JPH05112592A - 糖類の脂肪酸モノエステルの製造方法 - Google Patents
糖類の脂肪酸モノエステルの製造方法Info
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- JPH05112592A JPH05112592A JP10351992A JP10351992A JPH05112592A JP H05112592 A JPH05112592 A JP H05112592A JP 10351992 A JP10351992 A JP 10351992A JP 10351992 A JP10351992 A JP 10351992A JP H05112592 A JPH05112592 A JP H05112592A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 炭素数5〜7の単糖類、ヘキソースからなる
2糖類、炭素数4〜6の糖アルコール、炭素数5〜7の
単糖類と一価アルコールとのエーテル化合物、並びにヘ
キソースからなる2糖類と一価アルコールとのエーテル
化合物から選ばれる糖類の1種又は2種以上と、炭素数
6〜22の飽和及び不飽和脂肪酸並びに該脂肪酸と低級
アルコールとのエステルから選ばれる脂肪酸類の1種又
は2種以上とを、加水分解酵素を用いて有機溶媒の存在
下で反応させることからなる糖類の脂肪酸モノエステル
の製造方法において、有機溶媒としてアセチルアセト
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン及びγ−ブチロラク
トンから選ばれる1種又は2種以上を使用する。 【効果】 本発明によれば、高い転化率で短時間に反応
が完結して糖類の脂肪酸モノエステルを選択的に製造す
ることができ、しかも反応溶媒の使用量を低減でき、工
業生産上有利である。
2糖類、炭素数4〜6の糖アルコール、炭素数5〜7の
単糖類と一価アルコールとのエーテル化合物、並びにヘ
キソースからなる2糖類と一価アルコールとのエーテル
化合物から選ばれる糖類の1種又は2種以上と、炭素数
6〜22の飽和及び不飽和脂肪酸並びに該脂肪酸と低級
アルコールとのエステルから選ばれる脂肪酸類の1種又
は2種以上とを、加水分解酵素を用いて有機溶媒の存在
下で反応させることからなる糖類の脂肪酸モノエステル
の製造方法において、有機溶媒としてアセチルアセト
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン及びγ−ブチロラク
トンから選ばれる1種又は2種以上を使用する。 【効果】 本発明によれば、高い転化率で短時間に反応
が完結して糖類の脂肪酸モノエステルを選択的に製造す
ることができ、しかも反応溶媒の使用量を低減でき、工
業生産上有利である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖脂肪酸モノエステ
ル、アルキルグリコシド脂肪酸モノエステルといった糖
類の脂肪酸モノエステル(以下、特にことわらない限
り、これらを総称して単に糖脂肪酸モノエステルとい
う)を効率よく合成することができ、このため工業生産
に適した糖脂肪酸モノエステルの製造方法に関する。
ル、アルキルグリコシド脂肪酸モノエステルといった糖
類の脂肪酸モノエステル(以下、特にことわらない限
り、これらを総称して単に糖脂肪酸モノエステルとい
う)を効率よく合成することができ、このため工業生産
に適した糖脂肪酸モノエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】グルコ
ース脂肪酸エステルやアルキルグルコシド脂肪酸エステ
ル等の糖脂肪酸エステル、特にモノエステルは、界面活
性剤として優れた特性を有することから、本出願人は先
に糖脂肪酸モノエステルを毛髪化粧料などに配合するこ
とを提案すると共に、糖脂肪酸モノエステルを選択的に
製造する方法について種々提案した(特開平3−765
93号、特開平4−16195,16196号公報)。
ース脂肪酸エステルやアルキルグルコシド脂肪酸エステ
ル等の糖脂肪酸エステル、特にモノエステルは、界面活
性剤として優れた特性を有することから、本出願人は先
に糖脂肪酸モノエステルを毛髪化粧料などに配合するこ
とを提案すると共に、糖脂肪酸モノエステルを選択的に
製造する方法について種々提案した(特開平3−765
93号、特開平4−16195,16196号公報)。
【0003】これらの方法は、糖類と脂肪酸類とを有機
溶媒の存在下にリパーゼ等の加水分解酵素を用いて反応
させる方法であり、上記方法は、糖脂肪酸モノエステル
を選択的に合成し得る点で従来の他の糖脂肪酸エステル
の製造法に比較して優越した方法であるが、通常、転化
率を90%以上とするためには反応時間として24時間
程度を要し、このため工場生産に際しては効率の点で改
良の余地があり、短時間で反応を完結させる方法が望ま
れる。
溶媒の存在下にリパーゼ等の加水分解酵素を用いて反応
させる方法であり、上記方法は、糖脂肪酸モノエステル
を選択的に合成し得る点で従来の他の糖脂肪酸エステル
の製造法に比較して優越した方法であるが、通常、転化
率を90%以上とするためには反応時間として24時間
程度を要し、このため工場生産に際しては効率の点で改
良の余地があり、短時間で反応を完結させる方法が望ま
れる。
【0004】なお、従来より糖脂肪酸エステルの製造方
法として、糖類と脂肪酸類とを有機溶媒の存在下に加水
分解酵素を用いて反応させることにより、糖脂肪酸エス
テルを製造する方法としては、本出願人による方法以外
にも、特開昭61−268192号公報やWO89/0
1480,WO90/09451公報などに提案がある
が、これらの方法は、モノエステルの選択製造性に劣る
などの問題があり、またいずれも反応完結に24時間程
度を要するという上記と同様の問題がある。
法として、糖類と脂肪酸類とを有機溶媒の存在下に加水
分解酵素を用いて反応させることにより、糖脂肪酸エス
テルを製造する方法としては、本出願人による方法以外
にも、特開昭61−268192号公報やWO89/0
1480,WO90/09451公報などに提案がある
