JP3901828B2 - 蒸気冷却ガスタービン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸気冷却ガスタービンに関し、冷却用の蒸気の漏れを防止するような構造にしたものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は従来の代表的な蒸気冷却方式を採用したガスタービンの断面図である。図において、50は圧縮機、51はガスタービンであり、ガスタービン51にはロータ60の周囲に設けられた動翼71,72,73が設けられており、高温燃焼ガスが燃焼ガス通路52に導かれて流れ、固定側の静翼83,84,85との間で動翼71,72,73が回転し、ロータ60を回転させる。
【0003】
ロータディスク61には蒸気通路63が連通して軸方向に貫通しており、この蒸気通路63は周方向に複数本設けられている。冷却用蒸気80はシャフト64の蒸気入口65から蒸気通路に導かれ、通路62を通り、キャビティ66に入り、供給側通路67から2段動翼72内に入り、翼を冷却し、冷却後の蒸気は回収側通路68よりキャビティ69に流出する。一方、蒸気通路62の蒸気はキャビティ90より供給側通路91へ入り、ここから1段動翼71に流入して翼内部を冷却し、冷却後の蒸気は回収側通路92よりキャビティ69に流出し、ここから先の2段動翼72から流出した回収蒸気と合流してキャビティ93に流出し、ロータ60の中心を通ってシャフト64側へ回収される。又、蒸気通路62からの蒸気の一部はキャビティ94を通り、圧縮機50側へも供給され、冷却に供される。
【0004】
上記のような蒸気冷却方式を採用したガスタービンは、近年の発電プラントの高温、高効率化に伴ってコンバインドサイクルのプラントが多く建設されるようになるに従い、ガスタービンの有力な冷却方式として空気冷却方式に代わり、採用が検討されている。特にコンバインドプラントにおいては蒸気タービンで発生した蒸気の一部を抽気してガスタービンに導き、ガスタービンを冷却し、冷却後の温度が上昇した蒸気を回収して蒸気タービン側へ戻し、有効活用できるので発電プラントの効率化に貢献するもので、近年注目を集めている。
【0005】
このような従来の蒸気冷却方式ではロータ周囲から低温、高圧蒸気を供給するために、供給の途中において外部の低圧側に洩れる個所が多くなり、このような供給側の蒸気の洩れを如何にして防止するかが蒸気冷却方式における大きな課題となっている。
【0006】
図9、図10は蒸気冷却方式を採用した他の例を示す図であり、図9は4段動翼の後方を示す断面図であり、4段ディスク100にはシールディスク101を介して後方円板102(ジャーナル軸受)が取付けられ、後方円板102には外側回転軸103と内側回転軸108が取付けられ、4段ディスク100と共に回転する構造である。105は静止側のハウジングで、外側回転軸103とはシール部となる軸受105と、内側回転軸108とは同じくシール部となる軸受107で、回転側と対向して設けられている。106は高圧チャンバで、109は環状通路であり、蒸気の通路となり、外側回転軸103と内側回転軸108との間に形成されている。
【0007】
上記構成の蒸気冷却方式のガスタービンにおいて、供給側蒸気120はチャンバ106より環状通路109を通り、環状高圧室110に入り、通路111を通ってキャビティ112に流入し、ここから4段ディスク100に設けられた図示省略の通路を通り、1段、2段動翼へ導かれる。動翼を冷却した空気は、図示省略の内側回転軸108内を通り、回収側蒸気121として回収される。
【0008】
図10は図9における後方円板102の拡大図であり、図において、シールディスク101側は高温となった回収側蒸気121により加熱されており、反対側よりは高温となっている。このために後方円板102はシールディスク側が熱伸びの影響を受け、矢印で示すように締結ボルト113が引張られて傾きが生ずる。これにより供給側蒸気120の一部がこの傾きにより生じた隙間より外部に洩れることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、図11に示した従来の代表的な蒸気冷却方式を採用したガスタービンにおいては、蒸気タービン側から抽気した蒸気をロータの周囲に設けた複数の蒸気通路からディスクを通り、動翼に導き、動翼を冷却し、冷却後の高温となった蒸気はキャビティよりロータの中心に導き、ロータ中心から回収し、蒸気タービン側に戻し、これを有効活用している。しかし、前述のような従来の蒸気冷却方式では、ロータ周囲から低温、高圧蒸気を供給するために供給の途中において外部の低圧側に洩れる個所が多くなり、そのためのシール部を多く設ける必要がある。従って、高圧の供給蒸気が低圧側に洩れるのを如何にして防止するかが蒸気供給方式における大きな課題となっていた。
