JP2023174166A - ゴルフボール - Google Patents

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Hidetaka Inoue
真理子 橋之口(荒瀬)
Hashinoguchi, (Arase) Mariko
一也 神野
Kazuya Jinno
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Abstract

【課題】ドライバーショットの飛距離に優れ、かつ、ミドルアイアンショットでのスピン量が良好なゴルフボールを提供することを目的とする。【解決手段】ゴルフボールは、球状コアと、カバーとを有し、前記球状コアの半径を8等分した各点のショアC硬度を、中心からC0(中心)、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7およびC8(表面)としたとき、硬度差(C1-C0)、硬度差(C2-C1)、硬度差(C3-C2)および硬度差(C4-C3)が0超6.0以下であり、硬度差(C5-C4)が5.0以上であり、硬度差(C6-C5)、硬度差(C7-C6)および硬度差(C8-C7)が0超3.5以下であり、硬度差(C2-C0)が5.5以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴルフボールに関し、特に球状コアの硬度分布に関する。
ゴルフボールには、ドライバーショットでの飛距離性能に優れることが求められる。ドライバーショットの飛距離向上の手段として、球状コアの硬度分布を適宜選択することが挙げられる。具体的には、球状コアの表面硬度と中心硬度との硬度差を大きくすることで、ドライバーショットでのスピン量を低減でき、飛距離を向上できることが知られている。
例えば、特許文献1には、コア、中間層及びカバーを具備するゴルフボールであって、上記コアは基材ゴムを主材として形成され、その直径が特定範囲に設定され、中間層及びカバーの各層は、樹脂材料により形成され、上記コアの内部硬度について、コア中心及び該コア中心から16mmまでの2mm間隔ごとの位置硬度及びコア表面硬度について、これらの硬度差を所定以内に設計するとともに、ボール表面硬度を中間層被覆球体の表面硬度よりも低く設定することを特徴とするゴルフボールが記載されている(特許文献1)。
また、特許文献2には、コアとカバーとの間に中間層を介在させたマルチピースソリッドゴルフボールにおいて、コア、中間層被覆球体及びボールの表面硬度が所定の関係を満たし、中間層の厚さ及びカバーの厚さが所定の関係を満たし、コア硬度分布において、コア表面硬度(Cs)、コア中心C硬度(Cc)、コア中心から5mmの位置の硬度(C5)、及びコアの表面と中心の中間位置の硬度(Cm)が所定の関係を満たすゴルフボールが記載されている(特許文献2)。
特開2021-062036号公報 特開2016-112308号公報
ところで、プロゴルファーや上級者からは、ドライバーショットの飛距離を向上するだけでなく、ミドルアイアンショットでのスピン量を増やしたいという要望もある。しかしながら、球状コアの表面硬度と中心硬度との硬度差を制御することでドライバーショットでのスピン量を低減した場合、ミドルアイアンショットでのスピン量も低下する傾向がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ドライバーショットの飛距離に優れ、かつ、ミドルアイアンショットでのスピン量が良好なゴルフボールを提供することを目的とする。
上記課題を解決することができた本発明のゴルフボールは、球状コアと、前記球状コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記球状コアの中心から表面に向かう直線を8等分したとき、前記球状コアの中心硬度(C0)、中心から12.5%地点の硬度(C1)、中心から25.0%地点の硬度(C2)、中心から37.5%地点の硬度(C3)、中心から50.0%地点の硬度(C4)、中心から62.5%地点の硬度(C5)、中心から75.0%地点の硬度(C6)、中心から87.5%地点の硬度(C7)および表面硬度(C8)が、ショアC硬度で、式(1)~(9)を満足することを特徴とする。
0<(C1-C0)≦6.0 ・・・(1)
0<(C2-C1)≦6.0 ・・・(2)
0<(C3-C2)≦6.0 ・・・(3)
0<(C4-C3)≦6.0 ・・・(4)
5.0≦(C5-C4) ・・・(5)
0<(C6-C5)≦3.5 ・・・(6)
0<(C7-C6)≦3.5 ・・・(7)
0<(C8-C7)≦3.5 ・・・(8)
5.5≦(C2-C0) ・・・(9)
ドライバーショットでは、球状コア全体が大きく変形する。そのため、式(1)~(4)、(6)~(8)の下限値を0超、式(5)の下限値を5.0とすることで、球状コア全体の硬度分布が外剛内柔構造となり、ドライバーショット時のリコイル作用が得られ、スピン量を低減できる。また、式(9)の下限値を5.5とすることで、球状コアの中心付近の変形量が大きくなり、ドライバーショット時のリコイル作用が一層大きくなって、スピン量を一層低減できる。さらに、式(1)~(4)の上限値を6.0、式(6)~(8)の上限値を3.5とすることで、ドライバーショット時の球状コア全体の変形バランスがよくなり、反発性能が向上する。よって、ドライバーショットの飛距離性能が向上する。
ミドルアイアンショットでは、ドライバーショットに比べて球状コアの変形量が小さくなり、球状コアの表面付近の硬度が重要となる。そのため、式(6)~(8)の上限値を3.5とすることで、ミドルアイアンショット時の球状コア表面付近での変形量を抑えることができ、スピン量が向上する。さらに、式(5)を満たすことで、ミドルアイアンショット時の球状コアの中心から50%~62.5%地点での変形量が大きくなり、中心付近の変形量が一層小さくなる。これにより、リコイル作用が低減され、ミドルアイアンショットでのスピン量が一層向上する。
本発明によれば、ドライバーショットの飛距離に優れ、かつ、ミドルアイアンショットでのスピン量が良好なゴルフボールが得られる。
本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図。 球状コアの硬度分布を示したグラフ。 球状コアの硬度分布を示したグラフ。 球状コアの硬度分布を示したグラフ。 球状コアの硬度分布を示したグラフ。 球状コアの硬度分布を示したグラフ。 球状コアの硬度分布を示したグラフ。 球状コアの硬度分布を示したグラフ。 球状コアの硬度分布を示したグラフ。 球状コアの硬度分布を示したグラフ。
本発明のゴルフボールは、球状コアと、前記球状コアを被覆するカバーとを有し、前記球状コアの中心から半径方向に表面に向かう直線の長さを8等分したとき、前記球状コアの中心硬度(0%地点の硬度)(C0)、中心から12.5%地点の硬度(C1)、中心から25.0%地点の硬度(C2)、中心から37.5%地点の硬度(C3)、中心から50.0%地点の硬度(C4)、中心から62.5%地点の硬度(C5)、中心から75.0%地点の硬度(C6)、中心から87.5%地点の硬度(C7)および表面硬度(中心から100%地点の硬度)(C8)が、ショアC硬度で、式(1)~(9)を満足することを特徴とする。
0<(C1-C0)≦6.0 ・・・(1)
0<(C2-C1)≦6.0 ・・・(2)
0<(C3-C2)≦6.0 ・・・(3)
0<(C4-C3)≦6.0 ・・・(4)
5.0≦(C5-C4) ・・・(5)
0<(C6-C5)≦3.5 ・・・(6)
0<(C7-C6)≦3.5 ・・・(7)
0<(C8-C7)≦3.5 ・・・(8)
5.5≦(C2-C0) ・・・(9)
前記式(1)~(4)は、球状コアの中心付近の硬度分布を規定する。中心付近において硬度勾配が大きすぎる箇所が存在すると、ドライバーショットにおいてその箇所で変形量が大きくなる。そのため、ゴルフボール全体の変形バランスが崩れ反発性能が落ちてしまい、飛距離が低下する。よって、式(1)~(4)を満たすことで、反発性能が良く、ドライバー飛距離が向上する。また、球状コアの中心付近において硬度勾配を設けることで、ドライバーショットにおいてリコイル量を大きくすることができる。そのため、ドライバーショットでのスピン量を低減することができ、飛距離がより向上する。
前記球状コアの中心硬度(C0)と中心から12.5%地点の硬度(C1)との硬度差(C1-C0)は、ショアC硬度で、0超、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であり、6.0以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下である。
前記球状コアの中心から12.5%地点の硬度(C1)と中心から25.0%地点の硬度(C2)との硬度差(C2-C1)は、ショアC硬度で、0超、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であり、6.0以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下である。
前記球状コアの中心から25.0%地点の硬度(C2)と中心から37.5%地点の硬度(C3)との硬度差(C3-C2)は、ショアC硬度で、0超、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であり、6.0以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下である。
前記球状コアの中心から37.5%地点の硬度(C3)と中心から50.0%地点の硬度(C4)との硬度差(C4-C3)は、ショアC硬度で、0超、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であり、6.0以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下である。
前記式(5)は、球状コアの中心から50.0%地点の硬度(C4)と中心から62.5%地点の硬度(C5)との硬度差(C5-C4)を規定する。前記硬度差(C5-C4)は、ショアC硬度で、5.0以上、好ましくは5.5以上、さらに好ましくは6.0以上であり、12.0以下が好ましく、より好ましくは11.0以下、さらに好ましくは10.0以下である。前記硬度差(C5-C4)が5.0以上であれば、ミドルアイアンショットでのスピン量を向上させつつ、ドライバーショットにおいて高初速化することができる。