が、これらの方法は、モノエステルの選択製造性に劣る
などの問題があり、またいずれも反応完結に24時間程
度を要するという上記と同様の問題がある。
【0005】本発明は上記の問題を解決したもので、モ
ノエステルの選択製造性に優れている上、反応が短時間
で完結するなど、生産効率に優れ、このため工場生産に
適した糖脂肪酸モノエステルの製造方法を提供すること
を目的とする。
ノエステルの選択製造性に優れている上、反応が短時間
で完結するなど、生産効率に優れ、このため工場生産に
適した糖脂肪酸モノエステルの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、炭素数
5〜7の単糖類、ヘキソースからなる2糖類、炭素数4
〜6の糖アルコール、炭素数5〜7の単糖類と一価アル
コールとのエーテル化合物、並びにヘキソースからなる
2糖類と一価アルコールとのエーテル化合物から選ばれ
る糖類の1種又は2種以上と、炭素数6〜22の飽和及
び不飽和脂肪酸並びに該脂肪酸と低級アルコールとのエ
ステルから選ばれる脂肪酸類の1種又は2種以上とを耐
熱性リパーゼ等の加水分解酵素を用いて有機溶媒の存在
下で反応させるに際し、有機溶媒としてアセチルアセト
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクト
ンの1種又は2種以上を用いることが有効であることを
知見した。
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、炭素数
5〜7の単糖類、ヘキソースからなる2糖類、炭素数4
〜6の糖アルコール、炭素数5〜7の単糖類と一価アル
コールとのエーテル化合物、並びにヘキソースからなる
2糖類と一価アルコールとのエーテル化合物から選ばれ
る糖類の1種又は2種以上と、炭素数6〜22の飽和及
び不飽和脂肪酸並びに該脂肪酸と低級アルコールとのエ
ステルから選ばれる脂肪酸類の1種又は2種以上とを耐
熱性リパーゼ等の加水分解酵素を用いて有機溶媒の存在
下で反応させるに際し、有機溶媒としてアセチルアセト
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクト
ンの1種又は2種以上を用いることが有効であることを
知見した。
【0007】即ち、上述した従来の本出願人の提案方法
では、有機溶媒として第2級アルコール、第3級アルコ
ールなどを使用することを提案しており、これらの有機
溶媒を用いると共に、特に耐熱性固定化リパーゼ等の耐
熱性固定化酵素を使用することにより、糖脂肪酸モノエ
ステルを選択的に得るようにしたものであるが、上述し
たように反応の完結には通常24時間程度を要するもの
である。
では、有機溶媒として第2級アルコール、第3級アルコ
ールなどを使用することを提案しており、これらの有機
溶媒を用いると共に、特に耐熱性固定化リパーゼ等の耐
熱性固定化酵素を使用することにより、糖脂肪酸モノエ
ステルを選択的に得るようにしたものであるが、上述し
たように反応の完結には通常24時間程度を要するもの
である。
【0008】しかし、有機溶媒として、アセチルアセト
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクト
ンを使用すると転化率が高いと共にモノエステルの生成
率が高く、糖類と脂肪酸類との反応を約10時間以内で
転化率90%以上において完結させることができ、特に
酵素濃度を高くするなどにより約2時間でもジエステル
生成量を増大させることもなく反応が完結し、このため
工場生産に有利であることを見出した。またこの場合、
これらの溶媒は、その使用量が少なくとも良好に反応が
進行し、従って基質濃度を高めて反応を行うことができ
るので、同量の基質を反応させるのに要する反応タンク
の容量を小さくすることができ、生産装置のコストを低
減し得る上、上記溶媒はジアセトンアルコール等の溶媒
と異なり、熱分解を起こさないため、反応終了後におい
て、反応系からの回収率も高く、70℃以上での反応で
も繰り返し回収でき、また反応進行中において、反応系
に副反応として生成してくる水や低級アルコールを除去
する場合、簡単な減圧法を採用しても上記溶媒は水や低
級アルコールに同伴されることがないため、実質的に水
や低級アルコールのみを除去、回収することができ、従
ってこの点からも工場生産に有利であることを知見し
た。
ン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクト
ンを使用すると転化率が高いと共にモノエステルの生成
率が高く、糖類と脂肪酸類との反応を約10時間以内で
転化率90%以上において完結させることができ、特に
酵素濃度を高くするなどにより約2時間でもジエステル
生成量を増大させることもなく反応が完結し、このため
工場生産に有利であることを見出した。またこの場合、
これらの溶媒は、その使用量が少なくとも良好に反応が
進行し、従って基質濃度を高めて反応を行うことができ
るので、同量の基質を反応させるのに要する反応タンク
の容量を小さくすることができ、生産装置のコストを低
減し得る上、上記溶媒はジアセトンアルコール等の溶媒
と異なり、熱分解を起こさないため、反応終了後におい
て、反応系からの回収率も高く、70℃以上での反応で
も繰り返し回収でき、また反応進行中において、反応系
に副反応として生成してくる水や低級アルコールを除去
する場合、簡単な減圧法を採用しても上記溶媒は水や低
級アルコールに同伴されることがないため、実質的に水
や低級アルコールのみを除去、回収することができ、従
ってこの点からも工場生産に有利であることを知見し
た。
【0009】しかも、上記溶媒を用いることによりモノ
エステルの選択性が低下するというようなこともなく、
ジエステル等の多置換体の副生を抑えてモノエステルを
選択的に得ることができ、それ故、上記溶媒の使用は糖
脂肪酸モノエステルを高い選択率において極めて効率良
くかつ経済的に製造し得るものであることを見出し、本
発明をなすに至ったものである。
エステルの選択性が低下するというようなこともなく、
ジエステル等の多置換体の副生を抑えてモノエステルを
選択的に得ることができ、それ故、上記溶媒の使用は糖
