JP2010069507A - 抵抗溶接制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗溶接において、電極の磨耗が進行しても、チリの発生しない状態で適正ナゲット径を形成すること。
【解決手段】複数枚の被溶接材2を一対の電極1a、1bによって加圧し、所定の溶接電流Iwを所定の溶接期間Twrだけ通電して溶接する抵抗溶接制御方法において、前記溶接期間Twr経過時点での前記電極間の抵抗値Rwを算出し、 この抵抗値Rwが基準値Rtr未満であるときは溶接を終了し、この抵抗値Rwが基準値Rtr以上であるときは溶接期間を延長し、この延長期間中の電極間抵抗値Rwが基準値Rtr未満になったときに溶接を終了する。溶接期間Twrが経過した時点での電極間抵抗値Rwがナゲット径と相関関係にあるために、この値によって適正ナゲット径の形成を保証している。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電極間抵抗値を利用して適正ナゲット径を形成するための抵抗溶接制御方法に関するものである。
複数枚重ねた被溶接材を一対の電極によって加圧・通電して溶接する抵抗溶接において、溶接部の良好な品質を得るためには、ナゲット径が適正範囲内で形成されることが重要である。一般的に、抵抗溶接には定電流の交流又は直流の溶接電流が使用される。すなわち、少なくとも1回の溶接中の溶接電流値は一定値である。溶接電流が交流であるときは実効値が一定であることを意味している。ナゲット径は、溶接電流値、溶接期間、電極形状、加圧力等の溶接条件によって定まる。したがって、適正なナゲット径を形成するためには、被溶接材の材質、板厚、重ね枚数等の被溶接材条件に応じて上記の溶接条件を適正値に設定する必要がある。
抵抗溶接では、自動車ボディのように1つのワークに数多くの溶接個所があり、そして次々と流れてくるワークを溶接するケースが多い。このときに、各溶接個所の被溶接材の材質、板厚、重ね枚数等の被溶接材条件が同一であれば、溶接電流値、溶接期間、電極形状、加圧力等の溶接条件も同一になる。そして、この状態で数百〜数千個所の溶接を行うことが多い。連続した溶接中において、電極の被溶接材接触面が次第に磨耗して接触面積が初期状態よりも広くなる。接触面積が広くなった状態で同一値の溶接電流を通電すると、被溶接材を通電する電流密度が低くなり溶接部の温度上昇が低くなるために、ナゲット径が小さくなる。このために、電極の磨耗が著しく進行した場合には、電極の研磨又は交換を行う必要がある。この研磨又は交換を行う間隔は、溶接条件等によって異なるが数百〜数千回の溶接ごとである。この研磨又は交換後の溶接の繰り返しに伴って電極の磨耗は徐々に進行する。このために、予め定めた回数の溶接を行うと溶接電流値を増加させて、電極磨耗による電流密度の低下を補償する機能(ステッパー機能)を装備した抵抗溶接装置が従来から使用されている。
図7は、このステッパー機能を示す溶接回数に対する溶接電流値Iwの変化パターン図である。溶接回数0〜500回をステップST1とし、501〜1000回をステップST2とし、1001〜1350回をステップST3とし、1351〜2000回をステップST4として設定する。少なくともステップST1〜ST4の間は電極の研磨又は交換は行わない。そして、同図に示すように、ステップが新しくなる時点で、溶接電流値Iwを階段状に増加させる。上記の各ステップの溶接回数及び電流増加値は、被溶接材条件及び溶接条件に応じて予め試験等によって設定する。このようにすることによって、電極磨耗の進行に伴いナゲット径が適正範囲よりも小さくなることを防止することができる。
上述したステッパー機能においては、上述した溶接電流変化パターンを予め適正値に設定する必要がある。このために、数多くの被溶接材条件及び溶接条件に対応させて溶接電流変化パターンを試験等によって算出するには多くの時間とコストが必要になる。さらに、実施工においては電極磨耗の進行状態にはバラツキがあるために、予め定めた溶接電流変化パターンが常に適正であるとは言えない。これらの問題を解決する方法として以下に説明する従来技術1、2等が提案されている。