【0010】
又、図10で示した例でも、後方円板(ジャーナル軸受)102は後方円板102とディスク側とのカップリング面を通過する回収側蒸気121にさらされているため高温となっており、ジャーナル軸受が熱変形して外周側が開き、供給側蒸気120の一部120aが漏えいすることになる。又、この変形によりディスク締結ボルト113に過大な引張応力が発生する恐れもある。更に、この例においても供給側蒸気120が回収側蒸気121の外側となっており、回転側である外側回転軸103と静止側のシール部である軸受105,107からの漏れがあり、従って動翼に供給される蒸気量が減少することになる。
【0011】
そこで本発明は、蒸気冷却ガスタービンにおいて、動翼へ供給する供給側の蒸気の外部への漏れを少くし、又熱変形による伸び量を吸収しやすい構造として熱変形による隙間の発生をなくして蒸気の漏えいを小さくすると共に、蒸気の回収効率も高めることのできる蒸気冷却ガスタービンを提供することを課題としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決するために、次の(1)乃至()の手段を提供する。
【0013】
(1) タービン主軸(1)後端から軸方向に蒸気を供給する主軸内蒸気供給通路(19)と、同主軸内蒸気供給通路(19)から蒸気をディスク内に導き、動翼に供給する複数のディスク内蒸気供給通路(15)と、前記動翼を冷却した蒸気をそれぞれ導き、回収する複数のディスク内蒸気回収通路(16)と、同ディスク内蒸気回収通路(16)から記動翼冷却した蒸気を回収する主軸内蒸気回収通路(18)とを備えた蒸気冷却ガスタービンにおいて、前記主軸内蒸気供給通路(19)は前記タービン主軸の中心部を通り、前記主軸内蒸気回収通路(18)は前記主軸内蒸気供給通路(19)の外周を通ると共に、前記ディスクの最終段(24)と前記タービン主軸(1)との接合面(26)には半径方向に放射状の溝(40)を複数設け、それぞれ前記ディスク内蒸気供給通路(15)と前記主軸内蒸気供給通路(19)とを接続すると共に、前記接合面(26)よりも後方の前記タービン主軸(1)側には放射状の半径方向蒸気回収通路(17)を複数設け、それぞれ前記ディスク内蒸気回収通路(16)と前記主軸内蒸気回収通路(18)とを接続したことを特徴とする蒸気冷却ガスタービン。
【0014】
) 上記(1)の発明において、前記主軸内蒸気回収通路(18)の後端に接続し、前記主軸内蒸気回収通路(18)の一部を形成すると共に、外周囲に複数のフィン(4b)を有する回転側円筒状シール部材(5)と、同回転側円筒状シール部材(5)の外周囲を覆い、内周面に前記回転側円筒状シール部材(5)のフィン(4b)と対向してシール部を構成する複数のフィン(4a)を有する静止側円筒状シール部材と、前記回転側円筒状シール部材(5)と前記主軸内蒸気供給通路(19)の後端部を固定する芯出し円筒状部材(6)とを設けたことを特徴とする蒸気冷却ガスタービン。
【0015】
) 上記(1)の発明において、前記主軸内蒸気回収通路(18)内面と前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)外周面との間には円周方向に所定の間隙で支持部材(8)を設けると共に、前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)の両端部は軸方向に摺動可能であることを特徴とする蒸気冷却ガスタービン。
【0016】
) 上記(1)の発明において、前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)方端部と前記タービン主軸(1)との間には前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)の外周囲に溝を設けてピストンリング(43)を挿入したことを特徴とする蒸気冷却ガスタービン。
【0017】
本発明の(1)においては、供給側の蒸気はタービン主軸の中心部を通るので供給側の蒸気が回収通路の内側となり、外側へ漏れる量が減少する。従来の蒸気の供給はタービン主軸の外側より供給され、内側より回収していたので、供給される蒸気は静止側と回転側のシール部からの漏れ量が多く、動翼へ供給する蒸気量が減少していたが、本発明では蒸気は回収側の内側を通って供給されるので従来のようにシール部からの漏れがなくなる。
