JP2009041397A - 複数点火エンジンの燃焼室構造 - Google Patents

複数点火エンジンの燃焼室構造 Download PDF

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Abstract

【課題】複数点火エンジンにおいて未燃燃料が残存しない燃焼室構造を提供する。
【解決手段】2つの吸気ポート11から吸入される気流がタンブル流になり、そのタンブル流から互いに反対方向に回るように流れる双子渦が生成されるエンジンの燃焼室の構造であって、シリンダ軸方向から視たときに、2つの吸気バルブ13の間と2つの排気バルブ14の間とを通る中心線CLの近傍に配置された中心点火プラグ15aと、燃焼室の周辺付近に配置された周辺点火プラグ15bと、シリンダ軸方向から視たときに、中心線CLの近傍におけるインレット側スキッシュエリア20aの幅とエキゾースト側スキッシュエリア20bの幅との大小関係と、その中心線CLに平行であって周辺点火プラグ15bの中心を通過する直線の近傍におけるインレット側スキッシュエリア20aの幅とエキゾースト側スキッシュエリア20bの幅との大小関係と、が反対の関係になる。
【選択図】図1

Description

この発明は、複数点火エンジンの燃焼室の構造に関する。
各気筒に対して複数の点火プラグが設けられた複数点火エンジンの燃焼室の構造が種々提案されている。たとえば特許文献1では、3点点火エンジンの燃焼室構造が提案されている。特許文献1の燃焼室は、シリンダ軸方向から視たときに、一直線上に並んだ点火プラグと略平行にスキッシュエリアが形成されている。
特開平6−288332号公報
しかしながら、このようなエンジンにおいては、未燃燃料が残存してしまい、ノッキングを生じる可能性があることが本件発明者らによって知見された。
本発明は、このような従来の問題点に着目した本件発明者らの鋭意研究によって完成するに至ったものであり、複数点火エンジンにおいて未燃燃料を残存させない燃焼室構造を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、2つの吸気ポート(11)から吸入される気流がタンブル流になり、そのタンブル流から互いに反対方向に回るように流れる双子渦が生成されるエンジンの燃焼室の構造であって、シリンダ軸方向から視たときに、2つの吸気バルブ(13)の間と2つの排気バルブ(14)の間とを通る中心線CLの近傍に配置された中心点火プラグ(15a)と、燃焼室の周辺付近に配置された周辺点火プラグ(15b)と、シリンダ軸方向から視たときに、中心線CLの近傍におけるインレット側スキッシュエリア(20a)の幅とエキゾースト側スキッシュエリア(20b)の幅との大小関係と、その中心線CLに平行であって周辺点火プラグ(15b)の中心を通過する直線の近傍におけるインレット側スキッシュエリア(20a)の幅とエキゾースト側スキッシュエリア(20b)の幅との大小関係と、が反対の関係になる、ことを特徴とする。
本発明によれば、中心線CLの近傍におけるインレット側スキッシュエリアの幅とエキゾースト側スキッシュエリアの幅との大小関係と、その中心線CLに平行であって周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍におけるインレット側スキッシュエリアの幅とエキゾースト側スキッシュエリアの幅との大小関係と、が反対の関係になるようにすることで、点火プラグから拡がる火炎が、タンブル流から生成される双子渦の影響を受けても、未燃領域が残らないのである。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による複数点火エンジンの燃焼室構造の第1実施形態を示す図であり、図1(A)は平面図、図1(B)は縦断面図である。
エンジン10は、各気筒ごとに2つの吸気ポート11と2つの排気ポート12とを有し、2つの吸気バルブ13で吸気ポート11を開閉するとともに、2つの排気バルブ14で排気ポート12を開閉する4バルブの火花点火式エンジンである。エンジン10の燃焼室はいわゆるペントルーフ型である。ペントルーフ稜線は、2つの吸気バルブの間と2つの排気バルブの間とを通る中心線CLに直交する。
エンジン10は、1気筒あたりに複数の点火プラグを有する。図1のエンジン10は、エンジンの中心付近に位置する中心点火プラグ15aと、エンジンの周辺付近に位置する2つの周辺点火プラグ15bと、を備える3点点火エンジンである。中心点火プラグ15a及び2つの周辺点火プラグ15bは、ペントルーフ稜線に一直線に並ぶ。
ピストン20の冠面には、インレット側にインレット側スキッシュ形成部20aが形成され、エキゾースト側にエキゾースト側スキッシュ形成部20bが形成されている。
ところで2つの吸気ポートからタンブル流を導入するエンジンでは、その後、気流が2つに分離して互いに反対方向に回るように流れるようになり、この2つの気流が圧縮上死点付近まで維持されることが確認されている。この2つの気流は「双子渦」と呼ばれ、特に中心線CLの近傍から各吸気バルブへと分かれるように流れる気流は「順双子渦」と呼ばれている。
図2は、順双子渦の生成メカニズムを説明する図である。なお図面中の気流が煩雑になることを避けるために燃焼室の半分のみを図示して気流を矢印で記載した。図示されていない側は切断面に対称である。