[従来技術1(特許文献1参照)]
従来技術1では、溶接部の抵抗値を電極間電圧値/溶接電流値によって算出し、この抵抗値の変化から溶接中のチリの発生の有無を判別して、チリ発生回数のカウントを行う。そして、カウントされたチリ発生回数を予め定めた最適チリ発生回数と比較し、前者>後者なら溶接電流値を低下させ、前者<後者なら溶接電流値を増大させるものである。1回の溶接においてチリが発生する溶接電流値の条件は、適正範囲のナゲット径を形成するための上限値ぎりぎり又は上限値を超えた条件である。したがって、複数回の溶接においてチリの発生した溶接の回数が予め定めた目標回数になるように溶接電流値を増減することによって、平均的なナゲット径を適正範囲の上限内に収めることができる。この従来技術1によれば、チリ発生回数によって溶接電流値は自動的に増減するので、上述した溶接電流変化パターンを予め設定する必要はない。また、電極磨耗の進行状態にバラツキが生じても、チリ発生回数によって溶接電流値は適正化される。
[従来技術2(特許文献2参照)]
従来技術2では、1回の溶接中は一定の溶接電流値Iwで溶接を行うと共に、溶接中は熱伝道計算によって溶接部温度推定値の最高値Tcmを算出し、この溶接部温度推定値の最高値Tcmが予め定めた下限基準値Tta以下であったときは、溶接電流値Iwを増加させて次の溶接を行い、以後この動作を繰り返す抵抗溶接制御方法である。この方法では、溶接部温度推定値の最高値Tcmがチリの発生、適正ナゲット径等の溶接品質と相関関係にあることを利用している。この従来技術2では、溶接電流変化パターンが自動的に適正化されるために、電極磨耗が進行してもチリの発生しない状態で適正ナゲット径を形成することができる。
特開平6−71457号公報 特開2006−61962号公報
上述した従来技術1では、電極間抵抗値の変化量から算出される複数回の溶接における平均チり発生回数が目標値に一致するように溶接電流値を増減する。このために、チリが発生した溶接部が複数回含まれることが前提となっている。しかし、溶接部にチリが発生することは、溶接品質上好ましい状態ではない。すなわち、良好な溶接品質とは、ナゲット径が適正範囲であり、かつ、チリが発生しないことである。従来技術1では、全ての溶接部においてチリが発生しないように制御することは原理的にできないという課題があった。さらに、溶接中の電極間抵抗値の変化量は、被溶接材と電極との接触角度によって大きく影響を受けるために、この接触角度がバラツクとチりの発生を誤検出することになり、上述した制御がうまく動作しなくなる。接触角度は、被溶接材の加工精度、固定精度、電極の磨耗による変形状態等によってバラツキを伴うので、従来技術1においては大きな課題であった。
また、上述した従来技術2においては、溶接部温度推定値を熱伝導計算によって精度よく算出することが前提条件となる。しかし、一般的に熱伝導計算には堅い処理能力を有するマイクロプロセッサが必要となり、コストが高くなるという課題があった。さらに、熱伝導計算を行うための溶接部モデルを形成するためには、種々の物理量に関するパラメータを同定する必要がある。これらのパラメータは、被溶接材条件が異なれば異なる値となるので、数多くの被溶接材条件に応じてパラメータを同定することには多くの試験及び多額の費用が必要であるという課題もあった。
そこで、本発明では、電極が磨耗してもチリの発生しない状態で適正ナゲット径を形成することができ、高速な処理能力を有するマイクロプロセッサを使用する必要もなく、かつ、被溶接材条件に対応するための多くの試験を行う必要もない、抵抗溶接制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、
複数枚の被溶接材を一対の電極によって加圧し、所定の溶接電流を所定の溶接期間通電して溶接する抵抗溶接制御方法において、
前記溶接期間経過時点での前記電極間の抵抗値を算出し、
この抵抗値が予め定めた基準値未満であるときは溶接を終了し、
この抵抗値が前記基準値以上であるときは溶接期間を延長し、この延長期間中の電極間抵抗値が前記基準値未満になったときに溶接を終了する、
