JP2001161388A - ルテニウム若しくはパラジウムの存在下での酵素的酸化工程を含む、有機物質、特にサッカリド物質の変換方法 - Google Patents

ルテニウム若しくはパラジウムの存在下での酵素的酸化工程を含む、有機物質、特にサッカリド物質の変換方法

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JP2001161388A JP2000371949A JP2000371949A JP2001161388A JP 2001161388 A JP2001161388 A JP 2001161388A JP 2000371949 A JP2000371949 A JP 2000371949A JP 2000371949 A JP2000371949 A JP 2000371949A JP 2001161388 A JP2001161388 A JP 2001161388A
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カトリーヌ・フアシュ
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ギー・フルシュ
Didier Moine
ディディエ・モアンヌ
Patrick Fuertes
パトリック・フュエルト
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えばグルコソンまたはグルコン酸のような
酵素的に酸化された有機物質の効果的な調製のための新
規な手段の提供。 【解決手段】 酸化工程を含み、その間有機物質が、過
酸化水素を発生可能な酵素的手段の酸化作用を受ける、
有機物質の変換のための方法であって、この方法は、上
記酸化工程が、ルテニウム、パラジウム及びそれらの混
合物から選択される金属の0.001%から1%の存在
下で全体的若しくは部分的に実施されることを特徴とす
る方法により解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、少なくとも
所定の時期に、過酸化水素を生産可能な酵素的酸化の手
段と、少なくとも一つの特定の金属、特にルテニウム及
び/若しくはパラジウムとを組み合わせた、特定の条件
の下で実施される酸化工程を含む、有機物質、特にサッ
カリド物質の変換のための新規な方法に関する。
【0002】本発明はまた、事前に酵素的に酸化された
物質の酸化若しくは還元に関与するさらなる工程を含
む、上述の方法に関する。
【0003】特に、目的とされる方法は、グルコソン、
ガラクトソン、グルコン酸、2-ケト-グルコン酸、イソ
アスコルビン酸、フルクトース、ソルビトール、マンニ
トール等のような合成中間体としての使用を含む、数多
くの産業上の応用を有する、高度の選択性で酸化され、
次いで任意に還元若しくは再酸化された、有機物質、特
にサッカリド性質を有するものを、単純で迅速で安価な
態様で得ることを可能にする。
【0004】本発明での意味の範囲内で、用語、「有機
物質」は、サッカリド物質及び非サッカリド有機物質の
両者を意味する。
【0005】後者は、例えばメタノール、脂肪アルコー
ル、グリセリン、コレステロール、ポリビニルアルコー
ルを含む低級アルコール、リンゴ酸を含むヒドロキシカ
ルボン酸、それらの各自の誘導体、並びに一般的に過酸
化水素の生産と付随して、酵素的に酸化が潜在的に可能
なサッカリド以外の全ての有機産物のような、非サッカ
リド性質のアルコール及び有機酸を含む。
【0006】上述のように、本発明の主題を形成する方
法は、サッカリド物質に有利に適用でき、この発明は、
直鎖状、環状、または分枝状モノサッカリド、ジサッカ
リド、トリサッカリド、オリゴサッカリド、並びにデン
プン、イノリン若しくはセルロースの加水分解産物のよ
うなこれらの産物の混合物を含み、それらに制限される
ものではない。
【0007】本発明はまた、酵素的酸化の特徴的な工程
の前に、特に加水分解、酸化または水素化および/また
は少なくとも一つの精製工程といった、化学的、酵素的
及び/または物理的修飾に関与する少なくとも一つの工
程を受けているサッカリド物質に適用できる。
【0008】好ましくは、サッカリド物質は、モノサッ
カリド、ジサッカリド、モノサッカリド及びジサッカリ
ドの酸化若しくは水素化誘導体、並びにこれらの産物の
少なくともいずれか二つのいずれかの混合物を含む群か
ら選択され、上記産物は本発明の方法により独立に得ら
れる。
【0009】モノサッカリドは、とりわけ、キシロー
ス、アラビノース、リボース、グルコース、ガラクトー
ス、マンノース、ソルボース若しくはフルクトースのよ
うな、ペントース若しくはヘキソースより成り得る。
【0010】ジサッカリドは、とりわけ、マルトース、
イソマルトース、ラクトース、ラクツロース、セロビオ
ース若しくはスクロースより成り得る。
【0011】上述のように、本発明に従った方法はま
た、すでに修飾されている、特にすでに酸化若しくは水
素化されている精製若しくは非精製モノサッカリド若し
くはジサッカリドより成る有機物質に適用できる。
【0012】本発明に従った酵素的酸化の特徴的な工程
を受けた酸化モノサッカリド及びジサッカリドは、とり
わけ、上述のモノサッカリド及びジサッカリドの、一つ
以上の場所での酸化の産物に対応し、とりわけ、グルコ
ン酸、グルカル酸、5-ケト-グルコン酸、ガラクトン
酸、ガラクタル酸、グロン酸、マルトビオン酸若しくは
ラクトビオン酸より成り、上記酸は遊離形態及び/また
はラクトン化形態及び/または塩形態でもよい。
【0013】ラクトン化形態のものは、例として、グル
コノラクトン、ガラクトラクトン若しくはグロノラクト
ンより成り得る。
【0014】水素化モノサッカリド及びジサッカリド
は、とりわけ、上述のモノサッカリド及びジサッカリド
のそれぞれ触媒的水素化による産物に対応し得る。
【0015】
【従来の技術】任意にすでに酸素化若しくは水素化され
ているモノサッカリド若しくはジサッカリドは、水素ア
クセプターとして酸素を使用可能で、それ故反応媒体中
に過酸化水素(H22)を生産可能な特にオキシドレダ
クターゼによって、酵素的に酸化できることが周知であ
る。
【0016】これらはとりわけ、International Union
of Biochemistry and Molecular Biologyによって定期
的にレビューされた、文献"ENZYME NOMENCLATURE"に記
載されている、1.1.3群の酵素である。上記酵素の
学術用語は、上記文献の1992年度版の55から60頁に要約
されている。
【0017】これらはとりわけ、グルコースオキシダー
ゼ、ヘキソースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダー
ゼ、若しくはピラノースオキシダーゼの各活性の少なく
とも一つを有する酵素である。
【0018】かくして特に約20年間で、任意にすでに
