JP2001162171A - 排ガス浄化用触媒および排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒および排ガス浄化方法

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JP2001162171A JP34731099A JP34731099A JP2001162171A JP 2001162171 A JP2001162171 A JP 2001162171A JP 34731099 A JP34731099 A JP 34731099A JP 34731099 A JP34731099 A JP 34731099A JP 2001162171 A JP2001162171 A JP 2001162171A
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Hirofumi Otsuka
浩文 大塚
Takatoshi Nakahira
貴年 中平
Taketoku Hirano
竹徳 平野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、触媒活性阻害物質である水蒸気およ
び硫黄酸化物の存在下においても、メタンを還元剤とし
て、長期にわたって安定して窒素酸化物を浄化できる排
ガス浄化用触媒を提供する。 【解決手段】酸素過剰雰囲気下においてメタンの存在下
に窒素酸化物を分解する排ガス浄化用触媒であって、硫
酸根ジルコニアに亜鉛、パラジウムおよび白金の少なく
とも三成分を担持した触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中に含ま
れ、環境に悪影響を及ぼす窒素酸化物(NOx)を酸素過剰
の雰囲気下でメタンを用いて分解する触媒および該触媒
を用いた窒素酸化物の浄化方法に関する。
【0002】本発明において、「酸素過剰の雰囲気」お
よび「酸素を過剰に含む排ガス」とは、本発明による触媒
に接触させる被処理ガスが、そこに含まれる炭化水素、
一酸化炭素などの還元性成分を完全酸化するに必要な量
以上の酸素、窒素酸化物などの酸化性成分を含むガスで
あることを意味する。
【0003】
【従来の技術】炭化水素を還元剤として酸素過剰の雰囲
気下に窒素酸化物を還元する触媒は、特開昭63-100919
号公報、特開平1-135541号公報などに開示されている。
しかしながら、これらの公知文献は、炭化水素としてメ
タンの使用を開示してはいない。
【0004】メタンは、種々の燃料を燃焼させる際に発
生する排ガス中に存在する。さらに、メタンは本邦にお
いて家庭や工場などに広く供給されている天然ガス系都
市ガスの主成分であるので、これを用いて窒素酸化物の
還元を行うことが可能となれば、酸化雰囲気下に窒素酸
化物を還元するための極めて有効な手段となる。
【0005】特開平5-192582号公報は、メタンの存在下
に、コバルトあるいはロジウムをイオン交換したゼオラ
イト触媒に燃焼排ガスを接触させて、排ガス中の窒素酸
化物を還元する方法を開示している。しかしながら、こ
の触媒の活性は十分なものではなく、さらに、実際の燃
焼排ガス中に必ず含まれる水蒸気の共存下における触媒
の活性については、一切触れていない。すなわち、水蒸
気は、炭化水素を還元剤として酸化雰囲気下に窒素酸化
物を還元する反応において、触媒活性の低下をもたらす
ことがよく知られているが、当該公報には、共存する水
蒸気による触媒活性の低下とそれに対する対応策は、示
されていない。
【0006】特開平6-254352号公報は、イオン交換によ
りZSM-5型ゼオライトにパラジウムを担持した触媒が、
メタンを還元剤とする窒素酸化物の還元除去に活性を示
すことを示しているが、この公報にも、水蒸気の共存下
での触媒の活性についての開示は存在しない。
【0007】特表平8-500772号公報は、イオン交換によ
り、MFI型ゼオライトにパラジウムを0.3〜2重量%担持
させた触媒が、メタンを還元剤として、水蒸気の存在下
においても、高い窒素酸化物の還元活性を示すことを開
示している。また、里川らは、平成8年度触媒研究発表
会講演予稿集(平成8年9月13日発行)において、モルデ
