JP2001159315A - 火花点火式エンジン - Google Patents
火花点火式エンジンInfo
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Abstract
側傾斜面4aに吸気ポート7が開口し、該吸気ポート7
が燃焼室6に正タンブル流Tを生成させるような形状と
された火花点火式エンジン1において、吸気側スキッシ
ュエリアにおける逆スキッシュ流Rの生成を早めかつそ
の流れを強めることで、エンドガスゾーンへの火炎伝播
速度を高めて、ノッキングの発生を抑制する。 【解決手段】 ピストン5頂面の吸気側にシリンダヘッ
ド4の吸気側傾斜面4aに沿うように対向傾斜面5aを
設けるとともに、該対向傾斜面5aに隣接するように凹
状のキャビティ5bを設ける。対向傾斜面5aに連なる
キャビティ5bの周縁部に、タンブル流Tのピストン5
頂面からの剥離を促す所定寸法形状のタンブル流剥離壁
面5cを形成する。
Description
む点火プラグによって混合気に着火させるようにした火
花点火式エンジンに関し、特に、燃焼室における吸気流
動を強めて乱れを増強することにより、燃焼速度を高め
る急速燃焼技術の分野に属する。
として、例えば特開平10−184366号公報に開示
されるように、ピストン頂面の周縁部に燃焼室上壁の傾
斜面と略平行な対向傾斜面を突出形成し、この両面の間
のスキッシュエリアから燃焼室に押し出された正スキッ
シュ流を燃焼室上壁に沿ってスムーズに点火プラグ付近
まで到達させるようにしたもの(以下、斜めスキッシュ
ともいう)が知られている。
右両側の傾斜面にそれぞれ吸気及び排気ポートが2つず
つ開口するクロスフロータイプのものであり、前記の斜
めスキッシュによって気筒の圧縮行程終期に点火プラグ
付近の乱れが増強され、特に初期燃焼の速度が高められ
るようになっている。また、このものでは、吸気弁位置
に対応するようにピストン頂面に切り欠きを形成し、気
筒の膨張行程で燃焼室からスキッシュエリアに吸い込ま
れる逆スキッシュ流の一部が前記切り欠き内に流れ込ん
で、乱れを増大させるようにして、温度状態が低く自己
着火の起きやすい吸気ポート開口付近のエンドガスゾー
ンに火炎を早期に到達させるようにしている。
クロスフロータイプのシリンダヘッドを有するエンジン
では、図37に例示するように、吸気ポート7から燃焼
室6上部に流れ込んだ吸気流がピストン5の下降に伴
い、排気側(図の右側)の燃焼室周壁面に沿って下方に
流れ、続いて、ピストン5頂面に衝突して吸気側(図の
左側)へ曲げられて、今度は吸気側の燃焼室周壁面に沿
って上方に向かうというように、同図に矢印で示す如く
燃焼室6全体を縦方向に旋回するスケールの大きなタン
ブル流T(正タンブル流)を生成する。そして、このタ
ンブル流Tによって燃焼室6における乱れが維持強化さ
れ、燃焼速度が高められる。
ッシュによってスキッシュ流の強化を図ったエンジンで
は、気筒の圧縮行程終期にタンブル流との相互作用によ
って正スキッシュ流が強化されて初期燃焼速度が高くな
る反面、そのように正スキッシュ流が強くなると、気筒
の膨張行程初期に逆スキッシュ流の生成が遅れて、ノッ
キングの発生を招くことがある。
気筒2内のタンブル流Tは燃焼室6の上部では吸気ポー
ト7の開口付近から排気ポート8側に向かう流れにな
り、この流れが気筒2の圧縮行程でピストン5の上昇に
伴い上下に潰されて崩壊することで、燃焼室6全体に極
めて強い乱れが生じる。そして、この乱れとの相互作用
によって、気筒の圧縮行程終期に過度に強い正スキッシ
ュ流が生成されることがあり、そうなると、その後にピ
ストンが下降に転じた圧縮行程初期に、正スキッシュ流
の慣性によって逆スキッシュ流の生成が遅れかつその流
れが弱められてしまうのである。そして、そのように逆
スキッシュ流の生成が遅れると、スキッシュエリア内の
エンドガスゾーンへの火炎伝播が遅くなってしまい、一
方で、前記の如く強い正スキッシュ流によって初期燃焼
速度が極めて高くなっているので、前記エンドガスゾー
ンでの自己着火が誘発されやすくなって、ノッキングの
発生を招くことになる。
あり、その目的とするところは、吸気及び排気ポートが
燃焼室上壁面の一側及び他側にそれぞれ開口するクロス
フロータイプの燃焼室において、正タンブル流と正スキ
ッシュ流との相互作用に着目し、気筒の膨張行程初期の
逆スキッシュ流の生成を早めかつその流れを強めること
により、スキッシュエリアにおける火炎伝播速度を高め
て、ノッキングの発生を抑制することにある。
に、本発明の解決手段では、エンジンの燃焼室において
相対的に温度状態の低い吸気ポート開口付近に斜めスキ
ッシュエリアを設けるとともに、このスキッシュエリア
に隣接するようにピストン頂面にキャビティを設け、か
つこのキャビティの吸気側周縁部に正タンブル流をピス
トン頂面から剥離させる剥離壁面を形成することで、前
記スキッシュエリアとなる空間への正タンブル流の流入
