JP2001159859A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

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JP2001159859A
JP2001159859A JP34331799A JP34331799A JP2001159859A JP 2001159859 A JP2001159859 A JP 2001159859A JP 34331799 A JP34331799 A JP 34331799A JP 34331799 A JP34331799 A JP 34331799A JP 2001159859 A JP2001159859 A JP 2001159859A
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JP
Japan
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temperature
control
heating
fixing
time
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JP34331799A
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English (en)
Inventor
Norio Ogawara
則雄 小川原
Masami Tomiyoshi
正美 冨吉
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱回転体1のウォームアップ加熱時等の終
了間際やその直後において、加熱回転体1の加熱源12
に関する制御シーケンスが初期化される状況が発生し、
その後すぐに定着動作が開始されることがあっても、そ
の加熱回転体1を適切な制御温度で過不足なく十分に加
熱することができ、もって加熱回転体1の表面温度が定
着温度の許容下限値MFTを下回ることに起因した定着
不良の発生を防止する。 【解決手段】 制御手段7が、少なくとも、制御シーケ
ンスが初期化された時点での加熱回転体1の表面温度T
iniを定着温度許容下限値MFTの前後となる温度に設
定された判断基準温度TAと比較し、その表面温度Tini
が判断基準温度T Aより高いと判断されたときに当該加
熱回転体1を空回転させ、その空転後の表面温度と前記
表面温度Tiniとの温度差ΔTの大小に応じて制御目標
温度TCONTを異なる制御温度(高め又は低めの温度)に
選定する一連の動作を実行するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、未定着トナー像の
熱定着に使用される定着装置と、このような熱定着式の
定着装置が使用され得る複写機、プリンタ、複合機等の
画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の画像形成装置に使用される熱定
着式の定着装置は、加熱ヒータにより加熱される加熱ロ
ールを備え、その加熱ロールの表面に未定着トナー像が
担持された記録紙又はシートを接触させるような状態で
通過させることにより、当該トナー像の熱定着を行うよ
うになっている。
【0003】また、かかる定着装置では、一般に、その
加熱ロールの表面温度を検知する温度センサによる検知
情報に基づいて加熱ヒータが制御されるように構成され
ており、例えば画像形成装置の使用に際して主電源が投
入されると同時に定着装置の電源も投入され、これによ
り、まず加熱ロールが加熱ヒータにより所望の温度に達
するまで急速に加熱(いわゆるウォームアップ加熱)さ
れ、その後は所定の温度幅をもつ定着可能温度に維持さ
れるようにもなっている。
【0004】ところで、このような定着装置にあって
は、その定着動作が実行されると、加熱ロールの熱が被
定着物である未定着トナー像を担持する記録紙等に吸熱
されてそのロール表面の温度が低下してしまうことがよ
く知られている。
【0005】この加熱ロールの温度低下は、連続した定
着動作が行われている場合にも当然起こっているが、特
に、朝一などのように加熱ロール等の温度が低い状態か
ら前記したウォームアップ加熱が行われて終了した直後
に定着動作が実行された場合には、より顕著となる。し
かも、その加熱ロールにクリーニング機構や離型用オイ
ル塗布機構などの当接部品が配設されている場合には、
さらにその当接部品(特に十分に温まっていない段階に
あるとき)に加熱ロールの熱が奪われるため、その温度
低下はより一層顕著となる。
【0006】そして、このような加熱ロールの表面温度
の低下により、その表面温度が定着温度の許容下限値よ
りも低い温度になってしまった場合には、定着不良やト
ナーオフセット等の問題が発生する。
【0007】ちなみに、本出願人も、例えば、電源投入
後のウォームアップ加熱において加熱ロールを環境温度
の如何にかかわらず無駄のない適切な温度に加熱するこ
とが可能な定着装置について提案している(特開平10
−26901号公報)。すなわち、この提案の定着装置
は、電源投入時における加熱ロールの初期の表面温度に
応じて制御目標温度を適宜選定し、その選定された制御
目標温度に基づいた制御シーケンスにより加熱手段が制
御されてウォームアップ加熱が行われるように構成され
ている。
【0008】具体的には、図7に例示するように、その
初期温度(Tini)が選定時の判断基準となる基準温度
(TA)よりも低い場合には、高めの制御目標温度(T
CH)が選定され、反対に初期温度(Tini)が基準温度
(TA)よりも高い場合には、低めの(安定時におけ
る)制御目標温度(TCL)が選定されるようになってい
る。図中の太い実線Aは、高めの制御目標温度(TCH
でウォームアップ加熱が行われ、その後(所定時間経過
後)に低めの制御目標温度(TCL)で制御されたとき
の、加熱ロールの表面温度の推移を示すものである。な
お、この選定された制御目標温度に基づく制御シーケン
スは、画像形成装置の主電源がOFF動作された場合な
どに一旦初期化(イニシャライズ)され、その後の使用
