JP2001161858A - マルチピースソリッドゴルフボール - Google Patents
マルチピースソリッドゴルフボールInfo
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- JP2001161858A JP2001161858A JP34755199A JP34755199A JP2001161858A JP 2001161858 A JP2001161858 A JP 2001161858A JP 34755199 A JP34755199 A JP 34755199A JP 34755199 A JP34755199 A JP 34755199A JP 2001161858 A JP2001161858 A JP 2001161858A
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Abstract
現することにより、飛行性能に優れたマルチピースソリ
ッドゴルフボールを提供する。 【解決手段】 本発明は、2以上の層から成るコアと、
該コア上に形成された1層以上のカバーから成り、該コ
アが中心から表面に向って順に硬度が大きくなるような
硬度分布を有し、該コア中の最内層が基材ゴム、共架橋
剤、有機過酸化物および有機硫黄化合物を含有するゴム
組成物の加硫成形体から成り、該コア中の最外層が基材
ゴム、共架橋剤、有機過酸化物および必要に応じて有機
硫黄化合物を含有するゴム組成物の加硫成形体から成
り、該コア中の最内層および最外層の有機硫黄化合物の
配合量が、基材ゴム100重量部に対して、それぞれHiお
よびHo重量部である場合に、以下の式:0≦Ho/Hi<
1を満足することを特徴とするマルチピースソリッドゴ
ルフボールに関する。
Description
ッドゴルフボール、特に、高反発性および高打出角を実
現することにより、飛行性能に優れたマルチピースソリ
ッドゴルフボールに関する。
距離、コントロール性、打球感、打球音等、様々なもの
が挙げられる。その中でも、飛距離が長いというのは一
般のゴルファーにとって大きな魅力であり、その実現に
は反発係数を高くする、スピン量を抑制する、或いは打
出角を高くするという手法が挙げられる。特に、弾道の
高いゴルフボールはゴルファーにとって視覚的にも満足
度が高いため、ゴルフボールメーカーでは打出角の高い
ゴルフボールの開発が進められている。この打出角を高
くするためには、ゴルフボール全体を軟らかくしたり、
硬度分布を外剛内柔にする手法が一般に知られている。
発係数が低くなり、飛距離が短くなるという問題があっ
た。通常、ゴルフボールのコアはゴム組成物の加硫成形
体から成るため、高いヘッドスピードでの打撃時ほどボ
ールの変形量が大きくなって、高ヘッドスピードでの打
撃時には低ヘッドスピードでの打撃時に比較してエネル
ギーロスが大きくなり、反発係数が低くなってしまう。
そこで、この変形量を小さくするために、ボールを硬く
する方法もあるが、打球感が硬くて悪くなるという問題
がある。良好な打球感を維持したまま、即ち、コアを軟
らかいまま、反発係数を低下せずに成形することができ
れば、高ヘッドスピードでも反発係数が高いゴルフボー
ルを提供することができる。
コアに種々の有機硫黄化合物を配合する方法が提案され
ている(特開昭59‐228867号公報、特開平9‐122273号
公報、特開平10‐80503号公報、特許第2669051号、特許
第2778229号等)。
オ‐ビス‐ジモルホリンおよび/またはその誘導体を含
有するゴム組成物から形成されるソリッドゴルフボール
が記載されている。特開平9‐122273号公報には、コ
ア、内側カバーおよび外側カバーから成り、コアが基材
ゴム100重量部に対して0.05〜5.0重量部の有機スルフィ
ド化合物を含有するゴム組成物を用いるソリッドゴルフ
ボールが記載されており、特開平10‐80503号公報に
は、ビス(2,5‐ジクロロフェニル)ジスルフィドを含有
するゴム組成物から成るコアと、カバーから成るソリッ
ドゴルフボールが記載されている。
ール類、チオカルボン酸類およびそれらの金属塩から選
ばれる有機硫黄化合物を含有するゴム組成物から成る、
ワンピースゴルフボールまたはカバー材で直接もしくは
中間層を介して被覆した多層構造ゴルフボールが記載さ
れており、特許第2778229号には、芯球がチオフェノー
ル類、チオカルボン酸類、スルフィド類、チオフェノー