を阻止し、気筒の圧縮行程終期に正スキッシュ流が過度
に強くなることを防止するようにした。
ピストン頂面に対向する燃焼室上壁面の一側に吸気ポー
トを開口させ、反対側の他側に排気ポートを開口させる
とともに、前記吸気ポートを吸気上流側に向かって気筒
中心線から前記一側に離れるような形状として、該吸気
ポートから燃焼室へ流れ込んだ吸気流が前記他側の燃焼
室周壁面から順に、ピストン頂面及び前記一側の燃焼室
周壁面に沿って旋回する正タンブル流となるようにした
火花点火式エンジンを前提とする。そして、前記一側の
燃焼室上壁に、気筒周縁部に向かってピストン頂面に近
づくように傾斜面を形成し、また、前記ピストン頂面に
は、前記一側の所定範囲に前記傾斜面に沿うように対向
傾斜面を設けるとともに、該対向傾斜面に隣接する他側
の所定範囲に凹状のキャビティを設けて、このキャビテ
ィの前記対向傾斜面側の周縁部に、前記正タンブル流の
ピストン頂面からの剥離を促すよう、キャビティ底面か
ら所定以上の高さに突出するタンブル流剥離壁面を形成
する構成とする。
ポートから燃焼室に吸い込まれた吸気流は、排気ポート
の開口する排気側(他側)の燃焼室周壁面からピストン
頂面のキャビティに沿って旋回する正タンブル流となる
が、この正タンブル流はキャビティ周縁のタンブル流剥
離壁面で剥離して、吸気ポートの開口する吸気側(一
側)の燃焼室周壁ではなく、燃焼室上壁に向かうように
なる。このため、正タンブル流は燃焼室の排気側に偏在
することになり、吸気側の吸気流動は相対的に小さくな
る。
とピストン頂面の対向傾斜面との間のスキッシュエリア
空間は渦流や乱れの相対的に少ない状態になって、この
乱れとの相互作用により気筒の圧縮行程終期に過度に強
い正スキッシュ流が生成されることはなくなるので、気
筒の膨張行程初期に逆スキッシュ流の生成が遅れたり、
その流れが弱められたりすることがなく、従って、強い
逆スキッシュ流によって、スキッシュエリア内の火炎伝
播速度が十分に高められる。
に強くなることがないので、初期燃焼速度もあまり高く
はならず、従って、エンドガスゾーンにおける混合気の
自己着火が誘発されることもない。また、前記の如く燃
焼室の排気側に偏在する正タンブル流は相対的にコンパ
クトなものになるが、この燃焼室排気側における乱れを
気筒の膨張行程まで生成維持するようになり、これによ
り火炎の主燃焼速度が十分に高くなって、急速燃焼が実
現する。つまり、この発明によれば、初期燃焼期間はあ
まり短くせずに、主燃焼期間を大幅に短縮することによ
って、燃焼室吸気側のエンドガスゾーンにおける混合気
の自己着火、即ちノッキングの発生を抑制しながら、急
速燃焼によって熱効率や機械効率の向上が図られる。
を気筒中心線に略直交する仮想平面に対して所定角度以
下の傾斜角度をなすものとする。ここで、所定角度とは
タンブル流剥離壁面のキャビティ底面からの高さによっ
ても異なるが、例えば90°〜110°の範囲とすれば
よい。こうすることで、ピストン頂面のキャビティに沿
って流れる正タンブル流をタンブル流剥離壁面で確実に
剥離させることができ、これにより、請求項1の発明に
よる作用効果を十分に得ることができる。
を、気筒中心線に沿って見て、少なくとも吸気ポートの
開口部に対応するように設けるものとする。こうするこ
とで、吸気ポート開口部からの吸気流により生成された
正タンブル流が効果的にタンブル流剥離壁面に衝突し
て、剥離されるようになるので、請求項1の発明による
作用効果を十分に得ることができる。
見て、該気筒中心線からタンブル流剥離壁面までの距離
をL1とし、該タンブル流剥離壁面とは反対側のキャビ
ティ周縁部までの距離をL2としたとき、距離L1及び
距離L2を、気筒半径をRとして、L1<L2かつ1.
3≦R/L1≦2.6という関係を満たすように設定す
る。
気側の燃焼室周壁から適度に離して、該タンブル流剥離
壁面でピストン頂面から剥離した正タンブル流がスキッ
シュエリア空間に流入することを確実に阻止できる。一
方、タンブル流剥離壁面を吸気側燃焼室周壁から離し過
ぎると、吸気側のスキッシュエリアが大きくなり過ぎ
て、正スキッシュ流の流れの慣性により逆スキッシュ流
が弱められる虞れがあり、同時に正タンブル流が小さく
なり過ぎて、主燃焼速度の低下を招くことになるが、L
1≦2.6とすれば、タンブル流剥離壁面は吸気側燃焼
室周壁から離れ過ぎることはなく、前記のような弊害の
生じることを回避できる。
けるタンブル流剥離壁面を、気筒中心線に沿って見て、
キャビティを囲むような略円弧面状とし、該タンブル流
剥離壁面から気筒中心線までの距離L1の値を、気筒半
径をRとして、R/L1≦1.8という関係を満たすよ
うに設定する。
ずその両側にもスキッシュエリアが形成され、燃焼室の
吸気側周縁部への火炎伝播を均一化して、エンジンの耐
ノック性をさらに向上できる。また、R/L1≦1.8
とすることで、スキッシュエリア面積を確保しながら、
