JP2017141836A - 筒内掃気エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】従来無い内燃機関であって、燃焼筒を概ね2つの領域に分割しその一方の領域で燃焼を行い他方の領域に掃気する筒内掃気エンジンを実現する。【解決手段】燃焼室は小内径の第1筒部分と大内径の第2筒部分とを含む段差のある筒状の内部形状を有し、ピストンは燃焼室に緩嵌合するもので小外径の第3筒部分と大外径の第4筒部分とを含む筒状で、第1筒の内壁と第3筒の外壁とが対峙する隘路を挟んで第1筒部分の第1燃焼室と第2筒部分の第2燃焼室に分断される期間に、第1燃焼室への未燃焼ガスの装填で第1燃焼室から第2燃焼室へ掃気する。また、第2筒部分の燃焼済ガスを排気する排気手段を備える。この排気手段は、上記ピストン行程と同期したスターリングエンジン機構を含み、その排気をスターリングエンジン機構の高温部に導入し、低温部から上記行程の所定の時期に排気するものでもよい。【選択図】図1
Description
この発明は、従来に無い新しい内燃機関であって、燃焼筒を概ね2つの領域に分割し、その一方の領域で燃焼を行い、その燃焼後のガスをその他方の領域に掃気する筒内掃気エンジンに関するものである。
上記筒内掃気エンジンの従来例は無いが、それに近いものを敢えて挙げるとすれば、2ストロークエンジンを挙げることができる。この2ストロークエンジンには、例えば、
(1)クラークサイクルエンジンや、その形式の1つである(2)ユニフロー掃気ディーゼルエンジン、あるいは、(3)デイ式2ストロークエンジンなどがある。
しかし、これらには、下記のような欠点が知られている。まず、デイ式2ストロークエンジンでは、未燃焼の予混合ガスの一部が排気される。また、クラークサイクルエンジンやユニフロー掃気ディーゼルエンジンでも、予混合ガスで掃気すると未燃焼ガスが排気されてしまう。特に、クラークサイクルエンジンでは、燃焼ガスは掃気で効果的に排気することが難しくシリンダー内に残留しやすい。また、ユニフロー掃気ディーゼルエンジンやデイ式2ストロークエンジンでは、シリンダー側面の掃気口部分に接してピストンが往復するため、そのピストンのピストンリングが磨耗し易く耐久性や信頼性が低下する。
(1)クラークサイクルエンジンや、その形式の1つである(2)ユニフロー掃気ディーゼルエンジン、あるいは、(3)デイ式2ストロークエンジンなどがある。
しかし、これらには、下記のような欠点が知られている。まず、デイ式2ストロークエンジンでは、未燃焼の予混合ガスの一部が排気される。また、クラークサイクルエンジンやユニフロー掃気ディーゼルエンジンでも、予混合ガスで掃気すると未燃焼ガスが排気されてしまう。特に、クラークサイクルエンジンでは、燃焼ガスは掃気で効果的に排気することが難しくシリンダー内に残留しやすい。また、ユニフロー掃気ディーゼルエンジンやデイ式2ストロークエンジンでは、シリンダー側面の掃気口部分に接してピストンが往復するため、そのピストンのピストンリングが磨耗し易く耐久性や信頼性が低下する。
そこで、シリンダー側面に掃気口や排気口を持たない2ストロークエンジン構造で、掃気による未燃焼ガスの排気がない筒内掃気エンジンを実現する。
本発明によって、2ストロークエンジンで4ストロークレシプロエンジンと同様に未燃焼ガスが排気されない内燃機関を実現できる。
本発明の筒内掃気エンジンは、燃焼室と該燃焼室を往復運動するピストンと、
上記ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク機構と、
上記燃焼室に酸素と燃料とを含む未燃焼ガスを別々にまたは一緒に装填する装填手段と、上記燃料の燃焼による燃焼済ガスを上記燃焼室の外部に排出する排気手段を備える内燃機関であって、
上記燃焼室は、比較的小内径の第1筒部分と、比較的大内径の第2筒部分とを含む段差のある筒状の内部形状を有し、
上記ピストンは、上記燃焼室に緩嵌合するものであって、比較的小外径の第3筒部分と、比較的大外径の第4筒部分とを含む段差のある筒状の外部形状を有し、
上記第4筒部分の外壁は、気密保持手段を介して上記第2筒部分の内壁に接し、
上記ピストンの運動周期において、上記燃焼室が第1筒部分の内壁と第3筒部分の外壁とが対峙する隘路を挟んで第1筒部分の燃焼室と第2筒部分の燃焼室に分断される期間に、上記第1筒部分の燃焼室に上記未燃焼ガスを装填することで上記燃焼済ガスを上記第2筒部分の燃焼室に掃気した後、該未燃焼ガスを燃焼させる構成と、
