JP2001162380A - 通電面積を制御指標とする抵抗溶接装置 - Google Patents

通電面積を制御指標とする抵抗溶接装置

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JP2001162380A
JP2001162380A JP34521999A JP34521999A JP2001162380A JP 2001162380 A JP2001162380 A JP 2001162380A JP 34521999 A JP34521999 A JP 34521999A JP 34521999 A JP34521999 A JP 34521999A JP 2001162380 A JP2001162380 A JP 2001162380A
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welding current
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area
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Shingo Kawai
真吾 河合
Hiroshi Hasegawa
博 長谷川
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Nadex Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の技術は電極の先端形状の変化の度合い
を、溶接回数や電極間電圧の変化の大きさで代表させて
いる。電極の先端形状の変化の度合いにより良く相関す
る指標を見出し、その指標に基づいて、溶接電流、加圧
力、通電時間等を制御する技術が必要とされている。 【解決手段】 抵抗溶接装置の初期電流指示手段は溶接
開始から所定時間の溶接電流値を指示する(S12)。
通電面積算出手段は前記所定時間経過時の通電面積を算
出する(S16)。溶接電流決定手段は算出された通電
面積からそれ以後の溶接電流値を決定する(S18)。
溶接電流制御手段は実際の溶接電流の大きさを、溶接開
始から所定時間は初期電流指示手段で指示される電流値
に、それ以後は溶接電流決定手段で決定される電流値に
制御する(S20)。前回の通電終了時の通電面積から
次回の溶接開始時の溶接電流等を制御することも有効で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来の抵抗溶接技
術による場合よりも良好な溶接品質を安定して得ること
を可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】抵抗溶接技術では、一対の電極間にワー
クを挟持してワークを加圧した状態でワークに通電する
ことでワークに抵抗発熱を生じさせ、その発熱によって
ワークを溶接する。溶接結果は、通電する溶接電流の大
きさと、一対の電極による加圧力と、通電時間によって
大きな影響を受ける。溶接電流が小さすぎれば発熱不足
で十分に溶接できず、大きすぎればワークからチリが発
生して溶接品質が低下する。加圧力が小さすぎれば溶接
電流値が適正であってもチリが発生し、大きすぎれば溶
接電流がワーク内の広い範囲を通過することになって単
位体積あたりの発熱量が不足となってしまう。通電時間
が短すぎれば十分に溶接できず、長すぎればチリが発生
したり、溶接個所が大きく窪んでしまう。従って、良好
な溶接結果を得るためには、溶接電流値(以下単に溶接
電流ないし電流ということがある)、加圧力の大きさ
(以下単に加圧力ということがある)、通電時間の長短
(以下単に通電時間ということがある)を的確に調整す
る必要がある。
【0003】抵抗溶接では、溶接作業を繰り返している
うちに、電極チップの先端形状が変化していく。先端形
状が変化すると、良好な溶接結果を得るため必要な、溶
接電流、加圧力、通電時間もまた変化する事が知られて
いる。
【0004】電極の先端形状の変化に追従して、溶接電
流と加圧力と通電時間を変化させていく技術が特開昭5
8―138582号公報に記載されている。特開昭58
―138582号公報に記載の技術では、1回の通電時
間内における電極間電圧の変化の大きさを指標として、
加圧力と溶接電流を変化させる。
【0005】特開昭58―138582号公報に記載の
技術による場合、1回の通電時間内における電極間電圧
の変化の大きさが、電極チップの先端形状の変化の度合
いに良く相関する場合には、良質な溶接結果をもたら
す。しかしながら、電極間電圧の変化の大きさと電極チ
ップの先端形状の変化の度合いは必ずしも相関せず、例
えば、被溶接物の材質によっては電極間電圧の変化の大
きさに電極チップの先端形状の変化の度合いが影響しな
いこともある。
【0006】また、電極チップを交換した後の溶接回数
を指標として、加圧力と溶接電流と通電時間を変化させ
ていく技術も知られている。この場合、溶接回数と電極
チップの先端形状の変化の度合いが良く相関する場合に
は、良質な溶接結果をもたらす。しかしながら、電極の
先端形状の変化の度合いは溶接回数だけでは決まらず、
電極の冷却状態、溶接頻度、加圧力、被溶接物の材質等
のさまざまな要素によって強く影響を受ける。例えば1
分間に30回溶接を行なう場合と60回溶接を行なう場
合では、電極の温度を下げる溶接作業間のインターバル
期間が相違することから電極の平均温度が相違し、前者
で低く後者で高くなり、ともに1000回の溶接をした