脂肪酸モノエステルを高い選択率において極めて効率良
くかつ経済的に製造し得るものであることを見出し、本
発明をなすに至ったものである。
【0010】以下、本発明につき更に詳述する。本発明
の糖脂肪酸モノエステルの製造方法において、その第1
原料は糖類である。本発明で用いる糖類は、炭素数5〜
7の単糖類、ヘキソースからなる2糖類、炭素数4〜6
の糖アルコール、炭素数5〜7の単糖類と一価アルコー
ルとのエーテル化合物、並びにヘキソースからなる2糖
類と一価アルコールとのエーテル化合物から選ばれる糖
類の1種又は2種以上である。
の糖脂肪酸モノエステルの製造方法において、その第1
原料は糖類である。本発明で用いる糖類は、炭素数5〜
7の単糖類、ヘキソースからなる2糖類、炭素数4〜6
の糖アルコール、炭素数5〜7の単糖類と一価アルコー
ルとのエーテル化合物、並びにヘキソースからなる2糖
類と一価アルコールとのエーテル化合物から選ばれる糖
類の1種又は2種以上である。
【0011】ここで、炭素数5の単糖として、アラビノ
ース,リボース,キシロース,リキソース,キシルロー
ス,リブロース,2−デオキシリボース等が挙げられ、
炭素数6の単糖として、グルコース,ガラクトース,フ
ラクトース,マンノース,ソルボース,タロース,2−
デオキシグルコース,6−デオキシガラクトース,6−
デオキシマンノース,2−デオキシガラクトース等が挙
げられ、炭素数7の単糖として、アロヘプツロース,セ
ドヘプツロース,マンノヘプツロース,グルコヘプツロ
ース等が挙げられる。
ース,リボース,キシロース,リキソース,キシルロー
ス,リブロース,2−デオキシリボース等が挙げられ、
炭素数6の単糖として、グルコース,ガラクトース,フ
ラクトース,マンノース,ソルボース,タロース,2−
デオキシグルコース,6−デオキシガラクトース,6−
デオキシマンノース,2−デオキシガラクトース等が挙
げられ、炭素数7の単糖として、アロヘプツロース,セ
ドヘプツロース,マンノヘプツロース,グルコヘプツロ
ース等が挙げられる。
【0012】また、ヘキソースからなる2糖類として
は、マルトース,シュクロース,ソホロース等が挙げら
れる。
は、マルトース,シュクロース,ソホロース等が挙げら
れる。
【0013】更に、糖アルコールとしては、エリスリト
ール,リビトール,キシリトール,アリトール,ソルビ
トール,マンニトール,ガラクチトール等が挙げられ
る。
ール,リビトール,キシリトール,アリトール,ソルビ
トール,マンニトール,ガラクチトール等が挙げられ
る。
【0014】炭素数5〜7の単糖類又はヘキソースから
なる2糖類と一価アルコールとのエーテル化合物として
は、一価アルコールの炭素数が1〜12、特に1〜6で
あるものが好ましく、このようなアルコールであれば、
その炭素鎖が直鎖、分岐鎖、飽和、不飽和、非置換、置
換のいずれのものであっても良いが、好ましくはメチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコールである。
なる2糖類と一価アルコールとのエーテル化合物として
は、一価アルコールの炭素数が1〜12、特に1〜6で
あるものが好ましく、このようなアルコールであれば、
その炭素鎖が直鎖、分岐鎖、飽和、不飽和、非置換、置
換のいずれのものであっても良いが、好ましくはメチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコールである。
【0015】この場合、糖類と一価アルコールとのエー
テル結合位置は特に制限されず、いずれの位置でも良
い。具体的に例示すると、メチルグルコシッド,エチル
グルコシッド,プロピルグルコシッド,メチルフラクト
シド,メチルマンノシド,メチルマルトシド,メチルラ
クトシド等のグリコシド類や6−O−メチルグルコー
ス,6−O−メチルフラクトース等の糖エーテル類が挙
げられる。なお、アルキルグルコシド類は、上記糖類の
ヘミアセタール(アノマ−)性水酸基にアルキル基をア
グリコンとして有するものが使用され、またヘミアセタ
ール(アノマ−)性水酸基のアルキル置換後の立体配置
がα,β各々単独のもの又はα及びβが任意の割合で混
合しているもののいずれも使用することができる。
テル結合位置は特に制限されず、いずれの位置でも良
い。具体的に例示すると、メチルグルコシッド,エチル
グルコシッド,プロピルグルコシッド,メチルフラクト
シド,メチルマンノシド,メチルマルトシド,メチルラ
クトシド等のグリコシド類や6−O−メチルグルコー
ス,6−O−メチルフラクトース等の糖エーテル類が挙
げられる。なお、アルキルグルコシド類は、上記糖類の
ヘミアセタール(アノマ−)性水酸基にアルキル基をア
グリコンとして有するものが使用され、またヘミアセタ
ール(アノマ−)性水酸基のアルキル置換後の立体配置
がα,β各々単独のもの又はα及びβが任意の割合で混
合しているもののいずれも使用することができる。
【0016】上述した糖類の中では、特にグルコース、
フラクトース、ガラクトース、マンノース、マルトー
ス、シュクロース、ソルビトール、メチルグルコシッ
ド、エチルグルコシッド、プロピルグルコシッド、ブチ
ルグルコシッド、メチルフラクトシッド、メチルポリグ
ルコシッド(マルトシッド、イソマルトシッド)が好適
に用いられる。
フラクトース、ガラクトース、マンノース、マルトー
ス、シュクロース、ソルビトール、メチルグルコシッ
ド、エチルグルコシッド、プロピルグルコシッド、ブチ
ルグルコシッド、メチルフラクトシッド、メチルポリグ
ルコシッド(マルトシッド、イソマルトシッド)が好適
に用いられる。
【0017】なお、本発明においては、置換基を有しな
い炭素数5〜7の単糖類、ヘキソースからなる2糖類、
並びに炭素数4〜6の糖アルコールから選ばれる糖類の
1種以上と、上記糖類と一価アルコールとのエーテル化
合物の1種以上とを併用混合することができ、これによ
りその併用比率に応じた比率でしかも生成効率よく糖脂
肪酸エステルと糖エーテル脂肪酸エステルとの混合物を
一挙に合成することができる。
い炭素数5〜7の単糖類、ヘキソースからなる2糖類、
並びに炭素数4〜6の糖アルコールから選ばれる糖類の