上記排気手段が、上記第2筒部分の燃焼室の燃焼済ガスを排気する構成を有するものである。
上記ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク機構と、
上記燃焼室に酸素と燃料とを含む未燃焼ガスを別々にまたは一緒に装填する装填手段と、上記燃料の燃焼による燃焼済ガスを上記燃焼室の外部に排出する排気手段を備える内燃機関であって、
上記燃焼室は、比較的小内径の第1筒部分と、比較的大内径の第2筒部分とを含む段差のある筒状の内部形状を有し、
上記ピストンは、上記燃焼室に緩嵌合するものであって、比較的小外径の第3筒部分と、比較的大外径の第4筒部分とを含む段差のある筒状の外部形状を有し、
上記第4筒部分の外壁は、気密保持手段を介して上記第2筒部分の内壁に接し、
上記ピストンの運動周期において、上記燃焼室が第1筒部分の内壁と第3筒部分の外壁とが対峙する隘路を挟んで第1筒部分の燃焼室と第2筒部分の燃焼室に分断される期間に、上記第1筒部分の燃焼室に上記未燃焼ガスを装填することで上記燃焼済ガスを上記第2筒部分の燃焼室に掃気した後、該未燃焼ガスを燃焼させる構成と、
上記排気手段が、上記第2筒部分の燃焼室の燃焼済ガスを排気する構成を有するものである。
上記排気手段は、上記第2筒部分の燃焼室の圧力が上記周期運動における平均圧力よりも低い期間に排気する構成を有するものである。
また、上記排気手段は、冷却されたシリンダーと、該シリンダー内を上記周期運動と同期し所定の位相差で周期運動するピストンと、上記周期運動と同期した所定の期間に上記冷却されたシリンダーから排気する排気弁とを有し、
上記第2筒部分の燃焼室の燃焼済ガスを上記冷却されたシリンダーに導入し、上記冷却されたシリンダーから排気する構成を有するものである。
上記第2筒部分の燃焼室の燃焼済ガスを上記冷却されたシリンダーに導入し、上記冷却されたシリンダーから排気する構成を有するものである。
また、上記排気手段は、上記周期運動と同期して往復運動するスターリングエンジン機構を含み、
上記第2筒部分の燃焼室の燃焼済ガスを上記スターリングエンジン機構の高温部に導入し、上記スターリングエンジン機構の低温部から上記周期運動と同期した所定の期間に排気する構成を有するものである。
上記第2筒部分の燃焼室の燃焼済ガスを上記スターリングエンジン機構の高温部に導入し、上記スターリングエンジン機構の低温部から上記周期運動と同期した所定の期間に排気する構成を有するものである。
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
図1に、本発明の1つの態様例である2ストロークエンジンの模式図を示す。図1(a)は上面図、図1(b)はA−AAに沿った中心部での断面図である。
この2ストロークエンジンは、概略、燃焼室5、6と該燃焼室を往復運動するピストン7と、上記ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク機構と、上記燃焼室に酸素と燃料とを含む未燃焼ガスを別々にまたは一緒に導入する装填手段としての吸気弁3及び吸気管13と、上記燃料の燃焼による燃焼済ガスを上記燃焼室の外部に排出する排気手段としての排気弁4a、4b及び排気管14a、14bと、を備える内燃機関である。
上記燃焼室5は内径が比較的小さい第1筒部分1aであり、燃焼室は内径が比較的大きい第2筒部分1bである。上記ピストン7は、上記燃焼室5、6に緩嵌合するものであって、比較的小外径の第3筒部分7aと、比較的大外径の第4筒部分7bとを含む外部形状を有し、上記第4筒部分の外壁は、気密保持手段9のピストンリングを介して上記第2筒部分1bの内壁に接する。上記ピストンの運動周期において、第1筒部分1aの内壁と第3筒部分7aの外壁とが対峙する隘路を挟んでn燃焼室が燃焼室5と燃焼室6に分断される期間に、上記燃焼室5に上記未燃焼ガスを導入することで上記燃焼済ガスを燃焼室6に掃気する。その直後に、上記燃焼室5の該未燃焼ガスを燃焼させる。排気手段として排気弁4a、4bと排気管14a、排気管14bとを備えて上記燃焼室6の燃焼済ガスを排気するが、排気弁と排気管はどちらか一方の系だけでもよい。また、上記クランク機構としてコンロッド10及びクランクシャフト11及びクランクアーム12を備える。