に際して主電源が再びON動作されたときなどに改めて
選定されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この定着装置
においても以下のような不具合がある。
【0010】すなわち、図7に示すように、その制御目
標温度に基づいて行われるウォームアップ加熱が完了す
る間際やその完了直後において、画像形成装置の主電源
の電源OFF動作やその装置本体における開閉ドアの開
閉動作等のような制御シーケンスが初期化されるときの
動作(操作)が行われると、その初期化が実行され、そ
の後に再び制御目標温度の選定が行われるが、この際、
加熱ロールの表面温度(初期温度Tini)が基準温度
(TA)よりも高い場合には、低めの制御目標温度(T
CL)が選定されてしまうのである。そして、この低めの
制御目標温度(TCL)でその後の加熱が実行された場合
には、加熱ロールは未だ初期のウォームアップ加熱が完
了していない(即ち、電源投入時の初期段階で選定され
る高めの制御目標温度(TCH)に到達していない)か、
或いはウォームアップ加熱は完了してもロール表面が低
下しやすい状態におかれることになる。
【0011】したがって、このように加熱ロールが不十
分な加熱状態にあるときに、定着動作が開始されると、
そのロール表面温度は定着温度の許容下限値(MFT)
を下回りやすくなり(図7中の二点鎖線B参照)、この
結果、そのロール表面温度が定着温度の許容下限値を下
回って定着不良を誘発してしまうおそれがある。なお図
7中の実線Aは、加熱ロールが十分に加熱された後に定
着動作が実行された場合における表面温度の推移を示
す。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、その目的とするところは、たとえ加熱ロー
ル等のような加熱回転体のウォームアップ加熱時等の終
了間際やその終了直後において、その加熱回転体の加熱
源に関する制御シーケンスが初期化される状況が発生
し、その後すぐに定着動作が開始されるようなことがあ
っても、その初期化後において加熱回転体を適切な制御
目標温度に基づく制御シーケンスによって過不足なく十
分に加熱することができ、もって加熱回転体の表面温度
が定着温度の許容下限値を下回ることに起因した定着不
良の発生を確実に防止することができる定着装置を提供
することにある。また、かかる定着不良に起因した画質
低下を確実に回避することができる画像形成装置を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得る本
発明の定着装置は、加熱源により加熱され、一定方向に
回転する加熱回転体と、この加熱回転体の表面温度を検
知する温度検知手段と、この温度検知手段により検知さ
れた表面温度に応じて選定される制御目標温度に基づき
かつ所定時には初期化される制御シーケンスにより前記
加熱源を制御する制御手段とを備え、未定着トナー像が
保持された被定着物を前記加熱回転体の表面に接触させ
るように通過させて当該トナー像を熱定着する定着装置
において、前記制御手段が、少なくとも、前記制御シー
ケンスが初期化された時点での前記加熱回転体の表面温
度を定着温度の許容下限値の前後となる温度に設定され
た判断基準温度と比較し、その表面温度が判断基準温度
より高いと判断されたときに当該加熱回転体を空回転さ
せ、その空転後の表面温度と前記表面温度との温度差の
大小に応じて制御目標温度を異なる制御温度(高め又は
低めの温度)に選定する一連の動作を実行するように構
成されていることを特徴とするものである。
【0014】また、この発明の定着装置は、前記制御手
段が、前記一連の動作として、前記制御シーケンスが初
期化された時点での前記加熱回転体の表面温度を前記温
度検出手段により初期温度として検出させる第1検温動
作と、この第1検温動作で得られる初期温度を、前記制
御シーケンスにおける制御目標温度を設定する初期の判
断基準となりかつ定着温度の許容下限値の前後となる温
度に設定された判断基準温度と比較する初期比較動作
と、この初期比較動作において初期温度が判断基準温度
より高いときに、前記加熱回転体を所定の時間だけ空回
転させる空転動作と、この空転動作による空回転が終了
した時点での加熱回転体の表面温度を前記温度検出手段
により空転後温度として検出させる第2検温動作と、こ
の第2検温動作で得られる空転後温度と前記初期温度と
の温度差を算出し、その温度差と予め定めた閾値とを比
較する空転後比較動作と、この空転後比較動作において
温度差が閾値より小さいときには前記制御目標温度を安
定時の制御温度に設定する一方、その温度差が閾値以上
であるとき及び前記初期比較動作において初期温度が基
準温度より小さいときには前記制御目標温度を前記安定
時の制御温度より高い温度である急加熱時の制御温度に
設定する初期設定動作と、この初期設定動作で初期の制
御目標温度として急加熱時の制御温度が設定された場
合、その急加熱時の制御温度に達した後の経過時間が所
定の時間を経過したときには当該制御目標温度を安定時
の制御温度に変更する再設定動作とを実行するように構
成するとよい。
【0015】このような定着装置によれば、(第1検温
動作時に検知される)制御シーケンスの初期化時点での
加熱回転体の表面温度(初期温度)が初期比較動作で判
断基準温度より低いと判断されたときには、加熱回転体
が低い温度にあり十分な加熱が必要であるとみなし、制
御目標温度として急加熱時の(高めの)制御温度が設定
され、これにより加熱回転体は高い温度にまで加熱され
る。
【0016】一方、(初期比較動作で)制御シーケンス
の初期化時点での上記初期温度が基準温度よりも高いと
判断されたときには、まず空転動作により加熱回転体を
所定の時間だけ空回転させ、その空回転後の表面温度と
上記初期温度との温度差の大小によって、その後の制御
目標温度が異なる制御温度に(初期設定動作で)選定さ
れる。すなわち、その温度差が大きいと判断されたとき
には、その加熱回転体やその周囲(特に後述する加熱回
転体への当接部材)が未だ十分に温まっていないものと
みなし、制御目標温度として急加熱時の制御温度が設定