ナイトにパラジウムをイオン交換した触媒が、水蒸気の
存在下においても高い窒素酸化物の還元活性を示すこと
を開示している。しかしながら、これらの触媒は、水蒸
気の存在下では、活性が急速に低下するという問題点が
ある。例えば、星らは、平成9年度触媒研究発表会講演
予稿集(平成9年8月25日発行)において、モルデナイト
にパラジウムをイオン交換した触媒について、その水蒸
気存在下での耐久性を報告している。この報告によれ
ば、反応開始時に50%程度あった窒素酸化物の除去率
は、急速に低下して、40時間後には30%に、70時間後に
は15%となってしまう。
【0008】また、ゼオライト以外の担体に関しては、
レサスコ(Resasco)らがアプライド キャタリシス
ビー:エンバイロンメンタル(Applied Catalysis B: En
vironmental)第7巻113頁(1995年)において、硫酸根ジ
ルコニアにパラジウムを担持した触媒を用い、メタンを
還元剤として窒素酸化物を還元した結果を報告してい
る。しかしながら、そこに記載されている触媒活性の経
時変化を示すグラフによれば、この触媒の活性は、水蒸
気非共存下であっても100分程度の短時間内に、明らか
に劣化の傾向を示している。
【0009】上記に明らかにした通り、従来の窒素酸化
物分解用触媒は、水蒸気の存在によって活性の著しい劣
化を来すという問題点を有しているので、水蒸気が不可
避的に存在する燃焼排ガスの処理に際しては、長時間に
わたり高い脱硝率を持続することができない。
【0010】さらに燃焼排ガス中には、燃料中の微量の
有機硫黄分などに由来する微量の硫黄酸化物が存在する
が、これらの濃度がわずか0.2 ppm程度という極微量で
あっても、触媒に蓄積的に悪影響を及ぼして、その活性
を次第に低下させることも知られている(例えば、西坂
ら、平成9年度触媒研究発表会講演予稿集、平成9年8月2
5日発行)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、触
媒活性阻害物質である水蒸気および硫黄酸化物の存在下
においても、メタンを還元剤として、長期にわたって安
定して窒素酸化物を浄化できる排ガス浄化用触媒を提供
することを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記のような
従来技術の現状に留意しつつ鋭意研究を重ねた結果、先
に、メタンの存在下に窒素酸化物を還元除去する反応に
おいて、硫酸根ジルコニアに白金およびパラジウムを担
持してなる触媒が高い耐久性を有することを見いだした
(特願平11-152231号)。
【0013】その後の研究において、発明者は、上記触
媒よりも、硫酸根ジルコニアに亜鉛、パラジウムおよび
白金の少なくとも三成分を担持させた触媒が、高い温度
範囲において、より優れた触媒活性を有することを見い
だした。
【0014】本発明は、この様な新たな知見に基づいて
完成されたものであり、下記の排ガス浄化用触媒および
排ガス浄化方法を提供する。
【0015】1.酸素過剰雰囲気下においてメタンの存
在下に窒素酸化物を分解する排ガス浄化用触媒であっ
て、硫酸根ジルコニアに亜鉛、パラジウムおよび白金の
少なくとも三成分を担持した触媒。
【0016】2.酸素過剰雰囲気下においてメタンの存
在下に窒素酸化物を分解する排ガス浄化方法であって、
硫酸根ジルコニアに亜鉛、パラジウムおよび白金の少な
くとも三成分を担持した触媒を用いる方法。
【0017】3.硫酸根ジルコニアに亜鉛、パラジウム
および白金の少なくとも三成分を担持した触媒を用い
て、酸素を過剰に含みかつ硫黄酸化物を含む排ガス中の
窒素酸化物をメタンの存在下に分解する排ガス浄化方
法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の触媒は、硫酸根ジルコニ
ア担体に亜鉛、パラジウムおよび白金の少なくとも三成
分を担持した触媒であって、酸素過剰雰囲気下において
メタンの存在下に窒素酸化物を分解する排ガス浄化用触
媒である。
【0019】硫酸根ジルコニア自体は、公知の物質であ
る(例えば、日野誠および荒田一志、“表面”、28巻7
号481頁(1990年);“表面”、34巻2号51頁(1996
年)など参照)。硫酸根ジルコニアは、例えば、市販の
