JP2001157864A - 塗膜除去方法および塗膜除去装置 - Google Patents

塗膜除去方法および塗膜除去装置

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JP2001157864A
JP2001157864A JP34527499A JP34527499A JP2001157864A JP 2001157864 A JP2001157864 A JP 2001157864A JP 34527499 A JP34527499 A JP 34527499A JP 34527499 A JP34527499 A JP 34527499A JP 2001157864 A JP2001157864 A JP 2001157864A
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porous elastic
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substrate
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JP34527499A
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English (en)
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Makoto Kurokawa
誠 黒川
Masayuki Sakamoto
雅遊亀 坂元
Satoshi Katayama
聡 片山
Yoshihide Shimoda
嘉英 下田
Yasumoto Kita
康元 喜多
Chitoshi Tatsumi
千年 巽
Kazushige Morita
和茂 森田
幹男 ▲角▼井
Mikio Kadoi
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒状基体に浸漬法によって塗膜を形成した
後、基体下端部に形成された不要な塗膜を基体の直径に
かかわらず容易かつ効率的に除去する。 【解決手段】 塗膜除去装置21は、浸漬法によって塗
膜が形成された基体25をその軸心方向を略鉛直方向に
支持して保持するチャック装置26、基体25よりも大
きい直径を有する溶剤を染み込ませたスポンジ状構造体
27、チャック装置26に対向配置され、スポンジ状構
造体27が取付けられる基台28、チャック装置26を
基台28に近接または離反させる昇降機構29および基
台28を回転させる回転機構30を備える。昇降機構2
9の駆動によって基台28に保持されたスポンジ状構造
体27とチャック装置26に保持された基体下端部25
aとが接触し、回転機構30の駆動によって両者が摺動
して、基体下端部25aに形成された塗膜が除去され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やレーザビ
ームプリンタなどの電子写真方式を採用した画像形成装
置に搭載して用いられる感光体を構成し、少なくとも表
面が導電性を有する円筒状の基体であって、その表面に
感光層用塗膜が浸漬法によって形成された基体の下端部
に残る不要な感光層塗膜を除去する塗膜除去方法および
塗膜除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を採用した複写機やレーザ
ビームプリンタなどの画像形成装置には感光体が搭載さ
れる。この感光体は、少なくとも表面が導電性を有する
円筒状の基体表面に有機性の感光層を塗布法によって設
けて構成される。基体は、たとえばアルミニウム、アル
ミニウム合金、銅、黄銅、オーステナイト系ステンレス
鋼などの非磁性金属製である。画像の形成は、このよう
な感光体の表面の帯電によって行われる。
【0003】基体表面への感光層塗膜の形成方法として
は、浸漬による塗布方法、スプレーによる塗布方法およ
びローラを用いた塗布方法が実用化されているが、特
に、浸漬による塗布方法は、吊り下げられた基体を感光
層用の塗液中に浸漬した後、引上げる方法であって、形
成される感光層塗膜の厚さを塗液の粘度や基体の引上げ
速度によって容易に調整できることから、他の方法に比
べて多く用いられている。なお、感光層は、通常、負電
荷をブロックするための下引き層、電荷を発生するため
の電荷発生層および電荷を輸送するための電荷輸送層を
積層した3層構造を成し、これらの各層の塗膜が順次的
に上記浸漬法によって基体上に形成される。
【0004】前記感光体には、基体上に感光層の不要部
分が有る。具体的には、感光体を搭載する画像形成装置
では、複写時に感光体端部の内面を電荷零のアースとし
て用いるので、アースを設けるために基体端部の内面に
は感光層は不要である。また、感光体と現像槽との間隔
を維持するために感光体の両端部の外周面にDSDカラ
ーを当接することがある。カラーの当接部分に感光層が
存在すると、カラーの当接によって感光層が剥離し、剥
離した感光層が現像槽内に混入し、これによって画像欠
陥が発生するおそれがある。したがって、基体両端部の
外周面には感光層は不要である。しかし、上述の浸漬法
では基体下端部の内外面に感光層塗膜が形成される。し
たがって、不要な感光層塗膜を除去する必要がある。
【0005】図24は、特開平8−305050号公報
に開示された浸漬塗布法を実施するための浸漬装置3お
よび基体下端部の拭取り処理のための拭取り材2を示す
図である。円筒状の基体1の表面には、まず、浸漬装置
3を用いた浸漬法によって感光層塗液10が塗布され
る。浸漬装置3は、主として、塗液が貯溜されかつ基体
1が浸漬される浸漬槽4および塗液循環機構から成る。
浸漬槽4に貯溜される塗液は塗液供給口5から供給さ
れ、浸漬槽4の上部に設けられた受けトレイ6にオーバ
フローする。オーバフローした塗液は塗液タンク7に送
られて攪拌され、供給ポンプ8を介して再び浸漬槽4に
供給される。浸漬塗布は、オーバフローによって塗液の
液面が一定に維持された浸漬槽4の中に基体1を垂直に
降下させて浸漬し、次に基体1を垂直に上昇させて引上
げることによって行われ、このとき基体1の降下速度お
よび上昇速度を制御することによって基体1の周りの塗
液面の振動を防止して塗布欠陥が防止される。
【0006】浸漬塗布後、基体1に塗布された塗液10
の乾燥前に基体1を垂直に降下することによって、所定
の基台9の上に配置された拭取り材2に基体1の下端部
を接触させる。これによって、塗液から引上げた基体1
の下端部に表面張力によって厚く付着した塗液10を拭
取り材2に吸収させ、基体1の下端部の塗液10の厚さ
むらが解消される。しかし、特開平8−305050号
公報に開示された方法は、基体1の下端部を拭取り材2
に押し当てるだけなので、基体1の下端部の内外面に形
成された不要な感光層塗膜を完全に除去することはでき
ない。
【0007】また、特開平6−110223号公報に
は、円筒状の基体を感光層塗液中に浸漬して感光層塗膜
を形成した後、該感光層塗膜が未乾燥状態のうちに、予
め溶剤を保持させた挿入体を基体内部に挿入し、該挿入
体を基体内面に接触し回転させることによって、基体内
面に形成された感光層塗膜を除去する方法が開示されて
いる。しかし、特開平6−110223号公報に開示さ
れた方法では、感光層塗膜が除去できるのは基体内面だ
けである。したがって、たとえばカラーを取付けるため
に基体の外周面の感光層塗膜を除去しようとすると、外
面塗膜を除去するための工程が新たに必要となる。
【0008】図25は、特開平5−2276号公報に開
示された基体下端部の感光層塗膜を剥離する端面塗膜剥
離装置11を示す図である。感光層用塗液13が表面に
塗布された円筒状の基体12は、固定チャック14によ
って軸心を鉛直方向に向けた状態で支持される。固定チ
ャック14の移動によって支持された基体12の下端部
が塗膜剥離用治具であるクリーニング部材15の溝部1
5aに嵌入すると、溝部15aの両壁面に形成された溶
剤吐出ノズル16から基体12の下端面の内外面に溶剤
が吐出される。また、固定チャック14が回転する。こ
れによって、基体12の下端部の内外面の不要な感光層
塗膜が剥離される。
【0009】しかし、特開平5−2276号公報に開示
された端面塗膜剥離装置11では、基体12の下端部の