図2(A)に示すように、ピストン20の下降にともない、吸気ポート11から空気が吸入される。この空気は、吸気ポート11から排気ポート側のボア壁面に流れる順タンブル成分と、吸気ポート側のボア壁面に流れる逆タンブル成分と、を含む。そして順タンブル流となる成分のうちの一部はボア壁面に回り込む。
ピストン20が下死点を過ぎて上昇し始めると、順タンブル成分と逆タンブル成分とが衝突し(図2(B))、順タンブルが減衰する。そしてピストン20の上昇につれて図2(C)に破線で示すような順双子渦が生成される。なお図2(C)には図面の煩雑を避けるために順双子渦の一方の渦のみを図示してあるが、順双子渦の他方の渦は、この一方の渦に対して切断面に対称に存在する。そしてこの順双子渦が維持されつつ、ピストン20が上死点(TDC)に達する(図2(D))。
このように2つの吸気ポートから吸入された順タンブル流は、その後、2つに分離して互いに反対方向に回るように流れる順双子渦になり、この2つの気流が圧縮上死点付近まで維持される。
図3は、上死点手前20度(20degBTDC)でのシリンダボア内の気流の解析結果を示す図である。
上述の通り、2つの吸気ポートから吸入された順タンブル流は、その後、2つに分離して互いに反対方向に回るように流れるようになり、この2つの気流が圧縮上死点付近まで維持される。この様子を解析すると図3のようになっている。図中に矢印で示したように、気流は、中心線CLの近傍から各吸気バルブ13へと分かれるように流れている。
図4は、上死点(TDC)でのシリンダボア内の火炎伝播の解析結果を示す図である。
シリンダボア内に発生した上述のような気流に影響されて、シリンダボア内の火炎伝播は図4に示すようになる。すなわち中心点火プラグ15a及び周辺点火プラグ15bを同時に点火したのち、中心点火プラグ15aの点火による火炎は、気流の影響を受けてインレット側に拡がっていく。また周辺点火プラグ15bの点火による火炎は、気流の影響を受けてエキゾースト側に拡がっていく。
図5は、順双子渦が生成される3点点火エンジンに、点火プラグ列と略平行にスキッシュエリアを形成したときに生じる火炎の拡がりを示した図であり、図5(A)は平面図、図5(B)は縦断面図である。
左下り斜線で示した領域がスキッシュエリアであり、点火プラグ列と略平行に形成されている。ピストンが上死点に位置するときは、ピストン冠面に設けられたインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bが燃焼室のルーフ面に近づいており、空間がほとんどない。中心点火プラグ15a及び周辺点火プラグ15bの火炎は、アミ掛け領域のように拡がっており、ここが既燃領域である。しかしながら、右下り斜線で示した領域には、中心点火プラグ15a及び周辺点火プラグ15bの火炎が到達しておらず、未燃領域となっている。このような未燃混合気は、自着火してノッキングの原因になる可能性がある。
そこで本実施形態では、シリンダボア内の気流を考慮して、インレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bの形状を設定したのである。
具体的には、中心線CLの近傍では、インレット側スキッシュ形成部20aの幅(中心線CL方向の長さ)がエキゾースト側スキッシュ形成部20bの幅よりも小さくなるようにした。またその中心線CLに平行であって周辺点火プラグ15bの中心を通過する直線の近傍では、インレット側スキッシュ形成部20aの幅がエキゾースト側スキッシュ形成部20bの幅(なお図1ではエキゾースト側スキッシュ形成部20bの幅はゼロ)よりも大きくなるようにした。
このようにすることで、ピストンが上死点に位置するタイミングにおいて、左下り斜線で示した領域では、ピストン冠面に設けられたインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bが燃焼室のルーフ面に近いので、空間がほとんど存在せず混合気がほとんどなくなる。そしてインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bが無く混合気が存在する空間では、図6に示したように、中心点火プラグ15a及び周辺点火プラグ15bの点火による火炎がアミ掛け領域のように拡がって既燃状態になっており、未燃領域が存在しない。そして、この後、ピストン20が下がると、スキッシュエリアに気流が流れ込み(リバーススキッシュ)、スキッシュエリアに残存していた混合気もすべて燃焼するのである。
図7は、ノック特性における効果を示す図である。
図中、実線は本実施形態であり、一点鎖線は比較例1(図5に示したスキッシュエリアの3点点火エンジン)であり、破線は比較例2(比較例1で中心点火プラグのみ点火)である。
ピストン20の冠面にインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bを、本実施形態のように設けることで、図6に示したように未燃領域が存在しなくなった。そのため、図7に示すように、点火時期を進角してもノック強度が強まらなくなり、点火時期の進角量を大きくできるようになったのである。
図8は、軸トルクにおける効果を示す図である。