ことを特徴とする抵抗溶接制御方法である。
第2の発明は、前記溶接を延長している期間が予め定めた最大延長期間に達したときは溶接を終了する、ことを特徴とする第1の発明記載の抵抗溶接制御方法である。
第3の発明は、前記溶接期間が延長されたときは、次の溶接個所における前記溶接電流値を所定値だけ増加させて溶接を行う、
ことを特徴とする第1又は第2の発明記載の抵抗溶接制御方法である。
上記第1の発明によれば、所定の溶接期間経過時点での電極間抵抗値が基準値未満であるときは溶接を終了し、以上であるときは未満になるまで溶接期間を延長して溶接を行う。所定の溶接期間とは、電極の磨耗が少ない状態のときに適正なナゲット径が得られるように設定された溶接期間である。これにより、電極磨耗の状態に応じて溶接期間が延長されるので、常に適正ナゲット径を得ることができる。このときに、延長期間は適正ナゲット径が得られるための必要最小限の値であるために、過剰な入熱になることがなく、チリの発生を抑制することができる。さらに、第1の発明では、電極間抵抗値を算出する必要があるが、この算出のためには高速な演算処理は必要ない。さらに、第1の発明では、従来と同様に、適正ナゲット径が得られる溶接電流値及び溶接期間を試験によって設定し、このときに溶接期間が終了する時点での電極間抵抗値を算出し、この算出地から上記の基準値を設定すれば良いので、従来の試験に追加される工数は少ない。
また、上記第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、溶接期間の延長が最大延長期間に達したときは、溶接状態が異常であると判断して溶接を早期に終了させることができる。このために、溶接状態の異常を早期に発見することができ、溶接の復旧を迅速に行うことができる。
また、上記第3の発明によれば、第1及び第2の発明の効果に加えて、溶接期間が延長されたときは、次の溶接個所における溶接電流値を所定値だけ増加させて溶接を行うことによって、電極の磨耗が進行しても所定の溶接期間で適正ナゲット径を形成することができる。このために、溶接期間を延長する溶接個所は少なくてすむので、生産効率を低下させることがない。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る抵抗溶接制御方法の原理を説明するための図である。同図において、横軸は溶接経過時間(cyc)を示し、縦軸は電極間抵抗値を示す。同図は1回の溶接中における電極間抵抗値の変化を示している。溶接経過時間は、慣例により、商用電源の1周期(1/50又は1/60)を1サイクルとして表している。以下、同図を参照して説明する。
同図に示すように、電極によって被溶接材が加圧されて通電が開始された直後の初期状態においては、被溶接材相互の接触状態及び被溶接材と電極との接触状態が次第に安定するので、電極間抵抗値は急減する。その後、被溶接材の温度が上昇するのに伴い、電極間抵抗値は次第に増加する。そして被溶接材の溶融が始まり、ナゲットが成長しだす溶接中期から終期において、ナゲット径(軟化部)が広がり、電流密度が低下するのに伴って、電極間抵抗値は次第に減少する。
上記の電極間抵抗値の変化は、、電極と被溶接材との接触角度、接触面積等のバラツキによって影響を受ける。すなわち、溶接中期における電極間抵抗値の増加カーブ及び溶接終期における電極間抵抗値の減少カーブは、電極と被溶接材との接触角度、接触面積等によって変動することになる。しかし、同図に示す溶接終了時点での電極間抵抗値(以下、所定期間経過時抵抗値Reという)は、電極と被溶接材との接触角度、接触面積等によらず、ナゲット径と相関関係にあることを発明者らは見出した。所定期間経過時抵抗値Reは、予め定めた溶接期間が経過して溶接を終了する直前の電極間抵抗値である。所定期間経過時抵抗値Reとナゲット径とが相関関係になる理由は、以下のとおりである。すなわち、溶接終期においては電極と接触する被溶接材の部分はほぼ軟化しているために、電極と軟化部分とが十分に接触した状態になり、所定期間経過時抵抗値Reはナゲットの大きさ(直径)と反比例関係になるためである。