前記式(6)~(8)は、球状コアの表面付近の硬度分布を規定する。表面付近において硬度勾配が大きすぎる箇所が存在すると、ドライバーショットにおいてその箇所で変形量が大きくなり、ゴルフボール全体が変形せず反発性能が低下する。また、表面付近において硬度勾配が大きすぎる箇所が存在すると、ミドルアイアンショットにおいて、表面付近での変形が大きくなってエネルギーロスが大きくなり、スピン量が低下する。よって、式(6)~(8)を満たすことで、ドライバーショットの飛距離とミドルアイアンショットのスピン量向上を両立することができる。
前記球状コアの中心から62.5%地点の硬度(C5)と中心から75.0%地点の硬度(C6)との硬度差(C6-C5)は、ショアC硬度で、0超、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であり、3.5以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下である。
前記球状コアの中心から75.0%地点の硬度(C6)と中心から82.5%地点の硬度(C7)との硬度差(C7-C6)は、ショアC硬度で、0超、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であり、3.5以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下である。
前記球状コアの中心から82.5%地点の硬度(C7)と表面硬度(C8)との硬度差(C8-C7)は、ショアC硬度で、0超、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であり、3.5以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下である。
前記式(9)は、球状コアの中心硬度(C0)と中心から25.0%地点の硬度(C2)との硬度差(C2-C0)を規定する。式(9)を満たすことで、球状コアの中心付近の変形量が大きくなり、ドライバーショット時のリコイル作用が一層大きくなって、スピン量を一層低減できる。前記硬度差(C2-C0)は、ショアC硬度で、5.5以上が好ましく、より好ましくは6.0以上、さらに好ましくは6.5以上であり、12.0以下が好ましく、より好ましくは11.0以下、さらに好ましくは10.0以下である。
前記球状コアは、硬度(C0)、(C2)、(C4)および(C5)が、ショアC硬度で、式(10)を満足することが好ましい。式(10)を満たすことで、ミドルアイアンショットでのスピン量がより向上し、ドライバーショットでのスピン量がより低減される。
0.5≦{(C2-C0)/(C5-C4)} ・・・(10)
前記比{(C2-C0)/(C5-C4)}は、ショアC硬度で、0.5以上が好ましく、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.7以上であり、3.5以下が好ましく、より好ましくは3.3以下、さらに好ましくは3.0以下である。
前記球状コアは、硬度(C0)、(C2)および(C4)が、ショアC硬度で、式(11)を満足することが好ましい。式(11)を満たすことで、ミドルアイアンショットでのスピン量がより向上し、ドライバーショットでのスピン量がより低減される。
1.0≦{(C2-C0)/(C4-C2)} ・・・(11)
前記比{(C2-C0)/(C4-C2)}は、ショアC硬度で、1.0以上が好ましく、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.4以上であり、6.5以下が好ましく、より好ましくは6.0以下、さらに好ましくは5.5以下である。
前記球状コアの中心硬度(C0)と中心から50.0%地点の硬度(C4)との硬度差(C4-C0)は、ショアC硬度で、0超が好ましく、より好ましくは3.0以上、さらに好ましくは6.0以上であり、24.0以下が好ましく、より好ましくは22.0以下、さらに好ましくは20.0以下である。
前記球状コアの中心硬度(C0)と中心から25.0%地点の硬度(C2)との硬度差(C2-C0)は、ショアC硬度で、5.5以上が好ましく、より好ましくは6.0以上、さらに好ましくは6.5以上であり、12.0以下が好ましく、より好ましくは11.0以下、さらに好ましくは10.0以下である。前記硬度差(C2-C0)が上記範囲内であれば、球状コアの中心付近の変形量が大きくなり、ドライバーショット時のリコイル作用が一層大きくなって、スピン量を一層低減できる。
前記球状コアの中心から62.5%地点の硬度(C5)と表面硬度(C8)との硬度差(C8-C5)は、ショアC硬度で、0以上が好ましく、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは2.0以上であり、10.5以下が好ましく、より好ましくは10.0以下、さらに好ましくは9.5以下である。
前記球状コアの中心硬度(C0)と表面硬度(C8)との硬度差(C8-C0)は、ショアC硬度で、18.0以上が好ましく、より好ましくは19.0以上、さらに好ましくは20.0以上であり、32.0以下が好ましく、より好ましくは30.0以下、さらに好ましくは28.0以下である。前記硬度差(C8-C0)が上記範囲内であれば、球状コア全体の硬度分布の外剛内柔度合いが大きくなり、リコイル効果が大きくなるため、ドライバーショットでのスピン量が一層低減し、飛距離が向上する。
前記球状コアは、硬度差(C5-C4)と硬度差(C4-C3)との差{(C5-C4)-(C4-C3)}が、ショアC硬度で、1.0以上が好ましく、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上であり、10.0以下が好ましく、より好ましくは9.0以下、さらに好ましくは8.0以下である。前記差{(C5-C4)-(C4-C3)}が上記範囲内であれば、ミドルアイアンショットでのスピン量がより向上し、ドライバーショットでのスピン量がより低減される。
前記球状コアは、硬度差(C5-C4)と硬度差(C6-C5)との差{(C5-C4)-(C6-C5)}が、ショアC硬度で、1.0以上が好ましく、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上であり、10.0以下が好ましく、より好ましくは9.0以下、さらに好ましくは8.0以下である。前記差{(C5-C4)-(C6-C5)}が上記範囲内であれば、ミドルアイアンショットでのスピン量がより向上し、ドライバーショットでのスピン量がより低減される。
前記球状コアは、硬度(C0)、(C4)、(C5)および(C8)が、ショアC硬度で、下記の関係を満足することが好ましい。下記の関係を満たすことで、ミドルアイアンショットでのスピン量がより向上し、ドライバーショットでのスピン量がより低減される。
(C4-C0)>(C5-C4)>(C8-C5)
前記球状コアは、硬度(C0)、(C2)、(C4)および(C8)が、ショアC硬度で、式(12)を満足することが好ましい。式(12)を満足することで、ミドルアイアンショットでのスピン量がより向上し、ドライバーショットでのスピン量がより低減される。
{(C8-C4)/(C2-C0)}≦3.0 ・・・(12)
前記比{(C8-C4)/(C2-C0)}は、0以上が好ましく、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上であり、3.0以下が好ましく、より好ましくは2.5以下、さらに好ましくは2.0以下である。
前記球状コアは、ショアC硬度で、硬度(C1)と硬度(C0)との硬度差(C1-C0)、硬度(C2)と硬度(C1)との硬度差(C2-C1)、硬度(C3)と硬度(C2)との硬度差(C3-C2)、硬度(C4)と硬度(C3)との硬度差(C4-C3)、硬度(C5)と硬度(C4)との硬度差(C5-C4)、硬度(C6)と硬度(C5)との硬度差(C6-C5)、硬度(C7)と硬度(C6)との硬度差(C7-C6)、および、硬度(C8)と硬度(C7)との硬度差(C8-C7)のうち最も大きな値をCbmax、最も小さな値をCbminとしたとき、比(Cbmax/Cbmin)が4.0以上であることが好ましい。球状コア全体が硬度差の大きい部分と小さい部分を有することで、打撃時にゴルフボールが撓む箇所とゴルフボールの動きを抑える箇所ができるため、変形した部分を無駄なく反発に変えることができる。なお、前記硬度差(C5-C4)がCbmaxであることが好ましい。
前記球状コアの中心硬度(C0)は、ショアC硬度で、50.0以上が好ましく、より好ましくは52.0以上、さらに好ましくは54.0以上であり、70.0以下が好ましく、より好ましくは68.0以下、さらに好ましくは66.0以下である。前記中心硬度(C0)が50.0以上であればボールが変形したときに潰れすぎることなく反発性能が発揮され、70.0以下であればボール内部まで変形がおきフィーリングが良好となる。
前記球状コアの表面硬度(C8)は、ショアC硬度で70.0以上が好ましく、より好ましくは72.0以上、さらに好ましくは74.0以上であり、90.0以下が好ましく、より好ましくは88.0以下、さらに好ましくは86.0以下である。前記表面硬度(C8)が70.0以上であればボールが潰れすぎず反発性能を発揮し、90.0以下であれば耐久性が良好なボールとなる。
前記球状コアの中心から50.0%地点の硬度(C4)は、ショアC硬度で、60.0以上が好ましく、より好ましくは62.0以上、さらに好ましくは64.0以上であり、80.0以下が好ましく、より好ましくは78.0以下、さらに好ましくは76.0以下である。前記硬度(C4)が60.0以上であればボールが潰れすぎず反発性能を発揮し、80.0以下であればリコイルの発生を促しドライバーで低スピンとなる。
前記球状コアの直径は、34.8mm以上が好ましく、より好ましくは36.3mm以上、さらに好ましくは37.8mm以上であり、42.2mm以下が好ましく、より好ましくは41.8mm以下、さらに好ましくは41.2mm以下、最も好ましくは40.8mm以下である。前記球状コアの直径が34.8mm以上であれば、反発性がより良好となる。一方、球状コアの直径が42.2mm以下であれば、カバーの機能がより発揮される。
前記球状コアは、直径34.8mm~42.2mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にコアが縮む量)が、2.0mm以上が好ましく、より好ましくは2.3mm以上、さらに好ましくは2.5mm以上であり、5.0mm以下が好ましく、より好ましくは4.5mm以下、さらに好ましくは4.3mm以下である。前記圧縮変形量が、2.0mm以上であれば打球感がより良好となり、5.0mm以下であれば、反発性がより良好となる。