水酸化ジルコニウムを希硫酸に浸漬するか、あるいは水
酸化ジルコニウムに硫酸アンモニウムの水溶液を含浸し
た後、蒸発乾固し、空気中などの酸化雰囲気下におい
て、450〜650℃程度、より好ましくは500〜600℃程度で
焼成することにより得られる。焼成温度が高すぎる場合
には、硫酸根が大量に揮発消失するおそれがあるのに対
し、低すぎる場合には、焼成による効果が不十分とな
り、担体中に未反応の水酸化ジルコニウムが残存した
り、あるいは焼成物がアモルファス様となって、安定し
た硫酸根ジルコニアが形成されない。焼成操作時には、
硫酸根の一部が揮発するので、上記の処理乃至浸漬時に
水酸化ジルコニウムに対し揮発分に相当する過剰量の硫
酸根を付与しておくことが好ましい。
【0020】硫酸根ジルコニア担体中の硫酸根(SO4 2-)
の含有量は、ジルコニア(ZrO2)に対する重量比で、通常
1〜20%程度であり、より好ましくは3〜10%程度であ
る。硫酸根の量が少な過ぎる場合には、硫酸根付与の効
果が十分発揮されないのに対し、過剰となる場合には、
安定した硫酸根ジルコニア担体が得られない。
【0021】硫酸根ジルコニアの比表面積は、得られる
触媒が安定に使用でき、担持された金属の分散を保持で
きる限り特に制限されないが、BET法による測定値とし
て、通常80〜200m2/g程度、好ましくは120〜160 m2/g程
度である。
【0022】本発明の触媒における亜鉛の担持量は、ジ
ルコニア(ZrO2)に対する重量比で、0.2〜4%程度、好ま
しくは0.5〜2%程度である。
【0023】本発明の触媒におけるパラジウムの担持量
は、硫酸根ジルコニアに対する重量比で、通常0.05〜1%
程度、より好ましくは0.1〜0.5%程度である。パラジウ
ムの担持量が少なすぎる場合には、触媒活性が低くなる
のに対し、多すぎる場合には、凝集により触媒効果がか
えって失われる。
【0024】本発明の触媒における白金の担持量は、パ
ラジウムに対する重量比で、10〜200%程度、より好まし
くは20〜100%程度である。白金の担持量が少なすぎる
場合には、触媒活性が低いのに対し、高すぎる場合に
は、かえって窒素酸化物の除去活性を低下させる。
【0025】硫酸根ジルコニア担体への亜鉛、パラジウ
ムおよび白金(以下、これらを「活性成分」ということが
ある)の担持方法は、活性成分が担体に高分散に担持さ
れる限り特に制限されない。例えば、硫酸根ジルコニア
の調製と活性成分の担持とを同時に行ってもよいし、ま
ず硫酸根ジルコニアを調製した後に活性成分を担持して
もよい。或いは、活性成分の少なくとも一種を硫酸根ジ
ルコニアの調製と同時に担持し、その後不足の活性成分
を担持してもよい。例えば、まず硫酸根ジルコニアを調
製すると同時に亜鉛を担持し、次に得られた亜鉛担持硫
酸根ジルコニアにパラジウムおよび白金を担持する方法
などを例示できる。以下、この方法について、より具体
的に述べる。
【0026】まず、水酸化ジルコニウムを硫酸アンモニ
ウムと硫酸亜鉛とを溶解させた水溶液に1〜20時間程度
浸漬する。浸漬後、蒸発乾固し、空気中などの酸化雰囲
気下において1〜20時間程度焼成することにより亜鉛担
持硫酸根ジルコニアを得る。焼成温度などの条件は、硫
酸根ジルコニアを調製する場合と同様の条件を適用する
ことができる。
【0027】次に、得られた亜鉛担持硫酸根ジルコニア
をパラジウム化合物および白金化合物の溶液に1〜20時
間程度浸漬し、蒸発乾固させて触媒前駆体を得る。パラ
ジウム化合物および白金化合物としては、水などの溶媒
に溶解させた場合に、これらの金属の金属イオンを解離
する化合物であれば特に制限されない。このような化合
物としては、例えば、パラジウムまたは白金の硝酸塩、
硫酸塩などの金属塩;アンミン錯体、ハロゲン錯体など
の錯体;ハロゲン化物などが挙げられる。これらの中で
は、パラジウム又は白金の硝酸塩、アンミン錯体が好ま
しい。活性金属の化合物を溶解させる溶媒は、水;アセ
トン、エタノールなどの水溶性有機溶媒;これらの混合
溶媒などが挙げられ、これらの中では、水が好ましい。
【0028】次いで、得られた触媒前駆体を空気中など
の酸化雰囲気下において焼成する。焼成温度は、通常30
0〜600℃程度であり、より好ましくは450〜550℃程度で