酸化されているモノサッカリドの、2位で酸化されたそ
の同等物への酵素的変換、とりわけグルコースからグル
コソン、若しくはガラクトースからガラクトソンへの変
換のための、ピラノースオキシダーゼ(とりわけ「グル
コース2-オキシダーゼ」、「ピラノース:酸素2-オキシ
ドレダクターゼ」若しくはより単純に「P2O」として
も周知である)の使用に関する参考文献が、規則的に出
されている。これらの産物は、それ自体若しくは混合物
として、特に食料、医薬品及び化学産業における応用の
広範囲の分野を有する、フルクトース、ソルビトール、
マンニトール若しくはタガトースのような産物を得るた
めの、非常に大きな興味を有する合成中間体である。
【0019】数十年の間、グルコースから、遊離形態、
ラクトン形態及び/または塩の形態でグルコン酸を調製
するためのグルコースオキシダーゼ(とりわけ、「グル
コースオキシヒドラーゼ」、「ベータ-D-グルコース:
酸素1-オキシドレダクターゼ」若しくはより単純に「G
OD」としても周知である)の使用について、広範囲の
探求もまた存在している。
【0020】しかしながら、上述の酵素の主要な欠点の
一つは、過酸化水素が付随して且つ所望の酸化産物と等
モル量で生産することである。しかしながら、過酸化水
素の存在は、全体としてピラノースまたはグルコースオ
キシダーゼのようなオキシドレダクターゼの活性に対し
て不利であることが知られており、酵素的酸化反応の過
程で反応媒体から全体的にまたは部分的に過酸化水素を
除去する試みが、一般的になされている。
【0021】酵素的酸化媒体を構成する複雑な媒体中
の、過酸化水素の、または過酸化水素の発生及び存在と
関連する少なくとも不利な効果酵素的の除去または減少
のための、化学的または物理的性質の各種の手段が提案
されている。
【0022】最も頻繁に記載されている手段は、酵素的
に過酸化水素を分解することに関する、遊離形態または
固定化形態でのカタラーゼの使用に存する。この使用
は、STANDARD BRANDSの名称で1981年に印刷された特許W
O 81/03664及びWO 81/03666、CETUS CORPORATIONの名称
の後の特許US 4,351,902、US 4,423,149、US 4,568,64
5、US 4,569,910、US 4,569,913、US 4,569,915、GENEN
COR INTERNATIONAL INCの名称のWO 97/24454、並びにGI
ST-BRPCADES B.V.の名称のUS 5,897,995のような数多く
の特許に記載されている。
【0023】グルコースオキシダーゼと組み合わせたカ
タラーゼの使用はまた、例として必要な範囲で説明する
と、以下の文献または特許に挙げられている: − "STABILITY STUDIES ON THE IMMOBILIZED GLUCOSE
OXIDASE/CATALASE ENZYME SYSTEM", R.S. CARTER等, EN
ZYME ENG., (1980), 5, 321-324; − BOEHRINGER INGELHEIMの名称で1984年に印刷された
米国特許第4,460,686号; − "Production og gluconic acid with immobilized
glucose oxidase in airlift reactors", K. NAKAO等,
CHEMICAL ENGINEERING SCIENCE, (1997年11月),VOL.52,
no.21-22, 4127-4133。
【0024】主にグリコレートオキシダーゼ(EC 1.1.3.
15)といった別のオキシドレダクターゼと組み合わせた
カタラーゼの使用もまた、例えばE.I. Du Pont de Nemo
ursand Coの名称で1993年に印刷された米国特許第5,26
2,314に説明されている。
【0025】カタラーゼの使用はまた、とりわけ以下の
最近の科学文献に記載されている: − "Laboratory procedures for producing 2-keto-D-
glucose, 2-keto-D-xylose and 5-keto-D-fructose fro
m D-glucose, D-xylose and L-sorbose with immobiliz
ed pyranose ozidase of Peniophoro gigantea", A. HU
WIG等, Journal of Biotechnology 32, 309-315 (199
4); − "A Convenient Enzymatic Procedure for the Prod
uction of Aldose-Free-D-Tagatose", D. HALTRICH等,
ANNALS NEW YORK ACADEMY OF SCIENCES, 864, 295-299
(1998); − "The CETUS Process revisited: a nove; enzymati
c alternative for theproduction of aldose-free D-f
ructose", C. LEITNER等, Biocatalysis and Biotransf
ormation, Vol.,00, 1-18 (1998)。
【0026】ここで考慮されているような反応媒体中の
過酸化水素またはその不利な効果の除去/減少のために
すでに推奨されている他の経路は、以下のもののような
化学的手段の使用に存する: − 文献"The Immobilization of Glucose Oxidase to
Manganese Oxide", Z. DUVNJAK等, BIOTECHNOLOGY AND
BIOENGINEERING, VOL. XVIII, 737-739 (1976)に従った
22を分解可能であるといわれている酸化マンガンで
あるが、それは上述の特許出願4,460,686に従って十分
に効果的ではないと言われており、実際に米国特許第5,
262,314号の実施例から導かれるように、カタラーゼの
代替物として機能できないであろう; − 文献"The Influence of Peroxide - Stabilizing A
gents on Enzyme Deactivation by H2O2", Y.K. CHO等,
BIOTECHNOLOGY AND BIOENGINEERING, VOL. XIX,157-15
8 (1977)に従ったH22の存在下でグルコースオキシダ
ーゼを安定可能であると言われている硫酸キニンまたは
尿素; − 文献"Enzyme Immobilization on Activated Carbo
n: Alleviation of Enzyme Deactivation by Hydrogen
Peroxide", Y.K. CHO等, BIOTECHNOLOGY AND BIOENGINE
ERING, VOL. XIX, 769-775 (1977)に従い、上述のR.S.
