以下、図1〜図15を参照して、この発明を指針式の電子腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この指針式の電子腕時計Aは、図1および図2に示す時計モジュール1を備えている。この時計モジュール1は、秒針2、分針3、時針4が文字板5の上方を運針して時刻を指示するものであり、腕時計ケースTK内に配置されている。腕時計ケースTKの上部には、時計ガラスGが取り付けられており、この腕時計ケースTKの下部には、裏蓋UBが取り付けられている。
時計モジュール1は、図2に示すように、上部ハウジング6と下部ハウジング7とを備え、これらの間に時計ムーブメント8が設けられた構成になっている。上部ハウジング6の上面には、ソーラーパネル9を介して文字板5が設けられている。また、下部ハウジング7の内面には、回路基板10が設けられている。
時計ムーブメント8は、図2〜図5に示すように、秒針2を運針させる第1駆動系11と、分針3および時針4を運針させる第2駆動系12と、秒針2、分針3、時針4の運針位置を検出すための検出部13とを備えている。
第1、第2駆動系11、12は、地板14、輪列受15、中受16に取り付けられた状態で、上部ハウジング6と下部ハウジング7との間に配置されている。
第1駆動系11は、図2〜図6に示すように、第1ステッピングモータ17と、この第1ステッピングモータ17によって回転される五番車18と、この五番車18によって回転される四番車である秒針車20とを備えている。秒針2は、この秒針車20の秒針軸20aに取り付けられている(図5参照)。
第1ステッピングモータ17は、図2に示すように、コイルブロック17aと、ステ―タ17bと、ロータ17cとを備えている。電流をコイルブロック17aに流すと、磁界を発生し、ロータ17cが180度の角度ずつステップ回転されるように構成されている。
五番車18は、図2〜図4に示すように、第1ステッピングモータ17におけるロータ17cのロータカナ17dに噛み合って回転する。秒針車20は、五番車18のカナ18aに噛み合って回転する。この秒針車20の中心部には、秒針軸20aが設けられている。この秒針軸20aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出する。この突出した先端部に図5に示すように秒針2が取り付けられている。また、この秒針車20には、図6および図8に示すように、後述する第1光透過孔部21が設けられている。
一方、第2駆動系12は、図2〜図6に示すように、第2ステッピングモータ22と、この第2ステッピングモータ22によって回転する中間車23と、この中間車23によって回転する三番車24と、この三番車24によって回転する二番車である分針車25と、この分針車25によって回転する日の裏車26と、この日の裏車26によって回転する筒車である時針車27とを備えている。分針3は、分針車25の分針軸25aに取り付けられている。時針4は、時針車27の時針軸27aに取り付けられている。
第2ステッピングモータ22は、図2に示すように、コイルブロック22aと、ステ―タ22bと、ロータ22cとを備えている。電流をコイルブロック22aに流すと、磁界が発生して、ロータ22cが180度ずつステップ回転されるように構成されている。
中間車23は、図2〜図4に示すように、第2ステッピングモータ22におけるロータ22cのロータカナ22dに噛み合って回転する。この中間車23には、図6に示すように、後述する第4光透過孔部30が設けられている。三番車24は、中間車23のカナ23aに噛み合って回転し、分針車25は、三番車24のカナ24aに噛み合って回転する。
この分針車25の中心部には、図2および図5に示すように、秒針車20の秒針軸20aが回転自在に挿入して上方に突出する円筒状の分針軸25aが設けられている。この分針軸25aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出する。この突出した先端部に図5に示すように分針3が取り付けられている。これにより、分針車25は、秒針車20の上側に重なった状態で秒針車20と同一軸上に配置されている。また、この分針車25には、図6に示すように、後述する第2光透過孔部28が設けられている。
日の裏車26は、図2に示すように、分針車25のカナ25aに噛み合って回転する。時針車27は、日の裏車26のカナ26aに噛み合って回転する。この時針車27の中心部には、分針車25の分針軸25aが回転自在に挿入して上方に突出する筒状の時針軸27aが設けられている。この時針軸27aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出する。時針4は、この突出した先端部に図5に示すように取り付けられている。これにより、時針車27は、分針車25の上側に重なった状態で秒針車20および分針軸25と同一軸上に配置されている。また、この時針車27には、図6に示すように、後述する第3光透過孔部29が設けられている。
第1、第2駆動系11、12にける各歯車の歯数、1パルスにおける各歯車の回転角、各歯車の1回転に要するパルス数、および第1〜第4光透過孔部21、28〜30の有無は、図7の表に示すように設定されている。
すなわち、第1駆動系11におけるロータ17cのロータカナ17dは1パルスで180度(以下、角度のタンを「°」と称する)回転(1ステップ)し、五番車18は1パルス(ロータ17cの1ステップ)で36°回転する。四番車である秒針車20は1パルス(ロータ17cの1ステップ)で6°回転することにより、60パルス(ロータ17cの60ステップ)で1回転する。
第2駆動系12におけるロータ22cのロータカナ22dは1パルスで180°回転(1ステップ)し、中間車23は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で30°回転することにより、12パルス(ロータ22cの12ステップ)で1回転する。三番車24は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で4°回転し、二番車である分針車25は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1°回転することにより、360パルス(ロータ22cの360ステップ)で1回転する。日の裏車26は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1/3°回転し、筒車である時針車27は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1/12°回転することにより、4320パルス(ロータ22cの4320ステップ)で1回転する。
