JP2001164945A - ガスタービンのロータ尾端部の軸構造および軸受構造 - Google Patents

ガスタービンのロータ尾端部の軸構造および軸受構造

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JP2001164945A JP2000292763A JP2000292763A JP2001164945A JP 2001164945 A JP2001164945 A JP 2001164945A JP 2000292763 A JP2000292763 A JP 2000292763A JP 2000292763 A JP2000292763 A JP 2000292763A JP 2001164945 A JP2001164945 A JP 2001164945A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータ集成体の軸部が熱変形することのない
ロータ尾端部の軸構造および軸受構造を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明は、ガスタービンのロータ集成体
の中心軸線に沿って、ガスタービンの動翼冷却用蒸気を
供給/回収するための蒸気通路を具備するガスタービン
のロータ尾端部の軸構造において、前記ロータ尾端部内
に前記蒸気通路の中心軸線と同軸のロータ尾端部の中心
孔が設けられており、前記蒸気通路と前記ロータ尾端部
の中心孔内表面との間にサーマルスリーブを設け、前記
ロータ尾端部の中心孔内表面と前記サーマルスリーブと
の間に断熱気体層を形成すると共に、前記断熱気体層を
外部から気密かつ液密に絶縁したことを特徴とするガス
タービンのロータ尾端部の軸構造を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気冷却ガスター
ビンのロータ尾端部の熱変形の防止または低減に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンの高効率化のために、ガス
タービン入口の燃焼ガスの温度は年々上昇を続けてお
り、近時この温度を1500℃としたガスタービンが提
案されている。こうした高温の燃焼ガスからガスタービ
ンの静翼および動翼を保護するために、従来の空気冷却
に代えて比較的低温の蒸気にて冷却する所謂蒸気冷却ガ
スタービンの開発が行われている。ガスタービンの動翼
を蒸気にて冷却するためには、タービン動翼の冷却用蒸
気の供給/回収用の蒸気通路をガスタービンのロータの
中心軸に沿って形成しなければならない。
【0003】従来一般に採用されているガスタービン動
翼の冷却用蒸気の供給/回収構成を図12により示す。
ガスタービンロータのタービン側構成はロータ尾端部お
よび複数のタービンディスクをスピンドルボルトにより
締結して組み立てられる。タービンディスクに埋め込ま
れたブレードに冷却用蒸気を供給/回収するにはロータ
尾端部に中心孔を設け同軸蒸気管とする方式となる。
【0004】ロータ尾端部100は、エンド・ディスク
を形成する略円板状のディスク部120と、中空の略円
筒形状の軸部140とを具備して成り、中心軸に沿って
ディスク中心孔130およびロータ尾端部中心孔150
が形成されている。ディスク部120には、複数の通孔
(図示しない)が中心軸線Oを中心として周方向に等間
隔に形成されており、ディスク部120の前面に複数の
タービン動翼ディスク(図示しない)が配置された状態
で、前記通孔にタービンスピンドルボルト(図示しな
い)を挿入し、ナット(図示しない)により締め付ける
ことにより、タービン動翼ディスク(図示しない)を支
持しながら一体的に回転するロータ集成体が形成され
る。
【0005】ロータのディスク中心孔130にはタービ
ン動翼冷却用の蒸気を供給するための蒸気通路200が
溶接されている。ロータのエンド・ディスクの後部から
ロータの軸部140内に延びるロータ尾端部中心孔15
0の内表面と蒸気通路との間はタービン動翼冷却用の蒸
気を回収するための通路となって、適切な冷却装置(図
示しない)により動翼を冷却した蒸気を回収する。回転
するロータ尾端部100と静止部との接続は、先ず内筒
は蒸気通路200と静止蒸気管内筒290とをシールフ
ィン230(ラビリンスシール)を介して接続する。次
いでロータ尾端部100の端部に静止蒸気短管270と
静止蒸気管外筒280をシールフィン220(ラビリン
スシール)を介して接続する。シールフィン220およ
び230には漏れ蒸気回収設備が接続されているが図示
を省略する。
【0006】こうして組み立てられたロータ集成体は、
そのロータ尾端部100において軸受240により回転
自在に支持される。このタービン動翼冷却用蒸気は飽和
温度が約140℃の圧力の蒸気を400℃以上に加熱し
て供給し、ロータの中心孔を流路として供給するのでロ
ータを冷却蒸気の飽和温度まで昇温する。ところが、軸
受のある尾端部は潤滑油によって通常100℃以下に冷
却されており、前記中心孔との温度差により熱変形する
こととなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方、複数のロータデ
ィスクを一体的に回転できるようにスピンドルボルトに
て互いに締結、形成したガスタービンのロータ集成体
は、所謂ジャーナル軸受と称される軸受にて回転自在に
支持されている。ガスタービンのロータ集成体は非常に
重量大であるために、ロータ集成体の軸部とジャーナル
軸受との間の間隙は高精度に管理されている。ところ