ある。焼成温度が低すぎる場合には、焼成の効果が不十
分となって安定した触媒活性が得られ難いのに対し、高
すぎる場合には、活性成分、特にパラジウムおよび白金
の凝集が促進される。
【0029】本発明の触媒は、常法に従って、ペレット
状に成型して用いてもよく、あるいは耐火性ハニカム担
体上にウォシュコートして用いてもよい。どちらの場合
にも、必要に応じて、バインダーを添加することができ
る。
【0030】本発明による排ガス浄化方法は、上記で得
られた触媒を用いることを特徴とする。
【0031】触媒の使用量は、特に制限されないが、ガ
ス時間当たり空間速度(GHSV)で、2,000〜200,000h-1
の範囲で使用することが好ましく、2,000〜60,000h-1
の範囲で使用することがより好ましい。触媒使用量が少
なすぎる場合(GHSVが大きすぎる場合)には、有効な浄化
率が得られないのに対し、触媒量が多すぎる場合(GHSV
が小さすぎる場合)には、触媒使用量に見合った性能が
得られない。
【0032】本発明の触媒は、高い活性を有するが、排
ガスの温度が低すぎる場合には、有効な浄化性能が発揮
されないことがある。一方、排ガスの温度が高すぎる場
合には、触媒の耐久性が損なわれる危険性がある。従っ
て、本発明の触媒は、好ましくは350〜550℃程度、より
好ましくは400〜525℃の範囲で使用することが望まし
い。
【0033】本発明方法が浄化対象とする排ガスは、酸
素が過剰に含まれていれば、特に制限されず、窒素酸化
物分解時のメタン濃度は、必要な脱硝率やその他の反応
条件などに応じて適宜設定することができる。高い脱硝
率を得るためには、メタン濃度を通常排ガス中窒素酸化
物の1倍程度以上、より好ましくは5倍程度以上となるよ
うにすることが好ましい。排ガス中に含まれるメタンが
窒素酸化物の還元に必要な量よりも少ない場合には、排
ガスにメタンあるいは天然ガス系都市ガスなどのメタン
含有ガスを適当量添加してもよい。メタン濃度の上限に
ついては特に制限はなく、その濃度が高いほど脱硝率は
向上する。しかしながら、排ガスに過剰量のメタンを添
加しても、それに伴う費用増加に見合った窒素酸化物分
解率の改善は達成されないので、経済的に不利となり、
また、処理後のガス中の残存メタン量を増大させるおそ
れがある。さらに、被処理ガスは、還元剤であるメタン
を添加した状態において、酸素過剰状態であることを必
要とするので、添加するメタン量は、被処理ガス組成な
どに応じて定まる上限がある。
【0034】排ガス中の酸素濃度は、酸素を過剰に含む
限り特に制限はないが、例えば体積基準で1%程度以下の
場合に様に、酸素濃度が極めて低い場合には、十分な反
応活性が得られないおそれがある。排ガス中の酸素濃度
が低すぎる場合や、排ガスの温度が高く、触媒の温度が
所定の温度範囲を超えるおそれがある場合には、排ガス
の温度が好適な範囲を下回らない様に留意しつつ、適当
量の空気を混合した後、空気混合排ガスを触媒に接触さ
せてもよい。
【0035】排ガス中の窒素酸化物濃度には、特に制限
はないが、通常10〜5000vol. ppm程度である。排ガス中
には、硫黄酸化物が通常含まれている。本発明は、この
ような硫黄酸化物を含む排ガスであっても適用すること
ができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の触媒によれば、メタンを還元剤
とするNOx除去において、高い脱硝率が長期にわたって
安定して得られる。特に、高温度域において、その効果
が顕著である。
【0037】排ガス中には、通常5%〜15%程度の水蒸
気が含まれているが、本発明の方法によれば、このよう
に水蒸気を含む排ガスに対しても有効な浄化性能が得ら
れる。
【0038】排ガス中には、この他に触媒活性を著しく
低下させることが知られている硫黄酸化物が通常含まれ
る。本発明の触媒は、硫黄成分による活性低下に対して
高い抵抗性を示すので、浄化性能は高く維持される。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0040】実施例1(触媒1の調製) 水酸化ジルコニウム(三津和化学薬品(株)製;ZrO2
して86重量%含有)180 gを、硫酸アンモニウム27 gお