図2は、上述した所定期間経過時抵抗値Reとナゲット径との相関関係を例示するための図である。同図において、横軸は溶接回数を示し、左の縦軸は所定期間経過時抵抗値Reを示し、右の縦軸はナゲット径を示す。同図は電極の交換及び研磨をしないで溶接を継続したときの実線で示す所定期間経過時抵抗値Re及び破線で示すナゲット径の変化を示す。同図は、被溶接材には亜鉛メッキ鋼板0.8mmの2枚重ねを使用し、溶接電流7000A、溶接期間14サイクルで抵抗溶接を行った場合である。以下、同図を参照して説明する。
同図に示すように、溶接回数が多くなるのに伴い、電極の磨耗が進行して、ナゲット径は次第に小さくなる。同時に、所定期間経過時抵抗値Reは次第に大きくなる。したがって、ナゲット径と所定期間経過時抵抗値Reとは相関関係にある。このために、ナゲット径を検出する代用として、所定期間経過時抵抗値Reを使用することができる。
したがって、本発明の実施の形態1に係る抵抗溶接制御方法では、電極磨耗が進行しても適正ナゲット径を得るために以下のような制御を行う。
(1)予め定めた溶接電流及び予め定めた溶接期間で抵抗溶接を行う。
(2)溶接期間終了時点での電極間抵抗値を所定期間経過時抵抗値Reとして算出する。
(3)この所定期間経過時抵抗値Reが基準抵抗値Rt未満のときは溶接を終了する。
(4)所定期間経過時抵抗値Reが上記の基準抵抗値Rt以上であるときは、溶接期間を延長し、この延長期間中の電極間抵抗値を新たな所定期間経過時抵抗値Reとして刻々と算出し、Re<Rtになるまで延長した後に溶接を終了する。
(5)以後、これらの動作を繰り返して行う。
上記において、基準抵抗値Rtは、予め定めた溶接電流で予め定めた溶接期間だけ溶接を行ったときのナゲット径が適正範囲内にあるときの所定期間経過時抵抗値Reに設定する。基準抵抗値Rtの最大値は、ナゲット径が適正範囲の下限値となるときの所定期間経過時抵抗値Reとなる。したがって、電極に新品又は研磨品を使用し、適正ナゲット径が得られるように溶接電流及び溶接期間を設定する試験において、溶接終了時の電極間抵抗値を測定し、この値に係数を乗じた値を上記の基準抵抗値Rtとすれば良い。このために、基準抵抗値Rtを設定するのに必要な工数は少なくて済む。
図3は、上述した実施の形態1に係る抵抗溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
サイリスタSCRは、商用交流電源ACを入力として、後述する駆動信号Dvに従って溶接電流Iwの実効値が所定値になるように位相制御する。変圧器TRは、抵抗溶接に適した電圧値に降圧する。1対の電極1a、1bは、複数枚の被溶接材2を加圧し、電極を介して溶接電流Iwが通電し溶接電圧Vwが印加する。
電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して電流検出信号Idを出力する。電圧検出回路VDは、上記の溶接電圧Vwを検出して電圧検出信号Vdを出力する。電極間抵抗値算出回路RWは、上記の電流検出信号Id及び電圧検出信号Vdを入力として電極間抵抗値を算出し、電極間抵抗値信号Rwを出力する。この電極間抵抗値の算出方法については図4で後述する。
溶接電流設定回路IRは、予め定めた溶接電流設定信号Irを出力する。電流実効値演算回路IRMは、上記の電流検出信号Idを入力としてその実効値を演算して、電流実効値信号Irmを出力する。電流誤差増幅回路EIは、上記の溶接電流設定信号Irと上記の電流実効値信号Irmとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。駆動回路DVは、後述する起動信号OnがHighレベルのときは、この電流誤差増幅信号Eiに従って上記のサイリスタSCRを位相制御するための駆動信号Dvを出力する。起動信号OnがLowレベルのときはこの駆動信号Dvは出力されないために溶接装置の出力は停止する。