され、これにより加熱回転体は高い温度にまで加熱され
る。この結果、その制御温度まで加熱された直後に定着
動作が実行されても、その加熱回転体の表面温度が定着
温度の許容下限値を下回る温度まで低下することは殆ど
なくなる。これに対し、その温度差が小さいときには、
その加熱回転体やその周囲がほぼ十分な温度まで上昇し
ているものとみなし、制御目標温度として安定時の(低
めの)制御温度が設定され、これにより加熱回転体は実
態に則した適切な温度まで加熱され、過剰に加熱される
ことがない。
【0017】したがって、この定着装置の制御手段で
は、特に加熱回転体の実態に適合した制御目標温度が選
定され、この結果、加熱回転体が実態に合わせて過不足
なく適切な温度まで十分に加熱されることになる。な
お、制御目標温度として急加熱時の制御温度が設定され
た場合には、その急加熱時の制御温度に達した後の経過
時間が所定の時間を経過すると、加熱回転体やその周囲
が十分に加熱されたものとみなし、その制御目標温度は
再設定動作により安定時の制御温度に変更されるように
構成すればよく、これにより加熱回転体はより安定した
加熱制御に移行するようになる。
【0018】また、この発明の定着装置は、前記制御手
段が、前記再設定動作として、急加熱時の制御温度に達
した後の経過時間が所定の時間を経過する前に開始され
かつすべて終了する内容の定着動作が実行されたときに
は、その通過時間が所定の時間を経過した後に当該制御
目標温度を安定時の制御温度に変更し、また、急加熱時
の制御温度に達した後の経過時間が所定の時間を経過す
る前に開始されかつその経過後にすべて終了する内容の
定着動作が実行されたときには、その熱定着動作が終了
した後に当該制御目標温度を安定時の制御温度に変更す
る特別な再設定動作をさらに実行するように構成されて
いることが好ましい。
【0019】このように構成した場合には、初期設定動
作で初期の制御目標温度として急加熱時の制御温度が設
定され、その制御温度に達する加熱がなされた直後にお
いて様々な定着動作が実行された場合であっても、その
定着動作の内容(量)に応じた適切な制御目標温度が再
設定動作で選定される。
【0020】すなわち、特に、上記制御温度に達した後
の経過時間が所定時間を経過する前に終了するような内
容(例えば短いジョブ)の定着動作が行われたときに
は、加熱回転体が十分に温まっていないとみなし、その
経過時間が所定の時間を経過するまで制御目標温度は急
加熱時の制御温度に設定されたままで継続され、その経
過時間が所定の時間を経過した時点で加熱回転体が十分
に温まっているとみなし、はじめてその制御目標温度は
安定時の低めの制御温度に変更される。この結果、その
経過時間が所定時間を経過するまでの間は、加熱回転体
は少なくとも高めの温度にまで十分に加熱されることに
なる。反対に、その経過時間が所定時間を経過した後に
終了するような内容(例えば長いジョブ)の定着動作が
行われたときには、加熱回転体が長く加熱されて十分に
温まっているとみなし、例えばかかる内容のジョブ中の
所定時間が経過した時点又は所定枚数に至った時点で、
その制御目標温度は安定時の低めの制御温度に設定され
る。この結果、加熱回転体は過剰に加熱されることがな
い。
【0021】さらに、以上のような発明の定着装置は、
前記加熱回転体の表面に当接し、その表面の熱を吸収す
る性質を有する当接部材(例えばクリーニング部材や、
離型用オイル塗布部材など)が配設されているものであ
る。
【0022】この場合には、その当接部材により、加熱
回転体の熱が奪われやすく、特にこの当接部材が十分温
まっていないときには加熱回転体の表面温度の低下が顕
著となるため、前記制御手段による制御効果がより一層
有効となる。
【0023】また、上記目的を達成し得る、本発明の画
像形成装置は、未定着トナー像を最終的に記録保持材に
転写形成し、その記録保持材上に保持された未定着トナ
ー像を定着装置により熱定着する画像形成装置であっ
て、その定着装置として、上記したような各構成の定着
装置が使用されていることを特徴とするものである。
【0024】このような画像形成装置としては、トナー
からなる画像を最終的に熱定着処理を経て記録保持材上
に形成し得る装置であってその熱定着処理のための定着
装置を使用するものであればよく、主に、電子写真方式
や静電記録方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシ
ミリ、それらの機能を兼備する複合機等である。
【0025】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、本発明
の一実施形態に係る定着装置の主要部を示すものであ
る。この実施形態1の定着装置は、基本的に、加熱ロー
ル(加熱回転体)1と加圧ロール2とによって定着ニッ
プ部(接触加熱領域)Nが形成されるロールニップ方式
の熱定着装置である。
【0026】上記加熱ロール1は、円筒状の金属製ロー
ル芯10に弾性体層(例えばシリコンゴム層)11を被
覆し、さらにその弾性体層11の表面に図示外の表面層
(例えばフッ素ゴム層)を被覆せしめたロール構造から
なり、しかも図示外の支持フレームに対して回転自在に
支持されている。また、この加熱ロール1は、そのロー
ル芯10の円筒空間内にハロゲンヒータ(加熱源)12
が配設され、このハロゲンヒータ12によりそのロール
表面が所定の温度になるまで加熱されるようになってい
る。さらに、この加熱ロール1の表面温度は、そのロー
ル表面に接触するように配設された第1の接触型温度セ
ンサ(温度検知手段)13により検知されるようになっ
ている。
【0027】上記加圧ロール2は、上記表面層を除けば
加熱ロール1と同じロール構造からなる(但し弾性層2
1の厚さは異なる)ものであり、円筒状の金属製ロール
芯20と弾性層21とで構成されている。また、この加
圧ロール2は、上記加熱ロール1と同様に、そのロール
芯20の円筒空間内に配されたハロゲンヒータ22によ
って加熱されるとともに、そのロール表面に接触するよ
うに配された第2の接触型温度センサ23によってその
表面温度が検知されるようになっている。
