JP2001157818A - 脱硫装置の吸収塔と脱硫方法 - Google Patents

脱硫装置の吸収塔と脱硫方法

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JP2001157818A
JP2001157818A JP34278199A JP34278199A JP2001157818A JP 2001157818 A JP2001157818 A JP 2001157818A JP 34278199 A JP34278199 A JP 34278199A JP 34278199 A JP34278199 A JP 34278199A JP 2001157818 A JP2001157818 A JP 2001157818A
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gas
absorption tower
spray
downstream side
upstream side
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JP34278199A
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English (en)
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Hirohisa Yasu
裕寿 安
Takeo Komuro
武勇 小室
Akira Kato
加藤  明
Ken Amano
研 天野
Shigeru Nozawa
滋 野沢
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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  • Chimneys And Flues (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収塔100、ミストエリミネータ112及
びガス・ガス熱交換器102を連結するダクトワークを
できるだけ単純化し、重量物はできるだけ低い位置に配
置することで、その架台を軽量化することができる。脱
硫装置の建設コストを安くするには、このようなダクト
ワークを単純化し、吸収塔100をコンパクト化した吸
収塔を提供すること。 【解決手段】 吸収塔100の内部空間を被処理ガス1
08の流れを調節する鉛直方向に配置された隔壁板11
0により前流側115と後流側116に仕切り、吸収塔
100の天井部との間に前流側115と後流側116に
わたるガス流路122を形成する。後流側116のガス
流路の平均ガス流速が、吸収塔100に排ガスを導入す
るために設けられた煙道ダクトの平均ガス流速より遅
く、前流側115を流れる平均ガス流速より早くなるよ
うに前流側115と後流側116の各ガス流路断面積を
隔壁板110により仕切る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火力発電ボイラの
燃焼排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置の吸収塔
構成に関するもので、特に低コスト化を指向する吸収塔
構成に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電出力が100万キロワットの発
電プラントに設置する脱硫装置で処理するガス量は単位
時間あたり約330万立方メートルとなる。現在稼動し
ている脱硫装置は、湿式石灰・石膏法と呼ばれる脱硫装
置が主流になっている。この湿式石灰・石膏法脱硫装置
は、被処理ガスと吸収液を効率よく接触させる吸収塔の
構成が提案されている。この吸収塔の塔高は20〜30
メートルにもなる。
【0003】湿式石灰・石膏法の脱硫装置は、乾式脱硫
装置に比べ脱硫性能が高くできるが、吸収塔に導入する
被処理ガスの温度を100℃近くまで冷却する必要があ
る。吸収塔に導入された被処理ガスは、吸収液と接触す
ることで脱硫と同時に断熱冷却され、吸収塔出口のガス
は約50℃の飽和水蒸気を含むものとなる。この飽和水
蒸気のガスは、そのまま大気に放出すると煙突から白煙
を発生するので、吸収塔出口のガスは再度100℃近傍
