JP2001157326A - アース構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アース線の接続を簡単に行う。 【解決手段】 回路遮断器４のハウジング９上には、取
付座２０を形成した端子カバー１７が載置され、分電盤
内に引き込まれるアース線２４は、圧着端子２５を端子
カバー１７の取付座２０にセットした状態で、取付ネジ
２３に貫通される。取付ネジ２３は、ケーブル８によっ
て分電盤内のアース端子に電気的接続されるベース６の
雌ネジ孔１６に螺合するため、アース線２４は取付ネジ
２３及びベース６を介してアース端子に電気的接続され
ることになる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回路遮断器を収容
する分電盤等の箱体に引き込まれるアース線を、箱体内
のアース端子に接続するためのアース構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】分電盤等には、負荷側から電路線及びア
ース線が夫々引き込まれ、電路線は回路遮断器の負荷側
端子に、アース線は分電盤内のアース端子に夫々接続さ
れる。近年では、電路線とアース線とが多心ケーブル等
によって同時に分電盤内に引き込まれる場合が多いが、
このような場合は、アース線をアース端子に接続するた
め、多心ケーブルの外皮であるシースを剥ぎ、アース線
を分電盤内で引き回して接続していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記アース構造では、
アース線を夫々回路遮断器から離れたアース端子まで引
き回して接続する作業が必要となるため、作業に手間と
時間がかかる。特に上記多心ケーブルにあっては、引き
回しに必要な長さのアース線を得るためにシースを長く
剥ぐと共に、電路線の不要分を切断する必要も生じるた
め、より作業性の低下を招いていた。

【０００４】そこで、請求項１に記載の発明は、アース
線の接続が簡単且つ短時間で行え、多心ケーブルにおい
ても有効なアース構造を提供することを目的としたもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明は、前記回路遮断器のハウジ
ングに、前記ハウジングを貫通する取付ネジによって前
記アース線を取付可能とすると共に、前記取付ネジと前
記アース端子との間に両者を電気的接続する導通手段を
設けたことを特徴とするものである。請求項２に記載の
発明は、請求項１の目的に加えて、導電手段を簡単に形
成すると共に、構成の合理化を図るために、導電手段
を、ハウジングを貫通した取付ネジが螺合して前記ハウ
ジングを固定可能で、且つアース端子へ電気的接続され
る導電性プレートとしたものである。請求項３に記載の
発明は、請求項１又は２の目的に加えて、アース線と電
路線との接触を防止するために、アース線を、ハウジン
グ上に載置する端子カバーを介して取り付けて、前記ア
ース線の取付位置を電路線の取付位置より遠くしたもの
である。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は、分電盤１の概略図で、箱
体２には、電源側と接続される漏電用遮断器３と、漏電
用遮断器３の出力側にあって電源側端子５，５が夫々漏
電用遮断器３と電気的接続される回路遮断器４，４・・
とが夫々配置されている。この回路遮断器４は、導電性
プレートのベース６上に並設されており、ベース６は、
箱体２に設けられたアース端子７にケーブル８によって
電気的接続されている。回路遮断器４は、電源側端子５
の反対側の端部のハウジング９に負荷側端子１０，１０
を備え、図２に示すように、ハウジング９の側面に形成
した差込孔１１，１１から電路線１２を夫々差し込み可
能となっており、負荷側端子１０，１０の上方には、電
路線１２をネジ止めするネジが挿通可能な貫通孔１３，
１３が形成されている。

【０００７】そして、ハウジング９における貫通孔１
３，１３の間には、側面側を解放する切除部１４が形成
され、切除部１４の底には、回路遮断器４を上下に貫通
する透孔１５が穿設されている。この透孔１５は、回路
遮断器４の取付位置でベース６に形成された雌ネジ孔１
６の真上に位置するものである。一方、１７は、ハウジ
ング９に取着される端子カバーで、端子カバー１７は、
ハウジング９の上面にセットされる水平部１８と、水平
部１８の中央から下方に延設され、切除部１４に嵌合す
る垂直部１９とからなるＴ字状を呈し、水平部１８にお
ける中央上面には、アース線２４の取付座２０が凹設さ
れて、その取付座２０に、ハウジング９への取付状態で
透孔１５と同軸で連通する透孔２１が設けられている。
２２，２２は、水平部１８の両側に設けられ、ハウジン
グ９への取付状態で貫通孔１３，１３と同軸で連通する
連通孔、２３は、水平部１８の上方から透孔２１及び１
５を貫通してベース６の雌ネジ孔１６に螺合可能な長さ
を有する取付ネジである。

【０００８】以上の如く構成されたアース構造において
は、箱体２内に引き込んだアース線２４をアース端子７
へ接続する場合、まず端子カバー１７を、垂直部１９が
ハウジング９の切除部１４に嵌合するように水平部１８
をハウジング９上に載置し、アース線２４に接続した圧
着端子２５を端子カバー１７の取付座２０にセットした
状態で、取付ネジ２３を、端子カバー１７の透孔２１及
びハウジング９の透孔１５を通してベース６の雌ネジ孔
１６に螺合させれば、図３の如く、アース線２４は、電
路線１２，１２の取付位置より高い位置で、取付ネジ２
３を介してベース６に電気的接続される。ベース６は導
電性を有するから、ケーブル８を介してアース端子７に
も電気的接続されることになる。この手順は他の回路遮
断器４においても同様で、夫々取付ネジ２３及び端子カ
バー１７を利用してアース線２４を接続すれば良い。