ル類の亜鉛塩、チオカルボン酸類の亜鉛塩から選ばれる
いずれか1種または2種以上の有機硫黄化合物を含有す
るゴム組成物から成る、芯球を直接もしくは中間層を介
してカバー材で被覆した多層ソリッドゴルフボールが記
載されている。
機硫黄化合物を用いることにより、反発性能が向上する
が、これまでの有機硫黄化合物の使用方法は、コア全体
に均一分布させるものであり、コア中の不必要な部分に
も有機硫黄化合物が含まれていたり、必要な部分に有機
硫黄化合物が不足しているのが現状であった。
な従来のソリッドゴルフボールの有する問題点を解決
し、高反発性および高打出角を実現することにより、飛
行性能に優れたマルチピースソリッドゴルフボールを提
供することを目的とする。
的を解決すべくツーピースゴルフボールのコアを多層化
し、各層の硬度を種々変化させ鋭意検討を重ねた結果、
2以上の層から成るコアおよびこのコア上に形成された
1層以上のカバーから成るマルチピースソリッドゴルフ
ボールにおいて、コアの中心から表面までの硬度分布、
およびコア中の各層の有機硫黄化合物の添加量を特定範
囲内に規定することにより、高反発性および高打出角を
実現し、飛行性能に優れたマルチピースソリッドゴルフ
ボールが得られることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
から成る2以上の層から成るコアと、該コア上に形成さ
れた1層以上のカバーから成るマルチピースソリッドゴ
ルフボールにおいて、該コアが中心から表面に向って順
に硬度が大きくなるような硬度分布を有し、該コア中の
最内層が基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物および有機
硫黄化合物を含有するゴム組成物の加硫成形体から成
り、該コア中の最外層が基材ゴム、共架橋剤、有機過酸
化物および必要に応じて有機硫黄化合物を含有するゴム
組成物の加硫成形体から成り、該コア中の最内層および
最外層の有機硫黄化合物の配合量が、基材ゴム100重量
部に対して、それぞれHiおよびHo重量部である場合
に、以下の式: 0≦Ho/Hi<1 を満足することを特徴とするマルチピースソリッドゴル
フボールに関する。
は、平坦な硬度分布を有するコアに比較して、打出角が
高く、打球感も良好である。また、コア用ゴム組成物へ
の有機硫黄化合物の添加により、コアの硬度は僅かに低
下するが、反発性を向上する効果が得られる。本発明
は、外剛内柔の硬度分布を有するコアを用いることによ
り高打出角化を図り、コア用ゴム組成物への有機硫黄化
合物の添加により高反発化を図ることによって、優れた
飛行性能を有するゴルフボールを提供しようとするもの
である。しかしながら、従来のゴルフボールでは有機硫
黄化合物の使用方法は、コア全体に均一分布させるもの
であり、硬度分布を有するコアには適切なものではなか
った。即ち、外剛内柔の硬度分布を有するコアにおいて
は、軟らかい部分ほど有機硫黄化合物の添加量を多くし
て反発性の低下を抑制することが必要であり、逆に硬い
部分においては有機硫黄化合物の添加量を少なくして硬
度の低下による反発性の低下を抑制することが必要であ
る。従って、本発明は、外剛内柔の硬度分布を有するコ
アを用いて、硬度が低く変形量の大きな中心部付近の有
機硫黄化合物の添加量を多くして、硬度が高く変形量の
小さい外側付近の有機硫黄化合物の添加量を少なくする
ことで、高打出角化および高反発化を図ることができる
ものである。
比例の関係にあるため、より外剛内柔の傾向が強くな
り、有機硫黄化合物無添加のものに比較して、打出角が
高くなり、打球感も良好となる。更に、本発明のゴルフ
ボールでは、高価な有機硫黄化合物をコア全体に多く配
合するのではなく、外側の層ほど配合量を減少させるこ
とにより、安価で高性能を有するゴルフボールを提供す
ることが可能であるというメリットも有する。
記コアのJIS-C硬度による表面硬度(M)と中心硬度(N)
の比(M/N)が、1.05以上であることが好ましく、上記
コア中の最外層の有機硫黄化合物の配合量(Ho)と最内
層の有機硫黄化合物の配合量(Hi)との比(Ho/Hi)が0
〜0.75であることが好ましい。
詳しく説明する。本発明のゴルフボールは、2以上の層
から成るコアと、該コア上に形成された1層以上のカバ
ーから成る。上記2以上の層から成るコアは、いずれも
