JP2001159074A - 布帛の片面改質方法及び片面が改質された布帛 - Google Patents

布帛の片面改質方法及び片面が改質された布帛

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JP2001159074A
JP2001159074A JP2000113497A JP2000113497A JP2001159074A JP 2001159074 A JP2001159074 A JP 2001159074A JP 2000113497 A JP2000113497 A JP 2000113497A JP 2000113497 A JP2000113497 A JP 2000113497A JP 2001159074 A JP2001159074 A JP 2001159074A
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紀 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表裏異機能を有する織編物又は不織布を得る
ための片面改質方法を提供する。 【解決手段】大気圧プラズマ発生電極間において発生さ
せたプラズマを、電極外に配置した織編物又は不織布の
片面に照射して活性種を生成させ、次いで該活性種に重
合性単量体をグラフト重合させる織編物又は不織布の片
面改質方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織編物又は不織布
の片面改質方法及び片面が改質された織編物又は不織布
に関する。
【0002】
【従来の技術】体温調節のため及び生理的な発汗機能に
より、平常時においても人間の皮膚からは絶えず水分が
蒸発しているが、激しいスポーツを行うと、体温の急上
昇を防ぐために発汗量が増大する。
【0003】このため激しいスポーツ時には衣服内空間
の湿度も上昇し、温度33℃、湿度65%以上になると
汗線から体表に達した汗はガス化できなくなり、液相の
発汗が始まると云われている。
【0004】本来、発汗量の増大は、気化熱によって上
昇する体温を低下させる働きを持っているが、汗が皮膚
表面に残留したり、皮膚に接する衣服面に保持されてい
ると気化熱による体温調節が効果的に作用しなくなり、
益々衣服内温度と発汗量の上昇をきたすこととなる。
【0005】逆に、運動が終わって体温が下がり始める
時に、体表面の汗や皮膚に接する衣服面に汗が存在する
と、これらが気化され、冷え感を感じる原因となる。
【0006】このような運動時又は運動後の<蒸れ感>
<べとつき感><冷え感>といった不快感を解消するた
めには、体表面の汗を速やかに吸収し、皮膚に接する部
分から迅速に外部環境に放出できるという物性を有する
衣服が必要である。
【0007】かかる観点から従来の繊維素材を評価する
と、木綿、ウール等の天然繊維100%の繊維素材は、吸水
性に優れているため汗を良く吸い取るが、保水性にも優
れているため一旦吸い取った汗は容易に蒸発せず、繊維
内部にかなりの水分が残り、乾燥に時間を要する。一
方、合成繊維100%の繊維素材は、水と接触したときの吸
水速度が低く、透水能力に劣るため、汗の吸収、移動が
行われず汗濡れによる不快感を招く原因となる。
【0008】天然繊維と合成繊維との混紡品において
も、吸い取られた汗は天然繊維に吸収され、含水保護さ
れた状態となるため、汗(水分)を容易に蒸発しないと
いう欠点がある。
【0009】これら欠点を解消するために、片面が疎水
性であって他の一面が親水性である布帛が提案されてい
る。
【0010】ここで、図1に疎水性の織編物、両面が親
水性の織編物及び片面が疎水性であって他の一面が親水
性の織編物の吸水・透水性についてのモデル図を示す。
【0011】合成繊維100%の繊維素材のような疎水性の
織編物は、図1のモデル図(A)に示すように水分浸透層
は外側まで達っしない。天然繊維100%の繊維素材のよう
な両面が親水性の織編物は、モデル図(B)のように、外
側まで水分浸透層が達するが、内側と外側の水分浸透層
の広がりは均一である。親水性面と疎水性面を併有した
織編物は、(C)に示すように疎水性面の水分浸透層と比
べ親水性面の水分浸透層は拡大する。
【0012】即ち、スポーツ衣料、肌着用などのの織編
物において真に必要とされる汗に対する挙動は、汗を織
編物内部に含水することではなく、むしろ織編物内部に
含水せずに肌側に接している疎水性面から外気と常に接
している親水性面へ移動させ、その表層に汗を拡散・放
散させることである。即ち、片面が疎水性であって他の
一面が親水性である織編物はかかる挙動を達成できるも
