JP2001157477A - 位置・速度制御装置およびこれを用いたステージシステム - Google Patents

位置・速度制御装置およびこれを用いたステージシステム

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JP2001157477A
JP2001157477A JP33469399A JP33469399A JP2001157477A JP 2001157477 A JP2001157477 A JP 2001157477A JP 33469399 A JP33469399 A JP 33469399A JP 33469399 A JP33469399 A JP 33469399A JP 2001157477 A JP2001157477 A JP 2001157477A
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noise
motor
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Masamichi Tomita
正道 富田
Yuji Hosoda
祐司 細田
Ken Fujii
憲 藤井
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御に悪影響を与えるような大きな応答の遅
れなどを伴うことなく、ノイズを確実に除去して指令速
度への高精度な追従を可能とする位置・速度制御装置の
提供。 【解決手段】 モータ1により駆動されることで移動す
る被駆動部3の駆動速度と位置を制御するために、モー
タの回転速度を検出する回転速度検出手段13と、被駆
動部の位置を検出する位置検出手段15とを備えた位置
・速度制御装置において、回転速度検出手段の回転軸の
角変位が当該回転速度検出手段の出力信号12にノイズ
を発生する領域にあるか否かを位置検出手段からの出力
信号16に基づいて判別し、この判別に基づいて回転速
度検出手段からの出力信号のノイズを除去するようにし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータを駆動源と
する移動機構における被駆動部の位置及び速度をフィー
ドバック制御する位置・速度制御装置に関し、特にモー
タの回転速度を検出する回転速度検出手段の出力信号に
発生するノイズを除去して指令速度への高精度な追従を
可能とし、例えば電子線描画装置に用いられるステージ
システムのように、きわめて高い精度での制御が求めら
れる場合に好適な位置・速度制御装置およびそれを用い
たステージシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】モータの回転により直接的または間接的
に被駆動部を駆動するシステムにおいては、一般に被駆
動部の速度制御がなされ、そのために速度検出がなされ
る。この速度検出は、被駆動部から直接に検出する場合
もあるが、被駆動部に適切な速度検出手段を設けること
ができない場合などさまざまな理由から、モータの回転
速度からなされる場合も少なくない。モータの回転速度
として速度検出を行うための速度検出手段には例えばタ
コジェネレータ(速度発電機)のように、モータの回転
軸に同軸的に接続される回転形の速度検出手段が用いら
れるのが一般的である。このような回転速度検出手段
は、一般にその内部構造に起因するノイズを発生し、こ
のノイズが出力信号に重畳するのを避けられない。した
がって高精度な速度制御を行うためにはこのノイズを除
去する必要がある。
【0003】従来のノイズ除去法としては、例えば特開
平5−155543号公報に記載のように、過去の速度
出力値を用いて現在速度の修正値ないしは推定値を演算
するフィルタリングが一般に用いられている。また回転
速度検出手段の出力信号のノイズ発生の有無を判定して
速度信号の切換えを行う装置として、特開平5−260
780号公報に記載のように、回転速度検出手段の速度
信号が速度変動範囲を越えている場合には速度推定器に
より推定された速度に切換える装置も考案されている。
また特開平6−301425号公報に記載のように、ノ
イズ発生時の速度信号を基準信号と比較することにより
エラー発生を判定し、エラー発生の場合には速度信号を
指令速度信号に置換えてモータの速度制御を行う装置も