基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物、および必要に応じ
て有機硫黄化合物を含有するゴム組成物を加熱加圧成形
することによって製造される。これは、コアの各層いず
れもが同様の加硫ゴム組成物から成る場合には、各層間
の接着強度が高くなり、各層間で剥離するという問題が
起こりにくく、高反発性および高耐久性をバランスよく
維持することができるためである。
ルのコアに用いられている天然ゴムおよび/または合成
ゴムが使用され、特にシス-1,4-結合少なくとも40%以
上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上を有
するいわゆるハイシスポリブタジエンゴムが好ましく、
所望により上記ポリブタジエンゴムには、天然ゴム、ポ
リイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチ
レン‐プロピレン‐ジエンゴム(EPDM)等を基材ゴム
100重量部に対して0〜50重量部配合してもよい。
クリル酸等のような炭素数3〜8個のα,β‐不飽和カ
ルボン酸、またはその亜鉛、マグネシウム塩等の一価ま
たは二価の金属塩、トリエタノールプロパントリメタク
リレート等の官能性モノマー、またはそれらの混合物等
が挙げられるが、高い反発性を付与するアクリル酸亜鉛
が好適である。配合量は基材ゴム100重量部に対して、1
0〜50重量部、好ましくは15〜40重量部である。50重量
部より多いと硬くなり過ぎて打球感が悪くなり、10重量
部未満では、適当な硬さにするために有機過酸化物の量
を増加しなければならず反発が悪くなり飛距離が低下す
る。
ーオキサイド、1,1‐ビス(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,
5‐トリメチルシクロヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐
ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ‐t‐ブチルパー
オキサイド等が挙げられるが、高い反発性を付与するジ
クミルパーオキサイドが好適である。配合量は基材ゴム
100重量部に対して0.1〜5.0重量部、好ましくは0.2〜3.
0重量部である。0.1重量部未満では軟らかくなり過ぎて
反発が悪くなり飛距離が低下する。5.0重量部を越える
と適切な硬さにするために共架橋剤の量を減少しなけれ
ばならず反発が悪くなり飛距離が低下する。
内層と最外層で配合量が異なり、本発明では最内層の配
合量が最外層より多い。最外層には有機硫黄化合物が含
まれない場合も存在する。有機硫黄化合物の例として
は、ペンタクロロチオフェノール、ペンタフルオロチオ
フェノール、4‐クロロチオフェノール、4‐ブロモチオ
フェノール、4‐フルオロチオフェノール、4‐t‐ブチ
ル‐o‐チオフェノール、4‐t‐ブチルチオフェノー
ル、2,3‐ジクロロチオフェノール、2,4‐ジクロロチオ
フェノール、2,5‐ジクロロチオフェノール、2,6‐ジク
ロロチオフェノール、3,4‐ジクロロチオフェノール、
3,5‐ジクロロチオフェノール、2,4,5‐トリクロロチオ
フェノール、チオサリチル酸、メチルチオサリチル酸、
o‐トルエンチオール、m‐トルエンチオール、p‐ト
ルエンチオール、3‐アミノチオフェノール、4‐アミノ
チオフェノール、3‐メトキシチオフェノール、4‐メト
キシチオフェノール、4‐メルカプトフェニルスルフィ
ド、2‐ベンズアミドチオフェノール等のチオフェノー
ル類;チオ酢酸、チオ安息香酸等のチオカルボン酸類;
ジフェニルジスルフィド、ビス(2‐アミノフェニル)ジ
スルフィド、ビス(4‐アミノフェニル)ジスルフィド、
ビス(4‐ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、ビス(4‐
メチルフェニル)ジスルフィド、ビス(4‐t‐ブチルフ
ェニル)ジスルフィド、ビス(2‐ベンズアミドフェニル)
ジスルフィド、ジキシリルジスルフィド、ジ(o‐ベン
ズアミドフェニル)ジスルフィド、ジモルホリノジスル
フィド、ビス(4‐クロロフェニル)ジスルフィド、ビス
(2,5‐ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5‐ジ
クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5‐トリクロ
ロフェニル)ジスルフィド、ビス(2‐シアノフェニル)ジ
スルフィド、ビス(2‐ニトロフェニル)ジスルフィド、
ビス(4‐ニトロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4‐ジ
ニトロフェニル)ジスルフィド、2,2‐ジチオジ安息香
酸、5,5‐ジチオビス(2‐ニトロ安息香酸)、ビス(ペン
タフルオロフェニル)ジスルフィド、ジベンジルジスル
フィド、ジ‐t‐ドデシルジスルフィド、ジアリルジス
ルフィド、ジフルリルジスルフィド、2,2'‐ジベンゾチ
アゾリルジスルフィド、ビス(2‐ナフチル)ジスルフィ
ド、ビス(4‐メルカプトフェニル)スルフィド、4‐(2‐
ベンゾチアゾリルジチオ)モルホリン、2,2‐ジピリジニ
ルジスルフィド、2,2‐ジチオビス(5‐ニトロピリジ
ン)、2,2‐ジチオジアニリン、4,4‐ジチオジアニリ
ン、ジチオジグリコール酸、4,4'‐ジチオモルホリン、
L‐シスチン等のジスルフィド類;テトラメチルチウラ
ムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、
テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウ
ラムモノスルフィド、N,N'‐ジメチル‐N,N'‐ジフ
ェニルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラ
ムテトラスルフィド等のチウラム類;2‐メルカプトベ
ンゾチアゾール、2‐メルカプトベンゾチアゾールナト
リウム塩、2‐メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2‐
メルカプトベンゾチアゾールジシクロヘキシルアミン
塩、2‐(N,N‐ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾ
チアゾール、2‐(4'‐モルホリノジチオ)ベンゾチアゾ
ール、2,5‐ジメルカプト‐1,3,4‐チアジアゾール、ビ
スムチオールI、ビスムチオールII、2‐アミノ‐5‐メ
ルカプト‐1,3,4‐チアジアゾール、トリチオシアヌル
酸等のチアゾール類;スルフェンアミド類;チオ尿素
類;ジチオカルバメート類等;が挙げられるが、高反発
性および材料コストの面から、チオフェノール類やジス
ルフィド類が好ましい。
100重量部に対して、0.1〜2.0重量部、好ましくは0.2〜
1.5重量部、より好ましくは0.3〜1.2重量部である。0.1
重量部未満では配合量が少な過ぎて、有機硫黄化合物の
効果が発揮できず、2.0重量部を越えても有機硫黄化合
物の効果が低下し、また加硫速度が小さくなり過ぎて加
硫時間が長くなる。また、本発明のゴルフボールに用い
るコア中の最内層の有機硫黄化合物の配合量を、基材ゴ
ム100重量部に対して、Hi重量部で表し、最外層の有機
硫黄化合物の配合量をHo重量部で表した場合に、以下
の式: 0≦Ho/Hi<1 を満足することが必要であるが、(Ho/Hi)の値は0
〜0.75、好ましくは0〜0.65、より好ましくは0〜0.5
であることが望ましい。HiがHo以下であると、コアの
最内層が硬くなり打出角が小さくなって飛距離が低下
し、打球感が悪くなり、また有機硫黄化合物の配合を変
形量の大きな中心部分に集中させて高反発化を達成する
本発明の効果が達成できない。Hoを大きくすると、こ
のような効果が得られないばかりか、有機硫黄化合物を
多量に配合する必要のない最外層に多量に配合されるこ
とになりコストの上昇を招くだけである。
2.0であり、かつ、Hoが0〜1.0、好ましくは0〜0.7、
より好ましくは0〜0.5であることが望ましい。上記Hi
が0.3未満では有機硫黄化合物による反発性能を向上す
る効果が十分に発揮できず、2.0重量部を超えてもそれ
以上には反発性は向上せず材料コストが高くなり、また
硬度低下が大きくなって反発性を向上する効果が低下す
る。上記Hoが1.0を超えると、硬度低下が大きくなって
コア表面部の硬度が低下し、反発性が低下する。
組成物の加硫成形体から成る2以上の層から成るコア
と、該コア上に形成された1層以上のカバーから成る本
発明のマルチピースソリッドゴルフボールとしては、具
体的には以下のような態様が挙げられる。
硫黄化合物を含有し、かつ最内層の有機硫黄化合物の配