内外面の感光層塗膜を同時に除去することができるもの
の、異なる直径の基体12に対しては同一の機構が適用
できないという問題がある。すなわち、クリーニング部
材15に形成された溝部15aの大きさは基体12の直
径に対して個別的に対応するので、基体12の直径が異
なればクリーニング部材15を交換する必要がある。し
たがって、複数種類の部材15を準備しなければならな
い。クリーニング部材15は複数の溶剤吐出ノズル16
や該ノズル16に溶剤を供給するための溶剤供給管など
を有し、比較的複雑な構造であるので、複数の部材15
を準備することは装置の製造コストの上昇をもたらす。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、円筒
状基体を塗液中に浸漬して塗膜を形成した後、基体下端
部に形成された不要な塗膜を、基体の直径にかかわら
ず、容易にかつ効率的に除去することができる塗膜除去
方法および塗膜除去装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、円筒状の基体
をその軸心を略鉛直方向に支持し、該基体に、塗液中に
浸漬した後、引上げる浸漬法によって塗膜を形成する工
程と、塗膜が形成された基体の浸漬方向下端部と基体よ
りも大きい直径を有する溶剤を染み込ませた多孔質弾性
体とを接触させ、多孔質弾性体および基体のうちのいず
れか一方を回転させることまたはその両方を相互に逆方
向に回転させることによって基体下端部に形成された塗
膜を除去する工程とを備えることを特徴とする塗膜除去
方法である。
【0012】本発明に従えば、円筒状基体には浸漬法に
よって塗膜が形成される。次に、該基体の浸漬方向下端
部と多孔質弾性体とが互いに接触される。このとき、基
体の直径よりも多孔質弾性体の直径のほうが大きく設定
されるので、多孔質弾性体はその弾性によって基体下端
部の内外面に当接する。また、基体下端部と多孔質弾性
体とが当接した状態で互いに摺動される。したがって、
基体下端部の内外面に形成された不要な塗膜を同時に確
実に除去することができる。さらに、異なる直径の円筒
状基体の下端部の内外面が同一の多孔質弾性体に当接す
る。したがって、基体下端部の内外面に形成された不要
な塗膜を多孔質弾性体を交換することなく、高い作業効
率で確実に除去することができる。
【0013】また本発明は、塗膜除去工程の後に、多孔
質弾性体に向けて溶剤を噴出することによって多孔質弾
性体を洗浄する工程を含むことを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、また、塗膜除去後、溶剤
によって多孔質弾性体が洗浄される。したがって、多孔
質弾性体を常に清浄な状態に保つことができる。また、
洗浄工程では溶剤が供給されるので、多孔質弾性体の洗
浄と該弾性体への溶剤補給とを同時に行うことができ
る。
【0015】また本発明は、浸漬法によって塗膜が形成
された円筒状の基体をその軸心方向を略鉛直方向に支持
して保持する基体保持手段と、基体よりも大きい直径を
有する溶剤を染み込ませた多孔質弾性体と、基体保持手
段に対向して配置され、前記多孔質弾性体を保持する多
孔質弾性体保持手段と、基体保持手段と多孔質弾性体保
持手段とを相対的に近接または離反させる第1の駆動手
段と、基体保持手段および多孔質弾性体保持手段のうち
のいずれか一方を回転させるまたはその両方を相互に逆
方向に回転させる第2の駆動手段とを備え、第1駆動手
段を駆動することによって多孔質弾性体保持手段に保持
された多孔質弾性体と基体保持手段に保持された基体の
下端部とを接触させ、第2駆動手段を駆動することによ
って基体下端部に形成された塗膜を除去することを特徴
とする塗膜除去装置である。
【0016】本発明に従えば、円筒状基体には、たとえ
ば基体保持手段に保持されて浸漬法によって塗膜が形成
される。多孔質弾性体は多孔質弾性体保持手段に保持さ
れ、基体下端部に形成された不要な塗膜の除去時には、
第1駆動手段が駆動されて、多孔質弾性体と基体下端部
とが互いに接触される。このとき、基体の直径よりも多
孔質弾性体の直径のほうが大きく設定されるので、多孔
質弾性体はその弾性によって基体下端部の内外面に当接
する。また、第2駆動手段が駆動されて、基体下端部と
多孔質弾性体とが互いに摺動される。したがって、基体
下端部の内外面に形成された不要な塗膜を同時に確実に
除去することができる。さらに、多孔質弾性体の直径
を、異なる直径の円筒状基体のうちの最大の直径の基体
に合せて設定することによって、異なる直径の円筒状基
体の下端部の内外面が同一の多孔質弾性体に当接する。
したがって、基体下端部の内外面に形成された不要な塗
膜を多孔質弾性体を交換することなく、高い作業効率で
確実に除去することができる。
【0017】なお、第2駆動手段による駆動では、基体
保持手段および多孔質弾性体保持手段のうちのいずれか
一方を回転させる場合よりも、その両方を相互に逆方向
に回転させる場合の方が、摺動力が大きくなって塗膜の
高い除去効果が得られる。
【0018】また本発明は、前記多孔質弾性体には基体
下端部が嵌入する切込みが、基体の直径に応じて設けら
れていることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、基体下端部の不要な塗膜
を除去するときには、第1駆動手段が駆動されて、基体
よりも大きい直径の多孔質弾性体と基体下端部の内外面
とが当接する。ここで、多孔質弾性体には上述したよう
な切込みが設けられており、多孔質弾性体の弾性変化が
小さいまま、基体下端部が切込みに嵌入する。したがっ
て、多孔質弾性体と基体下端部の内外面とが広い範囲で
当接する。このため、基体下端部の内外面に形成された
不要な塗膜を広い範囲で同時に確実に除去することがで
きる。
【0020】また本発明は、前記切込みが異なる直径で
同心円状に複数設けられていることを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、異なる直径で同心円状に
複数設けられた切込みには、異なる直径の基体の下端部
が嵌入可能である。したがって、基体下端部の内外面に
形成された不要な塗膜を、多孔質弾性体を交換すること
なく、高い作業効率で確実に除去することができる。
【0022】また本発明は、前記多孔質弾性体保持手段
は棒状の支持部材を有し、前記多孔質弾性体は支持部材
に多層に巻回されて保持されることを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、棒状の支持部材に多層に
巻回された多孔質弾性体の層間には、基体の下端部が嵌
入可能である。したがって、多孔質弾性体と基体下端部
の内外面とが広い範囲で当接し、基体下端部の内外面に
形成された不要な塗膜を広い範囲で同時に確実に除去す
ることができる。
【0024】また本発明は、前記多孔質弾性体の基体へ
の近接・離反方向における断面形状が、略半円形状、略
三角形状および略台形状のうちのいずれかであり、多孔
質弾性体への基体押込量を制御することによって基体下
端部の内面または内外面に形成された塗膜を除去するこ
とを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、基体と多孔質弾性体との
接触圧を制御することによって、上述の各断面形状の多
孔質弾性体には基体下端面の内面だけまたは内外面の両
面が接触する。具体的に、接触圧が小さいときいは内面
だけが接触し、大きいときには内外面の両面が接触す
る。したがって、基体下端部の内面だけまたは内外面の
不要な塗膜を選択的に確実に除去することができる。ま
た、各断面形状の多孔質弾性体の底面の直径を、異なる
直径の円筒状基体のうちの最大の直径の基体に合せて設
定することによって、異なる直径の円筒状基体の下端部
を同一の多孔質弾性体に当接することが可能となる。し
たがって、基体下端部の内面または内外面に形成された
不要な塗膜を、多孔質弾性体を交換することなく、高い
作業効率で確実に除去することができる。
【0026】また本発明は、前記多孔質弾性体が基体内
面に面接触していることを特徴とする。
【0027】本発明に従えば、基体の内面と多孔質弾性
体との接触面積が多くなるので、塗膜の除去効率が向上
する。
【0028】また本発明は、前記多孔質弾性体が基体内