考案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、タコジ
ェネレータなどのような回転形の速度検出手段ではノイ
ズの発生を避けがたく、指令速度への追従性の高い制御
とするためにはこのノイズを除去する必要があり、その
方法として上記のごとき種々の方法が考案されている。
しかしこれらの方法は以下のような問題を抱えている。
【0005】例えば上記の特開平5−155543号公
報におけるようなフィルタリング法には、回転速度検出
手段におけるリップルノイズの周波数がモータの駆動速
度に応じて変化することに起因する問題がある。すなわ
ちフィルタリング操作によって特定周波数のノイズを除
去する方法では、フィルタのカットオフ周波数が小さく
なり、リップルノイズを効果的に除去することが困難と
なる。これについては、フィルタのカットオフ周波数を
可変に設定できるデジタルフィルタを適用することが考
えられる。しかしその場合でも、フィルタ設置に伴い出
力にかなりの遅延を付加することになり、位相遅れの発
生により系の安定性を損うおそれがある。また速度指令
波形の周波数域がリップルノイズの周波数域と重なり合
えば、フィルタリング操作によって速度指令波形が歪
み、速度が指令値に正しく追従しないおそれもある。
【0006】また上記の特開平5−260780号公報
や特開平6−301425号公報に記載の技術では、信
号出力値の適否を判定するために判定時間を要し、その
ために応答にかなり大きな遅れを生じるという問題があ
る。特にこのような応答の遅れは、タコジェネレータの
ようなアナログ機器における高応答性の利点を失わせる
という点で好ましくない。
【0007】本発明は、以上のような事情を背景にして
なされたものであり、制御に悪影響を与えるような大き
な応答の遅れなどを伴うことなく、ノイズを確実に除去
して指令速度への高精度な追従を可能とする位置・速度
制御装置の提供を目的とし、またこれを用いたステージ
システムの提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、モータにより駆動されることで移動する
被駆動部の駆動速度と位置を制御するために、前記モー
タの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記被駆
動部の位置を検出する位置検出手段とを備えた位置・速
度制御装置において、前記回転速度検出手段の回転軸の
角変位が当該回転速度検出手段の出力信号にノイズを発
生する領域にあるか否かを前記位置検出手段からの出力
信号に基づいて判別し、この判別に基づいて前記回転速
度検出手段からの出力信号のノイズを除去できるように
なっていることを特徴としている。
【0009】また上記目的を達成するために本発明で
は、モータにより駆動されることで移動する被駆動部の
駆動速度と位置を制御するために、前記モータの回転速
度を検出する回転速度検出手段と、前記被駆動部の位置
を検出する位置検出手段とを備えた位置・速度制御装置
において、前記回転速度検出手段の回転軸の角変位が当
該回転速度検出手段の出力信号にノイズを発生する領域
にあるか否かを前記位置検出手段からの出力信号に基づ
いて判別する判別手段と、前記回転速度検出手段からの
出力信号を一時的に保持できるようにされているととも
に、前記判別手段による判別に応じて、前記回転速度検
出手段の回転軸の角変位がノイズ発生領域にある場合に
は当該ノイズ発生領域とその直前のノイズ発生領域との
間のノイズ発生領域外で検出されて前記一時保持をなさ
れている信号を速度フィードバック用の出力信号とする
選択を行うことができるようにされている選択手段とを
備えたことを特徴としている。
【0010】また上記目的を達成するために本発明で
は、モータと、前記モータの回転角速度を検出する回転
速度検出手段と、前記モータにより直線動をなすように
駆動される可動部を有するステージと、前記ステージの
可動部の位置を検出する位置検出手段とを備えたステー
ジシステムにおいて、前記回転速度検出手段の回転軸の
角変位が当該回転速度検出手段の出力信号にノイズを発
生する領域にあるか否かを前記位置検出手段からの出力
信号に基づいて判別し、この判別に基づいて前記回転速
度検出手段からの出力信号のノイズを除去できるように