のである。
【0013】従って、片面が疎水性面であって他の一面
が親水性面である織編物を得るための種々の方法が提案
されており、例えば、織編物の片面に親水性薬剤又は撥
水性薬剤を塗布する後加工法では、蒸れ感、べとつき感
等を生じない織編物を容易に作製できことが知られてい
る。しかし、かかる加工法により得られる織編物は、単
に薬剤を塗布しているため耐洗濯性が乏しく、また塗布
された薬剤により織編物が目づまりを起こすので通気性
に劣る。
【0014】低温プラズマ法を利用して、合成繊維織編
物の片面を減圧下で低温プラズマ処理して親水性を付与
して表裏異機能を有する織編物を得ようとする方法も提
案されている。該加工法では、平行平板型電極を用いた
内部電極型プラズマ装置内の電極表面上に合成繊維織編
物を固定して織編物の片面を処理しているが、織編物に
は通気性があるため、プラズマ照射すると織編物全体
(表裏両面)がプラズマ処理されてしまう。従って、か
かる方法によっても充分な表裏異機能は得られていな
い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる欠点
のない織編物又は不織布の処理方法及びかかる欠点のな
い織編物又は不織布を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、大気圧プラズマ発生電極間で発生させたプラ
ズマを、織編物又は不織布の片面に照射することにより
上記課題を達成することができることを見出した。本発
明は、これら知見に基づき完成された。
【0017】即ち、本発明は、下記の各項に係る発明を
提供するものである。
【0018】項1 大気圧プラズマ発生電極間において
発生させたプラズマを、電極外に配置した織編物又は不
織布の片面に照射して活性種を生成させ、次いで該活性
種に重合性単量体をグラフト重合させる織編物又は不織
布の片面改質方法。
【0019】項2 活性種に重合性単量体をグラフト重
合させる際に、重合性単量体を織編物又は不織布の片面
に吹き付けることを特徴とする項1に記載の方法。
【0020】項3 片面に親水性単量体をグラフト重合
させてなる疎水性の織編物又は不織布であって、JISL 1
096A法による吸水速度が、片面が3秒以下であり、他の
一面が100秒以上であることを特徴とする織編物又は
不織布。
【0021】項4 片面に親水性単量体をグラフト重合
させてなる疎水性の織編物又は不織布であって、片面の
親水性基の数が他の一面の親水性基の数の3倍以上であ
ることを特徴とする織編物又は不織布。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】本発明方法 本発明の方法は、第一段階として、大気圧プラズマ発生
電極間で発生したプラズマを、織編物又は不織布の片面
に照射して織編物又は不織布の表面を活性化させ;第二
段階において、プラズマを照射することにより活性化さ
れた織編物又は不織布の表面の重合可能な活性種を利用
して、織編物又は不織布の表面に重合性単量体をグラフ
ト重合させる。
【0024】[第一段階]第一段階では、織編物又は不
織布のプラズマ処理を行う。 (1) 素材の種類 本発明で用いる織編物又は不織布(以下、「織編物又は
不織布」を「布帛」という場合がある)は、親水性又は
疎水性のいずれのものであってもよいが、疎水性の繊維
が好ましい。
【0025】疎水性の繊維としては、ポリエステル系、
ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリアクリル系の合
成繊維等の各種の繊維が例示できる。
【0026】親水性の繊維としては、木綿、麻、絹、ウ
ール等が例示できる。
【0027】織編物又は不織布としては、疎水性繊維と
親水性繊維との混紡である織編物又は不織布を用いるこ
ともできる。かかる織編物又は不織布としては、ポリエ
ステル繊維と木綿との混紡が例示できる。
【0028】織編物又は不織布の目付は、特に限定され
るものではないが、通常、30〜500g/m2程度であ
る。
【0029】本発明で用いる織編物又は不織布の厚みは
特に限定されるものではなく、比較的薄い織編物又は不
織布であってもよい。織編物又は不織布の厚みは、通
常、50〜1,000μm程度である。本発明の方法に
よれば、比較的薄い織編物又は不織布(100μm以下
程度)であっても、表裏異機能を得ることができる。
【0030】繊維の太さも、特に限定はされないが、通
常、15〜400デニール程度である。 (2) プラズマ処理 本発明方法におけるプラズマ処理は、大気圧プラズマ発
生電極間にて発生したプラズマを、該プラズマ発生電極