検出部13は、図2に示すように、上部ハウジング6と回路基板10にそれぞれ設けられたLED(発光ダイオード)からなる発光素子31とフォトトランジスタからなる受光素子32を有していて、秒針車20の光透過孔部21a,21b,21cの1つ:分針車25の光透過孔部28:時針車27の光透過孔部30の1つ:中間車23の光透過孔部30が全て発光素子31と受光素子32の間の光通路即ち検出位置P(この実施形態の場合、検出位置Pとして正午位置(0時00分00秒位置)に設けた)と一致または一部重なったときに、それらの光透過部を通して発光素子31からの光を受光素子32が受光することにより、秒針車20、分針車25、時針車27の各回転位置を検出するように構成されている。検出位置Pとしては、11時55分位置など、他の位置に設けても良い。
秒針車20の第1光透過孔部21は、図8に示すように、秒針車20の基準位置(00秒位置)に設けられた第1円形孔21aと、この第1円形孔21aにおける秒針2の運針方向側とその反対方向側との両側に異なる間隔の第1、第2遮光部21d、21eを隔てて設けられた第2、第3長孔21b、21cと、第1円形孔21aに対し秒針車20の直径上に位置する第2、第3長孔21b、21c間に設けられた第3遮光部21fとを備えている。
第1円形孔21aは、図8および図10に示すように、秒針車20の直径が3〜4mm程度であることにより、その孔径が0.4〜0.5mm程度(秒針車20の円周に対する12°程度の幅)の大きさに形成されている。また、第2、第3の各長孔21b、21cのうち、第1長孔21bは、図8に示すように、第1円形孔21aの中心を基準(0°)とし、左回りにほぼ48°位置(8秒位置)からほぼ168°位置(28秒位置)までの間に、第1円形孔21aの回転移動軌跡上に対応する円弧状に設けられている。第2長孔21cは、図8に示すように、第1円形孔21aの中心を基準(0°)とし、左回りにほぼ192°位置(32秒位置)からほぼ300°位置(50秒位置)までの間に、第1円形孔21aの回転移動軌跡上に対応する円弧状に設けられている。
第1、第2の各遮光部21d、21eのうち、秒針2の反運針方向側(図8では左回り側)に位置する第1遮光部21dは、図8に示すように、第1円形孔21aの直径(12°幅)に対して3倍程度の間隔、すなわち、第1円形孔21aの中心であるの基準位置(0°位置)から左回りにほぼ48°位置(8秒位置)までの間に、実質的に36°程度の幅の間隔で設けられている。
また、秒針2の運針方向側と反対側(図8では右回り側)に位置する第2遮光部21eは、第1遮光部21dの間隔よりも第1円形孔21aの1個分程度長い間隔で設けられている。この間隔は、第1円形孔21aの直径に対して4倍程度の間隔であり、第1円形孔21aの中心であるの基準位置(0°位置)から右回りにほぼ60°位置(50秒位置)までの間に、実質的に48°程度の幅の間隔で設けられている。
また、第3遮光部21fは、図8に示すように、第1円形孔21aに対し秒針車20の直径上に位置し、かつ、第2、第3長孔21b、21cの間に設けられている。この第3遮光部21fの幅は、第1円形孔21aの直径方向幅とほぼ同じに形成されている。この実施形態において、秒針車20、分針車25、時針車27の回転方向が明示されない場合は、図6に矢印で示したように、それぞれの軸心の周りに時計方向に回転するものとし、また、このとき中間車23の回転方向は軸心の回りで反時計方向とする。
第1遮光部21dは、秒針車20の直径上に位置する第3長孔21cの一部に対応している。第2遮光部21eは、秒針車20の直径上に位置する第2長孔21bの一部に対応している。第3遮光部21fは、秒針車20の直径上に位置する第1円形孔21aに対応している。これにより、秒針車20は、第1〜第3遮光部21d〜21fのいずれかが検出部13の検出位置P(発光素子31と受光素子32とが対向する位置)に対応した状態で、180°回転(半回転)すると、必ず第1円形孔21a、第2、第3長孔21b、21cのいずかが検出部13の検出位置Pに対応するように構成されている。
この秒針車20は、2ステップ(回転角12°であり、回転時間2秒)ずつ回転して、60ステップ(回転角360°であり、回転時間60秒)回転する間に、検出部13が2秒ごとに検出を行う。すなわち、秒針車20が0秒位置(0°位置)のときには、第1円形孔21aを検出部13が検出し、2秒位置(12°位置)から6秒位置(36°位置)までのときには、第1遮光部21dによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続する。
秒針車20の8秒位置(48°位置)から28秒位置(168°位置)までのときには、第1長孔21bを検出部13が連続して検出する。30秒位置(180°位置)のときには、第3遮光部21fによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態になる。
32秒位置(192°位置)から50秒位置(300°位置)のときには、第2長孔21bを検出部13が連続して検出する。52秒位置(312°位置)から58秒位置(348°位置)までのときには、第2遮光部21eによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態が4回連続する。
一方、分針車25の第2光透過孔部28は、図6に実線で示すように、分針車25の基準位置(00分位置:0°位置)に設けられた1つの光検出孔(以下、円形孔と称する)である。この第2光透過孔部28の円形孔も、秒針車20の第1円形孔21aとほぼ同じ大きさで、秒針車20の第1円形孔21aに対応する位置に設けられている。
時針車27の第3光透過孔部29は、図6および図9に示すように、時針車27の基準位置(0時位置:0°位置)から円周に沿って30°間隔で設けられ1個の光検出孔(以下、円形孔と称する)である。この基準位置の円形孔と11番目の円形孔との間に位置する11時位置(図9では1時位置)には、第4遮光部29aが設けられている。