が、蒸気冷却ガスタービンでは、ロータ集成体の中心部
を蒸気が流通するために、ロータ集成体、特にその軸部
が熱変形し、ジャーナル軸受を損傷する等の問題を生じ
る。
【0008】本発明は、こうした従来技術の問題を解決
することを技術課題としており、蒸気冷却ガスタービン
のロータ尾端部の熱変形の防止または低減したロータ尾
端部の軸構造および軸受構造を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、ガスタービンのロータ集成体の中心軸線に沿って、
ガスタービンの動翼冷却用蒸気を供給/回収するための
蒸気通路を具備するガスタービンのロータ尾端部の軸構
造において、前記ロータ尾端部内に前記蒸気通路の中心
軸線と同軸のロータ尾端部の中心孔が設けられており、
前記蒸気通路と前記ロータ尾端部の中心孔内表面との間
にサーマルスリーブを設け、前記ロータ尾端部の中心孔
内表面と前記サーマルスリーブとの間に断熱気体層を形
成すると共に、前記断熱気体層を外部から気密かつ液密
に絶縁したことを特徴とするガスタービンのロータ尾端
部の軸構造を要旨とする。
【0010】本発明によれば、蒸気通路とロータ尾端部
の中心孔内表面との間にサーマルスリーブを設け、前記
中心孔内表面と前記サーマルスリーブとの間に断熱気体
層を形成したために、蒸気通路内をタービン動翼冷却用
の蒸気が流通したときに、軸部の表面近傍領域への伝熱
が抑制され、軸部の熱変形が低減、抑制される。更に、
断熱気体層は外部から気密、液密に絶縁されているため
に、外部から蒸気が進入することがなく、ガスタービン
の休止中に温度が低下しても蒸気の凝縮によるドレンは
発生することがない。これにより、ドレンを原因とする
異常振動の発生が防止される。
【0011】前記サーマルスリーブを略円筒状の部材か
ら形成し、該円筒部材をその一方の端部において前記ガ
スタービンのエンド・ディスクに溶接し、他方の端部に
おいて前記ロータ尾端部の軸部に溶接し、かつ、前記サ
ーマルスリーブにおいて前記ロータ尾端部の軸部に溶接
されている端部近傍に湾曲部を設けるようにしてもよ
い。前記蒸気通路を流通する蒸気により前記サーマルス
リーブと前記軸部との間に温度差を生じても、前記湾曲
部が、両者間の温度差による軸方向の熱膨張差を吸収し
てサーマルスリーブの損傷または破損を防止できる。
【0012】更に、前記サーマルスリーブを前記エンド
・ディスクまたは軸部に溶接する際、好ましくはサーマ
ルスリーブに予張力が印加される。サーマルスリーブに
予張力を印加した状態で前記軸部に溶接することによ
り、前記サーマルスリーブの変形が低減される。更に、
前記湾曲部と予張力とを組み合わせることにより、更に
一層サーマルスリーブの変形を低減すると供に、その損
傷または破損を防止できる。
【0013】請求項4に記載の本発明は、ガスタービン
のロータ集成体の中心軸線に沿って、ガスタービンの動
翼冷却用蒸気を供給/回収するための蒸気通路を具備す
るガスタービンのロータ尾端部の軸構造において、前記
蒸気通路と前記ロータ尾端部の軸部外表面との間に複数
の軸部冷却用空気通路が形成されていることを特徴とす
るガスタービンのロータ尾端部の軸構造を要旨とする。
【0014】本発明によれば、前記蒸気通路と前記ロー
タ尾端部の軸部外表面との間に複数の軸部冷却用空気通
路を形成して、該軸部冷却用空気通路に冷却空気を流通
させることにより、蒸気通路をタービン動翼冷却用蒸気
が流通したときに、前記複数の軸部冷却用空気通路を流
通する冷却空気により前記軸部が冷却され、該軸部の熱
変形が低減、抑制される。
【0015】前記軸部冷却用空気通路を、少なくとも部
分的に前記軸部に直接的に穿孔することができる。ま
た、前記軸部を前記蒸気通路を包囲する軸部本体と、前
記軸部本体の外表面に嵌合されたスリーブとから形成
し、前記軸部本体と前記スリーブとの間に前記軸部冷却
用空気通路を少なくとも部分的に形成するようにしても
よい。
【0016】請求項7に記載の本発明は、ガスタービン
のロータ集成体の中心軸線に沿って、ガスタービンの動
翼冷却用蒸気を供給/回収するための蒸気通路を具備す
るガスタービンのロータ尾端部の軸部を回転自在に支持
する軸受構造において、ジャーナル軸受を形成する軸受
パッドと、前記軸受パッドおよび前記軸部の間を潤滑す
る潤滑油の漏洩を防止するために前記軸受パッドの軸方
向両側部に設けられたシール部とを具備し、前記シール
部が、前記軸受パッドの軸方向の幅寸法領域において前
記ロータ尾端部の軸部の表面温度を前記潤滑油により所
定の温度以下に維持可能な、軸方向幅寸法を有している
ことを特徴とするガスタービンのロータ尾端部の軸受構
造を要旨とする。
【0017】ガスタービンのロータ尾端部の軸受構造に
おいて、軸受パッドの両側部に設けたシール部の軸方向
の寸法を通常よりも延長することにより、ロータ尾端部
の軸部と軸受パッドとの間に供給される潤滑油が、前記
軸部の外表面において軸方向により広範囲で保持され、
従って、該潤滑油により前記軸部の外表面において、軸
方向のより広範囲が冷却されることとなり、前記軸部の
外表面の前記軸受パッドに対面する領域において前記軸
部の表面温度を所定の温度以下に維持可能となる。これ
により、前記軸部の外表面の前記軸受パッドに対面する
領域における前記軸部の熱変形、特に半径方向の熱膨張
を許容範囲内に維持可能となる。
【0018】請求項8に記載の本発明は、ガスタービン
のロータ集成体の中心軸線に沿って、ガスタービンの動
翼冷却用蒸気を供給/回収するための蒸気通路を具備す
るガスタービンのロータ尾端部の軸構造において、前記
ロータ尾端部内に前記蒸気通路の中心軸線と同軸のロー