とき、前者では先端形状の変化の度合いが低く後者で変
形の度合いが高くなる。このように、電極の先端形状の
変化の度合いは溶接回数だけでは決まらず、両者の相関
性が高くない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術は電極の先
端形状の変化の度合いを、溶接回数や電極間電圧の変化
の大きさで代表させており、相関性が低いということが
言える。電極の先端形状の変化の度合いにより良く相関
する指標を見出し、その指標に基づいて、溶接電流、加
圧力、通電時間等を制御する技術が必要とされている。
【0008】本発明者は、電極の先端形状の変化の度合
いが、ワークに所定の条件で通電したときの通電面積の
大小に良く相関することを見出し、それによって、より
的確に溶接電流、加圧力、通電時間等の溶接条件を制御
することに成功した。また、本発明者は、溶接完了時の
通電面積が電極の先端形状の変化の度合いに良く相関す
ることも確認し、それを指標として溶接電流、加圧力、
通電時間等の溶接条件を制御することによって、電極の
先端形状の変化に抗して安定的に良質な溶接結果が得ら
れるようにした。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用と効果】請求項1の
抵抗溶接装置は、一対の電極、初期電流指示手段、通電
面積算出手段、溶接電流決定手段、溶接電流制御手段を
備えている。その一対の電極は、ワークを挟持してその
ワークを加圧した状態でそのワークに溶接電流を通電す
る。初期電流指示手段は、溶接開始から所定時間の溶接
電流値を指示する。通電面積算出手段は、前記所定時間
経過時の通電面積を算出する。溶接電流決定手段は、算
出された通電面積からそれ以後の溶接電流値を決定す
る。そして、溶接電流制御手段は、実際の溶接電流の大
きさを、溶接開始から所定時間は初期電流指示手段で指
示される電流値に、それ以後は溶接電流決定手段で決定
される電流値に制御する。
【0010】この抵抗溶接装置によると、溶接開始時か
ら所定時間に亘って初期電流が通電され、その所定時間
が経過したときの通電面積が算出される。このようにし
て算出された通電面積は、本発明者の研究によって、電
極チップの先端形状の変化の度合いに良く相関する事が
確認された。この抵抗溶接装置では、このようにして電
極チップの先端形状の変化の度合いに良く相関する通電
面積が算出され、それを指標としてその後の溶接電流が
決定されることから、電極チップの先端形状の変化の度
合いに追従して溶接電流が調整されていき、電極チップ
の先端形状の変化の度合いに抗して常時良好な溶接結果
が実現される。
【0011】請求項3の抵抗溶接装置は、一対の電極、
通電面積算出手段、溶接電流決定手段、溶接電流制御手
段を備えている。その一対の電極は、ワークを挟持して
そのワークを加圧した状態でそのワークに溶接電流を通
電する。通電面積算出手段は、通電終了時の通電面積を
算出する。溶接電流決定手段は、前回の通電において算
出された通電面積から、溶接開始以後の溶接電流値を決
定する。そして、溶接電流制御手段は、実際の溶接電流
の大きさを溶接電流決定手段で決定される電流値に制御
する。
【0012】この抵抗溶接装置によると、溶接が開始さ
れて通電され、通電終了時の通電面積が算出される。こ
のようにして算出された通電面積は、本発明者の研究に
よって、電極チップの先端形状の変化の度合いに良く相
関する事が確認された。この抵抗溶接装置では、このよ
うにして電極チップの先端形状の変化の度合いに良く相
関する通電面積が算出され、それを指標として次回溶接
時の溶接電流が決定されることから、電極チップの先端
形状の変化の度合いに追従して溶接電流が調整されてい
き、電極チップの先端形状の変化の度合いに抗して常時
良好な溶接結果が実現される。
【0013】なお通電面積を算出するときの通電終了時
とは、通電が終了するタイミング、又はその直前の検出
タイミングを意味する。または前回の通電終了時の通電
面積と言うとき、直前の1回の通電終了時に限られず、
直前の複数回の通電終了時の通電面積を平均化したもの
であっても良い。
【0014】請求項1、3の溶接装置の場合、電極チッ
プの先端形状の変化の度合いに追従して加圧力も調整さ
れることが好ましい。しかしながら、加圧力は他の手
法、例えば溶接回数を指標として調整しても良く、ある
いは、繰返しの溶接を通して一定に維持しても良い。い
ずれによって、この抵抗溶接装置によると、電極チップ
の先端形状の変化の度合いに良く相関する指標に基づい
て溶接電流が調整されるために、従来の溶接電流調整技
術によるときよりも、溶接電流が的確に調整される。
【0015】通電面積に基づいて溶接電流を決定する手
段は、その後の通電時間を通じて維持される溶接電流を
決定するものであっても良いが、その後の溶接電流はパ
ターンに従って調整されるものであってもよい。例え
ば、溶接初期に続く第2期での溶接電流に対して、第3
期はその120%、第4期は140%という溶接電流の
変動パターンが採用されている場合に、その第2期での
溶接電流を通電面積に基づいて決定するものであっても
良い。
【0016】請求項2の抵抗溶接装置は、一対の電極、
初期電流と初期加圧力の指示手段、通電面積算出手段、
加圧力決定手段、加圧力制御手段を備えている。その一
対の電極は、ワークを挟持してそのワークを加圧した状
態でそのワークに溶接電流を通電する。初期電流と初期
加圧力の指示手段は、溶接開始から所定時間の溶接電流
値と加圧力を指示する。通電面積算出手段は、前記所定
時間経過時の通電面積を算出する。加圧力決定手段は、