よび硫酸亜鉛(ZnSO4・7H2O)7 gを溶解させた水溶液(2
10 ml)に15時間浸漬した。蒸発乾固した後、550℃で6
時間焼成して、亜鉛担持硫酸根ジルコニアを得た。次い
で、Pdとして10重量%を含有する硝酸パラジウム溶液1 g
と、Ptとして5.8重量%を含有するテトラアンミン白金硝
酸塩水溶液0.35 gを混合攪拌して純水で20 mlに希釈し
た溶液を調製した。この溶液に亜鉛担持硫酸根ジルコニ
ア20 gを15時間浸漬した。浸漬後、蒸発乾固し、空気
中、500℃で9時間焼成して、触媒1を得た。
【0041】実施例2(触媒2の調製) 水酸化ジルコニウム(三津和化学薬品(株)製;ZrO2
して86重量%含有)180 gを、硫酸アンモニウム27 gお
よび硫酸亜鉛(ZnSO4・7H2O)7 gを溶解させた水溶液(2
10 ml)に15時間浸漬した。蒸発乾固した後、575℃で6
時間焼成して、亜鉛担持硫酸根ジルコニアを得た。次い
で、Pdとして10重量%を含有する硝酸パラジウム溶液0.5
gとPtとして5.8重量%を含有するテトラアンミン白金硝
酸塩水溶液0.35 gを混合攪拌して純水で20 mlに希釈し
た溶液を調製した。この溶液に亜鉛担持硫酸根ジルコニ
ア20 gを15時間浸漬した。浸漬後、蒸発乾固し、空気
中、500℃で9時間焼成して、触媒2を得た。
【0042】参照例1(参照触媒1の調製) 硫酸亜鉛を加えない以外は実施例1と同様にして硫酸根
ジルコニアを調製した。Pdとして10重量%を含有する硝
酸パラジウム溶液1.25 gとPtとして5.8重量%を含有する
テトラアンミン白金硝酸塩水溶液0.42 gを混合攪拌して
純水で25 mlに希釈した溶液を調製した。この溶液に硫
酸根ジルコニア(25 g)を15時間浸漬した。浸漬後、蒸発
乾固し、空気中、500℃で9時間焼成して参照触媒1を
得た。
【0043】参照例2(参照触媒2の調製) 硫酸亜鉛を加えない以外は実施例2と同様にして硫酸根
ジルコニアを調製した。Pdとして10重量%を含有する硝
酸パラジウム溶液0.5 gとPtとして5.8重量%を含有する
テトラアンミン白金硝酸塩水溶液0.35 gを混合攪拌して
純水で20 mlに希釈した溶液を調製した。この溶液に硫
酸根ジルコニア(20 g)を15時間浸漬した。浸漬後、蒸発
乾固し、空気中、500℃で9時間焼成して参照触媒2を
得た。
【0044】比較例1(比較触媒1:Pd/モルデナイト
触媒の調製) H型モルデナイト(東ソー(株)製,シリカ・アルミナ
比16)60 gを、テトラアンミンパラジウム硝酸塩0.83 g
と酢酸アンモニウム6 gとを溶解させた水溶液(700 ml)
を用いて60℃で18時間イオン交換を行った。ろ過、洗浄
の後、110℃で5時間乾燥し、さらに500℃で9時間空気
中で焼成し、比較触媒1を得た。誘導結合プラズマ−発
光分光分析による組成分析の結果、比較触媒1における
Pdの担持量は0.42%であった。
【0045】実施例3(触媒活性試験1) 触媒1〜2および参照触媒1〜2をそれぞれ打錠成形し
て粉砕し、粒径1〜2mmに整粒した。それぞれの触媒を
4mlずつ用いて触媒層を作成した。一酸化窒素150 pp
m、メタン2000 ppm、酸素10%、水蒸気9%および残部ヘリ
ウムからなる模擬排ガスをガス時間当たり空間速度(GH
SV)15,000h-1の条件にて、各触媒層に流通させて、触
媒層温度:450〜550℃におけるNOx転化率を測定した。
なお、燃焼排ガスでは、上記模擬排ガスに含まれる各組
成の他に、通常5〜15%の二酸化炭素が含まれるが、これ
が反応活性に本質的な影響を及ぼさないことは別途確認
した。触媒層入口および出口のNOx濃度は化学発光式NOx
分析計により測定した。NOxの転化率(%)は以下の式に
よって計算される。
【0046】 NOx転化率(%)= 100 × (1− NOx-out / NOx-in) ここで、NOx-inは触媒層入口のNOx濃度、 NOx-outは触
媒層出口のNOx濃度をそれぞれ示す。
【0047】得られた結果を表1に示す。表1から明ら
かなように、触媒1〜2は、亜鉛を含有しない参照触媒
1〜2に比して高いNOx転化率を示し、その差は、触媒
層の温度が高温となるほど顕著になった。
【0048】
【表1】
【0049】実施例4(触媒活性試験2) 触媒2と比較触媒1をそれぞれ4mlずつ用いて、触媒層