【0028】また、この加圧ロール2は、図1に示すよ
うに揺動アーム30のほぼ中央部に回転自在に支持され
ているとともに、その揺動フレーム30が支軸31を中
心にして上下方向(図中の矢印A,B方向)に揺動する
ことによって加熱ロール1と圧接及び離間可能になって
いる。特に加熱ロール1に圧接された際には、加熱ロー
ル1との間で前記した定着ニップ部Nが形成される。こ
の揺動フレーム30は、その支軸31とは反対側となる
他端部が支軸32を介して偏心カム33に支持されてお
り、その偏心カム63が複数の駆動伝達ギア34a,3
4b等を介して伝達される電動モータ35の駆動力によ
り所定の角度だけ回転することによって支軸31を中心
に上下方向A,Bに揺動する機構になっている。さら
に、この加圧ロール2は、回転駆動用モータ36の回転
駆動力が複数の駆動伝達ギア37a,37b,37cを
介して伝達され、これにより矢印C方向に所定の速度で
回転するようになっている。一方、上記加熱ロール1
は、この回転駆動する加圧ロール2が圧接された状態に
なることにより、その回転に追従して矢印D方向に従動
回転するようになっている。
【0029】このような加熱ロール1及び加圧ロール2
を備えた定着装置は、その両ロール1、2の間で形成さ
れる定着ニップ部Nに対し、図示外の画像形成装置で形
成される未定着トナー像Tが(転写によって)保持され
て搬送される記録用紙(被定着物)Pを進入させて通過
させることにより、そのトナー像Tの熱定着処理を行う
ようになっている。図中の符号3a,3bは上記記録用
紙Pの導入側用紙搬送ガイド(ペーパーシュート)及び
排出側用紙搬送ガイド、39は定着処理後に排出側用紙
搬送ガイド3bを通過して排出される記録用紙Pを検知
する用紙検知センサであり、また矢付点線は記録用紙P
の搬送経路を示す。
【0030】また、この定着装置においては、加熱ロー
ル1の表面を外部から補助的に加熱する外部加熱ロール
4や、加熱ロール1へのトナーの付着防止や加熱ロール
1からの記録用紙Pの剥離促進のための離型用オイルを
塗布するオイル塗布装置5や、加熱ロール1の表面に付
着するトナー等を除去して清掃するクリーニング装置6
などが設けられている。
【0031】このうち上記外部加熱ロール4は、金属製
の円筒ロール40からなるものであり、その内部に配設
されたハロゲンヒータ41により加熱されるとともに、
そのロール表面に配設された第3の接触型温度センサ4
2により表面温度が検知されるようになっている。ま
た、この外部加熱ロール4は、揺動アーム43の一端部
に回転自在に支持されているとともに、その揺動フレー
ム43が支軸44を中心にして矢印E,F方向に揺動す
ることによって加熱ロール1と圧接及び離間可能になっ
ている。この揺動アーム43は、その加熱ロール40と
は反対側となる他端部が長孔43aに嵌め入れられた偏
心カム45に支持されており、その偏心カム45が複数
の駆動伝達ギア46等を介して伝達される電動モータ4
7の駆動力により所定の角度だけ回転することによって
支軸44を中心に矢印E,F方向に揺動する機構になっ
ている。
【0032】上記オイル塗布装置5は、図示外のオイル
タンクと接続されたオイル供給パイプ50からジメチル
シリコーンオイル等の離型用オイルが、まずウイック
(塗布部材)51に滴下されて供給された後、このウイ
ック51に当接する金属製のピックアップロール52に
塗布され、最後にこのピックアップロール52と加熱ロ
ール1の双方に当接するオイル塗布ロール(当接部材)
53を経由して加熱ロール1の表面に適量塗布されるよ
うになっている。上記金属製のピックアップロール52
には、ウイック51からのオイル塗布量を所定の量に均
一化させるためのブレード53が当接されている。ま
た、ウイック51やブレード53の下方にはオイル回収
パン54が配置され、そのウイックやブレード等で発生
する余剰のオイルが落下して回収されるようになってい
る。
【0033】上記クリーニング装置6は、クリーニング
ウェブ(当接部材)60を押圧ロール61により加熱ロ
ール1に押し当てることにより、加熱ロール1の表面を
清掃するようになっている。そのウェブ60は、送出ロ
ール62から所定量ずつ繰り出され、押圧ロール61と
支持ロール63を経由して巻取ロール64に巻き取られ
るようになっている。また、このクリーニング装置6に
おいては上記ウェブ60に加えてクリーニングロール
(当接部材)65が配設されている。このクリーニング
ロール65は、押圧ロール61よりも上流側となる加熱
ロール1の表面で当接するとともに、押圧ロール61と
支持ロール63の間に張架されるウェブ60部分に接触
するような状態で配設されている。
【0034】そして、この定着装置は、図2に示すよう
な制御装置(制御手段)7により各動作が制御されるよ
うになっている。
【0035】この制御装置7は、主に加熱系制御部と駆
動系制御部とに大別されている。そして、その加熱系制
御部には、加熱ロール1のハロゲンヒータ(第1ヒー
タ)12へ所定の電力を供給する第1ヒータ電源回路1
8と、加圧ロール2のハロゲンヒータ(第2ヒータ)2
2へ所定の電力を供給する第2ヒータ電源回路28と、
外部加熱ロール4のハロゲンヒータ(第3ヒータ)41
へ所定の電源を供給する第3ヒータ電源回路48がそれ
ぞれ接続されており、これにより制御装置7からの制御
信号が各電源回路に出力されて各ハロゲンヒータのON
/OFF動作や供給電力等が制御されるようになってい
る。一方、その駆動系制御部には、加圧ロール2を回転
駆動させる電動モータ36を制御する回転用モータドラ
イバ27と、加圧ロール2の支持フレーム30の揺動動
作を実現する電動モータ35を制御する接離用モータド
ライバ29と、外部加熱ロール4の支持アーム43の揺
動動作を実現する電動モータ47を制御する接離用モー
タドライバ49がそれぞれ接続されており、これにより
制御装置7からの制御信号が各ドライバに出力されて各
モータのON/OFF動作や回転量などが制御されるよ
うになっている。
【0036】また、この制御装置7には、加熱ロール1
の接触型温度センサ13、加圧ロール2の接触型温度セ
ンサ23、外部加熱ロール4の接触型温度センサ42、