合量が最外層の有機硫黄化合物の配合量より多いマルチ
ピースソリッドゴルフボール。
含有し、かつ最外層が有機硫黄化合物を含有しないマル
チピースソリッドゴルフボール。
填材、例えば無機充填材(具体例として、酸化亜鉛、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム等)、高比重金属粉末(具
体例として、タングステン粉末、モリブデン粉末等)お
よびそれらの混合物、老化防止剤またはしゃく解剤、そ
の他ソリッドゴルフボールのコアの製造に通常使用し得
る成分を適宜配合してもよい。使用する場合、充填材の
配合量は、それぞれ基材ゴム100重量部に対して1〜50
重量部、好ましくは2〜40重量部である。1重量部未満
では重量調整が難しく、50重量部を越えるとゴムの重量
分率が小さくなり反発が低くなり過ぎる。また、老化防
止剤は0.1〜1.0重量部、しゃく解剤は0.1〜5.0重量部で
あることが好ましい。
コアでは、各層が同様の成分から構成されるが、上記共
架橋剤の配合量、有機過酸化物の配合量、有機硫黄化合
物の配合量および加硫条件等を適宜調整することによっ
て、前述のような所望の硬度を達成することができる。
また、本発明のゴルフボールに用いられるコアは、2層
以上であれば何層あってもよいが、層が多過ぎると製造
が困難となるため、2〜5層が好ましい。
製造方法を、図1〜図3を用いて説明する。尚、説明を
わかり易くするため、図1に示すような、内層コア
(1)、中間層コア(2)および外層コア(3)から成る3層構
造を有するコア(5)について説明する。図1は、本発明
のゴルフボールの1つの態様の概略断面図である。図2
は、本発明のゴルフボールに用いられる半加硫半球殻状
成形物用金型の1つの態様の概略断面図である。図3
は、本発明のゴルフボールに用いられるコア成形用金型
の1つの態様の概略断面図である。まず、内層コア用ゴ
ム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型
内で130〜160℃で10〜60分間加熱プレスして内層コア用
球状加硫成形物(1層コア)を作製する。次いで、中間
層コア用ゴム組成物を混練し、中子部分の外径が上記内
層コア用球状加硫成形物の直径に等しい図2に示すよう
な金型(6、7)内で、90〜165℃で20秒間〜5分間加熱プレ
スすることによって、中間層コア用の半加硫半球殻状成
形物(8)を作製する。上記内層コア用加硫成形物(10)
を、上記のように作製した中間層コア用の半加硫半球殻
状成形物(8)2個で挟んで、図3に示すような金型(9)内
で、140〜160℃で10〜60分間加熱プレスすることによっ
て、2層コアを作製する。
子部分の外径が上記2層コアの直径と等しくなるような
寸法の図2に示すような金型(6、7)を用いる以外は、中
間層コア用の半加硫半球殻状成形物と同様にして、外層
コア用の半加硫半球殻状成形物(8)を作製する。上記2
層コア(10)を、上記のように作製した外層コア用半加硫
半球殻状成形物(8)2個で挟んで、図3に示すような金
型(9)内で、140〜160℃で10〜60分間加熱プレスするこ
とによって、3層構造を有するコアを作製する。4層構
造以上を有するコアの場合にも、中子部分の外径が上記
3層コアの直径と等しくなるような寸法の図2に示すよ
うな金型(6、7)を用いる以外は、同様の工程を繰り返し
行うことにより作製することができる。
用いる加熱プレス方式のみに限定されず、ゴム射出成形
等、当業者に公知の方法を所望により選択して行うこと
ができる。また、上記の1層コア、2層コア、3層コア
等を加硫後に、それぞれの表面バフ研磨を行って、隣接
する層との密着性を向上することもできる。
は、中心から表面に向って順に硬度が大きくなるよう
な、いわゆる外剛内柔の硬度分布を有する。これは、前
述のように、打出角を高くして飛行性能を優れたものと
し、また打球感も良好とするためである。更に、本発明
のゴルフボールに用いられるコアのJIS-C硬度による表
面硬度(M)と中心硬度(N)の比(M/N)が、1.05以上、
好ましくは1.10以上、より好ましくは1.15以上、更に好
ましくは1.20以上であることが望ましい。尚、比(M/
N)が大き過ぎると製造困難となり、またN値が非常に
低くなって反発性が低下し、M値が非常に高くなって打
球感が悪くなるため、比(M/N)の上限は1.5以下、好