された制御手段を備えたことを特徴としている。
【0011】また上記目的を達成するために本発明で
は、モータと、前記モータの回転角速度を検出する回転
速度検出手段と、前記モータにより直線動をなすように
駆動される可動部を有するステージと、前記ステージの
可動部の位置を検出する位置検出手段と、前記回転速度
検出手段からの出力信号と前記位置検出手段からの出力
信号に基づいて前記可動部の駆動速度と位置を制御する
位置・速度制御装置とを備えたステージシステムにおい
て、前記位置・速度制御装置は、前記回転速度検出手段
の回転軸の角変位が当該回転速度検出手段の出力信号に
ノイズを発生する領域にあるか否かを前記位置検出手段
からの出力信号に基づいて判別する判別手段と、前記回
転速度検出手段からの出力信号を一時的に保持できるよ
うにされているとともに、前記判別手段による判別に応
じて、前記回転速度検出手段の回転軸の角変位がノイズ
発生領域にある場合には当該ノイズ発生領域とその直前
のノイズ発生領域との間のノイズ発生領域外で検出され
て前記一時保持をなされている信号を速度フィードバッ
ク用の出力信号とする選択を行うことができるようにさ
れている選択手段とを備えていることを特徴としてい
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1に、第1の実施形態による位置・速度制
御装置の構成を示し、図2に、図1の位置・速度制御装
置を適用することのできる、モータ、被駆動部および速
度制御器からなるシステムの一般的な構成を示す。
【0013】まず図2のシステムについてその概略を説
明する。このシステムは、モータ1により被駆動部3に
例えば1軸方向の直線移動動作をなさせるとともに、被
駆動部3の駆動速度と位置を位置・速度制御器17によ
り制御するものである。図で位置・速度制御器17は、
差分部5A、速度指令演算部5、差分部5B、速度補償
器8より成るが、実際にはこの他にもプリセット手段や
信号6、9等を表示する表示器等を持っている。制御器
17はアナログ形もディジタル形もありうる。モータ1
には、伝動機構2を介して、被駆動部3が連結されてい
る。与えられた変位目標値と検出した位置信号4とか
ら、速度指令演算部5により速度目標値6が演算され
る。速度補償器8にはその時点で検出された速度と速度
目標値6との偏差である速度偏差9が与えられ、これに
応じた速度補償器8の出力によりサーボアンプ10がモ
ータ1に電流を供給する。モータ1の回転軸の回転速度
はモータ1の回転軸に接続された回転速度検出手段13
が検出し、回転速度検出手段13は速度信号12を電圧
信号の形態で出力する。この回転速度検出手段13には
タコジェネレータなどが用いられる。モータ1の回転軸
の角変位(モータ1の駆動力)14は伝動機構2により
被駆動部3に伝達され、これにより被駆動部3が移動す
る。この被駆動部3の移動に伴う位置変位は、モータ1
の回転軸の角変位14として位置検出手段15で検出す
る。位置検出手段15は角変位信号16を出力する。位
置検出手段15にはロータリエンコーダなどを用いるこ
とができ、ロータリエンコーダを用いる場合にはその角
変位信号16がパルスの形態となる。その場合には、カ
ウンタ30を介在させ、このカウンタ30の出力により
位置フィードバック信号である上記の位置信号4を生成
する。このように図の例では被駆動部3の位置変位をモ
ータ1の回転軸の角変位14に基づいて検出している
が、この構成は、後述する他の実施形態における場合の
ように、被駆動部3の移動を直接的に検出するような構
成に代えることもできる。一方、回転速度検出手段13
からの速度信号12は、後述するような選択手段により
選択されて速度フィードバック用の出力信号19として
用いられる。
【0014】次に図1を参照して本発明の第1の実施形
態による位置・速度制御装置について説明する。図1は
第1の実施形態による位置・速度制御装置を図2のシス
テムに適用した例を示している。タコジェネレータなど
が用いられる回転速度検出手段13は、特定の回転角度
域において出力信号にノイズが発生するのを避けられな
いのが通常である。そのようなノイズを伴う回転速度検
出手段13からの速度信号12の波形の例を図3に示
す。横軸に位相角θ、縦軸に3つの速度ω1、ω2、ω
3例を示した。図3の横軸は回転速度検出手段13の回
