JP4241886B2 - 配糖体の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は配糖体の精製方法に関し、更に詳しくは、配糖体およびグルコースの混合物を、グルコースオキシダーゼで処理することを特徴とする配糖体の精製方法に関する。
エチルグルコシドは清酒、ワイン、みりん、食酢中に含まれる呈味成分であり、グルコース様のさわやかな甘味と独特の苦味を有している。その用途としては、例えば、β−D−エチルグルコシドからなる飲食品の香味増強・改善剤(特許文献1)、エチル−α−D−グルコピラノシドを有効成分とするアルコール刺激臭緩和剤(特許文献2)、α−エチルグルコシドの整肌作用(非特許文献1)などが提案されている。エチルグルコシドの製造方法としては、例えば、グルコースとエタノールとを原料として化学合成的に製造する方法(非特許文献2)、生化学的に製造する方法としては、例えば、シゾサッカロミセス・ポンベを、糖質を含有するエタノール溶液に作用させる方法(特許文献3)、アスペルギルス・ニガー由来のα−グルコシダーゼを糖質を含有するエタノール溶液に作用させる方法(特許文献4)、アルコール発酵能を有する微生物の共存下で糖質にα−1,6−グルコシル転移活性を有する酵素を作用させる方法(特許文献5)、マルトースとエタノールを基質とする溶液中に、モルティエレラ属に属する微生物由来のα−グルコシダーゼを作用させる方法(特許文献6)、エタノールの存在下、糖質にタラロミセス・デュポンティ由来のトランスグルコシダーゼを作用させる方法(特許文献7)などが提案されている。
また、その他の配糖体の製法としては、例えば、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、フラボノイド類縁化合物の水酸基を有する化合物とα−1,4結合を持つグルカンにバチルス・ステアロサーモフィラス由来のα−グルコシダーゼを作用させる配糖体の製造方法(特許文献8)が提案されている。
特許第2744595号公報 特許第2873408号公報 特公平5−56958号公報 特公平6−30608号公報 特開平11−243987号公報 特開2001−61490号公報 特開2002−125692号公報 特開平9−87294号公報 日本化粧品技術者会誌,32(1),10−16(1998) Rocznikichemi,49(12),2113−2115(1975)
従来提案されている上記した配糖体、例えば、エチルグルコシドの製造方法では、エチルグルコシドの純度が低く、高純度にするためには混在する糖類を煩雑な分離操作を用いて除去する必要があり工業的な精製方法が求められていた。例えば、マルトースを基質としてトランスグルコシダーゼを用いて生化学的にエチルグルコシドを製造する場合には、比較的高純度のエチルグルコシドが得られるが、その場合においても糖組成に対する含量は50%以下である。また、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、フラボノイド類縁化合物の水酸基を有する化合物の配糖体の製造においてもグルコースが混在し、高純度
の配糖体が得られない。
従って、本発明の目的は、高純度で、効率的にエチルグルコシドなどの配糖体を工業的に精製する方法を提供することである。
本発明者らは、上記のごとき課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、今回、配糖体とグルコースの混在する系に、グルコースオキシダーゼを添加して処理することにより高純度の配糖体を効率的に得ることかできることを見出し本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、配糖体およびグルコースの混合物を、好ましくは塩類の存在下にグルコースオキシダーゼで処理してグルコースを除去することを特徴とする配糖体の精製方法が提供される。
また、本発明は、水酸基を有する化合物の存在下、糖類、デンプンまたはその分解物にα−グルコシダーゼを作用させて配糖体を製造した後、残存するグルコースを、好ましくは塩類の存在下にグルコースオキシダーゼで処理して除去することを特徴とする配糖体の精製方法を提供するものである。
本発明によれば、高純度で、効率的に配糖体を工業的に精製する方法を提供することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
発明の実施の形態