の外に配置した織編物又は不織布の片面に照射すること
により行うことができる。
【0031】大気圧プラズマ発生装置を用いる本発明方
法では、プラズマの発生が織編物又は不織布の非存在下
にて行なわれ、該プラズマ(プラズマにより生成される
活性種)を織編物又は不織布の片面に照射しており、織
編物又は不織布の存在下にプラズマを発生させてプラズ
マ処理を行う従来の方法とは異なる。
【0032】大気圧プラズマ電極間におけるプラズマの
発生は、大気圧下での放電によりプラズマを発生できる
ように構成された放電発生用電極と対電極(接地電位)
とを備えた、大気圧プラズマ発生装置を用いて行うこと
ができる。
【0033】大気圧プラズマ発生装置は、例えば、放電
発生用電極と対電極が、ガスを導入するための放電空間
を隔てて存在し、放電発生用電極に高周波電圧を印加す
るための高周波電源を備えており、放電発生用電極に高
周波電圧を印加して放電空間にプラズマを発生させ、該
プラズマを被処理物(織編物又は不織布)の表面に照射
できるような出口を有する構成とすることができる。
【0034】大気圧プラズマ発生装置を用いると、装置
内を真空排気する必要がないので、そのための工程乃至
設備を必要とせず、また連続処理を容易に行うことがで
きるので好ましい。プラズマ処理を連続的に行うことが
できれば、プラズマ発生装置が小型であっても被処理物
(織編物又は不織布)の大きさ(長さ)等にかかわら
ず、被処理物の処理を容易に、かつ効率的に行うことが
可能であるので好ましい。
【0035】従って、本発明方法におけるプラズマ処理
は、連続的に行ってもよい。かかる連続的なプラズマ処
理法は、例えば、図2に模式的に示すようにして行うこ
とができる。或いは、例えば特許第2893259号公
報に記載されたような方法により行ってもよい。
【0036】また、大気圧プラズマ発生装置としては、
吹き出し型大気圧プラズマ発生装置を用いることができ
る。吹き出し型大気圧プラズマ発生装置は、例えば、上
記したような構成の大気圧プラズマ発生装置において、
対電極が放電発生用電極の周囲を取り囲み、ノズル状の
出口を有する円筒形状に形成されている。かかる吹き出
し型大気圧プラズマ発生装置としては、特開平10-19969
7号公報に記載されているような吹き出し型大気圧プラ
ズマ発生装置を好ましく用いることができる。その模式
図を図3に示す。
【0037】大気圧プラズマ発生装置を用いたプラズマ
処理の条件は、特に限定されず、織編物又は不織布の種
類(素材、厚さ、密度など)に応じて適宜設定すること
ができる。
【0038】プラズマの発生に使用するガス(プラズマ
発生電極間の放電空間に供給するガス)には、ヘリウム
ガス、又はヘリウムガスと酸素ガス,アルゴンガス,窒
素ガス,水素ガス,二酸化炭素等との混合ガスが挙げら
れる。ヘリウムガス又はヘリウムガスと他のガスの混合
ガスを用いると、安定なグロー放電プラズマが発生し易
くなるので好ましい。ヘリウムガスと他のガスの混合ガ
スを使用する場合は、ヘリウムガスを、例えば、50vo
l%以上程度とすることが好ましい。
【0039】入力電力としては、放電持続性及びプラズ
マ均一性の点から、例えば、100W〜2kW(周波数
100kHz〜500MHz程度)程度を使用するのが
好ましい。
【0040】放電に際してのガス圧力は大気圧程度であ
る。
【0041】ガスの流量は、特に限定されず適宜設定す
ることができるが、通常10L/min以下程度である。ガ
ス流量の下限は、特に限定されないが、0.1L/min程
度である。
【0042】プラズマ発生装置内で発生したプラズマを
織編物又は不織布へ照射する方法は特に限定されない
が、例えば、ノズル状に構成された出口(吹き出し口)
から、1mm〜10cm程度、好ましくは3〜10mm
程度離れた場所に置かれた織編物又は不織布に照射させ
ることができる。
【0043】連続処理を行う場合の織編物又は不織布の
送り速度は、織編物又は不織布の種類、ガスの流量、高
周波電力等に応じて適宜設定することができるが、通常
5,000mm/min以下程度であり、好ましくは1,00
0mm/min以下程度である。
【0044】また、プラズマは、織編物又は不織布の全
面に照射してもよいが、部分的に照射をすると、汗をよ
りスムーズに除去することができ、特に肌着等に用いる
のに適している。
【0045】かかるプラズマ処理により、織編物又は不
織布の表面に活性種が生成される。
【0046】[第二段階]第二段階では、第一段階にお
いて得られた、活性種を有する織編物又は不織布の表面
をラジカル重合可能な単量体に接触させてグラフト重合
させる。
【0047】活性種を有する織編物又は不織布の表面と