タンブル流剥離壁面を吸気側に近づけて正タンブル流の
スケールを大きくさせることができ、燃焼室全体として
適度に乱れを増強して、主燃焼速度をさらに向上でき
る。
れか1つの発明において、燃焼室上壁には先端部を燃焼
室に臨ませて点火プラグを配設し、気筒中心線に沿って
見て、該点火プラグの先端部とタンブル流剥離壁面との
間の距離L3を、気筒半径をRとして、1.3≦R/L
3≦2.6という関係を満たすように設定する。
幾何的に最も遅くなる吸気側の燃焼室周縁部を含むよう
にスキッシュエリアが設けられ、このスキッシュエリア
における火炎伝播速度が逆スキッシュ流により十分に高
められることにより、混合気の自己着火が抑えられて、
ノッキングの発生が抑制される。
基いて説明する。
施形態1に係る火花点火式エンジン1の燃焼室周辺の構
成を示したものである。このエンジン1は、例えば、複
数の気筒2(1つのみ図示する)が列状に設けられたシ
リンダブロック3と、このシリンダブロック3上に配置
されたシリンダヘッド4とを有し、該各気筒2内にピス
トン5が図の上下方向に往復動可能に嵌挿されている。
また、前記シリンダヘッド4の下面には、各気筒2に対
応する位置にそれぞれ凹陥部が形成されていて、この凹
陥部とピストン5の頂面と気筒2の内周面とによって、
燃焼室6が区画されている。
6の上壁に相当するものであり、図1に示すようにクラ
ンク軸(出力軸:図示せず)の延びる方向に沿って見る
と、略中央部から左右両側に向かってシリンダヘッド4
の下端面付近まで延びる2つの傾斜面4a、4bからな
る。すなわち、同図において気筒中心線zに対し左側を
吸気側とし、また反対の右側を排気側とすると、この燃
焼室6上壁は、吸気及び排気側の傾斜面4a,4bが互
いに差し掛けられた屋根のような形状をなすいわゆるペ
ントルーフ型のものである。
立の吸気ポート7,7が2つ開口し、一方、排気側の傾
斜面4bには排気ポート8が2箇所で開口していて、そ
の各ポート開口端にそれぞれ吸気及び排気弁9,9,1
0,10が配設されている。この吸気及び排気弁9,1
0は、各気筒2毎にそれぞれ2つずつ合計4つが平面視
で気筒中心線zを取り囲むように配置されており、さら
に、それら4つの弁9,10,…に囲まれて、点火プラ
グ11がその先端部を気筒中心線zよりもやや排気側で
燃焼室6に臨ませるように配設されている。
が、吸気側における所定範囲に、シリンダヘッド4の吸
気側傾斜面4aに沿うように傾斜する対向傾斜面5aが
設けられているとともに、該対向傾斜面5aを除く範囲
にピストン5の外周形状に沿うように凹状のキャビティ
5bが設けられている。そして、ピストン5が圧縮上死
点位置(TDC)にあるときには、シリンダヘッド4の
凹陥部、即ち2つの傾斜面4a、4bと前記キャビティ
5bとにより囲まれる容積室が実質的な燃焼室となり、
一方、吸気側の傾斜面4aと前記対向傾斜面5aとによ
り挟まれる間隙が吸気側スキッシュエリアを形成する。
くと、図4に示すように、シリンダヘッド4の吸気側傾
斜面4aとピストン5頂面の対向傾斜面5aとが接近し
て、両者の間に挟まれるスキッシュエリア空間から空気
や混合気が燃焼室6に向かって押し出され、同図に矢印
で示すように、燃焼室6上壁に沿って点火プラグ11付
近に向かう正スキッシュ流Sが生成される。また、ピス
トン5が上死点を過ぎて下降に転じると、図5に示すよ
うに、該ピストン5頂面の対向傾斜面5aとシリンダヘ
ッド4の吸気側傾斜面4aとの間隔が拡がり、ここに燃
焼室6の混合気が吸い込まれて、図に太線の矢印で示す
ように、逆スキッシュ流Rが生成されるようになってい
る。
ン5の外周形状に沿うような形状とする必要はなく、キ
ャビティ中心部が、気筒中心線zに沿って見たときに、
排気側に偏位するように設けられていればよい。
6から図1の左斜め上方に直線的に延びるストレートポ
ートであり、クランク軸の延びる方向から見て、吸気上
流側に向かって気筒中心線zから離れるような形状とさ
れている。この吸気ポート7の上流側開口端はシリンダ
ヘッド4の吸気側側面(図の左側面)に開口して、上流
側の吸気通路に連通されており、また、吸気ポート7の
途中には、図外のコントローラからの燃料噴射パルスを
受けて、このパルス幅に対応する燃料をポート内に噴射
するインジェクタ12が配設されている。そして、図示
しないが、気筒2の吸気行程でピストン5が下降する
と、前記インジェクタ12から噴射された燃料と空気と
が混合されながら、吸気ポート7の下流側開口端と開状
態の吸気弁9の傘部との間隙から燃焼室6へ吸い込まれ
て、この吸気流により図に矢印で示すようにタンブル流
T(正タンブル流)が生成される。
室6へ吸い込まれる吸気は、主に吸気ポート7開口の点
火プラグ11に近い側から燃焼室6へ流れ込み、排気側
の燃焼室周壁面に至る。そして、ピストン5のさらなる
下降に伴い、該排気側の燃焼室周壁面に沿うように下方
に向かった後、ピストン5頂面のキャビティ5bに沿っ