【0018】
又、放射状の半径方向蒸気回収通路(17)がディスクとタービン主軸(1)との接合面よりも後流側となるので、高温の回収蒸気が後方側を流れ、ディスクとタービン主軸(1)との接合面が供給側の放射状の溝(40)が低温の蒸気の流路となる。従って接合面が熱変形により閉じるように作用して接合面から蒸気が漏れるのを防止する。従来の構造では高温の回収蒸気が接合面を流れ、接合面側が高温となり、接合面が熱変形を受けて開くように作用したが、本発明ではこのような開きが防止される。
【0019】
本発明の()では、回転側の円筒状シール部材と静止側円筒状シール部材とでシールを構成し、シールを確実に行うと共に、芯出し円筒状部材で組立も容易となる。
【0020】
本発明の()では、主軸内の蒸気回収通路(18)と蒸気供給通路(19)の間の内筒(10)を支持部材(8)で支持し、両端部は軸方向に摺動可能に支持しているので内筒(10)の熱変形による軸方向の熱伸びを吸収できる。
【0021】
本発明の()では、主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)の前方端部とタービン主軸(1)との間はピストンリング(43)でシールされて主軸内蒸気回収通路(18)への漏れを防いでおり、かつ軸方向への熱伸びに対しては移動可能として伸びを吸収することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実施の一形態に係る蒸気冷却ガスタービンの全体の断面図である。図において、タービンロータのディスク21,22,23,24にはそれぞれ1段動翼11、2段動翼12、3段動翼13、4段動翼14が取付けられており、これらディスク21〜24とタービン主軸1とは締結ボルト25で互に軸方向に連結されている。
【0023】
タービン主軸1はカップリング面26で4段ディスク24に接して取付けられ、油封入の軸受2で回転可能に支持されている。タービン主軸1の内側にはサーマルシールド3が取付けられ、サーマルシールド3及びタービン主軸1の端面には外筒シール5がカップリングボルト7で軸方向に取付けられており、芯出しピースで端部が内筒10に係合されている。外筒シール5の外側の4a,4bはそれぞれ対向配置された静止側シールフィン、外筒側(回転側)シールフィンである。
【0024】
又、サーマルシールド3と内筒10との間にはストラットサポート8が設けられ、空間を形成し、更に内筒10のキャビティ27側端部にはストラットサポート9が軸方向へ摺動可能に設けられている。
【0025】
1段動翼11には供給用通路11aと回収用通路11bが、又2段動翼12にも供給用通路12aと回収用通路12bが設けられており、図2、図3において後述するように、それぞれ供給用通路12aは供給通路15へ、回収用通路12bは回収通路16へ連通している。供給通路15は、後述するようにカップリング面に設けられた溝40に連通してキャビティ27へ接続し、キャビティ27は軸方向供給通路19へ接続している。又、回収通路16は図示のようにラジアル方向回収通路17へ連通し、ラジアル方向回収通路17は軸方向回収通路18へ接続している。
【0026】
上記構成の蒸気冷却ガスタービンにおいて、供給側蒸気30は内筒10内を通り、キャビティ27へ入り、キャビティ27よりカップリング面26のタービン主軸1の接合面に設けられた溝40を通り、供給通路15へ流入する。供給通路15からはキャビティ28に入り、ここから供給用通路11aを通り、1段動翼11に入り、動翼11内の冷却蒸気通路を流れて回収用通路11bよりキャビティ29aに入り、ここから回収通路16へ流出する。
【0027】
又、供給通路15からの蒸気はキャビティ29bより供給用通路12aに流入し、2段動翼12内に入り、翼内の冷却蒸気通路を流れて回収用通路12bを通り、キャビティ29aに流入し、キャビティ29aでは1段動翼11の回収蒸気と一緒になり、回収通路16へ流出する。
【0028】
回収通路16からの回収側蒸気はラジアル方向回収通路17を通り、軸方向回収通路18を流れて、図5に示すように外筒シール5の出口5aから外部に流出し、図示省略の蒸気回収系に回収される。このような実施の形態の蒸気冷却ガスタービンによれば、供給側蒸気30はロータの中心側より供給され、その外側より回収側蒸気31が回収されるので、従来の方式に比べて供給側と回収側が逆になっており、供給側蒸気が外部に漏れにくくなっている。次に、このような供給側蒸気を漏れにくくした構成について詳しく説明する。
【0029】