単量体との接触は、大気圧下で行ってもよいし、あらか
じめ織編物又は不織布の表面を、例えば0.1Torr以下
程度(13.3Pa以下程度)に真空脱気しておいて行っても
よい。予め真空脱気することにより、織編物又は不織布
中に含有される空気が除去され、グラフト重合反応がよ
り容易に進行するので好ましい。また、織編物又は不織
布を単量体と接触させながら真空脱気を行うこともでき
る。
【0048】本発明方法において、織編物又は不織布の
片面に対するグラフト重合反応は、慣用されている方法
により行うことができ、例えば、気相反応又は液相反応
(浸漬法若しくは含浸法)のいずれにより行ってもよ
い。グラフト重合反応を気相にて行うと、液相反応と比
較してホモ重合体の生成が抑制され、かつグラフト重合
体量のコントロールが容易であり、織編物又は不織布の
風合が低下しにくい。従って、気相反応によりグラフト
重合を行うことが望ましい。
【0049】また、グラフト重合反応は、重合性単量体
を織編物又は不織布に吹き付けて行うことができる(含
浸法)。グラフト重合反応を含浸法により行った場合、
得られる布帛の表裏異機能の耐久性が特に優れている。
【0050】グラフト重合反応の条件は、単量体の種類
などに応じて適宜設定することができ、所望のグラフト
重合量(親水性又は疎水性)が得られる限り特に限定さ
れるものではないが、気相法又は浸漬法の場合、通常、
15〜80℃程度にて、10分〜30時間程度とする。
【0051】含浸法により行う場合は、例えば、布帛を
連続的に移動させながら窒素等の不活性ガスとともに布
帛のプラズマ照射面に重合性単量体を噴霧することによ
って行うことができる。噴霧により吹き付ける際、単量
体の原液(単量体100%)を用いてもよく、水溶液を
用いてもよい。含浸法では、加熱する工程を設けてもよ
いし、加熱工程を設けなくてもよい。加熱は、噴霧しな
がら行ってもよいし、噴霧した後行ってもよく、通常、
30〜90℃程度にて、10分〜30時間程度、好まし
くは1〜25時間程度行う。加熱工程を設けない場合
は、吹き付けた後、1〜30時間程度放置すればよい。
【0052】本発明で用いられるラジカル重合可能な単
量体は、織編物又は不織布の用途に応じて適宜選択でき
るものであるが、織編物又は不織布が疎水性の場合は親
水性の単量体を用い、織編物又は不織布が親水性の場合
は疎水性の単量体を用いる。織編物又は不織布が疎水性
及び親水性繊維の混紡である場合は、親水性又は疎水性
の単量体を適宜選択して用いることができる。
【0053】ここで、ラジカル重合可能な単量体とは、
炭素−炭素二重結合を有し、連鎖重合により重合反応が
進行する単量体である。
【0054】親水性の単量体としては、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−ビニル
−2−ピロリドン、アクリル酸−2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)エチル、メタクリル酸−2−(N,N−ジメ
チルアミノ)エチル、4−ビニルピリジン、2−ビニル
ピリジン等が挙げられる。
【0055】疎水性の単量体としては、アクリル酸パー
フルオロオクチルエチル、メタクリル酸パーフルオロオ
クチルエチル等が例示できる。
【0056】織編物又は不織布とラジカル重合可能な単
量体の組合せは、使用の目的に応じて適宜選択できるも
のであるが、特に以下の織編物又は不織布と単量体を組
合せて得られた織編物又は不織布は、水分を織編物又は
不織布の一方の面から他方の面に移動する機能に優れて
いるため好ましい。
【0057】疎水性の織編物又は不織布と親水性単量体
の組合せとしては、ポリエステル系織編物又は不織布と
アクリル酸、ポリエステル系織編物又は不織布とメタク
リル酸、ポリエステル系織編物又は不織布とアクリル酸
−2−ヒドロキシエチル、ポリエステル系織編物又は不
織布とメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ポリエス
テル系織編物又は不織布とN−ビニル−2−ピロリド
ン、ポリアミド系織編物又は不織布とアクリル酸、ポリ
アミド系織編物又は不織布とメタアクリル酸、ポリアミ
ド系織編物又は不織布とアクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、ポリアミド系織編物又は不織布とメタクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、ポリアミド系平織又は不織布と
N−ビニル−2−ピロリドン、ポリプロピレン系織編物
又は不織布とアクリル酸、ポリプロピレン系平織又は不