時針車27の第3光透過孔部29は、図9に示すように、0時位置を基準位置(0°位置)として、左回りに0°、30°、60°、90°、120°、150°、180°、210°、240°、270°、300°の各位置、すなわち、時針4の運針方向に沿って(図9では逆回り)0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時の各位置にそれぞれ円形孔が設けられ、330°の11時位置(図9では1時位置)に第4遮光部29aが設けられている。この時針車27の第3光透過孔部29である各円形孔も、秒針車20の第1円形孔21aとほぼ同じ大きさで形成されている。
また、中間車23の第4光透過孔部30は、図6に実線で示すように、分針車25の第2光透過孔部28である1つの円形孔に対応する1つの円形孔であり、秒針車20の第1円形孔21aおよび分針車25の第2光透過孔部28である円形孔とほぼ同じ大きさで形成されている。この第4光透過孔部30は、中間車23の予め定められている位置、すなわち、分針車25の第2光透過孔28が検出部13の検出位置Pに対応したときに、分針車25の第2光透過孔部28に対応する位置に設けられている。
光検出は、この実施の形態の場合、時針4の正時である0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時、11時ごとに行うが、第2駆動系12の中間車23、分針車25、時針車27は、その各回転角が1ステップ(ロータ22cの半回転)で30°、1°、1/12°であることにより、図6に示すように、11時の位置を除いた時針4の正時において、第2〜第4光透過孔部28〜30の全てが検出部13の検出位置Pで重なり合うように構成されている。
また、第1駆動系11の秒針車20の回転角は、1ステップ(ロータ17cの半回転)で6°である。この秒針車20は、60ステップ(60秒)ごとに第1光透過孔部21の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pに対応することにより、図6に示すように、時針4の正時(11時を除く)ごとに、第1光透過孔部21の第1円形孔21aが第2〜第4の各光透過孔部28〜30と重なり合うように構成されている。
ここで、検出部13による秒針2、分針3、時針4の運針位置の検出は、次のように行われる。すなわち、秒針2、分針3、時針4が12時側の位置(図6では上部側の位置)で互いに重なるとき、第1〜第3の各光透過孔部21、28、29と中間車23の第4光透過孔部30は検出位置Pで重なり合う。このとき、発光素子31からの光は、第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30を透過して受光素子32により受光される。
これに対して、検出部13は、第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30のいずれかが検出位置Pに対応しないときに、発光素子31からの光が遮断されるので、受光素子32は受光できずに、未検出状態となる。
また、第1、第2の各ステッピングモータ17、22は、各ロータ17c、22cの向きを180°反転させることにより、秒針2、分針3及び時針4をそれぞれ1ステップ運針させる。このため、1ステップごとに第1、第2の各ステッピングモータ17、22に極性の異なるパルスを交互に印加することにより、各ロータ17c、22cを回転させる動作となる。このため、1ステップごとに同じ種類のパルスを第1、第2の各ステッピングモータ17、22に印加し続けても各ロータ17c、22cは回転せず、その場に停止した状態となる。
秒針車20は、第1光透過孔部21の第1円形孔21aの大きさと1ステップの移動量との関係から、2ステップ回転させないと、第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れないため、2ステップ(2秒)ごとの検出を行っている。
これに対して、第2駆動系12の中間車23、分針車25、時針車27は、1ステップごとの検出を行っている。
次に、秒針車20の基準位置(00秒位置)を検出するための基本的な秒針位置検出動作について説明する。
この基本的な秒針位置検出動作では、第2駆動系12の分針車25、時針車27、中間車23については無視することにする。この秒針車20の基準位置の検出は、秒針車20の基準位置(00秒位置)を検出することにより達成される。
すなわち、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21aと検出部13の検出位置Pとが一致した位置を検出することである。この秒針車20の基準位置の状態は、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21aと検出部13の検出位置Pとが一致し、検出部13による光検出ができる状態である。
この状態で、まず、秒針車20が2ステップ回転して回転角が12°になると、第1円形孔21aが検出位置Pから右回りにずれて、第1遮光部21dの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の2秒位置に示した未検出状態になる。同様に、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が36°になるまで、第1遮光部21dの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の3秒〜6秒位置に示したように未検出状態が3回連続する
この後、秒針車20が2ステップ回転して回転角が48°になると、秒針車20における第1光透過孔部21の第1長孔21bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の8秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる。同様にして、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が168°になるまで、第1長孔21bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の10秒〜28秒位置に示したように、検出部13による光検出が連続してできる。
