JP2010112177A - 外燃機関 - Google Patents

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尚次 一色
Hiroshi Kojima
博 小島
Seita Isshiki
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Abstract

【課題】スターリングエンジン、蒸気機関などの外燃機関において、小型軽量化および高効率化を実現する。
【解決手段】シリンダー2と、シリンダー2内に摺動自在に嵌着された出力ピストン3と、蒸気21を加熱する蒸気加熱器7とを備えたシリンダーアセンブリー4を有している。蒸気加熱器7によって加熱された蒸気21をシリンダー2内に供給して出力ピストン3を押し出し、シリンダー2内に供給された蒸気21を排出して出力ピストン3を引き戻す。排気動作時に蒸気21から熱を奪うとともに、給気動作時に蒸気21に熱を与える熱再生器12が設けられている。これにより、ディスプレーサピストンを省けるとともに、シリンダー2内の死空間を減らせるため、外燃機関1を小型軽量化できる。熱再生器12の熱交換作用により、蒸気21を常に高温に保てるため、外燃機関1の熱効率を改善できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スターリングエンジン、蒸気機関などの外燃機関に関するものである。
従来、この種の外燃機関、特にスターリングエンジンにおいては、出力ピストンの他にディスプレーサピストンを設置し、シリンダー(気筒)内の作動流体をディスプレーサピストンで交互に加熱したり冷却したりすることにより、作動流体の膨張・収縮によって出力ピストンを往復運動させる技術が提案されていた(例えば、非特許文献1参照)。
また、蒸気機関においては、熱再生器を持っていなかった。
兵働務・米田裕彦『スターリングエンジン−その生い立ちと原理−』(株式会社パワー社、平成2年1月発行)第10頁
しかしながら、上記のスターリングエンジンでは、次のような課題があった。第1に、ディスプレーサピストンを併用する必要があることと、シリンダー内の死空間が大きいことから、外燃機関が重くて、かつ複雑で大型のものにならざるを得ない。第2に、ガソリンエンジンなどに比べると熱効率が原理的に高いとはいえ、実際の熱効率はまだまだ十分なものではなく、熱効率の一層の改善が求められている。
一方、上記の蒸気機関では、過熱蒸気を用いても熱再生器を有せず、熱効率が不十分であった。
本発明は、このような事情に鑑み、小型軽量化および高効率化を実現することが可能な外燃機関を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリンダーと、このシリンダー内に摺動自在に嵌着された出力ピストンと、作動流体を加熱する流体加熱手段とを備えたシリンダーアセンブリーを有し、前記流体加熱手段によって加熱された作動流体を前記シリンダー内に供給して前記出力ピストンを押し出す給気動作と、前記シリンダー内に供給された作動流体を排出する排気動作とが交互に繰り返して実行されることにより、前記出力ピストンの直線往復運動が行われる外燃機関であって、前記排気動作時には前記作動流体から熱を奪うとともに前記給気動作時には前記作動流体に熱を与える熱再生器が設けられ、前記作動流体は、前記給気動作時には前記熱再生器、前記流体加熱手段、前記シリンダーの順に通過するとともに、前記排気動作時には前記シリンダー、前記流体加熱手段、前記熱再生器の順に通過してから凝縮器または大気に導かれるように構成されている外燃機関としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、作動流体を発生させる流体発生手段が設けられ、前記流体発生手段で発生した作動流体を前記熱再生器に供給する給気経路と、前記熱再生器から排出された作動流体を凝縮器または大気に導く排気経路とを切り替える給排気切替弁が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加え、前記出力ピストンの直線往復運動を回転体の回転運動に変換する運動変換装置を備え、前記給排気切替弁は、前記回転体の回転運動に連動させて弁体を回転させることにより、前記給気経路と前記排気経路とを切り替えるように構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、前記シリンダーアセンブリーは