早戻し
機構を設ける。
【0006】つまり、この装置構成によれば(図1及び
図2参照)、上記の如くパワーピストン2の容積増加工
程における前期に、高温化工程にあるディスプレーサピ
ストン4のパワーピストン2に対する見掛け上の、又
は、実際の先行クランク角度差Δθを拡大して、その拡
大過程でのディスプレーサピストン4のパワーピストン
2に対する相対速度の高速化により、低温室Cへの注入
圧力ガスS(例えば蒸気)のディスプレーサピストン動
作による高温室Hへの移動をパワーピストン動作による
全室容積Vの増加に比べ相対的に高速化することで、注
入圧力ガスSの高温室Hへの移動が全室容積Vの増加と
同調的に進行する従来のスターリングエキスパンダに比
べ、容積増加工程における熱再生器7及び加熱器5での
熱付与による内部圧力ガスSの圧力上昇を効果的に促進
することができ、これにより、比出力を一層効果的に向
上させることができる。
【0007】なお、請求項1に係る発明に実施にあたっ
ては、容積増加工程の前期にディスプレーサピストン4
のパワーピストン2に対する見掛け上の、又は、実際の
先行クランク角度差Δθを拡大するのに、ディスプレー
サピストン4の動作を速くして先行クランク角度差Δθ
を拡大する形態、逆にパワーピストン2の動作を遅くし
て先行クランク角度差Δθを拡大する形態、あるいはま
た、その両方により先行クランク角度差Δθを拡大する
形態のいずれを採用してもよい。
【0008】〔2〕請求項2に係る発明では、請求項1
に係る発明の実施において、前記パワーピストンと前記
ディスプレーサピストンを、各ピストンに対して前記高
温室が同じ側に位置する平行姿勢で並列に配置し、両ピ
ストンの中心軸心と平行な姿勢でそれら中心軸心どうし
の間の中央付近に位置する軸心に対し回転中心が直交す
るクランク軸を設け、このクランク軸に前記パワーピス
トン及び前記ディスプレーサピストンを各別のクランク
ロッドを介し連結して、前記ディスプレーサピストン早
戻し機構を構成する。
【0009】つまり、この構成による作用を例を挙げて
説明すれば、例えば、図1の装置構成においてクランク
軸17を図中の矢印の向きに回転させる場合、ディスプ
レーサピストン4については、その中心軸心q2に対し
クランク軸17の回転中心qcが図中左側にズレている
ことから、図1,図2の如く、ディスプレーサピストン
用クランクロッド19のクランク軸17に対する連結点
17aがイ点〜ハ点に移動する工程(すなわち、本例に
おいてディスプレーサピストン4が上死点から下死点に
移動する高温化工程)で、ディスプレーサピストン4の
平均動作速度が高くなり、一方、同連結点17aがハ点
〜イ点に戻る工程(すなわち、本例においてディスプレ
ーサピストン4が下死点から上死点に移動する低温化工
程)で、ディスプレーサピストン4の平均動作速度が低
くなる。
【0010】また、パワーピストン2については、その
中心軸心q1に対しクランク軸17の回転中心qcが図
中右側にズレていることから、同図1,図2の如く、パ
ワーピストン用クランクロッド18のクランク軸17に
対する連結点17a(本例ではディスプレーサピストン
用クランクロッド19の連結点に同じ)がロ点〜ニ点に
移動する工程(すなわち、本例においてパワーピストン
2が上死点から下死点に移動する容積増加工程)で、パ
ワーピストン2の平均動作速度が低くなり、一方、同連
結点17aがニ点〜ロ点に戻る工程(すなわち、本例に
おいてパワーピストン2が下死点から上死点に移動する
容積減少工程)で、パワーピストン2の平均同動作速度
が高くなる。
【0011】そして、このように両ピストン2,4の平
均動作速度が周期的に変化することで、両ピストン2,
4の見掛け上のクランク角度差Δθが周期的に変化する
ものとなり、この周期変化において、パワーピストン2
の容積増加工程における前期に、ディスプレーサピスト
ン4の高速動作とパワーピストン2の低速動作とをもっ
て、ディスプレーサピストン4のパワーピストン2に対
する見掛け上の先行クランク角度差Δθが拡大する状態
となる。