算出された通電面積からそれ以後の加圧力を決定する。
そして、加圧力制御手段は、実際の加圧力を、溶接開始
から所定時間は初期電流と初期加圧力の指示手段で指示
される加圧力に、それ以後は加圧力決定手段で決定され
る加圧力に制御する。
【0017】この抵抗溶接装置によると、溶接開始時か
ら所定時間に亘って初期加圧力の下で初期電流が通電さ
れ、その所定時間が経過したときの通電面積が算出され
る。このようにして算出された通電面積は、本発明者の
研究によって、電極チップの先端形状の変化の度合いに
良く相関する事が確認された。この抵抗溶接装置では、
このようにして電極チップの先端形状の変化の度合いに
良く相関する通電面積が算出され、それを指標としてそ
の後の加圧力が決定されることから、電極チップの先端
形状の変化の度合いに良く追従して加圧力が調整されて
いき、電極チップの先端形状の変化の度合いに抗して常
時良好な溶接結果が実現される。
【0018】請求項4の抵抗溶接装置は、一対の電極、
通電面積算出手段、加圧力決定手段、加圧力制御手段を
備えている。その一対の電極は、ワークを挟持してその
ワークを加圧した状態でそのワークに溶接電流を通電す
る。通電面積算出手段は、通電終了時の通電面積を算出
する。加圧力決定手段は、前回の通電において算出され
た通電面積から、溶接開始以後の加圧力を決定する。そ
して、加圧力制御手段は、実際の加圧力の大きさを加圧
力決定手段で決定される加圧力に制御する。
【0019】ここで、通電面積を算出する通電終了時と
は、通電が終了するタイミング、又はその直前の検出タ
イミングを意味する。または前回の通電終了時の通電面
積と言うとき、直前の1回の通電終了時に限られず、直
前の複数回の通電終了時の通電面積を平均化したもので
あっても良い。
【0020】この抵抗溶接装置によると、溶接が開始さ
れて通電され、通電終了時の通電面積が算出される。こ
のようにして算出された通電面積は、本発明者の研究に
よって、電極チップの先端形状の変化の度合いに良く相
関する事が確認された。この抵抗溶接装置では、このよ
うにして電極チップの先端形状の変化の度合いに良く相
関する通電面積が算出され、それを指標として次回溶接
時の加圧力が決定されることから、電極チップの先端形
状の変化の度合いに良く追従して加圧力が調整されてい
き、電極チップの先端形状の変化の度合いに抗して常時
良好な溶接結果が実現される。
【0021】請求項2、4の溶接装置の場合、電極チッ
プの先端形状の変化の度合いに追従して溶接電流も調整
されることが好ましい。しかしながら、溶接電流は他の
手法、例えば溶接回数を指標として調整しても良く、あ
るいは、本発明者が先に提案した、特開平11―337
43号公報あるいは、特願平10―117299号に添
付した明細書と図面に記載された技術で制御しても良
い。いずれによって、この抵抗溶接装置によると、電極
チップの先端形状の変化の度合いに良く相関する指標に
基づいて加圧力が調整されるために、従来の加圧力調整
技術によるときよりも、加圧力が的確に調整される。
【0022】通電面積に基づいて加圧力を決定する手段
は、その後の通電時間を通じて維持される加圧力を決定
するものであっても良いが、その後の加圧力はパターン
に従って調整されるものであってもよい。例えば、溶接
初期に続く第2期での加圧力に対して、第3期はその1
20%、第4期は140%という加圧力の変動パターン
が採用されている場合に、その第2期での加圧力を通電
面積に基づいて決定するものであっても良い。
【0023】通電面積に基づいて溶接電流および/また
は加圧力を調整する抵抗溶接装置に、さらに、通電面積
から通電時間を決定する手段を付加する事が好ましい。
【0024】通電面積から通電時間を決定する手段が付
加されていると、電極チップの先端形状の変化の度合い
に応じて通電時間が的確に調整される。なお、通電時間
は他の手法、例えば、溶接回数に応じて調整することで
も良く、この通電時間決定手段は不可欠なものではな
い。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第1の実施形態を
図面を参照して説明する。図1は、この発明を利用した
抵抗溶接装置の全体構成を示している。この抵抗溶接装
置は溶接制御装置10と、一対の電極22、24と、電
極22をワークWに対して接近離脱させる電極移動装置
20と、その一対の電極22、24で挟持されたワーク
Wに対して溶接電流を通電する溶接トランス30等を主
体にして構成されている。溶接制御装置10は、内蔵さ
れているコンピュータで電極22、24による加圧力と
溶接電流と通電時間を制御する。コンピュータはCPU
12とRAM14とROM16とそれらを結ぶバス等に
よって構成されている。
【0026】コンピュータにはI/O18を介して電極
移動装置20が接続されている。本実施の形態では、電
極移動装置20はエアシリンダとバルブと加圧力検出手
段を有する。電極移動装置20はCPU12から指示さ
れた信号がI/O18を介して送られることによって、
エアシリンダに給排気する空気量を制御する。即ち、コ
ンピュータからの信号によって、電極移動装置20がエ
アシリンダに圧縮空気を加えたり圧縮空気を逃がしたり
するバルブを制御して電極22の移動と加圧力を制御す
る。そのエアシリンダ内の空気圧は前述した電極移動装
置20に備えられている加圧力検出手段で検出され、検
出された加圧力がCPU12から指示された圧力となる
ようにフィードバック制御される。なお、電極22と2
4による加圧力はエアシリンダの空気圧とボア径によっ