面に多点接触していることを特徴とする。
【0029】本発明に従えば、基体内面と多孔質弾性体
との間には隙間ができ、この隙間から除去された塗膜を
速やかに排除することができるので、基体内部に剥離カ
スが溜まらず、塗膜の除去を円滑に行うことができる。
【0030】また本発明は、浸漬法によって塗膜が形成
される円筒状の基体をその軸心方向を略鉛直方向に支持
して保持する基体保持手段と、基体よりも大きい直径を
有する多孔質弾性体と、溶剤を収容するトレイであっ
て、その底板に前記多孔質弾性体が固定されたトレイ
と、基体保持手段に対向して配置され、前記多孔質弾性
体が固定されたトレイを保持するトレイ保持手段と、基
体保持手段とトレイ保持手段とを相対的に近接または離
反する第1の駆動手段と、基体保持手段およびトレイ保
持手段のうちのいずれか一方を回転させるまたはその両
方を相互に逆方向に回転させる第2の駆動手段とを備
え、第1駆動手段を駆動することによってトレイ保持手
段に保持されたトレイに固定された多孔質弾性体と基体
保持手段に保持された基体の下端部とを接触させ、第2
駆動手段を駆動することによって基体下端部に形成され
た塗膜を除去することを特徴とする塗膜除去装置であ
る。
【0031】本発明に従えば、円筒状基体は、たとえば
基体保持手段に保持された状態で浸漬法によって塗膜が
形成される。多孔質弾性体はトレイに保持され、該トレ
イがトレイ保持手段に保持される。基体下端部に形成さ
れた不要な塗膜を除去するときには、第1駆動手段が駆
動されて、多孔質弾性体と基体下端部とが互いに接触さ
れる。このとき、基体の直径よりも多孔質弾性体の直径
のほうが大きく設定されるので、多孔質弾性体はその弾
性によって基体下端部の内外面に当接する。また、第2
駆動手段が駆動されて、基体下端部と多孔質弾性体とが
互いに摺動される。したがって、基体下端部の内外面に
形成された不要な塗膜を同時に確実に除去することがで
きる。さらに、多孔質弾性体の直径を、異なる直径の円
筒状基体のうちの最大の直径の基体に合せて設定するこ
とによって、異なる直径の円筒状基体の下端部の内外面
が同一の多孔質弾性体に当接する。したがって、基体下
端部の内外面に形成された不要な塗膜を多孔質弾性体を
交換することなく、高い作業効率で確実に除去すること
ができる。また、多孔質弾性体がトレイに収容された溶
剤に浸漬されるので、溶剤を頻繁に補給する必要が無
く、溶剤補給が容易となる。
【0032】なお、第2駆動手段による駆動では、基体
保持手段および多孔質弾性体保持手段のうちのいずれか
一方を回転させる場合よりも、その両方を相互に逆方向
に回転させる場合の方が、摺動力が大きくなって塗膜の
高い除去効果が得られる。
【0033】また本発明は、前記トレイに収容された溶
剤の液面と基体下端面とが同じ高さに設定されることを
特徴とする。
【0034】本発明に従えば、浸漬法による塗布時にお
いて、基体を塗液から引上げた際には、塗液の表面張力
によって基体下端部にはそれ以外の部分よりも厚く塗膜
が形成されるが、上述のようにトレイに収容された溶剤
の液面と基体下端面とを同じ高さに設定することによっ
て、塗膜の厚膜の部分が溶剤に直接接触することとな
る。したがって、厚膜部分の塗膜を確実に除去すること
ができる。
【0035】また本発明は、前記基体は、少なくとも表
面が導電性を有し、該基体に感光層用の塗膜を形成した
後、基体下端部の塗膜を除去することによって、画像形
成装置に搭載される像担持体と成り、基体の下端面から
該基体表面の像担持領域の下端面までの間に、前記トレ
イの側壁の上端面が配置されることを特徴とする。
【0036】本発明に従えば、溶剤の液面が溶剤を収容
するトレイの側壁の上端面から離れていると、トレイ内
の液面上方の空間に溶剤の蒸気が滞留して必要な感光層
に悪影響を及ぼすが、上述のように基体の下端面から該
基体表面の像担持領域の下端面までの間に、前記トレイ
の側壁の上端面を配置することによって、溶剤蒸気が逃
げやすくなり、溶剤蒸気による感光層への悪影響を低減
することができる。
【0037】また本発明は、前記トレイに固定された多
孔質弾性体に向けて溶剤を噴出する溶剤噴出手段をさら
に備え、溶剤噴出手段を駆動することによって多孔質弾
性体を洗浄することを特徴とする。
【0038】本発明に従えば、塗膜除去後、溶剤によっ
て多孔質弾性体を洗浄することができる。したがって、
多孔質弾性体を常に清浄な状態に保つことができ、また
多孔質弾性体の洗浄と該弾性体への溶剤補給とを同時に
行うことができる。
【0039】また本発明は、前記溶剤噴出手段はトレイ
の外部に設けられたノズルを備え、ノズルから溶剤を噴
出して多孔質弾性体を洗浄することを特徴とする。
【0040】本発明に従えば、塗膜除去後、トレイの外
部に設けられたノズルから溶剤を噴出して、多孔質弾性
体を外部側から洗浄することができる。したがって、多
孔質弾性体を常に清浄な状態に保つことができ、また多
孔質弾性体の洗浄と該弾性体への溶剤補給とを同時に行
うことができる。
【0041】また本発明は、前記溶剤噴出手段は多孔質
弾性体によって全面が覆われてトレイの底板に設けられ
たノズルを備え、ノズルから溶剤を噴出して多孔質弾性
体を洗浄することを特徴とする。
【0042】本発明に従えば、塗膜除去後、多孔質弾性
体によって全面が覆われてトレイの底板に設けられたノ
ズルから溶剤を噴出して、多孔質弾性体を内部側から洗
浄することができる。したがって、多孔質弾性体を常に
清浄な状態に保つことができ、また多孔質弾性体の洗浄
と該弾性体への溶剤補給とを同時に行うことができる。
【0043】また本発明は、前記溶剤噴出手段は、トレ
イの底板に固定された支持部材と、支持部材の上面に設
けられるノズルであって、トレイ底板方向に臨む噴出口
を有するノズルとを備え、前記多孔質弾性体は支持部材
の側面に固定されて、該支持部材を介してトレイの底板
に固定され、前記ノズルから溶剤を噴出して多孔質弾性
体を洗浄することを特徴とする。
【0044】本発明に従えば、塗膜除去後、上述の多孔
質弾性体の中央部の上方に設けられたノズルから溶剤を
噴出することによって、多孔質弾性体を外部側から洗浄
することができる。したがって、多孔質弾性体を常に清
浄な状態に保つことができ、また多孔質弾性体の洗浄と
該弾性体への溶剤補給とを同時に行うことができる。
【0045】また本発明は、前記溶剤噴出手段はトレイ
の底板に固定された支持部材であって、その上端部にト
レイ底板方向に傾斜した溶剤噴出スリットを有する支持
部材を備え、前記多孔質弾性体は支持部材の側面に固定
されて、該支持部材を介してトレイの底面に固定され、
前記スリットから溶剤を噴出して多孔質弾性体を洗浄す
ることを特徴とする。
【0046】本発明に従えば、塗膜除去後、上述の多孔
質弾性体の中央部の上方に設けられたスリットから溶剤
を噴出することによって、多孔質弾性体を外部側から洗
浄することができる。したがって、多孔質弾性体を常に
清浄な状態に保つことができ、また多孔質弾性体の洗浄
と該弾性体への溶剤補給とを同時に行うことができる。
【0047】また本発明は、前記多孔質弾性体がセルロ
ースから成ることを特徴とする。本発明に従えば、海綿
体などの天然素材であるセルロースで多孔質弾性体を実
現した場合、ポリエステル、ポリアミドおよびポリビニ
ルアルコールなどの合成素材である樹脂で多孔質弾性体
を実現した場合に比べて、耐溶剤性が優れ、また溶剤の
保持力が優れ、溶剤の使用量を適宜抑制することができ
る。さらに、塗液が未乾燥の状態の基体表面に対して、
繊維屑などの異物が付着しないので、基体の汚染を少な
くして塗膜を除去することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の第1形態
である塗膜除去装置21を示す図である。塗膜除去装置
21は、円筒状の基体25を保持するチャック装置(基
体保持手段)26、塗膜剥離用の溶剤を染み込ませたス
ポンジ状構造体(多孔質弾性体)27、該スポンジ状構
造体27が取付けられる基台(多孔質弾性体保持手段)
28、昇降機構(第1の駆動手段)29および回転機構
(第2の駆動手段)30を備える。
【0049】基体25には、浸漬法によって、その表面
に感光層用塗膜が形成される。該基体25は、チャック
装置26によって、その軸心方向が略鉛直方向となるよ