図中、実線は本実施形態であり、一点鎖線は比較例1(図5に示したスキッシュエリアの3点点火エンジン)であり、破線は比較例2(比較例1で中心点火プラグのみ点火)である。
ピストン20の冠面にインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bを、本実施形態のように設けることで、図6に示したように未燃領域が存在しなくなった。そのため、図7に示すように、軸トルクが増大した。また上述の通り、ノッキングを生じにくくなったので、点火時期を進角可能であり、点火時期を進角すれば軸トルクをさらにアップすることができる。
図9は、冷間始動直後のアイドル運転における効果を示す図である。
図中、実線は本実施形態であり、一点鎖線は比較例1(図5に示したスキッシュエリアの3点点火エンジン)であり、破線は比較例2(比較例1で中心点火プラグのみ点火)である。
ピストン20の冠面にインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bを、本実施形態のように設けることで、図6に示したように未燃領域が存在しなくなった。そのため、図9(A)に示すように燃焼安定度が向上した。したがって冷間始動直後の点火時期遅角量も拡大できる。
またピストン20の冠面にインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bを、本実施形態のように設けることで、ピストン20が下降するときのリバーススキッシュによる火炎引き込み効果も得られる。点火時期遅角量の拡大に加えて、この火炎引き込み効果によってもエンドガスの燃焼が促進されるので、図9(B)に示すように未燃炭化水素(HC)の排出を低減できる。
さらに点火時期遅角量を拡大することで、図9(C)に示すように排温が上昇し、触媒の早期暖機を図ることができるのである。
(第2実施形態)
図10は、逆双子渦の生成メカニズムを説明する図である。
なお図面中の気流が煩雑になることを避けるために、図2と同様に燃焼室の半分のみを図示して気流を矢印で記載した。図示されていない側は切断面に対称である。また以下では前述と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
第1実施形態では、双子渦は、2つの吸気バルブの間と2つの排気バルブの間とを通る中心線CLの近傍から各排気バルブ14へと分かれる順双子渦の場合で説明した。しかしながら、エンジンの仕様によっては、中心線CLの近傍から各吸気バルブ13へと分かれるように流れる双子渦(このような双子渦を「逆双子渦」という)も存在する。これについて説明する。
図10(A)に示すように、ピストン20の下降にともない、吸気ポート11から空気が吸入される。この空気は、吸気ポート11から排気ポート側のボア壁面に流れる順タンブル成分と、吸気ポート側のボア壁面に流れる逆タンブル成分と、を含む。そして順タンブル流となる成分のうちの一部はボア壁面に回り込む。
ピストン20が下死点を過ぎて上昇し始めると、図10(B)に示すように逆タンブルはボア壁に沿って流れ、ピストン20の上昇につれて次第に順タンブルと合成される(図10(C))。そしてさらにピストン20の上昇につれて、図10(B)に示すように逆双子渦が生成される。なお図10(D)には逆双子渦の一方の渦のみを図示してあるが、逆双子渦の他方の渦は、この一方の渦に対して切断面に対称に存在する。
図11は、上死点手前20度(20degBTDC)でのシリンダボア内の気流の解析結果を示す図である。
上述の通り、2つの吸気ポートから吸入されたタンブル流は、その後、2つに分離して互いに反対方向に回るように流れるようになる。この様子を解析すると図11のようになっている。図中に矢印で示したように、気流は、中心線CLの近傍から各排気バルブ14へと分かれるように流れる。
図12は、上死点(TDC)でのシリンダボア内の火炎伝播の解析結果を示す図である。
シリンダボア内に発生した上述のような気流の影響を受けて、シリンダボア内の火炎伝播は図12に示すようになる。すなわち中心点火プラグ15a及び周辺点火プラグ15bを同時に点火したのち、中心点火プラグ15aの点火による火炎は、気流の影響を受けてエキゾースト側に拡がっていく。また周辺点火プラグ15bの点火による火炎は、気流の影響を受けてインレット側に拡がっていく。
図13は、タンブル比と順双子渦/逆双子渦との関係を説明する図である。
上述の通り、エンジンの仕様によって、タンブル流が順双子渦になったり逆双子渦になったりする。これについて、本件発明者らの研究によって図13が得られた。すなわちタンブル比が小さいエンジンではタンブル流から順双子渦が生成されやすく、タンブル比が大きいエンジンではタンブル流から逆双子渦が生成されやすいのである。また順双子渦が生成される場合にタンブル比が小さいほど順双子渦が強まり、逆双子渦が生成される場合にタンブル比が大きいほど逆双子渦が強まる。なおタンブル比は次式(1)で与えられる。
換言すればタンブルの強さが弱いほど順双子渦になりやすくまた順双子渦が強まり、タンブルの強さが強いほど逆双子渦になりやすくまた逆双子渦が強まる、ということである。