まで加熱する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この吸収塔出口ガスの
加熱には、吸収塔に導入する高温の燃焼排ガスと熱交換
することにより行う。脱硫装置に導入するガスの冷却と
吸収塔出口ガスの加熱は後述するガス・ガス熱交換器に
より行われる。この脱硫装置に導入するガスの冷却と吸
収塔出口ガスの加熱を行うためのガス・ガス熱交換器と
吸収塔を連結する煙道ダクトの配管(ダクトワーク)は
複雑な構成であり、脱硫装置の建設コストのかなりの比
率を占めている。従って、吸収塔と煙道ダクトを連結す
るダクトワークを単純化する吸収塔構成が望まれてい
る。
【0005】本発明の課題は、脱硫性能を従来技術と同
等に維持しながら、吸収塔のガス出口部に設けるミスト
エリミネータの設置高さを低くして、その架台等のダク
トワークの軽量化を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、燃
焼排ガスを導入して石灰スラリを含む吸収液と接触させ
て前記排ガス中の硫黄酸化物を吸収・除去する湿式石灰
・石膏法脱硫装置の吸収塔において、吸収塔側壁に設け
たガス入口部から塔内に導入したガスの上昇流を形成す
る前流側のガス流路と吸収塔側壁に設けたガス出口部に
向けてガスの下降流を形成する後流側のガス流路に仕切
り、かつ天井部に前流側と後流側を連絡するガス流路を
形成する隔壁板を設置し、前流側と後流側のガス流路に
それぞれ気液接触装置を設け、さらに後流側のガス流路
の平均ガス流速が、吸収塔に排ガスを導入するために設
けられた煙道ダクトの平均ガス流速より遅く、前流側の
ガス流路を流れる平均ガス流速より早くなるように前流
側と後流側の各ガス流路の断面積の大きさを隔壁板によ
り仕切る湿式石灰・石膏法脱硫装置の吸収塔により解決
される。
【0007】本発明によれば吸収塔内に隔壁板を設け、
ガス流れを調整するようにしたものであるから、吸収塔
のガス入口部とガス出口部を低い高さレベルに配置する
ことができ、ガス入口部に接続する煙道およびガス出口
ダクト内部に設けるミストエリミネータの架台等のダク
トワークの軽量化と吸収塔のコンパクト化ができる。
【0008】また、前流側と後流側に設置する気液接触
装置に吸収液スプレ方式の気液接触装置を設置する場合
には、気液接触装置に用いられるスプレヘッダの一端は
吸収塔の側壁に、他端を隔壁板に支持させることがで
き、堅牢なスプレヘッダの支持構造が得られる。
【0009】また、噴霧された吸収液滴へのSO吸収
速度は、液滴を基準とすると、ガスとの相対速度が大き
くなるほど高くすることができる。液滴へのSO吸収
速度は、液滴の周りに存在するガス側、液側の境膜抵抗
に支配され、それぞれの物質移動抵抗の逆数に比例す
る。この物質移動速度はガス流速が高くなるほどガス境
膜の厚さが薄くなり、ガス境膜抵抗が小さくなるために
SO吸収速度が高められる。
【0010】また、液滴とガスの相対速度が大きくなる
と液滴内に循環流が発生し、液側の境膜厚さが薄くな
り、SO吸収速度が高められる。従って、スプレノズ
ルから吸収液を噴霧する場合にも液滴の噴霧速度を高
め、ガス流速を高めることが脱硫性能を高めるのに有効
に作用し、本発明の隔壁板を吸収塔内に設置することが
脱硫性能面から有効である。本発明のように吸収塔内を
隔壁板で仕切る構成とすると、従来技術と吸収塔の塔径
を同じにするには、前流側、後流側を流れるガス流速は
必然的に速くなる。
【0011】また、液滴とガスの相対速度を高める手段
としてガス流れ方向に対して反対方向に吸収液をスプレ
ノズルから噴霧する向流噴霧方式にすることにより、ガ
ス流れ方向と同じ並流噴霧方式に比べて、より脱硫性能
を高めることができる。
【0012】しかし、向流噴霧方式は並流噴霧方式より
通風損失が高くなるので、隔壁板で仕切られる前流側と
後流側に設置するスプレノズルを向流噴霧方式のものと
並流噴霧方式のものと組み合わせる方法または前流側と
後流側に設置するスプレノズルへの気液流量比などを最
適化する必要がある。例えば、吸収塔の後流側を流れる
単位ガス量と接触させる吸収液量を前流側のそれよりも
少なくするように調整することで、ガス流速を前流側で
早くし、後流側で遅くする(煙道とほぼ同速度)ことが
できる。
【0013】脱硫性能を高め、通風損失をある程度調整
するために、前流側ではガス流れ方向と反対方向となる