て決定される。
【0027】また、コンピュータにはI/O18を介し
てサイリスタ26が接続されている。そのサイリスタ2
6は溶接トランス30の一次側に接続されている。そし
て溶接トランス30の二次側には一対の電極22、24
が接続されている。CPU12がサイリスタ26の点弧
角を制御することで、溶接電流(溶接電流の大きさであ
り、溶接電流値である)が制御される。さらに、CPU
12がサイリスタ26に対してゲートオン信号を出力す
ることを止めることで通電時間が制御される。
【0028】溶接電流の検出用に溶接トランス30の一
次側にトロイダルコイルCが挿入されており、このトロ
イダルコイルCは溶接電流の時間微分値に比例する電圧
を出力する。トロイダルコイルCで検出された溶接電流
の時間微分値は、図示されていない積分器で積分された
後、A/D36で変換されてCPU12に送られる。溶
接電流の検出は溶接トランス30の二次側で行なっても
よい。
【0029】また、一対の電極22、24間の電圧が電
圧検出器32によって検出される。検出された電圧信号
はA/D34で変換されてCPU12に送られる。電極
間電圧の検出は溶接トランス30の一次側で行なっても
よい。
【0030】ROM16には、検出された溶接電流と電
極間電圧から通電面積を演算するプログラムと、初期通
電の終了時における通電面積を検索キーとして、溶接電
流と加圧力と通電時間を決定するマップが記憶されてい
る。
【0031】ROM16に記憶されている、初期通電の
終了時における通電面積に対する溶接電流の関係は、例
えば図2または図3に示す関係に設定されている。横軸
は後述のようにして算出される初期通電の終了時におけ
る通電面積であり、縦軸は溶接電流である。電極チップ
の先端形状が変化して通電面積が大きくなると電流密度
が低下するので溶接電流を増加させる関係に設定してあ
る。この関係に設定されていることで、電極チップの先
端形状の変化に追従して溶接電流が変化し、電極チップ
の先端形状が変化しても常に的確な溶接電流に調整され
る関係に設定されている。図2のように、マップは連続
的な関係にあって関数で計算できるものであっても良い
し、図3に示されるように、ステップ値が記憶されてい
るものであっても良い。図2のように、入力される通電
面積を関数に代入して溶接電流を計算し、計算された溶
接電流を出力するものもここでいうマップの一種であ
る。
【0032】ROM16に記憶されている、初期通電の
終了時における通電面積に対する加圧力の関係は、例え
ば図4または図5に示す関係に設定されている。横軸は
後述のようにして算出される初期通電の終了時における
通電面積であり、縦軸は加圧力である。電極チップの先
端形状が変化して通電面積が大きくなると加圧力を低下
させて通電面積の上昇を抑える関係に設定してある。こ
の関係に設定されていることで、電極チップの先端形状
の変化に追従して加圧力が変化し、電極チップの先端形
状が変化しても常に的確な加圧力に調整される関係に設
定されている。ここでも、図4のように、マップが連続
的な関係にあって関数で計算できるものであっても良い
し、図5に示されるように、ステップ値が記憶されてい
るものであっても良い。
【0033】ROM16に記憶されている、初期通電の
終了時における通電面積に対する通電時間の関係は、例
えば図6または図7に示す関係に設定されている。横軸
は後述のようにして算出される初期通電の終了時におけ
る通電面積であり、縦軸は通電時間である。電極チップ
の先端形状が変化して通電面積が大きくなると通電時間
を長くして十分に溶接する関係に設定してある。この関
係に設定されていることで、電極チップの先端形状の変
化に追従して通電時間が変化し、電極チップの先端形状
が変化しても常に的確な通電時間に調整される関係に設
定されている。ここでも、図6のように、マップが連続
的な関係にあって関数で計算できるものであっても良い
し、図7に示されるように、ステップ値が記憶されてい
るものであっても良い。
【0034】また、ROM16には、図8と図9の破線
よりも左側に例示されている、溶接開始時から所定時間
xs経過時までの、溶接電流と加圧力の大きさを指示す
るマップが記憶されている。初期加圧力マップ91は、
溶接開始時に加圧力を初期加圧力Poに上昇させるマッ
プを記憶している。しかしながら、エアシリンダで加圧
されるために、実際の加圧力はライン90に示すように
遅れて上昇し、遅れた後に、初期加圧力Poに維持され
る。初期溶接電流マップ81は実際の加圧力が初期加圧
力Poに調整された後に通電開始され、初期溶接電流I
oに調整される。
【0035】さらに、ROM16には、図8と図9の破
線よりも右側に例示されている、初期通電の終了時以後
の溶接電流の変化パターンマップ82と、加圧力の変化
パターンマップ92が記憶されている。これらのパター
ン82と92は、後述のようにして算出される溶接開始
後所定時間経過したとき(タイミングto)の通電面積
から図2から5に例示したマップを用いて算出されるタ
イミングtoでの溶接電流と加圧力に対する比率で示さ
れ、本実施形態では、溶接電流については通電時間中に
同じ電流値を維持し(100%)(変化パターン82参
照)、加圧力については時間とともに低下させていく
(変化パターン92参照)。 なお、ROM16に種々
の変化パターンを記憶しておき、タイミングtoでの通
電面積に応じて、いずれかの一の変化パターンを選択す
る方式であっても良い。
【0036】CPU12では、タイミングtoで検出さ
れた溶接電流と電極間電圧から通電面積を算出し、算出
