JP2001159142A - フーチングと鋼管杭の接合構造 - Google Patents

フーチングと鋼管杭の接合構造

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JP2001159142A JP34435399A JP34435399A JP2001159142A JP 2001159142 A JP2001159142 A JP 2001159142A JP 34435399 A JP34435399 A JP 34435399A JP 34435399 A JP34435399 A JP 34435399A JP 2001159142 A JP2001159142 A JP 2001159142A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フーチング下部の強度を増し、地震力に対し
て有効に抵抗できると共に経済性に優れ、フーチングの
大きさをコンパクトにできるフーチングと鋼管杭の接合
構造を得る。 【解決手段】 柱脚1の下部に設けられるフーチング3
と、フーチング3の下部に設置されて構造物を支持する
鋼管杭5とを、両者の間に設けた接続部鋼管21を介し
て接合するフーチングと鋼管杭の接合構造であって、接
続部鋼管21の上端側及び下端側をそれぞれフーチング
3の下端部及び鋼管杭5の上端内部にそれぞれ所定長さ
だけ挿入し、接続部鋼管21とフーチング3及び鋼管杭
5をコンクリート6を介して接合すると共に、接続部鋼
管21の径dと板厚tとの比d/tを40以下に設定し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柱脚又は橋脚の下
部に設けられるフーチングと、該フーチングの下部に設
置されて構造物を支持する鋼管杭を接合するフーチング
と鋼管杭の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は鋼管の内部にコンクリートを充
填した鋼管抗(本明細書において鋼管杭と言う場合に
は、コンクリートが充填された鋼管で杭体全体が形成し
たもの及び杭体の下部をコンクリートで形成し、上部を
コンクリートを充填した鋼管で形成したいわゆる場所打
ち鋼管コンクリート杭を含むものとする。)とフーチン
グの接合部構造を模式的に示した説明図である。
【0003】図において、1は柱、3は柱1の下部に形
成された鉄筋コンクリート製のフーチング、5は頭部を
フーチング3に埋め込むと共に地中に埋設された鋼管杭
である。7はずれ止め防止のために鋼管杭5の頭部周面
に溶接されたフラットバーである。
【0004】図11は図10に示したフーチング3の内
部における下端筋の配筋状態を説明する説明図である。
図11に示すように、下端筋は鋼管杭5を避けるように
して縦横に施されている。
【0005】また、フーチングを介しての接続ではない
が、鋼管杭と柱の接合部構造の例として図12に示す特
開平6−280271号公報に開示された場所打ち鋼管
コンクリート杭−柱構造がある。この例では、場所打ち
鋼管コンクリート杭11と、この場所打ち鋼管コンクリ
ート杭11の地上部分に所定の定着長だけ挿入されコン
クリート12を介して場所打ち鋼管コンクリート杭11
に接合された小径の連結柱13と、この連結柱13の上
端部に所定の定着長だけ外挿されコンクリート12を介
して連結柱13に接合された大径の拡大柱15とを有す
る構造である。
【0006】図13は上記公報に示された発明の発明者
らが、上記発明をするに際して行った実験の結果を示す
グラフである。実験とは、太さが一様な部材を上半部が
地上に突出するように地中に打ち込み、その頭部が梁な
どの剛体に連結した構造物に地震力などの外力が作用し
た場合を想定して、部材に生じる曲げモーメントの分布
状態を調べたものである。グラフにおいては、縦軸に杭
の位置をとり、横軸に杭に発生するモーメントをとっ
て、杭の各部にはたらくモーメント分布を示している。
【0007】この図から、同公報の発明者らは、地上部
分では部材の頭部に最大モーメントが発生し、下方に行
くに従って漸減して地表面の少し上の箇所でモーメント