て吸気側へ曲げられ、そこからさらに上方に向かって旋
回する。このような高速の吸気流によって燃焼室6内に
強い乱れが生成されるとともに、タンブル流Tによって
乱れが気筒2の膨張行程まで維持強化され、これによ
り、燃焼室6における火炎面の伝播が促進されて、燃焼
速度が向上する。
ポート7,7のいずれか一方(図の上側の吸気ポート)
の上流側には、燃焼室6の吸気流動状態を調節するため
の吸気流動調節弁20が設けられ、この吸気流動調節弁
20が閉じられると、吸気の殆どは他方の吸気ポート7
(図の下側の吸気ポート)から燃焼室5に流入して、強
いスワール流が生成されるようになっている。一方、そ
の吸気流動調節弁20が開くに連れて両方の吸気ポート
7,7から吸気が吸い込まれるようになり、前記のよう
に強いタンブル流Tが生成される。
ように、2つの吸気ポート7,7の双方の上流側に前記
吸気流動調節弁20とは異なる吸気流動調節弁21,2
2を配設するようにしてもよい。これらの吸気流動調節
弁21,22にはいずれも所定形状の切欠き部21a,
22aが設けられていて、吸気流動調節弁21,22を
閉じたときには、吸気は該切欠き部から燃焼室6に流入
して、強いタンブル流を生成する。一方、吸気流動調整
弁21,22が開くに連れて、吸気は切欠き部以外から
も吸い込まれるようになり、これにより、タンブル流の
強度が調節される。
焼室6における吸気流動の主流であるタンブル流Tの挙
動に着目し、気筒2の圧縮行程終期にタンブル流Tとの
相互作用によって正スキッシュ流Sが過度に強くなるこ
とを防止して、そのことにより逆スキッシュ流Rの生成
を早めかつその流れを強めて、スキッシュエリア内の火
炎伝播速度を高めるようにしたことにある。
は、前記ピストン5頂面の対向傾斜面5aに連なるキャ
ビティ5bの吸気側に所定の寸法形状を有するタンブル
流剥離壁面5cを形成し、ピストン5頂面からのタンブ
ル流Tの剥離を早めかつその流れを上方に向かわせて、
該タンブル流Tの吸気側スキッシュエリア空間への流入
を阻止するようにした。
平面状とされ、前記図3(a)に示すように気筒中心線
zに沿って見て、クランク軸の延びる方向(図(a)の
上下方向)と略平行に配置されていて、上述の如く吸気
ポート7,7から流入した吸気によって生成され、ピス
トン5頂面に沿って流れるタンブル流Tが衝突するよう
になっている。尚、タンブル流剥離壁面5cを、気筒中
心線zに沿って見て、少なくとも吸気ポート7開口部に
対応するように、即ち、例えば、同図(a)に仮想線で
示す吸気弁9の円内にのみ設けるようにしてもよい。
からタンブル流剥離壁面5cまでの最短距離をL1と
し、また、該タンブル流剥離壁面5cとは反対側のキャ
ビティ5b周縁部までの最短距離をL2としたとき、そ
の距離L1及び距離L2は、L1<L2という関係を満
たしている。このことは、キャビティ5bが全体として
排気側に偏位して配置されていることを示し、これによ
り、排気側の燃焼室周壁面に沿うように流れてくるタン
ブル流Tがキャビティ5b内に確実に捉えられる。
て、R/L1≒2.1となるように設定されている。す
なわち、R/L1が小さいほど、タンブル流剥離壁面5
cが吸気側の燃焼室周壁面に近づくことになるので、R
/L1があまり小さいときには、タンブル流剥離壁面5
cによりタンブル流Tをピストン5頂面から剥離させて
も、そのタンブル流Tは吸気側のスキッシュエリア空間
に流入してしまい、該スキッシュエリア空間において乱
れが生成及び維持強化される結果となる。そして、その
乱れにより気筒2の圧縮行程終期に正スキッシュ流Sが
強化されると、正スキッシュ流Sを抑えて逆スキッシュ
流Rを強化するという本発明の作用効果が十分に得られ
なくなる。しかも、R/L1が小さいときには、スキッ
シュエリアそのものが小さくなるので、正スキッシュ流
Sや逆スキッシュ流Rによって乱れを十分に強化できな
くなる。
ンブル流剥離壁面5cが吸気側の燃焼室周壁面から離れ
るということであり、この場合には、スキッシュエリア
面積が大きくなり過ぎて、正スキッシュ流Sの慣性によ
り逆スキッシュ流Rが弱められる虞れがあり、同時に、
タンブル流Tのスケールが小さくなり過ぎて、主燃焼速
度の低下を招くことも考えられる。
をピストン5頂面の外周縁部に設けた状態(R/L1=
1)から、徐々に内周側に近づけたときの正スキッシュ
流及び逆スキッシュ流の流速の変化を示し、このグラフ
からは、R/L1の値が約1.3〜2.6の範囲にある
ときに逆スキッシュ流が強化されるとともに、R/L1
の値が約1.3〜2.0の範囲ではその値が大きくなる
に従って逆スキッシュ流が強まる一方、R/L1の値が
約2.0〜2.6の範囲ではその値が大きくなるに従っ
て逆スキッシュ流が弱まることが分かる。そこで、この
実施形態では、R/L1≒2.1として、逆スキッシュ
流を十分に強化できるような位置にタンブル流剥離壁面
5cを設けている。尚、R/L1の値は必ずしも約2.