織布とメタクリル酸、ポリプロピレン系平織又は不織布
とアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ポリプロピレン
系平織又は不織布とメタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、ポリプロピレン系平織又は不織布とN−ビニル−2
−ピロリドンの組合せが好ましい。これらの組合わせの
中でも、特にポリエステル系織編物又は不織布とアクリ
ル酸の組合せが好ましい。
【0058】親水性の織編物又は不織布と疎水性単量体
の組合せとしては、木綿系織編物又は不織布とアクリル
酸パーフルオロオクチルエチル、木綿系織編物又は不織
布とメタクリル酸パーフルオロオクチルエチルの組合せ
が好ましい。
【0059】単量体の使用量は、反応条件等によって適
宜選択できるものであり、織編物又は不織布の他の一面
側に用途に応じた親水性又は疎水性を付与できる量であ
れば特に限定されるものではなく、所望のグラフト量或
いはグラフト率に応じて適宜設定することができる。例
えば、アクリル酸であれば、グラフト量が0.012〜
0.029モル/m2程度(目付173g/m2織編物の全
重量に基づくグラフト率として、0.5〜1.2重量%
程度)となるような量を用いればよく、通常、浸漬法で
あれば、所望のグラフト量の100〜200倍程度の量
を用いればよい。
【0060】含浸法による場合、吹き付け時の単量体の
ロスが、気相法や浸漬法と比べて多くなるため、織編物
又は不織布の表面に実際に吹き付けられる量が上記範囲
程度となるよう、吹き付け量を適宜設定することができ
る。
【0061】かくして、片面のみが改質された織編物又
は不織布、即ち表裏異機能を有する織編物又は不織布が
得られる。
【0062】織編物又は不織布の非存在下にプラズマを
発生させ、該プラズマを織編物又は不織布の片面に照射
する本発明の方法によれば、他の一面に保護層を設ける
などの処理を施すことなく、片面のみに活性種を生じさ
せることが可能となり、片面のみを改質することができ
る。また、本発明の方法によれば、薄い織編物又は不織
布であっても、片面のみを改質することが可能となる。
従って、本発明方法により得られた織編物又は不織布
は、優れた表裏異機能を有している。また、本発明方法
により得られた織編物又は不織布は、表裏異機能の持続
性(具体的には、耐洗濯性)に優れており、グラフト重
合を含浸法により行った場合は、特に耐洗濯性に優れて
いる。
【0063】本発明織編物又は不織布 本発明の方法により疎水性の織編物又は不織布に親水性
基を有するモノマーをグラフト重合させた場合、優れた
表裏異機能を有する織編物又は不織布が得られる。織編
物又は不織布の種類、モノマーの種類などに応じて異な
るが、例えば、下記の(1)及び(2)の物性を有する織編物
又は不織布が得られる。 (1) JISL 1096A法による吸水性が、片面(プラズマ照
射面)が3秒以下であり、他の一面(プラズマ非照射
面)が100秒以上である。 (2) 片面の親水性基の数が他の一面の親水性基の数の3
倍以上である。
【0064】上記(2)の値は、例えば、ESCAによる
表面元素分析により以下のようにして算出することがで
きる。
【0065】即ち、カルボキシル基を有するモノマーを
グラフト化モノマーとして用いた場合は、トリフルオロ
エタノールを、60〜70℃程度にて、1〜10時間程
度反応させて織編物又は不織布表面に存在するカルボキ
シル基(親水性基)のエステル化を行い、表(プラズマ
処理面)及び裏(プラズマ非処理面)の表面上のフッ素
原子数(%)を測定する。フッ素原子数は、カルボキシ
ル基(親水性基)の数に比例するので、表面と裏面のカ
ルボキシル基の数は、フッ素原子数により相対値として
算出することができる。このようにして算出した場合、
本発明の織編物又は不織布では表面の親水基量が裏面の
親水基の量より多く、通常、3倍以上程度となる。
【0066】カルボキシル基以外の親水性基を有する単
量体をグラフト化モノマーとして用いた場合は、当該親
水性基の種類に応じた化学修飾を行い、ESCAによる
元素分析により、相対的な親水性基の量を算出すること
ができる。化学修飾は、例えば、グラフト化モノマーが
水酸基又はイミノ基を有する場合は無水トリフルオロ酢
酸を用いて行い、アミノ基を有する場合はペンタフルオ
ロベンズアルデヒドを用いて行うことができる。
【0067】疎水性の織編物又は不織布に酸性基を有す
るモノマーをグラフト重合させた場合には、カチオン染
料を用いて染色すると、片面(プラズマ処理した面)は
酸性基との造塩結合により染着し、他の一面はほとんど
染着しないので、色濃度差が生じる。本発明の方法によ