図2は図1におけるタービン主軸のカップリング部の詳細を示し、(a)は断面図、(b)はその熱応力による変形の説明図である。図(a)において、4段目ディスク24とタービン主軸1とはカップリング面26で接して締結ボルト25で結合されている。供給側蒸気30は冷却用の低温蒸気であり、4段ディスク24のカップリング面26に設けられた溝内を通り、動翼へ供給される。
【0030】
一方、回収側蒸気31は動翼を冷却して高温になっており、4段ディスク24側からタービン主軸1内のラジアル方向回収通路17を通って軸方向回収通路18へ回収される。従って、図2(b)に示すようにタービン主軸1はカップリング面26側が低温で主軸1の内部が高温となり、その熱伸びにより矢印のように力が作用し、1′で示すような力を受けてカップリング面26を閉じるように作用する。従って、図10に示した従来のように、カップリング面が熱応力によって開くようなことがなく、供給側蒸気の漏れを防止することができる。
【0031】
図3は図2におけるA−A断面図であり、4段ディスク24のカップリング面26には放射状に溝40が設けられ、この溝40は軸方向の供給通路15に連通している。供給通路15の間には方向に回収通路16が設けられている。供給側蒸気30はロータ中心部の穴41より軸方向から溝40内に入り、半径方向に流れて供給通路15へ入り、動翼へ供給され、冷却後の回収側蒸気31は回収通路16を通って図1に図示のタービン主軸1のラジアル方向回収通路17より回収される。
【0032】
図4は図1におけるB部詳細図であり、タービン主軸1と軸方向回収通路18との間には円筒状のサーマルシールド3がカップリングボルト7で取付けられ、タービン主軸1との間には空間42が保たれている。この空間42は蒸気、又は空気等により気体層を形成し、高温の回収側蒸気31による熱がタービン主軸1の軸受2側へ伝わるのを防止している。
【0033】
図5は図1におけるC部詳細図であり、内筒10の後端側には芯出しピース6が取付けられ、円筒状の外筒シール5と結合されている。外筒シール5には穴5aが設けられており、回収側蒸気31が、この穴より流出し、図示していない通路を通り、グランド蒸気溜(ヘッダ)へ回収され、プラント内で再利用される。
【0034】
外筒シール5の外周囲を覆う静止側円筒状シール部材の内側と外筒シール5の外側にはそれぞれ静止側シールフィン4aと回転側シールフィン4bが対向して設けられ静止側と回転側のシールを構成している。供給側蒸気30の一部の漏れ蒸気33aはシール部を通り、漏れ蒸気33bとして流出するが、これらの漏れ蒸気33bはすべて前述のグランド蒸気溜(ヘッダ)へ連通する通路50へ流出するので、回収されて有効利用される。
【0035】
図6は図1における矢視D−Dであり、タービン主軸1に取付けられたサーマルシールド3と内筒10とで軸方向回収通路18が形成されており、軸方向回収通路18は複数のストラットサポート8がサーマルシールド3と内筒10との間に設けられて支持されている。
【0036】
図7は図1におけるE部詳細であり、(a)が断面図の詳細、(b)がそのF−F矢視図である。図において内筒10の端部には溝が設けられ、この溝とタービン主軸1との接合部には摺動可能に円周方向にピストンリング43が設けられており、軸方向回収通路18とラジアル方向回収通路17の接続部をシールしている。又、供給蒸気30を溝40に導くように、内筒10の内側端部には円周方向に多数のストラット9が設けられると共に、その内側中心部には(b)図に示すように中実体44が設けられている。一方、内筒10が外側から高温の回収側蒸気31により加熱されて熱伸びが生じても、タービン主軸1とは筒10の外周端に設けたピストンリング43が摺動して移動可能とし、内筒10の熱伸びを吸収するような構造となっている。
【0037】
図8は図1におけるG部詳細であり、外筒シール5と内筒10との間には芯出しピース6が挿入され、そのフランジ部6aが先端部において外筒シール5とボルト45で固定されている。内筒10と芯出しピース6とは軸方向に摺動可能に係合すると共に軸方向回収通路18先端部のシールとして機能している。このような構造により、内筒10の先端部においても熱伸びを吸収することができる。
【0038】
以上説明の実施の形態の蒸気冷却ガスタービンによれば、タービン主軸1内に、外側に軸方向回収通路18を、その内側に軸方向供給通路19とをそれぞれ設けて低温の供給側蒸気30を供給し、高温の蒸気をその外側の軸方向回収通路18で回収するようにし、供給側蒸気30の外部への漏れを少くする。又、4段ディスク24とタービン主軸1とのカップリング面26に供給側蒸気30の通路となる溝40を設け、供給通路15へ連通させて動翼へ導く構造とし、カップリング面26が熱応力により閉じるように作用させる。又、タービン主軸1のボア部にサーマルシールド3を設けて空間42内に気体層を設け、回収側蒸気31からの高温の熱を軸受2側に伝えないようにして油の焼き付きを防止する。