そのため、たとえば図14に示すように、ポート角度θ1が小さいほど、ポート開き角度θ2が大きいほど、スロート長さTが短いほど、下アゴ半径Rが小さいほど、タンブルの強さが弱まり、順双子渦が形成されやすくまた順双子渦が強まる。そして順双子渦が形成されるか逆双子渦が形成されるかについては、ポート角度θ1、ポート開き角度θ2、スロート長さT、下アゴ半径Rの各基準値(所定値)が、それぞれについて実験的経験的に求められている。また図14(B)に示したカーテンエリアと呼ばれるエリアから吸気が均一に流入するかによっても双子渦の形成され易さが変わってくる。
このようにエンジンの仕様によって、タンブル流が順双子渦になったり逆双子渦になるのである。
そして逆双子渦が生成される仕様のエンジンに、第1実施形態のようにインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bを設けても、未燃領域を排除することはできない。そこで、仕様によってタンブル流が逆双子渦になるエンジンにおいては、図15に示すように中心線CLの近傍では、エキゾースト側スキッシュ形成部20bの幅がインレット側スキッシュ形成部20aの幅よりも小さくなるようにした。またその中心線CLに平行であって周辺点火プラグ15bの中心を通過する直線の近傍では、エキゾースト側スキッシュ形成部20bの幅がインレット側スキッシュ形成部20aの幅(なお図15ではインレット側スキッシュ形成部20aの幅はゼロ)よりも大きくなるようにしたのである。
図16は、第2実施形態の効果を説明する図である。
このようにすることで、ピストンが上死点に位置するタイミングにおいて、左下り斜線で示した領域は、ピストン冠面に設けられたインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bが燃焼室のルーフ面に近く、空間がほとんど存在せず混合気がほとんどない。そしてインレット側スキッシュ形成部20a及びエキゾースト側スキッシュ形成部20bが無く混合気が存在する空間では、図16に示したように、中心点火プラグ15a及び周辺点火プラグ15bの点火による火炎がアミ掛け領域のように拡がって既燃状態になっており、未燃領域が存在しない。そして、この後、ピストン20が下がると、スキッシュエリアに気流が流れ込み(リバーススキッシュ)、スキッシュエリアに残存していた混合気もすべて燃焼するのである。
このように逆双子渦が生成される仕様のエンジンにおいては、第2実施形態のようにスキッシュ形成部をピストン面に設けることで、第1実施形態と同様に未燃領域をなくすことができ、第1実施形態と同様に、点火時期の進角量や遅角量を拡大できるのである。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
例えば、ピストン冠面のスキッシュ形成部の具体的な形状は一例に過ぎない。
また本実施形態では、中心点火プラグ及び周辺点火プラグが、ペントルーフ稜線に一直線に並ぶ3点点火エンジンを例示して説明したが、必ずしもペントルーフ稜線に一直線に並ばなくてもよく、また2点や4点以上であってもよい。
本発明による複数点火エンジンの燃焼室構造の第1実施形態を示す図である。 順双子渦の生成メカニズムを説明する図である。 上死点手前20度(20degBTDC)でのシリンダボア内の気流の解析結果を示す図である。 上死点(TDC)でのシリンダボア内の火炎伝播の解析結果を示す図である。 順双子渦が生成される3点点火エンジンに、点火プラグ列と略平行にスキッシュエリアを形成したときに生じる火炎の拡がりを示した図である。 本発明による複数点火エンジンの燃焼室構造の第1実施形態における火炎の拡がりを示した図である。 ノック特性における効果を示す図である。 軸トルクにおける効果を示す図である。 冷間始動直後のアイドル運転における効果を示す図である。 逆双子渦の生成メカニズムを説明する図である。 上死点手前20度(20degBTDC)でのシリンダボア内の気流の解析結果を示す図である。 上死点(TDC)でのシリンダボア内の火炎伝播の解析結果を示す図である。 タンブル比と順双子渦/逆双子渦との関係を説明する図である。 エンジンの仕様と順双子渦生成との関係を説明する図である。 本発明による複数点火エンジンの燃焼室構造の第2実施形態を示す図である。 第2実施形態の効果を説明する図である。
符号の説明
10 エンジン
11 吸気ポート
12 排気ポート
13 吸気バルブ
14 排気バルブ
15a 中心点火プラグ
15b 周辺点火プラグ
20 ピストン
20a インレット側スキッシュ形成部(インレット側スキッシュエリア)
20b エキゾースト側スキッシュ形成部(エキゾースト側スキッシュエリア)

Claims (9)

  1. 2つの吸気ポートから吸入される気流がタンブル流になり、そのタンブル流から互いに反対方向に回るように流れる双子渦が生成されるエンジンの燃焼室の構造であって、
    シリンダ軸方向から視たときに、2つの吸気バルブの間と2つの排気バルブの間とを通る中心線の近傍に配置された中心点火プラグと、
    燃焼室の周辺付近に配置された周辺点火プラグと、
    シリンダ軸方向から視たときに、前記中心線の近傍におけるインレット側スキッシュエリアの幅とエキゾースト側スキッシュエリアの幅との大小関係と、その中心線に平行であって前記周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍におけるインレット側スキッシュエリアの幅とエキゾースト側スキッシュエリアの幅との大小関係と、が反対の関係になる、