【0012】すなわち、この例に代表されるように、請
求項2に係る発明によれば、両ピストン2,4とクラン
ク軸17との上記の如き配置関係の設定だけで、パワー
ピストン2の容積増加工程における前期に、ディスプレ
ーサピストン4を高速化し、かつ、パワーピストン2を
低速化する形態(略言すれば、見掛け上のクランク角度
差Δθの拡大を両ピストン2,4において分担する形
態)で、ディスプレーサピストン4のパワーピストン2
に対する見掛け上の先行クランク角度差Δθを効果的に
拡大させることができ、これにより、装置構造を簡略に
しながら請求項1に係る発明の効果を得ることができ
る。
【0013】〔3〕請求項3に係る発明では、請求項1
又は2に係る発明の実施において、前記圧力ガス給排手
段における前記低温室への圧力ガス注入路に、前記低温
室からの圧力ガスの逆流を阻止する逆止弁を設ける。
【0014】つまり、この構成によれば(図1参照)、
パワーピストン2の容積増加工程において熱再生器7及
び加熱器5での熱付与による内部圧力ガスSの圧力上昇
で、その内部圧力ガスSが圧力ガス注入圧に打ち勝って
低温室Cから圧力ガス注入路9へ逆流漏出することを、
上記逆止弁24により阻止して、そのような逆流漏出に
よる内部圧力ガスSの圧力上昇値の低下を防止でき、こ
れにより、請求項1又は2に係る発明による比出力の効
果的な向上を確実にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は2シリンダ・ガンマ型のス
ターリングエキスパンダを示し、1はパワーピストン2
を内装したパワーシリンダ、3はディスプレーサピスト
ン4を内装した底部閉塞型のディスプレーサシリンダで
あり、両シリンダ1,3は両ピストン2,4の動作方向
が平行となる平行姿勢で並列に配置してある。
【0016】パワーシリンダ1のピストン先端側室1a
とディスプレーサシリンダ3のピストン先端側室3aと
は、一連の高温室Hとして加熱管5を通じ連通させてあ
り、この高温室Hにおいて加熱管5は内部の作動ガスG
を加熱する加熱器を構成し、この加熱管5において管内
を通過する作動ガスGを付帯のバーナ6により加熱す
る。
【0017】ディスプレーサシリンダ3のピストン基端
側室3bは低温室Cとして、ディスプレーサピストン4
に形成の内部ガス路4aを通じディスプレーサシリンダ
3における高温室Hとしてのピストン先端側室3aに連
通させてあり、ディスプレーサピストン4に形成の内部
ガス路4aには、通気性の蓄熱材充填層からなる熱再生
器7を設けてある。
【0018】ディスプレーサシリンダ3における低温室
Cとしてのピストン基端側室3bには、シリンダ底部寄
りに配置して張り出し部3cを形成し、この張り出し部
3cには、ボイラ8により生成した飽和近傍の高圧蒸気
Sを作動ガスGとして低温室Cに注入する蒸気注入路
9、及び、作動ガスGとしての内部蒸気Sを低温室Cか
ら外部(大気中ないし復水器)へ排出する蒸気排出路1
0を接続するとともに、蒸気注入路9を開閉する蒸気注
入弁11、及び、蒸気排出路10を開閉する蒸気排出弁
12を設けてある。
【0019】13はパワーピストン2のピストンロッド
14をパワーピストン2の中心軸心q1に沿う姿勢に保
った状態でパワーピストン2とともに往復動作させる案
内機構、15は同じくディスプレーサピストン4のピス
トンロッド16をディスプレーサピストン4の中心軸心
q2に沿う姿勢に保った状態でディスプレーサピストン
4とともに往復動作させる案内機構である。
【0020】17はクランク軸であり、このクランク軸
17は、両ピストン2,4の中心軸心q1,q2と平行
な姿勢でそれら中心軸心q1,q2どうしの間の中央付
近に位置する軸心q3に対し回転中心qcが直交する配
置で両シリンダ1,3の底部側に配設し、このクランク
軸17における共通のクランクピン17a(ないし同位
相に配置した各別のクランクピン)に、パワーピストン
2のピストンロッド14及びディスプレーサピストン4
のピストンロッド16を各別のクランクロッド18,1
9を介して連結してある。