この状態で、秒針車20が更に2ステップ回転して回転角が180°になると、第1長孔21bが検出位置Pから右回りにずれて、第3遮光部21fが検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の30秒位置に示したように、未検出状態になる。この後、秒針車20が2ステップ回転して回転角が192°になると、秒針車20における第1光透過孔部21の第2長孔21cの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の32秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる状態になる。
この後、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が300°になるまで、第2長孔21cの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の34秒〜50秒位置に示したように、検出部13による光検出が連続してできる。第2長孔21cが検出位置Pから右回りにずれて、第2遮光部21eの一部が検出位置Pに対応すると、検出部13による光検出ができず、図8の52秒位置に示したように、未検出状態になる。
同様に、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が348°になるまで、第2遮光部21eの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の54秒〜58秒位置に示したように、未検出状態が4回連続する。この状態で、秒針車20が2ステップ回転して回転角が360°になると、第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の0秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる状態になる。
ここで、連続して光検出ができない未検出状態は、検出部13による光検出が3回連続してできない状態と、検出部13による光検出が4回連続してできない状態とであり、この2つの状態に着目すると、それぞれ2ステップごとに検出を行った場合、前者は未検出状態が3回連続し、後者は未検出状態が4回連続し、前者と後者とで連続する未検出回数が異なることがわかる。この連続して光検出ができない未検出状態をカウントすることにより、秒針車20の基準位置を特定することが可能になる。
秒針車20は、2ステップ(2秒)ごとに検出を行う。この秒針車20の2ステップ(2秒)ごとの光検出において、未検出状態が4回連続した後、次の回で光検出ができた場合、その位置が基準位置(00秒位置)であることになる。仮に、第1円形孔21aが検出位置Pから右回りにずれた状態から未検出状態をカウントした場合は、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が36°になるまで、未検出状態が3回連続し、この後、秒針車20が2ステップ回転して回転角が48°になると、検出部13による光検出ができるため、未検出状態が4回連続する条件を満足することができず、基準位置でないことが分かる。これが秒針車20の基準位置を検出するための基本的な位置検出動作である。
次に、分針車25と時針車27との各基準位置を検出するための基本的な時分位置検出動作について説明する。
この基本的な時分位置検出動作では、第1駆動系11の秒針車20については無視することにする。分針車25の第2光透過孔部28の基準位置は「00分位置」であり、時針車27の11個の各第3光透過孔部29のうちの一つの第3光透過孔部29の基準位置は「0時位置」)であることから、これらの基準位置と、中間車23の第4光透過孔部30とが、全て検出部13の検出位置Pと一致した位置を検出することである。
まず、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pに一致した状態から分針車25を1ステップ(1°)回転させると、中間車23が30°回転し、この中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pから離れ、検出部13の検出位置Pを中間車23が塞ぐ。このとき、分針車25は右回りに1°回転して第2光透過孔部28が検出部13の検出位置Pで僅かにずれるだけで、検出部13による光検出が可能な位置にある。
この状態で、分針車25が1ステップずつ回転して、合計6ステップ(6°)回転すると、中間車23が180°回転し、第4光透過孔部30が検出部13の検出位置Pから180°離れ、検出部13の検出位置Pを塞ぎ続ける。このときには、分針車25が右回りに6°回転して第2光透過孔部28が、検出部13の検出位置Pからほぼ半分だけずれるが、検出部13による光検出がまだ可能な位置にある(図10参照)。
この後、分針車25が1ステップずつ回転して12ステップ(12°)回転すると、中間車23が360°回転して、第4光透過孔部30が検出位置Pに対応する。このときには、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pからほぼ完全に離れ、第2光透過孔部28が検出位置Pとほとんど重なり合わない状態となり、分針車25が検出位置Pを塞いで、検出部13による光検出ができない状態になる。また、このときには、時針車27が1°回転するだけであるから、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置の円形孔は、検出位置Pで僅かにずれるだけで、検出部13による光検出が可能な状態にある
分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pに一致した状態から分針車25が360ステップ回転(1回転)すると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応した状態になる。このとき、時針車27は第3光透過孔部29である基準位置の円形孔が検出位置Pに一致した状態から30°回転し、第3光透過孔部29である基準位置の円形孔が検出位置Pから離れ、第3光透過孔部29である基準位置の左側に位置する2番目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になる。