Carterによる文献に従った、H22を不活性化可能であ
るといわれている活性炭素; − CETUS CORPORATIONの名称で米国特許第4,321,324号
に従った、H22を「消費」でき、かくして回収可能な
グリコールまたは酸化アルコイレンを形成可能であると
いわれているアルケン; − 上述の特許WO 81/03666に従ったH22を分解可能
であると言われている、P2O生産菌糸体及びグルコー
スの希釈溶液(2.5%)の存在下での白金であり、グ
リコレートオキシダーゼを安定可能なカタラーゼの代替
物としてのその使用は、上述の米国特許第5,262,314号
に推奨されている; − 上述の米国特許第4,650,758に従った、アミド化に
よるピラノースオキシダーゼの安定化; − 上述の米国特許第4,569,913号に従った、寄生的
「ピラノースデヒドラターゼ」活性を除去することによ
るピラノースオキシダーゼの精製。
【0027】他の文献は、上述の特許WO 81/03664及びU
S 4,321,324に記載されたように、酵素的手段(カタラ
ーゼ)または化学的手段(アルケン)と、物理的手段
(半透過性膜)を組み合わせることによって、過酸化水
素の(不利な効果の)除去を推奨する。
【0028】白金以外の金属が、過酸化水素(H22
の分解によるグルコースオキシダーゼ(「GOD」)の
活性を安定化する点で推奨されている。
【0029】これはとりわけルテニウムの場合であり、
その使用は、R.S. CARTERによる上述の文献中に記載さ
れている。しかしながらこの文献は、酸化反応媒体中で
のこの金属の使用の正確な条件、特に上記媒体中のルテ
ニウム含有量、並びにカタラーゼが存在する場合のグル
コースオキシダーゼ/カタラーゼ活性の割合を特定して
いない。他方でこの文献は、生産されたグルコン酸によ
るルテニウムの段階的な「毒性化」を強調し、長期的な
産業上の試験の観点からGODに対するこの金属の不十
分な保護効果についての結論を記載している。
【0030】カタラーゼの存在下での固定化GODを含
む、GODの安定性を改良するルテニウムのこの不十分
な能力は、上述の米国特許第4,460,686号の第2段落、
第46−51行に強調されている。
【0031】さらに、グリコレートオキシダーゼのよう
なオキシドレダクターゼを安定化するためのカタラーゼ
の代替物としてのルテニウムの有効性のこの欠如は、引
き続き1993年に印刷された米国特許第5,262,314号から
明らかである。
【0032】上記特許の実施例3,5及び13は、非常
に大量、即ち反応媒体の乾燥物質に対して乾燥重量とし
て2.5%より多く表されて、または酸化される物質の
乾燥重量に対して緩衝重量で5%より多く表されて使用
されたならば、この金属は以下のものを得ることができ
ないことを示す: − 高収率の酸化物質で、これらの収率は常に35%未
満である。 − 高い残余「オキシドレダクターゼ」活性で、この活
性もまた常に35%未満である。
【0033】これは特に、ルテニウムが上記特許の実施
例5に従って活性炭素支持体上で使用された場合に相当
する。
【0034】活性炭素上の5%ルテニウムに基づく触媒
の0.615gの使用、つまり使用されるグリコール酸
に対して約5.4%のルテニウム(乾燥/乾燥)または
反応媒体の乾燥物質に対して約2.7%と表されるルテ
ニウム(乾燥/乾燥)は、22時間の反応の後に最高で
以下のものを得ることを可能とする: − 32.5%のグリオキシレート収量、及び − 17%の残余「グリコレートオキシダーゼ」活性。
【0035】結論として米国特許第5,262,314号は、カ
タラーゼの使用に置換するという観点から、酸化マグネ
シウムまたは酸化銅、ルテニウム、白金、銅、ニッケ
ル、コバルト、亜鉛、鉄またはクロム、活性炭素または
特定のイミダゾール誘導体のような非常に多様な性質の
「非酵素的触媒」の極端に多量の使用を推奨する。より
最近では、装置(エアーリフトリアクター)の特定の工
程を実施する反応の流れの中で、約1g/cm3の密度
を有し、GODもまた固定化されているアルギネートビ
ーズ中に4重量%の量で含まれるパラジウムの均一な粒
子によって、カタラーゼを置換するという考えが示され
ている。
【0036】特に上記媒体の全乾燥物質(アルギネート
ビーズを含む)及び/または酸化される物質単独の乾燥
重量(グルコース)の点で、反応媒体中で有効に使用さ
れるパラジウムの正確な量は特定されていない。しかし
ながら、上記文献の第4132頁の"Optimal operating con
ditions"の章の最後のパラグラフには、以下のように指
摘されている: − グルコース溶液の最適な初期濃度は10g/lであ
る、及び − ビーズ+グルコース溶液の全容量または「ゲルビー
ズ含有量」に対するアルギネートビーズの最適な容量比
は0.4である。
【0037】結論として、上記グルコース溶液の推定の
密度(〜1g/cm3)及び酵素を含むことが企図され
るアルギネートビーズの非常に低い通常の乾燥物質含有
量(乾燥物質<20%、一般的に<10%)に関して、
著者は環境が何であれ以下のパラジウムの量を推奨して
いることが計算によって推定される; − 基質(グルコース)の量に対して乾燥/乾燥として