ましくは1.35以下とすることが望ましい。
度30〜75、好ましくは40〜70を有することが望ましい。
上記中心硬度が30未満では、コアが軟らかくなり過ぎて
反発性能が低下し、75を超えるとコアが硬くなり過ぎて
打球感が悪くなり、また表面硬度との差が小さくなり、
外剛内柔の硬度分布による効果が小さくなる。更に本発
明のコアは、JIS-C硬度による表面硬度70〜90、好まし
くは75〜88を有することが望ましい。上記表面硬度が70
未満では、コアが軟らかくなり過ぎて反発性能が低下
し、90を超えるとコアが硬くなり過ぎて打球感が悪くな
る。上記コアの中心および表面以外の部分の硬度につい
ては、中心から表面に向って順に大きくなっておればよ
く、所望により様々な硬度に設定することができる。更
に、上記コアのJIS-C硬度による中心および表面の硬度
差は15以上が好ましい。上記硬度差が15未満であると、
打出角が小さくなり飛距離が低下し、また打球感も悪く
なる。
状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量
2.5〜5.0mm、好ましくは2.7〜4.5mmを有する。上記圧縮
変形量が2.5mmより小さいと、コアが硬くなり過ぎて打
球感が悪くなる。5.0mmより大きいと、コアが軟らかく
なり過ぎて反発性能が低下して飛距離の低下を招いてし
まう。
は、直径30〜41mm、好ましくは32〜40mmを有することが
望ましい。上記直径が30mmより小さいとカバーが厚くな
って打球時の変形がコアに及びにくくなって反発性が低
下し、41mmより大きいとカバーが薄くなり過ぎてカバー
の耐久性が低下する。
を被覆する。本発明のカバーは、単層構造である場合、
熱可塑性樹脂、特に通常ゴルフボールのカバーに用いら
れるアイオノマー樹脂を基材樹脂として含有する。上記
アイオノマー樹脂としては、α-オレフィンと炭素数3
〜8個のα,β-不飽和カルボン酸の共重合体中のカルボ
ン酸の一部を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂、
またはその混合物が用いられる。上記アイオノマー樹脂
中のα-オレフィンとしては、エチレン、プロピレンが
好ましく、α,β-不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸等が好ましい。更に、中和する金属イ
オンとしては、アルカリ金属イオン、例えばNaイオ
ン、Kイオン、Liイオン等;2価金属イオン、例えば
Znイオン、Caイオン、Mgイオン等;3価金属イオ
ン、例えばAlイオン、Ndイオン等;およびそれらの混
合物が挙げられるが、Naイオン、Znイオン、Liイオ
ン等が反発性、耐久性等からよく用いられる。アイオノ
マー樹脂の具体例としては、それだけに限定されない
が、ハイミラン1555、1557、1605、1706、1707、AM731
5、AM7317(三井デュポンポリケミカル(株)製)、サーリ
ン7930、8511、8512(デュポン社製)、IOTEK 7010、80
00(エクソン(Exxon)社製)等を例示することができる。
これらのアイオノマーは、上記例示のものをそれぞれ単
独または2種以上の混合物として用いてもよい。
場合、好ましい材料の例としては、熱可塑性樹脂および
熱可塑性エラストマーから成る群から選択される1種を
用いてもよく、または2種以上を組合せて用いてもよ
い。熱可塑性樹脂の例としては上記と同様のアイオノマ
ー樹脂やポリエチレン樹脂が挙げられ、熱可塑性エラス
トマーの具体例として、例えば東レ(株)から商品名「ペ
バックス」で市販されている(例えば、「ペバックス25
33」)ポリアミド系熱可塑性エラストマー、東レ・デュ
ポン(株)から商品名「ハイトレル」で市販されている
(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)
ポリエステル系熱可塑性エラストマー、武田バーディシ
ュ(株)から商品名「エラストラン」(例えば、「エラス
トランET880」)、大日本インキ(株)から商品名「パン
デックス」(例えば、「パンデックスT-8180」)で市販
されているポリウレタン系熱可塑性エラストマー、スチ
レン‐ブタジエン共重合体等が挙げられる。高い反発性
を付与するため、カバー用基材樹脂としてアイオノマー
樹脂を含有することが好ましいが、特に基材樹脂100重
量部に対して、アイオノマー樹脂50重量部以上、好まし