1に設定する必要はなく、1.3≦R/L1≦2.6の
範囲に設定すればよい。
図3(b),(c)にそれぞれ示すように、気筒中心線z
に略直交するキャビティ5b底面からの高さが、吸気弁
9,9のリセス部分において所定値h(例えば約4m
m)とされ、また気筒中心部において所定値H(例えば
略6mm)とされるとともに、このタンブル流剥離壁面
5cとキャビティ底面との間の傾斜角度θが略90°と
されている。これは、タンブル流剥離壁面5cの傾斜角
度θ及び高さ寸法hを種々変更しながら、そのときの逆
スキッシュ流速の変化を実験的に求めた結果を基に設定
したものであり、例えばタンブル流剥離壁面5cの高さ
(リセス部分の高さh)を3〜8mmとしたときには、
図7に示すように、壁面5cの傾斜角度θが略110°
よりも小さければ、逆スキッシュ流速が高くなる一方、
それ以上に傾斜角度θが大きくなると、流速は大幅に低
下する。また、タンブル流剥離壁面5cの傾斜角度θを
略90°としたときには、図8に示すように、リセス部
分の高さhが略3mm以上であれば、逆スキッシュ流速
が高くなる一方、それよりも高さが低いと、流速は大幅
に低下することが分かる。
エンジン1によれば、まず、気筒2の吸気行程におい
て、ピストン5の下降移動によって吸気ポート7から燃
焼室6に空気や混合気等が吸い込まれ、この高速の吸気
流により燃焼室6にタンブル流Tが生成される。このタ
ンブル流Tは、図1に示すようにピストン5頂面のタン
ブル流剥離壁面5cで剥離されて上方に向かい、該タン
ブル流剥離壁面5cよりも排気側の燃焼室6に偏在する
ようになる。この結果、図36に示すように、気筒2の
吸気行程からタンブル強度そのものは相対的に小さくな
るものの、圧縮行程におけるピストン5の上昇に伴い燃
焼室6容積が減少しても、タンブル流Tは燃焼室6の排
気側に偏在してコンパクトになり、タンブル強度はむし
ろ大きくなる。
図4に示すようにピストン5が上死点位置に近づくに連
れて、シリンダヘッド4の吸気側傾斜面4aとピストン
5頂面の対向傾斜面5aとが接近し、両者の間のスキッ
シュエリア空間に同図に矢印で示すように正スキッシュ
流Sが生成される。そして、この正スキッシュ流Sの方
向がタンブル流Tに沿うものであり、しかもそのタンブ
ル流Tがコンパクトになっているので、幾何的にタンブ
ル流Tの崩壊が抑制され、燃焼室6に過度に強い乱れが
生成されることがなくなる。また、前記のように燃焼室
6の吸気側における渦流や乱れが比較的弱いので、正ス
キッシュ流Sは過度に強化されることはない。このた
め、圧縮上死点前に点火プラグ11により混合気に着火
されたとき、燃焼初期(質量燃焼割合が0〜10%まで
の燃焼期間)の火炎核は過度の乱れが無いことから、比
較的緩やかに拡大する。
C)を過ぎて下降に転じると、図5に示すように、シリ
ンダヘッド4の吸気側スキッシュエリアに強い逆スキッ
シュ流R(火炎が拡大して行く方向のスキッシュ流)が
生成される。ここで、前記の如く正スキッシュ流Sが過
度に強化されていないので、その流れの慣性によって反
対方向の逆スキッシュ流Rの生成が遅れたり、またはそ
の流れが弱められたりすることがなく、従って、逆スキ
ッシュ流Rは十分に大きな流速を持つ強い流れになる。
そして、そのように逆スキッシュ流Rが速やかに生成さ
れ、かつ強い流れになることで、主燃焼時(質量燃焼割
合が10%以上となる燃焼期間)の火炎伝播速度が十分
に高まり、これにより、相対的に温度状態の低い燃焼室
6の吸気側周縁部のエンドガスゾーンにも速やかに火炎
面が到達する。
えば図9に示すようになる。これは火炎面の伝播する様
子を所定クランク角度毎に記録したものであり、同図に
よれば、気筒2の吸気側に伝播する火炎面の間隔はスキ
ッシュエリアにおいて相対的に広くなっており、このこ
とで、火炎面は図に矢印で示すようにスキッシュエリア
に入ってから伝播速度を増して、速やかに燃焼室周縁部
のエンドガスゾーンに到達することが分かる。
トン5頂面に設けたキャビティ5b及びタンブル流剥離
壁面5cによって、気筒2内の吸気流動の主流であるタ
ンブル流Tを燃焼室6の排気側に偏在させ、該排気側に
過度の乱れを形成することなく、タンブル流Tを強化す
る一方、吸気側のスキッシュエリア空間の乱れを弱め
て、気筒2の圧縮行程終期に正スキッシュ流Sが過度に
強くなることを防止することができる。このことで、逆
スキッシュ流Rの生成を早めかつその流れを強めて、吸
気側エンドガスゾーンへの火炎伝播速度を十分に高める
ことができ、これにより、混合気が自己着火する前に火
炎面を到達させて、ノッキングの発生を防止することが
できる。
剥離されたタンブル流Tが燃焼室6の排気側でコンパク
ト化され、かつタンブル流Tの崩壊が抑制されて、点火
時点での燃焼室6には過度の乱れが生成されることはな
いので、初期燃焼速度はあまり高くはならす、従って、
混合気の自己着火が誘発されることもない。一方、火炎
の主燃焼速度は十分に高くなり、急速燃焼によりエンジ
ン1の熱効率や機械効率の向上が図られる。このよう
に、クランク角度の変化とともに熱発生率の上昇する様
子を、従来までのピストン頂面が平らなもの(フラット
ピストン)と対比して、図10に示す。同図によれば、
この実施形態のように、ピストン5頂面の吸気側にスキ
ッシュエリアとなる対向傾斜面5aとタンブル流剥離壁
面5cとを設けたもの(吸気側剥離壁面有り)では、フ
ラットピストンに比べて初期燃焼速度をやや低下させな
がら、主燃焼速度は高めて、燃焼期間を大幅に短縮でき
ることが分かる。
に、タンブル流剥離壁面5cを略平面状としているが、
こうした場合には、図11に示すように、R/L1の
値、即ちタンブル流剥離壁面5cの位置に対応してスキ
ッシュエリア面積がほぼ決まってしまうので、タンブル