がゼロになり、一方、地中部分では地表面から一定深さ
の箇所で地中部最大モーメントが発生し、下方に行くに
従って漸減して下端部でモーメントがゼロになることを
見出した、としている。そして、かかる知見に基づい
て、曲げモーメントの大きさに沿うように各部材の径等
を設定したのが、図12に示す構造であるとしている。
すなわち、図13のモーメント分布からすれば、地表面
の少し上の箇所でモーメントがゼロになるので、この位
置に径の細い連結柱13を配置することにより、鋼管コ
ンクリート杭11と拡大柱15とを合理的に接合できる
としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図10に示した従来例
には、フーチングの強度、杭頭接合部の回転性能と
経済性、フーチングの大きさ、に関し以下のような問
題点がある。
【0009】フーチングの強度 図10に示した従来例においては、フーチング3内へ杭
頭を杭径以上埋め込ませる必要がある。したがって、フ
ーチングの下部における下端筋の配筋は図11に示すよ
うに、埋め込まれた抗頭を避けて行う必要があり、太い
鋼管径の部分に配筋できなくなり、フーチングの強度上
のネックとなっている。
【0010】杭頭接合部の回転性能と経済性 杭頭部が梁などの剛体に連結した構造物に地震力などの
外力が作用した場合に、杭体に生じる曲げモーメントの
分布状態は図13に示す通りである。図13から分かる
ように、図10のようにフーチングを介して複数の杭体
と柱頭を接続する構造では、杭頭が剛体に連結されてい
るのと同様の構造になり、杭頭部に最大のモーメントが
発生し、地中のある位置で次に大きいモーメントが発生
する。
【0011】図13に示した曲げモーメント分布は、杭
頭部に発生する曲げモーメントによって杭頭部に生じる
曲げ応力が弾性域内にある場合である。しかしながら、
大地震のような大きな外力が作用した場合には、杭頭部
に発生する曲げモーメントが大きくなり、杭頭部に生じ
る曲げ応力が弾性域を超える場合がある。弾性域を超え
ると、杭頭部は曲げモーメントに抵抗しながら以後は塑
性変形をすることになる。そして、この場合には杭頭部
の曲げモーメントはほぼ最大値を保持すると共に、杭体
の地中部の曲げモーメントが増加することになる。この
ように、杭頭部での曲げ応力が弾性限度を超えたとして
も杭頭が破壊(引っ張り側では亀裂、圧縮側では座屈)
するまで、杭体の地中部が外力に対して抵抗することに
なる。したがって、杭頭部での曲げ応力が最大値になっ
た後、杭頭部が破壊することなく曲げモーメントに抵抗
したまま変形することにより、杭体の地中部を有効に活
用して地震力に抵抗できるのである。この最大の曲げモ
ーメントを保持したまま変形できる鋼管杭の能力(以下
「回転性能」という。)が高いほど杭体全体を活用して
地震力に抵抗できることになる。そして、この回転性能
は、鋼管杭の鋼の管径Dと鋼管の厚みTの比、D/Tに
よって決定され、D/Tが小さいほど回転性能が高いこ
とが知られている。しかしながら、一般の鋼管杭におい
てはD/T=60〜100程度であり、この程度であれ
ば杭頭部が弾性域を超えた後すぐに破壊してしまい、杭
体の地中部を有効に活用することができない。このた
め、杭頭部の耐力だけで地震カヘの抵抗力が決定され、
杭体の地中部を利用して地震に対して抵抗することを期
待できない。
【0012】そこで、D/Tを小さくして杭頭部の回転
性能を高めたるめに鋼管の板厚を厚くすることが考えら
れるが、図10に示すような全長に亘って同一径の杭体
を用いる構造では、杭体全体の鋼管の板厚を厚くしなけ
ればならず、非常に不経済になってしまう。
【0013】また、D/Tを小さくするという点だけに
着目するならば、従来例である図12に示したような小
径の連結柱13を用いて、鋼管杭とフーチングを接続す
ることが考えられる。しかしながら、図12に示したも
のは、鋼管杭11と柱15を連結柱13で直接接続する
ものであり、連結柱13の部分に発生する曲げモーメン
トが最小となるような構造を前提としている。一方、本
願の対象としている鋼管杭とフーチングを接続する構造
では、接続部である杭頭部の曲げモーメントが最大とな
るため、曲げモーメントが最小となることを前提とした