このときには、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応し、また時針車27の第3光透過孔部29である基準位置の左側に位置する2番目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になるので、分針車25が基準位置(00分位置)であることが分かる。この状態で、分針車25が9時間分(合計10時間分)だけ回転すると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応し、時針車27は300°回転し、第3光透過孔部29である基準位置から11個目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になる。
この後、分針車25が更に1時間分(合計11時間分)だけ回転すると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応するが、時針車27は330°回転し、第3光透過孔部29である基準位置から11番目の円形孔が検出位置Pから離れ、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応する。このため、検出部13による光検出ができない状態になる。この状態が、「11時00分位置」であると特定することができる。
分針車25が更に1時間分(合計12時間分)だけ回転すると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応すると共に、時針車27が360°回転し、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pから離れ、各第3光透過孔部29のうち、基準位置(0時位置)にある第3光透過孔部29が検出位置Pに対応するので、時針車27は第3光透過孔部29である基準位置の円形孔が検出位置Pに一致した状態(0時00分位置)に戻る。
このように、分針車25の1ステップの回転量が1°と非常に小さいため、分針車25の1ステップの回転量では第2光透過孔部28が検出位置Pから完全に離れることができず、分針車25の基準位置を正確に検出することができないことになるが、中間車23は1ステップで30°回転することにより、分針車25の1ステップにおける回転量が小さくても、中間車23の回転量が大きいので、この中間車23によって検出位置Pを塞ぐことができる。
また、中間車23が12ステップで1回転すると、分針車25が12°回転するので、分針車25の第2光透過孔部28の円形孔が検出位置Pから完全に離れることになり、このため分針車25が検出位置Pを塞ぐことになる。このときには、中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pに一致しても、検出部13による光検出ができない状態になる。
また、分針車25は、360ステップ回転して1回転し、その基準位置が検出位置Pに戻るごとに、分針車25の第2光透過孔部28と、中間車23の第4光透過孔部30と、時針車27の第3光透過孔部29のいずれか(但し、11時位置の第4遮光部29aを除く)とが、検出位置Pに対応することにより、時針車27の回転位置(11時位置を除く)に係わらず検出部13による光検出が可能な状態になる。
さらに、分針車25の基準位置(0°位置)を検出した後は、分針車25を360ステップ(1回転)ずつ回転させると、時針車27が30°ずつ回転することにより、分針車25を1ステップごとに検出部13による光検出を行わなくても、分針車25を1回転させたときだけ、検出部13による光検出を実行すれば、時針車27の回転位置が検出できることになる。このとき、分針車25を360ステップずつ回転させて、検出部13による光検出を試みるとき、時針車27の第4遮光部29aと検出位置Pとが一致していると、光検出はできないが、このときの時針車27の位置は「11時00分位置」にあると特定することができる。
この検出部13による光検出ができない「11時00分位置」から分針車25を更に360°回転させると、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置(0時位置)の円形孔が検出位置Pに対応することにより、検出部13による光検出が可能になる。すなわち、時針車27の基準位置は、検出位置Pが設けられている「0時00分位置」にあることになる。これにより、検出部13による光検出ができる状態から、分針車25が360°回転(1回転)するごとに、検出部13による光検出を試みることにより、検出部13による光検出できない位置から、更に分針車25を360°回転させて検出部13による光検出ができる時針車27の回転位置が見つかると、この位置を、時針車27の基準位置、すなわち、「0時00分位置」であると特定することができる。
次に、通常運針時における正時ごとに秒針2、分針3、時針4の3針が合っているかを確認する基本的な針位置確認動作について説明する。
この基本的な針位置確認動作は、正時ごとに秒針2、分針3、時針4の3針が合っているのか否かについて判断するが、秒針2の場合は、11時、23時を除く正時ごとに秒針2が合っているか否かを判断して確認する。この場合、正時から10秒以内に秒針2のずれを確認することとしている。これは、正時から10秒経過すると、第2駆動系12の第2ステッピングモータ22によって分針車25が1ステップ(1°)回転し、これに伴って中間車23が30°回転して、その中間車23に設けた1つの孔部30が分針車25の遮光部で遮られて、検出部13の検出位置Pを塞ぐので、光検出ができないことによる。
通常運針時における正時(例えば2時)の状態で、秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21a、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29(例えば3番目の円形孔)、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致している。この状態で、秒針車20が1ステップ(6°)ずつ回転する通常運針をする。このときには、秒針車20は1秒ごとに6°回転するだけであるから、秒針車20の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れず、検出部13による光検出が可能な状態である。