複数個あり、これらのシリンダーアセンブリーには、それぞれ前記熱再生器が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4のいずれかに記載の構成に加え、前記シリンダーアセンブリーと前記流体発生手段とが一体に近接構成され、前記シリンダーアセンブリーの流体加熱手段および前記流体発生手段の加熱部が、同一の発熱源により一体となって加熱されるように構成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、給気時には、作動流体が流体加熱手段で加熱されるとともに熱再生器から熱を奪って昇温し、排気時には、作動流体が熱再生器に熱を与える。したがって、ディスプレーサピストンを省くとともに、シリンダー内の死空間を減少させることができるため、外燃機関を小型軽量化することが可能となる。また、熱再生器の熱交換作用により、作動流体を常に従来より十分に高温に保つことができるので、外燃機関の熱効率を改善することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、流体発生手段によって作動流体を発生させ、給排気切替弁により、給気時に作動流体を熱再生器に供給するとともに、排気時に作動流体を凝縮器に引き込むか、もしくは大気に放出することができる。そのため、出力ピストンの直線往復運動を円滑に行わせることが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、運動変換装置によって出力ピストンの直線往復運動を回転体の回転運動に変換し、この回転体の回転運動に連動させて給排気切替弁の切替動作を実行することができる。そのため、回転体の回転速度が変動する場合であっても、出力ピストンの直線往復運動を常に円滑に行わせることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、シリンダーアセンブリーが複数個であることから、外燃機関の大出力化が可能になると同時に、小型軽量化および高効率化をますます推進することができる。
請求項5に記載の発明によれば、シリンダーアセンブリーと流体発生手段とを一体化して両者の加熱源を同一のものとすることにより、全システムを小型軽量化し、かつ熱の外部への放射損失を減少させることができる。そのため、この外燃機関を自動車に搭載して使用することも可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1および図2には、本発明の実施の形態1を示す。この実施の形態1では、作動流体として蒸気21を用い、流体加熱手段として蒸気加熱器7を用い、流体発生手段としてボイラー15を用い、回転体として回転クランク6を用いている。
まず、構成を説明する。
外燃機関1は、図1に示すように、シリンダーアセンブリー4を有している。シリンダーアセンブリー4は、円筒状のシリンダー2を備えており、シリンダー2内には出力ピストン3が上下方向に摺動自在に嵌着されている。出力ピストン3の下方には、直線往復運動を回転運動に変換するクランク式の運動変換装置22が取り付けられており、運動変換装置22は、ピストンロッド5および回転クランク(回転体)6から構成されている。
ここで、ピストンロッド5は、図1に示すように、出力ピストン3にピン接合で吊り下げられているとともに、回転クランク6は軸心CT1を中心として矢印M方向に回転自在に支持されている。そして、ピストンロッド5は回転クランク6にその軸心CT1から偏心した点でピン接合されている。さらに、回転クランク6にはフライホイール(図示せず)が取り付けられている。
また、シリンダー2の上側には、図1に示すように、二重管形式の蒸気加熱器(流体加熱手段)7が、シリンダー2内の作動空間(膨張空間)8にその上面の通気孔11を介して連通する形で冠着されており、蒸気加熱器7の近傍にはバーナー9が、この蒸気加熱器7に火炎10を当てて加熱しうるように配置されている。
ところで、シリンダー2の上部外周面には、図1に示すように、金網などを円環状に形成した熱再生器12が蒸気加熱器7に連通する形で周設されている。熱再生器12には、回転クランク6の回転運動に連動して給気経路と排気経路とを択一的に切り替える給排気切替弁13が接続されており、給排気切替弁13には、蒸気(作動流体)21を発生させるボイラー(流体発生手段)15が接続されている。