された通電面積と図2または図3のマップから直後(タ
イミングtoの直後)の溶接電流を算出し、以後は、図
8のパターンマップ82からその後の通電時間中の溶接
電流を算出する。同様に、タイミングtoで算出された
通電面積と図4または図5のマップから直後の加圧力を
算出し、以後は、図9のパターンマップ92からその後
の通電時間中の加圧力を算出する。さらに、タイミング
toで算出された通電面積と図6または図7のマップか
ら通電時間を算出する。
【0037】算出された加圧力は、CPU12から電極
移動装置20に指示され、電極22、24間の加圧力が
CPU12で算出された値に制御される。算出された溶
接電流に基づいてCPU12はサイリスタ26に送るゲ
ートオン信号の出力タイミングを調整し、電極22、2
4間に流れる溶接電流がCPU12で算出された溶接電
流の値に制御される。CPU12は算出された通電時間
の経過時以降はサイリスタ26に対するゲートオン信号
の出力を停止し、溶接電流の通電を停止させ、通電時間
をCPU12で算出された時間に制御する。
【0038】なお、本実施形態の抵抗溶接装置と溶接方
法では、算出された通電面積に基づいて、溶接条件であ
る溶接電流と加圧力と通電時間を制御することができる
が、3因子の全部を通電面積に基づいて制御する必要は
必ずしも無く、他の制御技術と組合せて用いても良い。
【0039】次に上記抵抗溶接装置の第1の実施形態の
作動の様子を図10を参照して説明する。最初に一対の
電極22、24が離反しており、作業者又はロボットが
ワークWを電極22、24間に位置決めした状態で、図
10中のステップS10に示されるように、溶接が開始
される。
【0040】溶接開始時に、CPU12は、図8と図9
の左側に示される溶接電流と加圧力の初期値マップ8
1、91を参照して溶接電流と加圧力を調整する(ステ
ップS12)。溶接開始時に加圧力を初期加圧力Poに
まで上昇させる信号91が与えられると、電極移動装置
20がバルブを開いて圧縮空気をエアシリンダに送り込
み、電極22をワークWに向けて前進させ始める。エア
シリンダが電極22をスムースに送り出して電極22が
ワークWに接触するまで、エアシリンダ内の圧力は上昇
しない。電極22がワークWに接触したあとも、電極移
動装置20はエアシリンダにさらに圧縮空気を送り込
み、それ以後は電極22、24による加圧力が増大す
る。溶接開始後エアシリンダ内の圧力が時時刻刻と検出
され、初期加圧力Poに達した以降はその加圧力Poに
維持される。初期化加圧力Poに維持されているはずの
タイミングで初期溶接電流Ioが通電され始める。この
制御が溶接開始後所定時間xsが経過するタイミング
(to)まで持続される(ステップS14がNoのとき
の処理)。
【0041】所定時間xsが経過したタイミングtoで
通電面積が算出される(ステップS16)。通電面積の
算出過程は図11に示される。ステップS2で通電面積
の算出処理がスタートすると、ステップS4で溶接電流
と電極間電圧が検出される。検出された溶接電流と電極
間電圧の値を用いて、ステップS6で電極間抵抗が算出
される。ここでは、下記の式が用いられる。電極間抵抗
=電極間電圧/溶接電流
【0042】溶接電流がワークW内の柱状領域を通過す
るとし、その柱状領域の断面積を通電面積とすると、ワ
ークWの抵抗率とワークWの総板厚とワークW内の通電
面積と電極間抵抗の間には、下記の式が成立する。 通電面積=抵抗率・板厚/電極間抵抗 ステップS6で算出された電極間抵抗の値と、上記式か
ら通電面積が算出される(ステップS8)。本発明者に
よって、ワークWの温度が800℃のときの抵抗率を用
いていることによって、正確な通電面積が算出されるこ
とが確認された。以上によって通電面積の算出処理が終
了する(ステップS10)。なお、通電面積の算出技術
の詳細は、本発明者が提案した特願平10−11729
9号に添付された明細書と図面に記載されている。
【0043】本発明者の研究によって、このようにして
算出される通電面積は、電極チップの先端形状の変化の
度合いに良く相関していることが確認された。電極チッ
プの先端形状が磨耗してワークに接する面積が増大する
と、通電面積も増大する関係にあり、その関係が良く相
関する事が確認された。
【0044】図10のステップS16で通電面積が算出
されると、次に、CPU12が、算出された通電面積と
図2(または図3)の初期通電終了時の通電面積−溶接
電流マップを参照して、当該通電面積下で、即ち、その
ときの電極チップの先端形状の変化の度合いの下で、良
好な溶接を実現する溶接電流の大きさを決定する。同様
に、算出された通電面積と図4(または図5)の初期通
電終了時の通電面積−加圧力マップを参照して、当該通
電面積下で、即ち、そのときの電極チップの先端形状の
変化の度合いの下で、良好な溶接を実現する加圧力の大
きさを決定する。さらに、算出された通電面積と図6
(または図7)の初期通電終了時の通電面積−通電時間
マップを参照して、当該通電面積下で、即ち、そのとき
の電極チップの先端形状の変化の度合いの下で、良好な
溶接を実現する通電時間の長さを決定する。以上の処理
がステップS18で実行される。
【0045】以上のようにして、CPU12が、タイミ
ングtoの直後における溶接電流と加圧力を決定する
と、ステップS20でエアシリンダ用バルブとサイリス
タの点弧角が制御され、実際の溶接電流と加圧力がステ
ップS18で決定された値に制御される(ステップS2
0)。以後、ステップS16で算出された電極チップの
先端形状の変化の度合いに追従して修正された溶接電流