【0021】また、このクランク軸17に対し蒸気注入
弁11及び蒸気排出弁12は、チェーン連動機構20,
21及びカム機構22,23を介して連動させるように
してあり、この連動により、蒸気注入弁11はパワーピ
ストン2の上死点付近で開弁して低温室Cへボイラ生成
蒸気Sを注入し、また、蒸気排出弁12はパワーピスト
ン2の下死点付近から上死点への移動過程にかけて開弁
して低温室Cから内部蒸気Sの一部(先の注入量に対し
質量的に相当する量)を排出する。
【0022】つまり、以上の構成により、パワーピスト
ン2は、クランク軸17を図中の矢印の方向に回転させ
ることにおいて、図2の如く、熱再生器7を通じ連通す
る高温室Hと低温室Cとの全室容積Vを増加させる容積
増加工程と、その全室容積Vを減少させる容積減少工程
とを往復動作により繰り返し、一方、ディスプレーサピ
ストン4は、パワーピストン2と等しい周期でパワーピ
ストン2に対し先行動作して、パワーピストン2の容積
増加工程の際に低温室Cから高温室Hへ熱再生器7を通
じ作動ガスG(注入蒸気S)を移動させる高温化工程
と、パワーピストン2の容積減少工程の際に高温室Hか
ら低温室Cへ作動ガスG(膨張後の内部蒸気S)を移動
させる低温化工程とを往復動作により繰り返す。
【0023】そして、これらピストン2,4の動作に対
し、パワーピストン2の上死点付近(容積減少工程から
容積増加工程への移行時点付近)で蒸気注入弁11の開
弁により低温室Cへボイラ生成蒸気Sを注入し、かつ、
パワーピストン2の下死点付近から上死点への移動過程
(容積増加工程の完了点付近から容積減少工程の途中)
にかけて蒸気排出弁12の開弁により低温室Cから内部
蒸気Sの一部を排出することで、図3に実線で示す如き
複合サイクル(一点鎖線で示すスターリングサイクルの
上半部を上部に有し、二点鎖線で示すランキンサイクル
の下半部を下部に有する複合サイクル)を実行させて、
動力を発生させる。
【0024】また、上記の複合サイクルを実行させるの
に、両ピストン2,4とクランク軸17とを前述の如く
配置することにより、図1,図2に示す如く、クランク
ピン17aのイ点〜ハ点への移動工程(すなわち、ディ
スプレーサピストン4が上死点から下死点に移動する高
温化工程)におけるディスプレーサピストン4の高速動
作と、クランクピン17aのロ点〜ニ点への移動工程
(すなわち、パワーピストン2が上死点から下死点に移
動する容積増加工程)でのパワーピストン2の低速動作
とで、パワーピストン2の容積増加工程における前期
に、ディスプレーサピストン4のパワーピストン2に対
する見掛け上の先行クランク角度差Δθを拡大して、蒸
気注入弁11による注入蒸気Sのディスプレーサピスト
ン動作による低温室Cから高温室Hへの移動を高速化
し、これにより、熱再生器7及び加熱管5での熱付与に
よる内部蒸気Sの圧力上昇を促進して比出力を向上させ
るようにしてある。
【0025】なお、このように容積増加工程における内
部蒸気Sの圧力上昇を促進することから、パワーピスト
ン2に対するディスプレーサピストン4の先行クランク
角度差Δθを一定に保って両ピストン2.4を動作させ
る従来の蒸気スターリングエキスパンダに比べ、図3に
示す実施複合サイクルは最高圧力が高くなった縦長のも
のとなる。
【0026】24は蒸気注入路9に設けた逆止弁であ
り、パワーピストン2の容積増加工程における内部蒸気
Sの圧力上昇で、その内部蒸気Sが蒸気注入圧に打ち勝
って低温室Cから蒸気注入路9へ逆流することを、この
逆止弁24により阻止し、これにより、前記の如く内部
蒸気Sの圧力上昇を促進することによる比出力の向上を
確実にする。
【0027】以上、本実施形態では、パワーピストン2
とディスプレーサピストン4を、各ピストン2,4に対
し高温室Hが同じ側に位置する平行姿勢で並列に配置に
するとともに、両ピストン2,4の中心軸心q1、q2
と平行な姿勢でそれら中心軸心q1、q2どうしの間の
中央付近に位置する軸心q3に対し回転軸心qcが直交
するクランク軸17を設け、このクランク軸17にパワ
ーピストン2及びディスプレーサピストン4を各別のク