前記球状コアの構造は、単層構造と2層以上の多層構造のいずれもよいが、単層構造であることが好ましい。単層構造の球状コアは、多層構造の界面における打撃時のエネルギーロスがなく、反発性が向上する。
[ゴム組成物]
前記球状コアは、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3~8のα,β-不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、および、(c)架橋開始剤を含有するコア用ゴム組成物から形成されていることが好ましい。前記球状コアは、コア用ゴム組成物を金型内で成形することにより得ることができる。成形条件は、特に限定されないが、通常は130℃~200℃、圧力2.9MPa~11.8MPaで10分間~60分間で行われる。
前記球状コアは、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3~8のα,β-不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、および(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物を含有するコア用ゴム組成物から形成されていることが好ましい。特定の原料を含有するゴム組成物を用いることで、得られる球状コアの硬度分布を容易に制御することができる。
(a)基材ゴム
(a)前記基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができる。(a)前記基材ゴムとしては、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、特に、反発に有利なシス-1,4-結合を、40質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上有するハイシスポリブタジエンが好適である。
反発性がより高いコアが得られる観点から、基材ゴム中におけるハイシスポリブタジエンの含有率は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。(a)基材ゴムが、ハイシスポリブタジエンのみからなることも好ましい。
前記ハイシスポリブタジエンは、1,2-ビニル結合の含有量が2.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.7質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。1,2-ビニル結合の含有量が2.0質量%以下であれば反発性がより向上する。
前記ハイシスポリブタジエンは、希土類元素系触媒で合成されたものが好適であり、特に、ランタン系列希土類元素化合物であるネオジム化合物を用いたネオジム系触媒の使用が、1,4-シス結合が高含量、1,2-ビニル結合が低含量のポリブタジエンゴムを優れた重合活性で得られるので好ましい。
前記ハイシスポリブタジエンは、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が、30以上であることが好ましく、より好ましくは32以上、さらに好ましくは35以上であり、140以下が好ましく、より好ましくは120以下、さらに好ましくは100以下、最も好ましくは55以下である。なお、本発明でいうムーニー粘度(ML1+4(100℃))とは、JIS K6300に準じて、Lローターを使用し、予備加熱時間1分間、ローターの回転時間4分間、100℃の条件下にて測定した値である。
前記ハイシスポリブタジエンとしては、分子量分布Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が、2.0以上であることが好ましく、より好ましくは2.2以上、さらに好ましくは2.4以上、最も好ましくは2.6以上であり、6.0以下であることが好ましく、より好ましくは5.0以下、さらに好ましくは4.0以下、最も好ましくは3.0以下である。ハイシスポリブタジエンの分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内であればコア成形の作業性が良好となり、また、得られる球状コアの反発性が良好となる。なお、分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(東ソー社製、「HLC-8120GPC」)により、検知器として示差屈折計を用いて、カラム:GMHHXL(東ソー社製)、カラム温度:40℃、移動相:テトラヒドロフランの条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として算出した値である。
(b)共架橋剤
(b)前記炭素数が3~8のα,β-不飽和カルボン酸および/またはその金属塩は、共架橋剤としてゴム組成物に配合されるものであり、基材ゴム分子鎖にグラフト重合することによって、ゴム分子を架橋する作用を有する。
前記炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等を挙げることができる。
前記炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸の金属塩を構成する金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等の一価の金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウム等の二価の金属イオン;アルミニウム等の三価の金属イオン;錫、ジルコニウム等のその他のイオンが挙げられる。前記金属成分は、単独または2種以上の混合物として使用することもできる。これらの中でも、前記金属成分としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウム等の二価の金属が好ましい。炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸の二価の金属塩を用いることにより、ゴム分子間に金属架橋が生じやすくなるからである。特に、二価の金属塩としては、得られるゴルフボールの反発性が高くなるということから、アクリル酸亜鉛が好適である。なお、炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸および/またはその金属塩は、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用しても良い。
(b)前記炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸および/またはその金属塩の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、15質量部以上が好ましく、20質量部以上がより好ましく、25質量部以上がさらに好ましく、50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましく、35質量部以下がさらに好ましい。(b)成分の含有量が15質量部以上であれば、コア用ゴム組成物から形成されるコアを適当な硬さとするために必要となる(c)架橋開始剤の量が低減され、得られるゴルフボールの反発性が向上する。また、(b)成分の含有量が50質量部以下であれば、得られるゴルフボールの打球感が良好となる。
(c)架橋開始剤
(c)前記架橋開始剤は、(a)基材ゴム成分を架橋するために配合されるものである。(c)架橋開始剤としては、有機過酸化物が好適である。前記有機過酸化物は、具体的には、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。
(c)前記架橋開始剤の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.2質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、0.7質量部以上がさらに好ましく、5.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましく、2.0質量部以下がさらに好ましい。(c)成分の含有量が0.2質量部以上であれば、コア用ゴム組成物から形成されるコアが柔らかくなり過ぎず、得られるゴルフボールの反発性が向上し、5.0質量部以下であれば、得られるゴルフボールの反発性および耐久性が良好となる。
(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物
(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物は、モノフェノールのp位のみに置換基を有する化合物である。前記p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物は、フェノールが有する1個のヒドロキシ基に対するp位に置換基が直接結合している化合物であり、前記ヒドロキシ基のo位およびm位には置換基を有しない。前記p位の置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン基、炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好ましい。
前記(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物としては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 2023174166000001
[一般式(1)において、Rは、アルコキシ基、ハロゲン基、炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、またはヒドロキシ基を表す。]