構造をそのまま適用することは到底できない。このよう
に、杭頭接合部の回転性能と経済性という点に着目した
従来技術は存在せず、このため非常に不経済な構造とな
っていたのである。
【0014】フーチングの大きさ 図10に示す構造において、フーチング3下部に配置さ
れた鋼管杭5のうちフーチング3の周縁部近くに配置さ
れる鋼管杭5ではフーチング3の周端との間に水平カを
伝達するためのかぶり厚さが必要となる。また、鉛直荷
重を伝達するため杭頭上部にも支圧力に耐えるコンクリ
ートのかぶり厚さが必要である。そして、これらかぶり
厚さはフーチング3に挿入される鋼管杭5の径以上を確
保する必要がある。このため、全長に亘って同一径に形
成された太い鋼管杭5をフーチング3に挿入する構造で
は、かぶり厚さが大きくなり、その結果フーチングの体
積、重さが大きくなり、フーチング自体のコストが高く
なるばかりでなく、フーチングにかかる地震時荷重が増
大し、鋼管杭5にも大きな強度が要求されることにな
る。
【0015】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、フーチングの強度を増し、地震力
に対して有効に抵抗できると共に経済性に優れ、フー
チングの大きさをコンパクトにできるフーチングと鋼管
杭の接合構造を得ることを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るフーチング
と鋼管杭の接合構造は、柱脚又は橋脚の下部に設けられ
るフーチングと、該フーチングの下部に設置されて構造
物を支持する鋼管杭とを、両者の間に設けた接続部鋼管
を介して接合するものであって、前記接続部鋼管の上端
側及び下端側をそれぞれ前記フーチングの下端部及び前
記鋼管杭の上端内部にそれぞれ所定長さだけ挿入し、該
接続部鋼管と前記フーチング及び前記鋼管杭をコンクリ
ートを介して接続すると共に、該接続部鋼管の径dと板
厚tとの比d/tを40以下に設定したものである。
【0017】また、フーチングの下部に複数の鋼管杭を
設置する場合において、前記接続部鋼管のうち、前記フ
ーチングの外縁側に設置する接続部鋼管を前記鋼管杭に
対して前記フーチングの内方に偏心させて設置したもの
である。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態 図1は本発明の実施の形態1の説明図、図2は図1の一
部の拡大図である。図において、従来例を示した図10
と同一部分には同一の符号を付している。本発明におい
ては、鋼管杭5とフーチング3とを、両者の間に設けた
鋼管杭5よりも小径で外周面にリブ21aを有する接続
部鋼管21を介して接合する構造であって、接続部鋼管
21の上端側及び下端側をそれぞれフーチング3の下端
部及び鋼管杭5の上端内部にそれぞれ所定長さだけ挿入
し、該接続部鋼管21とフーチング3及び鋼管杭5をコ
ンクリート6を介して接合するようにしたものである。
そして、杭頭接合部の回転性能を高めて耐震性、経済性
を向上させるために、接続部鋼管21の径dおよび厚み
tを次のように設定している。
【0019】杭頭接合部では発生する曲げモーメントに
抵抗するのみならず、回転性能を保持できるようにする
ことが必要である。これは、課題の項で説明したよう
に、杭頭部の回転性能が高いほど杭全体を活用して地震
力に抵抗できることになるからである。そして、この回
転性能は、杭の径と鋼管の厚みによって決定され、D/
Tが小さいほど回転性能が高いことは前述の通りであ
る。そこで、接合部の回転性能を高めて耐震性、経済性
を向上させるために、杭頭部に相当する接続部鋼管21
の径dと厚みtとの比d/tをどのように設定するかに
ついて以下に説明する。
【0020】図3は杭頭部の径と、杭頭部の必要回転角
との関係を示すグラフであり、横軸に杭頭の径、縦軸に
必要回転角を取ってある。必要回転角とは、杭が地中で
降伏するために必要な杭頭部の回転角をいう。図3のグ
ラフにおいては、地盤の強度別に行った3種類の実験結
果を示してある。このグラフから、柔らかい地盤の方が
必要回転角が大きくなり、また杭径が小さいほど必要回
転角が大きくなることが分かる。そして、最も地盤が柔