1種以上と、上記糖類と一価アルコールとのエーテル化
合物の1種以上とを併用混合することができ、これによ
りその併用比率に応じた比率でしかも生成効率よく糖脂
肪酸エステルと糖エーテル脂肪酸エステルとの混合物を
一挙に合成することができる。
【0018】次に、本発明の製造法の第2の原料は、炭
素数6〜22の脂肪酸又はその低級アルキルエステルで
ある。
素数6〜22の脂肪酸又はその低級アルキルエステルで
ある。
【0019】ここで、本発明に使用する脂肪酸は、炭素
数6〜22の飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖
脂肪酸であり、このような脂肪酸であれば、水酸基,カ
ルボニル基,フェニル基等で置換されたものでも良い。
具体的には、脂肪酸としてカプロン酸,ソルビン酸,カ
プリル酸,カプリン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パ
ルミトレイン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,イソス
テアリン酸,オレイン酸,リノール酸,リノレン酸,ペ
ンタデカン酸,エイコサン酸,ドコサン酸,ドコセン
酸,アラキドン酸,リシノレイン酸,ジヒドロキシステ
アリン酸等を使用することができる。
数6〜22の飽和もしくは不飽和で直鎖もしくは分岐鎖
脂肪酸であり、このような脂肪酸であれば、水酸基,カ
ルボニル基,フェニル基等で置換されたものでも良い。
具体的には、脂肪酸としてカプロン酸,ソルビン酸,カ
プリル酸,カプリン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パ
ルミトレイン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,イソス
テアリン酸,オレイン酸,リノール酸,リノレン酸,ペ
ンタデカン酸,エイコサン酸,ドコサン酸,ドコセン
酸,アラキドン酸,リシノレイン酸,ジヒドロキシステ
アリン酸等を使用することができる。
【0020】更に、脂肪酸のエステルとしては、上記炭
素数6〜22の脂肪酸と低級アルコール、例えばメタノ
ール,エタノール,プロパノールとのエステルを使用す
るものであり、具体的にはカプロン酸メチル,カプロン
酸エチル,カプリン酸メチル,カプリン酸エチル,ラウ
リン酸メチル,ラウリン酸エチル,ラウリン酸プロピ
ル,ミリスチン酸メチル,ミリスチン酸エチル,ミリス
チン酸プロピル,パルミチン酸メチル,パルミチン酸エ
チル,パルミチン酸プロピル,ステアリン酸メチル,ス
テアリン酸エチル,ステアリン酸プロピル,オレイン酸
メチル,オレイン酸エチル,オレイン酸プロピル,リノ
ール酸メチル,リノール酸エチル,リノール酸プロピ
ル、リノレン酸メチル,リノレン酸エチル,リノレン酸
プロピル,エイコサン酸メチル,アラキドン酸メチル,
ドコサン酸メチル,ドコセン酸メチル等が例示される。
素数6〜22の脂肪酸と低級アルコール、例えばメタノ
ール,エタノール,プロパノールとのエステルを使用す
るものであり、具体的にはカプロン酸メチル,カプロン
酸エチル,カプリン酸メチル,カプリン酸エチル,ラウ
リン酸メチル,ラウリン酸エチル,ラウリン酸プロピ
ル,ミリスチン酸メチル,ミリスチン酸エチル,ミリス
チン酸プロピル,パルミチン酸メチル,パルミチン酸エ
チル,パルミチン酸プロピル,ステアリン酸メチル,ス
テアリン酸エチル,ステアリン酸プロピル,オレイン酸
メチル,オレイン酸エチル,オレイン酸プロピル,リノ
ール酸メチル,リノール酸エチル,リノール酸プロピ
ル、リノレン酸メチル,リノレン酸エチル,リノレン酸
プロピル,エイコサン酸メチル,アラキドン酸メチル,
ドコサン酸メチル,ドコセン酸メチル等が例示される。
【0021】この場合、上記両原料の使用量は適宜選定
されるが、通常糖類1モルに対して脂肪酸類0.9〜2
0モルが使用され、好ましくは1〜10モル、更に好ま
しくは2〜5モルである。この場合、脂肪酸類のモル比
を上げると反応速度が増大するが、20モルを超えて使
用しても反応速度はそれ以上増大せず、従って経済的見
地から脂肪酸類の使用量は20モル以下とすることが好
ましい。なお、本発明においては、糖類に対して脂肪酸
類を過剰に使用しても、モノエステルが優先して得ら
れ、ジエステル等の多置換体の副生が極めて低くおさえ
られる。
されるが、通常糖類1モルに対して脂肪酸類0.9〜2
0モルが使用され、好ましくは1〜10モル、更に好ま
しくは2〜5モルである。この場合、脂肪酸類のモル比
を上げると反応速度が増大するが、20モルを超えて使
用しても反応速度はそれ以上増大せず、従って経済的見
地から脂肪酸類の使用量は20モル以下とすることが好
ましい。なお、本発明においては、糖類に対して脂肪酸
類を過剰に使用しても、モノエステルが優先して得ら
れ、ジエステル等の多置換体の副生が極めて低くおさえ
られる。
【0022】本発明は、上記両原料を加水分解酵素を用
いて後述する特定の有機溶媒中で反応させるものであ
る。ここで使用される加水分解酵素としては、豚膵臓リ
パーゼ,キャンディダ属由来の酵母リパーゼ,アスペル
ギルス属,ムコール属,シュードモナス属由来の菌体リ
パーゼ等のリパーゼ類、豚肝臓由来のエステラーゼ,ト
リプシン,キモトリプシン,サブチリシン等のプロテア
ーゼなどが挙げられる。また勿論、これらの酵母などの
DNAを宿主に導入し、該宿主に生産させたリパーゼな
どであってもよい。これらの中で、特に耐熱性を有し、
また加水分解活性がpH5〜10、より好ましくは5.
5〜9.5の範囲で最大値を有するものが好ましい。
いて後述する特定の有機溶媒中で反応させるものであ
る。ここで使用される加水分解酵素としては、豚膵臓リ
パーゼ,キャンディダ属由来の酵母リパーゼ,アスペル
ギルス属,ムコール属,シュードモナス属由来の菌体リ
パーゼ等のリパーゼ類、豚肝臓由来のエステラーゼ,ト
リプシン,キモトリプシン,サブチリシン等のプロテア
ーゼなどが挙げられる。また勿論、これらの酵母などの
DNAを宿主に導入し、該宿主に生産させたリパーゼな
どであってもよい。これらの中で、特に耐熱性を有し、
また加水分解活性がpH5〜10、より好ましくは5.