ここで、給排気切替弁13は、図1に示すように、円筒状のケーシング13aを有しており、ケーシング13a内には円柱状の弁体13bが、軸心CT1を中心として矢印M方向に回転自在に嵌着されている。弁体13bの周面には、給気連通溝13cおよび排気連通溝13dが互いに所定の角度(位相差)で形成されている。そして、図1および図2(a)に示すように、給排気切替弁13とボイラー15との間には導入管17が、給気連通溝13cに対応して取り付けられている。また、給排気切替弁13と熱再生器12との間には通気管19が、給気連通溝13cおよび排気連通溝13dに対応して取り付けられている。さらに、給排気切替弁13には放出管20が、その先端開口部を大気に開放した形で排気連通溝13dに対応して取り付けられている。
そのため、図2(b)に示すように、弁体13bが給気位置にあるときには、導入管17と通気管19とが給気連通溝13cを経由して互いに連通した状態となる。一方、図2(c)に示すように、弁体13bが排気位置にあるときには、通気管19と放出管20とが排気連通溝13dを経由して互いに連通した状態となる。なお、給排気切替弁13の弁体13bは、連結軸16を介して回転クランク6に直結されており、回転クランク6が回転すると、その回転に同期して回転する。そして、出力ピストン3が上死点にあるときは、給排気切替弁13の弁体13bが給気位置に位置決めされ、導入管17と通気管19とが給気連通溝13cを経由して互いに連通して給気経路が開放された状態となっている。また、出力ピストン3が下死点にあるときは、給排気切替弁13の弁体13bが排気位置に位置決めされ、通気管19と放出管20とが排気連通溝13dを経由して互いに連通して排気経路が開放された状態となっている。
次に、作用について説明する。
以上のような構成を有する外燃機関1を作動させる際には、次の手順による。
上述したとおり、ここでは蒸気21が作動流体であるので、ボイラー15において、水を加熱して所定の温度(例えば、約120℃)の蒸気21を発生させる。
次に、この蒸気21を利用して、出力ピストン3を直線往復運動させることにより、回転クランク6を回転させる。
すなわち、出力ピストン3が上死点にあるときに、シリンダー2内の作動空間8に蒸気21を給気すべく、ボイラー15から導入管17を介して給排気切替弁13に蒸気21を供給する。すると、このとき、給排気切替弁13の弁体13bが給気位置にあり、給気経路が開放されているので、この蒸気21は、通気管19を介して熱再生器12に供給された後、蒸気加熱器7を経由してシリンダー2内の作動空間8に至る。このとき、蒸気加熱器7はバーナー9の火炎10によって加熱されているので、この蒸気加熱器7を経由するときに蒸気21は加熱されて所定の温度(例えば、約500℃)に達する。その結果、シリンダー2内の作動空間8が高温高圧となり、出力ピストン3が押し出されて下降する。この出力ピストン3の下降動作に伴い、回転クランク6が軸心CT1を中心として矢印M方向に回転し、これに連動して給排気切替弁13の弁体13bが軸心CT1を中心として矢印M方向に回転する。そのため、それまで開放されていた給気経路が閉塞される。
そして、出力ピストン3が下死点に達すると、シリンダー2内の作動空間8から蒸気21を排気すべく、給排気切替弁13の弁体13bが排気位置に移動して排気経路が開放されるので、作動空間8内の蒸気21は、蒸気加熱器7を経由して熱再生器12に供給された後、通気管19を介して給排気切替弁13に至り、さらに、放出管20から大気に放出される。その結果、シリンダー2内の作動空間8が低圧となり、かつフライホイールの慣性モーメントの両者により、出力ピストン3が引き戻されて上昇する。この出力ピストン3の上昇動作に伴い、回転クランク6が軸心CT1を中心として矢印M方向に回転し、これに連動して給排気切替弁13の弁体13bが軸心CT1を中心として矢印M方向に回転する。そのため、それまで開放されていた排気経路が閉塞される。
こうして、出力ピストン3が直線往復運動して回転クランク6が1回転すると、回転クランク6に連結された出力軸(図示せず)が軸心CT1を中心として矢印M方向に同期的に1回転する。
ここで、外燃機関1の1サイクルが終了する。そして、こうしたサイクルを繰り返すことにより、出力ピストン3が直線往復運動を繰り返し、回転クランク6が回転運動を繰り返すようにして、外燃機関1が作動することになる。
なお、作動空間8内の蒸気21が熱再生器12を経由して排気されるとき、熱再生器12はこの蒸気21から熱を奪って蓄える。そして、次のサイクルで蒸気21がボイラー15から熱再生器12を経由して給気されるとき、熱再生器12はこの熱を蒸気21に与える。このようにして、外燃機関1は、熱再生器12の熱交換作用により、各サイクルで蒸気21を常に高温に保つことができる。そのため、外燃機関1の熱効率を改善することが可能となる。