向流噴霧方式とし、後流側ではガス流れ方向と同じ方向
である並流噴霧方式とすること、または、前流側と後流
側でガス流れ方向に対してすべて並流噴霧方式とするこ
となど、吸収液噴霧方式を適宜組み合わせることができ
る。さらに、前流側に設置する吸収液の噴霧用に複数の
スプレ段を設置し、各スプレ段に設けられるスプレノズ
ルの口径を互いに異径とし、ガス入口部に近いスプレ段
のスプレノズルほど、その口径を小さくする方法で噴霧
液滴径を調整することができ、この方法によっても脱硫
性能を高めることができる。
【0014】本発明の吸収塔では、吸収塔のガス入口部
とガス出口部の位置関係は、水平方向で同一高さレベル
に配置されるが、それぞれの開口面積が異なるので、水
平方向の投影面積の一部が重なり合うように配置し、し
かもガス入口部とガス出口部の煙道ダクトと吸収塔との
連結部は水平より数度だけ上方向に傾斜させるような構
成にすることで吸収液が煙道ダクト内に入ることを防ぐ
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
と共に説明する。湿式石灰・石膏法脱硫装置の吸収塔周
りの熱交換器と吸収塔を連結する煙道ダクトのダクトワ
ークを図2により説明する。
【0016】図示しないボイラからの燃焼排ガス101
は、ガス・ガス熱交換器102により100℃近傍に冷
却され、冷却された燃焼排ガス106を電気集塵機10
5に導き、脱塵した後に吸収塔(この図2では、従来型
の吸収塔で説明)100に導入する。吸収塔100に導
入された燃焼排ガス108は脱硫と同時に断熱冷却さ
れ、吸収塔100の出口ガスとなる。吸収塔出口ガス1
09は約50℃の飽和水蒸気としてガス・ガス熱交換器
102に導かれ、加熱される。吸収塔出口ガスはガス・
ガス熱交換機102で約100℃に加熱されて煙突10
7から大気に放出される。
【0017】従来の吸収塔100の構成を図9に示す。
吸収塔100に側壁から導入された被処理ガス108
は、吸収塔100内を上昇し、噴霧される吸収液119
と接触して脱硫と同時に断熱冷却され、吸収塔出口ガス
109となる。吸収塔出口ガス109は吸収塔100と
直結するミストエリミネータ112部分で該ガス中のミ
ストが除去され、図2で説明したようにガス・ガス熱交
換機102に送られ、ここで加熱される。
【0018】従来の吸収塔100の高さは20〜30メ
ートルであるが、吸収塔100のミストエリミネータ1
12を出たガス109をガス・ガス熱交換機102に導
入するために吸収塔100の被処理ガスのダクトライン
の高さまで下げる必要がある。
【0019】また、吸収塔100のガス出口部に設けら
れるミストエリミネータ112は、重量物であり、これ
を20〜30メートルの高さで支える必要があり、耐震
構造などから架台は重装備物になる。従って、吸収塔1
00、ミストエリミネータ112及びガス・ガス熱交換
器102を連結するダクトワークをできるだけ単純化
し、重量物はできるだけ低い位置に配置することで、そ
の架台を軽量化することができる。脱硫装置の建設コス
トを安くするには、このようなダクトワークを単純化
し、吸収塔100をコンパクト化した吸収塔構成が要求
される。
【0020】本発明の実施の形態では、このような課題
を解決するもので、図1に示す吸収塔の構成を有するも
のである。図1において、吸収塔100の内部空間は被
処理ガス108の流れを調節する鉛直方向に配置された
隔壁板110により前流側115と後流側116に仕切
られる。隔壁板110は吸収液119が溜められている
吸収塔タンク130内にその下端部が浸漬されており、
その上端部は吸収塔100の天井部との間に前流側11
5と後流側116にわたるガス流路122を形成してい
る。
【0021】隔壁板110により前流側115と後流側
116に仕切られた吸収塔100内には、それぞれの被
処理ガス流路には気液接触装置121がそれぞれ設置さ
れており、吸収塔タンク130からポンプ131により
搬送流路120を経由して前記気液接触装置121に吸
収液119が送られ、気液接触装置121において吸収
液119が被処理ガス108中のSOガスを吸収し、
SOガスを吸収した吸収液119は吸収塔タンク13
0に再び落下する。また、吸収塔タンク130内の吸収
液119中の亜硫酸は空気をバブリングすることで酸化
される設備が設けられている。
【0022】吸収塔100の前流側115に導入される