この後、秒針車20が更に1ステップ回転して、2ステップ(12°)回転した2秒位置になると、秒針車20の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れ、検出部13の検出位置Pが第1遮光部21dによって塞がれる。このときに、検出部13による光検出を試みると、検出部13による光検出ができない未検出状態になり、この未検出状態を未検出回数としてカウントする。
そして、秒針車20が1ステップずつ回転し、2ステップごとに検出部13による光検出を試みる。このとき、4秒位置、および6秒位置では、検出部13が秒針車20の第1遮光部21dによって連続して塞がれる。これにより、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続することになる。
この状態で、次に秒針車20が2ステップ回転し、8秒位置になり、秒針車20の第1長孔21bの一部が検出部13に対応し、検出部13による光検出ができたときに、秒針車20の基準位置である第1円形孔21aが8秒位置になることにより、秒針車20が正しく回転し、秒針2が正しい運針位置であることになる。すなわち、秒針2は、正時の位置から秒針車20が2ステップ回転するごとに、検出部13による検出を行い、検出部13による未検出状態が3回連続した後、次に検出部13による検出ができたときに、8秒位置であることになり、正しく運針していることになる。
この後、秒針車20が更に2ステップ回転して10秒になると、秒針車20の第1長孔21bの一部が検出部13に対応して検出部13による光検出が可能になるが、分針車25が1ステップ(1°)回転し、中間車23が1ステップ(30°)回転することにより、分針車25の第2光透過孔部28が検出部13の検出位置Pから完全に離れていなくても、中間車23の第4光透過孔部30が検出部13の検出位置Pから完全に離れて、中間車23が検出部13を塞ぐことになる。このため、通常運針時における針合わせは、毎正時から10秒以内に行っている。
次に、図11のブロック図を参照して、この指針式の電子腕時計Aの回路構成について説明する。
この回路構成は、回路全般を制御するCPU(中央演算処理装置)35、予め定められたプログラムが格納されたROM(リードオンリーメモリ)36、処理データを格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)37、CPU35を動作させるためのパルスを生成する発信回路38、この発信回路38で生成したパルスを適正な周波数(CPU35を動作させるための適正な周波数)に変換する分周回路39、指針(秒針2、分針3、時針4)を運針させる時計ムーブメント8、光を発光する発光素子31とこの発光素子31からの光を受光する受光素子32とを有する検出部13を備えている。
更に、この回路構成は、上記のほかに、電源を供給するソーラーパネル9や電池などの電源部40、標準時刻電波を受信するアンテナ41、受信した標準時刻電波を検波処理する検波回路42、時刻表示を照明する照明部43、この照明部43を駆動するための照明駆動回路44、報音をするスピーカ45、このスピーカ45を駆動するめのブザー回路46、外部磁場を検出する磁気センサ47、時計ムーブメント8に組み込まれて時刻などの情報を表示する表示部48を備えている。
次に、図12〜図15を参照して、この指針式の電子腕時計Aの動作について説明する。
この電子腕時計Aのメインフローは、図12に示すように、その動作がスタートすると、CPU35で電子腕時計が使用されているか否かを判断する(ステップS1)。すなわち、時計モジュール1に組み込まれているソーラーパネル9が外部光を受光して発電しているか否かを判断することにより、腕時計ケースTKの外部が暗い状態であるか否かを判定する。
このとき、ソーラーパネル9が外部光を受光して発電していると、腕時計ケースTKの外部が暗い状態でないと判定し、電子腕時計を使用していると判断して通常運針を行い(ステップS2)、後述する針位置検出制御処理に進み(ステップS3)、このフローを終了する。また、ステップS1で、ソーラーパネル9が外部光を受光せず、腕時計ケースTKの外部が暗い状態であると判定した場合には、電子腕時計を使用していないスリープ状態と判断し、秒針2のみを停止させて分針3と時針4とを運針させ(ステップS4)、後述する針位置検出制御処理に進み(ステップS3)、このフローを終了する。
次に、図13を参照して、ステップS3の針位置検出制御処理について説明する。
この針位置検出制御処理がスタートすると、CPU35で予め定められた時刻、つまり時報やアラームなどの機能が重なる毎正時を避けた毎正時5分前(毎時55分)に、針位置を検出し(ステップS10)、針位置が基準位置(毎時55分00秒位置)からずれているか否かを判断する(ステップS11)。このとき、針位置がずれていなければ、秒針2が0秒位置の状態で、秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21a、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29(例えば3番目の円形孔)、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致している。
この状態で、秒針車20が1ステップ(6°)ずつ回転する通常運針する。そして、秒針車20の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れ、検出部13の検出位置Pが第1遮光部21dによって塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態になり、この未検出状態を未検出回数としてカウントする。このとき、4秒位置、および6秒位置では、検出部13が秒針車20の第1遮光部21dによって連続して塞がれる。これにより、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続することになる。
この状態で、次に秒針車20が2ステップ回転し、8秒位置になり、秒針車20の第1長孔21bの一部が検出部13に対応し、検出部13による光検出ができたときに、秒針車20の基準位置である第1円形孔21aが8秒位置になることにより、秒針車20が正しく回転し、秒針2が正しい運針位置であると共に、分針3および時針4も正しい運針位置であることになる。このときには、秒針2、分針3、時針4を通常運針させて、図14(a)に示すように、時計モジュール1の表示部48に現在時刻および曜日などの時刻情報を表示させ(ステップS12)、この針位置検出制御処理を終了する。