うにして支持される。具体的に、チャック装置26は支
持軸31を備え、該支持軸31には少なくとも2箇所に
風船体32が設けられる。風船体32には支持軸31の
内部に形成された流路を通じて加圧空気などの流体が供
給され、これによって風船体32は膨張する。基体25
は、膨張した風船体32によって、その内部から支持さ
れる。スポンジ状構造体27の直径は、前記基体25の
直径よりも大きく設定される。該スポンジ状構造体27
を取付けた基台28は、チャック装置26に対向して配
置される。したがって、前記基体25と、スポンジ状構
造体27とは、互いに対向して配置される。
【0050】前記チャック装置26の支持軸31は、昇
降機構29を構成するアーム部材33に取付けられる。
アーム部材33は、同じく昇降機構29を構成する昇降
モータ34の駆動によって昇降運動可能であり、該昇降
運動によってチャック装置26の支持軸31が基台28
に近接または離反する。このような昇降運動によって、
支持軸31に支持された基体25の下端部25aを基台
28に取付けられたスポンジ状構造体27に接触させる
ことができる。前記基台28は、回転機構30を構成す
る支持軸35に支持される。支持軸35は、同じく回転
機構30を構成する回転モータ36の駆動によって回転
運動可能であり、該回転運動によって基台28および該
基台28に取付けられたスポンジ状構造体27が回転す
る。
【0051】塗膜除去装置21では、昇降機構29を駆
動することによって、基台28に保持されたスポンジ状
構造体27にチャック装置26に保持された基体25の
下端部25aが接触可能である。また、回転機構30を
駆動することによって、スポンジ状構造体27と基体下
端部25aとが摺動可能である。したがって、基体25
の下端部25aに形成された塗膜を除去することができ
る。
【0052】なお、本形態では、浸漬法によって基体2
5の表面に感光層用塗膜を形成し、塗膜除去装置21に
よって不要な感光層用塗膜を除去し、乾燥して、画像形
成装置に搭載される像担持体である電子写真感光体を作
製する場合を例に説明するが、塗膜除去装置21によっ
て除去される塗膜は、感光層用塗膜に限るものではな
い。感光体として使用される基体25は、少なくとも表
面が導電性を有する。
【0053】次に、不要な塗膜の除去手順について説明
する。まず、基体25の表面に浸漬法によって感光層用
塗膜を形成する。ここで、基体25は、たとえばチャッ
ク装置26によって、上述のように支持される。支持さ
れた基体25は、感光層用塗液中に浸漬された後、引上
げられる。これによって、基体25の表面に感光層用塗
膜が形成される。続いて、本発明に基づく塗膜除去装置
21によって、感光層用塗膜が形成された基体25の浸
漬方向下端部25aに形成された不要な塗膜が除去され
る。すなわち、基体25の下端部25aがスポンジ状構
造体27に接触されてスポンジ状構造体27が回転され
る。
【0054】第1形態の塗膜除去装置21によれば、基
体25の下端部25aとスポンジ状構造体27との接触
時、基体25の直径よりもスポンジ状構造体27の直径
のほうが大きく設定され、スポンジ状構造体27は高い
弾性を有するので、スポンジ状構造体27は基体25の
下端部25aの内外面に接触する。そして、基体下端部
25aとスポンジ状構造体27とが接触した状態で、両
者が互いに摺動される。
【0055】したがって、基体25の下端部25aの内
外面に形成された不要な感光層用塗膜を同時に確実に除
去することができる。また、スポンジ状構造体27の直
径を使用される基体25のうちの最大の直径を有する基
体25に合わせてそれ以上に設定することによって、異
なる直径の複数種類の基体25に対して一種類のスポン
ジ状構造体27を用いることができる。このため、スポ
ンジ状構造体27の交換が不要となって塗膜除去の作業
効率が向上する。
【0056】なお、上述の塗膜除去装置21では、基体
下端部25aとスポンジ状構造体27との接触のため
に、昇降機構29によってチャック装置26のアーム部
材33を昇降運動するように構成しているが、アーム部
材33の位置を固定とし、スポンジ状構造体27が取付
けられた基台28を昇降運動するように構成する例も本
発明の範囲に属するものであり、本形態と同様に動作さ
せて同様の効果を得ることができる。
【0057】図2は、本発明の実施の第1形態の他の例
である塗膜除去装置22を示す図である。図1の塗膜除
去装置21では、回転機構30によって基台28の支持
軸35を回転させているが、図2の塗膜除去装置22で
は、支持軸35の位置を固定とし、基体25の支持軸3
1を回転させている。それ以外の構成は、塗膜除去装置
21と同様である。このような塗膜除去装置22も本発
明の範囲に属するものであり、塗膜除去装置21を用い
た場合と同様の効果を得ることができる。
【0058】図3は、本発明の実施の第1形態のさらに
他の例である塗膜除去装置23を示す図である。塗膜除
去装置23は、回転機構30によって基台28の支持軸
35を回転させるとともに、基体25の支持軸31をも
回転させている。このとき、支持軸35と支持軸31と
の各回転方向を、相互に逆方向としている。それ以外の
構成は、塗膜除去装置21,22と同様である。このよ
うな塗膜除去装置23も本発明の範囲に属するものであ
る。
【0059】塗膜除去装置23によれば、前記塗膜除去
装置21,22のように、スポンジ状構造体27および
基体25のうちのいずれか一方を回転させる場合よりも
大きな摺動力が得られ、塗膜の高い除去効果を得ること
ができる。
【0060】すなわち、塗膜除去装置21のように基体
25を回転させる場合、塗膜除去処理を感光層用塗膜が
未乾燥な状態で行うので、基体25の高速回転で発生す
る遠心力によって感光層の均一性が低下する。また、基
体25を図1に示すような風船体32によって保持する
場合、支持軸31の回転中心と基体25の軸心とに僅か
にでも偏心があれば、高速回転による遠心力によって塗
膜除去を確実に行えない。
【0061】また、塗膜除去装置22のようにスポンジ
状構造体27を回転させる場合、その回転速度を大きく
しすぎると、スポンジ状構造体27に保持される溶剤が
遠心力によって飛散し、溶剤の消費量が増大する。ま
た、飛散した溶剤が基体25に形成された感光層の画像
形成領域(塗膜の非除去領域)に付着すると、感光層に
対して悪影響を及ぼす。
【0062】これに対して、塗膜除去装置23のように
基体25およびスポンジ状構造体27の両方を互いに逆
方向に回転させる場合、基体25およびスポンジ状構造
体27のそれぞれの回転速度を上述の不具合を生じさせ
ない程度に低く抑え、かつ基体25とスポンジ状構造体
27との接触部分の相対的な摺動速度を高めて、感光層
用塗膜の除去効果を増大させることができる。
【0063】図4は、本発明の実施の第2形態である塗
膜除去装置のスポンジ状構造体41を示す断面図であ
る。第2形態の塗膜除去装置は、前記塗膜除去装置21
〜23のスポンジ状構造体27に代わって、スポンジ状
構造体41を備える以外は、同様にして構成される。
【0064】スポンジ状構造体41には、基体25の直
径に応じて、円状の切込み37が設けられている。切込
み37には、塗膜除去時、基体25の下端部25aが嵌
入する。切込み37が形成されたスポンジ状構造体41
を使用した場合、切込み37が形成されていない前記ス
ポンジ状構造体27を使用した場合と比較して、基体下
端部25aを押し当てたときのスポンジ状構造体の弾性
変化は少なく、基体25のスポンジ状構造体41との接
触面積が増大する。したがって、より広い範囲において
塗膜を除去することが可能となる。
【0065】図5は、切込み37が形成された各種断面
形状のスポンジ状構造体42,43,44を示す断面図
である。ここで、断面形状とはスポンジ状構造体の基体
25への近接・離反方向、すなわち鉛直方向における断
面形状である。図5(A)は断面形状が略四角形状のス
ポンジ状構造体42を示し、図5(B)は断面形状が略
台形状のスポンジ状構造体43を示し、図5(C)は断
面形状が略半円形状のスポンジ状構造体44を示す。各
スポンジ状構造体42〜44には、ともに前述の切込み
37が形成されている。このようなスポンジ状構造体4
2〜44をスポンジ状構造体41に代わって用いても構
わない。
【0066】図6は、本発明の実施の第3形態である塗
