JP5358802B2 - 新規な希少糖脂肪酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

新規な希少糖脂肪酸ジエステルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、希少糖脂肪酸ジエステル製造方法に関する。
希少糖の大量生産により、その様々な生理活性が明らかになりつつある。D−グルコースやD−フラクトースなどの単糖と比べて脂肪合成を促進せず、体脂肪、特に腹腔内脂肪を蓄積させない糖として、D−プシコースが注目されている(非特許文献1)。
また、D−プシコースの有効エネルギー価はほぼゼロであることも報告されている(非特許文献2)。
さらに、より実用的な応用研究のため、プシコースのレチノイン酸エステル(特許文献1)、D−アロース−6−オクタン酸エステル、D−アロース−6−デカン酸エステルおよび、D−アロース−6−ドデカン酸エステル(特許文献2)などの希少糖のエステルがせいぞうされているが、希少糖の水酸基を選択的に直鎖脂肪酸ジエステルに変換すれば、膜親和性あるいは膜透過性が増加し、希少糖より生理活性が増加することが期待できる。
特開平2005―263669号公報 特開平2005―263740号公報 Matsuo T, et al., Asia Pacific J. Clin. Nutr. 10, 233-237, 2001 Matsuo T, et al., J. Nutr. Sci. Vitaminol 48, 77-80, 2002
本発明は、希少糖の水酸基を選択的に直鎖脂肪酸ジエステルに変換する方法を提供することを目的とする。
希少糖の脂肪酸ジエステルは、膜親和性あるいは膜透過性が増加し、希少糖より生理活性が向上し、その結果、希少糖の実用的な応用研究に役立つことが期待できる。
また、本発明は、新規な希少糖の脂肪酸ジエステルを提供することを目的とする。
本発明は、下記の()の希少糖脂肪酸ジエステルの製造方法を要旨とする
(1)下記の反応式1
(反応式1中、nは、6、8または10の整数である)
で表される、希少糖に属するD−プシコース(I)をオクタン酸ビニルエステル、デカン酸ビニルエステルおよびドデカン酸ビニルエステルからなる群から選ばれる一の脂肪酸ビニルエステルからなる脂肪酸アシル供与体(II)と、リパーゼNovozyme435(ノボザイム社製)の存在下溶媒としてのアセトニトリル中で接触させることによって希少糖残基がD−プシコース残基である、D−プシコース脂肪酸ジエステル(III)を製造することを特徴とする希少糖脂肪酸ジエステルの製造方法
本発明は、新規な希少糖の脂肪酸ジエステル、すなわち、膜透過性が増加し、希少糖より生理活性が向上し、その結果、希少糖の実用的な応用研究に役立つことが期待できる希少糖脂肪酸ジエステルを提供することができる。
また、本発明は、希少糖の水酸基を選択的に直鎖脂肪酸ジエステルに変換する方法を提供することができる。
本発明の希少糖脂肪酸エステルの製造方法においては、原料糖類として、希少糖に属する種々のケトースを用いることができる。炭素数6の単糖として、プシコース,フラクトース,タガソース,ソルボースが挙げられる。より具体的にはD−
プシコース、D− タガトース、D− ソルボース、L− フラクトース、L− プシコース、L− タガトース、L− ソルボースが挙げられる。
本発明の希少糖脂肪酸エステルの製造方法に使用する他方の原料は、同一でもまたは異なっていてもよく、それぞれ炭素数6〜22の飽和または不飽和の、線状または分岐状の遊離脂肪酸またはその誘導体、好ましくは遊離脂肪酸、脂肪酸塩化物、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸ビニルエステル、無水脂肪酸、および脂肪族アシル供与体として働く脂肪酸の任意の他の活性化形態からなる群から選択される。より好ましくは脂肪酸ビニルエステルである。脂肪酸ビニルエステルは、公知の化合物であり、公知の方法により得るか、または市販品を用いればよい。オクタン酸ビニルエステル、デカン酸ビニルエステル、ドデカン酸ビニルエステルが好ましいものとして例示されるが、酵素の基質特異性や、反応条件などから適当な物を選択することが望ましい。