5〜9.5の範囲で最大値を有するものが好ましい。
【0023】例えば、耐熱性加水分解酵素としては酵素
粉末50mgを0.4mlのリン酸バッファー(0.1
M,pH7)に溶解し、70℃で30分間加熱した後の
残存活性が40%以上、好ましくは80%以上、更に好
ましくは95%以上の耐熱性を有するものであれば種々
のものを使用でき、特公表平1−501120号公報記
載のリパーゼなどに記載されたものが好適に用いられ
る。具体的には、キャンディダ・アンタークティカ(C
andida antarctica)由来の耐熱性リ
パーゼ、キャンディダ・ツクバエンシス(Candid
a tsukubaensis,ATCC 2455
5)由来の耐熱性リパーゼ、キャンディダ・アウリクラ
リアエ(Candida auriculariae,
ATCC 24121)由来の耐熱性リパーゼ、キャン
ディダ・フミコーラ(Candidahumicol
a,ATCC 14438)由来の耐熱性リパーゼ、キ
ャンディダ・フォリアルム(Candida foli
arum,ATCC 18820)由来の耐熱性リパー
ゼ、ムコール・マイハイ(Mucor miehei)
由来の耐熱性リパーゼなどを挙げることができる。ま
た、耐熱性プロテアーゼとしては、バチルス・サーモブ
ロテオリキサス由来のもの(サーモライシン ,商標)、
サームス・アクアティカスYT−G由来のもの(アクア
ライシン ,商標)などが用いられるが、勿論これらに限
られるものではない。
粉末50mgを0.4mlのリン酸バッファー(0.1
M,pH7)に溶解し、70℃で30分間加熱した後の
残存活性が40%以上、好ましくは80%以上、更に好
ましくは95%以上の耐熱性を有するものであれば種々
のものを使用でき、特公表平1−501120号公報記
載のリパーゼなどに記載されたものが好適に用いられ
る。具体的には、キャンディダ・アンタークティカ(C
andida antarctica)由来の耐熱性リ
パーゼ、キャンディダ・ツクバエンシス(Candid
a tsukubaensis,ATCC 2455
5)由来の耐熱性リパーゼ、キャンディダ・アウリクラ
リアエ(Candida auriculariae,
ATCC 24121)由来の耐熱性リパーゼ、キャン
ディダ・フミコーラ(Candidahumicol
a,ATCC 14438)由来の耐熱性リパーゼ、キ
ャンディダ・フォリアルム(Candida foli
arum,ATCC 18820)由来の耐熱性リパー
ゼ、ムコール・マイハイ(Mucor miehei)
由来の耐熱性リパーゼなどを挙げることができる。ま
た、耐熱性プロテアーゼとしては、バチルス・サーモブ
ロテオリキサス由来のもの(サーモライシン ,商標)、
サームス・アクアティカスYT−G由来のもの(アクア
ライシン ,商標)などが用いられるが、勿論これらに限
られるものではない。
【0024】なお、これらの加水分解酵素は精製品でも
粗製品でもよく、更に加水分解酵素を生成する菌体(処
理菌体、休止もしくは静止菌体)の乾燥品を使用するこ
ともできる。
粗製品でもよく、更に加水分解酵素を生成する菌体(処
理菌体、休止もしくは静止菌体)の乾燥品を使用するこ
ともできる。
【0025】また、上記加水分解酵素は、固定化して用
いることができるが、その固定化方法としては、担体結
合法、架橋法、包括法のうちいずれの方法を採用しても
よい。特には、担体結合法が好適に採用できる。
いることができるが、その固定化方法としては、担体結
合法、架橋法、包括法のうちいずれの方法を採用しても
よい。特には、担体結合法が好適に採用できる。
【0026】この場合、固定化担体として具体的には、
活性炭,多孔性ガラス,酸性白土,漂白土,カオリナイ
ト,アルミナ,シリカゲル,ベントナイト,ヒドロキシ
アパタイト,リン酸カルシウム,金属酸化物等の無機物
質、デンプン,グルテン等の天然高分子化合物、ポリエ
チレン,ポリプロピレン,フェノールホルマリン樹脂,
アクリル樹脂,アニオン交換樹脂,カチオン交換樹脂等
の合成高分子物質などを挙げることができるが、本発明
では特に物理的形態として多孔性を有する合成高分子物
質、例えば多孔性ポリエチレン,多孔性ポリプロピレ
ン,多孔性フェノールホルマリン樹脂,多孔性アクリル
樹脂が最も好ましく用いられる。なお、本発明では、酵
素の活性発現を阻害しないものであれば上記以外の種々
の固定化担体を使用しても何ら差し支えない。
活性炭,多孔性ガラス,酸性白土,漂白土,カオリナイ
ト,アルミナ,シリカゲル,ベントナイト,ヒドロキシ
アパタイト,リン酸カルシウム,金属酸化物等の無機物
質、デンプン,グルテン等の天然高分子化合物、ポリエ
チレン,ポリプロピレン,フェノールホルマリン樹脂,
アクリル樹脂,アニオン交換樹脂,カチオン交換樹脂等
の合成高分子物質などを挙げることができるが、本発明
では特に物理的形態として多孔性を有する合成高分子物
質、例えば多孔性ポリエチレン,多孔性ポリプロピレ
ン,多孔性フェノールホルマリン樹脂,多孔性アクリル
樹脂が最も好ましく用いられる。なお、本発明では、酵
素の活性発現を阻害しないものであれば上記以外の種々
の固定化担体を使用しても何ら差し支えない。
【0027】更に、固定化担体に対し固定化される加水
分解酵素量は通常固定化担体1gに対して0.1〜50
0mgの蛋白質量、特に加水分解酵素が蛋白質中に2〜
50%程度含まれている蛋白質を固定化したものが好適
である。
分解酵素量は通常固定化担体1gに対して0.1〜50
0mgの蛋白質量、特に加水分解酵素が蛋白質中に2〜
50%程度含まれている蛋白質を固定化したものが好適
である。
【0028】本発明において上記加水分解酵素の使用量
は、特に限定されないが、上記糖類1重量部に対し好ま
しくは0.02〜1重量部、より好ましくは0.05〜
0.8重量部、更に好ましくは0.08〜0.6重量部
である。酵素量が少なすぎると反応速度が遅くなる傾向
が生じ、一方酵素量が多すぎるとジエステル以上のポリ
エステルの副生成率が多くなる傾向にある。
は、特に限定されないが、上記糖類1重量部に対し好ま
しくは0.02〜1重量部、より好ましくは0.05〜
0.8重量部、更に好ましくは0.08〜0.6重量部
である。酵素量が少なすぎると反応速度が遅くなる傾向
が生じ、一方酵素量が多すぎるとジエステル以上のポリ
エステルの副生成率が多くなる傾向にある。
【0029】而して、本発明では、上記糖類と脂肪酸類
との酵素反応をアセチルアセトン,炭酸エチレン,炭酸
プロピレン及びγ−ブチロラクトンから選ばれる1種又
は2種以上の有機溶媒の存在下で行う。この場合、これ
