JP2001159688A - 電波修正時計の指針位置検出方法及び指針位置修正装置 - Google Patents

電波修正時計の指針位置検出方法及び指針位置修正装置

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JP2001159688A
JP2001159688A JP34132299A JP34132299A JP2001159688A JP 2001159688 A JP2001159688 A JP 2001159688A JP 34132299 A JP34132299 A JP 34132299A JP 34132299 A JP34132299 A JP 34132299A JP 2001159688 A JP2001159688 A JP 2001159688A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現在時刻を表示しながら指針位置の検出及び
修正を行うことができる電波修正時計の指針位置検出方
法及び指針位置修正装置を提供することにある。 【解決手段】 電波修正時計は、表示修正のために、秒
針駆動手段6と時分針駆動手段8の歯車の動作から指針
位置を示す検出信号を得ている。この検出信号を得るた
めに、一定時間、秒針を停止させている。秒針を停止す
ることにより、秒針駆動手段6の歯車が停止し、検出手
段の発光素子からの検出光が秒針駆動手段6の歯車によ
り遮蔽されることがなくなり、時分針駆動手段8の歯車
の動作から時針と分針の位置を検出し易い状態にするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、日本標準時を示す
標準電波を受信することにより正確な時刻情報を得て、
その時刻情報に対応する時刻に表示時刻を自動修正する
電波修正時計に関するものであり、特にその指針位置の
検出方法と、その方法に基づく指針位置検出装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の電波修正時計におい
ては、受信した時刻情報に表示時刻を修正するため、指
針位置検出装置を備えている。この指針位置検出装置に
おける指針位置検出は、指針を駆動する歯車に透孔を設
け、この透孔を挟んで対向する発光素子と受光素子を配
置し、発光素子からの光が透孔を介して受光素子に達す
ると指針が所定位置に達したことを検出するもの等、各
種の検出方法に基くものがあった。
【0003】このような電波修正時計において、指針位
置を比較的容易に検出するには、秒針を駆動するための
駆動系と、時針及び分針を駆動するための駆動系を分け
て、それぞれ独立した駆動源で駆動するように構成する
と共に、それぞれの駆動系の歯車に発光素子と受光素子
からなる検出手段をそれぞれ設けて各指針毎に指針位置
を検出すれば良い。
【0004】しかしながら、上記のように複数の検出手
段で各指針の位置を検出すると、検出手段を複数配設す
るスペースが必要になって時計が大型化し、また高価な
検出手段を多用するため価格の上昇をまねくことになっ
てしまう。このため、できる限り検出手段の数を減ら
し、また、各指針を速やかに移動して短時間で位置修正
ができるように、秒針駆動系と時分針駆動系の2つの駆
動手段を設けると共に、単一の検出手段でこの2つの駆
動手段の動作から指針位置を検出することを行ってい
る。
【0005】上記のように単一の検出手段で2つの駆動
手段の動作から指針位置を検出するには、2つの駆動手
段により歯車が駆動され、その歯車の透孔を通過する検
出手段からの検出光の有無によるパターン化された信号
と、予め記憶されたパターンとを比較して、それらが一
致したときに指針が停止し、予め決められた時刻を示す
位置に達したことを認識するという順で行っている。
【0006】このように予め決められた時刻を示す位置
に達したことにより指針位置が検出されると、その後、
着信した時刻情報に基づいて実際の時刻を表示するよう
に更に指針が早送りされて移動し、時刻修正がなされ
る。このように、一旦、指針位置が検出された後におけ
る指針の駆動は、その駆動手段を駆動する駆動パルスの
数で制御されている。即ち、初期の指針位置が認識され
れば、その位置から実際の時刻を示す指針位置まで指針
を移動するために必要な駆動パルスの数は容易に算出す
ることが可能であり、また、そのパルス数で把握してい
る現在の指針位置と着信した時刻情報による時刻との差
も、駆動パルスの数で把握することにより容易にその差
を修正することができる。このため、前述したように検