ランクロッド18,19を介し連結することで、パワー
ピストン2の容積増加工程における前期に、高温化工程
にあるディスプレーサピストン4のパワーピストン2に
対する見掛け上の先行クランク角度差Δθを拡大するデ
ィスプレーサピストン早戻し機構Kを構成してある。
【0028】また、パワーピストン2の容積減少工程か
ら容積増加工程への移行時点付近で低温室Cへ作動ガス
Gとしての蒸気S(圧力ガスの一例)を注入し、かつ、
パワーピストン2の容積減少工程に伴い低温室Cから作
動ガスGとしての内部蒸気S(内部圧力ガス)の一部を
排出する圧力ガス給排手段Lを、前記のボイラ8、蒸気
注入路9、蒸気排出路10、蒸気注入弁11,蒸気排出
弁12、チェーン連動機構20,21、カム機構22,
23により構成してある。
【0029】〔別実施形態〕次に本発明の別実施形態を
列記する。前述の実施液体では、注入圧力ガスとして蒸
気Sを用いる例を示したが、注入圧力ガスには、蒸気S
に限らず、例えば高圧空気など、その他の種々の気体を
適用できる。
【0030】前述の実施形態では、蒸気注入弁11及び
蒸気排出弁12をチェーン連動機構20,21やカム機
構22,23などの機械的連動機構を介してクランク軸
17に連動させることで、低温室Cに対する圧力ガス
(蒸気S)の給排を所定タイミングで行なうようにした
が、これに代え、低温室Cに対する圧力ガスの給排をい
わゆる電子制御により所定タイミングで行なうようにし
てもよく、圧力ガス給排手段Lの具体的構成は種々の構
成変更が可能である。
【0031】前述の実施形態では、ディスプレーサピス
トン4の動作を速くするとともに、パワーピストン2の
動作を遅くして、ディスプレーサピストン4のパワーピ
ストン2に対する見掛け上の、又は、実際の先行クラン
ク角度差Δθを容積増加工程の前期に拡大するようにし
たが、これに代え、ディスプレーサピストン4の動作を
速くすることだけで、あるいは逆に、パワーピストン2
の動作を遅くすることだけで、ディスプレーサピストン
4のパワーピストン2に対する見掛け上の、又は、実際
の先行クランク角度差Δθを容積増加工程の前期に拡大
するようにしてもよい。
【0032】また、前述の実施形態では両ピストン2,
4とクランク軸17との配置関係により、ディスプレー
サピストン4のパワーピストン2に対する見掛け上の先
行クランク角度差Δθを容積増加工程の前期に拡大する
ようにしたが、パワーピストン2に対するクランク軸と
ディスプレーサピストン4に対するクランク軸との相対
回転速度を変更して、ディスプレーサピストン4のパワ
ーピストン2に対する実際の先行クランク角度差Δθを
容積増加工程の前期に拡大するようにしてもよい。
【0033】高温室Hや低温室Cの具体的な室構造、並
びに、高温室Hに装備する加熱器5の具体的な構造など
は種々の構成変更が可能であり、また、高温室Hと低温
室Cとを熱再生器7を通じて連通させるのに、熱再生器
7を設けた内部ガス路4aをディスプレーサピストン4
に形成するに代え、両室H,Cを連通させる固定管路を
設け、この固定管路に熱再生器7を介装するようにして
もよい。
【0034】高温室Hに装備する加熱器5の熱源や、注
入圧力ガスとして蒸気を用いる場合の蒸気の生成熱源に
は、燃料熱源や電気熱源、あるいは、太陽熱利用熱源や
他の装置・設備からの排熱など、種々の形態のものを採
用できる。また、発生動力は発電用や冷凍機駆動用など
種々の用途に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の構成図
【図2】ピストン動作を示すグラフ
【図3】複合サイクルを示すp−V線図
【図4】従来例を示す装置構成図
【図5】従来のピストン動作を示すグラフ
【符号の説明】