被処理ガス108は、隔壁板110に沿って上昇し、気
液接触装置121で脱硫と同時に冷却される。前流側1
15の上部に上昇した吸収液は、ガス流路122で90
度反転する流れを形成し、隔壁板110で仕切られる後
流側116に導入される。後流側116に導入されたガ
スは、まず、気液接触装置121で脱硫と冷却が再度行
われ、その後、隔壁板110に沿って下降する流れとな
る。後流側116を下降する被処理ガス108は気液接
触装置121に供給される吸収液119により再度脱硫
と冷却がなされ、脱硫された処理ガス123となる。処
理ガス123は、吸収塔出口124に直結するミストエ
リミネータ112に導入されてミストが除去され、その
後、ガス・ガス熱交換器102(図2)に導入される。
吸収塔出口ガスはガス・ガス熱交換器102で約100
℃に加熱された後に煙突107(図2)から大気に放出
される。
【0023】図1の実施の形態において、気液接触装置
121にスプレ方式の気液接触装置を用いた場合の実施
の形態を図3に示す。スプレ方式の気液接触装置121
は、気液接触面積が大きくでき、かつ、通風損失も小さ
くできることから、多くの脱硫装置に採用されている。
スプレ方式の気液接触装置121は、ノズルから平均粒
径が2000〜3000ミクロンメートルの液滴を被処
理ガス108中に噴霧して液滴に燃焼排ガス中のSO
ガスを吸収させて脱硫を行う。
【0024】スプレ方式はガス流れに対して、図4の実
施の形態に示すように噴霧方法を121aの並流、12
1bの後流を使い分けることで脱硫性能や、通風損失を
ある程度調整できる点に特徴がある。
【0025】本発明のように吸収塔100内を隔壁板1
10で仕切る構成とする場合、従来法と吸収塔100の
塔径を同じにするには、前流側115、後流側116を
流れるガス流速は必然的に速くなる。従って、ガス流速
が高くなったときの液滴へのSOの吸収速度の影響を
明らかにする必要がある。そこで、SOガスを含むガ
スの流れる領域にスプレノズルから噴霧させた吸収液滴
へのSOガスの吸収速度に関してガス流速の影響につ
いて検討した。
【0026】SOの吸収実験はSOガスを含むガス
流れ場に吸収液滴を噴出させたときのSO吸収速度を
評価することで行った。その結果、噴霧された吸収液滴
へのSO吸収速度は、液滴を基準とすると、ガスとの
相対速度が大きくなるほど高くできることが分かった。
【0027】液滴へのSO吸収速度は、液滴の周りに
存在するガス側、液側の境膜抵抗に支配され、それぞれ
の物質移動抵抗の逆数に比例する。この物質移動速度は
ガス流速が高くなるほどガス境膜の厚さが薄くなり、ガ
ス境膜抵抗が小さくなるためにSO吸収速度が高めら
れる。
【0028】また、液滴とガスの相対速度が大きくなる
と液滴内に循環流が発生し、液側の境膜厚さが薄くな
り、SO吸収速度が高められることが明らかになっ
た。
【0029】従って、スプレノズルから吸収液を噴霧す
る場合にも液滴の噴霧速度を高め、ガス流速を高めるこ
とが脱硫性能を高めるのに有効に作用することが明らか
になり、本発明の隔壁板110を吸収塔100内に設置
することが脱硫性能面から有効であることが明らかにな
った。
【0030】また、液滴とガスの相対速度を高める手段
としてガス流れ方向に対し反対方向に吸収液をスプレノ
ズルから噴霧する向流噴霧方式にすることにより、ガス
流れ方向と同じ並流噴霧方式に比べて、より脱硫性能を
高めることができる。
【0031】しかし、向流噴霧方式は並流噴霧方式より
通風損失が高くなるので、隔壁板110で仕切られる前
流側115と後流側116に設置するスプレノズルを向
流噴霧方式のものと並流噴霧方式のものと組み合わせる
方法または前流側115と後流側116に設置するスプ
レノズルへの気液流量比などを最適化することが必要に
なる。
【0032】向流噴霧方式と並流噴霧方式を組み合わせ
た吸収塔構成の実施の形態を図4に示す。図4の実施の
形態は吸収塔100内に設置する隔壁板110により前
流側115と後流側116で、それぞれ向流と並流の噴
霧方式とした吸収塔構成について示す。
【0033】さらに図4に示す例では、吸収塔100に
被処理ガス108を導入する前流側115の流路断面積
より後流側116の流路断面積を狭くし、ガス流速を調
整している。従来の吸収塔内のガス流速をVg(m/
s)とした場合、前流側115のガス流速は概略(1.