くは70重量部以上含有するのが望ましい。
以外に必要に応じて、種々の添加剤、例えば二酸化チタ
ン等の顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤等を添加してもよい。
に限定されるものではなく、通常のカバーを被覆する方
法で行うことができる。カバー用組成物を予め半球殻状
のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコアを包
み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、または上
記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコアを包
み込む方法が用いられる。そして、カバー成形時に、必
要に応じて、ボール表面にディンプルを形成し、また、
カバー成形後、必要に応じてペイント仕上げ、スタンプ
等を施してもよい。本発明では、カバーの合計厚さ1.0
〜4.5mm、好ましくは1.5〜4.0mmを有する。1.0mmより小
さいと反発性や耐久性が低下し、4.5mmより大きいと打
球感が硬くて悪くなる。尚、本発明のマルチピースソリ
ッドゴルフボールは、ゴルフボール規則に基づいて、直
径42.67以上、重量45.93g以下に形成される。
現することにより、飛行性能に優れたマルチピースソリ
ッドゴルフボールを提供する。
する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で157℃
で20分間加熱プレスして表4〜5に示した直径を有する
内層コア用の球状加硫成形物を得た。1層コアとして用
いる場合、157℃で30分間加熱プレスする以外は、上記
内層コア用の球状加硫成形物と同様にして作製した。
製 以下の表1〜2に示した配合の中間層コア用ゴム組成物
を混練し、中子部分の外径が(i)で作製した内層コア用
球状加硫成形物の直径に等しい図2に示すような金型
(6、7)内で、160℃で5分間加熱プレスすることによっ
て、中間層コア用の半加硫半球殻状成形物(8)を得た。
で作製した2つの中間層コア用の半加硫半球殻状成形物
(8)で挟んで、図3に示すような金型(9)内で、157℃で2
0分間加熱プレスすることによって、2層コアを作製し
た。
混練し、中子部分の外径が(iii)で作製した2層コアの
直径と等しくなるような寸法の図2に示すような金型
(6、7)を用いる以外は(ii)と同様にして、外層コア用の
半加硫半球殻状成形物(8)を得た。
2つの外層コア用半加硫半球殻状成形物(8)で挟んで、
図3に示すような金型(9)内で、157℃で20分間加熱プレ
スすることによって、3層構造のコアを作製した。
層〜3層構造を有するコアの表面硬度を測定し、表4〜
5に示した。また2層〜3層構造を有するコアの場合、
得られたコアを2等分に切断して、中心〜中心から15mm
までの硬度、中間層コアおよび外層コアの厚さを測定
し、同表に示した。
エンゴム(1,4‐シス‐ポリブタジエン含量:97.1%) (注2)浅田化学(株)製 (注3)東邦亜鉛(株)製 (注4)日本油脂(株)から商品名「パークミルD」で市
販、175℃半減期1分
よりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調
製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回
転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は押
出機のダイの位置で200〜260℃に加熱された。
ナトリウムイオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体
系アイオノマー樹脂 (注6) 三井デュポンポリケミカル(株)製の亜鉛イオン中
和エチレン-メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂
のカバー用組成物を、上記のように得られた1層〜3層
構造を有するコア上に直接射出成形することにより表4
〜5に示した厚さを有するカバー層を形成し、表面にバ
リ取り、ペイント前処理、ペイント等の通常のゴルフボ
ールと同様の処理を行って、直径42.8mmおよび重量45.4
gを有するゴルフボールを作製した。得られたゴルフボ