脂肪酸又は脂肪酸の低級アルコールエステルも使用できるが、反応時間が長くなり、収率も低くなる。脂肪酸又は脂肪酸の低級アルコールエステルである。脂肪酸は、炭素数6〜22の飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖脂肪酸であり、このような脂肪酸であれば、水酸基,カルボニル基,フェニル基等で置換されたものでも良い。具体的には、脂肪酸としてカプロン酸,ソルビン酸,カプリル酸,カプリン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミトレイン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,イソステアリン酸,オレイン酸,リノール酸,リノレン酸,ペンタデカン酸,エイコサン酸,ドコサン酸,ドコセン酸,アラキドン酸,リシノレイン酸,ジヒドロキシステアリン酸等を使用することができる。
脂肪酸のエステルとしては、上記炭素数6〜22の脂肪酸と低級アルコール、例えばメタノール,エタノール,プロパノールとのエステルを使用するものであり、具体的にはカプロン酸メチル,カプロン酸エチル,カプリン酸メチル,カプリン酸エチル,ラウリン酸メチル,ラウリン酸エチル,ラウリン酸プロピル,ミリスチン酸メチル,ミリスチン酸エチル,ミリスチン酸プロピル,パルミチン酸メチル,パルミチン酸エチル,パルミチン酸プロピル,ステアリン酸メチル,ステアリン酸エチル,ステアリン酸プロピル,オレイン酸メチル,オレイン酸エチル,オレイン酸プロピル,リノール酸メチル,リノール酸エチル,リノール酸プロピル,リノレン酸メチル,リノレン酸エチル,リノレン酸プロピル,エイコサン酸メチル,アラキドン酸メチル,ドコサン酸メチル,ドコセン酸メチル等が例示される。
本発明において、上記両原料の使用量は適宜選定されるが、通常糖類1モルに対して脂肪酸類1〜10モルが使用され、好ましくは1〜5モル、更に好ましくは2〜4モルである。この場合、脂肪酸類のモル比を上げると反応速度が増大するが、10モルを超えて使用しても反応速度はそれ以上増大せず、従って経済的見地から脂肪酸類の使用量は10モル以下とすることが好ましい。なお、本発明においては、糖類に対して脂肪酸類を過剰に使用しても、モノエステルが優先して得られ、ジエステル等の多置換体の副生が極めて低く抑えられる。
本発明は、上記両原料を加水分解酵素を用いて反応させるものである。ここで使用される加水分解酵素としては、豚膵臓リパーゼ,キャンディダ属由来の酵母リパーゼ,アスペルギルス属,ムコール属,シュードモナス属由来の菌体リパーゼ等のリパーゼ類、豚肝臓由来のエステラーゼ,トリプシン,キモトリプシン,サブチリシン等のプロテアーゼなどが挙げられる。また勿論、これらの酵母などのDNAを宿主に導入し、該宿主に生産させたリパーゼなどであってもよい。これらの中で、特に耐熱性を有し、また加水分解活性がpH5〜10、より好ましくは5.5〜9.5の範囲で最大値を有するものが好ましい。
例えば、耐熱性加水分解酵素としては、酵素粉末50mgを0.4mlのリン酸バッファー(0.1M,pH7)に溶解し、70℃で30分間加熱した後の残存活性が40%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは95%以上の耐熱性を有するものであれば種々のものを使用でき、特表平1−501120号公報記載のリパーゼなどが好適に用いられる。具体的には、キャンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来の耐熱性リパーゼ、キャンディダ・ツクバエンシス(Candida tsukubaensis,ATCC 24555)由来の耐熱性リパーゼ、キャンディダ・アウリクラリアエ(Candida auriculariae,ATCC 24121)由来の耐熱性リパーゼ、キャンディダ・フミコーラ(Candida humicola,ATCC14438)由来の耐熱性リパーゼ、キャンディダ・フォリアルム(Candida foliarum,ATCC 18820)由来の耐熱性リパーゼ、ムコール・マイハイ(Mucor miehei)由来の耐熱性リパーゼなどを挙げることができる。また、耐熱性プロテアーゼとしては、バチルス・サーモブロテオリキサス由来のもの(サーモライシン,商標)、サームス・アクアティカスYT−G由来のもの(アクアライシン,商標)などが用いられるが、勿論これらに限られるものではない。
なお、これらの加水分解酵素は精製品でも粗製品でもよく、更に加水分解酵素を生成する菌体(処理菌体、休止もしくは静止菌体)の乾燥品を使用することもできる。