4〜1.6)Vg、後流側116のガス流速を煙道ダク
ト内流速と同程度とすることが妥当である。
【0034】吸収塔構成では、前流側115に設置する
気液接触装置121は、向流噴霧方式のスプレノズルと
し、後流側116には並流噴霧方式のスプレノズルを設
置する吸収塔構成が有効である。さらに、図4に示す実
施の形態において、脱硫性能と通風損失を最適にする手
段として、単位処理ガス量G(mN)当りに接触させ
る吸収液量L(リットル)、すなわち気液流量比L/G
を調整する方法がある。
【0035】従来の吸収塔構成でL/GをR(リットル
/mN)で運用するのであれば、図4の実施の形態に
示す吸収塔構成の前流側115の向流噴霧のスプレノズ
ルのL/Gは(0.5〜0.8)Rとし、後流側116
の並流噴霧のスプレノズルからのL/Gを(0.2〜
0.5)Rでの運用が好ましい。
【0036】また、従来法では気液接触装置121に吸
収液を搬送するスプレヘッダは吸収塔100の塔壁側の
一方で支えていたが、本発明の実施の形態では図5に示
すように吸収塔100の塔壁側でスプレヘッダ135の
一端を支え、隔壁板110でスプレヘッダ135の他端
を固定することができるので、スプレヘッダ135の構
造が簡単になる。
【0037】本発明の実施の形態の吸収塔構成では、吸
収塔100にガスを導入するガス入口部とガス出口部の
位置関係は、水平方向で同一高さレベルに配置される
が、それぞれの開口面積が異なるので、水平方向の投影
面積の一部が重なり合う。
【0038】また、ガス入口部とガス出口部は図6に示
すように、前流側115および後流側116の気液接触
装置121から供給される吸収液119が吸収塔タンク
130に落下してくるので、ガス入口部とガス出口部の
煙道ダクト125と吸収塔100との連結部は水平より
数度(角度θ)だけ上方向に傾斜させるような構成にす
ることが望ましい。このような構成で吸収液119をダ
クト125内に入ることを防止できる。
【0039】本発明に関する実験結果、前流側115の
気液接触装置121に設置するスプレノズルはガス流れ
に対して向流噴霧方式にすることで脱硫性能を高くでき
るが通風損失が大きくなる。そこで前流側115の気液
接触装置121に設置するスプレノズルの通風損失を低
減する方法として、図7の実施の形態に示すように吸収
塔100内のガス流路の前流側115と後流側116に
設置するスプレノズルの吸収液噴霧方向をガス流れ方向
に対して並流とする配置が有効である。
【0040】また、図7の実施の形態において、前流側
115に設置する各スプレ段のノズル口径を異径とする
ことで液滴径を調整することができ、この方法によって
も脱硫性能を高めることができる。
【0041】すなわち、前流側115のガス流路の排ガ
ス流速が8m/s程度にもなるとスプレノズルから噴霧
される液滴の中で、小さい液滴は終端速度に達してガス
流に同伴して飛散する。この飛散する液滴を図8の実施
の形態に示すように前流側115の上部段のスプレ段か
ら噴霧する粒径の大きな液滴径に衝突させることも可能
である。
【0042】
【発明の効果】本発明によればダクトワークを単純化し
て吸収塔構成として、吸収塔内に隔壁板を設け、ガス流
れを調整するようにしたものであるから、吸収塔のガス
出口部に直結するミストエリミネータの設置位置を吸収
塔へのガス入口部と同じ高さにすることができ、ミスト
エリミネータの架台等のダクトワークの軽量化と吸収塔
のコンパクト化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の代表的な吸収塔の構成を示す。
【図2】 吸収塔、ガス・ガス熱交換器間のダクトワー
クを示す。
【図3】 本発明の気液接触装置にスプレ方式を用いた
場合の吸収塔構成の代表例を示す。
【図4】 気液接触装置にスプレ方式を採用した向流、
並流噴霧方式の組み合わせ構成を示す。
【図5】 スプレヘッダを隔壁板に固定する構成を示
す。
【図6】 吸収塔へのガス導入煙道ダクト及び吸収塔出
口からミストエリミネータに直結する煙道ダクトの連結
構成を示す。
【図7】 スプレ方式として全てを並流噴霧方式とする
例を示す。
【図8】 前流側に設置するスプレ段のノズル口径を異
径とした例を示す。
【図9】 従来法の吸収塔構成を示す。
【符号の説明】 100 吸収塔 101、106
燃焼排ガス 102 ガス・ガス熱交換器 105 電気集塵
機 107 煙突 108 被処理ガ
ス 109 吸収塔出口ガス 110 隔壁板 112 ミストエリミネータ 115 前流側ガ
ス流路 116 後流側ガス流路 119 吸収液 120 搬送流路 121 気液接触
装置 122 ガス流路 123 処理ガ
ス、スプレノズル 124 吸収塔出口 125 煙道ダク
ト 130 吸収塔タンク 131 循環ポン
プ 135 スプレヘッダ