表した場合250%より大きい、及び − 反応媒体の全乾燥物質(ビーズを含む)に対して乾
燥重量として表した場合15%より大きい。
【0038】上述の全体の結果は、グルコースオキシダ
ーゼ及びグリコレートオキシダーゼの場合、とりわけル
テニウムまたはパラジウムのような金属は、任意にそれ
らが必ず非常に大きい量、それ故極端に高価な量で使用
される場合でもないと、カタラーゼの有効な代替物とは
成り得ないことを示す。
【0039】さらに、ピラノースオキシダーゼの場合、
上述のCETUS CORPORATIONの実施例及び科学文献に表さ
れる最も最近の従来技術は、過酸化水素及びその不利な
効果を除去する主要な手段としてカタラーゼのみの実施
を考慮していることが、任意ではなく確かなことであ
る。
【0040】特にカタラーゼは、各種の微生物中に天然
で存在する酵素的複合体、または異なる起源の酵素のプ
レ混合物だけでなく、同じ支持体上への共固定化によっ
て、オキシドレダクターゼ(特にピラノースオキシダー
ゼ、グルコースオキシダーゼ)と物理的に組み合わせて
もよく、これらの変異型は例えば、上述の特許US 4,56
9,910、US 4,650,758、US 4,351,902及びUS 5,897,995
に記載されている。
【0041】カタラーゼはまた、上述のHALTRICH及びLE
ITNERによる文献に記載されたように、オキシドレダク
ターゼの安定剤または保護剤として機能するウシ血清ア
ルブミン(「BSA」)と組み合わせてもよい。BSA
の機能の正確な態様は、十分に理解されていないが、LE
ITNERに従って、このタンパク質は、グルコソンの不利
な効果からピラノースオキシダーゼ及びカタラーゼをも
保護できるであろう。他の保護剤は、米国特許第5,897,
995に従って、カゼイン、メチオニン、キニン、若しく
はマンニトール、ソルビトール若しくはグリセリンより
成ってもよい。
【0042】何れの場合であれ、カタラーゼも過酸化水
素によって不活性化され、何れの場合もそこへの接合に
使用されるオキシドレダクターゼの量に対して大過剰
で、実際に大量のカタラーゼの使用が必要であることが
周知である。
【0043】つい最近印刷された特許WO 97/24454及びU
S 5,897,995は、40−80(WO 97/24454)若しくは14
0に等しい(US 5,897,995)オーダーの、反応媒体で使用
されるカタラーゼのユニット数と、オキシドレダクター
ゼ(グルコースオキシダーゼ)のユニット数の間の比
(以下でC/O比として周知である)を考慮している。
【0044】最後に、上述のHALTRICH及びLEITNERによ
る文献は、限外濾過による反応媒体からの抽出の後、オ
キシドレダクターゼ(ピラノースオキシダーゼ)及びB
SAのリサイクリングの可能性と共に−不安定である使
用されるカタラーゼとは異なり−、反応媒体の5mg/
mlの量でのBSAの使用と組み合わせて、1000の
C/O比を推奨する。
【0045】LEITNERによる別の教示は、活性炭素に沈
着した白金が、その使用が標準的な操作条件の下でP2
O活性の95%より多くの損失を引き起こすため、カタ
ラーゼの代替物として実際には使用できないという事実
に関する。
【0046】結論として、カタラーゼを使用するコスト
にも関わらず、今日まで増大する関心及び使用を問題に
する重大な考慮はなされていなかった。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】かなりの研究の後、例
えばグルコソンまたはグルコン酸のような酵素的に酸化
された有機物質の効果的な調製のための新規な手段が開
発され、上記手段は所望であれば、減少したまたはゼロ
の量のカタラーゼ、及び/またはBSAのような保護剤
の存在下で上記物質を得ることが可能である。
【0048】
【課題を解決するための手段】本出願人は特に、驚くべ
き及び予期せぬことに、少量でのルテニウム及びパラジ
ウムが、特に白金とは異なり、カタラーゼの代替物とし
て有利に使用でき、ピラノース若しくはグルコースオキ
シダーゼのようなオキシドレダクターゼを、高い収率且
つ優れた選択性で迅速に機能させ得ることを見出した。
【0049】とりわけ本発明は、酸化工程を含み、その
間有機物質が、過酸化水素を発生可能な酵素的手段の酸
化作用を受ける、有機物質の変換のための方法に関し、
この方法は、上記酸化工程が、ルテニウム、パラジウム
及びそれらの混合物から選択される金属の0.001%
から1%の存在下で全体的若しくは部分的に実施される
ことを特徴とし、これらのパーセンテージは、反応媒体
の全乾燥重量に対するルテニウム及びパラジウムの全乾
燥重量として表される。
【0050】
【発明の実施の形態】有利には上記金属は、0.005
%から0.2%の範囲の量で存在する。
【0051】上述のように、上記金属が、酵素的酸化の
手段と完全に同時に反応媒体中に存在することは必須で
はない;他方の前に、反応媒体中に導入し、及び/また
は反応媒体から引き出してもよい。ルテニウム及び/ま
たはパラジウムは、特に浸入またはイオン交換といった
何れかの周知な方法によって得られる、とりわけ支持体
上への固定化形態といったいずれかの適切な形態で導入
してもよい。該支持体は、例えば活性炭素、炭、ゼオラ