タ尾端部の中心孔が設けられており、前記蒸気通路と前
記ロータ尾端部の中心孔内表面との間にサーマルスリー
ブを設け、前記ロータ尾端部の中心孔内表面と前記サー
マルスリーブとの間に断熱気体層を形成すると共に、前
記断熱気体層に外部から冷却空気を循環させることによ
りロータの冷却効果を高めたものである。
【0019】請求項9に記載の本発明は、前記サーマル
スリーブは略円筒状の部材であり、一方の端部において
前記ガスタービンのエンド・ディスクに溶接され、他方
の端部において前記ロータ尾端部の軸部にベローズを介
して溶接されており、このベローズが前記サーマルスリ
ーブの熱膨張による熱応力を低減するようになっている
ことを特徴とする。
【0020】請求項10に記載の発明は、ガスタービン
のロータ集成体の中心軸線に沿って、ガスタービンの動
翼冷却用蒸気を供給/回収するための蒸気通路を具備す
るガスタービンのロータ尾端部の軸構造において、前記
ロータ尾端部内に前記蒸気通路の中心軸線と同軸の中心
孔が設けられており、前記ロータ尾端部の中心孔内に蒸
気管を設け、前記ロータ尾端部の中心孔内表面と前記蒸
気管との間に断熱気体層を形成するとともに、蒸気管は
シールフィン(ラビリンスシール)を介して静止蒸気管
に接続することにより、蒸気管の熱膨張による伸びをシ
ールフィンの滑りにより吸収するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好ましい実施形態を説明する。先ず、図1を参照する
と、本発明第一の実施形態によるガスタービンのロータ
集成体の尾端部(以下、単にロータ尾端部と記載する)
10の半断面図が示されている。本明細書では、ガスタ
ービンの圧縮機側を前方(図1で左側)、膨張機側を後
方(図1で右側)として説明する。
【0022】ロータ尾端部10は、ディスク中心孔13
を有する略円板状のエンド・ディスク12と、中空の略
円筒形状の軸部14とを具備して成る。ディスク中心孔
13には冷却蒸気管供給用蒸気通路20が溶接されてい
る。更に、エンド・ディスク12には、複数の通孔12
b(図示しない)がロータ集成体の長手方向の中心軸線
Oを中心として周方向に等間隔に形成されており、エン
ド・ディスク12の前面12aに他のディスク(図示し
ない)を接触させた状態で、通孔12bにタービンスピ
ンドルボルト(図示しない)を挿入し、ナット(図示し
ない)により締め付けることにより、タービン動翼(図
示しない)を支持しながら一体的に回転するロータ集成
体が形成される。
【0023】前述のようにして組み立てられたロータ集
成体は、そのロータ尾端部10において軸受24により
回転自在に支持される。軸受24は、軸受パッド24a
と、該軸受パッド24aの両側部に設けられたシール部
26とを具備し、ガスタービンの分野において周知とな
っているように、軸受24はジャーナル軸受を形成して
いる。シール部26は、シール部材26cを軸受パッド
24aに取付けるためのブラケット26aを含んでい
る。
【0024】ロータ尾端部10はロータ尾端部中心孔1
5を有している。ロータ尾端部中心孔15はディスク中
心孔13と同軸であってロータ尾端部中心孔15の直径
はディスク中心孔13の直径よりも大きい。ロータ尾端
部中心孔15には円筒状サーマルスリーブ16が挿入さ
れている。サーマルスリーブ16の先端(図1では左
端)はロータ尾端部中心孔15に溶接されており、後端
(図1で右端)は軸部14の後端に溶接されている。サ
ーマルスリーブ16の外径は、軸部14のロータ尾端部
中心孔15の内径よりも小さく、両者間に断熱気体層1
8が形成される。好ましくは、断熱気体層18には乾燥
気体、例えば空気またはアルゴン等の不活性気体が充填
される。
【0025】サーマルスリーブ16の後端部には湾曲部
16aが形成されており、ガスタービンが作動して、サ
ーマルスリーブ16の温度が上昇し、軸部14との間に
温度差が生じたときの熱応力、特に圧縮応力を逃がすよ
うになっている。更に好ましくは、軸方向に牽引して予
張力を印加した状態でサーマルスリーブ16を軸部14
に溶接し、ガスタービンが作動して、サーマルスリーブ
16と軸部14との間に温度差が生じたときの圧縮応力
を低減できるようにする。
【0026】本実施形態では、蒸気通路20と軸部14
との間にサーマルスリーブ16を挿入し、サーマルスリ
ーブ16と軸部14のロータ尾端部中心孔15の内表面
との間に断熱気体層18を形成したために、ガスタービ
ンが作動してタービン動翼冷却用蒸気が流通したとき
に、軸部14への伝熱が抑制され、軸部14の熱変形が
低減、抑制される。
【0027】また、ガスタービンの作動中に蒸気通路2
0を流通する蒸気によりサーマルスリーブ16と軸部1
4との間に温度差による熱膨張差を生じても、サーマル
スリーブ16は予張力を印加した状態で軸部14に溶接
されているので、サーマルスリーブ16に生じる熱応力
が低減され、サーマルスリーブ16の変形が防止され
る。更に、サーマルスリーブ16は、その後端部に湾曲
部16aを有しているために前記予張力で吸収しきれな
い熱応力を湾曲部16aの変形により逃がすことがで
き、サーマルスリーブ16の円筒部分が変形するのが防
止される。更に、断熱気体層18は外部から気密、液密
に絶縁されており外部から蒸気が進入することがなく、
かつ、断熱気体層18には乾燥気体が充填されているた
めに、ガスタービンの休止中に温度が低下しても蒸気の
凝縮によるドレンは発生することがない。
【0028】次に図2、図3を参照して本発明の第二の
実施形態を説明する。本発明第二の実施形態によるロー