    ことを特徴とする複数点火エンジンの燃焼室構造。
  2. ポート角度が所定値よりも小さく、ポート開き角度が所定値よりも大きく、スロート長さが所定値よりも短く、下アゴ半径が所定値よりも小さいときには、シリンダ軸方向から視たときに、前記中心線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも小さく、その中心線に平行であって前記周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも大きくなるようにした、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複数点火エンジンの燃焼室構造。
  3. 前記双子渦は、前記中心線の近傍から吸気バルブへと分かれるように流れる順双子渦であり、
    シリンダ軸方向から視たときに、前記中心線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも小さく、その中心線に平行であって前記周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複数点火エンジンの燃焼室構造。
  4. 前記双子渦は、前記中心線の近傍から吸気バルブへと分かれるように流れる順双子渦であり、
    タンブル比が小さいエンジン仕様であるほど、前記中心線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも小さく、その中心線に平行であって前記周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の複数点火エンジンの燃焼室構造。
  5. 前記双子渦は、前記中心線の近傍から吸気バルブへと分かれるように流れる順双子渦であり、
    ポート角度が小さいほど、ポート開き角度が大きいほど、スロート長さが短いほど、下アゴ半径が小さいほど、前記中心線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも小さくなるようにし、その中心線に平行であって前記周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも大きくなるようにした、
    ことを特徴とする
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の複数点火エンジンの燃焼室構造。
  6. ポート角度が所定値よりも大きく、ポート開き角度が所定値よりも小さく、スロート長さが所定値よりも長く、下アゴ半径が所定値よりも大きいときには、シリンダ軸方向から視たときに、前記中心線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも大きく、その中心線に平行であって前記周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも小さくなるようにした、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複数点火エンジンの燃焼室構造。
  7. 前記双子渦は、前記中心線の近傍から排気バルブへと分かれるように流れる逆双子渦であり、
    シリンダ軸方向から視たときに、前記中心線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも大きく、その中心線に平行であって前記周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の複数点火エンジンの燃焼室構造。
  8. 前記双子渦は、前記中心線の近傍から排気バルブへと分かれるように流れる逆双子渦であり、
    タンブル比が大きいエンジン仕様であるほど、前記中心線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも大きく、その中心線に平行であって前記周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1、請求項6又は請求項7に記載の複数点火エンジンの燃焼室構造。
  9. 前記双子渦は、前記中心線の近傍から排気バルブへと分かれるように流れる逆双子渦であり、
    ポート角度が大きいほど、ポート開き角度が小さいほど、スロート長さが長いほど、下アゴ半径が大きいほど、前記中心線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも大きくなるようにし、その中心線に平行であって前記周辺点火プラグの中心を通過する直線の近傍では、インレット側スキッシュエリアの幅がエキゾースト側スキッシュエリアの幅よりも小さくなるようにした、
    ことを特徴とする請求項1、請求項6、請求項7又は請求項8に記載の複数点火エンジンの燃焼室構造。
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