前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数が1以上のアルキル基が酸素原子に結合した基を挙げることができる。前記アルコキシ基の炭素数は、1以上であれば特に限定されないが、1~20であることが好ましく、1~10であることがより好ましく、1~8であることがさらに好ましい。前記アルコキシ基のアルキル部分の構造は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。前記アルコキシ基のアルキル部分の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基等の直鎖状または分岐鎖状アルキル基や、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環状アルキル基を挙げることができる。前記アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n-、イソ-構造を含む)、ブトキシ基(n-、イソ-、sec-、tert-、シクロ-構造を含む)、ペンチルオキシ基(n-、イソ-、sec-、tert-、シクロ-構造を含む)、ヘキシルオキシ基(n-、イソ-、sec-、tert-、シクロ-構造を含む)、ヘプチルオキシ基(n-、イソ-、sec-、tert-、シクロ-構造を含む)、オクチルオキシ基(n-、イソ-、sec-、tert-、シクロ-構造を含む)等を挙げることができる。なお、前記アルコキシ基は、置換基(例えば、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基など)を有してもよい。
前記ハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。
前記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基などが挙げられる。
前記アルキル基の炭素数は、1以上であれば特に限定されないが、1~20であることが好ましく、1~10であることがより好ましく、1~8であることがさらに好ましい。前記アルキル基の構造は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基等の直鎖または分岐鎖アルキル基や、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環状アルキル基を挙げることができる。なお、前記アルキル基は、置換基(例えば、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基など)を有してもよい。
前記アルケニル基の炭素数は、2以上であれば特に限定されないが、2~20であることが好ましく、2~10であることがより好ましく、2~8であることがさらに好ましい。前記アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基などを挙げることができる。なお、前記アルケニル基は、置換基(例えば、アルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基など)を有してもよい。
前記アルキニル基の炭素数は、2以上であれば特に限定されないが、2~20であることが好ましく、2~10であることがより好ましく、2~8であることがさらに好ましい。前記アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基(プロパルギル基)、ブチニル基などを挙げることができる。なお、前記アルキニル基は、置換基(例えば、アルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基など)を有してもよい。
前記アラルキル基の炭素数は、7以上であれば特に限定されないが、7~20であることが好ましく、7~10であることがより好ましく、7~8であることがさらに好ましい。前記アラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基、α-クミル基などを挙げることができる。なお、前記アラルキル基は、置換基(例えば、アルキル基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基など)を有してもよい。
前記アリール基の炭素数は、6以上であれば特に限定されないが、6~20であることが好ましく、6~15であることがより好ましく、6~10であることがさらに好ましい。前記アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。なお、前記アリール基は、置換基(例えば、アルキル基、ハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基など)を有してもよい。
一般式(1)において、前記Rで表される置換基としては、アルコキシ基が好ましく、炭素数1~8のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が特に好ましい。
前記(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物は、単独でもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物の配合量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.07質量部以上がより好ましく、0.10質量部以上がさらに好ましく、2.0質量部以下が好ましく、1.8質量部以下がより好ましく、1.6質量部以下がさらに好ましい。前記(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物の配合量が0.05質量部以上であれば、(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物の添加効果がより大きくなり、2.0質量部以下であれば、ドライバーショットにおける飛距離がより向上する。
前記成分(b)と成分(d)の質量比(成分(b)/成分(d))は、25以上が好ましく、30以上がより好ましく、35以上がさらに好ましく、100以上が一層好ましく、200以上が特に好ましく、500以下が好ましく、450以下がより好ましく、400以下がさらに好ましい。前記質量比(成分(b)/成分(d))が前記範囲内であれば、打球感が良好であり、かつ、ドライバーショットにおける飛距離が一層向上する。
前記成分(c)と成分(d)の質量比(成分(c)/成分(d))は、1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上がさらに好ましく、150以下が好ましく、130以下がより好ましく、110以下がさらに好ましく、50以下が一層好ましく、20以下が特に好ましい。前記質量比(成分(c)/成分(d))が前記範囲内であれば、打球感が良好であり、かつ、ドライバーショットにおける飛距離が一層向上する。
(e)有機硫黄化合物
前記コア用ゴム組成物は、さらに(e)有機硫黄化合物を含有することが好ましい。(e)有機硫黄化合物を含有することにより、得られるコアの反発性がより高くなる。
前記(e)有機硫黄化合物としては、チオール類(チオフェノール類、チオナフトール類)、ポリスルフィド類、チアゾール類、チウラム類、チオカルボン酸類、ジチオカルボン酸類、スルフェンアミド類、および、ジチオカルバミン酸塩類よりなる群から選択される少なくとも一種の化合物が挙げられる。
チオール類としては、例えば、チオフェノール類、チオナフトール類が挙げられる。前記チオフェノール類としては、例えば、チオフェノール;4-フルオロチオフェノール、2,4-ジフルオロチオフェノール、2,5-ジフルオロチオフェノール、2,6-ジフルオロチオフェノール、2,4,5-トリフルオロチオフェノール、2,4,5,6-テトラフルオロチオフェノール、ペンタフルオロチオフェノールなどのフルオロ基で置換されたチオフェノール類;2-クロロチオフェノール、4-クロロチオフェノール、2,4-ジクロロチオフェノール、2,5-ジクロロチオフェノール、2,6-ジクロロチオフェノール、2,4,5-トリクロロチオフェノール、2,4,5,6-テトラクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノールなどのクロロ基で置換されたチオフェノール類;4-ブロモチオフェノール、2,4-ジブロモチオフェノール、2,5-ジブロモチオフェノール、2,6-ジブロモチオフェノール、2,4,5-トリブロモチオフェノール、2,4,5,6-テトラブロモチオフェノール、ペンタブロモチオフェノールなどのブロモ基で置換されたチオフェノール類;4-ヨードチオフェノール、2,4-ジヨードチオフェノール、2,5-ジヨードチオフェノール、2,6-ジヨードチオフェノール、2,4,5-トリヨードチオフェノール、2,4,5,6-テトラヨードチオフェノール、ペンタヨードチオフェノールなどのヨード基で置換されたチオフェノール類;または、これらの金属塩が挙げられる。金属塩としては、好ましくは2価の金属塩、より好ましくは亜鉛塩である。
前記チオナフトール類(ナフタレンチオール類)としては、2-チオナフトール、1-チオナフトール、1-クロロ-2-チオナフトール、2-クロロ-1-チオナフトール、1-ブロモ-2-チオナフトール、2-ブロモ-1-チオナフトール、1-フルオロ-2-チオナフトール、2-フルオロ-1-チオナフトール、1-シアノ-2-チオナフトール、2-シアノ-1-チオナフトール、1-アセチル-2-チオナフトール、2-アセチル-1-チオナフトール、またはこれらの金属塩が挙げられる。金属塩としては、好ましくは2価の金属塩、より好ましくは亜鉛塩である。
ポリスルフィド類とは、ポリスルフィド結合を有する有機硫黄化合物であり、例えば、ジスルフィド類、トリスルフィド類、テトラスルフィド類が挙げられる。前記ポリスルフィド類としては、ジフェニルポリスルフィド類が好ましい。