【０００９】このように上記形態によれば、回路遮断器
４のハウジング９に、取付ネジ２３によってアース線２
４を取付可能とすると共に、取付ネジ２３とアース端子
７との間に両者を電気的接続する導通手段としてのベー
ス６を設けたことで、アース線２４をハウジング９へネ
ジ止めするだけで分電盤１内のアース端子７と電気的接
続され、回路遮断器４ごとにアース線２４を長く引き回
す必要がなくなる。特に、多心ケーブルとして電路線１
２，１２とアース線２４とを同時に分電盤１内に引き込
む場合も、シースを長く剥いたり、アース線２４を残し
て電路線１２，１２を短くしたりする作業が不要となる
ため、多心ケーブルでもアース接続が簡単且つ短時間で
行える。その他、取付ネジ２３によりアース線２４の結
線が簡単になると共に、分電盤１内に用意するアース端
子７も必要最小限の大きさ（極数）を用意するだけで済
むという効果も得られる。

【００１０】特に、取付ネジ２３とアース端子７間の導
電手段として回路遮断器４を固定するベース６を利用し
たことで、導電手段が簡単に形成できると共に、回路遮
断器の取付板としても共用できるため、構成の合理化が
図られる。又、アース線２４を、ハウジング９上に載置
する端子カバー１７を介して取り付けて、アース線２４
の取付位置を電路線１２，１２の取付位置より遠くした
ことで、電路線１２と同じハウジング９に取り付けるも
のであっても、アース線２４が電路線１２，１２と接触
するおそれを解消可能となる。

【００１１】尚、取付ネジ２３はベース６に直接螺合さ
せているが、ベース６の裏面でナットに螺合させる等の
設計変更が可能である。又、端子カバー１７はなくし
て、アース線２４を取付ネジ２３で直接ハウジング９に
ネジ止めすることもできる。更に、導電手段として、上
記形態では導電性プレート（ベース６）を利用している
が、ベース自体が必ずしも導電性を有する必要がなく、
取付ネジ２３とアース端子７へのケーブル８の接続位置
との間のみを導電性材料でプリントしたり、取付ネジ２
３が螺合するナットを直接ケーブルで接続したり等の設
計変更が可能である。勿論本発明は分電盤に限らず、配
電盤や制御盤等にも適用できる。

【００１２】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、回路遮
断器のハウジングに、前記ハウジングを貫通する取付ネ
ジによって前記アース線を取付可能とすると共に、前記
取付ネジと前記アース端子との間に両者を電気的接続す
る導通手段を設けたことで、アース線をハウジングへネ
ジ止めするだけでアース端子と電気的接続され、回路遮
断器ごとにアース線を長く引き回す必要がなくなる。特
に、多心ケーブルとして電路線とアース線とを同時に箱
体に引き込む場合も、シースを長く剥いたりアース線を
残して電路線を短くしたりする作業が不要となるため、
多心ケーブルでもアース接続が簡単且つ短時間で行え
る。その他、取付ネジによりアース線の結線が簡単にな
ると共に、箱体に用意するアース端子も必要最小限の大
きさ（極数）を用意するだけで済むという効果も得られ
る。

【００１３】請求項２に記載の発明によれば、請求項１
の効果に加えて、導電手段を、ハウジングを貫通した取
付ネジが螺合して前記ハウジングを固定可能で、且つア
ース端子へ電気的接続される導電性プレートとしたこと
で、導電手段が簡単に形成できると共に、構成の合理化
を図ることができる。請求項３に記載の発明によれば、
請求項１又は２の効果に加えて、アース線を前記端子カ
バーを介して取り付けて、アース線の取付位置を電路線
の取付位置より遠くしたことで、電路線と同じハウジン
グに取り付けるものであっても、アース線が電路線と接
触するおそれを解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】分電盤の概略図である。

【図２】回路遮断器におけるアース構造の分解斜視図で
ある。

【図３】アース線の取付状態を示す斜視図である。

【図４】（Ａ）端子カバーの変更例を示す分解斜視図で
ある。 （Ｂ）端子カバーの変更例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１・・分電盤、２・・箱体、４・・回路遮断器、６・・
ベース、７・・アース端子、９・・ハウジング、１２・
・電路線、１７・・端子カバー、２３・・取付ネジ、２
４・・アース線。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回路遮断器を収容する箱体に、電路線と
   共にアース線を引き込み、前記箱体内に設けられたアー
   ス端子に電気的接続するアース構造であって、 前記回路遮断器のハウジングに、前記ハウジングを貫通
   する取付ネジによって前記アース線を取付可能とすると
   共に、前記取付ネジと前記アース端子との間に両者を電
   気的接続する導通手段を設けたことを特徴とするアース
   構造。
2. 【請求項２】 導通手段が、ハウジングを貫通した取付
   ネジが螺合して前記ハウジングを固定可能で、且つアー
   ス端子へ電気的接続される導電性プレートである請求項
   １に記載のアース構造。
3. 【請求項３】 アース線を、ハウジング上に載置する端
   子カバーを介して取り付けて、前記アース線の取付位置
   を電路線の取付位置より遠くした請求項１又は２に記載
   のアース構造。