膜除去装置のスポンジ状構造体45,46,47を示す
断面図である。第3形態の塗膜除去装置は、前記塗膜除
去装置21〜23のスポンジ状構造体27に代わって、
スポンジ状構造体45〜47を備える以外は、同様にし
て構成される。
【0067】スポンジ状構造体45〜47には、前記切
込み37が、異なる直径で同心円状に複数設けられてい
る。具体的に、図6(A)に示されるスポンジ状構造体
45には、複数(ここでは3つ)の切込み37が異なる
直径D1,D2,D3で同心円状に設けられている。図
6(B)に示されるスポンジ状構造体46には、複数
(ここでは3つ)の切込み37が異なる直径D11,D
12,D13で同心円状に設けられている。図6(C)
に示されるスポンジ状構造体47には、複数(ここでは
3つ)の切込み37が異なる直径D21,D22,D2
3で同心円状に設けられている。このような直径の異な
る複数の切込み37を設けることによって、各切込み3
7に異なる直径の基体25の下端部25aを嵌入するこ
とができる。したがって、基体下端部25aに形成され
た不要な塗膜を、スポンジ状構造体を交換することな
く、高い作業効率で確実に除去することができる。
【0068】図7は、本発明の実施の第4形態である塗
膜除去装置のスポンジ状構造体48を示す斜視図であ
る。図8は、該スポンジ状構造体48の断面図である。
第4形態の塗膜除去装置は、前記塗膜除去装置21〜2
3のスポンジ状構造体27に代わって、スポンジ状構造
体48を備える以外は、同様にして構成される。
【0069】前記基台28には棒状の支持部材38が立
設され、スポンジ状構造体48は該支持部材38に多層
に巻回されて保持される。この場合、前述の切込み37
を設けた場合と同様に、基体25の下端部25aがスポ
ンジ状構造体48の層間39に嵌入する。したがって、
同様に、より広い範囲で塗膜を除去することが可能とな
る。
【0070】図9は、本発明の実施の第5形態である塗
膜除去装置のスポンジ状構造体49,50,51を示す
断面図である。第5形態の塗膜除去装置は、前記塗膜除
去装置21〜23のスポンジ状構造体27に代わって、
スポンジ状構造体49〜51を備え、スポンジ状構造体
49〜51への基体25の押込量が制御される以外は、
同様にして構成される。
【0071】スポンジ状構造体49〜51は、各種断面
形状を有するものである。ここで、断面形状とは、上述
したのと同様に、スポンジ状構造体の基体25への近接
・離反方向、すなわち鉛直方向における断面形状であ
る。図9(A)は断面形状が略半円形状のスポンジ状構
造体49を示し、図9(B)は断面形状が略三角形状の
スポンジ状構造体50を示し、図9(C)は断面形状が
略台形状のスポンジ状構造体51を示す。
【0072】このような断面形状を有するスポンジ状構
造体49〜51を用いた場合、基体25との接触部分に
おいて、内面側の接触位置が外面側の接触位置よりも上
方となる。また、押込量を制御することによって、単一
のスポンジ状構造体49〜51を用いて、基体下端部2
5aの内面のみ、または内面と外面との両面の塗膜除去
を、選択的に実施可能となる。
【0073】すなわち、スポンジ状構造体49を例に説
明すると、基体25のスポンジ状構造体49への押込量
が小さい場合には、図10(A)に示されるようにスポ
ンジ状構造体49の基体25への接触が基体25の内面
のみとなり、基体25の内面のみの塗膜除去を行うこと
ができる。また、基体25のスポンジ状構造体49への
押込量が大きい場合には、図10(B)に示されるよう
にスポンジ状構造体49の基体25への接触が基体25
の内外面となり、基体25の内外面の塗膜除去を同時に
行うことができる。
【0074】なお、第5形態の塗膜除去装置では、前記
チャック装置26の昇降機構29または基台28の昇降
機構において、スポンジ状構造体49〜51と基体25
との接触時において、基体25とスポンジ状構造体49
〜51との相対位置を少なくとも2段階に切替可能に構
成される。
【0075】図11は、本発明の実施の第6形態である
塗膜除去装置のスポンジ状構造体52を示す平面図であ
る。図11においてスポンジ状構造体52には斜線を付
して示している。第6形態の塗膜除去装置は、前記塗膜
除去装置21〜23のスポンジ状構造体27に代わっ
て、スポンジ状構造体52を備える以外は、同様にして
構成される。また、第5形態のように、スポンジ状構造
体52への基体25の押込量を制御するようにしても構
わない。
【0076】スポンジ状構造体52は、スポンジ状構造
体の基体25への近接・離反方向に対して直交する方
向、すなわち水平方向における断面形状が円形状であ
り、基体下端部25aの内面と面接触するものである。
スポンジ状構造体52と基体25の内面との接触面積が
多くなるので、塗膜除去の効率が向上する。
【0077】図12は、本発明の実施の第7形態である
塗膜除去装置のスポンジ状構造体53,54を示す平面
図である。図12においてスポンジ状構造体53,54
には斜線を付して示している。第7形態の塗膜除去装置
は、前記塗膜除去装置21〜23のスポンジ状構造体2
7に代わって、スポンジ状構造体53,54を備える以
外は、同様にして構成される。また、第5形態のよう
に、スポンジ状構造体53,54への基体25の押込量
を制御するようにしても構わない。
【0078】スポンジ状構造体53,54は、基体下端
部25aの内面と多点接触するものである。基体25の
内面とスポンジ状構造体53,54との間には隙間40
ができるので、該隙間40から、除去された塗膜を速や
かに排除することができる。したがって、基体25の内
部に剥離カスが溜まらず、塗膜の除去を円滑に行うこと
ができる。
【0079】図13は、本発明の実施の第8形態である
塗膜除去装置61を示す図である。塗膜除去装置61
は、前記基体25を保持する前記チャック装置(基体保
持手段)26、スポンジ状構造体(多孔質弾性体)6
6、スポンジ状構造体66が固定されるトレイ65、ス
ポンジ状構造体66が固定されたトレイ65を保持する
基台(トレイ保持手段)28、前記昇降機構(第1の駆
動手段)29および前記回転機構(第2の駆動手段)3
0を備える。
【0080】スポンジ状構造体66は基体25よりも大
きい直径を有し、トレイ65の底板に固定される。ま
た、トレイ65には溶剤が収容される。チャック装置2
6による基体25の支持、チャック装置26の昇降機構
29および基台28の回転機構30は、塗膜除去装置2
1と同様である。
【0081】塗膜除去装置61では、昇降機構29を駆
動することによって、基台28に保持されたトレイ65
に固定されたスポンジ状構造体66に、チャック装置2
6に保持された基体25の下端部25aが接触可能であ
る。また、回転機構30を駆動することによって、スポ
ンジ状構造体66と基体下端部25aとが摺動可能であ
る。したがって、基体25の下端部25aの内外面に形
成された塗膜が除去可能である。不要な塗膜の除去は、
第1形態と同様の手順によって行われる。
【0082】塗膜除去装置61によれば、塗膜除去装置
21と同様にして、基体下端部25aに形成された不要
な塗膜を確実に除去することができる。また、基体下端
部25aに形成された不要な塗膜を、スポンジ状構造体
66を交換することなく、高い作業効率で確実に除去す
ることができる。
【0083】特に、塗膜除去装置61では、感光層用塗
膜の除去効果を高めるために、スポンジ状構造体66に
溶剤を保持させている。良好な剥離効果を維持するため
には、スポンジ状構造体66に溶剤を随時供給する必要
がある。塗膜除去装置61では、図16に示されるよう
に、基台28に保持されたトレイ65において溶剤67
を保持し、該溶剤67の中にスポンジ状構造体66を浸
漬させている。このように、スポンジ状構造体66がト
レイ65に保持された溶剤67に浸漬されることによっ
て、頻繁な溶剤67の補給が不要となる。また、溶剤6
7の補給自動化が容易になる。
【0084】なお、上述の塗膜除去装置61でも、基体
下端部25aとスポンジ状構造体66との接触のため
に、昇降機構29によってチャック装置26のアーム部
材33を昇降運動するように構成しているが、アーム部
材33の位置を固定とし、スポンジ状構造体66が固定
されたトレイ65を保持する基台28を昇降運動するよ
うに構成する例も本発明の範囲に属するものであり、本