上記加水分解酵素は、固定化して用いることができるが、その固定化方法としては、担体結合法、架橋法、包括法のうちいずれの方法を採用してもよい。特には、担体結合法が好適に採用できる。
固定化担体として具体的には、活性炭,多孔性ガラス,酸性白土,漂白土,カオリナイト,アルミナ,シリカゲル,ベントナイト,ヒドロキシアパタイト,リン酸カルシウム,金属酸化物等の無機物質、デンプン,グルテン等の天然高分子化合物、ポリエチレン,ポリプロピレン,フェノールホルマリン樹脂,アクリル樹脂,アニオン交換樹脂,カチオン交換樹脂等の合成高分子物質などを挙げることができるが、本発明では特に物理的形態として多孔性を有する合成高分子物質、例えば多孔性ポリエチレン,多孔性ポリプロピレン,多孔性フェノールホルマリン樹脂,多孔性アクリル樹脂が最も好ましく用いられる。なお、本発明では、酵素の活性発現を阻害しないものであれば上記以外の種々の固定化担体を使用しても何ら差し支えない。
固定化担体に対し固定化される加水分解酵素量は、通常固定化担体1gに対して0.1〜500mgの蛋白質量、特に加水分解酵素が蛋白質中に2〜50%程度含まれている蛋白質を固定化したものが好適である。
本発明において上記加水分解酵素の使用量は、特に限定されないが、上記糖類1重量部に対し好ましくは0.02〜1重量部、より好ましくは0.05〜0.8重量部、更に好ましくは0.08〜0.6重量部である。酵素量が少なすぎると反応速度が遅くなる傾向が生じ、一方酵素量が多すぎるとジエステル以上のポリエステルの副生成率が多くなる傾向にある。
糖類と脂肪酸類とを加水分解酵素を用いて酵素反応させる際、反応条件は適宜調整し得、低温でも反応は進行するが、反応速度を速めるため、40℃以上、特に50〜100℃、より望ましくは60〜90℃の温度で反応させることが好ましく、この温度条件で反応を行うと通常2〜10時間という短時間で転化率90%以上において反応を完結することができる。
上記酵素反応において、溶媒の使用が望ましいが、無溶媒で反応を行わせることもできる。
溶媒としては、この種の反応に公知のものを使用することができ、特に制限されるものではないが、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルが好ましく用いられる。
本発明方法により希少糖脂肪酸エステルを製造する際は、例えば基質液と加水分解酵素を反応槽に導入し、撹拌、振盪により反応を行う方法(回分式)、前記回分式で反応を連続的に行う方法(連続撹拌槽式)等を採用して行うことができる。
また、本発明方法では、酵素反応によりビニルアルコールが副生するが、すぐにアセトアルデヒドに異性化し、反応がほぼ完結する。脂肪酸又は低級アルコールとのエステルの場合、水又は低級アルコールが副生するが、この場合、この副生物の系中濃度が0.5重量%以下、特に0.1重量%以下となるように副生物を除去することが効率よく反応を進めるために好ましい。これら副生物を除去する方法としては、例えばゼオライト,モレキュラーシーブス,芒硝等を反応系外及び/又は反応系内で用いて吸着除去する方法、乾燥空気や不活性ガスを反応槽中に導入して気体中に蒸発させて除去するか、あるいは反応槽内を減圧にし、蒸発させて反応槽外に排出する方法等が挙げられ、これら除去方法を前述の酵素反応装置と適宜組み合わせると効率よく合成反応を行うことができる。
ここで、分縮器を用いる場合、反応中の真空度、分縮器の冷媒の温度及びコールドトラップの冷媒温度は、反応温度における反応溶媒の蒸気圧と反応進行と共に副生してくる水又は低級アルコールの蒸気圧を勘案して選定されるが、反応速度の観点からは冷媒の適切な温度調節によって反応溶媒のみの還流が可能である限り、反応中の真空度は高い方が望ましい。真空度は反応溶媒の種類、その他反応条件により適宜選ばれ、実用的に200Torr以下が採用される。
なお、得られた反応混合物は常法に従って精製し得、また、反応混合物中に含まれる未反応脂肪酸類はこれを分離、回収し、再使用することができる。
本発明では、酵素を失活させることなく反応を実施し得るため、長時間の連続反応や繰り返し回分反応を支障なく行うことができるので、工業的に極めて有利である。
希少糖の水酸基の選択的エステル化は、有機化学的反応では非常に難しく、保護、脱保護が必要で合成工程が長くなる。本発明においては、酵素リパーゼを用いた希少糖の選択的エステル化を検討し、新規の希少糖脂肪酸ジエステルを合成した。
(1)反応条件