出手段を使って実際の指針位置を検出した後において
は、駆動パルスの数で指針位置(表示時刻)を把握し、
着信した時刻情報に一致するように表示時刻を修正する
際にも、駆動パルスの数の増減で修正していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように単一の検
出手段で2つの駆動手段の動作から指針位置を検出し、
更にその後の指針位置(表示時刻)の把握には駆動パル
スの数を用いている電波修正時計の場合、通常の時刻表
示中等に、指針がゴミや針同士のスレ等により一時的に
停止すると、駆動パルスの数で把握している指針位置と
実際の指針位置との間にズレが生じ、このズレが受信し
た時刻情報に基く時刻修正が行われても誤差となって残
ってしまい、再度実際の指針位置を確認しなければなら
ないという課題があった。特に、電波修正時計の場合、
使用者はその表示時刻が常に正確であると思い込んでい
るため、上記のような駆動パルスの数で把握している指
針位置と実際の指針位置との間にズレが生じても、その
ズレを発見することができない場合があり、自動的に修
正することが望ましいものであった。
【0008】また、上記のような表示誤差を修正するに
は、再び検出手段を用いて実際の指針位置を検出するこ
とが必要であるが、指針位置を検出するには予め設定さ
れた時刻まで指針を移動させて検出することが必要であ
り、指針位置を検出し、指針が実際の時刻を表示する位
置に移動するまでの間、時刻を表示することができない
という課題があった。
【0009】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
もので、指針位置に機械的なズレが生じた場合であって
も、現在時刻を表示しながら指針位置の検出及び修正を
行うことができる電波修正時計の指針位置検出方法及び
指針位置修正装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の電波修正時計の
指針位置検出方法は、第1の駆動パルスにより第1の駆
動源を駆動制御することにより回転駆動される複数の歯
車を有し該歯車で秒針を駆動する秒針駆動手段と、第2
の駆動パルスにより第2の駆動源を駆動制御することに
より回転駆動される複数の歯車を有し該歯車で時針及び
分針を駆動する時分針駆動手段と、前記秒針駆動手段の
歯車と前記時分針駆動手段の歯車が軸方向に重なり合う
部分を挟んで対向配置される発光素子と受光素子とを有
し且つ前記発光素子からの検出光が前記歯車に設けられ
た透孔及び遮光部により透過及び遮蔽されることにより
指針位置を示す検出信号を出力する検出手段と、該検出
手段が検出した指針位置が示す時刻と電波を受信するこ
とにより得られた時刻情報とを比較して少なくとも前記
時分針駆動手段を駆動制御して時刻を修正する修正制御
手段と、を備えた電波修正時計において、時針及び分針
の位置検出が可能な設定時刻を含む間隔の第1の時刻と
第2の時刻を設定し、前記第1の時刻以降に前記秒針駆
動手段の歯車の透孔が前記検出手段に対向すると前記第
2の時刻までの間秒針駆動手段による秒針の駆動を停止
し、前記秒針が停止している間に前記検出手段の検出信
号から前記設定時刻に達した時針及び分針の位置を検出
するものである。
【0011】また、電波修正時計の指針位置修正装置
は、第1の駆動パルスにより第1の駆動源を駆動制御す
ることにより回転駆動される複数の歯車を有し該歯車で
秒針を駆動する秒針駆動手段と、第2の駆動パルスによ
り第2の駆動源を駆動制御することにより回転駆動され
る複数の歯車を有し該歯車で時針及び分針を駆動する時
分針駆動手段と、前記秒針駆動手段の歯車と前記時分針
駆動手段の歯車が軸方向に重なり合う部分を挟んで対向
配置される発光素子と受光素子とを有し且つ前記発光素
子からの検出光が前記歯車に設けられた透孔及び遮光部
により透過及び遮蔽されることにより指針位置を示す検
出信号を出力する検出手段と、該検出手段が検出した指
針位置が示す時刻と電波を受信することにより得られた
時刻情報とを比較して少なくとも前記時分針駆動手段を
駆動制御して時刻を修正する修正制御手段と、を備えた
電波修正時計において、時針及び分針の位置検出が可能
な設定時刻を含む間隔の第1の時刻と第2の時刻を検出
する修正時刻検出手段と、前記第1の時刻以降に前記秒
針駆動手段の歯車の透孔が前記検出手段に対向すると前
記第2の時刻までの間前記秒針駆動手段による秒針の駆
動を停止させる秒針停止手段と、を備え、前記秒針が停
止している間に前記検出信号に基いて前記修正制御手段
が前記設定時刻に達した時針と分針の位置を検出し、該