イト、二酸化チタン、若しくは炭素繊維型の合成ポリマ
ーより成ってもよい。ここで目的とされる方法の優れた
利点は、一般的に通常のカタラーゼでは不可能であっ
た、上記金属をリサイクリングできることである。
【0052】ここで考慮される酵素的酸化の手段の少な
くとも一つに対する基質として使用できる、特にサッカ
リド性質を有する有機物質は、上述されたとおりであ
り、特にモノサッカリド、ジサッカリド及びそれらの誘
導体、例えばすでに酸化されているものに関する。
【0053】本発明の文脈の範囲内で用語、「酵素的酸
化の手段」は、特に上述の文献"ENZYME NOMENCLATURE"
の意味において1.1.3群のオキシドレダクターゼ、
並びにこれらの酵素の少なくともいずれか二つの混合物
を意味し、上記酵素は、それらが部分的または全体的に
精製された形態で存在し、及び/または上記酵素を合成
する生物によって、遊離形態または支持体への固定化形
態で使用できることが特定される。
【0054】例として、酵素的酸化の手段は、グルコー
スオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、ガラクトー
スオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、L-ソルボー
スオキシダーゼ、セロビオースオキシダーゼ、L-グロノ
ラクトンオキシダーゼ、L-ガラクトノノラクトンオキシ
ダーゼ、アルコールオキシダーゼ、第二級アルコールオ
キシダーゼ、または(S)-2-ヒドロキシ酸オキシダーゼ、
及び現在若しくは将来のそれぞれの同等物の活性の少な
くとも一つを有する酵素若しくは酵素の混合物から選択
できる。
【0055】有利には、酵素的酸化の手段は、グルコー
スオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、ガラクトー
スオキシダーゼ、またはピラノースオキシダーゼ活性の
少なくとも一つを有する。
【0056】それはとりわけ、ピラノースオキシダーゼ
及び/またはグルコースオキシダーゼ活性を有する、遊
離形態若しくは支持体への固定化形態の部分的に若しく
は全体的に精製された酵素に基づく調製物、または遊離
形態若しくは支持体への固定化形態の、このタイプの酵
素を合成する生物に基づく調製物であってもよい。
【0057】有利にリサイクル可能な上記生物、酵素的
調製物及び酵素は、本記載の必須の部分を形成する上述
の特許及び科学文献に記載されている。それらは例え
ば、以下の生物のいずれかから由来する(いずれかより
成る)ことが可能である: − とりわけピラノースオキシダーゼを合成可能な、Po
lyporus obtusus、Trametes multicolor、Coriolus ver
sicolor、Lenzites betulinus、Oudemansiella mucid
a、Aspergillus flavus; − とりわけグルコースオキシダーゼを合成可能な、As
pergillus niger、Aspergillus oryzae; 並びに天然起源のまたはさもなければ特に処理、突然変
異若しくは遺伝的操作から生じた、現在若しくは将来の
全ての分類学的及び/または機能的同等物。
【0058】好ましくは酵素的酸化の手段は、ピラノー
スオキシダーゼ活性を有する。
【0059】本発明に従った方法の変形例に従って、酵
素的酸化工程は、上記特定化されたように、1000未
満、特に以下のカタラーゼ/オキシドレダクターゼ活性
の比(C/O比)の存在下で実施される: − もしオキシドレダクターゼがピラノースオキシダー
ゼより成るのであれば、500未満、好ましくは200
未満、または − もしオキシドレダクターゼがグルコースオキシダー
ゼより成るのであれば、40未満。
【0060】オキシドレダクターゼの調製は、該酵素の
精製の継続する努力にも関わらず、物理的にそれと比較
的密接に関連する、比較的高いカタラーゼ活性を同時に
示すことが、ここで想起されるべきである。これは特
に、カタラーゼもまた含む媒体からの、未だ不完全な精
製及び/またはリサイクリングのためである。それ故上
記オキシドレダクターゼの使用は、「外因性」カタラー
ゼ活性とは区別されるべき、即ち所定の態様で、同時に
さもなければ「外因性」カタラーゼ活性と共に、オキシ
ドレダクターゼ活性とは独立に提供される、「内因性」
カタラーゼ活性の混在する使用を含むであろう。
【0061】本発明に従った方法の変形例に従って、酵
素的酸化工程は、カタラーゼ活性のいずれかの外因性の
供給の不存在下で実施される。
【0062】別の変形例に従って、酵素的酸化の手段及
び金属(ルテニウム及び/またはパラジウム)は、同じ
支持体に固定化される。
【0063】酵素的酸化の手段の基質として使用される
有機物質の濃度は、従来技術に関するようないずれかの
特定の拘束をも受けない。有機物質は、2%から70
%、特に4%から60%の範囲の乾燥物質(「DS」)
含有量を有する溶液の形態で特に提供され得る。それは
例えば、ピラノースオキシダーゼ若しくはグルコースオ
キシダーゼの基質として使用できる、5%より大きい、
特に6%から55%の範囲のDSを有するグルコース溶
液でもよい。実際に酵素的酸化反応は、もし酵素的酸化