ジフェニルポリスルフィド類としては、ジフェニルジスルフィドの他;ビス(4-フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5-ジフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6-ジフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5-トリフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5,6-テトラフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタフルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4-クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6-ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5-トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5,6-テトラクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4-ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6-ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5-トリブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5,6-テトラブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4-ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5-ジヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6-ジヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5-トリヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5,6-テトラヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタヨードフェニル)ジスルフィド等のハロゲン基で置換されたジフェニルジスルフィド類;ビス(4-メチルフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5-トリメチルフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタメチルフェニル)ジスルフィド、ビス(4-t-ブチルフェニル)ジスルフィド、ビス(2,4,5-トリ-t-ブチルフェニル)ジスルフィド、ビス(ペンタ-t-ブチルフェニル)ジスルフィド等のアルキル基で置換されたジフェニルジスルフィド類;などが挙げられる。
チアゾール類としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、2-(N,N-ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(4’-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4-メチル-2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-(4-メチル-2-ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5-クロロ-2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプト-6-ニトロベンゾチアゾール、2-メルカプト-ナフト[1,2-d]チアゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、6-アミノ-2-メルカプトベンゾチアゾール、またはこれらの金属塩が挙げられる。
チウラム類としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラムモノスルフィド類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラムテトラスルフィド類が挙げられる。チオカルボン酸類としては、例えば、ナフタレンチオカルボン酸が挙げられる。ジチオカルボン酸類としては、例えば、ナフタレンジチオカルボン酸が挙げられる。スルフェンアミド類としては、例えば、N-シクロへキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミドが挙げられる。
前記(e)有機硫黄化合物としては、ハロゲン基で置換されたチオフェノール類、ハロゲン基で置換されたチオフェノール類の金属塩、ハロゲン基で置換されたジフェニルジスルフィド類、チアゾール類、およびチアゾール類の金属塩よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
前記(e)有機硫黄化合物は、単独もしくは二種以上を混合して使用することができる。
前記(e)有機硫黄化合物の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.2質量部以上であって、5.0質量部以下が好ましく、より好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以下である。(e)成分の含有量が上記範囲内であれば、得られるゴルフボールの反発性がより良好となる。
前記成分(e)と成分(d)の質量比(成分(e)/成分(d))は、1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0上がさらに好ましく、100以下が好ましく、90以下がより好ましく、80以下がさらに好ましく、40以下が一層好ましく、20以下が特に好ましい。前記質量比(成分(e)/成分(d))が前記範囲内であれば、ドライバーショットにおいてリコイル効果が大きくなり、飛距離が一層向上する。
(f)金属化合物
前記コア用ゴム組成物は、共架橋剤として炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸のみを含有する場合、さらに(f)金属化合物を含有することが好ましい。コア用ゴム組成物中で炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸を金属化合物で中和することにより、共架橋剤として炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸の金属塩を使用する場合と実質的に同様の効果が得られるからである。なお、共架橋剤として、炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸とその金属塩とを併用する場合においては、任意成分として、(f)金属化合物を用いてもよい。
前記(f)金属化合物としては、コア用ゴム組成物中において(b)炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸を中和することができるものであれば、特に限定されない。前記(f)金属化合物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化銅などの金属水酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化銅などの金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウムなどの金属炭酸化物が挙げられる。前記(f)金属化合物として好ましいのは、二価金属化合物であり、より好ましくは亜鉛化合物である。二価金属化合物は、炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸と反応して、金属架橋を形成するからである。また、亜鉛化合物を用いることにより、反発性の高いゴルフボールが得られる。
前記(f)金属化合物は単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。また、前記(f)金属化合物の含有量は、所望とする(b)炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸の中和度に応じて、適宜調整すればよい。
(g)カルボン酸および/またはその塩
前記コア用ゴム組成物は(g)カルボン酸および/またはその塩を含有してもよい。前記(g)カルボン酸および/またはその塩を含有することで、得られる球状コアの外剛内柔度合を大きくできる。前記(g)カルボン酸および/またはその塩としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸および芳香族カルボン酸塩が挙げられる。前記(g)カルボン酸および/または塩は、単独または2種以上の混合物として使用することもできる。
前記カルボン酸の炭素数は、1以上が好ましく、30以下が好ましく、より好ましくは18以下、さらに好ましくは13以下である。なお、(g)カルボン酸および/またはその塩には、(b)共架橋剤として使用する炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸および/またはその金属塩は含まれないものとする。
前記カルボン酸および/またはその塩としては、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、カプリン酸(デカン酸)、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸など飽和脂肪族カルボン酸;パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸もしくはアラキドン酸などの不飽和脂肪族カルボン酸;または、安息香酸、ブチル安息香酸、アニス酸(メトキシ安息香酸)、ジメトキシ安息香酸、トリメトキシ安息香酸、ジメチルアミノ安息香酸、クロロ安息香酸、ジクロロ安息香酸、トリクロロ安息香酸、アセトキシ安息香酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタレンカルボン酸、アントラセンカルボン酸、フランカルボン酸もしくはテノイル酸などの芳香族カルボン酸;あるいは、これらカルボン酸のカリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩が好ましい。これらの中でも芳香族カルボン酸および/またはその塩が好ましく、ベンゼン環を有するカルボン酸および/またはその塩がより好ましい。
前記(g)カルボン酸および/またはその塩の含有量は、例えば、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは1.0質量部以上、さらに好ましくは1.5質量部以上であって、40質量部以下が好ましく、より好ましくは35質量部以下であり、さらに好ましくは30質量部以下である。(g)成分の含有量が0.5質量部以上であれば、球状コアの外剛内柔度合が大きくなり、40質量部以下であれば、コア硬度の低下が抑制され、反発性が良好となる。