燃焼室5及び6の形状は基本的に円筒形であるが、円筒形に限るものではなく、燃焼室の壁面とピストンの接触面の機密性が十分に確保できるならば、例えば楕円形の断面をもつものであってもよい。
この2ストロークエンジンは、概略、燃焼室5、6と該燃焼室を往復運動するピストン7と、上記ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク機構と、上記燃焼室に酸素と燃料とを含む未燃焼ガスを別々にまたは一緒に導入する装填手段としての吸気弁3及び吸気管13と、上記燃料の燃焼による燃焼済ガスを上記燃焼室の外部に排出する排気手段としての排気弁4a、4b及び排気管14a、14bと、を備える内燃機関である。
上記燃焼室5は内径が比較的小さい第1筒部分1aであり、燃焼室は内径が比較的大きい第2筒部分1bである。上記ピストン7は、上記燃焼室5、6に緩嵌合するものであって、比較的小外径の第3筒部分7aと、比較的大外径の第4筒部分7bとを含む外部形状を有し、上記第4筒部分の外壁は、気密保持手段9のピストンリングを介して上記第2筒部分1bの内壁に接する。上記ピストンの運動周期において、第1筒部分1aの内壁と第3筒部分7aの外壁とが対峙する隘路を挟んでn燃焼室が燃焼室5と燃焼室6に分断される期間に、上記燃焼室5に上記未燃焼ガスを導入することで上記燃焼済ガスを燃焼室6に掃気する。その直後に、上記燃焼室5の該未燃焼ガスを燃焼させる。排気手段として排気弁4a、4bと排気管14a、排気管14bとを備えて上記燃焼室6の燃焼済ガスを排気するが、排気弁と排気管はどちらか一方の系だけでもよい。また、上記クランク機構としてコンロッド10及びクランクシャフト11及びクランクアーム12を備える。
燃焼室5及び6の形状は基本的に円筒形であるが、円筒形に限るものではなく、燃焼室の壁面とピストンの接触面の機密性が十分に確保できるならば、例えば楕円形の断面をもつものであってもよい。
また、ピストン7の頭部とそれに対面する燃焼室5の天井部分は平面状であってもよいが平面に限定する必要はない。上記天井部分には、燃焼に用いる空気あるいは燃料である未燃焼ガスを上記燃焼室5に導入する装填機構として吸気弁3及び吸気管13を備える。
この様に、本実施例は、燃焼筒内に、燃焼領域と、掃気されたガスを一時的に留める掃気だめ領域と、を備える内燃機関であり、この内燃機関を筒内掃気エンジンと称す。
上記燃焼領域と掃気溜め領域とは、明確に定義できる期間と、できない期間とがある。概して、ピストン7が上死点付近にあるときには、燃焼室5、6が各々燃焼領域、掃気だめ領域であるが、ピストン7が下死点付近にあるときには、それらの領域の境界はあいまいである。
ここで、未燃焼ガスの点火においては、従来の4ストロークエンジンの場合と同様の点火方式を用いることができる。例えば、空気と燃料との混合ガスを燃焼室に導入し圧縮して点火する(以下では、点火A)、あるいは、まず空気を燃焼室に導入して圧縮し、その中に燃料を吹き入れて点火手段を用いて点火する(以下では、点火B)、あるいは、まず空気を燃焼室に導入して圧縮し、その中に燃料を吹き入れて圧縮された空気の熱で点火させる(以下では、点火C)、等を用いることができる。
図1に示す例では、そのピストン7の行程の内訳が以下に示す第1行程と第2行程を繰り返すものである。つまり、第1行程では空気と燃料の混合した未燃焼ガスの燃焼と膨張とを上記吸気弁と排気弁とを閉じた状態で行う過程を含み、第2行程では前記燃焼による燃焼済ガスを排気ガスとしてその一部を上記排気弁が開いた状態で排気する排気過程と、上記吸気弁を開き上記排気弁を閉じた状態で空気あるいは空気と燃料の混合した未燃焼ガスを上記燃焼室に加圧された状態になるよう装填する装填過程と、上記吸気弁と上記排気弁とを閉じた状態で前記装填された未燃焼ガスをさらに圧縮する圧縮過程と、を含むものである。
上記燃焼室に未燃焼ガスを装填することは、よく知られた加圧ポンプを用いて未燃焼ガスあるいは空気の圧入で実現可能である。そのような加圧ポンプとしては、スクリュー型圧縮機、ロータリー型圧縮機、ロータリーピストン型圧縮機、タービン型圧縮機、あるいはピストンを用いたレシプロ圧縮機等がある。特にレシプロ圧縮機の場合は、上記クランクシャフト11に同期して圧縮した未燃焼ガスを上記燃焼室5に供給することで回転数に依存した圧力変動を仰制する事ができる。