フロントページの続き (72)発明者 加藤 明 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 天野 研 茨城県日立市大みか町7丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 野沢 滋 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉事業所内 Fターム(参考) 3K070 DA03 DA23 4D002 AA02 BA02 CA01 DA05 DA11 EA03 FA03 4D020 AA06 BA02 BA08 BB03 CB27 CC07 CC08 CC09 CD01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼排ガスを導入して石灰スラリを含む
    吸収液と接触させて前記排ガス中の硫黄酸化物を吸収・
    除去する湿式石灰・石膏法脱硫装置の吸収塔において、 吸収塔側壁に設けたガス入口部から塔内に導入したガス
    の上昇流を形成する前流側のガス流路と吸収塔側壁に設
    けたガス出口部に向けてガスの下降流を形成する後流側
    のガス流路に仕切り、かつ天井部に前流側と後流側を連
    絡するガス流路を形成する隔壁板を設置し、前流側と後
    流側のガス流路にそれぞれ気液接触装置を設け、さらに
    後流側のガス流路の平均ガス流速が、吸収塔に排ガスを
    導入するために設けられた煙道ダクトの平均ガス流速よ
    り遅く、前流側のガス流路を流れる平均ガス流速より早
    くなるように前流側と後流側の各ガス流路の断面積の大
    きさを隔壁板により仕切ることを特徴とする湿式石灰・
    石膏法脱硫装置の吸収塔。
  2. 【請求項2】 前流側と後流側に設置する気液接触装置
    に吸収液スプレ方式の気液接触装置を設置することを特
    徴とする請求項1記載の湿式石灰・石膏法脱硫装置の吸
    収塔。
  3. 【請求項3】 吸収液スプレ方式の気液接触装置に用い
    られるスプレヘッダの一端は吸収塔の側壁に、他端を隔
    壁板に支持させることを特徴とする請求項2記載の湿式
    石灰・石膏法脱硫装置の吸収塔。
  4. 【請求項4】 気液接触装置の吸収液の噴霧方式は、前
    流側ではガス流れ方向と反対方向となる向流噴霧方式と
    し、後流側ではガス流れ方向と同じ方向である並流噴霧
    方式とするか、又は前流側では並流噴霧方式とし、後流
    側では向流噴霧方式とすることを特徴とする請求項2記
    載の湿式石灰・石膏法脱硫装置の吸収塔。
  5. 【請求項5】 気液接触装置の吸収液の噴霧方式は、前
    流側と後流側でガス流れ方向に対してすべて並流噴霧方
    式、又はすべて向流噴霧方式とすることを特徴とする請
    求項2記載の湿式石灰・石膏法脱硫装置の吸収塔。
  6. 【請求項6】 前流側に設置する吸収液の噴霧用に複数
    のスプレ段を設置し、各スプレ段に設けられるスプレノ
    ズルの口径を互いに異径とし、ガス入口部に近いスプレ
    段のスプレノズルほど、その口径を小さくしたことを特
    徴とする請求項2記載の湿式石灰・石膏法脱硫装置の吸
    収塔。
  7. 【請求項7】 ガス入口部とガス出口部の各水平方向の
    投影断面積の一部分が重なるようにガス入口部とガス出
    口部を設置することを特徴とする請求項1記載の湿式石
    灰・石膏法脱硫装置の吸収塔。
  8. 【請求項8】 ガス入口部とガス出口部にそれぞれ連結
    する煙道ダクトがガス入口部とガス出口部の連結部から
    水平よりそれぞれ上方向に傾斜させて接続していること
    を特徴とする請求項7記載の湿式石灰・石膏法脱硫装置
    の吸収塔。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の湿式石灰・石膏法脱硫装
    置の吸収塔の後流側を流れる単位ガス量と接触させる吸
    収液量を前流側のそれよりも少なくするように調整する
    ことを特徴とする湿式石灰・石膏法による脱硫方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100372595C (zh) * 2006-03-30 2008-03-05 国电科技环保集团有限公司 烟气脱硫吸收塔入口段斜板装置
CN110026072A (zh) * 2019-05-21 2019-07-19 广元揽山环保科技有限公司 一种烟气脱硫超低排放吸收塔以及烟气脱硫超低排放工艺

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