転軸の位相角である。なお図1の例では回転速度検出手
段13の回転軸と位置検出手段15の回転軸とがともに
モータ1の回転軸に直接的に接続されており、したがっ
て回転速度検出手段13と位置検出手段15それぞれの
回転軸はモータ1の回転軸と同等である。回転速度検出
手段13の回転軸の1回転当たりにノイズが発生する回
数は回転速度検出手段13の仕様データとして予め知る
ことができる。これをN(p/r) とすると、ノイズは位相
角2π/Nごとに発生する。低速信号から高速信号にな
るにつれて、出力電圧値に対する変動分であるリップル
電圧の比(リップル率)とノイズ発生領域の位相角(ノ
イズ発生領域幅)は変化するものの、ノイズは常にほぼ
同位相で発生する。ここで、位置検出手段15の分解能
値をR(p/r) とすると、このRとノイズ発生回数Nには
R≫Nの関係を必要とする。
【0015】モータ1により駆動される被駆動部3の駆
動速度や位置を高精度で制御するためには上記のような
ノイズを除去する必要がある。そのノイズ除去について
の本発明における基本的な原理は以下の通りである。す
なわちタコジェネレータなどにおけるノイズの発生に上
記のような周期性があることに着目し、このことを利用
してノイズ発生領域を検出し、回転速度検出手段13の
回転軸の角変位(回転角度)がこのノイズ発生領域にあ
る状態で測定された速度信号12は速度フィードバック
用の出力信号19とせず、その代わりに当該ノイズ発生
領域とその直前のノイズ発生領域との間のノイズ発生領
域外に回転速度検出手段13の軸の角変位がある状態で
測定された速度信号12を速度フィードバック用の出力
信号19とするというものである。
【0016】このようなノイズ除去を実現するために本
発明では、回転速度検出手段13の回転軸の角変位がノ
イズ発生領域にあるか否かを判別する処理と、この判別
に基づいて速度フィードバック用の出力信号19とする
信号を選択する処理とを行う。前者の判別処理は、位置
・速度制御器17に判別手段として設けてあるマスクゲ
ート20が行い、後者の信号選択処理は、選択手段とし
て設けてあるサンプルホールド手段18が行う。
【0017】マスクゲート20における判別処理を可能
とするためには、ノイズ発生領域の幅(位相角)、判別
処理の始点を与える基準、およびこの基準から最初のノ
イズ発生領域までの位相角つまり初期位相角についての
データを必要とする。これらは位置・速度制御器17の
初期調整時などに設定する。まずノイズ発生領域の幅の
設定について説明する。
【0018】図4にノイズ発生領域の位相角の設定方法
の例を示す。図4は、インクリメンタル方式のロータリ
ーエンコーダを用いた位置検出手段15がほぼ一定速度
で回転中に発生する角変位信号16の元となるA相、B
相、及びZ相の信号と、回転速度検出手段13からの速
度信号12との同時実測データの時間変化を描いたもの
である。図4の横軸には(作業時に得られる波形とし
て)時間t(s)をとっているが、速度信号12に関しては
リップルノイズに対応する回転速度検出手段13の回転
軸の位相角も記入した。速度信号12におけるノイズ発
生周期に対応する角変位Δθは、図3に関して説明した
ようにノイズが位相角2π/Nごとに発生することか
ら、Δθ=2π/Nである。この速度信号12の波形
と、A相、B相の各パルス波形とから、実際にノイズが
発生する位相角(領域幅)の角変位Δθに対する割合a
の値を計算する。このaの値は、指令回転速度を幾通り
か変えて求め、もし回転速度に応じて変化する場合には
指令回転速度の関数の形で設定する。そのような設定
は、例えばアナログ回路を組むことで行うことができ
る。そして、実際にノイズが発生している領域aΔθの
前後に各々θ1、θ2の余裕(例えばθ1=θ2=aΔ
θ/2)を設け、合計でaΔθ+θ1+θ2(θ1=θ
2=aΔθ/2の場合は2aΔθ)なる幅を持つ位相角
領域をノイズ発生領域と定義する。
【0019】次に判別処理の始点を与える基準の設定と
初期位相角の設定方法を図5の例に基づいて説明する。
まず、モータ軸を一定方向に回転させ、これに応じて位
置検出手段(ロータリーエンコーダ)15がZパルス
(Z相のパルス)を発生したら、そのZパルスの発生時
点を判別処理の始点を与える基準とし、このZパルスの
発生時点から最初にノイズが発生するまでに発生するA