上記行程の内訳を、図2(a)に示す回転角θについて図2(b)に示す。例えば、図2(b)に示すように、θ=0度の上死点付近から180度近くまでが燃焼膨張行程であり、引き続き220〜230度までの排気行程に引き継がれる。この排気行程に引き続いてピストンの上死点と下死点とのほぼ中間点(第1中間点)まで掃気行程が続く。その後、上記燃焼膨張行程の開始までの圧縮行程が続く。
例えば、上記第1中間点から上記上死点と前記第1中間点とのほぼ中間点(第2中間点)まで装填する行程の場合、第2中間点で4気圧になるように装填すると、その下死点では1気圧に相当する。ここで、上記未燃焼ガスを上記燃焼室に装填する際の上記未燃焼ガスの圧力である装填気圧は、第2中間点では、例えば、3.5から5.5気圧の範囲で任意に設定する。ただし、吸気弁3は、その装填するガス圧に耐える構成のものである必要がある。
また、未燃焼ガスの装填圧力を調整することによって、上記ピストンの上下運動による圧縮率を所定の幅で調整できる。このため、燃料消費率とそれに伴う出力の調整を容易に行うことができる。
図4(b)に、本発明の筒内掃気エンジンの上記の他の1態様であるスターリングエンジン機構を備える筒内掃気エンジンの模式図を示す。この模式図おいては、図示を簡単にするために、筒内掃気エンジン機構20には、図4(a)に示す様なピストンの形状に段差が中心対称でないものを用いている。この実施例は、筒内掃気エンジン機構20と通常アルファ型スターリングエンジンと呼ばれる図3(a)に示すスターリングエンジン機構を備える筒内掃気エンジンであり、筒内掃気エンジン機構20の排気手段にスターリングエンジン機構を組み込んだもの、と見ることができる。
なお、図4(b)において、各ピストンの周期運動における位相差(クランク軸換算)は、各ピストンの運動方向の成す角に相当している。この位相差と同じ位相差は、各ピストンの運動方向を揃えた場合は、各クランクシャフトのクランク軸への取り付け角によって実現できることはよく知られている。例えば、スターリングエンジン機構のピストンの周期運動は、高温部では低温部よりも90度位相が進み、筒内掃気エンジン機構のピストンの周期運動はその中間にあることが望ましい。しかし、それらの位相差から前後に10%程度ずれていても動作は可能である。
図4(b)の構成では、筒内掃気エンジン機構20が加熱源であり、そこでの燃焼による熱エネルギーを運動エネルギーに変換すると共に、そこで発生した高温の燃焼ガスを上記スターリングエンジン機構高温部21に供給してその高温部を加熱し、他方のスターリングエンジン機構低温部22を冷却することで、スターリングエンジンとしても動作するものである。上記高温部21の温度が十分高い間は筒内掃気エンジン機構20での燃焼を控えてスターリングエンジンとして動作させることにより、燃焼で発生する高圧で高温のガスの熱エネルギーを高効率で運動エネルギーに変換することができる。
上記のスターリングエンジン機構部に適用することができるスターリングエンジンとしては、例えば、α型、β型、γ型あるいはダブルアクティング型のスターリングエンジンとして知られている型のものがある。ここで、上記筒内掃気エンジン部と上記スターリングエンジン部との双方を、互いに独立の構成であるときのそれぞれの内圧の極大値がほぼ一致するように、同期させることが肝要である。
ここで、筒内掃気エンジン機構20からスターリング機構の高温部21への高温で高圧のガスの導入は、スターリング機構のみの動作による圧力変化が比較的高圧力を示す期間に導入する。図3(a)に示す例では、図3(b)に示すように、θ=π/4で上記圧力が最大になる。上記低温部22からその外部への排気は、上記圧力変化が比較的低圧力を示す時期を含む期間に、排気弁の開閉によって行う。上記圧力が最低になる時期はθ=5π/4である。
この動作のためには、筒内掃気エンジン機構の燃焼部におけるピストンの周期運動Aと上記スターリング機構の周期運動Bとを同期させるものとする。また、周期運動Aの1周期に対して周期運動Bにはそれより多くの周期を同期させることで、スターリングエンジンよりの運転が可能となり、周期運動Aの1周期で消費するエネルギーに対する上記の運動エネルギーへの変換効率を改善することができる。
この筒内掃気エンジンでは、筒内掃気エンジン機構での燃焼により得られる高圧で高温のガスの膨張とスターリングエンジン機構でのガスの膨張と収縮によって動作する点で、従来のスターリングエンジンとは異なっている。