ら有機溶媒は実質的に水を含まないものが好ましい。
との酵素反応をアセチルアセトン,炭酸エチレン,炭酸
プロピレン及びγ−ブチロラクトンから選ばれる1種又
は2種以上の有機溶媒の存在下で行う。この場合、これ
ら有機溶媒は実質的に水を含まないものが好ましい。
【0030】上記有機溶媒の使用量は、有機溶媒の種
類、脂肪酸又はそのエステルの炭素鎖長、反応温度等に
より左右されるが、好ましくは糖類に対し1〜10重量
倍、より好ましくは2〜6重量倍である。この場合、上
記有機溶媒を大量に使用することは可能であるが、反応
速度の点及び特に反応装置をより小型化し、建設費を低
減すると共に、反応装置の小型化に伴いランニングコス
トを低減し、工場生産におけるコスト負荷の増大を避け
るという点から上記したように糖類の10重量倍以下と
することが推奨され、本発明によれば上記の有機溶媒の
使用により、このように溶媒量が少なくともジエステル
等のポリエステルの副生を抑えてモノエステルを優先的
にかつ高い転化率、反応速度で効率よくモノエステルを
製造することができる。
類、脂肪酸又はそのエステルの炭素鎖長、反応温度等に
より左右されるが、好ましくは糖類に対し1〜10重量
倍、より好ましくは2〜6重量倍である。この場合、上
記有機溶媒を大量に使用することは可能であるが、反応
速度の点及び特に反応装置をより小型化し、建設費を低
減すると共に、反応装置の小型化に伴いランニングコス
トを低減し、工場生産におけるコスト負荷の増大を避け
るという点から上記したように糖類の10重量倍以下と
することが推奨され、本発明によれば上記の有機溶媒の
使用により、このように溶媒量が少なくともジエステル
等のポリエステルの副生を抑えてモノエステルを優先的
にかつ高い転化率、反応速度で効率よくモノエステルを
製造することができる。
【0031】糖類と脂肪酸類とを加水分解酵素を用いて
酵素反応させる際、反応条件は適宜調整し得、低温でも
反応は進行するが、反応速度を速めるため、40℃以
上、特に50〜100℃、より望ましくは60〜90℃
の温度で反応させることが好ましく、この温度条件で反
応を行うと通常2〜10時間という短時間で転化率90
%以上において反応を完結することができる。なお、か
かる高温の反応でも耐熱性加水分解酵素の使用により酵
素失活がなく、また、上記溶媒は70〜200℃程度の
高温でも安定で、長期間高い生産性を維持することが可
能である。
酵素反応させる際、反応条件は適宜調整し得、低温でも
反応は進行するが、反応速度を速めるため、40℃以
上、特に50〜100℃、より望ましくは60〜90℃
の温度で反応させることが好ましく、この温度条件で反
応を行うと通常2〜10時間という短時間で転化率90
%以上において反応を完結することができる。なお、か
かる高温の反応でも耐熱性加水分解酵素の使用により酵
素失活がなく、また、上記溶媒は70〜200℃程度の
高温でも安定で、長期間高い生産性を維持することが可
能である。
【0032】この場合、本発明によれば、合成された糖
類の脂肪酸エステル全量中モノエステルが95〜100
%、ジエステルが0〜5%、トリ以上のポリエステルが
残部、特にモノエステルが97〜100%、ジエステル
が0〜3%、トリ以上のポリエステルが残部の割合で生
成する。
類の脂肪酸エステル全量中モノエステルが95〜100
%、ジエステルが0〜5%、トリ以上のポリエステルが
残部、特にモノエステルが97〜100%、ジエステル
が0〜3%、トリ以上のポリエステルが残部の割合で生
成する。
【0033】更に、本発明方法により糖脂肪酸モノエス
テルを製造する際は、例えば基質液と加水分解酵素を反
応槽に導入し、撹拌、振盪により反応を行う方法(回分
式)、前記回分式で反応を連続的に行う方法(連続撹拌
槽式)等を採用して行うことができる。
テルを製造する際は、例えば基質液と加水分解酵素を反
応槽に導入し、撹拌、振盪により反応を行う方法(回分
式)、前記回分式で反応を連続的に行う方法(連続撹拌
槽式)等を採用して行うことができる。
【0034】この場合、本発明では、酵素を失活させる
ことなく反応を実施し得るため、長時間の連続反応や繰
り返し回分反応を支障なく行うことができるので、工業
的に極めて有利である。
ことなく反応を実施し得るため、長時間の連続反応や繰
り返し回分反応を支障なく行うことができるので、工業
的に極めて有利である。
【0035】また、本発明方法では、酵素反応により水
又は低級アルコールが副生するが、この場合、この副生
物の系中濃度が0.5重量%以下、特に0.1重量%以
下となるように副生物を除去することが効率よく反応を
進めるために好ましい。これら副生物を除去する方法と
しては、例えばゼオライト,モレキュラーシーブス,芒
硝等を反応系外及び/又は反応系内で用いて吸着除去す
る方法、乾燥空気や不活性ガスを反応槽中に導入して気
体中に蒸発させて除去するか、あるいは反応槽内を減圧
にし、蒸発させて反応槽外に排出する方法等が挙げら
れ、これら除去方法を前述の酵素反応装置と適宜組み合
わせると効率よく合成反応を行うことができる。
又は低級アルコールが副生するが、この場合、この副生
物の系中濃度が0.5重量%以下、特に0.1重量%以
下となるように副生物を除去することが効率よく反応を
進めるために好ましい。これら副生物を除去する方法と
しては、例えばゼオライト,モレキュラーシーブス,芒
硝等を反応系外及び/又は反応系内で用いて吸着除去す
る方法、乾燥空気や不活性ガスを反応槽中に導入して気
体中に蒸発させて除去するか、あるいは反応槽内を減圧
にし、蒸発させて反応槽外に排出する方法等が挙げら
れ、これら除去方法を前述の酵素反応装置と適宜組み合
わせると効率よく合成反応を行うことができる。
【0036】この場合、本発明の反応溶媒の沸点は、ア
セチルアセトン141℃/760torr、炭酸エチレ
ン243〜4℃/740torr、炭酸プロピレン24
0℃/760torr、γ−ブチロラクトン204〜5
℃/760torrであり、反応進行と共に副生してく
る水又は低級アルコールとは沸点が著しく相違するの
で、装置上も簡単でコストの負荷が少ないガス導入法や
減圧法を支障なく採用し得、例えば適当な分縮を目的と
する環流器を付けるだけで反応溶媒の飛来同伴もなく、
副生してくる水や低級アルコールのみを高濃度で回収す
ることが可能である。従って、本発明によれば、このよ
うにして回収される低級アルコールの再利用の点でも容
易になり、この点からも製造コストの低減をもたらすこ
とができる。
セチルアセトン141℃/760torr、炭酸エチレ