リパーゼについては、amano-PS(Pseudomonas cepacia), amino-AK (Pseudomonas fluorescence), PPL(Porcine pancreas)およびNovozyme435 (Candida Antarctica)を検討し、溶媒については、ヘキサン、アセトン、アセトニトリルおよびピリジンを検討した結果、D−プシコースのアシル化は、固定化リパーゼNovozyme435とオクタン酸ビニルを用いてTHF中、45℃、2日間反応させると収率良く進行することが分かった。
同様に、デカン酸ビニルおよびドデカン酸ビニルを用いるとジアシル化反応が進行し、相当するD−プシコース直鎖脂肪酸ジエステルが得られた。
(2)分離条件
酵素反応後、反応混合物をセライトろ過し、リパーゼを取り除いた。ろ液を濃縮後、ヘキサン−酢酸エチル混合液で洗浄し、過剰の脂肪酸ビニルエステルを取り除いた。この後、通常のシリカゲルのカラムクロマトグラフィにより、D−プシコース脂肪酸ジエステルを精製した。大量合成の場合、ヘキサン−酢酸エチル混合液あるいはアセトンからの再結晶も有効である。
(3)構造決定結果
H-NMRおよび13C-NMRより、D−プシコース脂肪酸ジエステルは、1,6位の水酸基がエステル化されていることがわかった。また、糖部分は、5員環構造のフラノース型であることがわかった。また、アノマーの比は、α−アノマーとβ−アノマーが約1:1であることがH-NMR測定により明らかになった。D−プシコース直鎖脂肪酸ジエステルのα−アノマーでは、1,6位の2個の脂肪酸部分が立体的にシスの立体配置を取ることになり、β−アノマーと比べその物理化学的性質が大きく変わることが予想される。また、α−アノマーは生体の二分子膜に類似した構造であるので、生理活性の向上が大いに期待できる。
上記の、D−プシコース(I)をオクタン酸ビニル、デカン酸ビニルまたはドデカン酸ビニル(II)と、リパーゼの存在下で接触させD−プシコース脂肪酸ジエステル(III)を製造する反応は、下記の反応式1
(反応式1中、nは、6、8または10の整数である)
で表される。
式1の(III)の好ましい態様は、以下のとおりである。
n=6;1,6−ジオクタノイル−D−プシコース
n=8;1,6−ジデカノイル−D−プシコース
n=10;1,6−ジドデカノイル−D−プシコース
このようにして得られた希少糖脂肪酸エステルは、いずれも既存の食品乳化剤、家庭用洗剤の分野に使用されているグルコース、ガラクトース、スクロースなどの脂肪酸エステルと同じく優れた界面活性能を有するが、それらにとどまらずD−プシコースという生理活性を有する希少糖を含んでいるため、新たに医薬品及び化粧品の分野で非常に有用であることが期待される。
本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
〈D−プシコース1,6−オクタン酸ジエステル〉
D−プシコース(80mg)のアセトニトリル溶液(8 ml)にオクタン酸ビニル(0.26ml)とNovozyme435(80mg)を加え、45℃、250rpmで反応させた。TLC分析により、1日間で反応が終了していることを確認後、セライトを用いて反応混合物をろ過し、メタノールで3回洗浄した。ろ液を減圧下濃縮した。残留物をヘキサン−酢酸エチル混合液(0.5ml)で洗浄後、シリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製し、D−プシコース1,6−オクタン酸ジエステル(159mg、83%)を得た。
また、洗浄した反応物を一晩放置すると結晶化するので、ヘキサン−酢酸エチル混合液あるいはアセトンより再結晶できる。
mp 58-61 ℃;[α]D +10.0°(c1.0, CH3OH); IRnmax (KBr)cm-1: 3421, 2956, 1743, 1704, 1197, 1112, 964, 613;13C-NMR(100MHz, CD3OD)δ 14.4, 23.7, 26.0, 30.1, 30.2, 32.9, 34.9, 65.1(aC-6), 65.7(bC-6), 66.0(aC-1), 66.9(bC-1), 72.5(aC-3,4), 73.3 (bC-4), 76.2(bC-3), 81.5(aC-5), 81.7(bC-5), 103.2(aC-2), 106.0(bC-2), 174.7(6-bCO), 175.1(6-aCO), 175.39(1-aCO), 175.43(1-bCO).