を作成した。それぞれの触媒層を450℃に保ち、一酸化
窒素150 ppm、メタン2000 ppm、酸素10%、水蒸気9%、二
酸化硫黄3 ppmおよび残部ヘリウムからなる模擬排ガス
をガス時間当たり空間速度(GHSV)15,000h-1の条件に
て各触媒層に流通して、NOx転化率の経時変化を測定し
た。
【0050】図1に触媒2を用いた場合のNOx転化率の
経時変化を、図2に比較触媒1を用いた場合のNOx転化
率の経時変化をそれぞれ示す。図1から明らかなよう
に、触媒2は、極めて安定な触媒活性を示し、脱硝率は
65%前後であった。これに対して、図2から明らかなよ
うに、比較触媒1(Pd/モルデナイト触媒)のNOx転化率
は、時間と共に急激に低下し、触媒活性は50時間足らず
で失われた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2において調製した触媒2のNO
x転化率の経時変化を示す図である。
【図2】図2は、比較例1において調製した比較触媒1
(Pd/モルデナイト触媒)のNOx転化率の経時変化を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 301 B01D 53/36 102B 102H Fターム(参考) 3G091 AA12 AB05 BA04 BA11 BA14 BA39 CA18 FB10 GA01 GA07 GB01W GB06W GB07W GB14W 4D048 AA06 AB02 AB03 AB07 BA08X BA11X BA16X BA30X BA31X BA41X BA46X BB01 BB02 BC01 DA03 DA13 4G069 AA03 BA05A BA05B BA45A BB02A BB02B BB04A BB04B BB10A BB10B BC35A BC35B BC51A BC51B BC72A BC72B BC75A BC75B CA02 CA03 CA08 CA10 CA13 EA02Y EA18 EB18Y EC02Y EC03Y ED07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素過剰雰囲気下においてメタンの存在下
    に窒素酸化物を分解する排ガス浄化用触媒であって、硫
    酸根ジルコニアに亜鉛、パラジウムおよび白金の少なく
    とも三成分を担持した触媒。
  2. 【請求項2】酸素過剰雰囲気下においてメタンの存在下
    に窒素酸化物を分解する排ガス浄化方法であって、硫酸
    根ジルコニアに亜鉛、パラジウムおよび白金の少なくと
    も三成分を担持した触媒を用いる方法。
  3. 【請求項3】硫酸根ジルコニアに亜鉛、パラジウムおよ
    び白金の少なくとも三成分を担持した触媒を用いて、酸
    素を過剰に含みかつ硫黄酸化物を含む排ガス中の窒素酸
    化物をメタンの存在下に分解する排ガス浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7718153B2 (en) * 2008-05-16 2010-05-18 Siemens Energy, Inc. Catalytic process for control of NOx emissions using hydrogen
US7744840B2 (en) * 2008-05-16 2010-06-29 Siemens Energy, Inc. Selective catalytic reduction system and process using a pre-sulfated zirconia binder
US7976805B2 (en) 2008-05-16 2011-07-12 Siemens Energy, Inc. Selective catalytic reduction system and process for treating NOx emissions using a palladium and rhodium or ruthenium catalyst
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