時針と分針の位置が示す時刻と前記時刻情報とを比較
し、少なくとも時分針駆動手段を制御して前記時針及び
分針の位置を修正するものである。
【0012】上記指針位置修正装置における前記修正制
御手段は、電波を受信して得られた時刻情報により計時
する時刻情報計時手段と、前記検出手段からの検出信号
に基いて前記時針及び分針が前記設定時刻に達したこと
を検出する設定時刻検出手段と、前記時針及び分針が検
出されたときの時刻と前記時刻情報計時が計時する時刻
とを比較する比較手段と、該比較手段での比較結果に基
いて少なくとも前記時分針駆動手段を制御して時針及び
分針の位置を修正する時刻修正手段と、を有している。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における電波修正時計は、
単一の検出手段で、秒針を駆動する秒針駆動手段と時針
及び分針を駆動する時分針駆動手段の歯車の動作から指
針位置を示す検出信号を得るものとなっている。この検
出信号は、修正制御手段にて実際の指針位置が時刻等の
設定時刻に達したときにその時刻を示すものとして認識
され、電波を受信することにより得られた時刻情報と比
較される。その結果、指針位置と正確な時刻との誤差が
得られ、これを修正するため時分針駆動手段や秒針駆動
手段を制御して駆動パルスの増減等で時針と分針の位置
を修正するものとなっている。
【0014】本発明の指針位置検出方法及び指針位置修
正装置においては、上記のような電波修正時計におい
て、時針と分針の位置を検出する際に、一定時間、秒針
を停止させている。この秒針を停止させる時間は、時針
と分針の位置検出が可能な予め設定された時刻等の設定
時刻を含む間隔の第1の時刻と第2の時刻の間に設定さ
れている。この間、秒針を停止することにより、秒針駆
動手段の歯車が停止し、検出手段の発光素子からの検出
光が秒針駆動手段の歯車により遮蔽されることがなくな
り、時分針駆動手段の歯車の動作から時針と分針の位置
を検出し易い状態にすることができる。上記第1及び第
2の時刻は修正時刻検出手段により検出し、秒針は秒針
停止手段により停止される。
【0015】上記のように秒針が停止している間におい
ても時針及び分針は通常の運針を続けて時刻を表示する
状態にある。そして、通常運針されている時針及び分針
が設定時刻に達すると、このときに検出手段が出力する
検出信号のパターンが設定時刻を示すパターンと一致す
ることを修正制御手段の設定時刻検出手段にて検出し、
時針と分針が設定時刻の位置にあることを認識する。こ
のときに修正制御手段の時刻情報計時手段からの時刻情
報と時針及び分針が表示する時刻との比較が比較手段に
てなされ、その差を駆動パルスで修正するため、時刻修
正手段から修正指示が時分針駆動手段の駆動パルス制御
手段に与えられ、駆動パルスの発生周波数変更、増減等
により時針及び分針を駆動してその位置を正確な時刻を
指すように修正する。
【0016】このように実際の指針位置を検出して修正
する時刻修正は、3日毎あるいは週に1回等、電力消費
等を考慮して定期的かつ自動的に行うように設定され
る。
【0017】尚、上記のように指針位置が検出されてそ
の位置が修正された後は、再び秒針が動作を始め、通常
の状態に戻り、1日に数回、電波から得た時刻情報によ
る時刻情報計時手段の計時内容と駆動パルスの数から得
られた表示時刻とが比較され、差が生じたときには駆動
パルスの発生周波数の変更、増減等で一致が図られて修
正される。
【0018】
【実施例】以下、図面に基いて本発明の実施例を説明す
る。はじめに、本実施例に係る電波修正時計の構成を図
1に示す機能説明図に基いて説明する。本実施例におけ
る電波修正時計は、発振器、マイクロコンピュータ、指
針駆動機構、センサ等を備えてなるものであり、マイク
ロコンピュータに設定された機能と、指針駆動機構及び
センサの機能が互いに作用することにより、指針位置の
検出と修正がなされる。以下に各機能毎に分けて詳細に
その構成及び作用を説明する。
【0019】2は発振器であり、4は発振器2からの信
号を分周して所定周波数のパルス信号を供給するパルス
発生手段である。
【0020】6は秒針を駆動する秒針駆動手段、8は時
針及び分針を駆動する時分針駆動手段である。秒針駆動
手段6は、秒針を駆動するための第1の駆動パルスの出
力、停止や修正時の修正パルスの供給を制御する駆動パ
ルス制御手段10と、この駆動パルス制御手段10から
の第1の駆動パルスにより作動して秒針を駆動する秒針
駆動機構部12を有している。また、時分針駆動手段8
は、時針及び分針を駆動するための第2の駆動パルスの