ン243〜4℃/740torr、炭酸プロピレン24
0℃/760torr、γ−ブチロラクトン204〜5
℃/760torrであり、反応進行と共に副生してく
る水又は低級アルコールとは沸点が著しく相違するの
で、装置上も簡単でコストの負荷が少ないガス導入法や
減圧法を支障なく採用し得、例えば適当な分縮を目的と
する環流器を付けるだけで反応溶媒の飛来同伴もなく、
副生してくる水や低級アルコールのみを高濃度で回収す
ることが可能である。従って、本発明によれば、このよ
うにして回収される低級アルコールの再利用の点でも容
易になり、この点からも製造コストの低減をもたらすこ
とができる。
【0037】ここで、分縮器を用いる場合、反応中の真
空度、分縮器の冷媒の温度及びコールドトラップの冷媒
温度は、反応温度における反応溶媒の蒸気圧と反応進行
と共に副生してくる水又は低級アルコールの蒸気圧を勘
案して選定されるが、反応速度の観点からは冷媒の適切
な温度調節によって反応溶媒のみの還流が可能である限
り、反応中の真空度は高い方が望ましい。真空度は反応
溶媒の種類、その他反応条件により適宜選ばれ、実用的
に200torr以下が採用される。例えば、反応溶媒
としてγ−ブチロラクトン、脂肪酸類としてカプリル酸
メチルを用い、80℃で反応する場合、好ましくは20
torr以下、更に好ましくは15torr以下、一層
好ましくは12torr以下である。
空度、分縮器の冷媒の温度及びコールドトラップの冷媒
温度は、反応温度における反応溶媒の蒸気圧と反応進行
と共に副生してくる水又は低級アルコールの蒸気圧を勘
案して選定されるが、反応速度の観点からは冷媒の適切
な温度調節によって反応溶媒のみの還流が可能である限
り、反応中の真空度は高い方が望ましい。真空度は反応
溶媒の種類、その他反応条件により適宜選ばれ、実用的
に200torr以下が採用される。例えば、反応溶媒
としてγ−ブチロラクトン、脂肪酸類としてカプリル酸
メチルを用い、80℃で反応する場合、好ましくは20
torr以下、更に好ましくは15torr以下、一層
好ましくは12torr以下である。
【0038】なお、得られた反応混合物は常法に従って
精製し得、また、反応混合物中に含まれる未反応脂肪酸
類はこれを分離、回収し、再使用することができる。
精製し得、また、反応混合物中に含まれる未反応脂肪酸
類はこれを分離、回収し、再使用することができる。
【0039】このようにして得られた糖脂肪酸モノエス
テル(なお、炭素数5〜7の単糖類、ヘキソースからな
る2糖類、炭素数4〜6の糖アルコールを原料とした場
合はこれらの糖の脂肪酸モノエステルが得られ、炭素数
5〜7の単糖類と一価アルコールとのエーテル化合物、
ヘキソースからなる2糖類と一価アルコールとのエーテ
ル化合物を原料に用いた場合はアルキルグリコシド脂肪
酸モノエステルが得られる)は、いずれも優れた界面活
性能を有し、各種分野に有効に使用されれる。
テル(なお、炭素数5〜7の単糖類、ヘキソースからな
る2糖類、炭素数4〜6の糖アルコールを原料とした場
合はこれらの糖の脂肪酸モノエステルが得られ、炭素数
5〜7の単糖類と一価アルコールとのエーテル化合物、
ヘキソースからなる2糖類と一価アルコールとのエーテ
ル化合物を原料に用いた場合はアルキルグリコシド脂肪
酸モノエステルが得られる)は、いずれも優れた界面活
性能を有し、各種分野に有効に使用されれる。
【0040】
【実施例】以下、実施例と比較例を示して本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【0041】[実施例1]撹拌器、温度計、水銀マノメ
ータ及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコにメチ
ルグルコシッド、カプリル酸、γ−ブチロラクトン及び
キャンディダ・アンタークティカ由来の中性耐熱性リパ
ーゼをアクリル樹脂に固定化したもの(固定化リパー
ゼ,NOVO社製)を表1に示す量で仕込み、上記還流
冷却器の出口にドライアイス・アセトントラップ、水流
ポンプを接続し、減圧下に80℃で反応を行った。この
場合、還流冷却器の冷却水温度は反応溶媒のγ−ブチロ
ラクトンのみを還流し、反応進行と共に副生してくるメ
タノール及び原料中に微量含まれる水はトラップで補集
するため、真空度を考慮して30℃とした。
ータ及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコにメチ
ルグルコシッド、カプリル酸、γ−ブチロラクトン及び
キャンディダ・アンタークティカ由来の中性耐熱性リパ
ーゼをアクリル樹脂に固定化したもの(固定化リパー
ゼ,NOVO社製)を表1に示す量で仕込み、上記還流
冷却器の出口にドライアイス・アセトントラップ、水流
ポンプを接続し、減圧下に80℃で反応を行った。この
場合、還流冷却器の冷却水温度は反応溶媒のγ−ブチロ
ラクトンのみを還流し、反応進行と共に副生してくるメ
タノール及び原料中に微量含まれる水はトラップで補集
するため、真空度を考慮して30℃とした。
【0042】反応開始後、反応混合液を適時採取し、生
成物を常法によりアセチル化し、ガスクロマトグラフィ
ーにて分析を行い、メチルグルコシッドカプリル酸エス
テル(モノエステル及びジエステル)量及び転化率を算
出した。
成物を常法によりアセチル化し、ガスクロマトグラフィ
ーにて分析を行い、メチルグルコシッドカプリル酸エス
テル(モノエステル及びジエステル)量及び転化率を算
出した。
【0043】以上の結果を表1及び図1に示す。
【0044】[実施例2〜28]表1又は表2に示す原
料及び反応条件にて実施例1と同様にしてアルキルグリ
コシド脂肪酸エステルの製造を行った。
料及び反応条件にて実施例1と同様にしてアルキルグリ
コシド脂肪酸エステルの製造を行った。
【0045】なお、酵素としては、実施例5の場合にム
コール・マイハイ由来の中性耐熱性リパーゼ(Lipo
zyme,NOVO社製)を使用した以外は実施例1と
同様のリパーゼを使用した。
コール・マイハイ由来の中性耐熱性リパーゼ(Lipo
zyme,NOVO社製)を使用した以外は実施例1と
同様のリパーゼを使用した。
【0046】以上の結果を表1又は表2に示す。
【0047】[比較例1]反応溶媒としてn−デカンを
用いた以外は実施例1と同様にして反応を行った。その
結果を表2及び図1に示す。
用いた以外は実施例1と同様にして反応を行った。その
結果を表2及び図1に示す。
【0048】[比較例2]表2に示す原料及び反応条件
にて実施例1と同様にして反応を行った。その結果を表
2に示す。