形態と同様に動作させて同様の効果を得ることができ
る。
【0085】図14は、本発明の実施の第8形態の他の
例である塗膜除去装置62を示す図である。図13の塗
膜除去装置61では、回転機構30によって基台28の
支持軸35を回転させているが、図14の塗膜除去装置
62では、支持軸35の位置を固定とし、基体25の支
持軸31を回転させている。それ以外の構成は、塗膜除
去装置61と同様である。このような塗膜除去装置62
も本発明の範囲に属するものであり、塗膜除去装置61
を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0086】図15は、本発明の実施の第8形態のさら
に他の例である塗膜除去装置63を示す図である。塗膜
除去装置63は、回転機構30によって基台28の支持
軸35を回転させるとともに、基体25の支持軸31を
も回転させている。このとき、支持軸35と支持軸31
との各回転方向を、相互に逆方向としている。それ以外
の構成は、塗膜除去装置61,62と同様である。この
ような塗膜除去装置63も本発明の範囲に属するもので
ある。塗膜除去装置63によれば、前記塗膜除去装置6
1,62のように、スポンジ状構造体66および基体2
5のうちのいずれか一方を回転させる場合よりも大きな
摺動力が得られ、塗膜の高い除去効果を得ることができ
る。
【0087】図17は、本発明の実施の第9形態の塗膜
除去装置のトレイ65を示す断面図である。第9形態の
塗膜除去装置では、前記トレイ65に収容された溶剤6
7の液面と、基体25の下端面25aとが同じ高さに設
定される。第9形態の塗膜除去装置は、溶剤液面と基体
下端面25aとの位置関係が上述したように設定される
以外は、前記塗膜除去装置61〜63と同様にして構成
される。
【0088】基体25に感光層を浸漬法によって形成す
る場合、基体25を塗液から引上げると、塗液の表面張
力の影響によって、基体25の下端部25aには他の部
分よりも塗膜が厚めに付着する。しかし、上述したよう
に溶剤液面と基体下端面25aとの位置関係を設定する
ことによって、厚めに形成された感光層用塗膜が溶剤6
7と直接接触することとなり、厚膜部分の塗膜を確実に
除去することができる。
【0089】図18は、本発明の実施の第10形態の塗
膜除去装置のトレイ65を示す断面図である。図19
は、トレイ65の溶剤67の液面近傍を拡大して示す断
面図である。第10形態の塗膜除去装置では、基体25
の下端面25bから該基体25の表面の像担持領域の下
端面までの間Aに、前記トレイ65の側壁の上端面65
aが配置されるように設定される。これ以外は第8また
は第9形態の前記塗膜除去装置61〜63と同様にして
構成される。
【0090】すなわち、溶剤67を保持するトレイ65
の外周縁部の上端面65aは、図18に示されるよう
に、スポンジ状構造体66に接触する基体25の非画像
領域に相当する高さまでの範囲A内に設定される。溶剤
67の液面が溶剤67を保持するトレイ65の外周縁部
の上端面65aから離れて深くなると、トレイ65の内
部液面上方の空間に溶剤67の蒸気が滞留して、必要な
感光層に悪影響を及ぼす。上述したように、トレイ65
の側壁の上端面65aを設定することによって、トレイ
65の外周縁部の上端面65aが低くなって、溶剤67
の蒸気が逃げやすくなり、溶剤67の蒸気による感光層
への悪影響を低減することができる。
【0091】前述した塗膜除去装置61〜63では、塗
膜除去によって除去された塗膜がスポンジ状構造体66
に付着する。この剥離カスの付着は、スポンジ状構造体
66の塗膜除去効率を低減させる。したがって、剥離カ
スを除去するために、スポンジ状構造体66を洗浄する
ことが好ましい。
【0092】本発明の実施の第11形態の塗膜除去装置
は、前記塗膜除去装置61〜63に対して、前記トレイ
65に固定されたスポンジ状構造体66に向けて溶剤6
7を噴出する溶剤噴出手段をさらに含んで構成され、塗
膜除去後、溶剤噴出手段を駆動することによって、スポ
ンジ状構造体66が洗浄される。したがって、スポンジ
状構造体66を常に清浄な状態に保つことができる。ま
た、スポンジ状構造体66の洗浄と該スポンジ状構造体
66への溶剤67の補給とを同時に行うことができる。
【0093】図20は、第11形態の塗膜除去装置の溶
剤噴出手段を示す断面図である。該溶剤噴出手段はトレ
イ65の外部に設けられるノズル68を備え、該ノズル
68から溶剤67を噴出することによって、スポンジ状
構造体66が洗浄される。
【0094】図21は、本発明の実施の第12形態であ
る塗膜除去装置の溶剤噴出手段を示す断面図である。第
12形態である塗膜除去装置の溶剤噴出手段は、トレイ
65の底板65bのほぼ中央部に設けられるノズル69
を備える。ノズル69は、溶剤の補給を行うための多数
の溶剤噴出口を円胴部に備える管状部材であり、スポン
ジ状構造体66によってその全面が覆われる。該ノズル
69から溶剤67を噴出することによって、スポンジ状
構造体66が洗浄される。このような溶剤噴出手段を設
けることによって、スポンジ状構造体66の内部側から
半径方向へ溶剤67を噴射して、該スポンジ状構造体6
6を洗浄することができる。
【0095】図22は、本発明の実施の第13形態であ
る塗膜除去装置の溶剤噴出手段を示す断面図である。第
13形態である塗膜除去装置の溶剤噴出手段は、トレイ
65の底板65bに固定された支持部材70と、該支持
部材70の上面70aに設けられるノズル71であっ
て、トレイ65の底板65bの方向に臨む噴出口71a
を有するノズル71とを備える。スポンジ状構造体66
は、支持部材70の側面70bに固定されて、該支持部
材70を介してトレイ65の底板65bに固定される。
前記ノズル71から溶剤67を噴出することによって、
スポンジ状構造体66が洗浄される。このような溶剤噴
出手段を設けることによって、スポンジ状構造体66を
外部側から洗浄することができる。
【0096】図23は、本発明の実施の第13形態の他
の例である塗膜除去装置の溶剤噴出手段を示す断面図で
ある。第13形態の他の例である塗膜除去装置の溶剤噴
出手段は、トレイ65の底板65bに固定された支持部
材72であって、その上端部72aにトレイ65の底板
65bの方向に傾斜した溶剤噴出スリット73を有する
支持部材72を備える。スポンジ状構造体66は、支持
部材72の側面72bに固定されて、該支持部材72を
介してトレイ65の底面65bに固定される。前記スリ
ット73から溶剤67を噴出することによって、スポン
ジ状構造体66が洗浄される。このような溶剤噴出手段
を設けることによっても、スポンジ状構造体66を外部
側から洗浄することができる。
【0097】上述の第11〜13形態の溶剤噴出手段を
備える塗膜除去装置によれば、スポンジ状構造体66が
溶剤67によって洗浄されて、常に清浄な状態に保たれ
るとともに、溶剤67の補給を同時に行うことができ
る。なお、第11形態以外の塗膜除去装置によれば、ス
ポンジ状構造体66の洗浄を、基体25の塗膜除去後で
はなく、塗膜除去と同時に行うことが可能である。
【0098】第1〜13形態の塗膜除去装置に使用され
る前記スポンジ状構造体27,66には、溶剤の保持力
が良好であること、耐溶剤性が高いこと、および繊維屑
などが生じ難いこと、などの性質が求められる。これら
の性質を満たすためには、スポンジ状構造体27,66
の材質として、特に、海綿体などの天然素材であるセル
ロースを用いることが好ましい。天然素材から成るスポ
ンジ状構造体27,66は、合成素材である樹脂から成
るスポンジ状構造体に比べて、耐溶性が特に優れる。ま
た、多孔質のため溶剤の保持力が良好であり、溶剤の使
用量を抑制することができるとともに、塗液が未乾燥の
状態の基体25の表面に繊維屑などの異物が付着しない
ので、基体25の汚染防止に対して有効である。
【0099】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、円筒状基
体に浸漬法によって塗膜を形成した後、基体下端部と多
孔質弾性体とを接触させかつ摺動させることによって、
基体下端部の内外面に形成された不要な塗膜を同時に確
実に除去することができる。また、異なる直径の基体下
端部の内外面に形成された不要な塗膜を多孔質弾性体を
交換することなく、高い作業効率で確実に除去すること
ができる。