り得られた織編物又は不織布は、片面にのみ酸性基が存
在するので、従来の方法により片面改質した織編物又は
不織布と比べ、色濃度差が大きくなる。
【0068】例えば、カチオン染料[Estrol Red,商品
名,住友化学(株)製]を用いて染め、シコマック
(“SICOMUC”、登録商標、(株)住化分析センター)
20ソフト内蔵マクベス分光光度計を用いた場合、裏面
(プラズマ非照射面=染着していない面)を100%と
すると、表面(プラズマ照射面=染着面)の色濃度が2
00〜500%程度となる。
【0069】
【実施例】以下に実施例及び試験例を示して、本発明を
より詳細に説明する。
【0070】実施例1(1) プラズマ処理 織物(以下、「布帛」という場合がある。)のプラズマ
処理を、連続式大気圧プラズマ処理装置を用いて行っ
た。
【0071】プラズマ処理装置の巻き取りローラーにポ
リエステル(PET)織物[幅50cm、長さ約1m、
目付173g/m2]を装着した。ヘリウムとアルゴン
の混合ガス(ヘリウム:9 SLM[Standard Litter p
er Minute]、アルゴン 1SLM)を放電空間に導入
し、大気圧下でグロー放電プラズマを高周波(RF)電
力[750W(周波数13.56MHz)]にて発生さ
せた。プラズマを布帛の片側に向けて吹き出すようにし
て照射し、連続的にプラズマ処理を行った。連続式プラ
ズマ処理装置の照射部の拡大図を図4に示す。なお、照
射域(B×W)は12.5mm×500mm、布と対電
極(接地電極)間距離(A)は6mm、布の送りスピー
ドは2mm/minであった。プラズマ処理は、約8時連続
して行った。
【0072】(2) グラフト化処理 プラズマ処理終了後、布帛をローラーよりはずし、一旦
大気中(空気)に取り出した後、グラフト重合装置にセ
ットし、重合反応処理を行った。
【0073】プラズマ処理した布帛をグラフト重合装置
[チャンバー全体を加熱できる真空排気装置]内にセッ
トし、真空排気とN2パージを繰り返して布帛内の空気
を充分脱気して、0.1 Torr(約13.3Pa)以下の圧
力となったところで排気を停止した。次いで、ガラス容
器内のアクリル酸を70℃程度に加熱し、マスフローを
介してN2ガスバブリングしながら装置内にN2ガスとと
もにアクリル酸モノマー蒸気を導入した。所定量のアク
リル酸(100ml)を導入したところ、装置内の圧力
が30〜40Torr(約4〜5.3kPa)となった。
アクリル酸を導入後、重合装置(チャンバー)を装置内
の布帛の温度が80℃程度となるように加熱した。24
時間後、布帛を装置より取りだした。
【0074】得られた布帛のグラフト重合体量は、布帛
の全重量に対して0.5重量%であった。
【0075】比較例1 (1) プラズマ処理 比較例として、平行平板形式大気圧プラズマ処理装置
(ヒラノ光音株式会社製)を用いてプラズマ処理を行っ
た(その概念図を図5に示す)。電極板間に布帛(PE
T織物、10×10cm2)を挿入し、プラズマ処理装
置内を所定のプラズマ処理用ガス[ヘリウムガス90vo
l%、アルゴンガス10vol%]により置換し、脱気して
1 Torr(約133Pa)に減圧し、プラズマガスで大気
圧に保持した。プラズマガス雰囲気中で、大気圧下でプ
ラズマ照射[周波数20KHz、高周波電力100W、
プラズマ照射時間60秒]を行った。
【0076】(2) グラフト化処理 次いで、装置内から布帛を取り出し、グラフト重合反応
を行った。重合反応は、底に2〜3cmに切断したテフロ
ン製パイプを3〜4個入れた容量160 ml の重合管を
用いて、気相グラフト重合により行った。親水性モノマ
ーとしてアクリル酸2 ml を重合管に入れた。次に、平
行平板大気圧プラズマ処理した布帛を重合管中に挿入
し、テフロン製パイプの上に置いた。重合管内を窒素ガ
スにより置換し、脱気して0.1 Torr(約13.3Pa)
に減圧し、反応中は減圧に保持した。反応は、温度7
0℃にて8時間行った。
【0077】得られた布帛のグラフト重合体量は、布帛
の全重量に対して0.5重量%であった。
【0078】試験例1 吸水試験 JISL 1096A法により、実施例1及び比較例1で得られた
布帛の吸水性を評価した。結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】* 吸水時間が、1秒以下、及び、1秒を越
えるが3秒以下の滴下場所があったが、3秒を越える場
所はなかった。
【0081】表1に示した結果より、実施例1の布帛
は、片面は吸水性であり、他の一面はほとんど吸水性が
なく、優れた表裏異機能を有していることがわかる。こ
れに対して、比較例1の布帛は両面ともグラフト化され