また、この外燃機関1では、スターリングエンジンにおいては、ディスプレーサピストンを省くことができるので、その分だけ作動流体、つまり蒸気21の死空間を減少させることができる。また、蒸気機関では、従来より高温で作動される。したがって、外燃機関1を小型軽量化することが可能となる。
さらに、この外燃機関1では、上述したとおり、回転クランク6にフライホイールが設けられているため、回転クランク6の回転を持続させると同時に、その回転動作を滑らかにすることができる。
また、この外燃機関1では、給排気切替弁13により、給気時に蒸気21を熱再生器12に供給するとともに、排気時に蒸気21を大気に放出することができる。そのため、出力ピストン3の直線往復運動を円滑に行わせることが可能となる。しかも、この給排気切替弁13の切替動作は、回転クランク6の回転運動に連動させて実行されるので、回転クランク6の回転速度が経時的に変動する場合であっても、出力ピストン3の直線往復運動を回転クランク6の回転速度の如何にかかわらず常に円滑に行わせることが可能となる。
[発明の実施の形態2]
図3には、本発明の実施の形態2を示す。この実施の形態2では、作動流体として蒸気21を用い、流体加熱手段として蒸気加熱器7を用い、流体発生手段としてボイラー15を用い、回転体としてZ型軸23を用いている。
まず、構成を説明する。
外燃機関1は、図3に示すように、正三角形の3頂点に位置するように並列された3個のシリンダーアセンブリー4を有している。各シリンダーアセンブリー4はそれぞれ、円筒状のシリンダー2を有しており、各シリンダー2内にはそれぞれ出力ピストン3が上下方向に摺動自在に嵌着されている。これらの出力ピストン3の下方には、直線往復運動を回転運動に変換するZクランク式の運動変換装置22を介して出力軸27が、上下方向(つまり、出力ピストン3の摺動方向)の回転軸線Z1を中心として矢印N方向に回転自在に連結されており、運動変換装置22は、3本のピストンロッド5、Z型軸(回転体)23、傾斜部材25、3本のアーム26、フライホイール29から構成されている。
ここで、各ピストンロッド5は、図3に示すように、各出力ピストン3にピン接合で吊り下げられており、これらのピストンロッド5に包囲された位置には、Z型軸23が回転軸線Z1を中心として矢印N方向に回転自在に支持されている。このZ型軸23は、回転軸線Z1に対して所定の傾斜角度(例えば、20〜30°)だけ傾斜した傾斜軸線Z2に沿って設けられた傾斜軸部23aを有しており、傾斜軸部23aの両端には一対の接続軸部23b、23bが互いに平行となる形で水平に連設されている。また、Z型軸23の傾斜軸部23aには、ほぼ半球状の傾斜部材25が、回転軸線Z1回りの回転を拘束された形で傾斜軸線Z2を中心として回転自在に支持されている。傾斜部材25の側面には3本のアーム26が、3個の出力ピストン3の配置に対応して等角度間隔(つまり、120°間隔)で配置された形で遠心方向に突設されており、各アーム26の先端は各ピストンロッド5の先端にピン接合されている。また、Z型軸23の下側には出力軸27が、回転軸線Z1に沿って上下方向に連結されている。
さらに、出力軸27には、図3に示すように、フライホイール29が取り付けられている。
また、各シリンダー2の上側にはそれぞれ、図3に示すように、蒸気加熱器(流体加熱手段)7が、シリンダー2内の作動空間(膨張空間)8にその頂部の通気孔11を介して連通する形で冠着されており、各蒸気加熱器7の近傍にはそれぞれバーナー9が、この蒸気加熱器7に火炎10を当てて加熱しうるように配置されている。
ところで、各シリンダー2の上部外周面にはそれぞれ、図3に示すように、金網などを円環状に形成した熱再生器12が各蒸気加熱器7に連通する形で周設されている。これらの熱再生器12には、Z型軸23の回転運動に連動してシリンダーアセンブリー4ごとに給気経路と排気経路とを択一的に切り替える給排気切替弁13が接続されており、給排気切替弁13には、蒸気(作動流体)21を発生させるボイラー(流体発生手段)15が接続されている。