【0100】また本発明によれば、塗膜除去後、溶剤に
よって多孔質弾性体を洗浄するので、多孔質弾性体を常
に清浄な状態に保つことができ、また多孔質弾性体の洗
浄と該弾性体への溶剤補給とを同時に行うことができ
る。
【0101】また本発明によれば、円筒状基体は基体保
持手段に保持される。基体は、浸漬法によって塗膜が形
成された後、第1駆動手段を駆動することによって、溶
剤を染み込ませた多孔質弾性体と、その下端部とが接触
され、かつ第2駆動手段を駆動することによって両者が
摺動される。したがって、基体下端部の内外面に形成さ
れた不要な塗膜を同時に確実に除去することができる。
さらに、多孔質弾性体の直径を、異なる直径の円筒状基
体のうちの最大の直径の基体に合せて設定することによ
って、異なる直径の円筒状基体の下端部の内外面に形成
された不要な塗膜を、多孔質弾性体を交換することな
く、高い作業効率で確実に除去することができる。
【0102】また本発明によれば、多孔質弾性体には基
体下端部が嵌入する切込みが、基体の直径に応じて設け
られているので、多孔質弾性体と基体下端部とを広い範
囲で当接することができ、基体下端部の内外面に形成さ
れた不要な塗膜を広い範囲で同時に確実に除去すること
ができる。
【0103】また本発明によれば、切込みが異なる直径
で同心円状に複数設けられているので、基体下端部の内
外面に形成された不要な塗膜を、多孔質弾性体を交換す
ることなく、高い作業効率で確実に除去することができ
る。
【0104】また本発明によれば、棒状の支持部材に多
孔質弾性体が多層に巻回されているので、基体下端部が
層間に嵌入し、多孔質弾性体と基体下端部とを広い範囲
で当接することができ、基体下端部の内外面に形成され
た不要な塗膜を広い範囲で同時に確実に除去することが
できる。
【0105】また本発明によれば、基体への近接・離反
方向における断面形状が略半円形状、略三角形状および
略台形状のうちのいずれかである多孔質弾性体を用い、
該多孔質弾性体への基体の押込量を制御することによっ
て、基体下端部の内面だけまたは内外面の不要な塗膜を
選択的に確実に除去することができる。
【0106】また本発明によれば、多孔質弾性体が基体
内面に面接触しているので、基体と多孔質弾性体との接
触面積が多くなり、塗膜の除去効率を向上することがで
きる。
【0107】また本発明によれば、多孔質弾性体が基体
内面に多点接触しているので、基体と多孔質弾性体との
間にできた隙間から除去された塗膜を速やかに排除する
ことができ、基体内部に剥離カスが溜まらず、塗膜の除
去を円滑に行うことができる。
【0108】また本発明によれば、円筒状基体は基体保
持手段に保持される。基体は、浸漬法によって塗膜が形
成された後、第1駆動手段を駆動することによって、ト
レイに収容された溶剤を染み込ませた多孔質弾性体と、
その下端部とが接触され、かつ第2駆動手段を駆動する
ことによって、両者が摺動される。したがって、基体下
端部の内外面に形成された不要な塗膜を同時に確実に除
去することができる。さらに、多孔質弾性体の直径を、
異なる直径の円筒状基体のうちの最大の直径の基体に合
せて設定することによって、異なる直径の円筒状基体の
下端部の内外面に形成された不要な塗膜を、多孔質弾性
体を交換することなく、高い作業効率で確実に除去する
ことができる。また、基台に保持されたトレイにおいて
溶剤を保持し、該溶剤の中にスポンジ状構造体を浸漬さ
せているので、頻繁な溶剤補給が不要となり、また溶剤
の補給自動化が容易になる。
【0109】また本発明によれば、トレイに収容された
溶剤の液面と基体下端面とが同じ高さに設定されるの
で、浸漬法による塗膜の厚膜部分が溶剤に直接接触し、
厚膜部分の塗膜を確実に除去することができる。
【0110】また本発明によれば、基体下端面から該基
体表面の像担持領域の下端面までの間に、前記トレイの
側壁の上端面を配置することによって、溶剤蒸気が逃げ
やすくなり、溶剤蒸気による感光層への悪影響を低減す
ることができる。
【0111】また本発明によれば、塗膜除去後、トレイ
に固定された多孔質弾性体に向けて溶剤噴出手段溶剤か
ら溶剤を噴出して多孔質弾性体を洗浄することができ
る。したがって、多孔質弾性体を常に清浄な状態に保つ
ことができ、また多孔質弾性体の洗浄と該弾性体への溶
剤補給とを同時に行うことができる。
【0112】また本発明によれば、塗膜除去後、トレイ
の外部に設けられたノズルから溶剤を噴出して、多孔質
弾性体を外部側から洗浄することができる。
【0113】また本発明によれば、塗膜除去後、多孔質
弾性体によって全面が覆われてトレイの底板に設けられ
たノズルから溶剤を噴出して、多孔質弾性体を内部側か
ら洗浄することができる。
【0114】また本発明によれば、塗膜除去後、多孔質
弾性体の中央部の上方に設けられたノズルから溶剤を噴
出することによって、多孔質弾性体を外部側から洗浄す
ることができる。
【0115】また本発明によれば、塗膜除去後、多孔質
弾性体の中央部の上方に設けられたスリットから溶剤を
噴出することによって、多孔質弾性体を外部側から洗浄
することができる。
【0116】また本発明によれば、多孔質弾性体がセル
ロースから成るので、優れた耐溶剤性や溶剤保持力が得
られ、溶剤の使用量を適宜抑制することができる。ま
た、塗液が未乾燥の状態の基体表面に対する繊維屑など
の異物の付着が防止でき、基体の汚染を少なくすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態である塗膜除去装置2
1を示す図である。
【図2】本発明の実施の第1形態の他の例である塗膜除
去装置22を示す図である。
【図3】本発明の実施の第1形態のさらに他の例である
塗膜除去装置23を示す図である。
【図4】本発明の実施の第2形態である塗膜除去装置の
スポンジ状構造体41を示す断面図である。
【図5】切込み37が形成された各種断面形状のスポン
ジ状構造体42〜44を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の第3形態である塗膜除去装置の
スポンジ状構造体45〜47を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の第4形態である塗膜除去装置の
スポンジ状構造体48を示す斜視図である。
【図8】スポンジ状構造体48の断面図である。
【図9】本発明の実施の第5形態である塗膜除去装置の
スポンジ状構造体49〜51を示す断面図である。
【図10】スポンジ状構造体49を用いて押込量を制御
したときの、スポンジ状構造体49と基体25との接触
状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の第6形態である塗膜除去装置
のスポンジ状構造体52を示す平面図である。
【図12】本発明の実施の第7形態である塗膜除去装置
のスポンジ状構造体53,54を示す平面図である。
【図13】本発明の実施の第8形態である塗膜除去装置
61を示す図である。
【図14】本発明の実施の第8形態の他の例である塗膜
除去装置62を示す図である。
【図15】本発明の実施の第8形態のさらに他の例であ
る塗膜除去装置63を示す図である。
【図16】基台28に保持されたトレイ65に溶剤67
を保持し、該溶剤67の中にスポンジ状構造体66を浸
漬させた状態を示す断面図である。
【図17】本発明の実施の第9形態の塗膜除去装置のト
レイ65を示す断面図である。
【図18】本発明の実施の第10形態の塗膜除去装置の
トレイ65を示す断面図である。
【図19】トレイ65の内部の溶剤67の液面近傍を拡
大して示す断面図である。
【図20】本発明の実施の第11形態である塗膜除去装
置の溶剤噴出手段を示す断面図である。
【図21】本発明の実施の第12形態である塗膜除去装
置の溶剤噴出手段を示す断面図である。
【図22】本発明の実施の第13形態である塗膜除去装
置の溶剤噴出手段を示す断面図である。
【図23】本発明の実施の第13形態の他の例である塗
膜除去装置の溶剤噴出手段を示す断面図である。
【図24】特開平8−305050号公報に開示された
浸漬塗布法を実施するための浸漬装置3および基体下端
部の拭取り処理のための拭取り材2を示す図である。
【図25】特開平5−2276号公報に開示された基体
下端部の感光層塗膜を剥離する端面塗膜剥離装置11を