と加圧力で溶接が進行する。
【0046】ステップS22でステップS18で決定さ
れた通電時間が経過していないと判断される間は、ステ
ップS24に進み、ステップS18で決定された溶接電
流と加圧力が、図8、図9の右側に示されているパター
ンマップに従って修正され、修正後にステップS20に
復帰することで、通電時間中の実際の溶接電流と加圧力
が図8と9の右側に示される変化パターンに従って制御
される。
【0047】ステップS18で決定された通電時間が終
了したら、ステップS26以降が実施される。ステップ
S26では通電が停止され(これ以降、サイリスタにゲ
ートオン信号が出力されない)、ステップS28で通電
停止後に第2の所定時間だけ加圧が続けられ(ステップ
S28)、その後に加圧が停止されて電極22,24間
距離が広げられ(ステップS30)、1回の溶接が終了
する(ステップS32)。
【0048】次に上記抵抗溶接装置の第2の実施形態を
図13以降を参照して説明する。この第2の実施の形態
では、図1のROM16に、図2に示した初期通電終了
時の通電面積に対するそれ以後の溶接電流を示すマップ
に代えて、前回の通電終了時の通電面積に対する次回の
溶接開始時の溶接電流の関係を示す図14に例示される
マップが記憶されている。このマップは、図3に例示し
たようなステップ値で記述されたマップであっても良
い。同様に、図1のROM16に、図4に示した初期通
電終了時の通電面積に対するそれ以後の加圧力を示すマ
ップに代えて、前回の通電終了時の通電面積に対する次
回の溶接開始時の加圧力の関係を示す図15に例示され
るマップが記憶されている。このマップは、図5に例示
したようなステップ値で記述されたマップであっても良
い。さらに、図1のROM16に、図6に示した初期通
電終了時の通電面積に対する通電時間を示すマップに代
えて、前回の通電終了時の通電面積に対する次回の通電
時間の関係を示す図16に例示されるマップが記憶され
ている。このマップは、図7の例示したようなステップ
値で記述されたマップであっても良い。
【0049】さらに、図1のROM16に、図8の右側
に示した、初期通電終了時以降の溶接電流の変化パター
ンマップ82に代えて、図17に例示される通電開始時
以降の溶接電流変化パターンマップ182が記憶されて
いる。同様に、図1のROM16に、図9の右側に示し
た、初期通電終了時以降の加圧力の変化パターンマップ
92に代えて、図18に例示される溶接開始時以降の加
圧力変化パターンマップ192が記憶されている。これ
らのパターンマップ182と192は、後述のようにし
て算出される前回の通電終了時(タイミングtf)での
通電面積から図14と15に例示したマップを用いて算
出される次回の溶接開始時の溶接電流と加圧力に対する
比率で示され、本実施形態では、溶接電流については通
電時間中は同じ電流値を維持し(100%)(変化パタ
ーンマップ182参照)、加圧力については時間ととも
に低下させていく(変化パターンマップ192参照)。
なお、加圧力の変化マップ192は、溶接開始時に加圧
力を加圧力Pp(このPpの値は図15のマップで決定
される)に上昇させるマップを記憶しているが、エアシ
リンダで加圧されるために、実際の加圧力はライン19
0に示すように遅れて上昇し、遅れた後に、加圧力Pp
に調整される。溶接電流変化パターンマップ182に示
されるように、溶接電流は、実際の加圧力が加圧力Pp
に調整された後に通電開始され、それ以降は溶接電流I
pに調整される。
【0050】次に第2の実施形態の作動の様子を図13
を参照して説明する。最初に一対の電極22、24が離
反しており、作業者又はロボットがワークWを電極2
2、24間に位置決めした状態で、図13中のステップ
S110に示されるように、溶接が開始される。
【0051】溶接開始時に、RAM14に記憶されてい
る前回の通電終了時に算出された通電面積と、ROM1
6に記憶されている前回通電終了時の通電面積−今回通
電開始時の溶接電流マップ(図14)から、該通電面積
下で、即ち、そのときの電極チップの先端形状の変化の
度合いの下で、良好な溶接を実現する溶接電流の大きさ
を決定する。同様に、前回の通電終了時に算出された通
電面積と、図15の前回通電終了時の通電面積−今回溶
接開始時の加圧力マップ(図15)から、該通電面積下
で、即ち、そのときの電極チップの先端形状の変化の度
合いの下で、良好な溶接を実現する加圧力の大きさを決
定する。さらに、前回の通電終了時に算出された通電面
積と、ROM16に記憶されている前回通電終了時の通
電面積−今回の通電時間マップ(図16)から、該通電
面積下で、即ち、そのときの電極チップの先端形状の変
化の度合いの下で、良好な溶接を実現する通電時間を決
定する。以上の処理がステップS118で実行される。
なお、通電面積の算出過程は前述した実施形態と同様に
図11に示される。
【0052】以上のようにして、CPU12が、溶接開
始直後における溶接電流と加圧力を決定すると、ステッ
プS120でエアシリンダ用バルブとサイリスタの点弧
角が制御され、実際の溶接電流と加圧力がステップS1
18で決定された値に制御される(ステップS12
0)。なお、前述した第1実施形態の抵抗溶接装置と同
様にCPU12によって、加圧力Ppに維持されている
はずのタイミングで溶接電流Iqが通電され始める。
【0053】ステップS120とステップS122で、
前回の通電終了時に算出された通電面積を用いて、今回
の溶接開始時の溶接電流と加圧力と通電時間を制御して
いる。現実の通電において、今回溶接時の電極チップの