出力や修正時の修正パルスの供給を制御する駆動パルス
制御手段14と、この駆動パルス制御手段14からの第
2の駆動パルスにより作動して時針及び分針を駆動する
時分針駆動機構部16を有している。
【0021】上記秒針駆動機構部12は、図2及び図3
に示すように、第1の駆動源としての第1ステッピング
モータ18と、そのロータピニオン18aに大径歯車2
0aが噛合した第1の5番車20と、この第1の5番車
20の小径歯車20bに噛合した秒針車22とにより構
成されている。
【0022】第1の5番車20は、大径歯車20aの歯
数が60個、小径歯車20bの歯数が15個に形成さ
れ、下ケース1及び上ケース3に回動自在に軸支されて
いる。この第1の5番車20には、図2及び図4に示す
ように、秒針車22と重なる領域において周方向に等間
隔(中心角α1が120°)で配置された3個の円形状
をなす透孔20cが形成されている。この透孔20c
は、後述する検出手段としての光検出センサの検出光を
通過させるものである。
【0023】秒針車22は、大径歯車20aの歯数が6
0個に形成され、その軸部の一端が上ケース3に軸支さ
れ、中板5を下ケース1側に貫通したその他端側には秒
針軸22bが圧入されており、この秒針軸22bは、後
述する分針パイプの内部に挿通されて、その先端に秒針
が取り付けられる。この秒針車22には、図5に示すよ
うに、回転により第1の5番車20と重なる領域におい
て周方向に等間隔(中心角α2が30°)で配置された
11個の円形状をなす透孔22cと、一箇所だけピッチ
の異なる位置決め用の遮光部22d(透孔22cと透孔
22cとの中心角が60°)とが形成されている。そし
て、上記第1の5番車20の透孔20cが遮光部22d
に対向した後に最初に透孔22cと対向するときに、秒
針が正時を指すように設定されている。上記透孔22c
は、光検出センサの検出光を通過させるものである。
【0024】また、上記時分針駆動機構部16は、図2
及び図3に示すように、第2の駆動源としての第2ステ
ッピングモータ24と、そのロータピニオン24aに大
径歯車26aが噛合した第2の5番車26と、この第2
の5番車26の小径歯車26bに大径歯車28aが噛合
した3番車28と、この3番車28の小径歯車28bに
大径歯車30aが噛合した分針車30と、この分針車3
0の小径歯車30bに大径歯車32aが噛合した日の裏
車32と、この日の裏車32の小径歯車32bに噛合し
た時針車34とにより構成されている。
【0025】第2の5番車26は、大径歯車26aの歯
数が60個、小径歯車24bのは数が15個に形成さ
れ、中板5及び上ケース3に軸支されている。
【0026】3番車28は、大径歯車28aの歯数が6
0個、小径歯車28bの歯数が10個に形成され、軸部
の一端が上ケース3に軸支され、他端側が中板5を貫通
した状態で回動自在に配設されている。また、3番車2
8には、図6に示すように、回転により秒針車22及び
第1の5番車20と重なる領域において周方向に等間隔
(中心角α3が36°)で配置された10個の円形状を
なす透孔28cが形成されている。この透孔33cは、
光検出センサの検出光を通過させるものである。
【0027】分針車30は、大径歯車30aの歯数が6
0個、小径歯車30bの歯数が14個に形成され、その
中央には小径歯車30bが一体的に形成された分針パイ
プ30pが形成されている。この分針パイプ30pは、
下ケース1を貫通して時計の文字板側に突出して、その
先端に分針が取り付けられる。
【0028】また、分針車30には、図7に示すよう
に、回転により秒針車22、第1の5番車20、3番車
28と重なる領域において周方向に長尺な3個の円弧状
透孔30c,30d,30eが形成されている。これら
円弧状透孔30cと円弧状透孔30dとは、中心角α5
で30°隔てて形成され、円弧状透孔30dと円弧状透
孔30eとは、中心角α6で30°隔てて形成され、
又、円弧状透孔30eと円弧状透孔30cとは、中心角
α7で60°隔てて形成されている。即ち、円弧状透孔
30eと円弧状透孔30cとの間に、最も幅の広い遮光
部Aが形成され、円弧状透孔30cと円弧状透孔30d
との間及び円弧状透孔30dと円弧状透孔30eとの間
に、上記遮光部Aよりも幅狭の遮光部Bが形成されてい
る。
【0029】時針車34は、大径歯車34aのは数が4
0個に形成され、その中央部に円筒状の時針パイプ34
pが一体的に取り付けられており、この時針パイプ34
pの内部に前述の分針パイプ30pが挿通されている。
そして、時針パイプ34pは、下ケース1に挿通され、
その先端側はしたケース1を貫通して時計の文字板側に