用紙検知センサ39等が接続されており、これにより各
ロールの表面温度や定着後の記録用紙Pの通過情報が入
力されるようになっている。この他にも、この定着装置
が使用される画像形成装置の本体側から送られる各種の
制御信号(電源や各操作ボタン等のON/OFF動作、
開閉ドアの開閉動作等に関する情報信号)SSが入力さ
れるようになっている。
【0037】さらに、この制御装置7は、図3〜図5に
示すような制御シーケンスに基づいて加熱系に関する制
御を実行するように構成されている。また、この制御シ
ーケンスは、電源(定着装置及び画像形成装置の電源)
のON/OFF動作や、他の特殊な動作(開閉ドアの開
閉動作など)が行われた場合に、それまで実行された制
御シーケンスの内容が初期化されるようになっている。
なお、図3〜図5に示される制御シーケンスは、この定
着装置における定着温度を最も大きく支配する加熱ロー
ル1のハロゲンヒータ12に関するものである。したが
って、加圧ロール2のハロゲンヒータ22や外部加熱ロ
ール4のハロゲンヒータ42に関する制御は、別に用意
されている各制御シーケンスの内容に従ってそれぞれ実
行されるようになっている。
【0038】次に、この定着装置の基本的な定着動作に
ついて説明する。
【0039】まず、電源が投入されると、加熱ロール1
が主にハロゲンヒータ12によって急速に加熱され、最
終的には温度検知センサ13からの検知情報に基づいて
所望の定着温度Tmに保たれるように制御されて加熱さ
れる。また、この加熱ロール1は、必要に応じて、ハロ
ゲンヒータ22により加熱される加圧ロール2や、ハロ
ゲンヒータ41により加熱されて加熱ロール1に当接す
る外部加熱ロール4によっても補助的に加熱される。一
方、この加熱動作に合わせて加圧ロール2が、支持フレ
ーム30の矢印A方向への揺動により加熱ロール1に圧
接されるとともに電動モータ26の回転駆動により矢印
C方向に回転する。これにより、加熱ロール2は、加圧
ロール2との間で定着ニップNを形成した状態で矢印D
方向に回転するようになる。
【0040】そして、定着装置がこのような状態になる
と、この定着装置に対して未定着トナー像Tを保持する
記録用紙Pが搬送され、熱定着動作が開始される。すな
わち、記録用紙Pは、そのトナー像Tが保持された面が
加熱ロール1の表面に当接するような姿勢で導入搬送用
ガイド3aに案内されながら上記定着ニップ部Nに送り
こまれ、回転する加熱ロール1と加圧ロール2に挟持さ
れつつ搬送される。これにより、その未定着トナー像T
は加熱、加圧されて記録用紙P上に熱定着される。
【0041】このようにして熱定着処理された後の記録
用紙Pは、上記定着ニップ部Nから排出搬送用ガイド3
bに案内されながら排出され、最後に定着装置内部から
外部に排出される。この際、その記録用紙Pの排出(通
過)は用紙検知センサ39によって検知され、これによ
り、その通過した記録用紙Pの定着動作については無事
完了したことが確認される。
【0042】次に、この定着装置の加熱系制御動作(主
に加熱ロールのハロゲンヒータに関する制御動作)につ
いて図3及び図6を参照しながら説明する。図6は、加
熱ロール1の表面温度と経過時間(状態)との関係につ
いて示している。
【0043】まず、制御装置7に対して画像形成装置本
体側から電源のON/OFF動作等の制御信号SSが送
られると、制御装置7では加熱ロール1のハロゲンヒー
タ12に関する制御シーケンスの初期化が行われる。そ
して、図3に示すように、この初期化が行われると(ス
テップ101、以後「S101」のように表記する)、
温度検知センサ13によりその初期化時点での表面温度
が初期温度Tiniとして検出されて、その初期温度Tini
に関する検知情報が制御装置7に取りこまれる(S10
2、第1検温動作)。
【0044】次いで、この第1検温動作が終了すると、
制御装置7から第1ヒータ電源回路48に給電開始の制
御信号が送られて加熱ロール1のハロゲンヒータ12が
ON状態となり(S103)、また制御装置7において
先の初期温度Tiniが判断基準温度TA以上であるか否か
の判断が行われる(S104、初期比較動作)。この判
断基準温度TAは、制御シーケンスにおける制御目標温
度TCONTを設定する際の判断基準とするものであって、
通常は定着温度Tmの許容下限値(MFT)の前後とな
る温度(例えばTm±20℃の範囲温度)に設定され
る。この実施形態では、例えば定着温度をTm=155
〜165℃、定着温度の許容下限値をMFT=140
(主に白黒画像定着時)℃〜155(主にカラー画像定
着時)℃、判断基準温度をTA=140℃に設定してい
る。
【0045】このステップS104における初期比較動
作で「初期温度Tiniが判断基準温度TA以上である」と
判断された場合には、加熱ロール1やその周囲の温度が
実際にどのような状態にあるかを確認するため、制御装
置7は回転用モータドライバ27へ空回転動作用の制御
信号を出力し、電動モータ36を作動させることにより
そのときの加熱ロール1が所定の時間tだけ空回転する
ようになっている(S105、空転動作)。この空転時
間tは、加熱ロール1が回転して当接部材(オイル塗布
ロール、クリーニングウェブ又はロールなど)との摺擦
を繰り返すことによりそのロール自身とその周囲の温度
実態を的確に検知できる時間であればよく、この実施形
態では例えばt=5secとしている。
【0046】そして、この空転動作が終了した時点で、
そのときの加熱ロール1の表面温度が温度検知センサ1
3により空転後温度Trotとして検出されて、その検知
情報が制御装置7に取りこまれると(S106、第2検
温動作)、制御装置7において空転後温度Trotと初期
温度Tiniとの温度差ΔT(=|Trot−Tini|)が算
出され(S107)、そのときの温度差ΔTが予め定め
た閾値TB以上であるか否かが判断される(S108、
空転後比較動作)。この閾値TBは、上記温度差ΔTの
大小を判断するときの基準とする温度差であり、前記し
た基準温度TAの設定値等によっても異なるが、一般に
2〜8(℃)程度に設定される。この実施形態では例え
ばTB=3(℃)としている。