流剥離壁面5cの位置及びスキッシュエリア面積の双方
を最適に設定するのが難しくなることがある。この点に
関し、例えば図12に示すように、タンブル流剥離壁面
5cをキャビティ5bを囲むような略円弧面状とすれ
ば、スキッシュエリアを吸気ポート7開口部の両側に拡
大することができる。
のタンブル流剥離壁面5cとすれば、同図に破線で示す
ように、R/L1の値が同じであっても、同図に実線で
示す平面状のタンブル剥離壁面5cに比べて大きなスキ
ッシュエリア面積を得ることができ、これにより、燃焼
室6周縁部への火炎伝播を均一化して、エンジン1の耐
ノック性をさらに向上させることができる。一方、R/
L1の値を小さくすることで、スキッシュエリア面積を
確保しながら、タンブル流剥離壁面5cを吸気側に近づ
けてタンブル流Tのスケールを大きくさせることもで
き、この場合には、R/L1≦1.8とすることが好ま
しい。
かめるために、実験用の単気筒エンジンを用いて行った
気筒内流動の可視化実験について、図14〜21に基づ
いて説明する。このエンジンは、ガラス製の透明シリン
ダライナ内に中央部をアクリル樹脂製とした透明ピスト
ンを嵌装したものであり、吸気流動の計測は高速度ビデ
オカメラを用いたPIV法によった。すなわち、前記透
明ピストンの下方から上方に向かってArイオンレーザ
をシート光として入射させ、吸気に混入させたシード粒
子の散乱光画像を高速度ビデオカメラを用いて側方から
時系列に記録し、そのうちの連続する2枚の画像から輝
度ムラの移動量を追跡する二次元相互相関法によって、
流速ベクトルを算出した。
のスキッシュエリア以外は平坦なフラットタイプのも
の、吸気側に前記実施形態1と同様にピストン頂面の
吸気側に対向傾斜面(スキッシュエリア)とタンブル流
剥離壁面とを設けたもの(実施例)、排気側に前記と
同様の同様のスキッシュエリア及びタンブル流剥離壁面
を設けたものとし、特にのピストンとしては、スキッ
シュエリアの相対的に大きいもの-aと、相対的に小さ
いもの-bとを準備した。
フラットピストン(Flat Type)について気筒内全体及
び点火プラグ近傍の空気流動状態を表したものである。
また、図16及び図17は同様に前記-aの吸気側に相
対的に大きなスキッシュエリアを設けたピストン(IN.L-
Squish Type)について、また、図18及び図19は前記
-bの吸気側に相対的に小さなスキッシュエリアを設け
たピストン(IN.S-Squish Type)について、そして、図2
0及び図21は前記の排気側にスキッシュエリアを設
けたピストン(EX.L-Squish Type)についての吸気流動状
態を表している。
4の左端の図に示すように、気筒の吸気下死点(BD
C)で燃焼室全体にスケールの大きなタンブル流が生成
されていて、このタンブル流が圧縮上死点(TDC)へ
向かうピストンの上昇によって上下に潰されるようにな
る。また、図15によると、点火プラグ付近の吸気流動
は、一番上の図に示す圧縮上死点前20°CA(BTD
C20)から中央の図に示す圧縮上死点(TDC)にか
けて、燃焼室の吸気側(図の左側)でペントルーフに沿
う弱い正スキッシュ流とタンブル流とが強め合い、この
流れが圧縮上死点(TDC)から圧縮上死点後10°C
A(ATDC10)まで残っていて、圧縮上死点後20
°CA(ATDC20)になっても強い逆スキッシュ流
は見られない。
ンでは、図16,18にそれぞれ示すように、タンブル
流は、ピストン上面のタンブル流剥離面により上方に剥
離されて上方に向かい、燃焼室吸気側のスキッシュエリ
ア空間よりも右側、即ち燃焼室排気側に偏在するように
なる。また、図17,19によると、BTDC20から
TDCにかけて正スキッシュ流があまり強くならない反
面、特に図17に示すようにATDC20におけるスキ
ッシュエリアの逆スキッシュ流が極めて強くなることが
見て取れる。尚、図19ではスキッシュエリアは視野外
にあり、前記の強いスキッシュ流は観察できない。
トンでは、図20に示すように、スキッシュエリアを形
成するピストン頂面の対向傾斜面によりタンブル流が上
方に跳ね上げられて、吸気側の燃焼室周壁面に達するこ
とが分かる。また、図21に示すように、BTDC20
からTDCにかけて排気側の正スキッシュ流との干渉に
よりタンブル流が弱められ、その後ATDC20にかけ
て逆スキッシュ流が生じるものの、前記図17に示す吸
気側スキッシュに比べて、流れが弱いことが見て取れ
る。
それぞれスキッシュエリアを設けたものについて、各
々、逆スキッシュ流の強さを計測した結果、図22に実
線で示すように、吸気側スキッシュのピストンではタン
ブル流が吸気側のタンブル流剥離壁面によって剥離され
て、燃焼室の排気側に偏在するようになるので、排気側
スキッシュのピストンに比べて逆スキッシュ流の生成が
早く、しかも、より長い時間に亘って高い逆スキッシュ
流速が得られることが分かった。
ように、エンジンの気筒内燃焼室の吸気側周縁部に適切
な大きさのスキッシュエリアを設けるとともに、ピスト
ン頂面の吸気側の適切な位置にタンブル流剥離壁面を設
けることで、排気側にスキッシュエリアを設けたものや
従来からのフラットピストンと比較して、気筒の膨張行
程初期の逆スキッシュ流を早期に立ち上げ、かつその流
れを極めて強くすることができ、これにより、スキッシ
ュエリアにおける火炎伝播速度を高めてノッキングを抑
制するという本発明の作用効果が十分に得られることが
確認できた。
直接噴射式エンジン1に適用した実施形態を示す。この
エンジン1の燃焼室構造は吸気ポート7の形状やインジ
ェクタ14の配置構成を除いて、実施形態1のものと同
様なので、以下、同一部材には同一の符号を付してその
説明は省略する。
では、シリンダヘッド4の吸気側周縁部に、2つの吸気