また、ステップS11で、針位置が基準位置(毎時55分00秒位置)からずれていると判断されたときには、腕時計ケースTKの外部磁場を磁気センサ47によって検出する(ステップS13)。このとき、磁気センサ47で外部磁場が検出されない場合には、ステップS12の通常運針に進んで、この針位置検出制御処理を終了する。また、ステップS13で外部磁場が検出されたときには、磁気センサ47で検出された外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ、つまりメーカが保証している磁場の強さ以内であるか否かを判断する(ステップS14)。
このとき、磁気センサ47で検出された外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であると判断されたときには、針位置の補正処理のみを行って(ステップS15)、この針位置検出制御処理を終了する。また、ステップS14において磁気センサ47で検出された外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断されたときには、第1、第2の各ステッピングモータ17、22に駆動パルスを出力しても、各ロータ17c、22cが回転しない虞があるため、針位置の補正処理を行わずに、秒針2、分針3、時針4の運針を速やかに停止させる(ステップS16)。
そして、秒針2、分針3、時針4の運針が停止されると、その停止されている時間が予め定められた時間(例えば10分)、経過したか否かを判断し(ステップS17)、予め定められた時間、経過していなければ、ステップS16に戻って、秒針2、分針3、時針4の運針を停止し続ける。また、ステップS17で予め定められた時間、経過したと判断された際には、予め定められた回数(例えば2回)だけ外部磁場の検出を行ったか否かを判断する(ステップS18)。
このとき、ステップS18で1回目(10分経過)であると判断された際には、ステップS13に戻り、再び磁気センサ47で外部磁場を検出し、ステップS13からステップS18までの動作を繰り返す。また、ステップS18で、予め定められた回数(例えば2回つまり20分経過)であると判断された際には、引続き、外部磁場が強い状態であると想定して、秒針2、分針3、時針4の運針を停止させ、外部磁場の影響を受けていることを報知手段で報知する(ステップS19)。この報知手段としては、例えば、図14(b)に示すように、時計モジュール1の表示部48に、予め定められた強さの磁場の影響を受けていることを報知するためのエラー(ERR)を表示して外部磁場の影響を受けていることを報知し、この針位置検出制御処理を終了する。
ところで、この針位置検出制御処理は、図15(a)および図15(b)に示すように、毎正時5分前(毎時55分)で針位置を検出して、針位置がずれていると判断された際に、磁気センサ47で外部磁場を検出し、このときの外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ(メーカが保証している磁場の強さ)以内であるか否かを判断し、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合と、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であると判断された場合とで、その後の処理が異なる。
すなわち、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合には、図15(a)に示すように、毎正時5分前(毎時55分)ごとに、磁気センサ47で外部磁場を検出し、その外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強い状態が3回(3時間)連続すると、11時5分前(10時55分)になるまで、磁気センサ47による外部磁場の検出を停止させる。また、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であると判断された場合には、図15(b)に示すように、毎正時5分前(毎時55分)ごとに、磁気センサ47で外部磁場を検出する。
例えば、図15(a)に示すように、1時55分で針位置を検出して、針位置がずれていると判断されたときに、磁気センサ47で外部磁場を検出し、このときの外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合には、針位置補正処理を行わずに、秒針2、分針3、時針4の運針を速やかに停止させる。そして、10分後(2時5分)に、再び、磁気センサ47で外部磁場を検出する。このときにも、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合には、針位置補正処理を行わずに、秒針2、分針3、時針4の運針停止を継続する。
この後、図15(a)に示すように、2時55分になると、再び、磁気センサ47で外部磁場を検出する。このときにも、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合には、針位置補正処理を行わずに、秒針2、分針3、時針4の運針停止を継続する。そして、10分後(3時5分)にも、再び磁気センサ47で外部磁場を検出する。このときにも、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合には、針位置補正処理を行わずに、秒針2、分針3、時針4の運針停止を継続する。
そして、図15(a)に示すように、3時55分になると、再び、磁気センサ47で外部磁場を検出する。このときにも、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合には、針位置補正処理を行わずに、秒針2、分針3、時針4の運針停止を継続する。そして、10分後(4時5分)にも、再び、磁気センサ47で外部磁場を検出する。このときにも、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合には、針位置補正処理を行わずに、秒針2、分針3、時針4の運針停止を継続する。