2 パワーピストン 4 ディスプレーサピストン 5 加熱器 7 熱再生器 9 圧力ガス注入路 17 クランク軸 18,19 クランクロッド 24 逆止弁 C 低温室 G 作動ガス H 高温室 K ディスプレーサピストン早戻し機構 L 圧力ガス給排手段 q1,q2 ピストン中心軸心 q3 軸心 qc 回転軸心 S 圧力ガス Δθ 先行クランク角度差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591255689 樫山工業株式会社 東京都杉並区高円寺南1丁目32番3号 (72)発明者 柳生 寿美夫 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 一色 尚次 東京都世田谷区経堂2丁目29番6号 (72)発明者 一色 誠太 東京都世田谷区経堂2丁目29番6号 (72)発明者 小島 博 山形県酒田市上本町6番7号 前田製管株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱再生器を通じて連通する高温室と低温
    室との全室容積を増加させる容積増加工程とその全室容
    積を減少させる容積減少工程とを繰り返すパワーピスト
    ンを設け、 このパワーピストンと等しい周期で動作して、前記パワ
    ーピストンの容積増加工程の際に前記低温室から加熱器
    を備える前記高温室へ前記熱再生器を通じ作動ガスを移
    動させる高温化工程と、前記パワーピストンの容積減少
    工程の際に前記高温室から前記低温室へ前記熱再生器を
    通じ作動ガスを移動させる低温化工程とを繰り返すディ
    スプレーサピストンを設け、 前記パワーピストンの容積減少工程から容積増加工程へ
    の移行時点付近で前記低温室へ作動ガスとする圧力ガス
    を注入し、かつ、前記パワーピストンの容積減少工程に
    伴い前記低温室から作動ガスとしての内部圧力ガスの一
    部を排出する圧力ガス給排手段を設けるスターリングエ
    キスパンダであって、 前記パワーピストンの容積増加工程における前期に、高
    温化工程にある前記ディスプレーサピストンの前記パワ
    ーピストンに対する見掛け上の、又は、実際の先行クラ
    ンク角度差を拡大して、前記圧力ガス給排手段による注
    入圧力ガスの前記低温室から前記高温室への移動を全室
    容積の増加に対し相対的に高速化するディスプレーサピ
    ストン早戻し機構を設けてあるスターリングエキスパン
    ダ。
  2. 【請求項2】 前記パワーピストンと前記ディスプレー
    サピストンを、各ピストンに対して前記高温室が同じ側
    に位置する平行姿勢で並列に配置し、 両ピストンの中心軸心と平行な姿勢でそれら中心軸心ど
    うしの間の中央付近に位置する軸心に対し回転中心が直
    交するクランク軸を設け、 このクランク軸に前記パワーピストン及び前記ディスプ
    レーサピストンを各別のクランクロッドを介し連結し
    て、前記ディスプレーサピストン早戻し機構を構成して
    ある請求項1記載のスターリングエキスパンダ。
  3. 【請求項3】 前記圧力ガス給排手段における前記低温
    室への圧力ガス注入路に、前記低温室からの圧力ガスの
    逆流を阻止する逆止弁を設けてある請求項1又は2記載
    のスターリングエキスパンダ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010112177A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Nerc Co Ltd 外燃機関
WO2014063639A1 (zh) * 2012-10-26 2014-05-01 成都宇能通能源开发有限公司 采用蓄热式加热器、环型间隙冷却器和直线驱动配气活塞的斯特林发动机

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WO2014063639A1 (zh) * 2012-10-26 2014-05-01 成都宇能通能源开发有限公司 采用蓄热式加热器、环型间隙冷却器和直线驱动配气活塞的斯特林发动机

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