JP2001158755A - 塩素原子の含有量が50ppm以下である(メタ)アリルアルコールおよびその製造方法 - Google Patents

塩素原子の含有量が50ppm以下である(メタ)アリルアルコールおよびその製造方法

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JP2001158755A
JP2001158755A JP34157499A JP34157499A JP2001158755A JP 2001158755 A JP2001158755 A JP 2001158755A JP 34157499 A JP34157499 A JP 34157499A JP 34157499 A JP34157499 A JP 34157499A JP 2001158755 A JP2001158755 A JP 2001158755A
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allyl alcohol
allyl
chloride
ppm
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Akihiko Hiraiwa
明彦 平岩
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧下の反応に用いられても、反応装置の腐
食が発生し難い(メタ)アリルアルコールの提供。 【解決手段】 酸化電量滴定型微量塩素分析装置によっ
て測定された塩素原子の含有量が50ppm以下である
(メタ)アリルアルコール、および(メタ)アリルクロ
ライド中のクロライドを水酸基で置換する反応により得
られる(メタ)アリルアルコールを蒸留した後、さらに
活性炭と接触させることを特徴とする前記(メタ)アリ
ルアルコールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アリルク
ロライド中のクロライドを水酸基で置換する反応によっ
て製造される(メタ)アリルアルコールに関するもので
あり、さらに詳しくは、該反応で製造され、かつ酸化電
量滴定型微量塩素分析装置によって測定された塩素原子
の含有量が50ppm以下である(メタ)アリルアルコ
ールである。かかる(メタ)アリルアルコールは、10
0℃程度で高圧下の反応等に使用されても、反応装置の
腐食が発生し難い。
【0002】
【従来技術およびその問題点】(メタ)アリルアルコー
ルは、一般的に(メタ)アリルクロライドを一価銅化合
物の存在下に、クロライドと水酸基を置換させる方法に
よって製造される(例えば、特開昭61−33号公
報)。上記方法で製造された粗(メタ)アリルアルコー
ルは、単蒸留されるかまたは必要により精留されること
により不純物を除去された後、各種化学反応の原料等と
して使用されている。精留によって得られる(メタ)ア
リルアルコール中の塩素原子の含有量は通常100pp
m前後と微量であり、中低圧の圧力下で使用されても、
前記塩素原子が原因で装置の腐食が起こるということは
なかったが、最近、高分子化学、合成化学等の分野にお
いて、温度100℃前後で圧力5〜10MPaという条件
で(メタ)アリルアルコールを使用することがあり、そ
の場合には装置の腐食が懸念されるという問題があっ
た。本発明においては、(メタ)アリルアルコールを高
圧で使用する際に、含有塩素原子濃度がどれほどのレベ
ルであれば、装置腐食が起こらないかを見出すととも
に、(メタ)アリルアルコールから塩素原子を除去する
手段を提供することを課題とした。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意検討した結果、(メタ)アリルアル
コールに含まれる塩素原子の含有量を50ppm以下に
制御することにより、高圧下で該アルコールを使用して
も装置の腐食が起こり難いことを見出し、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、酸化電量滴定型微
量塩素分析装置により測定された塩素原子の含有量が5
0ppm以下である(メタ)アリルアルコールであり、
さらには、(メタ)アリルクロライド中のクロライドを
水酸基で置換する反応によって得られる(メタ)アリル
アルコールを蒸留した後、さらに活性炭と接触させるこ
とを特徴とする前記特性の(メタ)アリルアルコールの
製造方法である。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明においては、(メタ)アリ
ルクロライド中のクロライドを水酸基で置換することに
より(メタ)アリルアルコールを製造する。(メタ)ア
リルクロライドと置換反応を起こす水酸基を供する化合
物としては、アルカリ化合物が好ましく、具体的には、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
重炭酸ナトリウムおよび水酸化アンモニウム等が挙げら
れる。(メタ)アリルクロライドに対するアルカリ化合
物の好ましい使用割合は、当量から1.5当量である。
上記置換反応は、水の存在下に行うことが好ましく、好
ましい水の使用量は、(メタ)アリルクロライドに対す
る重量比で、その1.5〜5倍である。なお、アルカリ
化合物として、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウム
を使用する場合には、水の存在下に反応させる必要があ
る。この反応に際しては、触媒を用いることが好まし
く、触媒としては、酸化第一銅、塩化第一銅および臭化
第一銅等が挙げられ、その形状は特に制限されることな
く、粉末または塊状等が用いられる。触媒の好ましい使
用量は、(メタ)アリルクロライドに対する重量比で、
0.1〜10重量%である。
【0005】反応における原料の仕込み方法は特に限定
されない。すなわち、原料を初期に一括で全量仕込んで
も良いし、または触媒を含有するアルカリ化合物の水溶
液に(メタ)アリルクロライドを少しずつ滴下しても良