ここで、給排気切替弁13は、図3に示すように、運動変換装置22の上方で3個のシリンダーアセンブリー4に包囲された形で配置されており、円筒状のケーシングと、このケーシング内に回転自在に嵌着された弁体とから構成されている。そして、給排気切替弁13は、その弁体が連結軸16を介して運動変換装置22のZ型軸23に直結されており、運動変換装置22のZ型軸23の回転運動に連動させて弁体を回転させることにより、給気時には給気経路を開放して、ボイラー15から導入管17を介して供給された蒸気21を給排気切替弁13に導き、この蒸気21を各給気管30から熱再生器12を介して3個のシリンダー2内の作動空間8に順に配分して供給するとともに、排気時には排気経路を開放して、3個のシリンダー2内の作動空間8から順に蒸気21を熱再生器12を介して各排気管(図示せず)から給排気切替弁13に導き、この蒸気21を放出管20から大気に放出するように構成されている。
次に、作用について説明する。
以上のような構成を有する外燃機関1を作動させる際には、次の手順による。
まず、ボイラー15において、水を加熱して所定の温度(例えば、約120℃)の蒸気21を発生させる。
次に、この蒸気21を利用して、3個の出力ピストン3を順に直線往復運動させることにより、出力軸27を回転させる。
すなわち、各出力ピストン3が上死点にあるときに、各シリンダー2内の作動空間8に蒸気21を給気すべく、ボイラー15から導入管17を介して給排気切替弁13に蒸気21を供給し、さらに、各給気管30から各蒸気加熱器7を介して3個のシリンダー2内の作動空間8に蒸気21を順に供給する。このとき、各蒸気加熱器7は各バーナー9の火炎10によって加熱されているので、各蒸気加熱器7を経由するときに蒸気21は加熱されて所定の温度(例えば、約450℃)に達する。その結果、各シリンダー2内の作動空間8が高温高圧となり、各出力ピストン3が順に押し出されて下降する。
そして、各出力ピストン3が下死点に達すると、各シリンダー2内の作動空間8から蒸気21を排気すべく、3個のシリンダー2内の作動空間8内の蒸気21を各蒸気加熱器7を介して各熱再生器12に供給した後、前記各排気管から給排気切替弁13に導き、さらに、放出管20から大気に放出する。その結果、各シリンダー2内の作動空間8が低圧となり、かつフライホイール29の慣性モーメントの両者により、各出力ピストン3が順に引き戻されて上昇する。
こうして3個の出力ピストン3が順に直線往復運動すると、Zクランク式の運動変換装置22により、これらの出力ピストン3の直線往復運動がZ型軸23の回転運動に変換され、出力軸27が回転軸線Z1を中心として矢印N方向に1回転する。なお、Zクランク式の運動変換装置22による運動変換機構の原理は、特開平11−343923号公報などの公知文献に記載されているため、ここではその説明を省略する。
ここで、外燃機関1の1サイクルが終了する。そして、こうしたサイクルを繰り返すことにより、3個の出力ピストン3が順に直線往復運動を繰り返し、出力軸27が回転運動を繰り返すようにして、外燃機関1が作動することになる。
なお、作動空間8内の蒸気21が各熱再生器12を経由して排気されるとき、各熱再生器12はこの蒸気21から熱を奪って蓄える。そして、次のサイクルで蒸気21がボイラー15から各熱再生器12を経由して給気されるとき、各熱再生器12はこの熱を蒸気21に与える。このようにして、外燃機関1は、各熱再生器12の熱交換作用により、各サイクルで蒸気21を常に高温に保つことができる。そのため、外燃機関1の熱効率を改善することが可能となる。
また、この外燃機関1では、スターリングエンジンにおいては、ディスプレーサピストンを省くことができるので、その分だけ作動流体、つまり蒸気21の死空間を減少させることができる。また、蒸気機関では、従来より高温で作動される。したがって、外燃機関1を小型軽量化することが可能となる。
さらに、この外燃機関1では、上述したとおり、出力軸27にフライホイール29が設けられているため、出力軸27の回転を持続させると同時に、その回転動作を滑らかにすることができる。
また、この外燃機関1では、給排気切替弁13により、給気時に蒸気21を熱再生器12に供給するとともに、排気時に蒸気21を大気に放出することができる。そのため、出力ピストン3の直線往復運動を円滑に行わせることが可能となる。しかも、この給排気切替弁13の切替動作は、Z型軸23の回転運動に連動させて実行されるので、Z型軸23の回転速度が経時的に変動する場合であっても、出力ピストン3の直線往復運動をZ型軸23の回転速度の如何にかかわらず常に円滑に行わせることが可能となる。