前記コア用ゴム組成物は、必要に応じて、顔料、重量調整などのための充填剤、しゃく解剤、軟化剤などの添加剤を含有してもよい。
コア用ゴム組成物に用いる充填剤としては、主として最終製品として得られるゴルフボールの重量を調整するための重量調整剤として配合されるものであり、必要に応じて配合すれば良い。前記充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タングステン粉末、モリブデン粉末などの無機充填剤を挙げることができる。前記充填剤として特に好ましいのは、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、加硫助剤として機能して、コア全体の硬度を高めるものと考えられる。前記充填剤の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上であって、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。充填剤の含有量が30質量部以下であれば反発性が良好となる。
前記しゃく解剤の含有量は、(a)基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
前記コア用ゴム組成物は、各原料を混合、混練することで調製できる。混練の方法は、特に限定されず、例えば、混練ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの公知の混練機を用いて行えばよい。
[カバー、中間層]
前記ゴルフボールは、球状コアを被覆するカバーを有する。前記カバーは、塗膜を除くゴルフボール本体の最外層を構成する層である。
前記カバーを構成するカバー用組成物の材料硬度は、所望のゴルフボールの性能に応じて適宜設定することが好ましい。例えば、飛距離を重視するディスタンス系のゴルフボールの場合、カバー用組成物の材料硬度は、ショアD硬度で50以上が好ましく、55以上がより好ましく、60以上がさらに好ましく、80以下が好ましく、70以下がより好ましく、68以下がさらに好ましい。カバー用組成物の材料硬度を50以上にすることにより、ドライバーショットおよびアイアンショットにおいて、高打出角で低スピンのゴルフボールが得られ、飛距離が一層向上する。また、カバー用組成物の材料硬度を80以下とすることにより、耐久性に優れたゴルフボールが得られる。また、コントロール性を重視するスピン系のゴルフボールの場合、カバー用組成物の材料硬度は、ショアD硬度で、50未満が好ましく、48以下がより好ましく、45以下がさらに好ましく、20以上が好ましく、25以上がより好ましく、30以上がさらに好ましい。カバー用組成物の材料硬度が、ショアD硬度で50未満であれば、アプローチショットのスピン量が高くなり、グリーン上で止まりやすいゴルフボールが得られる。また、材料硬度を20以上とすることにより、耐擦過傷性が向上する。なお、前記カバーの材料硬度は、カバーを形成するカバー用組成物をシート状に成形して測定したスラブ硬度である。
前記カバーの厚みは、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下である。カバーの厚みが4.0mm以下であれば、得られるゴルフボールの反発性や打球感がより良好となる。前記カバーの厚みは、0.3mm以上が好ましく、0.4mm以上がより好ましく、さらに好ましくは0.5mm以上である。カバーの厚みが0.3mm以上であれば、カバーの打撃耐久性や耐摩耗性が向上する。
前記ゴルフボールは、前記球状コアと前記カバーとの間に中間層を有していてもよい。前記中間層は、単層でも、2層以上でもよいが、単層が好ましい。
前記中間層を構成する中間層用組成物の材料硬度は、ショアD硬度で55以上が好ましく、より好ましくは57以上、さらに好ましくは59以上であり、74以下が好ましく、より好ましくは72以下、さらに好ましくは70以下である。前記中間層の材料硬度が55以上であればドライバーショットにおいてスピン量が一層低下し、飛距離が一層向上し、74下であれば耐久性が良好となる。中間層が2層以上の場合、最も外側に位置する中間層を構成する組成物の材料硬度が上記範囲内であることが好ましい。なお、前記中間層の材料硬度は、中間層を形成する中間層用組成物をシート状に成形して測定したスラブ硬度である。複数の中間層を有する場合は、各層の材料硬度は、同一であっても良く、異なっても良いが、すべての中間層の硬度が、前記範囲にあることが好ましい。
前記中間層の厚さは、0.8mm以上が好ましく、より好ましくは0.9mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上であり、4.0mm以下が好ましく、より好ましくは3.0mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下である。前記中間層の厚さが0.8mm以上であれば打撃耐久性が良好となり、4.0mm以下であれば良好なフィーリングとなる。中間層が2層以上の場合、最も外側に位置する中間層の厚さが上記範囲内であることが好ましい。
前記中間層の厚さ(mm)および材料硬度(ショアD)と、カバーの厚さ(mm)および材料硬度(ショアD)は、式(21)を満足することが好ましい。式(21)を満たすことでアプローチショットにおけるスピン性能が向上し、かつ、ドライバーショットにおけるリコイル効果がより大きくなり、スピン量が一層減少する。
{(中間層の厚さ×材料硬度)/(カバーの厚さ×材料硬度)}≧4.0 ・・・(21)
前記((中間層の厚さ×材料硬度)/(カバーの厚さ×材料硬度))は、4.0以上が好ましく、より好ましくは4.5以上、さらに好ましくは5.0以上であり、10.0以下が好ましく、より好ましくは9.0以下、さらに好ましくは8.0以下である。
前記カバーおよび中間層は、樹脂成分を含有するカバー用組成物、中間層用組成物から形成されることが好ましい。前記樹脂成分としては、例えば、アイオノマー樹脂、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(登録商標)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、三菱ケミカル(株)から商品名「テファブロック」で市販されている熱可塑性スチレンエラストマーなどが挙げられる。
前記アイオノマー樹脂としては、例えば、オレフィンと炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸との二元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、オレフィンと炭素数3~8個のα,β-不飽和カルボン酸とα,β-不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、あるいは、これらの混合物を挙げることができる。前記オレフィンとしては、炭素数が2~8個のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等を挙げることができ、特にエチレンが好ましい。前記炭素数が3~8個のα,β-不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。また、α,β-不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等のメチル、エチル、プロピル、n-ブチル、イソブチルエステル等が用いられ、特にアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好ましい。これらのなかでも、前記アイオノマー樹脂としては、エチレン-(メタ)アクリル酸二元共重合体の金属イオン中和物、エチレン-(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル三元共重合体の金属イオン中和物が好ましい。
前記カバー用組成物は、樹脂成分として、熱可塑性ポリウレタンエラストマーまたはアイオノマー樹脂を含有することが好ましい。アイオノマー樹脂を使用する場合には、熱可塑性スチレンエラストマーを併用することも好ましい。カバー用組成物の樹脂成分中のポリウレタンまたはアイオノマー樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
前記中間層用組成物は、樹脂成分として、アイオノマー樹脂を含有することが好ましい。アイオノマー樹脂を使用する場合には、熱可塑性スチレンエラストマーを併用することも好ましい。中間層用組成物の樹脂成分中のアイオノマー樹脂の含有率は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
前記カバー用組成物および中間層用組成物は、上述した樹脂成分のほか、白色顔料(例えば、酸化チタン)、青色顔料、赤色顔料などの顔料成分、酸化亜鉛、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの重量調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを含有してもよい。
前記白色顔料(例えば、酸化チタン)の含有量は、カバーを構成する樹脂成分100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上であって、10質量部以下が好ましく、より好ましくは8質量部以下である。白色顔料の含有量を0.5質量部以上とすることによって、カバーに隠蔽性を付与することができる。また、白色顔料の含有量が10質量部以下であれば、得られるカバーの耐久性が良好となる。
前記中間層を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、中間層用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いて球状コアを包み、加圧成形する方法、または、中間層用組成物を直接球状コア上に射出成形して球体を包み込む方法などを挙げることができる。
前記カバーを成形する方法としては、例えば、カバー用組成物から中空殻状のシェルを成形し、球体(球状コアまたは中間層が形成された球体)を複数のシェルで被覆して圧縮成形する方法(好ましくは、カバー用組成物から中空殻状のハーフシェルを成形し、球体を2枚のハーフシェルで被覆して圧縮成形する方法)、あるいは、カバー用組成物を球体上に直接射出成形する方法を挙げることができる。