【0039】
又、軸方向回収通路18内を支持するストラットサポート8,9、一端にピストンリング43、他端に芯出しピース6を設けて内筒10をラジアル方向に固定すると共に、軸方向へ摺動可能とし、熱伸びを吸収できるようにし、更に芯出しピース6により組立を容易にする構造としている。
【0040】
更に静止側と固定側とのシールに関しては、静止側シール4aと回転側シール4bとでフィン加工によるシールを構成し、供給側蒸気30の漏れ蒸気33bをグランド蒸気溜めにすべて回収できるようにして漏れ蒸気を有効に回収できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の(1)の蒸気冷却ガスタービンは、タービン主軸(1)後端から軸方向に蒸気を供給する主軸内蒸気供給通路(19)と、同主軸内蒸気供給通路(19)から蒸気をディスク内に導き、動翼に供給する複数のディスク内蒸気供給通路(15)と、前記動翼を冷却した蒸気をそれぞれ導き、回収する複数のディスク内蒸気回収通路(16)と、同ディスク内蒸気回収通路(16)から記動翼冷却した蒸気を回収する主軸内蒸気回収通路(18)とを備えた蒸気冷却ガスタービンにおいて、前記主軸内蒸気供給通路(19)は前記タービン主軸(1)の中心部を通り、前記主軸内蒸気回収通路(18)は前記主軸内蒸気供給通路(19)の外周を通ると共に、前記ディスクの最終段(24)と前記タービン主軸(1)との接合面(26)には半径方向に放射状の溝(40)を複数設け、それぞれ前記ディスク内蒸気供給通路(15)と前記主軸内蒸気供給通路(19)とを接続すると共に、前記接合面(26)よりも後方の前記タービン主軸(1)側には放射状の半径方向蒸気回収通路(17)を複数設け、それぞれ前記ディスク内蒸気回収通路(16)と前記主軸内蒸気回収通路(18)とを接続したことを特徴としている。
このような構成により供給側の蒸気がタービン主軸(1)の中心を通り、回収側が外側となり、供給側蒸気の外部への漏れを少くすることができる。また、放射状の半径方向蒸気回収通路(17)がディスクとタービン主軸(1)との接合面よりも後流側となるので、高温の回収蒸気が後方側を流れ、ディスクとタービン主軸(1)との接合面側の放射状の溝(40)が供給側の低温の蒸気の流路となる。従って接合面が熱変形により閉じるように作用して接合面から蒸気が漏れるのを防止する。
【0042】
本発明の()は、上記(1)の発明において、前記主軸内蒸気回収通路(18)の後端に接続し、前記主軸内蒸気回収通路(18)の一部を形成すると共に、外周囲に複数のフィン(4b)を有する回転側円筒状シール部材(5)と、同回転側円筒状シール部材(5)の外周囲を覆い、内周面に前記回転側円筒状シール部材(5)のフィン(4b)と対向してシール部を構成する複数のフィン(4a)を有する静止側円筒状シール部材と、前記回転側円筒状シール部材(5)と前記主軸内蒸気供給通路(19)の後端部を固定する芯出し円筒状部材(6)とを設けたことを特徴としている。このような構成により、回転側の円筒状シール部材(5)と静止側円筒状シール部材とでシールを構成し、シールを確実に行うと共に、芯出し円筒状部材で組立も容易となる。
【0043】
本発明の()は、上記(1)の発明において、前記主軸内蒸気回収通路(18)内面と前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)外周面との間には円周方向に所定の間隙で支持部材(8)を設けると共に、前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)の両端部は軸方向に摺動可能であることを特徴としている。このような構成により、内筒(10)の熱変形による軸方向の伸びを吸収することができる。
【0044】
本発明の()は、上記(1)の発明において、前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)方端部と前記タービン主軸(1)との間には前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)の外周囲に溝を設けてピストンリング(43)を挿入したことを特徴としており、これにより供給側の蒸気が主軸内蒸気回収通路(18)へ漏れるのを防いでおり、かつ軸方向への熱伸びに対しては移動可能として伸びを吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態に係る蒸気冷却ガスタービンの全体の断面図である。
