JP2001155637A - 陰極線管の加熱装置及び加熱方法 - Google Patents

陰極線管の加熱装置及び加熱方法

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JP2001155637A
JP2001155637A JP33434699A JP33434699A JP2001155637A JP 2001155637 A JP2001155637 A JP 2001155637A JP 33434699 A JP33434699 A JP 33434699A JP 33434699 A JP33434699 A JP 33434699A JP 2001155637 A JP2001155637 A JP 2001155637A
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cathode ray
ray tube
filter
cooling
funnel
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Etsushi Adachi
悦志 足立
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管の製造工程で、ゲッタフラッシュを
行なった後に陰極線管のファンネル部内面に形成された
内部導電膜を加熱して真空度を高めると共に、ファンネ
ル部の外郭を形成するガラス材(鉛ガラス)の温度上昇
を極力抑制する。 【解決手段】 加熱装置31は、赤外線加熱器32とフ
ィルタ33から構成され、陰極線管1のファンネル部3
の近傍に配置される。ファンネル部3のガラス材(鉛ガ
ラス)と同じ材料で形成されたフィルタ33を赤外線加
熱器32と陰極線管1との間に配置し、フィルタ33を
通った赤外線をファンネル部3に照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管の製造方
法及び製造装置に関し、特に陰極線管内の真空度を高め
るための陰極線管の加熱方法及び加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に行われている陰極線管内
を真空にするための主な作業工程は、概ね以下の通りで
ある。先ず、陰極線管を350℃〜450℃で加熱(ベ
ーキング)しながら、陰極線管のネック先端部に形成さ
れた排気細管からガスを抜き、所定の真空度に至った段
階で排気細管を溶融封止してその真空度を保つ。
【0003】次に、陰極線管内に配設されたゲッタをゲ
ッタフラッシュして管の内壁にゲッタ膜を形成し、その
後陰極ヒータに通電して陰極の熱分解処理を行なう。こ
のようにして、管内に放出されたガスの多くがゲッタ膜
に吸収されて真空度を高めた後、陰極線管のエージング
工程に移る。
【0004】しかしながらこれらの工程だけでは、ゲッ
タフラッシュ工程までに管内の内部導電膜等の構成部材
に物理吸着したガスが、陰極線管のエージング工程や通
常の動作中にゲッタ膜以外の部分から管内に徐々に放出
され、陰極に作用して陰極材料の性能劣化を促進させる
問題があった。本出願人による特願平11−20597
6には、この問題を解決するための方法及び装置が開示
されている。
【0005】即ち、ゲッタフラッシュ工程の後に陰極線
管のファンネル部分を加熱する工程を設け、主にファン
ネル部内面に形成された内部導電膜を加熱し、管内のゲ
ッタ膜以外の部分に物理吸着されたガスを再放出してゲ
ッタ膜に化学的に吸着させることによりこの問題を解決
するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した方法による
と、陰極線管の特にファンネル部が加熱した状態でガス
抜き処理工程が終了するため、次工程に移す前に陰極線
管の温度低下が望まれ、作業効率の低下につながる恐れ
があった。
【0007】本発明の目的は、上記したようにゲッタフ
ラッシュ工程の後に陰極線管のファンネル部内面に形成
された内部導電膜を直接加熱して真空度を高めると共
に、ファンネル部の外郭を形成するガラス材(鉛ガラ
ス)の温度上昇を極力抑制して陰極線管を速やかに次工
程に移すことを可能とし、作業効率を良くすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】陰極線管の製造工程で、
陰極線管内を排気して該陰極線管を封止し、更にゲッタ
フラッシュを行なった後に、前記陰極線管の少なくとも
ファンネル部を加熱するために、赤外線を出力する赤外
線加熱器と、前記ファンネル部の外郭を形成するガラス
と同じ赤外の吸収帯を有する素材で形成されたフィルタ
とを有し、前記赤外線加熱器から出力された赤外線を前
記フィルタを通して前記ファンネル部に照射し、少なく
とも前記陰極線管内の前記ファンネル部内側に形成され
た内部導電膜を加熱するように構成する。
【0009】前記フィルタに冷却路を設け、更にこの冷
却路に赤外域に吸収帯を持たない冷却媒体を供給するよ