タ尾端部10は、エンド・ディスクを形成する略円板状
のディスク部12と、中空の略円筒形状の軸部14とを
具備して成り、長手の中心軸線Oに沿ってロータのディ
スク中心孔13およびロータ尾端部中心孔15が形成さ
れている。ロータ尾端部中心孔15はディスク中心孔1
3と同軸であり、ロータ尾端部中心孔15の直径はディ
スク中心孔13の直径よりも大きい。第一の実施形態の
エンド・ディスク12と同様に、ディスク部12には、
複数の通孔(図示しない)が中心軸線Oを中心として周
方向に等間隔に形成されており、ディスク部12の前面
12aに他のディスク(図示しない)を接触させた状態
で、前記通孔にタービンスピンドルボルト(図示しな
い)を挿入し、ナット(図示しない)により締め付ける
ことにより、タービン動翼(図示しない)を支持しなが
ら一体的に回転するロータ集成体が形成される。ロータ
のディスク中心孔13にタービン動翼冷却用の蒸気を流
通させるための蒸気通路20が設けられる。ロータの軸
部14のロータ尾端部中心孔15の内表面と蒸気通路2
0との間はタービン動翼冷却用の蒸気を回収するための
通路となる。前述のようにして組み立てられたロータ集
成体は、そのロータ尾端部10において第一の実施形態
と同様の軸受24により回転自在に支持される。
【0029】軸部14には、半径方向に延びる冷却空気
入口通路31a、軸方向に延びる主空気通路31b、お
よび半径方向に延びる冷却空気出口通路31cから成る
複数の軸部冷却用空気通路が穿孔されている。前記複数
の軸部冷却用空気通路は、中心軸線Oに関して周方向に
等間隔に設けられている。また、主空気通路31bは、
一例として、ロータ端部からドリルにより軸方向に盲孔
を穿孔した後に、その一端を溶接部31dにより閉塞す
ることにより形成することができる。
【0030】冷却空気入口通路31aに対面して冷却空
気導入装置32が設けられている。冷却空気導入装置3
2は、該ガスタービンのケーシング(図示しない)等の
固定部に設けられた空気導入部32aと、該空気導入部
32aの内周面に設けられたシール部材32bとを具備
している。空気導入部32aおよびシール部材32bに
は、前記冷却空気入口通路31aに連通する複数の空気
通路32c、32dが周方向に等間隔に形成されてお
り、冷却空気供給源(図示しない)からの空気を冷却空
気入口通路31aまで導くようになっている。
【0031】同様に、冷却空気出口通路31cに対面し
て冷却空気排出装置33が設けられている。冷却空気排
出装置33は、該ガスタービンのケーシング(図示しな
い)等の固定部に設けられた空気排出部33aと、該空
気排出部33aの内周面に設けられたシール部材33b
とを具備している。空気排出部33aおよびシール部材
33bには、前記冷却空気出口通路31cに連通する複
数の空気通路33c、33dが周方向に等間隔に形成さ
れている。冷却空気導入装置32からの空気は、複数の
軸部冷却用空気通路31a、31b、31cを流通して
ロータ尾端部10を冷却した後にガスタービン外部へ排
出される。
【0032】本実施形態では、軸部14に複数の軸部冷
却用空気通路31a、31b、31cを設け、複数の軸
部冷却用空気通路31a、31b、31cに冷却空気を
流通させたので、ガスタービンが作動してタービン動翼
冷却用蒸気が蒸気通路20を流通したときに、軸部14
が複数の軸部冷却用空気通路31a、31b、31cを
流通する冷却空気により軸部14の表面近傍領域が冷却
され、軸部14の熱変形が低減、抑制される。
【0033】次に、図4、図5を参照して本発明の第三
の実施形態を説明する。上述した本発明第二の実施形態
では、複数の軸部冷却用空気通路31a、31b、31
cは、軸部14を直接的に穿孔することにより形成され
ていたが、第三の実施形態の軸部冷却用空気通路は、ロ
ータ尾端部の軸部本体の外表面にスリーブを嵌合するこ
とにより、軸部本体の外表面とスリーブとの間に形成さ
れている。
【0034】図4、図5を参照すると、本発明第三の実
施形態によるロータ尾端部10は、エンド・ディスクを
形成する略円板状のディスク部12と、中空の略円筒形
状の軸部本体14と、軸部本体14に嵌合されたスリー
ブ17とを具備し、長手の中心軸線Oに沿ってロータの
ロータ尾端部中心孔15が形成されている。前述した実
施形態と同様にロータ集成体が形成され、該ロータ集成
体は、そのロータ尾端部10において前述の実施形態と
同様の軸受24により回転自在に支持される。つまり、
軸部本体14と該軸部本体に嵌合されたスリーブ17と
により、前述した実施形態の軸部が形成されるのであ
る。
【0035】スリーブ17は、軸部14に等しい内径を
有する内周面17aと、軸受24により支持されるロー
タ集成体の軸部に等しい外径を有する外周面17bとを
有する略円筒状の部材であり、内周面17aには、軸方
向に延びる複数の半円形の凹溝17cが形成されてい
る。スリーブ17を軸部本体14の外周面に嵌合させた
後に環状のエンドプレート17dが、ボルト17eによ
り軸部本体14の軸端に固定される。エンドプレート1
7dには、図4に示すように組み立てたときに、軸部本
体14の外周面とスリーブ17の凹溝17cとの間に形
成される主空気通路(以下、単に主空気通路17fと記
載する)に連通可能な複数の冷却空気出口通路31cが
形成されている。一方、軸部本体14の基端部近傍に
は、主空気通路17fに連通可能な複数の冷却空気入口
通路31aが形成されており、冷却空気入口通路31
a、主空気通路17fおよび冷却空気出口通路31cに
より複数の軸部冷却用空気通路が形成される。軸部冷却