本発明は、配糖体とグルコースの混在する系に、グルコースオキシダーゼを作用させて、混在するグルコースを除去することを要旨とする。本発明において、配糖体とは、α−体、β−体またはそれらの混合物のいずれをも包含し、例えば、エチルグルコシドではエチル−α−グルコシド、エチル−β−グルコシドまたはそれらの混合物のいずれをも包含する。
本発明に用いられる水酸基を有する化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−フェニルエタノール、ゲラニオール、アスコルビン酸、コウジ酸、1−ブタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−プロパノール、1−オクタノール、3−オクタノール、シトロネロール、メントール、フラネオール、マルトール、シクロテン、β−フェニルエチルアルコール、シンナミックアルコール等のアルコール性水酸基を有する化合物、ジメトキシフェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、バニリン、カテコール、ピガノール、オイゲノール等のフェノール性水酸基を有する化合物、ルチン、フラボノール、フラバノン、フラボン等のフラボノイド類縁化合物を挙げることができる。
まず、配糖体を生化学的に製造する方法として、エチルグルコシドを例として詳細に説明する。エチルグルコシドを生化学的に製造する方法としては、従来既知の方法のいずれも採用することができ、例えば、エタノールの存在下、糖類、デンプンまたはその分解物にα−グルコシダーゼを作用させる方法を挙げることができる。用いられる糖類、デンプンまたはその分解物としては、グルコース、マルトース、イソマルトース、パノース、その他オリゴ糖またはそれらの混合液や水飴等を使用することができる。比較的重合度の高いオリゴ糖、例えば、5糖類以上の糖を含有する場合には、α−アミラーゼを共存させる方が、α−グルコシダーゼの基質となる2糖類、3糖類の含量が増加し、エチル−α−グ
ルコシドの収率が増加するため好適である。これらの基質の濃度は、例えば、マルトースの場合、基質濃度が高いほどエチル−α−グルコシドの生成量が増加するが、通常、反応液中のマルトース濃度として約5〜約50w/v%の範囲内を例示することができる。反応溶液中のエタノールの濃度は、特に制限されず、通常、約10〜約30V/V%、好ましくは約20〜約25V/V%添加して酵素反応を行う。別法としては、アルコール発酵能を有する微生物を共存させて、反応液中でアルコール発酵を行ってエタノールを生じさせることもできる。
反応に使用されるα−グルコシダーゼは、α−1,4−グルコシル転移活性を有する酵素であり、微生物由来の酵素を用いることができる。かかる微生物としては、例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属、ムコール属、リゾプス属、サーモアスカス属に属するカビ類;サッカロマイセス属、キャンディダ属に属する酵母類;バチルス属に属する細菌類由来の酵素を挙げることができる。中でも、アルコール耐性および安定性の点でアスペルギルス属に属するカビ由来のα−グルコシダーゼが好適である。かかる酵素は、上述した微生物の液体培養または固体培養によって得ることができ、粗製の酵素、精製された酵素のいずれでも使用することができ、また市販のα−グルコシダーゼ酵素剤(商品名:α−グルコシダーゼ「アマノ」アマノエンザイム社製)を使用することもできる。α−グルコシダーゼの添加量は、使用する酵素の種類、精製度、反応条件等により異なり一概には言えないが、通常、基質であるマルトース1gあたり100〜100000Uを例示することができる。
酵素反応条件は、特に制限はなく、使用するα−グルコシダーゼの種類などにより異なり一概には言えないが、通常、20〜50℃の温度範囲で、pH3〜8にて、5〜48時間程度で反応することによりエチル−α−グルコシドを生成することができる。反応液中には、使用するα−グルコシダーゼの種類、反応条件によって異なり一概には言えないが、通常、エチル−α−グルコシド1重量部あたり0.5〜1重量部程度のグルコースが混在する。混在するグルコースを以下に示すグルコースオキシダーゼによる処理により、反応液からグルコースを除去することにより高純度のエチル−α−グルコシドを得ることができる。