パルス(A相のパルス)の数Niを数える。図5の例で
はNi=3と数えられる。次に、ノイズ発生周期に対応
する角変位Δθ=2π/Nだけ回転する間に発生するA
パルスの数Nrを数える。本例ではNr=8と数えられ
る。ここで、回転速度検出手段13の回転軸の1回転当
たりのノイズ発生回数が上記のようにNであり、位置検
出手段15の分解能、つまり位置検出手段15が回転速
度検出手段13の回転軸の1回転当たり(これはモータ
1の軸の1回転当たりと同等であり、被駆動部3の単位
移動距離にも対応する)に発生するAパルスやBパルス
の数が上記のようにRであることから、Nr≒R/Nと
なる。
【0020】NiとNrが得られたら両者の比S=Ni
/Nrを計算する。本例ではS=3/8である。このS
からS・Δθを計算して角度に換算する。本例では約
2.36(rad)≒135度である。このようにして
Zパルス発生後の最初のノイズの開始時点を求めること
ができるので、これをノイズの発生に関する初期位相角
とし、これを予め与えられるデータとして位置・速度制
御器17に入力する。この初期位相角の入力後にそれが
正しく設定されていることを確認する必要のある場合に
は、位置・速度制御器17に付属するディスプレイ表示
器などで図5のような信号を表示してそれを行うことが
できる。なお、位置検出手段15をモータ1の回転軸に
直結させずに、例えばモータ1の回転出力をK倍に減速
する減速機の出力軸に接続する場合も、同様の方法で初
期位相角を入力することができる。
【0021】マスクゲート20は、以上のようにして予
め設定されているノイズ発生領域の幅と判別処理の始点
基準および初期位相角に基づいて、回転速度検出手段1
3の回転軸の角変位がノイズ発生領域にあるか否かを判
別し、その判別結果をサンプルホールド手段18に出力
する。そしてサンプルホールド手段18は、マスクゲー
ト20からの出力に応じて入力信号をそのまま出力する
か、サンプルホールドして出力するかの選択を行う。以
下このサンプルホールド手段18における処理について
説明する。
【0022】サンプルホールド手段18は、回転速度検
出手段13の軸の角変位がノイズ発生領域に至ったこと
を示す信号がマスクゲート20から出力されると、その
時点の速度信号12を、回転速度検出手段13の回転軸
の角変位がノイズ発生領域を通過するまでサンプルホー
ルドし、その間はこのホールドした信号を出力信号19
とする。一方、回転速度検出手段13の回転軸の角変位
がノイズ発生領域にない場合には速度信号12をそのま
ま出力信号19とする。サンプルホールド手段18によ
るサンプルホールド処理は、一例として0次ホールド、
つまりサンプリング時点の電圧値をそのまま維持するも
のであり、サンプルホールド手段18へ入力する速度信
号12は、図6に示す出力信号19のように値をホール
ドされてリップルノイズを消去される。なお0次ホール
ドに代えて1次ホールド処理を行う場合、つまりホール
ド値に1次関数で外挿する場合の出力信号19の波形は
図7に示すようになる。ホールド処理の持続時間τはノ
イズ発生領域の幅により定まる。ノイズ発生周期に対応
するモータ回転軸の位相角は図8に示すように与えられ
る。モータ回転軸の角変位θが2π/Nに達する毎に位
相角値を0に戻し、位相角値が0から所定値θhold(2
aΔθ)までの時間τの間はホールド処理を持続する。
【0023】図9に第2の実施形態による位置・速度制
御装置の構成を示す。本実施形態と第1の実施形態との
主な相違は、上述したような原理によるノイズ除去を第
1の実施形態ではアナログ回路で行っていたのに対し、
デジタル回路で行うようにした点である。すなわち位置
・速度制御器17にA/Dコンバータ27を設けるとと
もに、例えばバッファのようなデジタル形の記憶手段が
用いられる検出速度値保持手段28を選択手段として設
け、回転速度検出手段13からの速度信号12をA/D
コンバータ27で変換してデジタル速度信号29とし、
これをノイズ除去の選択的出力のために検出速度値保持
手段28に一時的に保持するようにしている。そしてマ
スクゲート20Aから出力される後述の判別信号に応じ
たセレクタ31による切換により、検出速度値保持手段
28に保持してある検出速度値、DA変換器19Aを介
してを速度フィードバック用の出力信号19として出力
するようにしている。勿論、制御器17がディジタル形