また、本実施例の筒内掃気エンジンが吸気弁3と排気弁26を閉じ排気弁4を解放する弁操作によって密封された状態で従来のスターリングエンジンと類似の構成として動作する間は、密封された気体の圧力変化を筒内掃気エンジン機構のピストンの運動によって増大させる働きをする。このような圧力変化の増大によって、スターリングエンジン機構部エネルギー変換効率を改善することができる。
また、本実施例の筒内掃気エンジンが吸気弁3と排気弁26を閉じ排気弁4を解放する弁操作によって密封された状態で従来のスターリングエンジンと類似の構成として動作する間は、密封された気体の圧力変化を筒内掃気エンジン機構のピストンの運動によって増大させる働きをする。このような圧力変化の増大によって、スターリングエンジン機構部エネルギー変換効率を改善することができる。
図5に示す筒内掃気エンジンの例は、図4の構成において筒内掃気エンジン機構20をスターリング機構の高温部21として周期的に用いることで、図4の構成におけるシリンダーとピストンの対を1つ減らしたものである。2つのピストンの運動方向は、例えば互いに直角の方向である。しかし厳密に直角である必要はなく、例えば、直角より小さい角度の方向でもよい。筒内掃気エンジン機構20のみを動作させる場合は、排気弁26を開放するが、スターリングエンジンとして動作する間は、吸気弁3と排気弁26を閉じ、排気弁4を開いた状態にする。
また、筒内掃気エンジン機構としての燃焼動作には、次に示すような選択が可能である。
(1)吸気弁3、排気弁4を閉じた状態での燃焼を、筒内掃気エンジン機構20の内部圧力が極大値となる付近の時期に燃焼させる。この際のクランクシャフト11の回転角位置(θ=0)から増大する方向、2つのピストンの運動方向の成す角(δ)の半分の角(δ/2)だけ回転した位置付近で、排気弁4を開く。図5の場合は、θ=π/4(45度)付近の位置である。
(2)吸気弁3を閉じ、排気弁4を開いた状態での燃焼を、上記のクランクシャフト11の回転角位置(θ=0)から、δ/2だけ回転した位置付近で、筒内掃気エンジン機構20の燃料に着火する。図4の場合は、θ=π/4付近の位置である。なお、この場合は、排気弁4を省略することもできる。
(1)吸気弁3、排気弁4を閉じた状態での燃焼を、筒内掃気エンジン機構20の内部圧力が極大値となる付近の時期に燃焼させる。この際のクランクシャフト11の回転角位置(θ=0)から増大する方向、2つのピストンの運動方向の成す角(δ)の半分の角(δ/2)だけ回転した位置付近で、排気弁4を開く。図5の場合は、θ=π/4(45度)付近の位置である。
(2)吸気弁3を閉じ、排気弁4を開いた状態での燃焼を、上記のクランクシャフト11の回転角位置(θ=0)から、δ/2だけ回転した位置付近で、筒内掃気エンジン機構20の燃料に着火する。図4の場合は、θ=π/4付近の位置である。なお、この場合は、排気弁4を省略することもできる。
上記いずれの場合でも、スターリングエンジン機構の低温部22からの排気動作は、所定の複数周期に渡りスターリングエンジンとして動作させた後、その内部圧力が極小値となる回転角位置付近で行う。
また、上記燃焼済ガスを、α型スターリング機構の低温部に送る際に、再生型熱交換器(あるいは単に再生器)を介して送ってもよい。この再生器によって熱効率が改善されることは、通常のα型スターリングエンジンの場合と同様である。
また、上記燃焼済ガスを、α型スターリング機構の低温部に送る際に、再生型熱交換器(あるいは単に再生器)を介して送ってもよい。この再生器によって熱効率が改善されることは、通常のα型スターリングエンジンの場合と同様である。
エンジンブレーキとして動作させるには、燃料の供給を遮断または抑制して、上記の行程を繰り返せば良い。この際上記の様に燃料の供給を抑制するためには、供給する未燃焼ガスの圧力が低下する様に調整する。この調整によって、エンジンブレーキの効き具合を調整する事ができる。
1a 第1筒部分
1b 第2筒部分
2 点火プラグ
3 吸気弁
4、4a、4b 排気弁
5 第1筒部分の燃焼室
6 第2筒部分の燃焼室
7 ピストン
7a 第3筒部分
7b 第4筒部分
8 ピストンピン
9 ピストンリング
10 コンロッド
11 クランクシャフト
12 クランクアーム