用空気通路31a、17f、31cは、中心軸線Oに関
して周方向に等間隔に設けられている。
【0036】第二の実施形態と同様に冷却空気入口通路
31aに対面して冷却空気導入装置32が設けられてお
り、冷却空気出口通路31cに対面して冷却空気排出装
置33が設けられている。冷却空気導入装置32からの
空気は、複数の軸部冷却用空気通路31a、17f、3
1cを流通してロータ尾端部10を冷却した後にガスタ
ービン外部へ排出される。
【0037】本実施形態では、軸部本体14とスリーブ
17との間に軸部冷却用空気通路31a、17f、31
cを形成し、該複数の軸部冷却用空気通路31a、17
f、31cに冷却空気を流通させたので、ガスタービン
が作動してタービン動翼冷却用蒸気が蒸気通路20を流
通したときに、ロータ尾端部の軸部の一部を形成するス
リーブ17が冷却され、軸部の熱変形が低減、抑制され
る。
【0038】次に、図6から図8を参照して本発明第四
の実施形態を説明する。図6において、本発明第四の実
施形態によるロータ尾端部10は、エンド・ディスクを
形成する略円板状のディスク部12と、中空の略円筒形
状の軸部14とを具備し、長手の中心軸線Oに沿ってロ
ータのディスク中心孔13およびロータ尾端部中心孔1
5が形成されている。ロータ尾端部中心孔15はディス
ク中心孔13と同軸であり、ロータ尾端部中心孔15の
直径はディスク中心孔13の直径よりも大きい。第一の
実施形態のエンド・ディスク12と同様に、ディスク部
12には、複数の通孔(図示しない)が中心軸線Oを中
心として周方向に等間隔に形成されており、ディスク部
12の前面12aに他のディスク(図示しない)を接触
させた状態で、通孔にタービンスピンドルボルト(図示
しない)を挿入し、ナット(図示しない)により締め付
けることにより、タービン動翼(図示しない)を支持し
ながら一体的に回転するロータ集成体が形成される。ロ
ータのディスク中心孔13にはタービン動翼冷却用の蒸
気を流通させるための蒸気通路20が設けられる。ロー
タの軸部14のロータ尾端部中心孔15の内表面と蒸気
通路との間はタービン動翼冷却用の蒸気を回収するため
の通路となる。前述のようにして組み立てられたロータ
集成体は、そのロータ尾端部10において軸受24によ
り回転自在に支持される。
【0039】本実施形態による軸受24は、軸受パッド
24aと、該軸受パッド24aの両側部に設けられたシ
ール部26とを具備している。シール部26はシール部
材26cと、該シール部材26cを軸受パッド24aに
取付けるためのブラケットとを含む。前記ブラケット
は、軸受パッド24aに取付けられる半径方向固定部2
6aと、該半径方向固定部に連結された張出部26bと
を有して断面がL字状に形成されている。本実施形態お
いて、シール部材26cは、図1から図5に示した実施
形態のシール部材と比較して、その幅、つまり軸方向の
寸法が大きくなっており、これに対応して、軸受24の
ブラケットは、図1から図5に示した実施形態のブラケ
ットと比較して、軸方向に延びる張出部26bを具備し
ている。
【0040】前述したように、ガスタービンにおいて一
般的に用いられるジャーナル軸受では、軸受パッドを半
径方向に貫通する油路(図示しない)が形成されてお
り、該油路から潤滑油を供給することにより、ロータ集
成体の軸部と軸受との間の潤滑を促進すると共に、軸部
と軸受パッドとの間を冷却している。そして、シール部
材は軸部と軸受パッドとの間から漏出する潤滑油を低減
し、以て軸部と軸受パッドとの間の潤滑を促進してい
る。然しながら、従来技術のジャーナル軸受では、シー
ル部の軸方向の幅寸法が充分でないために、図7に示す
ように、軸部の外表面温度Tの軸方向の温度分布は、軸
受パッドの中心aの領域で潤滑油により冷却された一定
の低温TLとなり、中心aから軸方向に離れるにつれ左
右対称に一定の高温THに漸近する。このために、軸部
もまた、図7の温度分布と相似形に熱変形し、軸受パッ
ドの軸方向両側部近傍において、軸部と軸受パッドとの
間の間隙が過度に小さくなり、或いは、軸部と軸受パッ
ドとが干渉またはメタルタッチする。
【0041】本発明第四の実施形態では、図8に示すよ
うに、シール部材として軸方向に従来技術のシール部材
よりも幅の広いシール部材26cを用いて上述した従来
技術の問題を解決している。すなわち、シール部材26
cを、軸部14の外表面温度が軸受パッド24aの軸方
向長さL0の範囲、つまり、前記軸部の外表面の前記軸
受パッドに対面する領域において一定の低温TLに維持
されうる長さにする必要がある。シール部材の軸方向の
幅寸法をそのような値にして軸部14を従来技術よりも
軸方向に広範囲にわたって冷却することにより、軸部1
4と軸受パッド24aとの間の間隙が過度に小さくなる
ことを防止し、或いは、軸部14の熱変形を低減し、以
て、軸受パッド24aとの干渉またはメタルタッチを防
止可能となる。
【0042】図9により本発明第五の実施形態を説明す
る。ロータ尾端部10は、ディスク中心孔13を有する
略円板状のエンド・ディスク12と、中空の略円筒形状
の軸部14とを具備して成る。ディスク中心孔13には
冷却蒸気管供給用蒸気通路20が溶接されている。更
に、エンド・ディスク12には、複数の通孔12b(図
示しない)がロータ集成体の長手方向の中心軸線Oを中
心として周方向に等間隔に形成されており、エンド・デ
ィスク12の前面12aに他のディスク(図示しない)
を接触させた状態で、通孔12bにタービンスピンドル
ボルト(図示しない)を挿入し、ナット(図示しない)
により締め付けることにより、タービン動翼(図示しな