ポート7,7開口に挟まれるようにインジェクタ14の
先端側噴孔が配置され、このインジェクタ14により燃
焼室6に対して側方から燃料が噴射されるようになって
いる。そして、エンジン1が中高負荷の運転状態にある
ときには、主に気筒2の吸気行程で前記インジェクタ1
4により燃料を噴射させ、この噴射燃料を吸気ポート
7,7からの高速の空気流と十分に混合させかつ燃焼室
6全体に拡散させて燃焼させる均一燃焼状態となる。こ
のときには、前記実施形態1と同様に、吸気タンブル流
Tを燃焼室5の排気側に偏在させて、該燃焼室6吸気側
を比較的乱れの弱い状態にすることで、膨張行程初期の
逆スキッシュ流を強化して、エンジンの耐ノック性を向
上させることができる。
ときには。前記インジェクタ14により燃料を気筒2の
圧縮行程中期以降で噴射させ、この燃料噴霧をキャビテ
ィ5bに反射させて、点火プラグ11付近に偏在させた
状態で燃焼させる成層燃焼状態になる。そして、このと
きにインジェクタ14から噴射された燃料がピストン5
頂面の対向傾斜面5aにより反射されることがないよ
う、該対向傾斜面5aとタンブル流剥離壁面5cとの間
の境界中央部には、噴射燃料をキャビティ5bに導くた
めの凹部5dが形成されている。尚、吸気ポート7,7
から吸い込まれた吸気によるタンブル流Tは、前記凹部
5dの両側に生成されるので、この凹部5dが有って
も、タンブル流Tの吸気側スキッシュエリア空間への流
入は阻止できる。
1,2に限定されるものではなく、その他の種々の実施
形態を包含するものである。すなわち、前記各実施形態
では、本発明をいわゆるペントルーフ型燃焼室6のエン
ジン1に適用しているが、これに限らず、燃焼室6上壁
面の一側に吸気ポート7が開口し、その反対側に排気ポ
ート8が開口するクロスフロータイプの燃焼室を有する
ものであれば、本発明を適用することができる。
に示すように、各気筒2毎に吸気弁9及び排気弁10を
それぞれ1つずつ配置した2弁タイプのエンジンに適用
することができる。この場合、図25(a)に示すよう
に気筒中心線zに沿って見て、ピストン5頂面の吸気側
にスキッシュエリアを形成する対向傾斜面50を上方に
突出させて設けるとともに、タンブル流剥離壁面51は
吸気弁9付近でエンジンのクランク軸の延びる方向(図
の上下方向)に略平行になる平面部51aを有するもの
とし、この平面部51aから気筒中心線zまでの距離L
1を、1.3≦R/L1≦2.6となるように設定す
る。こうすることで、図示しないが、気筒2の圧縮行程
でタンブル流を燃焼室の排気側に偏在させて、前記実施
形態1,2と同様に逆スキッシュ流を強化することがで
きる。
オフセット配置されていても、この点火プラグ11の先
端部からタンブル流剥離壁面51の平面部51aまでの
距離L3を、1.3≦R/L3≦2.6という関係を満
たすように設定するとともに、このタンブル流剥離壁面
51において平面部51aよりも点火プラグ11から離
れる部分に湾曲部51bを設けて、点火プラグ11から
遠くなる気筒周縁部へスキッシュエリアを拡大する。或
いは、図26(a)に示すように、タンブル流剥離壁面
51全体を前記湾曲部51bが点火プラグ11に近づく
ように回転変位させて設けるようにしてもよく、さら
に、図27(a)に示すように、タンブル流剥離壁面5
1全体を円弧面状に形成してもよい。そのようにすれ
ば、前記各図(b)にそれぞれ破線で示すように点火プ
ラグ11付近から火炎面が伝播したときに、その火炎面
の到達が最も遅くなる燃焼室周縁部を含むようにスキッ
シュエリア(対向傾斜面50)を設けることができ、こ
のスキッシュエリア内の強い逆スキッシュ流により火炎
伝播速度を高めて、エンドガスゾーンにおける自己着火
を防止することができる。
ぞれ示すように、各気筒2毎に吸気弁9を2つずつ、及
び排気弁10を1つずつ配置した3弁タイプのエンジン
にも適用することができ、この場合にも、前記と同様に
タンブル流剥離壁面51と気筒中心線zとの間の距離L
1を、1.3≦R/L1≦2.6となるように設定し、
かつ該タンブル流剥離壁面51と点火プラグ11の先端
部との間の距離L3を1.3≦R/L3≦2.6という
関係を満たすように設定するとともに、該タンブル流剥
離壁面51に湾曲部51bを設けたり、タンブル流剥離
壁面51全体を円弧面状としたりすることで、前記各実
施形態と同様の作用効果が得られる。尚、図28〜31
の(b)において破線で示すのは点火プラグ11からの
火炎面の伝播状態である。
れぞれ示すように、各気筒2毎に吸気弁9を2つずつ、
排気弁10を1つずつ配置するとともに、点火プラグ1
1を2本ずつ配設したいわゆるツインプラグタイプのエ
ンジンにも適用することができる。この場合もタンブル
流剥離壁面51及び気筒中心線z間の距離L1と、該タ
ンブル流剥離壁面51及び点火プラグ11間の距離L3
とを前記と同様に設定すればよく、また、タンブル流剥
離壁面51は、平面状としても円弧面状としてもよい。
尚、図32,33の(b)において破線で示すのは点火
プラグ11からの火炎面の伝播状態である。
に3つの吸気弁と2つの排気弁とを配置した5弁タイプ
のエンジンにも適用可能である。
発明における火花点火式エンジンによると、ピストン頂
面のキャビティの吸気側周縁部に所定寸法形状のタンブ
ル流剥離壁面を設けて、正タンブル流を燃焼室の排気側
に偏在させ、吸気側のスキッシュエリア空間における渦
流や乱れ弱めることで、正スキッシュ流の過度の強化を
防止して逆スキッシュ流の生成を早めかつその流れを十
分に強くさせて、スキッシュエリアにおける火炎伝播速
度を高めることができる。これにより、火炎の初期燃焼
速度をあまり高めずに、主燃焼速度を十分に高くするこ
とができるので、エンドガスゾーンでの自己着火に起因
するノッキングを抑制しながら、急速燃焼によってエン