突出しており、その先端には時針が取り付けられる。
【0030】また、時針車34には、図8に示すよう
に、回転により秒針車22、第1の5番車20、3番車
28、分針車30と重なる領域において周方向に長尺な
3個の円弧状透孔34c,34d,34eが形成されて
いる。これら円弧状透孔34cと円弧状透孔34dと
は、中心角α8で45°隔てて形成され、円弧状透孔3
4dと円弧状透孔34eとは、中心角α9で60°隔て
て形成され、又、円弧状透孔34eと円弧状透孔34c
とは、中心角α10で30°隔てて形成されており、さ
らに、円弧状透光34c,34d,34eの長さは、中
心角β1+β2,β3,β4がそれぞれ75°,60
°,90°となるように設定されている。即ち、円弧状
透孔34eと円弧状透孔34cとの間に、最も幅の狭い
遮光部Cが形成され、円弧状透孔34cと円弧状透孔3
4dとの間に、遮光部Cよりも幅の広い遮光部Dが形成
され、円弧状透孔34dと円弧状透孔34eとの間に、
遮光部Dよりも幅の広い遮光部Eが形成されている。
【0031】日の裏車32は、大径歯車32aの歯数が
42個、小径歯車32bの歯数が10個に形成され、下
ケース1に軸支されている。
【0032】一方、再び図1に示す全体の構成に戻る
と、上記構成からなる秒針駆動手段6と時分針駆動手段
8とを制御して指針のズレと時刻を修正する時刻修正装
置を構成する部分が図1の下側に示されている。40は
上述した構成からなる秒針駆動機構部12と字分針駆動
機構部16における歯車の動作から指針位置を示すパタ
ーンからなる検出信号を出力する検出手段としての光検
出センサである。
【0033】この光検出センサ40は、図2及び図3に
示すように、上ケース3等に取り付けられた発光素子4
2と、この発光素子42に対向するように、下ケース1
等に取り付けられた受光素子44とを有している。ま
た、この光検出センサ40は、図2に示すように、平面
視にて第1の5番車20、秒針車22、3番車28、分
針車30、時針車34の全てが同時に重なる位置に配置
されている。そして、第1の5番車20の透孔20c、
3番車28の透孔28c、秒針車22の透孔22c、分
針車30の透孔30c(30d,30e)、時針車34
の透孔34c(34d,34e)が重なり合ったとき
に、発光素子42から発せられた検出光が受光素子44
により受光され、各歯車の回転による透孔の移動で検出
光が遮られることが繰り返されて、受光の有無による所
定パターンの検出信号を出力する。この検出信号のパタ
ーンについては後に詳述する。
【0034】また、図1において、46は修正制御手段
であり、設定時刻検出手段48、時刻情報計時手段5
0、比較手段52、時刻修正手段54を含んでいる。こ
の設定時刻検出手段48は、上述した光検出センサ40
からの検出信号が予め設定された12時、4時、8時等
の予め決められた時刻を示すときのパターンと一致する
か否かを判断するものである。また、時刻情報計時手段
50は、電波を受信することにより受信手段49が得た
時刻情報に基づいて現在時刻を計時するものである。更
に、比較手段52は、設定時刻検出手段48にて指針が
設定時刻に達したと認識すると、その時刻と時刻情報計
時手段50が計時する現在時刻とを比較してその差を算
出するものである。また、時刻修正手段54は、比較手
段52が算出した差に基いて修正用の駆動パルスの出力
を駆動パルス制御手段10,14に指示するものであ
る。
【0035】56は修正時刻検出手段であり、指針位置
の検出が可能な予め決められた時刻、即ち設定時刻検出
手段48に設定されている設定時刻を含む間隔の第1の
時刻と第2の時刻を時刻情報計時手段50の時刻等から
検出するものである。本実施例においては、後述するよ
うに時針及び分針の位置を検出するために秒針を停止さ
せ、更に、指針位置の検出が可能な予め決められた時刻
を12時、4時、8時に設定していること等により、第
1の時刻を午前2時、第2の時刻を午前4時に設定して
いる。
【0036】58は秒針停止手段であり、第1の時刻以
降に秒駆動機構部12における第1の5番車20及び秒
針車22の透孔20c,22cが光検出センサ40に対
向する位置に達してこれを光検出センサ40が検出する
と、秒針駆動手段6を停止させるものである。尚、この
ような秒針の停止は、第2の時刻又は指針位置の修正が
終了するまで続けられる。
【0037】次に、上記構成からなる電波修正時計にお
ける指針位置の検出方法と動作を説明する。はじめに、
光検出センサ40の検出信号のパターンについて説明す
る。第1の5番車20、秒針車22、3番車28、分針