であれば、DA変換器19Aは不要である。
【0024】本実施形態におけるマスクゲート20Aの
具体的な構成は一例として図10に示すようなもとする
ことができる。カウンタ32は、位置検出手段(ロータ
リーエンコーダ)15からの位置信号(角変位信号)1
6のパルス(図4および図5参照)をカウントする。そ
のカウントは、位置信号16に含まれるZパルスと初期
位相角に関するプリセット値33に基づいてなされる。
このカウンタ32の出力はフリップフロップ34に入力
する。フリップフロップ34の出力は位置検出手段15
からの位置信号16とともにアンドゲート35に入力
し、このアンドゲート35の出力がカウンタ36に入力
する。カウンタ36は、ノイズ発生領域幅に関するプリ
セット値37がセットされ、これに基づいてカウントす
る。このカウンタ36の出力はフリップフロップ34に
クリヤー用の信号として入力する。この結果、フリップ
フロップ34からはノイズ発生領域を判別する信号、つ
まりノイズ発生領域の始点と終点を示す判別信号39が
出力される。なおこのようなマスクゲート20Aは、第
1の実施形態におけるマスクゲート20にも適用するこ
とができる。
【0025】図11に本発明の一実施形態によるステー
ジシステムの構成を示す。このステージシステムは、例
えば電子線描画装置などに用いることのできるものであ
り、直動ステージ101を備えている。直動ステージ1
01は、直進動を可能とされた可動部102とこれを支
持する固定の案内103からなり、その可動部102が
モータ1で駆動される被駆動部となる。モータ1の駆動
力は伝動機構2を介して可動部102に伝えられる。伝
動機構2は、ヘリカルカップリング104と摩擦伝動機
105およびロッド106からなり、その摩擦伝動機1
05は、伝動軸107、この伝動軸107に圧接するキ
ャプスタン108、キャプスタン108の反対側から伝
動軸107を挟むカムフォロワ109、およびキャプス
タン108とカムフォロワ109を支持するキャプスタ
ンベース110からなる。
【0026】モータ1にはタコジェネレータを用いた回
転速度検出手段13が取り付けられており、この回転速
度検出手段13はその回転軸がモータ1の回転軸11に
直結するようにされている。一方、直動ステージ101
には、その可動部102の位置変位を検出する位置検出
手段111が設けられている。図11の例では位置検出
手段111として、非接触で可動部102の位置変位を
検出することのできるレーザ干渉計を用いているが、こ
の他に例えば非接触式のリニアエンコーダなどを用いる
ことができる。
【0027】以上のようなステージシステムに従来の速
度制御器を組み込んだシステム構成を図2に対応するブ
ロック図で示すと図12のようになる。本実施形態では
第2の実施形態による位置・速度制御器17を図12の
制御器17に代えて組み込んでおり、図13はそのよう
にした構成をブロック図で示している。したがって図1
3のステージシステムにおける位置・速度制御器17
は、第2の実施形態による図9の位置・速度制御器17
と同一の構成を有し、またその動作も同様である。た
だ、レーザ干渉計を用いた位置検出手段111により直
動ステージ101の可動部102の変位を直接的に検出
するようにしていることから、初期調整について第2の
実施形態とは若干相違する点がある。以下これについて
説明する。
【0028】可動部102の位置112とモータ1の回
転軸(これは回転速度検出手段13の回転軸と実質的に
同じ)の回転角(角変位)14との関係の校正作業は、
初期調整時に行う他に、点検時や起動時にも行う。初期
調整時の校正作業では、回転速度検出手段13のノイズ
発生領域の幅(位相角)を、回転速度検出手段13の機
種に応じて、適切なテーブルまたは定数として第1の実
施形態と同様に実験的に求めて設定するとともに、初期
位相角を求めて入力する。これ以降の点検時や起動時の
校正作業では、初期位相角のみを入力する。
【0029】初期位相角の具体的な入力方法は以下の通
りである。直動ステージ101の可動部102をその座
標原点位置付近で一定速度で駆動し、位置検出手段11
1からの位置信号113と回転速度検出手段13からの
速度信号12との図4のような同時実測データの時間変
化を位置・速度制御器17に付属するディスプレイなど
に表示しながら、ノイズ発生の1周期中のどの部分に可