い)を支持しながら一体的に回転するロータ集成体が形
成される。
【0043】前述のようにして組み立てられたロータ集
成体は、そのロータ尾端部10において軸受24により
回転自在に支持される。軸受24は、軸受パッド24a
と、該軸受パッド24aの両側部に設けられたシール部
26とを具備し、ガスタービンの分野において周知とな
っているように、軸受24はジャーナル軸受を形成して
いる。シール部26は、シール部材26cを軸受パッド
24aに取付けるためのブラケット26aを含んでい
る。
【0044】ロータ尾端部10のロータ尾端部中心孔1
5に円筒状サーマルスリーブ16が挿入されている。ロ
ータ尾端部中心孔15はディスク中心孔13と同軸であ
り、ロータ尾端部中心孔15の直径はディスク中心孔1
3の直径よりも大きい。サーマルスリーブ16の先端
(図1では左端)はロータ尾端部中心孔15に溶接され
ており、後端(図1で右端)は軸部14の後端に溶接さ
れている。サーマルスリーブ16の外径は、軸部14の
ロータ尾端部中心孔15の内径よりも小さく、両者間に
断熱気体層18が形成される。
【0045】サーマルスリーブ16の後端部には湾曲部
16aが形成されており、ガスタービンが作動して、サ
ーマルスリーブ16の温度が上昇し、軸部14との間に
温度差が生じたときの熱応力、特に圧縮応力を逃がすよ
うになっている。更に好ましくは、軸方向に牽引して予
張力を印加した状態でサーマルスリーブ16を軸部14
に溶接し、ガスタービンが作動して、サーマルスリーブ
16と軸部14との間に温度差が生じたときの圧縮応力
を低減するようにできる。
【0046】軸部14には、半径方向に延びる冷却空気
入口通路31aと冷却空気出口通路31cとから成る複
数の軸部冷却用空気通路が穿孔されて前記断熱気体層1
8に通じており、冷却用空気通路が形成されている。
【0047】冷却空気入口通路31aに対面して冷却空
気導入装置32が設けられている。冷却空気導入装置3
2は、該ガスタービンのケーシング(図示しない)等の
固定部に設けられた空気導入部32aと、該空気導入部
32aの内周面に設けられたシール部材32bとを具備
している。空気導入部32aおよびシール部材32bに
は、前記冷却空気入口通路31aに連通する複数の空気
通路32c、32dが周方向に等間隔に形成されてお
り、冷却空気供給源(図示しない)からの空気を冷却空
気入口通路31aへ導くようになっている。
【0048】同様に、冷却空気出口通路31cに対面し
て冷却空気排出装置33が設けられている。冷却空気排
出装置33は、該ガスタービンのケーシング(図示しな
い)等の固定部に設けられた空気排出部33aと、該空
気排出部33aの内周面に設けられたシール部材33b
とを具備している。空気排出部33aおよびシール部材
33bには、前記冷却空気出口通路31cに連通する複
数の空気通路33c、33dが周方向に等間隔に形成さ
れている。冷却空気導入装置32からの空気は、複数の
軸部冷却用空気通路31a、18、31cを流通してロ
ータ尾端部10を冷却した後にガスタービン外部へ排出
される。
【0049】本実施形態では、軸部14に複数の軸部冷
却用空気通路31a、18、31cを設け、複数の軸部
冷却用空気通路31a、18、31cに冷却空気を流通
させたので、ガスタービンが作動して蒸気通路20をタ
ービン動翼冷却用蒸気が流通したときに、軸部14が複
数の軸部冷却用空気通路31a、18、31cを流通す
る冷却空気により軸部14の軸受領域が冷却され、軸部
14の熱変形が低減、抑制される。
【0050】図10により本発明第六の実施形態を説明
する。ロータ尾端部10は、ディスク中心孔13を有す
る略円板状のエンド・ディスク12と、中空の略円筒形
状の軸部14とを具備して成る。ディスク中心孔13に
は冷却蒸気管供給用蒸気通路20が溶接されている。更
に、エンド・ディスク12には、複数の通孔12b(図
示しない)がロータ集成体の長手方向の中心軸線Oを中
心として周方向に等間隔に形成されており、エンド・デ
ィスク12の前面12aに他のディスク(図示しない)
を接触させた状態で、通孔12bにタービンスピンドル
ボルト(図示しない)を挿入し、ナット(図示しない)
により締め付けることにより、タービン動翼(図示しな
い)を支持しながら一体的に回転するロータ集成体が形
成される。
【0051】前述のようにして組み立てられたロータ集
成体は、そのロータ尾端部10において軸受24により
回転自在に支持される。軸受24は、軸受パッド24a
と、該軸受パッド24aの両側部に設けられたシール部
26とを具備し、ガスタービンの分野において周知とな
っているように、軸受24はジャーナル軸受を形成して
いる。シール部26は、シール部材26cを軸受パッド
24aに取付けるためのブラケット26aを含んでい
る。
【0052】ロータ尾端部10のロータ尾端部中心孔1
5に円筒状サーマルスリーブ16が挿入されている。ロ
ータ尾端部中心孔15はディスク中心孔13と同軸であ
り、ロータ尾端部中心孔15の直径はディスク中心孔1
3の直径よりも大きい。サーマルスリーブ16の先端
(図1では左端)はロータ尾端部中心孔15に溶接され
ており、後端(図1で右端)は軸部14の後端に溶接さ
れている。サーマルスリーブ16の外径は、軸部14の
ロータ尾端部中心孔15の内径よりも小さく、両者間に
断熱気体層18が形成される。
【0053】本実施形態では、サーマルスリーブ16の
後端部にベローズ16bが設けられており、ガスタービ
ンが作動して、サーマルスリーブ16の温度が上昇し、
軸部14との間に温度差による伸びが生じたときの熱応