く、さらには触媒を含有する(メタ)アリルクロライド
にアルカリ化合物の水溶液を滴下しても良い。反応温度
としては、50〜100℃が好ましく、反応時間は2〜
24時間が適当であり、通常3〜8時間程度で十分であ
る。生成した(メタ)アリルアルコールの反応液からの
単離は以下のようにしてなされる。すなわち、反応液を
共沸蒸留して留出液を得るか、または反応液を液々分離
して得られる有機層と、同様にして得られる水層を共沸
蒸留して得られる留出液を混合することにより、少量の
水分が混じった粗(メタ)アリルアルコールを得る。次
いで、これに脱水剤を添加したりして脱水を行い、粗
(メタ)アリルアルコールを得る。得られる粗(メタ)
アリルアルコールを分析すると、(メタ)アリルアルコ
ールの純度が98重量%程度で、それ以外の成分として
高沸点塩化物が0.1〜0.5重量%、低沸点塩化物が
0.1〜0.5重量%含まれており、酸化電量滴定型微
量塩素分析装置によって測定された塩素原子の含有量は
1000〜数千ppm程度である。次いで、上記粗(メ
タ)アリルアルコールを単蒸留によって一次精製し、さ
らに必要により精留する。精留後の(メタ)アリルアル
コールにおいては、通常塩素原子が100ppm前後含
まれる。
【0006】本発明においては、上記単蒸留または精留
後の(メタ)アリルアルコールをさらに活性炭で精製す
る。活性炭の使用方法としては、単蒸留後の(メタ)ア
リルアルコールに対して活性炭を加えて放置し、その後
活性炭を除去した液を精留するという方法、または単蒸
留後の(メタ)アリルアルコールを用いて、活性炭を充
填した塔にそれを適当な速度で通過させる方法等が挙げ
られる。勿論、精留後の(メタ)アリルアルコールに対
して活性炭を適用することも可能である。活性炭による
精製によれば、酸化電量滴定型微量塩素分析装置によっ
て測定された塩素原子濃度が50ppm以下の(メタ)
アリルアルコールが得られる。より好ましい(メタ)ア
リルアルコールは塩素原子濃度が10ppm以下のもの
であり、特に好ましくは塩素原子濃度が5ppm以下の
ものである。前記微量塩素分析装置の具体例としては、
例えば三菱化学(株)製微量塩素硫黄分析装置TSX−
10型等が挙げられる。活性炭としては、一般に不純物
の吸着除去や臭い取り用に使用される市販の活性炭を使
用できる。具体的には、武田薬品工業(株)製白鷺C2X4
16、鶴見化学(株)製ツルミコール4GS 、二村化学
(株)製CP460Bおよびクラレ(株)製クラレコール3GL
等が挙げられる。使用された活性炭は、加熱した水蒸気
による処理等により賦活させて再使用することができ
る。
【0007】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。 ・実施例1 メタリルクロライド235重量部、重炭酸ナトリウム2
40重量部、水450重量部および塩化第一銅2重量部
を激しく攪拌しながら、65〜95℃で3時間反応させ
た。その後、有機層と水層とを相分離した。有機層と、
水槽から共沸蒸留によって得た成分とを混合し、次いで
脱水した。脱水後の有機物について蒸留を行い、粗メタ
リルアルコールを174重量部(収率93%)得た。上
記粗メタリルアルコールについて、三菱化学(株)製酸
化電量滴定微量分析装置TSX−10を用いて、含有塩
素原子量を測定した結果は、890ppmであった。粗
メタリルアルコール100重量部当たり、粉末活性炭1
0重量部を加え、一晩放置した後、活性炭を除き、ラシ
ヒリングを1000mmの高さに充填した精留塔を備え
た装置で精留した。そして、初留および釜液をそれぞれ
5重量%づつカットして、精メタリルアルコールを得
た。合成と精留を合わせた全体の収率は82%であっ
た。また、得られた精メタリルアルコール中の塩素原子
量は5ppmであった。
【0008】・実施例2 粒状活性炭500mlを500mmの高さに充填した塔中
を、実施例1で得られた粗メタリルアルコール1000
ml、空間速度20hr-1で通液した。得られたメタリルア
ルコール中の塩素原子量は20ppmであった。
【0009】・比較例1 実施例1で得られた粗メタリルアルコールを用いて、活
性炭による処理なしで、実施例1における精留を行っ
た。得られたメタリルアルコール中の塩素原子量は95
ppmであった。
【0010】本発明によれば、(メタ)アリルアルコー
ル中の塩素原子量を低エネルギーな方法で容易に低減さ
せることができ、それによって得られる塩素原子量の少
ない(メタ)アリルアルコールは、高圧下で加温して用
いても、反応容器の内面の腐食が発生し難い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化電量滴定型微量塩素分析装置によっ
    て測定された塩素原子の含有量が50ppm以下である
    (メタ)アリルアルコール。
  2. 【請求項2】 (メタ)アリルクロライド中のクロライ
    ドを水酸基で置換する反応により得られる(メタ)アリ
    ルアルコールを蒸留した後、さらに活性炭と接触させる
    ことを特徴とする請求項1記載の(メタ)アリルアルコ
    ールの製造方法。
JP34157499A 1999-12-01 1999-12-01 塩素原子の含有量が50ppm以下である(メタ)アリルアルコールおよびその製造方法 Pending JP2001158755A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104447206A (zh) * 2013-09-13 2015-03-25 上海诚界实业有限公司 一种2-甲基-2-丙烯-1-醇的制备方法

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CN104447206A (zh) * 2013-09-13 2015-03-25 上海诚界实业有限公司 一种2-甲基-2-丙烯-1-醇的制备方法

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