〈D−プシコース1,6−デカン酸ジエステル〉
D−プシコース(80mg)のアセトニトリル溶液(8ml)にデカン酸ビニル(0.30ml)とNovozyme435(80mg)を加え、45℃、250rpmで反応させた。TLC分析により、1日間で反応が終了していることを確認後、セライトを用いて反応混合物をろ過し、メタノールで3回洗浄した。ろ液を減圧下濃縮した。残留物をヘキサン−酢酸エチル混合液(0.5ml)で洗浄後、シリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製し、D−アロース−6−デカン酸エステル(186mg、86%)を得た。
また、洗浄した反応物を一晩放置すると結晶化するので、ヘキサン−酢酸エチル混合液あるいはアセトンより再結晶できる。
mp 71-74 ℃;[α]D +4.0°(c1.0, CH3OH); IRnmax (KBr)cm-1: 3418, 2921, 2851, 1745, 1703, 1469, 1395, 1255, 1195, 1114, 965, 721;13C-NMR (100MHz, CD3OD)δ 14.4, 23.7, 26.0, 30.1, 30.2, 32.9, 34.9, 65.1(aC-6), 65.7(bC-6), 66.0(aC-1), 66.9(bC-1), 72.4(aC-4), 72.5(aC-3)73.3 (bC-4), 76.2(bC-3), 81.5(aC-5), 81.7(bC-5), 103.1(aC-2), 106.0(bC-2), 174.7(6-a, b CO), 175.1(1-aCO), 175.4 (1-bCO).
〈D−プシコース1,6−ドデカン酸ジエステル〉
D−プシコース(80mg)のアセトニトリル溶液(8ml)にドデカン酸ビニル(0.35ml)とNovozyme435(80mg)を加え、45℃、250rpmで反応させた。TLC分析により、1日間で反応が終了していることを確認後、セライトを用いて反応混合物をろ過し、メタノールで3回洗浄した。ろ液を減圧下濃縮した。残留物をヘキサン−酢酸エチル混合液(0.5ml)で洗浄後、シリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製し、D−アロース−6−ドデカン酸エステル(218mg、90%)を得た。
また、洗浄した反応物を一晩放置すると結晶化するので、ヘキサン−酢酸エチル混合液あるいはアセトンより再結晶できる。
mp 80-82 ℃; [α]D +2.0°(c1.0, CH3OH); IRnmax (KBr)cm-1: 3336, 2918, 2850, 2359, 1725, 1466, 1183, 1083, 949, 861, 720;13C-NMR(100MHz, CD3OD)δ 14.4, 23.7, 26.0, 30.1, 30.2, 32.9, 34.9, 65.1(aC-6), 65.7(bC-6), 66.0(aC-1), 66.9(bC-1), 72.5(aC-3,4), 73.3 (bC-4), 76.2(bC-3), 81.6(aC-5), 81.7(bC-5), 103.2(aC-2), 106.0(bC-2), 174.7(6-bCO), 175.1(6-aCO), 175.39(1-aCO), 175.43(1-bCO).
脂肪酸を用いて希少糖の脂溶性を高め、膜透過性が増加し、希少糖より生理活性が増加し、得られた希少糖エステルは、希少糖の用途である医薬品及び化粧品の分野で有用であることが期待される。

Claims (1)

  1. 下記の反応式1
    (反応式1中、nは、6、8または10の整数である)
    で表される、希少糖に属するD−プシコース(I)をオクタン酸ビニルエステル、デカン酸ビニルエステルおよびドデカン酸ビニルエステルからなる群から選ばれる一の脂肪酸ビニルエステルからなる脂肪酸アシル供与体(II)と、リパーゼNovozyme435(ノボザイム社製)の存在下溶媒としてのアセトニトリル中で接触させることによって希少糖残基がD−プシコース残基である、D−プシコース脂肪酸ジエステル(III)を製造することを特徴とする希少糖脂肪酸ジエステルの製造方法。
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