の手段がピラノース若しくはグルコースオキシダーゼよ
り成るのであれば、15℃から60℃、例えば20℃か
ら35℃の範囲の温度で一般的に実施される。
【0064】反応媒体のエアレーション、攪拌及びpH
に関するものを含む他の反応パラメーターは、文献に一
般的に見出されるものである。
【0065】しかしながら本出願人は、ピラノースオキ
シダーゼの場合、反応混合物のpHが有利には約5.5
以上、特に5.6から6.5の範囲にあることを見出し
た。
【0066】上述のように、本発明に従った方法は、非
常に短時間で、非常に高い収率且つ選択性でグルコース
からグルコソンのような酸化物質を得ることが、顕著に
可能である。もし酸化の手段がピラノースオキシダーゼ
活性であるならば、それ故本発明に従った方法は、酵素
的酸化工程が6時間未満、好ましくは5時間未満の継続
時間を有するという事実によって有利に特徴付けでき
る。
【0067】結論として、酸化有機物質を得るための新
規で、単純で、効率的で、安価で、非常に選択的な手段
が、ここで入手可能である。
【0068】この手段は、少なくとも一つの位置で酸化
し、任意にラクトン化した、グルコース、ガラクトー
ス、マンノース、キシロース、ソルボース、マルトー
ス、ラクトース、及びこれらの産物の少なくともいずれ
か二つのいずれかの混合物を含む群から好ましくは選択
される、少なくとも一つのモノサッカリドまたはジサッ
カリドを含むサッカリド組成物の調製に、とりわけグル
コソン、ガラクトソン、キシロソン、グルコシル-グル
コソン、2,5-ジケト-フルクトース、グルコン酸、ガラ
クトン酸、2-ケト-グルコン酸、2-ケト-グルカル酸、2,
5-ジケト-グルコン酸、イソアスコルビン酸、遊離形態
及び/またはラクトン化形態及び/または塩の形態の上
記酸、並びに上記産物の少なくともいずれか二つのいず
れかの混合物を含む群から選択される少なくとも一つの
産物に基づく組成物の調製に、特に適している。
【0069】特にその純度のため、本発明に従って得ら
れる酸化有機物質は、所望であれば、特に化学的性質の
一つ以上の後の修飾工程を有利に受けてもよい。
【0070】本発明の方法は、ルテニウム及び/または
パラジウムの存在下での酵素的酸化工程に引き続き、酵
素的に酸化した、任意に精製した有機物質の還元または
酸化に関与する少なくとも一つのさらなる工程を含むこ
とを特徴とする、上述の方法に特に関する。
【0071】還元工程は、上述のHALTRICH及びLEITNER
による文献に記載されたように、酵素的に実施されても
よい。有利には、それは上述の特許WO 81/03666、US 4,
321,324及びUS 4,423,149に記載された触媒的水素化工
程である。
【0072】例として、ピラノースオキシダーゼ並びに
ルテニウム及び/またはパラジウムの存在下でグルコー
スから得られたグルコソン調製物は、特に触媒毒物とし
て機能するギ酸若しくは他の種の低い含有量のため、さ
らなる酸化若しくは触媒的水素化工程を有利に受けても
よい。
【0073】さらに、本発明に従った方法の別の優れた
経済的利点は、引き続く触媒的水素化工程の間に使用す
る目的で、酵素的酸化工程の間で使用されたルテニウム
及び/またはパラジウムのリサイクルが可能であること
である。
【0074】それ故、一つの変形例に従って、この方法
は、連続的な若しくはバッチワイズのさらなる触媒的水
素化工程を含むことを特徴とし、これはまた好ましく
は、事前の酵素的酸化工程からリサイクルされる若しく
はリサイクルされないルテニウム及び/またはパラジウ
ムの存在下で実施される。
【0075】それ故この方法は、水素化されたまたはさ
れない、フルクトース、ソルビトール、マンニトール、
タガトース、グルコシル-ソルビトール、グルコシル-マ
ンニトール、並びにこれらの産物の少なくともいずれか
二つのいずれかの混合物から選択される少なくとも一つ
の産物を含む、サッカリド組成物の調製のために有利に
使用されてもよい。
【0076】本発明に従った方法の別の変形例に従っ
て、酵素的酸化工程は、継続的に実施される。かくして
上記工程を受ける必要のある有機物質は、反応媒体中に
継続的に導入され、例えばグルコソンといった上記工程
を受けた酸化有機物質は、上記反応媒体から継続的に除
外される。
【0077】この場合、ルテニウム及び/またはパラジ
ウム(支持体上の)は、反応媒体中に浸液された穴の空
いた且つ一般的に固定化された容器中に配置された、小
球の形態で有利に使用され得る。かくして該金属小球
は、反応媒体と継続的に接触したままであり得る。
【0078】さらに、別の変形例に従って、酸化有機物
質は、事前に使用される酵素的酸化の手段及び/または
金属(ルテニウム及び/またはパラジウム)の全て若し
くは一部の連続的な若しくはバッチワイズのリサイクリ
ングを可能にする観点から、同様に連続的に若しくはバ
ッチワイズで、少なくとも一つの後の濾過工程、例えば
マイクロ濾過及び/または限外濾過を有利に受けてもよ
い。かくして精製された酸化有機物質、例えばグルコソ
ンは、次いですでに上述したような、後の特に連続的な
水素化工程を受けてもよい。
【0079】本発明は、制限的な態様では存在しない、
以下の実施例の補助の下でより詳細に記載されるであろ
う。