ールの初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを
負荷したときまでの圧縮変形量、反発係数、打出角およ
び飛距離を測定し、その結果を表4〜5に示した。試験
方法は以下の通り行った。
K 6301に規定するスプリング式硬度計C型を用いて測定
する。作製したコアを2等分に切断し、その切断面にお
いて、中心点、中心点から5mm、10mm、15mmの位置で、
JIS K 6301に規定するスプリング式硬度計C型を用いて
測定する。
クタイル(発射体)を49m/秒の速度で衝突させ、衝突前
後の上記プロジェクタイルおよびゴルフボールの速度を
測定し、それぞれの速度および重量から算出した。測定
は各ゴルフボールについて5回行って、その平均値を各
ゴルフボールの反発係数とし、比較例1を100とした時
の指数で表した。これらの指数が大きい程、高反発で良
好であることを示す。
有するドライバー(W#1)を取付け、ゴルフボールをヘ
ッドスピード49m/秒で打撃し、打出角(打ち出し直後の
ゴルフボールの発射角度)および飛距離としてキャリー
(落下点までの距離)を測定した。打出角は、ボールの
インパクト位置から1m前方での高さを測定し、打ち出
された角度を計算により求めた。各ゴルフボールについ
て試料数n=12で行い、平均を算出して、各ゴルフボー
ルの結果とした。
の本発明のゴルフボールは、比較例1〜3のゴルフボー
ルに比較して、反発係数、打出角および飛距離が大きい
ことがわかった。また、実施例6のゴルフボールは本発
明の範囲内であるが、コアの表面と中心との硬度差が小
さく打出角が小さくなっているため、飛距離が比較例の
ゴルフボールに比べると長いが、他の実施例よりは短く
なっている。
は、有機硫黄化合物を含有しないため、反発係数および
打出角が小さくて飛距離が短い。比較例2のゴルフボー
ルは、コアが有機硫黄化合物を含有するが、単層構造で
ありコア全体に均一分布しているため、反発係数および
打出角が小さくて飛距離が短い。比較例3のゴルフボー
ルは、コアが2層構造であるが、有機硫黄化合物の配合
量が2層とも同一であるため、反発係数および打出角が
小さくて飛距離が短い。
コア上に形成された1層以上のカバーから成るマルチピ
ースソリッドゴルフボールにおいて、コアの中心から表
面までの硬度分布、およびコア中の各層の有機硫黄化合
物の添加量を特定範囲内に規定することにより、高反発
性および高打出角を実現し、飛行性能に優れたマルチピ
ースソリッドゴルフボールを提供する。
面図である。
形物用金型の1つの態様の概略断面図である。
用金型の1つの態様の概略断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ゴム組成物の加硫成形体から成る2以上
の層から成るコアと、該コア上に形成された1層以上の
カバーから成るマルチピースソリッドゴルフボールにお
いて、 該コアが中心から表面に向って順に硬度が大きくなるよ
うな硬度分布を有し、該コア中の最内層が基材ゴム、共
架橋剤、有機過酸化物および有機硫黄化合物を含有する
ゴム組成物の加硫成形体から成り、該コア中の最外層が
基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物および必要に応じて
有機硫黄化合物を含有するゴム組成物の加硫成形体から
成り、 該コア中の最内層および最外層の有機硫黄化合物の配合
量が、基材ゴム100重量部に対して、それぞれHiおよび
Ho重量部である場合に、以下の式: 0≦Ho/Hi<1 を満足することを特徴とするマルチピースソリッドゴル
フボール。 - 【請求項2】 前記コアのJIS-C硬度による表面硬度
(M)と中心硬度(N)の比(M/N)が、1.05以上である請
求項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。 - 【請求項3】 前記(Ho/Hi)が0〜0.75である請求
項1記載のマルチピースソリッドゴルフボール。 - 【請求項4】 前記Hiが0.3〜2.0であり、かつ、Hoが
0〜1.0である請求項1記載のマルチピースソリッドゴ
ルフボール。
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1999
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