先端形状の変化の度合いと前回溶接時の電極チップの先
端形状の変化の度合いは同等とみなすことができるの
で、今回の溶接電流と加圧力と通電時間の値を決定する
にあたり、前回の通電終了時において算出された通電面
積を用いることができる。従って前回の通電終了時の通
電面積という場合、電極チップの先端形状がほぼ変化し
ていないと評価できる、例えば過去10回の通電終了時
の通電面積の平均値(単純平均値であったり、今回に近
いほど重みを付けた平均値であってもよい)を用いても
よい。
【0054】ステップS122でステップS118で決
定された通電時間が経過していないと判断される間は、
ステップS124に進み、ステップS118で決定され
た溶接電流と加圧力が、図17、図18に示されている
パターンマップに従って修正され、修正後にステップS
120に復帰することで、通電時間中の実際の溶接電流
と加圧力が図17と18に示される変化パターンに従っ
て制御される。
【0055】ステップS118で決定された通電時間が
終了したら、ステップS125以降が実施される。通電
終了時に通電面積が算出され、次回の溶接に備えられる
(ステップS125)。通電面積の算出過程は前述と同
様に図11に示される。なお、通電面積を算出するとき
の通電終了時とは、通電が終了するタイミング、又はそ
の直前の検出タイミングである。そして今回の通電終了
時において算出された通電面積が、次回の溶接時のステ
ップS118で利用できるようにRAM14に記憶され
る。さらにステップS126で通電が停止され(これ以
降、サイリスタにゲートオン信号が出力されない)、ス
テップS128で通電停止後に所定時間だけ加圧が続け
られ(ステップS128)、その後に加圧が停止されて
電極22、24間距離が広げられ(ステップS13
0)、1回の溶接が終了する(ステップS132)。
【0056】上記の2つの実施の形態では、ステップS
18又はステップS118で、溶接電流と加圧力の双方
を通電面積から決定する。しかしながら、通電面積から
溶接電流のみを決定し、加圧力については他の方式で制
御する方式、例えば、加圧力については一定に維持する
方式、溶接回数ともに変化させていく方式、1回の通電
時間内の電極間電圧の変化の大きさに追従させていく方
式等も取り得るために、本発明は、溶接電流と加圧力の
双方を通電面積から決定するものに限定されず、 通電
面積から溶接電流を決定するところに具現化され得る。
【0057】同様に、通電面積から加圧力のみを決定
し、溶接電流については他の方式で制御する方式、例え
ば、溶接回数ともにリニアないしステップアップしてい
く方式、1回の通電時間内の電極間電圧の変化の大きさ
に追従させて増加させていく方式等も取り得るために、
本発明は、溶接電流と加圧力の双方を通電面積から決定
するものに限定されず、 通電面積から加圧力を決定す
るところに具現化することもできる。
【0058】さらに、溶接電流と加圧力については通電
面積以外の指標によって制御し、通電時間を通電面積に
よって決定する方式によっても、通電時間を通電面積以
外の指標によって制御する場合に比して的確に溶接電流
の通電終期をコントロールでき、このような態様で本発
明を具現化する事ができる。
【0059】もっとも、実施の形態で説明したように、
初期通電の終了時又は通電終了時の通電面積から溶接電
流と加圧力の双方を決定し、さらにその上で通電時間を
決定するときに、本発明の利点が最も良く享受され、常
に良好な溶接結果を安定的に得ることができる。この方
式で、通電時間についてのみ、通電面積以外の指標で通
電を停止させることもできる。
【0060】上記の実施の形態では、初期通電の終了時
点又は通電終了時点での通電面積を指標としてその後又
は次回の溶接電流と加圧力を制御する方式を採用してい
るが、その後又は次回の溶接開始以後の溶接電流と加圧
力を制御する過程においても時時刻刻と通電面積を算出
し、これに基づいて溶接電流と加圧力を制御するように
しても良い。ただし、次回の溶接開始以後の溶接電流と
加圧力を制御する場合は加圧力Ppに維持されているは
ずのタイミングまで溶接電流Ipは通電され始めない。
【0061】例えば、図12に示すように、通電時間中
に通電面積が時間に対して比例的に増加していくときに
良い溶接結果が得られることが知られており、図12の
通電面積の増加グラフに対して、通電面積の成長率が高
すぎれば溶接電流と加圧力をともに下げて通電面積の成
長率を抑制し、逆に低すぎれば両者を上げて通電面積の
成長率を上昇させる制御が取り得る。あるいは、溶接電
流については図8又は図17のパターンマップに基づい
て制御し、加圧力のみを通電面積の成長率を指標として
増減調整する方式、加圧力については図9又は図18の
パターンマップに基づいて制御し、溶接電流を通電面積
の成長率を指標として増減調整する方式も取り得る。
【0062】以上より、本実施形態の抵抗溶接装置と溶
接方法では、通電面積とその通電面積に対応した適切な
溶接電流や加圧力や通電時間で溶接できるので、チリを
発生させずに溶接強度を確実に確保できる。従って、バ
リの発生を抑制できるので塗装や見栄えの問題で商品価
値を下げることなく良質な製品を作製できる。その結
果、バリ取り作業時間を低減させることができる。そし
て溶接強度を確実に確保できるので、製品の信頼性を向
上させることができる。
【0063】本実施形態の抵抗溶接装置とその方法で
は、種々のワークの材質、形状に適したマップを設定す
ることができる。従って種々の材質あるいは形状のワー
クに対して、的確な溶接電流、加圧力、通電時間で溶接