【0047】このステップS108における空転後比較
動作で「温度差ΔTが閾値TBより小さい」と判断され
た場合(図6中の実線L1で示す温度状態時)には、制
御装置7では加熱ロール1やその周辺の温度が高い状態
にあるとみなして、制御シーケンスの制御目標温度T
CONTを「安定時の制御温度(TC)」に設定するように
なっている(S109)。この実施形態では例えばTC
=160℃としている。
【0048】一方、先のステップS104における初期
比較動作で「初期温度Tiniが判断基準温度TAより低
い」と判断された場合(図6中の二点鎖線L2で示す温
度状態時)や、ステップS108における空転後比較動
作で「温度差ΔTが閾値TB以上である」と判断された
場合図6中の一点鎖線L3で示す温度状態時)には、制
御装置7では加熱ロール1やその周囲の温度が低い状態
にあるとみなして、制御シーケンスの制御目標温度T
CONTを「急加熱時の制御温度(TC+TD)」に設定する
ようになっている(S120)。ここで、温度TDはウ
ォーミングアップ時に急加熱のために加算される温度で
ある。この実施形態では例えばTD=8℃に設定されて
いる。
【0049】このようにして制御シーケンスの初期化時
点での制御目標温度TCONTが、加熱ロール1とその周辺
の温度実態に適切に応じてそれぞれの制御温度(安定時
又は急加熱時の制御温度)に選定される(S109,S
120、初期設定動作)。そして、制御装置7ではこの
初期設定動作で制御目標温度TCONTが設定されると、い
ずれの場合であってもその選定された各制御温度に従っ
てハロゲンヒータ12を動作させて加熱ロール1を加熱
し、その加熱後の加熱ロール1の表面温度THが実際に
その各制御温度(TC、TC+TD)に達した時点でヒー
タ12をOFF状態にするとともに、定着装置が定着動
作可能な状態になったことを示す「Ready信号」を
画像形成装置本体側に送信するようになっている(S1
11〜114、S121〜124)。
【0050】続いて、このような加熱制御のもとで定着
動作可能になった後における加熱系制御動作について図
4〜図6を参照しながら説明する。
【0051】まず、先の初期設定動作において制御目標
温度TCONTが「安定時の制御温度(TC)」に設定され
た場合(S110)についてであるが、定着動作可能な
状態になった後においても、前記した加熱ロール1の表
面温度が制御温度(TC)に保たれるように加熱ロール
1の表面温度THを検知しつつフィードバック制御がな
され、その制御は画像形成装置本体側から画像形成動作
(プリント)の要求があるまで継続される(S130〜
134)。
【0052】プリント要求があると、プリント動作によ
り形成された未定着トナー像Tを保持する記録用紙Pが
定着装置に送りこまれて前述したような定着動作が実行
される(S135)。そして、この定着動作が実行され
ている間も、加熱ロール1の表面温度が制御温度
(TC)に保たれるように加熱ロール1の表面温度TH
検知しつつフィードバック制御が実行され、その制御は
要求されたプリントが終了して当該記録用紙Pが定着処
理されて排出されたことが用紙検知センサ39で検知さ
れるまで(その用紙の走行が終了するまで)継続される
(S136〜140)。すべてのプリント及び定着動作
が終了すると、その記録用紙Pの走行終了処理(加圧ロ
ール2の当接解除、外部加熱ロール40の当接解除、ロ
ール回転駆動の停止など)がなされ(S141)、次の
プリントの要求があるまで待機することになる。なお、
この段階で画像形成装置本体の主電源等がOFFされた
場合には、この定着装置の電源もOFF状態となり、以
上のように実行されてきた制御シーケンスも初期化され
る(以後の各工程においても同様である)。
【0053】一方、先の初期設定動作において制御目標
温度TCONTが「急加熱時の制御温度(TC+TD)」に設
定された場合(S120)についてであるが、やはり定
着動作可能な状態になった後においても、前記した加熱
ロール1の表面温度が制御温度(TC+TD)に保たれる
ように加熱ロール1の表面温度THを検知しつつフィー
ドバック制御がなされ、その制御は画像形成装置本体側
からプリントの要求があるまで継続される(S150〜
154)。
【0054】そして、そのプリント要求がない場合に
は、制御装置7では先の「Ready信号」が出てから
の経過時間が所定の時間tt(この実施形態では例えば
4分とした)を経過するか否かについて判断され(S1
55)、その経過前であってプリント要求がないときに
は、先のステップS150に戻ってフィードバック制御
とプリント要求の有無の判断とが行われるが、その後に
プリント要求もなく上記経過時間が所定の時間ttを経
過したときには、加熱ロール1が十分に加熱されたもの
とみなし、前記した初期の制御目標温度TCONT(急加熱
時の制御温度)を急加熱時の制御温度よりも低めの温度
である「安定時の制御温度(TC)」に変更する(戻
す)ようになっている(S156、再設定動作)。
【0055】これにより、定着動作可能な状態になって
から所定の時間ttが経過するまでプリント動作ひいて
は定着動作が実行されない場合には、加熱ロール1は必
要以上に高温(TC+TD)に加熱されることはない。
【0056】このように再設定動作で制御目標温度T
CONTが安定時の制御温度(TC)に変更された後は、加
熱ロール1の表面温度がその制御温度(TC)に保たれ
るように加熱ロール1の表面温度THを検知しつつフィ
ードバック制御がなされ、その制御は画像形成装置本体
側からプリントの要求があるまで継続される(S157
〜161)。また、プリント要求があった場合には、そ
のプリント動作のすべてが終了するまで、前記したよう
に記録用紙Pの走行が行われて定着動作が実行されると
ともに、加熱ロール1の表面温度THを上記制御温度
(TC)に保つためのフィードバック制御が実行される
(S162〜168)。
【0057】一方、先のステップS154において「R
eady信号」が出てからの経過時間が所定の時間tt
を経過する前(換言すれば、定着可能な状態になった直
後)にプリント要求があった場合には、そのプリント動
作のすべてが終了するまで、やはり前記したごとく記録