溶接開始回路STは、溶接を開始するための溶接開始信号Stを出力する。溶接期間設定回路TWRは、予め定めた溶接期間設定信号Twrを出力する。基準抵抗値設定回路RTRは、予め定めた基準抵抗値設定信号Rtrを出力する。シーケンス制御回路SCは、上記の溶接開始信号St、上記の電極間抵抗値信号Rw、上記の溶接期間設定信号Twr及び上記の基準抵抗値設定信号Rtrを入力として下記のようなシーケンス制御を行い、起動信号Onを出力する。
(1)入力信号である溶接開始信号StがHighレベルになると、Highレベルになる起動信号Onを出力する。これにより溶接が開始される。
(2)溶接期間設定信号Twrによって定まる期間が経過した時点での電極間抵抗値信号Rw(所定期間経過時抵抗値)と基準抵抗値設定信号Rtrとを比較して、Rw<Rtrならば起動信号OnをLowレベルに変化させて出力する。これにより溶接は終了する。
(3)他方、Rw≧RtrのときはHighレベルの起動信号Onを継続して溶接期間を延長し、Rw<Rtrが成立した時点でLowレベルに変化させて出力する。これにより、延長期間は終了する。
図4は、抵抗溶接中の溶接電圧vw及び溶接電流iwの波形図である。同図に示すように、位相角90°のときに溶接電流iwの変化率di/dtが零となり電圧検出線にインダクタンスによる誘導電圧が重畳しないので、正確な溶接電圧値vwを計測することができる。この位相角90°のとき、溶接電流iw=i1であり、溶接電圧vw=v1であるので、電極間抵抗値Rw=v1/i1によって算出することができる。位相角が270°のときも同様である。したがって、電極間抵抗値は半サイクルごとに算出される。上述した図3において、電極間抵抗値を変圧器TRの1次側電流値及び1次側電圧値によって巻数比を考慮して算出するようにしても良い。また、抵抗溶接装置が直流インバータ方式であるときには、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwは共に直流になるので、上記のような位相を考慮する必要はなくなる。
上述した実施の形態1によれば、所定の溶接期間経過時点での電極間抵抗値が基準抵抗値未満であるときは溶接を終了し、以上であるときは未満になるまで溶接期間を延長して溶接を終了する。所定の溶接期間とは、電極の磨耗が少ない状態のときに適正なナゲット径が得られるように設定された溶接期間である。これにより、電極磨耗の状態に応じて溶接期間が延長されるので、常に適正ナゲット径を得ることができる。このときに、延長期間は適正ナゲット径が得られるための必要最小限の値であるために、過剰な入熱になることがなく、チリの発生を抑制することができる。さらに、本実施の形態では、電極間抵抗値を算出する必要があるが、この算出のためには高速な演算処理は必要ない。さらに、本実施の形態では、従来と同様に、適正ナゲット径が得られる溶接電流値及び溶接期間を試験によって設定し、このときに溶接期間が終了する時点での電極間抵抗値を算出し、この算出地から基準抵抗値を設定すれば良いので、従来の試験に追加される工数は少ない。
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係る抵抗溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。同図において上述した図3と同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、図3とは異なる破線で示すブロックについて同図を参照して説明する。
同図においては、破線で示す最大延長期間設定回路TMRを追加し、図3のシーケンス制御回路SCを破線で示す第2シーケンス制御回路SC2に置換している。最大延長期間設定回路TMRは、予め定めた最大延長期間設定信号Tmrを第2シーケンス制御回路SC2に出力する。第2シーケンス制御回路SC2は、この最大延長期間設定信号Tmr、溶接開始信号St、電極間抵抗値信号Rw、溶接期間設定信号Twr及び基準抵抗値設定信号Rtrを入力として下記のようなシーケンス制御を行い、起動信号Onを出力する。
(1)入力信号である溶接開始信号StがHighレベルになると、Highレベルになる起動信号Onを出力する。これにより溶接が開始される。