次に、上述した反応液にグルコースオキシダーゼを作用させて、反応液中のグルコースを除去する方法について説明する。本発明で使用されるグルコースオキシダーゼは、グルコースを酸化してグルコン酸を生成する酵素であり、例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属に属するカビ類由来の酵素を挙げることができる。かかる酵素は、上述した微生物の液体培養または固体培養によって得ることができ、粗製の酵素、精製された酵素のいずれでも使用することができ、また市販のグルコースオキシダーゼ酵素剤(商品名:ハイデラーゼ15(アマノエンザイム社製)、スミチームGOP(新日本化学工業社製))を使用することもできる。グルコースオキシダーゼの添加量は、使用する酵素の種類、精製度、反応条件等により異なり一概には言えないが、通常、上述した反応液中に混在するグルコース1gあたり10〜1000Uを例示することができる。
酵素反応条件は、特に制限されず、使用するグルコースオキシダーゼの種類などにより異なり一概には言えないが、通常、20〜60℃の温度範囲で、pH4〜9にて、通気攪拌による酸素供給下で、5〜24時間程度である。本発明では、前述したグルコースオキシダーゼで処理する際に、塩類の存在下に行うことが好ましい。塩類の存在下にグルコースオキシダーゼで処理することにより、反応の進行に伴い、生成するグルコン酸による反応液のpHの変化を抑制し、反応率を上げることができるため好ましい。また、生成するグルコン酸がグルコン酸塩となり、エチル−α−グルコシドとの分離が容易になる。かかる塩類としては、特に制限されるものではなく広い範囲の塩類を使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどを挙げることができ、また、グルコン酸の
生成に伴うpHの低下をNaOHやCa(OH)などのアルカリを供給してpHをコントロールすることが好ましい。塩類の使用量は特に限定されず反応条件等により異なり一概には言えないが、生成するグルコン酸の量に見合った量、あるいは過剰に添加することができる。
反応終了後、残存する塩類を濾過などの適宜な分離操作により分離した後、減圧濃縮などの適宜な濃縮手段を採用して水分を除去し、エチル−α−グルコシドを溶解しうる溶媒、例えば、エタノールを添加してエチル−α−グルコシドを溶解し、不溶化されたグルコン酸塩を濾過などの適宜な分離手段により分離した後、所望により、減圧濃縮などの適宜な濃縮手段を採用して溶媒を回収することにより高純度のエチル−α−グルコシドを得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。
参考例1:α−グルコシダーゼによるエチル−α−グルコシドの生成
1L容三径フラスコにマルトース63g、エタノール114g、純水500gおよびトランスグルコシダーゼL(アマノエンザイム社製)3mlを仕込み、40℃で72時間反応させ、エチル−α−グルコシドを生成させた。なお、この反応液にはエチル−α−グルコシド、グルコースおよびエタノールの混合溶液となっていることをHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で確認した。
実施例1:グルコースオキシダーゼ処理によるグルコースの除去
参考例1で調製した反応液を、減圧下(45℃、50mmHg)で未反応のエタノールを除去した。さらに、2L容ミニジャー(丸菱社製)にこの反応液を仕込み、ハイデラーゼ15(アマノエンザイム社製)3.0gと炭酸カルシウム8gを加え、40℃で10時間通気攪拌(通気量:0.2vvm、600rpm)した。グルコースが残存していないことを確認して、減圧下(45℃、50mmHg)で水を除去した。これにエタノール300mlを加え、エチル−α−グルコシドを抽出した。なお、生成したグルコン酸は、グルコン酸カルシウムとしてエタノールには抽出されないことを確認した。エタノール抽出部から減圧下でエタノールを回収し、ほぼ純粋なエチル−α−グルコシド15gを得た。

Claims (1)

  1. エタノールの存在下に、糖類、デンプンまたはその分解物にグルコシダーゼを作用させてエチル−α−グルコシドを製造した後、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムより選ばれる塩類の存在下に、残存するグルコースをグルコースオキシダーゼで処理して除去することを特徴とするエチル−α−グルコシドの精製方法。
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