らかく、かつ杭径が小径の場合の必要回転角は0.03rad
程度であることも分かる。このことから、杭頭部の回転
角として0.03rad程度保証すれば、実験に用いた条件に
おいては、必要回転角を保証できることが分かる。
【0021】必要回転角を保証するには、杭頭部の回転
角を0.03rad程度にすればよいとして、接続部鋼管21
のd/tを如何なる値にすれば、杭頭部の回転角として
0.03rad程度を保証できるのかが次に問題になる。そこ
で、以下、接続部鋼管21のd/tと杭頭部の回転角と
の関係を説明する。この関係を求めるため、発明者ら
は、d/tをパラメータとした杭頭接合部の実験より、
接合部鋼管21のd/tと杭頭の回転角との関係を求め
た。実験結果を図4のグラフに示す。図4において、横
軸はd/t、縦軸は保有回転性能を示している。ここ
に、保有回転性能とは、接合部での耐荷力が最大になる
ときの接合部の回転角と定義した。なお、近似曲線を合
わせて示している。
【0022】図4のグラフから、d/tが小さくなるほ
ど保有回転性能は大きくなるという関係があることが分
かる。そして、0.03rad程度の保有回転性能を保証する
ためには、d/t≦40という条件を満たせばよいこと
が分かる。したがって、d/t≦40となるように接続
部鋼管21の径と厚みを設定すれば、接続部において塑
性変形が生じ始めたあと、鋼管杭の地中部での降伏が起
こり、杭体全体で地震力に抵抗することができる。
【0023】これに対して、図10に示した全長に亘っ
て同一径の鋼管杭で同様の回転性能を保証するために
は、鋼管杭の板厚を1.5倍(D/T=60に相当)〜
2.5倍(D/T=100に相当)以上にする必要があ
り、これは現状より鋼材量で1.5倍〜2.5倍以上と
なり、コスト高になってしまう。この点、本実施の形態
によれば、接続部以外の鋼管の板厚を変えることなく、
すなわちコスト高になることなく杭全体で地震力に抵抗
することができる構造が実現できるのである。
【0024】以上のように、回転性能の観点からd/t
≦40という条件を見出した。しかし、接続部鋼管21
に要求される性能としては回転性能だけでは足りず、柱
や橋脚から作用する軸力を杭へ伝達できることが前提と
なる。そこで、d/t≦40という条件を満たし、かつ
軸力伝達が可能な接続部鋼管が実現可能であるかどうか
につき以下検討する。
【0025】鋼管杭の杭径D、接続部鋼管21の径d、
接続部鋼管21の板厚t、コンクリート強度Fc、接続
部鋼管21の鋼材の耐力Fsとして、径dに要求される
値を求める。柱等から作用する軸力の最大値は、場所打
ちコンクリート杭の場合、コンクリート部の圧縮耐力で
決定され、 π/4×α×D2×Fc…… となる。但し、αは地盤の支持力、柱等から作用する荷
重によって決定される係数であり、1〜1/4の範囲の
値となる。なお、鋼管杭の場合もほぼ同様の値となる。
一方、接続部鋼管21の圧縮耐力は、 π×d×t×Fs+π/4×d2×Fc…… となる。そして、軸力の伝達を可能にするには、≧
の関係を満たす必要がある。よって、 π×d×t×Fs+π/4×d2×Fc≧π/4×α×D2×Fc…… となる。いま、Fs/Fc=10とすると(接続部鋼管
として一般的なものを使用した場合)、式は、 d2+40d×t−α×D2≧0…… と変形でき、式を解くと、 d≧((20t)2+α×D21/2−20t…… となる。
【0026】また、Fs/Fc=20とすると(接続部
鋼管として高強度なものを使用した場合)、式は、 d2+80d×t−α×D2≧0…… と変形でき、式を解くと、 d≧((40t)2+α×D21/2−40t…… となる。
【0027】上述したように回転性能の保証の観点から
はd/t≦40を満たす必要がある。そして、一般に使
用できる鋼管のd/tの最小値はd/t=10程度であ
る。これらを考慮して、d/t=10の場合と、d/t
=40の場合において軸力伝達が可能となる径dの条件
を求める。 イ)接続部鋼管として一般的なものを使用した場合には
式より、 a)d/t=10の場合 5d2≧α×D2 d≧(√α×D)/√5…… b)d/t=40の場合 2d2≧α×D2 d≧(√α×D)/√2……’ となる。 ロ)接続部鋼管として高強度なものを使用した場合には