することができる。
【0064】なお、電極移動装置20の加圧機構は本実
施の形態で説明した空気式以外にモータ式も用いること
ができる。モータ式の場合、一対の電極22、24によ
る加圧力が指定した加圧力になるように、モータのトル
クをサーボ制御する。一対の電極22、24の加圧力
は、そのモータのシャフトに取り付けられたボールネジ
のネジピッチとモータのトルクによって決定される。そ
して本発明の溶接制御装置とその方法で用いる加圧機構
は、空気式、モータ式に限らない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の抵抗溶接装置の全体構成を示す。
【図2】初期通電の終了時に参照する通電面積−溶接電
流のマップの一例を示す。
【図3】初期通電の終了時に参照する通電面積−溶接電
流のマップの他の例を示す。
【図4】初期通電の終了時に参照する通電面積−加圧力
のマップの一例を示す。
【図5】初期通電の終了時に参照する通電面積−加圧力
のマップの他の例を示す。
【図6】初期通電の終了時に参照する通電面積−通電時
間のマップの一例を示す。
【図7】初期通電の終了時に参照する通電面積−通電時
間のマップの他の例を示す。
【図8】初期溶接電流マップと溶接電流の変化パターン
マップである。
【図9】初期加圧力マップと加圧力の変化パターンマッ
プである。
【図10】初期通電の終了時に通電面積を算出する抵抗
溶接装置の作動の様子を示すフローチャートである。
【図11】通電面積の算出フローチャートである。
【図12】通電時間に対する通電面積の変化の関係を示
す。
【図13】通電終了時に通電面積を算出し、次回の通電
時にその通電面積を参照して溶接電流等を制御する抗溶
接装置の作動の様子を示すフローチャートである。
【図14】通電終了時の通電面積−次回通電開始時の溶
接電流のマップの一例を示す。
【図15】通電終了時の通電面積−次回溶接開始時の加
圧力のマップの一例を示す。
【図16】通電終了時の通電面積−次回の通電時間のマ
ップの一例を示す。
【図17】溶接電流の変化パターンマップの一例であ
る。
【図18】加圧力の変化パターンマップの一例である。
【符号の説明】
10 ・・溶接制御装置 22 ・・電極 24 ・・電極 32 ・・電圧検出器 W ・・ワーク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極、初期電流指示手段、通電面
    積算出手段、溶接電流決定手段、溶接電流制御手段を備
    えた抵抗溶接装置であり、 その一対の電極は、ワークを挟持してそのワークを加圧
    した状態でそのワークに溶接電流を通電し、 初期電流指示手段は、溶接開始から所定時間の溶接電流
    値を指示し、 通電面積算出手段は、前記所定時間経過時の通電面積を
    算出し、 溶接電流決定手段は、算出された通電面積からそれ以後
    の溶接電流値を決定し、 溶接電流制御手段は、実際の溶接電流の大きさを、溶接
    開始から所定時間は初期電流指示手段で指示される電流
    値に、それ以後は溶接電流決定手段で決定される電流値
    に制御することを特徴とする抵抗溶接装置。
  2. 【請求項2】 一対の電極、初期電流と初期加圧力の指
    示手段、通電面積算出手段、加圧力決定手段、加圧力制
    御手段を備えた抵抗溶接装置であり、 その一対の電極は、ワークを挟持してそのワークを加圧
    した状態でそのワークに溶接電流を通電し、 初期電流と初期加圧力の指示手段は、溶接開始から所定
    時間の溶接電流値と加圧力を指示し、 通電面積算出手段は、前記所定時間経過時の通電面積を
    算出し、 加圧力決定手段は、算出された通電面積からそれ以後の
    加圧力を決定し、 加圧力制御手段は、実際の加圧力を、溶接開始から所定
    時間は初期電流と初期加圧力の指示手段で指示される加
    圧力に、それ以後は加圧力決定手段で決定される加圧力
    に制御することを特徴とする抵抗溶接装置。
  3. 【請求項3】 一対の電極、通電面積算出手段、溶接電
    流決定手段、溶接電流制御手段を備えた抵抗溶接装置で
    あり、 その一対の電極は、ワークを挟持してそのワークを加圧
    した状態でそのワークに溶接電流を通電し、 通電面積算出手段は、通電終了時の通電面積を算出し、 溶接電流決定手段は、前回の通電において算出された通
    電面積から溶接開始以後の溶接電流値を決定し、 溶接電流制御手段は、実際の溶接電流の大きさを溶接電
    流決定手段で決定される電流値に制御することを特徴と
    する抵抗溶接装置。
  4. 【請求項4】 一対の電極、通電面積算出手段、加圧力
    決定手段、加圧力制御手段を備えた抵抗溶接装置であ
    り、 その一対の電極は、ワークを挟持してそのワークを加圧
    した状態でそのワークに溶接電流を通電し、 通電面積算出手段は、通電終了時の通電面積を算出し、 加圧力決定手段は、前回の通電において算出された通電
    面積から溶接開始以後の加圧力を決定し、 加圧力制御手段は、実際の加圧力を加圧力決定手段で決
    定される加圧力に制御することを特徴とする抵抗溶接装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載の抵抗溶
    接装置に、算出された通電面積から通電時間を決定する
    手段を付加した抵抗溶接装置。
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