(2)溶接期間設定信号Twrによって定まる期間が経過した時点での電極間抵抗値信号Rw(所定期間経過時抵抗値)と基準抵抗値設定信号Rtrとを比較して、Rw<Rtrならば起動信号OnをLowレベルに変化させて出力する。これにより溶接が終了する。
(3)他方、Rw≧Rtrのときは、Rw<Rtrが成立するまでHighレベルの起動信号を延長する。但し、延長期間が最大延長期間設定信号Tmrによって定まる値に達した時点で起動信号OnをLowレベルに変化させて、溶接を終了する。
上述したように、実施の形態2では、溶接期間が終了した時点での所定期間経過時抵抗値が基準抵抗値以上であるときは未満になるまで溶接期間を延長し、延長期間が最大延長期間に達したときは未満になっていなくても溶接を終了するものである。これは、最大延長期間まで延長しても適正ナゲット径が形成されない場合であり、溶接状態が何らかの原因で以上状態になっていると考えられる。このために、溶接を終了して、その原因を把握する必要がある。このときに警報を発するようにしても良い。この最大延長期間は、被溶接材条件によって異なるが、例えば、3サイクル程度に設定する。
上述した実施の形態2によれば、実施の形態1の効果に加えて、溶接期間の延長が最大延長期間に達したときは、溶接状態が異常であると判断して溶接を早期に終了させることができる。このために、溶接状態の異常を早期に発見することができ、溶接の復旧を迅速に行うことができる。
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施の形態3に係る抵抗溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図である。同図において上述した図5と同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。以下、図5とは異なる破線で示すブロックについて同図を参照して説明する。
同図においては、図5の第2シーケンス制御回路SC2を破線で示す第3シーケンス制御回路SC3に置換し、図5の溶接電流設定回路IRを破線で示す第2溶接電流設定回路IR2に置換している。第3シーケンス制御回路SC3は、最大延長期間設定信号Tmr、溶接開始信号St、電極間抵抗値信号Rw、溶接期間設定信号Twr及び基準抵抗値設定信号Rtrを入力として下記のようなシーケンス制御を行い、起動信号On及び延長信号Esを出力する。
(1)入力信号である溶接開始信号StがHighレベルになると、Highレベルになる起動信号Onを出力する。これにより溶接が開始される。
(2)溶接期間設定信号Twrによって定まる期間が経過した時点での電極間抵抗値信号Rw(所定期間経過時抵抗値)と基準抵抗値設定信号Rtrとを比較して、Rw<Rtrならば起動信号OnをLowレベルに変化させて出力する。これにより溶接が終了する。
(3)他方、Rw≧Rtrのときは、Rw<Rtrが成立するまでHighレベルの起動信号を延長する。但し、延長期間が最大延長期間設定信号Tmrによって定まる値に達した時点で起動信号をLowレベルに変化させて、溶接を終了する。
(4)溶接が終了した時点で、溶接期間の延長があったとき(上記(3)のとき)は、延長信号EsをHighレベルにして第2溶接電流設定回路IR2に出力する。延長がなかったとき(上記(2)のとき)は、この延長信号EsはLowレベルのままである。
第2溶接電流設定回路IR2は、上記の延長信号Esを入力として、予め定めた初期値の溶接電流設定信号Irを出力し、Highレベルの延長信号Esが入力されると初期値に予め定めた増加値を加算した溶接電流設定信号Irを出力し、さらにHighレベルの延長信号Esが入力されると加算値に増加値を加算した溶接電流設定信号Irを出力し、以後この動作を繰り返す。したがって、溶接電流設定信号Irの値は、Highレベルの延長信号Esが入力されるごとに増加値だけ大きくなっていく。これにより、第n番目の溶接個所の溶接において、所定期間経過時抵抗値が基準抵抗値以上であったために溶接期間が延長されたときは、第n+1番目の溶接個所の溶接においては、溶接電流値が増加値だけ大きくなっている。