力、特に圧縮応力を逃がすようになっている。ベローズ
16bはベローズ16bの両端部にフランジを有してお
り、これらフランジ内に予め設けられた穴を介する取付
用ボルトによって、ベローズ16bはサーマルスリーブ
16および軸にそれぞれ取付けられている。これにより
ベローズを製造するのが容易になると共にベローズのメ
ンテナンス性が高まる。さらに、図示されるようにベロ
ーズのフランジと、サーマルスリーブ16および軸との
間にシール部、例えばOリングまたはCシール(図示し
ない)が設けられており、断熱気体層18を液密かつ気
密に絶縁している。
【0054】図11により本発明第七の実施形態を説明
する。ロータ尾端部10は、ディスク中心孔13を有す
る略円板状のエンド・ディスク12と、中空の略円筒形
状の軸部14とを具備して成る。ディスク中心孔13に
は冷却蒸気管供給用蒸気通路20が溶接されている。更
に、エンド・ディスク12には、複数の通孔12b(図
示しない)がロータ集成体の長手方向の中心軸線Oを中
心として周方向に等間隔に形成されており、エンド・デ
ィスク12の前面12aに他のディスク(図示しない)
を接触させた状態で、通孔12bにタービンスピンドル
ボルト(図示しない)を挿入し、ナット(図示しない)
により締め付けることにより、タービン動翼(図示しな
い)を支持しながら一体的に回転するロータ集成体が形
成される。
【0055】前述のようにして組み立てられたロータ集
成体は、そのロータ尾端部10において軸受24により
回転自在に支持される。軸受24は、軸受パッド24a
と、該軸受パッド24aの両側部に設けられたシール部
26とを具備し、ガスタービンの分野において周知とな
っているように、軸受24はジャーナル軸受を形成して
いる。シール部26は、シール部材26cを軸受パッド
24aに取付けるためのブラケット26aを含んでい
る。
【0056】ロータ尾端部10のロータ尾端部中心孔1
5に蒸気管外筒19が挿入されている。ロータ尾端部中
心孔15はディスク中心孔13と同軸であり、ロータ尾
端部中心孔15の直径はディスク中心孔13の直径より
も大きい。蒸気管外筒19の先端(図1では左端)はロ
ータ尾端部中心孔15に溶接されており、後端(図1で
右端)は静止蒸気管28(外筒)に設けられたシールフ
ィン(外筒)22に挿入されている。従来構成(図1
2)と同様、蒸気通路20の左端はエンド・ディスク1
2のディスク中心孔13に溶接され、右端は静止蒸気管
内筒29にシールフィン(内筒)23を介して挿入され
る。シールフィン22、23により蒸気通路20および
蒸気管外筒19は回転と自由な伸縮とが可能である。シ
ールフィン22、23からの漏れ蒸気は回収設備により
回収されるが図示を省略する。本発明の実施の形態では
蒸気管外筒19がロータの軸部14の過熱を抑制するサ
ーマルスリーブの役割を果たし、さらに蒸気管の温度差
による伸び縮みがシールフィンにより吸収される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一の実施形態によるロータ尾端部の軸
部の軸方向半断面図である。
【図2】本発明第二の実施形態によるロータ尾端部の軸
部の軸方向半断面図である。
【図3】図2において矢視線III-III の方向に見た軸に
対して垂直な断面図である。
【図4】本発明第三の実施形態によるロータ尾端部の軸
部の軸方向半断面図である。
【図5】図4において矢視線V-V の方向に見たスリーブ
の軸に対して垂直な断面図である。
【図6】本発明第四の実施形態によるロータ尾端部の軸
部の軸方向半断面図である。
【図7】従来技術において問題となるロータ尾端部の軸
部の熱変形の模式図である。
【図8】本発明第四の実施形態を適用した場合のロータ
尾端部の軸部の熱変形の模式図である。
【図9】本発明第五の実施形態によるロータ尾端部の軸
部の軸方向半断面図である。
【図10】本発明第六の実施形態によるロータ尾端部の
軸部の軸方向半断面図である。
【図11】本発明第七の実施形態によるロータ尾端部の
軸部の軸方向半断面図である。
【図12】従来技術のロータ尾端部の軸部の軸方向半断
面図である。
【符号の説明】
10…ロータ尾端部 12…エンド・ディスク 13…ディスク中心孔(蒸気供給) 14…軸部 15…ロータ尾端部中心孔(蒸気回収) 16…サーマルスリーブ 16a…湾曲部 16b…ベローズ 17…スリーブ 18…断熱気体層 19…蒸気管外筒 20…蒸気通路 22…シールフィン 23…シールフィン 24…軸受 26…シール部 27…蒸気短管 28…静止蒸気管外筒 29…静止蒸気管内筒 31a…冷却空気入口通路 31b…主空気通路 31c…冷却空気出口通路 31d…溶接部 32…冷却空気導入装置 33…冷却空気排出装置
フロントページの続き (72)発明者 谷岡 忠輝 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 篠原 種宏 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 田中 克則 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 上松 一雄 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービンのロータ集成体の中心軸線
    に沿って、ガスタービンの動翼冷却用蒸気を供給/回収
    するための蒸気通路を具備するガスタービンのロータ尾
    端部の軸構造において、 前記ロータ尾端部内に前記蒸気通路の中心軸線と同軸の