式より、 a)d/t=10の場合 9d2≧α×D2 d≧(√α×D)/3 …… b)d/t=40の場合 3d2≧α×D2 d≧(√α×D)/√3 ……’ となる。
【0028】このように、接続鋼管21の仕様としてd
/t≦40という条件を課したとしても、軸力の伝達が
でき、かつ鋼管杭に挿入可能な接続鋼管は実現可能であ
ることが確認できた。そして、回転性能という観点から
のd/t≦40という条件以外の、例えば軸力伝達とい
う観点からの条件については一般的な設計手法によって
決定すればよい。
【0029】次に、上記のように構成された本実施の形
態の他の効果について説明する。図5は本実施の形態に
おけるフーチング3の下端筋の配筋状態を示した説明図
である。図5に示すように、本実施の形態によれば、フ
ーチング3に埋設される接続部鋼管21の径が小径にな
っているので、従来例を示した図10の場合に比較し
て、接続部における鉄筋間の隙間を狭くできる。したが
って、フーチング3の耐力を高めることができる。ま
た、接続部鋼管21は鋼管杭5よりも小径であることか
ら、フーチング3の下端の配筋の都合により接続部鋼管
21を鋼管杭5に対して偏心させることも可能であり、
フーチング3の下端の配筋の作業性がよい。
【0030】さらにまた、接続部鋼管21は鋼管杭5よ
りも小径であり、フーチング3への挿入深さが従来例よ
りも短くてよく、接続部鋼管21上部のかぶり厚さを小
さくできる。また、フーチング3の周端側に配置される
接続部鋼管21とフーチング3の周端との間のかぶり厚
さも小さくてよい。したがって、フーチング3の厚みと
幅を小さくすることができる。よって、フーチング3の
体積、重さを小さくでき、フーチング3自体のコストを
低減できるばかりでなく、フーチング3にかかる地震時
荷重を小さくでき、鋼管杭5へ作用する力を小さくでき
る。
【0031】なお、図6に示すように、フーチング3の
周端側に配置される接続部鋼管21を、鋼管杭5に対し
てフーチング3の内方に偏心して配置すれば、接続部鋼
管21とフーチング3の周端との間のかぶり厚さを一定
に保ったまま、フーチング3の大きさをさらに小さくす
ることができる。
【0032】なお、接続部鋼管21を偏心させて設置し
た場合には、偏心させない場合と違って鋼管杭5の耐力
についての考慮が必要であるとの知見から、発明者は、
図7(a)(b)に示すように、大きな軸力又は水平力
が作用したときの鋼管杭5の耐力に関する実験を行っ
た。軸力に関しては、図7(a)に示すように、接続部
鋼管21を偏心させて軸力をかけた。この場合には、鋼
管杭5の偏心側の部位(ア)(接続部鋼管21の埋め込
み深さの下部側の約半分の部位)の周方向のひずみが大
きくなり、この部位の降伏により圧縮耐力が決定され
た。そこで、接続部鋼管21を偏心させた場合で、圧縮
軸力が大きくなることが考えられる場合には、鋼管杭5
の部位(ア)の内側に、図8(a)に示すように鉄筋2
3を配置して周方向の耐力を向上させるようにすればよ
い。
【0033】また、水平力に関しては、図7(b)に示
すように、接続部鋼管21を偏心させて水平力をかけ
た。この場合には、鋼管杭5の偏心側の部位(イ)(接
続部鋼管21の埋め込み深さの上部側の約半分の部位)
の周方向のひずみが大きくなり、この部位の降伏により
水平耐力が決定された。そこで、接続部鋼管21を偏心
させた場合で、水平力が大きくなることが考えられる場
合には、鋼管杭5の部位(イ)の内側に、図8(b)に
示すように鉄筋25を配置して周方向の耐力を向上させ
るようにすればよい。
【0034】次に、上記のように構成されたフーチング
と鋼管杭の接合構造の構築作業について、図6に示した
偏心タイプのものを例に挙げて説明する。図9はフーチ
ングと鋼管杭の接合構造の構築の作業工程の説明図であ
る。
【0035】鋼管杭5を所定の間隔を離して地盤に打設
する(図9(a))。鋼管杭5の上部に接続部鋼管21
を、下部側の所定長さ(接続部鋼管21の管径とほぼ同
一長さ)を鋼管杭5に挿入するようにして配置する(図
9(b))。接続部鋼管21の上端側の所定長さ(接続