にて実施例1と同様にして反応を行った。その結果を表
2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】表中の記号は下記の通りである。 MG: メチルグルコシッド BG: ブチルグルコシッド EG: エチルグルコシッド M−1:カプロン酸メチル(3%)とカプリル酸メチル
(97%)との混合物 M−2:カプリン酸メチル(85%)とラウリン酸メチ
ル(10%)とミリスチン酸メチル(5%)との混合物 M−3:パルミチン酸メチル(90%)とオレイン酸メ
チル(7%)とリノール酸メチル(2%)とステアリン
酸メチル(1%)との混合物 M−4:カプロン酸メチル(3%)とカプリル酸メチル
(50%)とカプリン酸メチル(47%)との混合物 (注):ジエステル含量は下記式より求めた。
(97%)との混合物 M−2:カプリン酸メチル(85%)とラウリン酸メチ
ル(10%)とミリスチン酸メチル(5%)との混合物 M−3:パルミチン酸メチル(90%)とオレイン酸メ
チル(7%)とリノール酸メチル(2%)とステアリン
酸メチル(1%)との混合物 M−4:カプロン酸メチル(3%)とカプリル酸メチル
(50%)とカプリン酸メチル(47%)との混合物 (注):ジエステル含量は下記式より求めた。
【0052】
【数1】
【0053】[実施例29〜36]表3に示す使用原
料、反応条件にて実施例1と同様に操作し、糖脂肪酸エ
ステル又はアルキルグルコシド脂肪酸エステルを製造し
た。なお、酵素は実施例1と同様のリパーゼを使用し
た。
料、反応条件にて実施例1と同様に操作し、糖脂肪酸エ
ステル又はアルキルグルコシド脂肪酸エステルを製造し
た。なお、酵素は実施例1と同様のリパーゼを使用し
た。
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、高い転化率で短時間に
反応が完結して糖脂肪酸モノエステルを選択的に製造す
ることができ、しかも反応溶媒の使用量を低減でき、工
業生産上有利である。
反応が完結して糖脂肪酸モノエステルを選択的に製造す
ることができ、しかも反応溶媒の使用量を低減でき、工
業生産上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1におけるメチルグルコシ
ッドカプリル酸エステル転化率とジエステル含量の経時
変化を示すグラフである。
ッドカプリル酸エステル転化率とジエステル含量の経時
変化を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素数5〜7の単糖類、ヘキソースから
なる2糖類、炭素数4〜6の糖アルコール、炭素数5〜
7の単糖類と一価アルコールとのエーテル化合物、並び
にヘキソースからなる2糖類と一価アルコールとのエー
テル化合物から選ばれる糖類の1種又は2種以上と、炭
素数6〜22の飽和及び不飽和脂肪酸並びに該脂肪酸と
低級アルコールとのエステルから選ばれる脂肪酸類の1
種又は2種以上とを、加水分解酵素を用いて有機溶媒の
存在化で反応させることからなる糖類の脂肪酸モノエス
テルの製造方法において、有機溶媒としてアセチルアセ
トン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン及びγ−ブチロラ
クトンから選ばれる1種又は2種以上を使用することを
特徴とする糖類の脂肪酸モノエステルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10351992A JPH05112592A (ja) | 1991-04-05 | 1992-03-30 | 糖類の脂肪酸モノエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-100484 | 1991-04-05 | ||
JP10048491 | 1991-04-05 | ||
JP10351992A JPH05112592A (ja) | 1991-04-05 | 1992-03-30 | 糖類の脂肪酸モノエステルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05112592A true JPH05112592A (ja) | 1993-05-07 |
Family
ID=26441499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10351992A Pending JPH05112592A (ja) | 1991-04-05 | 1992-03-30 | 糖類の脂肪酸モノエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05112592A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012507473A (ja) * | 2008-09-24 | 2012-03-29 | ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック | N−ウンデシルエノイルフェニルアラニン及びポリオールのモノエステル、その調製方法、及び前記エステルの皮膚のライトニング剤としての使用 |
JP2013208087A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Nippon Starch Chemical Co Ltd | 酵素法による糖脂肪酸エステルの合成方法 |
-
1992
- 1992-03-30 JP JP10351992A patent/JPH05112592A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012507473A (ja) * | 2008-09-24 | 2012-03-29 | ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック | N−ウンデシルエノイルフェニルアラニン及びポリオールのモノエステル、その調製方法、及び前記エステルの皮膚のライトニング剤としての使用 |
JP2013208087A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Nippon Starch Chemical Co Ltd | 酵素法による糖脂肪酸エステルの合成方法 |
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