用紙Pの走行が行われて定着動作が実行されるととも
に、加熱ロール1の表面温度THを上記制御温度(TC
に保つためのフィードバック制御が実行される(S17
0〜175)。
【0058】そして、ステップS175ですべてのプリ
ント動作が終了したと判断された場合には、その記録用
紙Pの走行終了処理がなされ(S176)、再度、Re
ady信号」が出てからの経過時間が所定の時間ttを
経過したか否かについて判断がなされ(S155)、そ
れが経過していないとき(図6中の点線L4で示す温度
状態時)には、プリント動作が短いジョブのものである
とみなすとともに加熱ロール1やその周囲が十二分に加
熱されていない可能性もあるとみなして、初期の制御目
標温度TCONT(急加熱時の制御温度)により制御が実行
される(S150〜154)。しかし、その経過時間が
所定の時間ttを経過しているとき(図6中の一点鎖線
L3の温度状態)には、その時点において初期の制御目
標温度T CONT(急加熱時の制御温度)を「安定時の制御
温度(TC)」に変更するようになっている(S15
6、再設定動作)。
【0059】これに対し、ステップS175ですべての
プリント動作が終了していない場合には、そのときの記
録用紙Pの通過済み枚数(定着動作が無事完了して用紙
検知センサ39で検知された枚数)が所定の枚数M(A
3サイズの用紙に換算した枚数)を超えているか否かに
ついて判断される(S177)。所定の枚数Mは、定着
可能な状態になった直後に開始される一連のプリント動
作(ジョブ)の長短を判別し、加熱ロール1の十分な加
熱を確保するに必要な任意の枚数に設定することができ
る。この実施形態では例えば2枚に設定している。
【0060】この際、その通過済み枚数が2枚を超えて
いないと判断された場合には、先のステップS171に
戻って同じ制御が繰り返されるが、反対に2枚を超えて
いると判断された場合には、プリント動作が長いジョブ
であるとみなすとともにその長いジョブで加熱ロール1
とその周囲が十分に加熱されているものとみなし、その
時点において初期の制御目標温度TCONT(急加熱時の制
御温度)を「安定時の制御温度(TC)」に変更するよ
うになっている(S178、再設定動作)。
【0061】これにより、定着動作可能な状態になった
直後において開始されるプリント動作ひいては定着動作
があっても、その動作内容の長短に応じて制御目標温度
CO NTが適切な制御温度に設定される。この結果、加熱
ロール1等はその各制御温度に応じて十分に加熱された
状態が維持され、直後に開始される定着動作によって加
熱ロール1の表面温度が低下しても、定着温度の許容下
限値(MFT)を下回ることがほとんどない。
【0062】したがって、制御シーケンスが初期化され
た後であって定着可能な状態になった直後に定着動作が
実行された場合があっても、加熱ロール1の表面温度が
定着温度の許容下限値(MFT)を下回ることに起因し
た定着不良が発生することが確実に防止されるようにな
る。
【0063】このような定着装置は、公知の電子写真複
写機やプリンタや複合機等の画像形成装置における定着
装置として使用可能である、その場合、画像形成装置
は、カラー画像又は単色画像のいずれの画像を形成する
ものであってもよく、また、感光体等の像担持体上に形
成する未定着トナー像Tを記録用紙、OHPシート等の
記録保持材に直接転写して保持される方式のものでも、
あるいは、その像担持体からの中間転写体を介して記録
保持材に転写して保持させる方式(中間転写方式)のも
のであってもよい。
【0064】[他の実施の形態]実施の形態1では、上
記加熱系制御のシーケンスを加熱ロール1のハロゲンヒ
ータ12の制御に対してのみ適用していたが、必要によ
り、加圧ロール2側のヒータ22や外部加熱ロール4の
ヒータ41の制御に対しても併用してもよい。また、判
断基準温度TAや温度差ΔTについてそれぞれ1つ、制
御温度について2つ用意して制御を行う場合について例
示したが、必要によっては、判断基準温度TAや温度差
ΔTについてそれぞれ2つ以上、制御温度についても3
つ以上用意してより高精度な加熱制御を行うように構成
してもよい。
【0065】また、実施の形態1では定着装置としてロ
ールニップ式のものを例示したが、定着装置そのものは
前記加圧ロール2に代えて無端状ベルトを加熱ロール1
に当接させて定着ニップ部Nを形成するベルトニップ方
式の定着装置であっても構わない。もちろん、定着装置
としては、その他にも、加熱ロールにハロゲンヒータ等
のような加熱源がないタイプのものや、外部加熱ロール
4がないタイプのものであってもよい。さらに、オイル
塗布装置5およびクリーニング装置6の一方又は双方が
ないタイプの定着装置であってもよい。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の定着装置
によれば、たとえ加熱回転体のウォームアップ加熱時等
の終了間際やその終了直後において、その加熱回転体の
加熱源に関する制御シーケンスが初期化される状況が発
生し、その後すぐに定着動作が開始されるようなことが
あっても、その初期化後において加熱回転体の適切な制
御目標温度が選定され、かかる制御温度に基づく制御シ
ーケンスによって加熱回転体が過不足なく十分に加熱さ
れる。
【0067】この結果、上記のような事態が発生して
も、その加熱回転体の表面温度が定着温度の許容下限値
を下回ることがなくなり、そのような温度低下がある場
合に発生する定着不良を確実に防止できるようになる。
また、このような定着装置を用いた画像形成装置にあっ
ては、かかる定着不良に起因した画質低下を確実に回避
することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1に係る定着装置の主要部を示す概
要図。
【図2】 図1の定着装置おける制御系の構成を示す概
要図。
【図3】 加熱系制御シーケンス(その1)を示すフロ
ーチャート。
【図4】 加熱系制御シーケンス(その2)を示すフロ
ーチャート。
【図5】 加熱系制御シーケンス(その3)を示すフロ
ーチャート。
【図6】 実施形態1に係る加熱系制御シーケンスを実