車30、時針車34は、それぞれ駆動パルス制御手段1
0,14からの駆動パルスにより1秒に1ステップ駆動
される第1ステッピングモータ18及び10秒に1ステ
ップ駆動される第2ステッピングモータ24のステップ
駆動により回転駆動される。この際、第1の5番車20
は、15ステップ(15秒)で1回転(透孔20cは5
ステップ毎に1回光検出センサ40に対向)するように
駆動され、秒針車22は、60ステップ(60秒)で1
回転(透孔22cは1箇所を除いて5ステップ毎に1回
光検出センサ40に対向)する。一方、3番車28は、
60ステップ(10分)で1回転(透孔28cは6ステ
ップに1回光検出センサ40に対向)するように駆動さ
れ、分針車30は360ステップ(60分)で1回転
し、時針車34は4320ステップ(12時間)で1回
転する。
【0038】上記のように回転する輪列から得られる各
透孔の検出タイミングは図9乃至図11に示すようにな
る。図9は秒針駆動機構部12における第1の5番車2
0と秒針車22の透孔20c,22cによる検出タイミ
ングとそれらを合成した検出タイミングを示している。
第1の5番車20の透孔20cは5ステップ(1秒毎に
1ステップ駆動であるため5秒)に1回検出光が透過す
ることになり、秒針車22の透孔22cも1箇所を除い
て5ステップに1回検出光が透過するため、それらを合
成すると透孔22cの検出タイミングと同様になる。
尚、秒針車22が1回転する間に1回だけ検出タイミン
グが10ステップになる場所があるが、これは秒針を帰
零させる際に0秒位置を検出するために設けられてい
る。
【0039】また、図10に示すように、上記のような
秒針駆動機構部12における検出タイミングに対して時
分針駆動機構部16における3番車28の透孔28cの
検出タイミングは、6ステップ(10秒毎に1ステップ
駆動であるため60秒)に1回検出光が透過して検出可
能となり、それと上記秒針駆動機構部12における検出
タイミングとを合成すると、60秒に1回検出光が透過
することになる。
【0040】一方、図11に示すように、分針車30の
円弧状透孔30c,30d,30eの間には遮光部B,
B,Aが設けられているため、60分で1回転する間に
この遮光部B,B,Aでそれぞれ遮蔽される間隔B,
B,Aが検出タイミングに生じる。また、時針車34の
円弧状透孔34c,34d,34eの間には遮光部D,
E,Cが設けられているため、12時間で1回転する間
にこの遮光部D,E,Cでそれぞれ遮蔽される間隔D,
E,Cが検出タイミングに生じる。上記分針車30と時
針車34の検出タイミングを合成すると、上記のように
検出光が遮蔽される間隔B,Aと間隔D,E,Cが合成
されて、4時、8時、12時の直前に特徴的なパターン
が発生する。このような検出タイミングのパターンか
ら、4時、8時、12時の到来を検出することができ
る。
【0041】本実施例においては、上記のような検出信
号のパターンが得られる4時、8時、12時を、この時
刻を指す位置に指針が達したことを検出することができ
る予め決められた時刻と定め、この予め決められた時刻
のパターンを設定時刻検出手段48に設定時刻として設
定して、光検出センサ40からの検出信号との一致を検
出し、指針位置が上記時刻に達したか否かを判別し、検
出している。
【0042】上記のように、実際の指針位置が検出可能
なポイントは4時、8時、12時であり、これを指針が
指すときの指針位置を読み取るには2時〜4時、6時〜
8時、11時〜12時の間、それぞれ検出信号のパター
ンを読み込むことが必要である。このため、修正時刻検
出手段56には、パターンを読み込み始める時刻(2
時、6時、11時)が第1の時刻として設定され、読み
込みが終了して検出が終わる時刻(4時、8時、12
時)が第2の時刻として設定されている。
【0043】尚、この第1の時刻と第2の時刻は、複数
設定しても良いが、この間、秒針を停止することにな
り、また、電波の受信状態も考慮すると夜間あるいは未
明に設定することが好ましく、本実施例においては第1
の時刻を午前2時、第2の時刻を午前4時に設定してい
る。
【0044】上記のように修正時刻検出手段56が午前
2時を検出すると、これにより秒針停止手段58は、第
1の5番車20と秒針車22の透孔20c,22cが光
検出センサ40に対向したときに、駆動パルス制御手段
10からの駆動パルスの出力を停止させる。これによ
り、秒針駆動機構部12は停止し、秒針駆動機構部12
中の第1の5番車20と秒針車22の回転を考慮するこ
となく時針及び分針の位置検出が可能となり、また、電
力消費の削減にも効果がある。