また、この外燃機関1では、3個のシリンダー2が並列されているので、全行程容積が等しいときは、シリンダー2の容積が単シリンダーの約1/3で足り、外燃機関1の小型軽量化および高効率化をますます推進することが可能となる。一般に、N個のシリンダー2が並列されていれば、全行程容積が等しいときは、シリンダー2の容積が単シリンダーの約1/Nで足りる。
[発明の実施の形態3]
図4には、本発明の実施の形態3を示す。
この外燃機関1では、図4に示すように、単気筒のシリンダーアセンブリー4と水管ボイラー33とが一体に近接構成されている。水管ボイラー33は、多数のコイル状水管群(加熱部)32を有している。また、水管ボイラー33には、圧力計40が取り付けられているとともに、気水分離器39が接続されている。さらに、シリンダーアセンブリー4の蒸気加熱器7および水管ボイラー33のコイル状水管群32の近傍には、オイルバーナー(発熱源)35が設置されている。
そして、オイルバーナー35より生じる火炎36は、まずシリンダーアセンブリー4の蒸気加熱器7を加熱した後、上方の水管ボイラー33のコイル状水管群32を加熱して、シリンダーアセンブリー4へ所要蒸気を供給する。空冷凝縮器38は、シリンダーアセンブリー4の出口蒸気を凝縮再循環させる。
このように、外燃機関1おいては、シリンダーアセンブリー4の蒸気加熱器7および水管ボイラー33のコイル状水管群32が、同一のオイルバーナー35により一体となって加熱される。そのため、全システムを小型軽量化し、かつ熱の外部への放射損失を減少させることができる。
[発明の実施の形態4]
図5には、本発明の実施の形態4を示す。
この外燃機関1では、図5に示すように、4気筒のシリンダーアセンブリー4と水管ボイラー33とが一体に近接構成されている。水管ボイラー33は、多数の重ね折り型水管(加熱部)43を有している。また、シリンダーアセンブリー4の蒸気加熱器7および水管ボイラー33のコイル状水管群32の近傍には、火炉(発熱源)48が設置されている。
そして、燃料として廃材や中期枝下ろし材等より作ったバイオペレット46を使用し、下込めストーカー47にて火炉48の中央の下より上に送り込み、主機関で駆動される送風機より風管50を通じて送り込まれる燃焼用空気によって火炎51が形成される。この火炎51は、シリンダーアセンブリー4の蒸気加熱器7を加熱して蒸気を発生し、その蒸気は制御弁53を経て各シリンダーアセンブリー4を駆動する。
このように、外燃機関1おいては、シリンダーアセンブリー4の蒸気加熱器7および水管ボイラー33の重ね折り型水管43が、同一の火炉48により一体となって加熱される。そのため、全システムを小型軽量化し、かつ熱の外部への放射損失を減少させることができる。
[発明のその他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態1、2では、作動流体として用いる蒸気21が最終的に大気に放出される場合について説明したが、この蒸気21を凝縮器(図示せず)に引き込むようにしても構わない。また、蒸気21以外の作動流体(例えば、風力、波力などで圧縮された圧縮空気など)を代用することもできる。
また、上述した実施の形態1、2では、流体加熱手段として蒸気加熱器7を用いる場合について説明したが、蒸気加熱器7以外の流体加熱手段(例えば、太陽熱、バイオマス燃焼装置や廃棄物燃焼炉など)を代用することもできる。
さらに、上述した実施の形態1、2では、流体発生手段としてボイラー15を用いる場合について説明したが、ボイラー15以外の流体発生手段(例えば、風力、波力などで圧縮された圧縮空気など)を代用することもできる。
また、上述した実施の形態1では、回転体として回転クランク6を用いる場合について説明し、上述した実施の形態2では、回転体としてZ型軸23を用いる場合について説明したが、回転クランク6やZ型軸23以外の回転体(例えば、従来の多気筒内燃機関と同様な星形や並列多気筒クランクなど)を代用することもできる。
また、上述した実施の形態1、2では、機械的な給排気切替弁13を用いる場合について説明したが、必ずしも機械的な給排気切替弁13を用いる必要はなく、例えば、従来の内燃機関のようなきのこ型弁や電磁弁などを代用することも可能である。
また、上述した実施の形態1では、クランク式の運動変換装置22を備えた外燃機関1について説明し、上述した実施の形態2では、Zクランク式の運動変換装置22を備えた外燃機関1について説明したが、運動変換装置22の形式は、クランク式やZクランク式に限るわけではない。