カバーを成形する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。カバーに形成されるディンプルの総数は、200個~500個が好ましい。ディンプルの総数が200個~500個であれば、個々のディンプルのサイズを大きくすることができ、ディンプルの効果がより大きくなる。形成されるディンプルの形状(平面視形状)は、特に限定されるものではなく、円形;略三角形、略四角形、略五角形、略六角形などの多角形;その他不定形状;を単独で使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
前記カバーが成形されたゴルフボール本体は、金型から取り出し、必要に応じて、バリ取り、洗浄、サンドブラストなどの表面処理を行うことが好ましい。
また、所望により、塗膜やマークを形成することもできる。前記塗膜の膜厚は、特に限定されないが、5μm以上が好ましく、6μm以上がより好ましく、7μm以上がさらに好ましく、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。膜厚が5μm以上であれば継続的に使用しても塗膜が摩耗消失しにくく、膜厚が50μm以下であればディンプルの効果が十分に得られゴルフボールの飛行性能が向上する。
[ゴルフボール]
本発明のゴルフボールとしては、例えば、球状コアと前記球状コアを被覆する単層のカバーとからなるツーピースゴルフボール;球状コアと前記球状コアを被覆する単層の中間層と、前記中間層を被覆する単層のカバーとを有するスリーピースゴルフボール;球状コアと前記球状コアを被覆する2層以上の中間層と、前記中間層を被覆する単層のカバーとを有するマルチピースゴルフボールなどが挙げられる。上記いずれの構造のゴルフボールにも本発明を好適に利用できる。
前記ゴルフボールの直径は、40mmから45mmが好ましい。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が特に好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下がより好ましく、42.80mm以下が特に好ましい。また、前記ゴルフボールの質量は、40g以上50g以下が好ましい。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上がより好ましく、45.00g以上が特に好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が特に好ましい。
前記ゴルフボールは、直径40mm~45mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量(圧縮方向に縮む量)は、2.0mm以上であることが好ましく、より好ましくは2.1mm以上、さらに好ましくは2.2mm以上であり、3.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは2.9mm以下、さらに好ましくは2.8mm以下である。前記圧縮変形量が2.0mm以上のゴルフボールは、打球感が良い。一方、圧縮変形量を3.0mm以下にすることにより、反発性が高くなる。
前記ゴルフボールが、中間層を有している場合、球状コアの表面硬度(C8)、中間層表面硬度、および、ボール表面硬度が、ショアC硬度で、式(20)を満足することが好ましい。
コア表面硬度<中間層表面硬度>ボール表面硬度 ・・・(20)
図1に本発明のゴルフボールの一例を示す。図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール1が示された一部切り欠き断面図である。ゴルフボール1は、コア2と、コア2を被覆する中間層3と、前記中間層3を被覆するカバー4とを有する。このカバー4の表面には、多数のディンプル41が形成されている。このゴルフボールの表面のうち、ディンプル41以外の部分は、ランド42である。このゴルフボール1は、カバー4の外側にペイント層およびマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)圧縮変形量(mm)
球状コアまたはゴルフボールに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向に球状コアまたはゴルフボールが縮む量)を測定した。
(2)コア硬度(ショアC硬度)
コアの表面部において測定した硬度をコア表面硬度とした。また、コアを半球状に切断し、切断面の中心、および、中心から半径方向に所定の距離において硬度を測定した。なお、コアの中心を0%、表面を100%とした。また、コア硬度は、コア断面の中心から所定の距離の4点で硬度を測定して、これらを平均することにより算出した。硬度は、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて測定した。検出器は、「ShoreC」を用いた。
(3)ゴルフボール表面硬度、中間層表面硬度
ゴルフボールの表面部においてランド部を測定した硬度をボール表面硬度とした。また、球状コアの表面に中間層を形成した中間層被覆球体の表面部において測定した硬度を中間層表面硬度とした。硬度は、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて測定した。検出器は、「ShoreC」を用いた。
(4)材料硬度(ショアD硬度)
中間層用組成物、カバー用組成物を用いて、射出成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板などの影響が出ないように3枚以上重ねた状態で、自動硬度計(H.バーレイス社製、デジテストII)を用いて硬度を測定した。検出器は、「Shore D」を用いた。
(5)ドライバーショット試験
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、ドライバー(住友ゴム工業社、「SRIXON ZX7」、シャフト硬度:S、ロフト角:10.5°)を装着した。打点はフェースセンターに設定した。ヘッド速度が50m/secである条件でゴルフボールを打撃して、打撃直後のボール速度、スピン速度、および、飛距離(発射始点から落下地点までの距離)を測定した。測定は、各ゴルフボールについて12回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの測定値とした。なお、表5、6の各ゴルフボールの初速、スピン速度、飛距離は、ゴルフボールNo.6との差で示した。
(6)ミドルアイアン試験
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、アイアン(住友ゴム工業社、「SRIXON ZX7」、番手:#7、ロフト角:32°)を装着した。打点はフェースセンターに設定した。ヘッド速度が39m/secである条件でゴルフボールを打撃して、打撃直後のスピン速度を測定した。測定は、各ゴルフボールについて12回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの測定値とした。なお、表5、6の各ゴルフボールのスピン速度は、ゴルフボールNo.6との差で示した。
[ゴルフボールの作製]
(1)ゴム組成物の調製
表1に示す配合となるように各原料を混練ロールにより混練し、ゴム組成物を得た。
Figure 2023174166000002
表1で用いた材料は下記の通りである。
BR730:JSR社製、ハイシスポリブタジエンゴム(シス-1,4-結合含有量=95質量%、1,2-ビニル結合含有量=1.3質量%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))=55、分子量分布(Mw/Mn)=3)
ZN-DA90S:日触テクノファインケミカル社製、アクリル酸亜鉛(ステアリン酸亜鉛10%含有)
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、「銀嶺R」
硫酸バリウム:堺化学社製、「硫酸バリウムBD」
安息香酸:Emerald Kalama Chemical社製
4-メトキシフェノール:東京化成工業社製
PBDS:川口化学工業社製ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド
DPDS:住友精化社製、ジフェニルジスルフィド
ジクミルパーオキサイド:東京化成工業社製
(2)中間層用組成物の調製
表2に示した配合となるように原料を、二軸混練型押出機により押し出して、ペレット状の中間層用組成物を調製した。
Figure 2023174166000003
サーリン(登録商標)8150:デュポン社製、ナトリウムイオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
ハイミラン(登録商標)AM7329:三井・デュポン・ポリケミカル社製、ナトリウムイオン中和エチレン-メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂
二酸化チタン:石原産業社製、A-220
(3)カバー用組成物の調製
表3に示した配合となるように原料を、二軸混練型押出機により押し出して、ペレット状のカバー用組成物を調製した。
Figure 2023174166000004
エラストラン(登録商標)NY84A:BASFジャパン社製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
チヌビン(登録商標)770:BASFジャパン社製、ヒンダードアミン系光安定剤
二酸化チタン:石原産業社製、A-220
(4)コアの作製
ゴルフボールNo.1~6、9
表4に示したゴム組成物を、半球状キャビティを有する上下金型内で加熱プレスすることにより球状コアを得た。なお、硫酸バリウムは、得られるゴルフボールの質量が、45.6gとなるように適量加えた。
ゴルフボールNo.7、8
表4に示したゴム組成物(内層配合)を、半球状キャビティを有する上下金型内で加熱プレスすることにより内層コアを得た。次に、表4に示したゴム組成物(外層配合)を用いてハーフシェルを成形した。この2枚のハーフシェルで、前記内層コアを被覆した。この内層コアおよびハーフシェルを、共に半球状キャビティを有する上下金型内で加熱プレスすることにより球状コアを得た。
(5)中間層、カバーの形成
前記中間層用組成物を球状コア上に射出成形して、中間層被覆球体を得た。得られた中間層被覆球体を、キャビティ面に多数のディンプルを備えたファイナル金型に投入した。前記カバー用組成物から圧縮成形法にてハーフシェルを得た。ハーフシェル2枚をファイナル金型に投入した中間層被覆球体上に被覆し、カバーにキャビティ面のディンプルの形状が反転した形状のディンプルが多数形成されたゴルフボールを得た。得られたゴルフボールについて評価した結果を、表5、6に示した。