このように、1時55分から3時55分までの3時間に亘って、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合には、引続き、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと想定し、この後の針位置の検出および外部磁場の検出の双方を、10時55分(11時5分前)になるまで停止させる。そして、10時55分(11時5分前)になると、再び磁気センサ47で外部磁場を検出する。このときにも、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された場合には、針位置補正処理を行わずに、秒針2、分針3、時針4の運針停止を継続する。この後は、次の22時55分(23時5分前)になるまで、磁気センサ47による外部磁場の検出を停止し続ける。
一方、図15(b)に示すように、1時55分で針位置を検出して、針位置がずれていると判断された際に、磁気センサ47で外部磁場を検出し、このときの外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であると判断された場合には、針位置補正処理のみを行って、秒針2、分針3、時針4の運針を停止させる。この後、図15(b)に示すように、2時55分になると、再び、針位置を検出して、針位置がずれていると判断されたときにも、磁気センサ47で外部磁場を検出する。このときにも、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であると判断された場合には、針位置補正処理のみを行って、秒針2、分針3、時針4の運針を停止させる。
このように外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であると判断された場合には、毎正時5分前(毎時55分)ごとに、針位置を検出して、針位置がずれているか否かを判断し、針位置がずれているときに、磁気センサ47で外部磁場を検出し、この検出された外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であれば、針位置補正処理のみを行って、秒針2、分針3、時針4の運針を停止させる。このため、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内である場合には、図15(b)に示した動作を繰り返す。
このように、この電子腕時計Aによれば、秒針2、分針3、時針4の位置が予め定められた位置(基準位置)からずれていると判断された際に、磁気センサ47によって検出された外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ、つまりメーカが保証している磁場の強さ以内であるか否かを判断し、その結果、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された際は、秒針2、分針3、時針4の針位置補正処理を行わずに、指針の運針停止処理を実行し、他方、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であると判断された際は、秒針2、分針3、時針4の針位置補正処理を実行し、指針の運針停止処理を実行することができる。
このため、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強いと判断された際は、秒針2、分針3、時針4の運針を停止させることができ、他方、外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であると判断された際は、針位置の補正のみを実行することができる。これにより、外部磁場の影響を受けている際に、指針の不必要な運針を防ぐことができると共に、電池の不必要な消耗をも防ぐことができる。
この場合、秒針2、分針3、時針4の運針が停止されている時間が予め定められている時間(例えば10分)、経過したか否かを判断し、予め定められた時間を経過したと判断された際は、その後に磁気センサ47による外部磁場の検出を実行させるので、秒針2、分針3、時針4の運針が停止されている時間が予め定められた時間経過した後に、外部磁場が検出されなければ、秒針2、分針3、時針4を通常運針に戻すことができる。
また、予め定められた時間経過した際に外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さ以内であれば、秒針2、分針3、時針4の針位置補正処理のみを実行させて、指針の位置を補正することができる。また、予め定められた時間経過しても外部磁場の強さが予め定められた磁場の強さよりも強い場合には、秒針2、分針3、時針4の針位置補正処理を行わずに、秒針2、分針3、時針4の運針停止処理を実行させ、この状態で外部磁場の検出をも停止させることができる。このため、不必要に電池が消耗するのを確実に防ぐことができる。
また、この電子腕時計Aによれば、秒針2、分針3、時針4の運針停止処理が実行された際には、外部磁場の影響を受けていることを報知手段で報知するので、電子腕時計が外部磁場の強い場所、例えばテレビなどの磁場の強い電化製品の上に置かれて、秒針2、分針3、時針4を駆動するステッピングモータ17、22が予め定められた強さの磁場の影響を受けていることを報知するために、強い磁場の影響を受けて制御できない状態であることを、表示部48に表示されたエラー表示情報などの報知手段によって使用者が容易に確認することができる。
なお、上記実施形態では、秒針車20、分針車25、時針車27、中間車23に第1〜第4の各光透過孔部21、28、29、30を設け、この光透過孔部21、28、29、30を発光素子31からの光が透過し、その透過光を受光素子32で受光することにより、秒針2、分針3、時針4の針位置を検出する場合について述べたが、これに限らず、例えば秒針2、分針3、時針4の位置を直接検出する針位置検出手段を用いても良い。
また、上記実施形態では、指針式の電子腕時計Aに適用した場合について述べたが、必ずしも電子腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の指針式の電子時計に適用することができるほか、必ずしも電子時計に限らず、自動車のメータなどの計器類にも広く適用することができる。