動部102の原点位置が相当するかを調べる。原点位置
が分かったらこれを基準としたノイズ発生の初期位相角
を設定する。初期位相角が正しく設定されていることの
確認作業は、設定時と同様に可動部102をその座標原
点位置付近で一定速度で駆動しながら上記と同様に同時
実測データの時間変化を表示して行う。
【0030】本実施形態によれば、被駆動部である可動
部102の位置変位をレーザ干渉計などが用いられる位
置検出手段111により直接的に検出することができ
る。このため完全な閉ループにより位置精度を高く保っ
たまま本発明による高精度な速度制御が可能となる。な
お本実施形態では、直動ステージ101が1軸タイプで
あったが、多軸のステージシステムにも本発明を適用で
きることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、回転
速度検出手段の角変位がその回転軸の特定の回転角度域
において発生するノイズの発生領域の内部にあるか否か
を位置検出手段から得られる位置情報を利用して判別
し、この判別に基づいてノイズを除去するようにしてい
る。このため本発明の位置・速度制御装置によれば、従
来のノイズ除去法に較べて応答の遅れが格段に小さくて
済み、したがって指令速度への追従をより高めることが
でき、より高精度な制御が可能となる。またこのような
位置・速度制御装置を適用した本発明のステージシステ
ムによれば、例えば電子線描画装置などの性能向上に寄
与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による位置・速度制御
装置を適用したシステムのブロック図である。
【図2】本発明の位置・速度制御装置を適用することの
できるシステムの一般的な構造についてのブロック図で
ある。
【図3】速度信号の一例についての波形図である。
【図4】ノイズ発生領域幅の設定方法の例を示す図であ
る。
【図5】初期位相角の測定方法を示す図である。
【図6】0次ホールド処理によるリップルノイズ消去前
後の速度信号の波形を比較して示す図である。
【図7】1次ホールド処理によるリップルノイズ消去前
後の速度信号の波形を比較して示す図である。
【図8】位相角とホールドのタイミングを示す図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施形態による位置・速度制御
装置を適用したシステムのブロック図である。
【図10】マスクゲートの一例による具体的構成につい
ての回路図である。
【図11】本発明の一実施形態によるステージシステム
の概略構成を示す斜視図である。
【図12】図11のステージシステムに一般的な制御装
置を適用した例のブロック図である。
【図13】図11のステージシステムに本発明による位
置・速度制御装置を適用した例のブロック図である。
【符号の説明】
1 モータ 3 被駆動部 4 位置信号 12 速度信号 13 回転速度検出手段 15 位置検出手段 16 角変位信号(位置信号) 17 位置・速度制御器 18 サンプルホールド処理手段(選択手段) 20 マスクゲート(判別手段) 20A マスクゲート(判別手段) 28 検出速度値保持手段(選択手段) 101 直動ステージ 102 可動部 111 位置検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05D 13/62 G05D 13/62 E (72)発明者 藤井 憲 茨城県ひたちなか市大字市毛882番地 株 式会社日立製作所計測器グループ内 Fターム(参考) 2F077 AA21 AA39 CC02 CC09 FF36 TT62 TT75 UU20 UU24 5H313 AA30 BB07 CC01 CC04 DD01 EE07 GG02 GG12 GG17 HH05 JJ03 KK04 LL02 MM14 5H550 AA18 BB08 GG02 GG03 JJ02 JJ06 JJ12 JJ14 JJ16 LL03 LL36 MM19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータにより駆動されることで移動する
    被駆動部の駆動速度と位置を制御するために、前記モー
    タの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記被駆