行した場合における加熱ロールの表面温度と経過時間
(状態)との関係を示す相関図。
【図7】 従来の加熱系制御シーケンスを実行した場合
における加熱ロールの表面温度と経過時間(状態)との
関係を示す相関図。
【符号の説明】 1…加熱ロール(加熱回転体)、7…制御装置(制御手
段)、12…ハロゲンヒータ(加熱源)、13…温度検
知センサ(温度検知手段)、T…未定着トナー像、P…
記録用紙(被定着物又は記録保持材)、TCONT…制御目
標温度、Tini…初期温度、MFT…定着温度の許容下
限値、TA…判断基準温度、ΔT…温度差、TC…安定時
の制御温度、TD…急加熱時の制御温度。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H027 DA12 DA38 EA12 EC06 EC09 EC10 ED25 EE07 EF04 EF06 EF09 EF12 2H033 AA02 BA30 BB01 BB28 CA03 CA04 CA07 CA28 CA30 CA40 CA48 3J103 AA02 AA14 AA32 AA41 BA03 BA16 BA41 FA01 GA02 GA57 GA58 GA60 GA66 HA03 HA05 HA12 HA15 HA31 HA53 5H323 AA36 BB03 CA08 CB04 CB42 FF01 FF03 KK05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱源により加熱され、一定方向に回転
    する加熱回転体と、この加熱回転体の表面温度を検知す
    る温度検知手段と、この温度検知手段により検知された
    表面温度に応じて選定される制御目標温度に基づきかつ
    所定時には初期化される制御シーケンスにより前記加熱
    源を制御する制御手段とを備え、未定着トナー像が担持
    された被定着物を前記加熱回転体の表面に接触させるよ
    うに通過させて当該トナー像を熱定着する定着装置にお
    いて、 前記制御手段が、少なくとも、前記制御シーケンスが初
    期化された時点での前記加熱回転体の表面温度を定着温
    度の許容下限値の前後となる温度に設定された判断基準
    温度と比較し、その表面温度が判断基準温度より高いと
    判断されたときに当該加熱回転体を空回転させ、その空
    転後の表面温度と前記表面温度との温度差の大小に応じ
    て制御目標温度を異なる制御温度に選定する一連の動作
    を実行するように構成されていることを特徴とする定着
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、前記制御
    手段が、前記一連の動作として、 前記制御シーケンスが初期化された時点での前記加熱回
    転体の表面温度を前記温度検出手段により初期温度とし
    て検出させる第1検温動作と、 この第1検温動作で得られる初期温度を、前記制御シー
    ケンスにおける制御目標温度を設定する初期の判断基準
    となりかつ定着温度の許容下限値の前後となる温度に設
    定された判断基準温度と比較する初期比較動作と、 この初期比較動作において初期温度が判断基準温度より
    高いときに、前記加熱回転体を所定の時間だけ空回転さ
    せる空転動作と、 この空転動作による空回転が終了した時点での加熱回転
    体の表面温度を前記温度検出手段により空転後温度とし
    て検出させる第2検温動作と、 この第2検温動作で得られる空転後温度と前記初期温度
    との温度差を算出し、その温度差と予め定めた閾値とを
    比較する空転後比較動作と、 この空転後比較動作において温度差が閾値より小さいと
    きには前記制御目標温度を安定時の制御温度に設定する
    一方、その温度差が閾値以上であるとき及び前記初期比
    較動作において初期温度が基準温度より小さいときには
    前記制御目標温度を前記安定時の制御温度より高い温度
    である急加熱時の制御温度に設定する初期設定動作と、 この初期設定動作で初期の制御目標温度として急加熱時
    の制御温度が設定された場合、その急加熱時の制御温度
    に達した後の経過時間が所定の時間を経過したときには
    当該制御目標温度を安定時の制御温度に変更する再設定
    動作とを実行するように構成されていることを特徴とす
    る定着装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の装置において、前記制御
    手段が、 前記再設定動作として、急加熱時の制御温度に達した後
    の経過時間が所定の時間を経過する前に開始されかつす
    べて終了する内容の定着動作が実行されたときには、そ
    の通過時間が所定の時間を経過した後に当該制御目標温
    度を安定時の制御温度に変更し、 また、急加熱時の制御温度に達した後の経過時間が所定
    の時間を経過する前に開始されかつその経過後にすべて
    終了する内容の定着動作が実行されたときには、その熱
    定着動作が終了した後に当該制御目標温度を安定時の制
    御温度に変更する特別な再設定動作をさらに実行するよ
    うに構成されていることを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の装置に
    おいて、前記加熱回転体の表面に当接し、その表面の熱
    を吸収する性質を有する当接部材が配設されていること
    を特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 未定着トナー像を最終的に記録保持材に
    転写形成し、その記録保持材上に担持された未定着トナ
    ー像を定着装置により熱定着する画像形成装置であっ
    て、その定着装置として、請求項1〜4のいずれかに記
    載の定着装置が使用されていることを特徴とする画像形
    成装置。
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