【0080】
【実施例】実施例1 1リットルの10%グルコース溶液、1mlの消泡剤
(PEG)、5gのウシ血清アルブミン(BSA)を、
Trametes multicolorから由来し、カタラーゼ/オキシ
ドレダクターゼ活性の比(C/O比)が約50/1であ
るような内因性カタラーゼ活性を有する液体酵素調製物
の形態で提供された、ピラノースオキシダーゼ(P2
O)の2000ユニットと共に2l反応器内に導入す
る。
【0081】カタラーゼの活性を、BERGMEYER等による"
Methods of Enzymatic Analysis",第三版, 1983, vol.I
II, "Enzymes 1: Oxidoreductases, Transferases"中の
3.9.1に記載されたUV法に従って測定する。
【0082】ピラノースオキシダーゼの活性を、上述の
LEITNERによる文献に従って測定する。
【0083】反応の開始(TO)は、グルコース及びP
2Oが互いに接触された瞬間に対応するように定義され
る。
【0084】反応媒体を、一定の攪拌(500rp
m)、エアレーション(1lのエアー/媒体のl/分)
及び温度(30℃)の条件の下で維持する。媒体のpH
を、1M重炭酸カリウムを使用して5.8の値に調節す
る。
【0085】この試験(TEST T1)の間、反応媒体中の所
望の酸化生産物の含有量、主にグルコソン(以下で"GLO
2"として周知である)を測定し、さらに任意に残余グル
コース含有量("GLU")、並びにアラビノン酸(遊離及び
ラクトン化形態−集合的に"ARA"として周知である)、
ギ酸("FOR")または酢酸("ACE")のような非所望の酸化生
産物の含有量を測定する。
【0086】TEST T2からT4及びAからEを、TOで若し
くはだいたいTOで、それぞれ以下のものを反応媒体に
さらに導入することを除いて、TEST T1で使用されたも
のと同じ一般的条件の下で実施する: − TEST T2:2gのNORIT社製の"SX PLUS"活性炭素; − TEST T3:8×104ユニットの"SIGMA C 30"外因性
カタラーゼ; − TEST T4:3×106ユニットの"SIGMA C 30"外因性
カタラーゼ; − TEST A :金属の乾燥重量/反応媒体の全乾燥重量
として表して、約0.05%の金属(Pt)を提供す
る、1.16gの活性炭素上の白金; − TEST B :約2%の金属(Ni)を提供する、2g
のRaneyニッケル; − TEST C :約2%の金属(Cu)を提供する、2g
のRaney銅; − TEST D :約0.05%の金属(Ru)を提供す
る、2gの活性炭素上のルテニウム; − TEST E :約0.05%の金属(Pd)を提供す
る、1.37gの活性炭素上のパラジウム。
【0087】TEST T1からT4及びAからEのそれぞれにつ
いて、TX、即ちTOの後のX時間で、反応媒体中のグ
ルコソン"GLO2"濃度、並びに任意に他の化合物の濃度に
関して得られた結果が以下に表され、パーセンテージ
は、反応媒体の全乾燥重量に対する得られた生産物の乾
燥重量に関して表される。
【0088】 NS=分析の間生産物は見出せない abs=分析の間生産物は検出されない
【0089】全体として考慮すると、これらの結果は、
白金だけでなくニッケル及び銅のような金属は、ここで
考慮される酵素的酸化媒体によって構成された種類の複
雑で特別な媒体において、有効に使用することはできな
いことを示す。
【0090】さらなる分析は、以下のことを示す: a)白金の存在下で、ピラノースオキシダーゼ活性の約
90%が、5時間の反応の後阻害され、反応を継続する
ことは、グルコソン濃度のわずかな増大のみを生じ、残
余グルコースの顕著な部分(〜10%)は、非所望の副
産物に変換された; b)銅の存在下で、ピラノースオキシダーゼ活性は、
3.5時間の反応の最後で完全に阻害され、さらに20
00ユニットのピラノースオキシダーゼ自体の添加は、
15分で完全に役に立たなくなった; c)ニッケルの存在下で、ピラノースオキシダーゼ活性
の40%以上が、3時間の反応の後阻害され、さらに媒
体中に属の非常に顕著な溶解(〜30%)を伴った。
【0091】これに対してこれらの結果は、ルテニウム
及びパラジウムが、グルコースの完全な変換及び非常に
高い選択性を伴って、非常に短い時間、即ち約4−5時
間のオーダーでグルコソンを得るという観点で、ピラノ
ースオキシダーゼのようなオキシドレダクターゼと有利
に組み合わせ得ることを示す。
【0092】上記金属の不存在化および特に高いカタラ
ーゼ(内因性+外因性)/オキシドレダクターゼ比、特
にTEST T4の場合に1.5×103より高い場合、4時間
の反応の後、グルコースの変換の度合が60%に到達す
ることはできない。
【0093】活性炭素は、この変換の度合を改良でき、
4時間で約87%(86.8%−cf.TEST 2)の値に
到達できる。しかしながら、本出願人は、もし反応がこ
の方法、即ち活性炭素の存在下だが、ルテニウム及び/
またはパラジウムの不存在下で継続されるのであれば、
反応は大量の非所望の副産物の生産を伴って顕著に下降
することを確認した。それ故5時間の反応の後、グルコ
ソンの生産は、非常に顕著な残余グルコース濃度(3.