    動部の位置を検出する位置検出手段とを備えた位置・速
    度制御装置において、前記回転速度検出手段の回転軸の
    角変位が当該回転速度検出手段の出力信号にノイズを発
    生する領域にあるか否かを前記位置検出手段からの出力
    信号に基づいて判別し、この判別に基づいて前記回転速
    度検出手段からの出力信号のノイズを除去できるように
    なっていることを特徴とする位置・速度制御装置。
  2. 【請求項2】 モータにより駆動されることで移動する
    被駆動部の駆動速度と位置を制御するために、前記モー
    タの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記被駆
    動部の位置を検出する位置検出手段とを備えた位置・速
    度制御装置において、前記回転速度検出手段の回転軸の
    角変位が当該回転速度検出手段の出力信号にノイズを発
    生する領域にあるか否かを前記位置検出手段からの出力
    信号に基づいて判別する判別手段と、前記回転速度検出
    手段からの出力信号を一時的に保持できるようにされて
    いるとともに、前記判別手段による判別に応じて、前記
    回転速度検出手段の回転軸の角変位がノイズ発生領域に
    ある場合には当該ノイズ発生領域とその直前のノイズ発
    生領域との間のノイズ発生領域外で検出されて前記一時
    保持をなされている信号を速度フィードバック用の出力
    信号とする選択を行うことができるようにされている選
    択手段とを備えたことを特徴とする位置・速度制御装
    置。
  3. 【請求項3】 モータと、前記モータの回転角速度を検
    出する回転速度検出手段と、前記モータにより直線動を
    なすように駆動される可動部を有するステージと、前記
    ステージの可動部の位置を検出する位置検出手段とを備
    えたステージシステムにおいて、前記回転速度検出手段
    の回転軸の角変位が当該回転速度検出手段の出力信号に
    ノイズを発生する領域にあるか否かを前記位置検出手段
    からの出力信号に基づいて判別し、この判別に基づいて
    前記回転速度検出手段からの出力信号のノイズを除去で
    きるようにされた制御手段を備えたことを特徴とするス
    テージシステム。
  4. 【請求項4】 モータと、前記モータの回転角速度を検
    出する回転速度検出手段と、前記モータにより直線動を
    なすように駆動される可動部を有するステージと、前記
    ステージの可動部の位置を検出する位置検出手段と、前
    記回転速度検出手段からの出力信号と前記位置検出手段
    からの出力信号に基づいて前記可動部の駆動速度と位置
    を制御する位置・速度制御装置とを備えたステージシス
    テムにおいて、前記位置・速度制御装置は、前記回転速
    度検出手段の回転軸の角変位が当該回転速度検出手段の
    出力信号にノイズを発生する領域にあるか否かを前記位
    置検出手段からの出力信号に基づいて判別する判別手段
    と、前記回転速度検出手段からの出力信号を一時的に保
    持できるようにされているとともに、前記判別手段によ
    る判別に応じて、前記回転速度検出手段の回転軸の角変
    位がノイズ発生領域にある場合には当該ノイズ発生領域
    とその直前のノイズ発生領域との間のノイズ発生領域外
    で検出されて前記一時保持をなされている信号を速度フ
    ィードバック用の出力信号とする選択を行うことができ
    るようにされている選択手段とを備えていることを特徴
    とするステージシステム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003025516A1 (fr) * 2001-09-14 2003-03-27 Toshiba Elevator Kabushiki Kaisha Detecteur de rotation
JP2020146273A (ja) * 2019-03-14 2020-09-17 トヨタ自動車株式会社 トレッドミル

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