示す図である。
【符号の説明】
21〜23,61〜63 塗膜除去装置 25 基体 25a 下端部 26 チャック装置 27,41〜54,66 スポンジ状構造体 28 基台 29 昇降機構 30 回転機構 37 切込み 38,70,72 支持部材 39 層間 40 隙間 65 トレイ 67 溶剤 68,69,71 ノズル 73 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 聡 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 下田 嘉英 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 喜多 康元 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 巽 千年 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森田 和茂 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 ▲角▼井 幹男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA54 EA16 EA38 EA43 4D075 BB20Z BB65Z DA10 DC21 4F042 AA03 DC00

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の基体をその軸心を略鉛直方向に
    支持し、該基体に、塗液中に浸漬した後、引上げる浸漬
    法によって塗膜を形成する工程と、 塗膜が形成された基体の浸漬方向下端部と基体よりも大
    きい直径を有する溶剤を染み込ませた多孔質弾性体とを
    接触させ、多孔質弾性体および基体のうちのいずれか一
    方を回転させることまたはその両方を相互に逆方向に回
    転させることによって基体下端部に形成された塗膜を除
    去する工程とを備えることを特徴とする塗膜除去方法。
  2. 【請求項2】 塗膜除去工程の後に、多孔質弾性体に向
    けて溶剤を噴出することによって多孔質弾性体を洗浄す
    る工程を含むことを特徴とする請求項1記載の塗膜除去
    方法。
  3. 【請求項3】 浸漬法によって塗膜が形成された円筒状
    の基体をその軸心方向を略鉛直方向に支持して保持する
    基体保持手段と、 基体よりも大きい直径を有する溶剤を染み込ませた多孔
    質弾性体と、 基体保持手段に対向して配置され、前記多孔質弾性体を
    保持する多孔質弾性体保持手段と、 基体保持手段と多孔質弾性体保持手段とを相対的に近接
    または離反させる第1の駆動手段と、 基体保持手段および多孔質弾性体保持手段のうちのいず
    れか一方を回転させるまたはその両方を相互に逆方向に
    回転させる第2の駆動手段とを備え、 第1駆動手段を駆動することによって多孔質弾性体保持
    手段に保持された多孔質弾性体と基体保持手段に保持さ
    れた基体の下端部とを接触させ、第2駆動手段を駆動す
    ることによって基体下端部に形成された塗膜を除去する
    ことを特徴とする塗膜除去装置。
  4. 【請求項4】 前記多孔質弾性体には基体下端部が嵌入
    する切込みが、基体の直径に応じて設けられていること
    を特徴とする請求項3記載の塗膜除去装置。
  5. 【請求項5】 前記切込みが異なる直径で同心円状に複
    数設けられていることを特徴とする請求項4記載の塗膜
    除去装置。
  6. 【請求項6】 前記多孔質弾性体保持手段は棒状の支持
    部材を有し、前記多孔質弾性体は支持部材に多層に巻回
    されて保持されることを特徴とする請求項3記載の塗膜
    除去装置。
  7. 【請求項7】 前記多孔質弾性体の基体への近接・離反
    方向における断面形状が、略半円形状、略三角形状およ
    び略台形状のうちのいずれかであり、 多孔質弾性体への基体押込量を制御することによって基
    体下端部の内面または内外面に形成された塗膜を除去す
    ることを特徴とする請求項3記載の塗膜除去装置。
  8. 【請求項8】 前記多孔質弾性体が基体内面に面接触し
    ていることを特徴とする請求項7記載の塗膜除去装置。
  9. 【請求項9】 前記多孔質弾性体が基体内面に多点接触
    していることを特徴とする請求項7記載の塗膜除去装
    置。
  10. 【請求項10】 浸漬法によって塗膜が形成される円筒
    状の基体をその軸心方向を略鉛直方向に支持して保持す
    る基体保持手段と、 基体よりも大きい直径を有する多孔質弾性体と、 溶剤を収容するトレイであって、その底板に前記多孔質
    弾性体が固定されたトレイと、 基体保持手段に対向して配置され、前記多孔質弾性体が
    固定されたトレイを保持するトレイ保持手段と、 基体保持手段とトレイ保持手段とを相対的に近接または
    離反する第1の駆動手段と、 基体保持手段およびトレイ保持手段のうちのいずれか一
    方を回転させるまたはその両方を相互に逆方向に回転さ
    せる第2の駆動手段とを備え、 第1駆動手段を駆動することによってトレイ保持手段に
    保持されたトレイに固定された多孔質弾性体と基体保持
    手段に保持された基体の下端部とを接触させ、第2駆動
    手段を駆動することによって基体下端部に形成された塗
    膜を除去することを特徴とする塗膜除去装置。
  11. 【請求項11】 前記トレイに収容された溶剤の液面と
    基体下端面とが同じ高さに設定されることを特徴とする
    請求項10記載の塗膜除去装置。
  12. 【請求項12】 前記基体は、少なくとも表面が導電性
    を有し、該基体に感光層用の塗膜を形成した後、基体下
    端部の塗膜を除去することによって、画像形成装置に搭
    載される像担持体と成り、 基体の下端面から該基体表面の像担持領域の下端面まで
    の間に、前記トレイの側壁の上端面が配置されることを
    特徴とする請求項10または11記載の塗膜除去装置。
  13. 【請求項13】 前記トレイに固定された多孔質弾性体
    に向けて溶剤を噴出する溶剤噴出手段をさらに備え、 溶剤噴出手段を駆動することによって多孔質弾性体を洗
    浄することを特徴とする請求項10記載の塗膜除去装
    置。
  14. 【請求項14】 前記溶剤噴出手段はトレイの外部に設
    けられたノズルを備え、 ノズルから溶剤を噴出して多孔質弾性体を洗浄すること
    を特徴とする請求項13記載の塗膜除去装置。
  15. 【請求項15】 前記溶剤噴出手段は多孔質弾性体によ
    って全面が覆われてトレイの底板に設けられたノズルを
    備え、 ノズルから溶剤を噴出して多孔質弾性体を洗浄すること
    を特徴とする請求項13記載の塗膜除去装置。
  16. 【請求項16】 前記溶剤噴出手段は、トレイの底板に
    固定された支持部材と、支持部材の上面に設けられるノ
    ズルであって、トレイ底板方向に臨む噴出口を有するノ
    ズルとを備え、 前記多孔質弾性体は支持部材の側面に固定されて、該支
    持部材を介してトレイの底板に固定され、 前記ノズルから溶剤を噴出して多孔質弾性体を洗浄する
    ことを特徴とする請求項13記載の塗膜除去装置。
  17. 【請求項17】 前記溶剤噴出手段はトレイの底板に固
    定された支持部材であって、その上端部にトレイ底板方
    向に傾斜した溶剤噴出スリットを有する支持部材を備
    え、 前記多孔質弾性体は支持部材の側面に固定されて、該支
    持部材を介してトレイの底面に固定され、 前記スリットから溶剤を噴出して多孔質弾性体を洗浄す
    ることを特徴とする請求項13記載の塗膜除去装置。
  18. 【請求項18】 前記多孔質弾性体がセルロースから成
    ることを特徴とする請求項3〜17のうちのいずれか記
    載の塗膜除去装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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