また、上述した実施の形態1では、単気筒の外燃機関1について説明し、上述した実施の形態2では、3気筒の外燃機関1について説明したが、気筒数はいくつでも構わない。気筒数が複数である場合、シリンダーアセンブリー4の配置は、星形、環状型、並列型など任意の配置とすることができる。
本発明は、ごみやバイオマス廃棄物を燃やすときに廃熱が生じる産業廃棄物処理業や、砂漠のソーラボイラー関連産業その他の産業に適用することができる。
本発明の実施の形態1に係る外燃機関を示す図である。 同実施の形態1に係る給排気切替弁の作用を示す図であって、(a)は給排気切替弁の正面図、(b)は弁体が給気位置にあるときの側面図、(c)は弁体が排気位置にあるときの側面図である。 本発明の実施の形態2に係る外燃機関を示す斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る外燃機関を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4に係る外燃機関を示す斜視図である。
符号の説明
1……外燃機関
2……シリンダー
3……出力ピストン
4……シリンダーアセンブリー
5……ピストンロッド
6……回転クランク(回転体)
7……蒸気加熱器(流体加熱手段)
8……作動空間
9……バーナー
10……火炎
11……通気孔
12……熱再生器
13……給排気切替弁
13a……ケーシング
13b……弁体
13c……給気連通溝
13d……排気連通溝
15……ボイラー(流体発生手段)
16……連結軸
17……導入管
19……通気管
20……放出管
21……蒸気(作動流体)
22……運動変換装置
23……Z型軸(回転体)
23a……傾斜軸部
23b……接続軸部
25……傾斜部材
26……アーム
27……出力軸
29……フライホイール
30……給気管
32……コイル状水管(加熱部)
33……水管ボイラー
35……オイルバーナー(発熱源)
36……火炎
38……空冷凝縮器
39……気水分離器
40……圧力計
43……重ね折り型水管(加熱部)
46……バイオペレット
47……下込めストーカー
48……火炉(発熱源)
50……風管
53……制御弁

Claims (5)

  1. シリンダーと、このシリンダー内に摺動自在に嵌着された出力ピストンと、作動流体を加熱する流体加熱手段とを備えたシリンダーアセンブリーを有し、
    前記流体加熱手段によって加熱された作動流体を前記シリンダー内に供給して前記出力ピストンを押し出す給気動作と、前記シリンダー内に供給された作動流体を排出する排気動作とが交互に繰り返して実行されることにより、前記出力ピストンの直線往復運動が行われる外燃機関であって、
    前記排気動作時には前記作動流体から熱を奪うとともに前記給気動作時には前記作動流体に熱を与える熱再生器が設けられ、
    前記作動流体は、前記給気動作時には前記熱再生器、前記流体加熱手段、前記シリンダーの順に通過するとともに、前記排気動作時には前記シリンダー、前記流体加熱手段、前記熱再生器の順に通過してから凝縮器または大気に導かれるように構成されていることを特徴とする外燃機関。
  2. 作動流体を発生させる流体発生手段が設けられ、
    前記流体発生手段で発生した作動流体を前記熱再生器に供給する給気経路と、前記熱再生器から排出された作動流体を凝縮器または大気に導く排気経路とを切り替える給排気切替弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の外燃機関。
  3. 前記出力ピストンの直線往復運動を回転体の回転運動に変換する運動変換装置を備え、
    前記給排気切替弁は、前記回転体の回転運動に連動させて弁体を回転させることにより、前記給気経路と前記排気経路とを切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の外燃機関。
  4. 前記シリンダーアセンブリーは複数個あり、これらのシリンダーアセンブリーには、それぞれ前記熱再生器が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の外燃機関。
  5. 前記シリンダーアセンブリーと前記流体発生手段とが一体に近接構成され、前記シリンダーアセンブリーの流体加熱手段および前記流体発生手段の加熱部が、同一の発熱源により一体となって加熱されるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の外燃機関。
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