て親水基を有しているため、両面が吸水性であり、表裏
異機能が得られていないことがわかる。
【0082】試験例2 XPSによる表面分析 実施例1で得られた布帛表面に存在するアクリル酸のカ
ルボキシル基をトリフルオロエタノールでエステル化し
た後、XPSにより、プラズマ照射面及びプラズマ非照
射面の表面の元素分析を行った。また、比較のために、
プラズマ処理前の布帛の表面についても、エステル化処
理したものについて元素分析を行った。
【0083】アクリル酸のカルボキシル基を−CH2
3で置換し、エステル化するために、トリフルオロエ
タノール密閉処理(65℃、8時間)を下記の条件にて
行った。
【0084】 密封バイアル瓶(20cc) トリフルオロエタノール 40mg(0.02 mol/L) DCC 4mg(0.001 mol/L) ピリジン 62mg(0.04mol/L) XPSは、Φ Quantum 2000を用いて下記の条件にて行
った。
【0085】分析領域:100μmΦ X強度:15 kV、24.3W パスエネルギー:187.85eV(wide)/23.50
(narrow) 結果を表2に示す。
【0086】
【表2】
【0087】アクリル酸基が−CH2CF3で置換されて
いるため、実施例1の布帛の表面(プラズマ処理面)に
は、裏面(プラズマ非処理面)の3.6倍のフッ素原子
が存在しており、従って、表面の親水性基は裏面の親水
性基の3.6倍と算出することができる。
【0088】実施例1の布帛の表の分析結果を図6に、
実施例1の布帛の裏の分析結果を図7に、処理前の布帛
の分析結果を図8に示す。
【0089】試験例3 色濃度 実施例1及び比較例1にて処理された布帛を、それぞれ
カチオン染料[EstrolRed,商品名,住友化学(株)
製]を用いて約95℃で染色した。
【0090】実施例1の布帛は、片面のみが染着し、他
の一面は染着しなかった。一方、比較例1の布帛は両面
が染着しており、各面の染着の程度は、目視では差が認
められなかった。
【0091】染色後、実施例1の布帛の表面と裏面の色
濃度を、シコマック(“SICOMUC”、登録商標、(株)
住化分析センター)20ソフト内蔵マクベス分光光度計
を用いて測定した。裏面(プラズマ非照射面=染着して
いない面)の色濃度を100%とした場合、表面(プラ
ズマ照射面=染着面)の色濃度は318.1%であっ
た。
【0092】実施例2 (1)プラズマ処理 ポリエステル(PET)編物[幅50cm、長さ約1
m、目付135g/m2]を、送りスピードを2.5m
m/minとする以外は実施例1の(1)プラズマ処理
と同様にしてプラズマ処理を行った。
【0093】(2)グラフト化処理 次いで、装置内から布帛を取り出し、重合反応装置に入
れ、約0.1Torr(約13.3Pa)に減圧後、含浸法に
よるグラフト重合反応を行った。イケウチ(株)製のスプ
レーガン(微霧発生ノズルBIMタイプ)を用い、1m
/minで0.5m幅の布帛を移動させ、布帛のプラズ
マ処理された面にアクリル酸を噴霧した。アクリル酸
は、噴霧量が0.5L/minとなるように、窒素ガス
と共に吹き付けた。噴霧した後、圧力約300Torr(約
40kPa)80℃にて24時間加熱した。
【0094】得られた布帛のグラフト重合体量は、布帛
の全重量に対して0.5重量%であった。
【0095】試験例4 吸水性及び耐洗濯性試験 実施例2にて処理された布帛を用いて、吸水性及び耐洗
濯性を評価した。洗濯は、JIS L-0217 洗濯 103法に従
って50回繰り返し、10回洗濯した後と50回洗濯した後
に、布帛の表面(プラズマ照射面)と裏面(プラズマ非
照射面)の吸水時間を、JIS L-1096 吸水速度 A法(滴
下法)に従って測定した。結果を下記表3に示す。
【0096】
【表3】
【0097】表3に示した結果より、実施例2の布帛
は、片面は吸水性であり、他の一面はほとんど吸水性が
なく、優れた表裏異機能を有していることがわかる。ま
た、10回洗濯後も50回洗濯後も、表面の吸水性は1秒以
下であり、50回洗濯後にも表面の吸水性が維持されてい
ることがわかる。耐洗濯性は、布帛を衣料として実用化
する際に重要な性質であり、通常、50回以上の洗濯に耐
えることが実用性の基準として評価される。
【0098】試験例5 グラフト率の評価 実施例2で得られた布帛を用いて、グラフト率を測定し
た。グラフト率は、メチレンブルー(以下、“Mb”とす
る)を用いた測定方法[Mb法,G.F.Danidson and T.P.N
evell, The Journal of the Textile Institute, Trans
actions, p.T59, March 1948 参照]により求めた。即