5%)且つ比較的高い非所望の副産物(6.3%)と共
に90%(89.8%)より未だ低い。
【0094】0.125%のルテニウムを導入する
(0.05%の代わりに)点を除いてTEST Dと等しいさ
らなる試験により、4時間の反応後、顕著な選択性を有
して、少なくとも90%に等しいグルコースの変換の度
合を得る可能性を確認した。
【0095】実施例2 この実施例は、グルコース(150g/lを含む溶液)
をグルコン酸に変換する観点から、内因性カタラーゼ活
性(7/1のカタラーゼ/オキシドレダクターゼ活性の
比)を有するグルコースオキシダーゼ調製物(1000
ユニット/媒体のg)と組み合わせた、0.005%の
ルテニウムを使用する利点を示した。
【0096】33℃でpH5.5(50%NaOHで調
節)での5時間の反応の後、ルテニウムの存在下で、グ
ルコースからグルコン酸への変換の度合(〜34%)
は、上記金属の不存在下で得られたもの(〜10%)よ
りも少なくとも3倍大きいことが観察された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギー・フルシュ フランス・59190・アズブルーク・リュ・ ガンベッタ・15 (72)発明者 ディディエ・モアンヌ フランス・59660・メルヴィル・ル・サー ル・リュ・デール・110 (72)発明者 パトリック・フュエルト フランス・59130・ランベルサール・アヴ ニュ・ケネディ・2

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機物質が過酸化水素を生産可能な酵素
    的手段の酸化作用を受ける酸化工程を含む有機物質の変
    換のための方法であり、上記酸化工程がルテニウム、パ
    ラジウム及びそれらの混合物から選択される金属の0.
    001%から1%の存在下で、全体的または部分的に実
    施され、これらのパーセンテージは、反応媒体の全乾燥
    重量に対するルテニウム及びパラジウムの全乾燥重量と
    して表されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 該金属が0.005%から0.2%の範
    囲の量で存在し、これらのパーセンテージは反応媒体の
    全乾燥重量に対するルテニウム及びパラジウムの全乾燥
    重量として表されることを特徴とする、請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 酵素的酸化工程を受ける有機物質が、好
    ましくはモノサッカリド、ジサッカリド、モノサッカリ
    ド及びジサッカリドの酸化若しくは水素化誘導体、並び
    にこれらの産物の少なくともいずれか二つのいずれかの
    混合物を含む群から選択される、サッカリド物質である
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 酵素的酸化の手段が、1.1.3群のオ
    キシドレダクターゼ、並びにこれらの酵素の少なくとも
    いずれか二つのいずれかの混合物から選択され、上記酵
    素が、部分的または完全に精製された形態であるよう
    に、及び/または上記酵素を合成する生物によって、遊
    離形態若しくは支持体上に固定化された形態で使用され
    ることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 酵素的酸化の手段が、グルコースオキシ
    ダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、ガラクトースオキシ
    ダーゼ若しくはピラノースオキシダーゼ活性の少なくと
    も一つを有する、好ましくはグルコースオキシダーゼ若
    しくはピラノースオキシダーゼ活性の少なくとも一つを
    有する、より好ましくはピラノースオキシダーゼ活性を
    有する、酵素若しくは酵素の混合物から選択されること
    を特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 酵素的酸化工程が、1000未満、特
    に: − もしオキシドレダクターゼがピラノースオキシダー
    ゼより成るならば、500未満、好ましくは200未
    満、または; − もしオキシドレダクターゼがグルコースオキシダー
    ゼより成るならば、40未満; のカタラーゼ/オキシドレダクターゼの比の存在下で実
    施されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか
    一項記載の方法。
  7. 【請求項7】 酵素的酸化工程に引き続き、任意に精製
    された酵素的酸化有機物質の還元若しくは酸化に関与す
    る少なくとも一つのさらなる工程を含むことを特徴とす
    る、請求項1から6のいずれか一項記載の方法。
  8. 【請求項8】 さらなる工程が、連続的またはバッチワ
    イズの触媒的水素化工程より成り、これが、事前の酵素
    的酸化工程からリサイクルされた若しくはされないルテ
    ニウム及び/またはパラジウムの存在下で好ましくは実
    施されることを特徴とする、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも一つの部位で酸化され任意に
    ラクトン化された、好ましくはグルコース、ガラクトー
    ス、マンノース、キシロース、ソルボース、マルトー
    ス、ラクトース、及びこれらの産物の少なくともいずれ
    か二つのいずれかの混合物を含む群から好ましくは選択
    される、少なくとも一つのモノサッカリドまたはジサッ
    カリドを含むサッカリド組成物の調製のための、特にグ
    ルコソン、ガラクトソン、キシロソン、グルコシル-グ
    ルコソン、2,5-ジケト-フルクトース、グルコン酸、ガ
    ラクトン酸、2-ケト-グルコン酸、2-ケトグルカル酸、
    2,5-ジケト-グルコン酸、イソアスコルビン酸、遊離形
    態及び/またはラクトン化形態及び/または塩の形態の
    上記酸、並びに上記産物の少なくともいずれか二つのい
    ずれかの混合物を含む群から選択される少なくとも一つ
    の産物に基づく組成物の調製のための、請求項1から7
    のいずれか一項記載の方法の使用。
  10. 【請求項10】 水素化された若しくはされない、フル
    クトース、ソルビトール、マンニトール、タガトース、
    及びグルコシル-ソルビトール、グルコシル-マンニトー
    ル、並びにこれらの産物の少なくともいずれか二つのい
    ずれかの混合物を含む群から選択される少なくとも一つ
    の産物を含むサッカリド組成物の調製のための、請求項
    7または8記載の方法の使用。
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