Figure 2023174166000005
Figure 2023174166000006
Figure 2023174166000007
ゴルフボールNo.1~4は、球状コアの硬度分布が、硬度差(C1-C0)、硬度差(C2-C1)、硬度差(C3-C2)および硬度差(C4-C3)が0超6.0以下、硬度差(C5-C4)が5.0以上、硬度差(C6-C5)、硬度差(C7-C6)および硬度差(C8-C7)が0超3.5以下、硬度差(C2-C0)が5.5以上である場合である。ゴルフボールNo.6は、球状コアの硬度分布が外剛内柔であり、硬度勾配が中心から表面に向かってほぼ直線状(硬度差(C5-C4)が5未満)の場合である。ゴルフボールNo.1~4は、ゴルフボールNo.6に比べて、ドライバーショットの飛距離が向上し、かつ、ミドルアイアンショットでのスピン速度が向上している。
本発明(1)は、球状コアと、前記球状コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、前記球状コアの中心から表面に向かう直線を8等分したとき、前記球状コアの中心硬度(C0)、中心から12.5%地点の硬度(C1)、中心から25.0%地点の硬度(C2)、中心から37.5%地点の硬度(C3)、中心から50.0%地点の硬度(C4)、中心から62.5%地点の硬度(C5)、中心から75.0%地点の硬度(C6)、中心から87.5%地点の硬度(C7)および表面硬度(C8)が、ショアC硬度で、下記の関係を満足することを特徴とするゴルフボールである。
0<(C1-C0)≦6.0、
0<(C2-C1)≦6.0、
0<(C3-C2)≦6.0、
0<(C4-C3)≦6.0、
5.0≦(C5-C4)、
0<(C6-C5)≦3.5、
0<(C7-C6)≦3.5、
0<(C8-C7)≦3.5、
5.5≦(C2-C0)
本発明(2)は、前記球状コアは、硬度(C0)、(C2)、(C4)および(C5)が、ショアC硬度で、下記の関係を満足する本発明(1)に記載のゴルフボールである。
0.5≦{(C2-C0)/(C5-C4)}
本発明(3)は、前記球状コアは、硬度(C0)、(C2)および(C4)が、ショアC硬度で、下記の関係を満足する本発明(1)または(2)に記載のゴルフボールである。
1.0≦{(C2-C0)/(C4-C2)}
本発明(4)は、前記球状コアは、ショアC硬度で、硬度(C1)と硬度(C0)との硬度差(C1-C0)、硬度(C2)と硬度(C1)との硬度差(C2-C1)、硬度(C3)と硬度(C2)との硬度差(C3-C2)、硬度(C4)と硬度(C3)との硬度差(C4-C3)、硬度(C5)と硬度(C4)との硬度差(C5-C4)、硬度(C6)と硬度(C5)との硬度差(C6-C5)、硬度(C7)と硬度(C6)との硬度差(C7-C6)、および、硬度(C8)と硬度(C7)との硬度差(C8-C7)のうち最も大きな値をCbmax、最も小さな値をCbminとしたとき、比(Cbmax/Cbmin)が4.0以上である本発明(1)~(3)のいずれか一項に記載のゴルフボールである。
本発明(5)は、前記球状コアは、硬度(C0)および(C8)が、ショアC硬度で、下記の関係を満足する本発明(1)~(4)のいずれか一項に記載のゴルフボールである。
18.0≦(C8-C0)
本発明(6)は、前記球状コアと前記カバーとの間に中間層を有しており、球状コアの表面硬度(C0)、中間層表面硬度、および、ボール表面硬度が、ショアC硬度で、下記の関係を満足する本発明(1)~(5)のいずれか一項に記載のゴルフボールである。
コア表面硬度<中間層表面硬度>ボール表面硬度
本発明(7)は、前記球状コアと前記カバーの間に中間層を有しており、中間層の厚さ(mm)および材料硬度(ショアD)と、カバーの厚さ(mm)および材料硬度(ショアD)が、下記の関係を満足する本発明(1)~(6)のいずれか一項に記載のゴルフボールである。
{(中間層の厚さ×材料硬度)/(カバーの厚さ×材料硬度)}≧4.0
本発明(8)は、前記ゴルフボールは、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量が、2.8mm以下である本発明(1)~(7)のいずれか一項に記載のゴルフボールである。
本発明(9)は、前記球状コアは、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3~8のα,β-不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、および(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物を含有するコア用ゴム組成物から形成されている本発明(1)~(8)のいずれか一項に記載のゴルフボールである。
本発明(10)は、前記コア用ゴム組成物は、(a)基材ゴム100質量部に対して、(d)前記p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物を0.05質量部~2.0質量部含有する本発明(9)に記載のゴルフボールである。
本発明(11)は、前記(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物が、一般式(1)で表されるものである本発明(9)または(10)に記載のゴルフボールである。
Figure 2023174166000008
[一般式(1)において、Rは、アルコキシ基、ハロゲン基、炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、またはヒドロキシ基を表す。]
本発明(12)は、前記コア用ゴム組成物は、さらに、(g)芳香族カルボン酸および/またはその塩を含有する本発明(9)~(11)のいずれか一項に記載のゴルフボールである。
1:ゴルフボール、2:球状コア、3:中間層、4:カバー、41:ディンプル、42:ランド

Claims (12)

  1. 球状コアと、前記球状コアを被覆するカバーとを有するゴルフボールであって、
    前記球状コアの中心から表面に向かう直線を8等分したとき、前記球状コアの中心硬度(C0)、中心から12.5%地点の硬度(C1)、中心から25.0%地点の硬度(C2)、中心から37.5%地点の硬度(C3)、中心から50.0%地点の硬度(C4)、中心から62.5%地点の硬度(C5)、中心から75.0%地点の硬度(C6)、中心から87.5%地点の硬度(C7)および表面硬度(C8)が、ショアC硬度で、下記の関係を満足することを特徴とするゴルフボール。
    0<(C1-C0)≦6.0、
    0<(C2-C1)≦6.0、
    0<(C3-C2)≦6.0、
    0<(C4-C3)≦6.0、
    5.0≦(C5-C4)、
    0<(C6-C5)≦3.5、
    0<(C7-C6)≦3.5、
    0<(C8-C7)≦3.5、
    5.5≦(C2-C0)
  2. 前記球状コアは、硬度(C0)、(C2)、(C4)および(C5)が、ショアC硬度で、下記の関係を満足する請求項1に記載のゴルフボール。
    0.5≦{(C2-C0)/(C5-C4)}
  3. 前記球状コアは、硬度(C0)、(C2)および(C4)が、ショアC硬度で、下記の関係を満足する請求項1または2に記載のゴルフボール。
    1.0≦{(C2-C0)/(C4-C2)}
  4. 前記球状コアは、ショアC硬度で、硬度(C1)と硬度(C0)との硬度差(C1-C0)、硬度(C2)と硬度(C1)との硬度差(C2-C1)、硬度(C3)と硬度(C2)との硬度差(C3-C2)、硬度(C4)と硬度(C3)との硬度差(C4-C3)、硬度(C5)と硬度(C4)との硬度差(C5-C4)、硬度(C6)と硬度(C5)との硬度差(C6-C5)、硬度(C7)と硬度(C6)との硬度差(C7-C6)、および、硬度(C8)と硬度(C7)との硬度差(C8-C7)のうち最も大きな値をCbmax、最も小さな値をCbminとしたとき、比(Cbmax/Cbmin)が4.0以上である請求項1に記載のゴルフボール。
  5. 前記球状コアは、硬度(C0)および(C8)が、ショアC硬度で、下記の関係を満足する請求項1に記載のゴルフボール。
    18.0≦(C8-C0)
  6. 前記球状コアと前記カバーとの間に中間層を有しており、球状コアの表面硬度(C8)、中間層表面硬度、および、ボール表面硬度が、ショアC硬度で、下記の関係を満足する請求項1に記載のゴルフボール。
    コア表面硬度<中間層表面硬度>ボール表面硬度
  7. 前記球状コアと前記カバーの間に中間層を有しており、中間層の厚さ(mm)および材料硬度(ショアD)と、カバーの厚さ(mm)および材料硬度(ショアD)が、下記の関係を満足する請求項1に記載のゴルフボール。
    {(中間層の厚さ×材料硬度)/(カバーの厚さ×材料硬度)}≧4.0
  8. 前記ゴルフボールは、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときの圧縮変形量が、2.8mm以下である請求項1に記載のゴルフボール。
  9. 前記球状コアは、(a)基材ゴム、(b)共架橋剤として炭素数が3~8のα,β-不飽和カルボン酸および/またはその金属塩、(c)架橋開始剤、および(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物を含有するコア用ゴム組成物から形成されている請求項1に記載のゴルフボール。
  10. 前記コア用ゴム組成物は、(a)基材ゴム100質量部に対して、(d)前記p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物を0.05質量部~2.0質量部含有する請求項9に記載のゴルフボール。
  11. 前記(d)p位のみに置換基を有するモノフェノール化合物が、一般式(1)で表されるものである請求項9または10に記載のゴルフボール。
    Figure 2023174166000009
    [一般式(1)において、Rは、アルコキシ基、ハロゲン基、炭化水素基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、またはヒドロキシ基を表す。]
  12. 前記コア用ゴム組成物は、さらに、(g)芳香族カルボン酸および/またはその塩を含有する請求項9に記載のゴルフボール。
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