うに構成してもよい。更に、前記フィルタを前記ファン
ネル部のガラスと同じ材料で形成してもよい。更に、前
記冷却手段が前記フィルタの熱を吸収した冷却媒体を冷
却する熱交換器を有して冷却した前記冷却媒体を再度前
記フィルタに供給して循環させるように構成してもよ
い。更に、前記冷却媒体を窒素ガスとしてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明に
よる陰極線管の製造工程を説明するための作業工程図で
あり、図2は、本発明装置及び方法によって真空処理さ
れる一般的な陰極線管の要部構成図である。
【0011】図2中、陰極線管1は、パネル部2、ファ
ンネル部3、及びネック部4からなり、これら各部の外
郭は一体に形成されている。陰極線管内においては、パ
ネル部2に色識別を行なうマスク7がパネル面に平行し
て配置され、ファンネル部3及びネック部4の一部の内
側には内部導電膜5が形成されると共に陰極線管内に高
電圧を印加するアノードボタン11が形成されている。
このアノードボタン11の取付け部には、ゲッタ(バリ
ウムアルミ化合物)を保持する保持部13を先端に配置
したゲッタスプリング10が共に取り付けられている。
尚、パネル部2とファンネル部3とを低融点ガラス(フ
リットガラス)により一体に封着するフリット封止工程
において、陰極線管が加熱されるため、ゲッタには多く
のガスが吸着されている。
【0012】ネック部4内には、電子銃8が配置され、
この電子銃内には、図示しない陰極、陰極ヒータ等が収
められている。ネック部4の端部には陰極線管1の内部
を排気するために設けられたガラス材からなるチップ管
9が形成されている。
【0013】以上のように要部が構成された陰極線管1
の管内から、ガス抜きをするための工程を図1の作業工
程図を参照しながら説明する。加熱(ベーキング)及び
排気を行なう工程21では、陰極管1を排気炉に入れ、
陰極線管1を350℃〜450℃に加熱した状態で、チ
ップ管9を通して管内の排気を行なう。この加熱によ
り、管内の内部導電膜5やマスク7等の構成部材から放
出されたガスもこの工程で同時に排気される。
【0014】排気が進んだ所定の段階で、チップ管9を
溶融封止する工程22に移る。この工程では、チップ管
9を加熱して溶融し、通路を閉じて管内を封止する。こ
のとき溶融部近辺は800℃程度まで熱せられるため、
これによって加熱された部分から放出されたガスが管内
に残留する。
【0015】次のゲッタフラッシュ工程23では、ゲッ
タ保持部13に保持されたゲッタを高周波加熱すること
でゲッタを飛散するゲッタフラッシュを行なって、ファ
ンネル部3内にゲッタ膜6を形成する。この時、ゲッタ
は飛散する直前に吸着していたガスを放出する。陰極線
管1内のこれらの放出ガスは、形成されたゲッタ膜6に
化学吸着する前に、その一部が陰極線管1内のマスク
7、内部導電膜5等の管内構成部材に物理吸着する。
【0016】次の陰極の熱分解処理工程24では、電子
銃8内の図示しない陰極ヒータに通電し、陰極を加熱さ
せて熱分解処理を行なう。この際に放出される二酸化炭
素は、速やかに陰極管内に形成されたゲッタ膜6に化学
吸着する。
【0017】次のファンネル部加熱工程25では、後述
する方法で、特に陰極線管1のファンネル部3及びネッ
ク部4の一部の管内側に形成された内部導電膜(グラフ
ァイト)5を加熱し、ゲッタ膜6が形成されていない部
分に物理吸着しているガスを放出させる。図2に示す陰
極線管1に、この段階での管内の残留ガス12の様子が
模式的に示されている。
【0018】同図に示すように、加熱されて内部導電膜
から放出されたガスや管内に浮遊しているガスは、やが
て温度上昇によって吸着速度が速くなったゲッタ膜6に
化学吸着し、陰極線管1内の真空度が高められる。この
ようにして陰極線管内の真空度が高められた後、電子銃
8に所定の電圧を印加して酸化物陰極を活性化させるエ
ージング工程26に移る。
【0019】尚、ここでいう、物理吸着とは分散エネル
ギー(ファンデルワールス力)が主な働きをする吸着で
あり、化学吸着とは原子価エネルギーが主役をなす吸着
である。また、温度が上昇すると、物理吸着では吸着速
度及び吸着量の増加よりも放出速度及び放出量の増加の
方が大きくなるが、化学吸着では温度が上昇しても結合
エネルギーよりも低くければ放出は殆ど起こらない。
【0020】従って、ファンネル部加熱工程25を設け
ることにより、物理吸着していた管内のガスが放出され
てゲッタ膜6に化学吸着するため、その後のエージング
工程や動作中に放出されるガスが減少し、陰極線管のエ
ミッション特性が向上して信頼性が高くなる。
【0021】図3は、前記したファンネル部加熱工程2
5で用いる本発明による加熱装置の原理を示す構成図
で、加熱装置31は、赤外線加熱器32とフィルタ33
から構成され、陰極線管1のファンネル部3の近傍に配
置される。フィルタ33は、同図に示すように赤外線加
熱器32と陰極線管1との間に配置され、ファンネル部
3のガラス材(鉛ガラス)と同じ材料で形成されてい
る。
【0022】この様に構成することによって、赤外線が