前の溶接において延長があったときに次の溶接における溶接電流値を増加させる理由は以下のとおりである。すなわち、前の溶接において延長があったことは電極の磨耗が進行して所定の溶接期間だけでは適正ナゲット径を形成することができないことを示している。このために、次の溶接においては、溶接電流値を増加させることによって、所定の溶接期間で適正ナゲット径を形成することができるようにしている。溶接期間の延長が続くことは、溶接工程の生産効率を低下させることになるために、これに代えて溶接電流値を増加させて生産効率の低下を防止している。
上述した実施の形態3によれば、実施の形態1〜2の効果に加えて、溶接期間が延長されたときは、次の溶接個所における溶接電流値を所定値だけ増加させて溶接を行うことによって、電極の磨耗が進行しても所定の溶接期間で適正ナゲット径を形成することができる。このために、溶接期間を延長する溶接個所は少なくてすむので、生産効率を低下させることがない。
本発明の実施の形態1に係る抵抗溶接制御方法の原理を説明するための図であり、溶接中の電極間抵抗値の変化を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る所定期間経過時抵抗値Reとナゲット径との相関関係を例示するための図である。 本発明の実施の形態1に係る抵抗溶接装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る電極間抵抗値の算出方法を示す溶接電流・溶接電圧波形図である。 本発明の実施の形態2に係る抵抗溶接装置のブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る抵抗溶接装置のブロック図である。 従来技術における溶接回数に対する溶接電流値Iwの変化パターン図である。
符号の説明
1a、1b 電極
2 被溶接材
AC 商用交流電源
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
Es 延長信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
IR 溶接電流設定回路
Ir 溶接電流設定信号
IR2 第2溶接電流設定回路
IRM 電流実効値演算回路
Irm 電流実効値信号
Iw 溶接電流
On 起動信号
Re 所定期間経過時抵抗値
Rt 基準抵抗値
RTR 基準抵抗値設定回路
Rtr 基準抵抗値設定信号
RW 電極間抵抗値算出回路
Rw 電極間抵抗値(信号)
SC シーケンス制御回路
SC2 第2シーケンス制御回路
SC3 第3シーケンス制御回路
SCR サイリスタ
ST 溶接開始回路
St 溶接開始信号
ST1〜ST4 ステップ
Tcm 溶接部温度推定値の最高値
TMR 最大延長期間設定回路
Tmr 最大延長期間設定信号
TR 変圧器
Tta 下限基準値
TWR 溶接期間設定回路
Twr 溶接期間設定信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
Vw 溶接電圧

Claims (3)

  1. 複数枚の被溶接材を一対の電極によって加圧し、所定の溶接電流を所定の溶接期間通電して溶接する抵抗溶接制御方法において、
    前記溶接期間経過時点での前記電極間の抵抗値を算出し、
    この抵抗値が予め定めた基準値未満であるときは溶接を終了し、
    この抵抗値が前記基準値以上であるときは溶接期間を延長し、この延長期間中の電極間抵抗値が前記基準値未満になったときに溶接を終了する、
    ことを特徴とする抵抗溶接制御方法。
  2. 前記溶接を延長している期間が予め定めた最大延長期間に達したときは溶接を終了する、ことを特徴とする請求項1記載の抵抗溶接制御方法。
  3. 前記溶接期間が延長されたときは、次の溶接個所における前記溶接電流値を所定値だけ増加させて溶接を行う、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の抵抗溶接制御方法。
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