ち、Mb溶液に実施例2の布帛を浸漬させると、Mbイオン
が布帛表面のカルボキシル基に反応し、Mb溶液濃度が低
下する。従って、Mb溶液の濃度を吸光度を測定して求
め、Mbイオンに反応したモノマー重量を算出した。
【0099】グラフト率は、一般に下記式(1)に従って
求めることができる。
【0100】
【数1】
【0101】Mbイオンに反応したモノマー重量は、“処
理後の布帛重量−未処理布帛重量”に相当するので、上
記式(1)に当てはめて、グラフト率を算出した。
【0102】グラフト率は、グラフト処理直後、及びJI
S L-0217 洗濯 103法に従って、5,10,30及び50回洗濯後
に測定した。結果を図9に示す。
【0103】図9に示した結果より、50回洗濯後にも、
グラフト化された状態が維持されていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】布帛(織編物)の吸水拡散機構のモデル図
【図2】連続式大気圧プラズマ処理装置の概念図
【図3】吹き出し型大気圧プラズマ処理装置の概念図
【図4】実施例1で用いる連続式大気圧プラズマ処理装
置のプラズマ照射部の概念図
【図5】従来の平行平板型プラズマ処理装置の概念図
【図6】試験例2の表面分析測定結果を示す図(実施例
1−表)
【図7】試験例2の表面分析測定結果を示す図(実施例
1−裏)
【図8】試験例2の表面分析測定結果を示す図(未処理
品)
【図9】試験例5の結果を示す図。
【符号の説明】 (A) 疎水性の織編物の吸水拡散のモデル図 (B) 両面が親水性の織編物の吸収拡散のモデル図 (C) 親水性面と疎水性面を併有した織編物の吸水拡散
のモデル図 (1) 疎水性領域 (2) 親水性領域 (3) 水滴 (4) 水分浸透層 1:放電発生用電極 2:整合器 3:高周波電源(RF) 4:冷却系 5:対電極 6:ノズル状ガス出口 7:プラズマ 8及び9:無機絶縁物 10:プラズマ発生用ガス供給系 11:希釈ガス供給系 12:放電空間 13:被処理物(織編物又は不織布) 14:排気系 15:真空容器(ベルジャー) 16及び17:絶縁物 18:放電発生用電極 19:対電極 20:高周波電源 21:整合器 22:被処理物(織編物又は不織布)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (74)上記2名の代理人 100065215 弁理士 三枝 英二 (72)発明者 片岡 清一 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 佐伯 登 大阪府大阪市住之江区南加賀屋3丁目8番 13号 パール工業株式会社内 (72)発明者 深田 拓 大阪府大阪市住之江区南加賀屋3丁目8番 13号 パール工業株式会社内 (72)発明者 巽 拓士 大阪府大阪市中央区島之内1丁目11番32号 日新繊維株式会社内 (72)発明者 後藤 紀 大阪府大阪市中央区島之内1丁目11番32号 日新繊維株式会社内 Fターム(参考) 4J011 AA07 AC04 QA02 QA03 QA08 UA05 VA03 VA05 VA09 WA07 4L031 AB32 AB33 AB34 CB05 DA08 4L033 AB05 AB06 AB07 AC03 AC07 BA99 CA18 CA70

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧プラズマ発生電極間において発生
    させたプラズマを、電極外に配置した織編物又は不織布
    の片面に照射して活性種を生成させ、次いで該活性種に
    重合性単量体をグラフト重合させる織編物又は不織布の
    片面改質方法。
  2. 【請求項2】 活性種に重合性単量体をグラフト重合さ
    せる際に、重合性単量体を織編物又は不織布の片面に吹
    き付けることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 片面に親水性単量体をグラフト重合させ
    てなる疎水性の織編物又は不織布であって、JISL 1096A
    法による吸水速度が、片面が3秒以下であり、他の一面
    が100秒以上であることを特徴とする織編物又は不織
    布。
  4. 【請求項4】 片面に親水性単量体をグラフト重合させ
    てなる疎水性の織編物又は不織布であって、片面の親水
    性基の数が他の一面の親水性基の数の3倍以上であるこ
    とを特徴とする織編物又は不織布。
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