【0045】このように秒針が停止している間も、時分
針駆動手段8はそのまま通常の指針駆動を続けているた
め、時針と分針は時刻を表示し続けている。その後、時
針及び分針が午前4時を指す位置に達すると、修正制御
手段46の設定時刻検出手段48は光検出センサ40か
らの検出信号のパターンから時針及び分針が設定時刻を
指す位置に達したことを検出し、このときの設定時刻と
電波による最新の時刻情報により計時する時刻情報計時
手段50の計時時刻とを比較してその差を算出する。
【0046】時刻修正手段54は、比較手段52から得
た差に基いて指針のズレによる誤差を判断し、指針のズ
レを修正するための修正パルスを出力するよう駆動パル
ス制御手段14に指示する。通常、指針のズレはゴミや
針スレ等により生じる遅れであり、駆動パルスのカウン
トにより表示時刻を把握している駆動パルス制御手段1
0,14あるいはその他の計時手段60が計時している
時刻に対して遅れ誤差が生じていることが多い。この場
合には、駆動パルスの数を誤差分だけ増加する、早送り
パルスで誤差分修正する、あるいは駆動パルスの発生周
期を一時的に変更する(例えば10秒に1回発生する駆
動パルスを1秒に1回発生させる等)等により、時針及
び分針のズレを修正する。
【0047】尚、このときに駆動パルス制御手段10に
も正確な時刻に合わせたタイミングで駆動パルスを出力
するように指示を与えても良いし、また、必要があれば
秒針停止手段58が秒針の始動を指示したときに帰零さ
せてから秒針を駆動するようにしても良い。
【0048】一方、光検出センサ40に関しても、電力
消費を少なくするため、時針及び分針の位置検出を行う
際にのみ通電するように点灯制御され、更に、10秒に
1回点灯する等、点滅させて電力消費を最小限に抑える
ことが望ましい。
【0049】また、修正制御手段46における時刻情報
計時手段50、比較手段52、時刻修正手段54は、通
常の動作時に、駆動パルスから時刻を計時する計時手段
60と電波から時刻情報を得て計時する時刻情報計時手
段50との比較により、時刻修正を行う場合の機能と共
通・兼用が可能である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、検出光で秒針駆動手段
と時分針駆動手段における歯車の動作を検出する電波修
正時計において、時針及び分針の位置を検出する際に、
一定時間秒針を停止させ、その間に予め設定された設定
時刻に通常運針している時針及び分針が達したことを検
出して指針位置を検出している。このように秒針を停止
させることにより、秒針駆動手段の動作を考慮すること
なく時分針駆動手段の動作から時針及び分針の位置を検
出することができる。
【0051】また、実施例に示したように、秒針の駆動
は1秒に1回行われ、時針及び分針の駆動は10秒に1
回行われる。このため、秒針の駆動は時針及び分針に比
べて10倍電力が必要である。従って、指針位置検出中
に、秒針を停止させることにより、電力の消費を大幅に
削減することができる。
【0052】更に、時針及び分針の位置を検出する際
に、時針と分針は通常の運針を続けることにより移動
し、その指針位置の検出が可能な設定時刻を指す位置ま
で移動すると、それを検出して指針位置として認識して
いる。このため、時針と分針による時刻表示状態に変化
はなく、指針位置を検出するために強制的に早送りする
ものと異なり、指針位置の検出時にも時針と分針による
時刻表示をすることができる。
【0053】また、通常の運針を続け且つ時刻を表示し
ながら指針位置を検出することができるので、自動的に
指針位置をチェックして修正することができ、指針のズ
レによる表示誤差の発生を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電波修正時計の構成を
示す機能説明図である。
【図2】図1に示す秒針駆動機構部及び時分針駆動機構
部の構成を示す平面図である。
【図3】図2に示す秒針駆動機構部及び時分針駆動機構
部の断面図である。
【図4】図2及び図3に示す第1の5番車を示す平面図
である。
【図5】図2及び図3に示す秒針車を示す平面図であ
る。
【図6】図2及び図3に示す3番車を示す平面図であ
る。
【図7】図2及び図3に示す分針車を示す平面図であ
る。
【図8】図2及び図3に示す時針車を示す平面図であ
る。
【図9】秒針駆動機構部における第1の5番車と秒針車
の透孔による検出タイミングとそれらを合成した検出タ
イミングを示すタイムチャートである。
【図10】秒針駆動機構部における検出タイミングと3
番車の透孔による検出タイミングとそれらを合成した検