13 吸気管
14a、14b 排気管
20 筒内掃気エンジン機構
21 スターリングエンジン機構高温部
22 スターリングエンジン機構低温部
24、25 連結管
26 排気管
27 排気弁
1b 第2筒部分
2 点火プラグ
3 吸気弁
4、4a、4b 排気弁
5 第1筒部分の燃焼室
6 第2筒部分の燃焼室
7 ピストン
7a 第3筒部分
7b 第4筒部分
8 ピストンピン
9 ピストンリング
10 コンロッド
11 クランクシャフト
12 クランクアーム
13 吸気管
14a、14b 排気管
20 筒内掃気エンジン機構
21 スターリングエンジン機構高温部
22 スターリングエンジン機構低温部
24、25 連結管
26 排気管
27 排気弁
Claims (4)
- 燃焼室と該燃焼室を往復運動するピストンと、
上記ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランク機構と、
上記燃焼室に酸素と燃料とを含む未燃焼ガスを別々にまたは一緒に装填する装填手段と、上記燃料の燃焼による燃焼済ガスを上記燃焼室の外部に排出する排気手段を備える内燃機関であって、
上記燃焼室は、比較的小内径の第1筒部分と、比較的大内径の第2筒部分とを含む段差のある筒状の内部形状を有し、
上記ピストンは、上記燃焼室に緩嵌合するものであって、比較的小外径の第3筒部分と、比較的大外径の第4筒部分とを含む段差のある筒状の外部形状を有し、
上記第4筒部分の外壁は、気密保持手段を介して上記第2筒部分の内壁に接し、
上記ピストンの運動周期において、上記燃焼室が第1筒部分の内壁と第3筒部分の外壁とが対峙する隘路を挟んで第1筒部分の燃焼室と第2筒部分の燃焼室に分断される期間に、上記第1筒部分の燃焼室に上記未燃焼ガスを装填することで上記燃焼済ガスを上記第2筒部分の燃焼室に掃気した後、該未燃焼ガスを燃焼させる構成と、
上記排気手段が、上記第2筒部分の燃焼室の燃焼済ガスを排気する構成を有することを特徴とする筒内掃気エンジン。 - 上記排気手段は、上記第2筒部分の燃焼室の圧力が上記周期運動における平均圧力よりも低い期間に排気する構成を有することを特徴とする筒内掃気エンジン。
- 上記排気手段は、冷却されたシリンダーと、該シリンダー内を上記周期運動と同期し所定の位相差で周期運動するピストンと、上記周期運動と同期した所定の期間に上記冷却されたシリンダーから排気する排気弁とを有し、
上記第2筒部分の燃焼室の燃焼済ガスを上記冷却されたシリンダーに導入し、上記冷却されたシリンダーから排気する構成を有することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の筒内掃気エンジン。 - 上記排気手段は、上記周期運動と同期して往復運動するスターリングエンジン機構を含み、
上記第2筒部分の燃焼室の燃焼済ガスを上記スターリングエンジン機構の高温部に導入し、上記スターリングエンジン機構の低温部から上記周期運動と同期した所定の期間に排気する構成を有することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の筒内掃気エンジン。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2021507159A (ja) * | 2018-12-28 | 2021-02-22 | ハンナ,イブラヒム,ムニール | 相対運動をする内部構造を持つシリンダーシステム |
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2017
- 2017-03-07 JP JP2017058182A patent/JP2017141836A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021507159A (ja) * | 2018-12-28 | 2021-02-22 | ハンナ,イブラヒム,ムニール | 相対運動をする内部構造を持つシリンダーシステム |
JP7473340B2 (ja) | 2018-12-28 | 2024-04-23 | ハンナ,イブラヒム,ムニール | 相対運動をする内部構造を持つシリンダーシステム |
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