部鋼管21の管径とほぼ同一長さ)を包含するようにし
てフーチングの鉄筋9の配筋を行う(図9(c))。
【0036】フーチングの配筋が終了後、図示しない型
枠を設置して、フーチング部、鋼管杭5、接続部鋼管2
1にコンクリート6の打設を行う(図9(d)
(e))。コンクリートが乾くと型枠を取り外して作業
を完了する。
【0037】上記の実施の形態においては、フーチング
の下部に複数の鋼管杭を接合する場合について説明した
が、本発明はこれに限るものではなく、例えばフーチン
グの下部に1本の鋼管杭を接合する場合であっても、フ
ーチングが基礎梁等に接合されてフーチングが固定にな
るような場合も含むものである。
【0038】なお、上記実施の形態の接合部鋼管21の
外面に形成するリブまたは突起は、圧延で形成してもよ
いし、あるいは転造で形成してもよい。また、あるいは
機械加工で形成してもよいし、突起を溶接してもよい。
さらに、またリプ付の鋼板や突起付き鋼板より造管して
作成してもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、以下のような効果を奏する。
【0040】接続部鋼管の上端側及び下端側をそれぞれ
フーチングの下端部及び鋼管杭の上端内部にそれぞれ所
定長さだけ挿入し、該接続部鋼管と前記フーチング及び
前記鋼管杭をコンクリートを介して接合すると共に、該
接続部鋼管の径dと板厚tとの比d/tを40以下に設
定したことにより、杭頭部の回転性能を高くでき杭全体
を活用して地震力に抵抗でき、地震力に対して有効に抵
抗できると共に経済性に優れた構造となる。また、フー
チングに挿入する接続部鋼管の径が小さくなる結果、か
ぶり厚さを小さくできフーチングの大きさをコンパクト
にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の説明図である。
【図2】 図1の一部を拡大して示す拡大図である。
【図3】 杭頭部の径と、杭頭部の必要回転角との関係
を示すグラフである。
【図4】 接合部鋼管のd/tと杭頭の保有回転性能と
の関係を示すグラフである。
【図5】 本発明の一実施の形態のフーチングの配筋状
態の説明図である。
【図6】 本発明の一実施の形態における他の態様の説
明図である。
【図7】 本発明の一実施の形態における鋼管杭の耐力
に関する実験の説明図である。
【図8】 本発明の一実施の形態における他の態様の説
明図である。
【図9】 本発明の一実施の形態の構築作業工程の説明
図である。
【図10】 従来の鋼管杭とフーチングの接合構造の説
明図である。
【図11】 従来の鋼管杭とフーチングの接合構造にお
けるフーチングの下端筋の配筋状態の説明図である。
【図12】 従来の場所打ち鋼管コンクリート杭−柱構
造の説明図である。
【図13】 杭の各部にはたらくモーメント分布のグラ
フである。
【符号の説明】
1 柱 3 フーチング 5 鋼管杭 6 コンクリート 21 接続部鋼管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱脚又は橋脚の下部に設けられるフーチ
    ングと、該フーチングの下部に設置されて構造物を支持
    する鋼管杭とを、両者の間に設けた接続部鋼管を介して
    接合するフーチングと鋼管杭の接合構造であって、 前記接続部鋼管の上端側及び下端側をそれぞれ前記フー
    チングの下端部及び前記鋼管杭の上端内部にそれぞれ所
    定長さだけ挿入し、該接続部鋼管と前記フーチング及び
    前記鋼管杭をコンクリートを介して接合すると共に、該
    接続部鋼管の径dと板厚tとの比d/tを40以下に設
    定したことを特徴とするフーチングと鋼管杭の接合構
    造。
  2. 【請求項2】 フーチングの下部に複数の鋼管杭を設置
    する場合において、前記接続部鋼管のうち、前記フーチ
    ングの外縁側に設置する接続部鋼管を前記鋼管杭に対し
    て前記フーチングの内方に偏心させて設置したことを特
    徴とする請求項1記載のフーチングと鋼管杭の接合構
    造。
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