【図2】 図1におけるタービン主軸とディスクとのカップリング面の詳細を示し、(a)は詳細な断面図、(b)は熱変形の説明図である。
【図3】 図1におけるA−A矢視図である。
【図4】 図1におけるB部の詳細断面図である。
【図5】 図1におけるC部の詳細断面図である。
【図6】 図1におけるD−D断面図である。
【図7】 図1におけるE部の詳細を示し、(a)は詳細な断面図、(b)は(a)のF−F矢視図である。
【図8】 図1におけるG部の詳細な断面図である。
【図9】 従来の蒸気冷却方式ガスタービンの4段ディスク部分の一例を示す断面図である。
【図10】 図9に示す従来の蒸気冷却方式ガスタービンのディスクと軸受部とのカップリング面での熱変形を説明する図である。
【図11】 従来の蒸気冷却方式の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 タービン主軸
2 軸受
3 サーマルシールド
4a 静止側シールフィン
4b 回転側シールフィン
5 外筒シール
6 芯出しピース
8,9 ストラットサポート
10 内筒
11a,12a 供給用通路
11b,12b 回収用通路
11 1段動翼
12 2段動翼
15 供給通路
16 回収通路
17 ラジアル方向回収通路
18 軸方向回収通路
19 軸方向供給通路
24 4段ディスク
25 締結ボルト
26 カップリング面
27,28,29a,29b キャビティ
30 供給側蒸気
31 回収側蒸気
33a 供給側漏れ蒸気
33b 漏れ蒸気
42 空間
44 中実体

Claims (4)

  1. タービン主軸(1)後端から軸方向に蒸気を供給する主軸内蒸気供給通路(19)と、同主軸内蒸気供給通路(19)から蒸気をディスク内に導き、動翼に供給する複数のディスク内蒸気供給通路(15)と、前記動翼を冷却した蒸気をそれぞれ導き、回収する複数のディスク内蒸気回収通路(16)と、同ディスク内蒸気回収通路(16)から記動翼冷却した蒸気を回収する主軸内蒸気回収通路(18)とを備えた蒸気冷却ガスタービンにおいて、前記主軸内蒸気供給通路(19)は前記タービン主軸(1)の中心部を通り、前記主軸内蒸気回収通路(18)は前記主軸内蒸気供給通路(19)の外周を通ると共に、前記ディスクの最終段(24)と前記タービン主軸(1)との接合面(26)には半径方向に放射状の溝(40)を複数設け、それぞれ前記ディスク内蒸気供給通路(15)と前記主軸内蒸気供給通路(19)とを接続すると共に、前記接合面(26)よりも後方の前記タービン主軸(1)側には放射状の半径方向蒸気回収通路(17)を複数設け、それぞれ前記ディスク内蒸気回収通路(16)と前記主軸内蒸気回収通路(18)とを接続したことを特徴とする蒸気冷却ガスタービン。
  2. 前記主軸内蒸気回収通路(18)の後端に接続し、前記主軸内蒸気回収通路(18)の一部を形成すると共に、外周囲に複数のフィン(4b)を有する回転側円筒状シール部材(5)と、同回転側円筒状シール部材(5)の外周囲を覆い、内周面に前記回転側円筒状シール部材(5)のフィン(4b)と対向してシール部を構成する複数のフィン(4a)を有する静止側円筒状シール部材と、前記回転側円筒状シール部材(5)と前記主軸内蒸気供給通路(19)の後端部を固定する芯出し円筒状部材(6)とを設けたことを特徴とする請求項1記載の蒸気冷却ガスタービン。
  3. 前記主軸内蒸気回収通路(18)内面と前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)外周面との間には円周方向に所定の間隙で支持部材(8)を設けると共に、前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)の両端部は軸方向に摺動可能であることを特徴とする請求項1記載の蒸気冷却ガスタービン。
  4. 前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)の前方端部と前記タービン主軸(1)との間には前記主軸内蒸気供給通路(19)をなす内筒(10)の外周囲に溝を設けてピストンリング(43)を挿入したことを特徴とする請求項1記載の蒸気冷却ガスタービン。
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