    ロータ尾端部の中心孔が設けられており、前記蒸気通路
    と前記ロータ尾端部の中心孔内表面との間にサーマルス
    リーブを設け、前記ロータ尾端部の中心孔内表面と前記
    サーマルスリーブとの間に断熱気体層を形成すると共
    に、前記断熱気体層を外部から気密かつ液密に絶縁した
    ことを特徴とするガスタービンのロータ尾端部の軸構
    造。
  2. 【請求項2】 前記サーマルスリーブは、略円筒状の部
    材であり、一方の端部において前記ガスタービンのエン
    ド・ディスクに溶接され、他方の端部において前記ロー
    タ尾端部の軸部に溶接されており、かつ、前記サーマル
    スリーブは前記ロータ尾端部の軸部に溶接されている端
    部近傍に湾曲部を有しており、前記湾曲部が前記サーマ
    ルスリーブの熱膨張による熱応力を低減するようになっ
    ていることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン
    のロータ尾端部の軸構造。
  3. 【請求項3】 前記サーマルスリーブを前記エンド・デ
    ィスクまたは軸部に取付ける際、前記サーマルスリーブ
    には、予張力が印加されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載のガスタービンのロータ尾端部の軸構
    造。
  4. 【請求項4】 ガスタービンのロータ集成体の中心軸線
    に沿って、ガスタービンの動翼冷却用蒸気を供給/回収
    するための蒸気通路を具備するガスタービンのロータ尾
    端部の軸構造において、 前記蒸気通路と前記ロータ尾端部の軸部外表面との間に
    複数の軸部冷却用空気通路が形成されていることを特徴
    とするガスタービンのロータ尾端部の軸構造。
  5. 【請求項5】 前記軸部冷却用空気通路が、少なくとも
    部分的に前記軸部に直接的に穿孔されていることを特徴
    とする請求項4に記載のガスタービンのロータ尾端部の
    軸構造。
  6. 【請求項6】 前記軸部が、前記蒸気通路を包囲する軸
    部本体と、前記軸部本体の外表面に嵌合されたスリーブ
    とを具備して成り、前記軸部冷却用空気通路が少なくと
    も部分的に前記軸部本体と前記スリーブとの間に形成さ
    れた主空気通路を含んで成ることを特徴とする請求項4
    または5に記載のガスタービンのロータ尾端部の軸構
    造。
  7. 【請求項7】 ガスタービンのロータ集成体の中心軸線
    に沿って、ガスタービンの動翼冷却用蒸気を供給/回収
    するための蒸気通路を具備するガスタービンのロータ尾
    端部の軸部を支持する軸受構造において、 ジャーナル軸受を形成する軸受パッドと、前記軸受パッ
    ドおよび前記軸部の間を潤滑する潤滑油の漏洩を防止す
    るために前記軸受パッドの軸方向両側部に設けられたシ
    ール部とを具備し、前記シール部が、前記軸受パッドの
    軸方向の幅寸法領域において前記ロータ尾端部の軸部の
    表面温度を前記潤滑油により所定の温度以下に維持可能
    な、軸方向幅寸法を有していることを特徴とするガスタ
    ービンのロータ尾端部の軸受構造。
  8. 【請求項8】 ガスタービンのロータ集成体の中心軸線
    に沿って、ガスタービンの動翼冷却用蒸気を供給/回収
    するための蒸気通路を具備するガスタービンのロータ尾
    端部の軸構造において、 前記ロータ尾端部内に前記蒸気通路の中心軸線と同軸の
    ロータ尾端部の中心孔が設けられており、前記蒸気通路
    と前記ロータ尾端部の中心孔内表面との間にサーマルス
    リーブを設け、前記ロータ尾端部の中心孔内表面と前記
    サーマルスリーブとの間に断熱気体層を形成すると共
    に、前記断熱気体層に外部から冷却空気を循環させるこ
    とを特徴とするガスタービンのロータ尾端部の軸構造。
  9. 【請求項9】 前記サーマルスリーブは、略円筒状の部
    材であり、一方の端部において前記ガスタービンのエン
    ド・ディスクに溶接され、他方の端部において前記ロー
    タ尾端部の軸部にベローズを介して溶接されており、該
    ベローズが前記サーマルスリーブの熱膨張による熱応力
    を低減するようになっていることを特徴とする請求項1
    または8に記載のガスタービンのロータ尾端部の軸構
    造。
  10. 【請求項10】 ガスタービンのロータ集成体の中心軸
    線に沿って、ガスタービンの動翼冷却用蒸気を供給/回
    収するための蒸気通路を具備するガスタービンのロータ
    尾端部の軸構造において、 前記ロータ尾端部内に前記蒸気通路の中心軸線と同軸の
    ロータ尾端部の中心孔が設けられており、前記ロータ尾
    端部の前記中心孔内に蒸気管を設け、前記ロータ尾端部
    の中心孔内表面と前記蒸気管との間に断熱気体層を形成
    するとともに、蒸気管はラビリンスシールを介して静止
    蒸気管に接続することを特徴とするガスタービンのロー
    タ尾端部の軸構造。
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JP2000297659A (ja) * 1998-12-18 2000-10-24 General Electric Co <Ge> タービンロータを蒸気冷却するためのボアチューブアセンブリ

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