出タイミングを示すタイムチャートである。
【図11】分針車と時針車の円弧状透孔による検出タイ
ミングとそれらを合成した検出タイミングを示してい
る。
【符号の説明】
6 秒針駆動手段 8 時分針駆動手段 10,14 駆動パルス制御手段 12 秒針駆動機構部 16 時分針駆動機構部 18 第1ステッピングモータ 20 第1の5番車 22 秒針車 24 第2ステッピングモータ 28 3番車 30 分針車 34 時針車 40 光検出センサ 46 修正制御手段 56 修正時刻検出手段 58 秒針停止手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の駆動パルスにより第1の駆動源を
    駆動制御することにより回転駆動される複数の歯車を有
    し該歯車で秒針を駆動する秒針駆動手段と、 第2の駆動パルスにより第2の駆動源を駆動制御するこ
    とにより回転駆動される複数の歯車を有し該歯車で時針
    及び分針を駆動する時分針駆動手段と、 前記秒針駆動手段の歯車と前記時分針駆動手段の歯車が
    軸方向に重なり合う部分を挟んで対向配置される発光素
    子と受光素子とを有し且つ前記発光素子からの検出光が
    前記歯車に設けられた透孔及び遮光部により透過及び遮
    蔽されることにより指針位置を示す検出信号を出力する
    検出手段と、 該検出手段が検出した指針位置が示す時刻と電波を受信
    することにより得られた時刻情報とを比較して少なくと
    も前記時分針駆動手段を駆動制御して時刻を修正する修
    正制御手段と、を備えた電波修正時計において、 時針及び分針の位置検出が可能な設定時刻を含む間隔の
    第1の時刻と第2の時刻を設定し、 前記第1の時刻以降に前記秒針駆動手段の歯車の透孔が
    前記検出手段に対向すると前記第2の時刻までの間秒針
    駆動手段による秒針の駆動を停止し、 前記秒針が停止している間に前記検出手段の検出信号か
    ら前記設定時刻に達した時針及び分針の位置を検出する
    ことを特徴とする電波修正時計の指針位置検出方法。
  2. 【請求項2】 第1の駆動パルスにより第1の駆動源を
    駆動制御することにより回転駆動される複数の歯車を有
    し該歯車で秒針を駆動する秒針駆動手段と、 第2の駆動パルスにより第2の駆動源を駆動制御するこ
    とにより回転駆動される複数の歯車を有し該歯車で時針
    及び分針を駆動する時分針駆動手段と、 前記秒針駆動手段の歯車と前記時分針駆動手段の歯車が
    軸方向に重なり合う部分を挟んで対向配置される発光素
    子と受光素子とを有し且つ前記発光素子からの検出光が
    前記歯車に設けられた透孔及び遮光部により透過及び遮
    蔽されることにより指針位置を示す検出信号を出力する
    検出手段と、 該検出手段が検出した指針位置が示す時刻と電波を受信
    することにより得られた時刻情報とを比較して少なくと
    も前記時分針駆動手段を駆動制御して時刻を修正する修
    正制御手段と、を備えた電波修正時計において、 時針及び分針の位置検出が可能な設定時刻を含む間隔の
    第1の時刻と第2の時刻を検出する修正時刻検出手段
    と、 前記第1の時刻以降に前記秒針駆動手段の歯車の透孔が
    前記検出手段に対向すると前記第2の時刻までの間前記
    秒針駆動手段による秒針の駆動を停止させる秒針停止手
    段と、を備え、 前記秒針が停止している間に前記検出信号に基いて前記
    修正制御手段が前記設定時刻に達した時針と分針の位置
    を検出し、該時針と分針の位置が示す時刻と前記時刻情
    報とを比較し、少なくとも時分針駆動手段を制御して前
    記時針及び分針の位置を修正することを特徴とする電波
    修正時計の指針位置修正装置。
  3. 【請求項3】 前記修正制御手段は、 電波を受信して得られた時刻情報により計時する時刻情
    報計時手段と、 前記検出手段からの検出信号に基いて前記時針及び分針
    が前記設定時刻に達したことを検出する設定時刻検出手
    段と、 前記時針及び分針が検出されたときの時刻と前記時刻情
    報計時手段が計時する時刻とを比較する比較手段と、 該比較手段での比較結果に基いて少なくとも前記時分針
    駆動手段を制御して時針及び分針の位置を修正する時刻
    修正手段と、を有していることを特徴とする請求項2記
    載の電波修正時計の指針位置修正装置。
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