ジンの熱効率や機械効率を向上させることができる。
壁面を気筒中心線に略直交する仮想平面に対して所定角
度以下の傾斜角度をなすものとすることで、正タンブル
流をタンブル流剥離壁面によりピストン頂面から確実に
剥離させることができ、これにより、請求項1の発明に
よる効果を十分に得ることができる。
壁面を少なくとも吸気ポートの開口部に対応するように
設けることで、正タンブル流をタンブル流剥離壁面によ
り効果的に剥離させることができ、これにより、請求項
1の発明による効果を十分に得ることができる。
壁面を吸気側の燃焼室周壁面から適切な距離に配置し
て、請求項1の発明による効果を十分に得ることができ
る。
におけるタンブル流剥離壁面を、キャビティを囲むよう
な略円弧面状とすることで、タンブル流剥離壁面の最適
配置とスキッシュエリア面積の確保とを高次元で両立す
ることができ、これにより、エンジンの耐ノック性をさ
らに向上できる。
幾何的に最も遠くなる吸気側の燃焼室周縁部を含むよう
にスキッシュエリアを設けることにより、ノッキングの
発生を抑制できる。
の燃焼室の概略構成図である。
その b-b 線における断面図(b)である。
る。
る。
徐々に遠ざけたときの逆スキッシュ流速の変化を示すグ
ラフ図である。
逆スキッシュ流速の変化を示すグラフ図である。
逆スキッシュ流速の変化を示すグラフ図である。
播状態を示す説明図である。
生率の変化を、フラットピストンと対比して示すグラフ
図である。
応関係の一例を示すグラフ図である。
に係る図3相当図である。
11相当図である。
行程における吸気流動の変化をPIV法により記録した
流速ベクトルの分布図である。
上死点前後における点火プラグ近傍の流速ベクトルの分
布図である。
タンブル流剥離壁面とを設けたピストンを用いたときの
図14相当図である。
タンブル流剥離壁面とを設けたピストンを用いたときの
図15相当図である。
タンブル流剥離壁面とを設けたピストンを用いたときの
図14相当図である。
タンブル流剥離壁面とを設けたピストンを用いたときの
図15相当図である。
タンブル流剥離壁面とを設けたピストンを用いたときの
図14相当図である。
タンブル流剥離壁面とを設けたピストンを用いたときの
図15相当図である。
アを設けた場合の逆スキッシュ流速の変化を互いに対比
して示すグラフ図である。
形態2に係る図1相当図である。
番目の他の実施形態に係る図3相当図である。
相当図である。
図3相当図である。
番目の他の実施形態に係る図3相当図である。
相当図である。
図3相当図である。
す図3相当図である。
用した3番目の他の実施形態に係る図3相当図である。
相当図である。
模式的に示す図である。
れ示す図34相当図である。
ブル強度の変化を、フラットピストン等と対比して示す
グラフ図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 気筒内でピストン頂面に対向する燃焼室
上壁面の一側に吸気ポートを開口させ、反対側の他側に
排気ポートを開口させるとともに、前記吸気ポートを吸
気上流側に向かって気筒中心線から前記一側に離れるよ
うな形状として、該吸気ポートから燃焼室へ流れ込んだ
吸気流が前記他側の燃焼室周壁面から順に、ピストン頂
面及び前記一側の燃焼室周壁面に沿って旋回する正タン
ブル流となるようにした火花点火式エンジンにおいて、 前記一側の燃焼室上壁には、気筒周縁部に向かってピス
トン頂面に近づくように傾斜面が形成され、 前記ピストン頂面には、前記一側の所定範囲に前記傾斜
面に沿うように対向傾斜面が設けられているとともに、
該対向傾斜面に隣接する他側の所定範囲に凹状のキャビ
ティが設けられ、 前記対向傾斜面に近い方のキャビティ周縁部には、前記
正タンブル流のピストン頂面からの剥離を促すよう、キ
ャビティ底面から所定以上の高さに突出するタンブル流
剥離壁面が形成されていることを特徴とする火花点火式
エンジン。 - 【請求項2】 請求項1において、 タンブル流剥離壁面は、気筒中心線に略直交する仮想平
面に対して所定角度以下の傾斜角度をなすことを特徴と
する火花点火式エンジン。 - 【請求項3】 請求項1において、 タンブル流剥離壁面は、気筒中心線に沿って見て、少な
くとも吸気ポートの開口部に対応するように設けられて
いることを特徴とする火花点火式エンジン。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、 気筒中心線に沿って見て、該気筒中心線からタンブル流
剥離壁面までの距離をL1とし、また、該タンブル流剥
離壁面とは反対側のキャビティ周縁部までの距離をL2
としたとき、 前記距離L1及び距離L2は、気筒半径をRとして、
L1<L2 かつ 1.3≦R/L1≦2.6 という
関係を満たすように設定されていることを特徴とする火
花点火式エンジン。 - 【請求項5】 請求項4において、 タンブル流剥離壁面は、気筒中心線に沿って見て、キャ
ビティを囲むような略円弧面状とされ、 前記タンブル流剥離壁面から気筒中心線までの距離L1
の値は、気筒半径をRとして、 R/L1≦1.8 と
いう関係を満たすように設定されていることを特徴とす
る火花点火式エンジン。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1つにおいて、 燃焼室上壁には、先端部を燃焼室に臨ませて点火プラグ
が配設され、 気筒中心線に沿って見て、前記点火プラグの先端部とタ
ンブル流剥離壁面との間の距離L3は、気筒半径をRと
して、 1.3≦R/L3≦2.6 という関係を満た
すように設定されていることを特徴とする火花点火式エ
ンジン。
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