照射されるファンネル部3のガラス自体をあまり加熱す
ることなく、陰極線管1内の内部導電膜5を速やかに加
熱することができる。これは、ファンネル部3の鉛ガラ
スを加熱するのに必要な赤外の吸収帯の光が、同材料か
らなるフィルタ33によって吸収され、一方ファンネル
部3の鉛ガラスと異なる赤外の吸収帯を有するグラファ
イトで形成された内部導電膜5が、フィルタ33によっ
て吸収されることなく到達した光によって直接加熱され
るためである。
【0023】以上の様に、本発明の実施の形態1の加熱
装置によれば、ファンネル部加熱工程25での加熱時
に、ファンネル部3の外郭を形成するガラス材は比較的
低温に保たれるため、この陰極線管1を速やかに次工程
に移すことが出来る。
【0024】実施の形態2.図4は、本発明による加熱
装置の別の実施の形態を示す構成図で、加熱装置41
は、赤外線加熱器32と冷却路付フィルタ43に加え、
この冷却路付フィルタ43を冷却する冷却手段から構成
されている。この冷却手段は、冷却ガス供給系44、供
給経路46、排出経路47、及び冷却ガス排出系45に
よって構成されている。
【0025】加熱装置41は、図3に示す実施の形態1
の加熱装置31と同様に陰極線管1のファンネル部3の
近傍に配置され、ファンネル部3の鉛ガラスと同じ材料
で構成された冷却路付フィルタ43は、赤外線加熱器3
2と陰極線管1との間に配置されている。冷却ガス供給
系44は、例えばボンベから、流量が調整されて冷却し
た窒素ガスを、供給経路46を介して冷却路付フィルタ
43に供給する。冷却路付フィルタ43の冷却路を通る
ことにより、フィルタから熱を奪って温度が上昇した窒
素ガスは排出経路47を介して冷却ガス排出系45に至
り、ここで排気処理される。
【0026】図6は、冷却路付フィルタ43の一構成例
を示す構成図で、同図(a)に正面図を示し、同図
(b)に側面図を示す。この冷却路付フィルタ43は、
鉛ガラスで形成された中空の薄板状のフィルタであり、
その外筐43dには、内空部43cに通じ、供給経路4
6に連結して冷却ガスを受入れる受入口43aと、内空
部43cに通じ、排出経路47に連結して冷却ガスを排
出する排出口43bとがそれぞれ形成されている。
【0027】従って、供給経路46から受入口43aを
介して内空部43cに入った低温の窒素ガスは、赤外線
を吸収した外筐43dに触れて熱を奪って温度上昇した
後、やがて排出口43bから排出経路47に排出され
る。
【0028】図7は、冷却路付フィルタの別の実施例を
示す冷却路付フィルタ49の構成図である。この場合、
冷却路付フィルタ43と同様に、内空部49c、外筐4
9dが形成されると共に、更にその内空部49cにおい
て、同図中に矢印で示す冷却ガスの移動経路を形成する
ための複数の仕切板49eが固定的に配置されている。
そしてこの移動経路の始端部には受入口49aが、また
移動経路の終端部には排出口49bがそれぞれ形成され
ている。以上の様に構成されることにより、冷却ガスが
フィルタ47の全域にわたって熱を吸収するため、冷却
効率を上げることができる。
【0029】尚、上記の実施の形態2で使用される冷却
媒体として好適なのは窒素のように赤外領域に吸収帯が
ない媒体であり、他にハロゲン(Cl2、F2など)、
酸素、水素などの対称2原子分子や、ネオン、アルゴ
ン、ヘリウム、キセノンなどの単原子分子を適用しても
よい。これらも同じく赤外領域に吸収帯がないので、冷
却作用の際にエネルギー損失を与えることなく光を通過
させることができる。一方、赤外域に吸収帯がある二酸
化炭素や水などは、赤外線から直接熱を吸収してしまう
ため、冷却媒体として好ましくない。
【0030】以上の様に本発明の実施の形態2の加熱装
置によれば、フィルタに吸収された熱が窒素ガス等の媒
体によって外部に除かれるため、結果的にフィルタの過
昇温が抑制され、フィルタの取り扱いが容易になると共
に、フィルタの寿命を延ばすことができる。
【0031】実施の形態3.図5は、本発明による加熱
装置の更に別の実施の形態を示す構成図であるが、実施
の形態2を示す図4の装置と共通する構成要素には同一
符号を付してその詳しい説明を省略する。この場合、加
熱装置51の熱交換器58は、冷却路付フィルタ43を
冷却して温度の上がったガスを冷却ガス排気系45から
受けて再度冷却して冷却ガス供給系44に戻す。そして
冷却ガス供給系44は、この冷却された窒素ガスを再度
供給経路46を通して再度冷却路付フィルタ43に供給
する。
【0032】以上のように、冷却ガスを循環して使用す
ることにより、冷却ガスとして可燃性ガスの水素や、不
活性ガスの窒素を用いる場合の取り扱い上の困難さや、
冷却ガスの使い捨てによるコスト的な問題を解決でき
る。
【0033】実施の形態4.図8は、本発明装置を生産
ラインのファンネル部加熱工程22で使用する場合の実
施の形態を示す構成図で、同図(a)はその要部上面図
であり、同図(b)はその要部側面図である。図中、陰
極線管1を、そのパネル部2を下方にした状態で所定位
置に載置する移動台61は、ガイドレール62,63に
ガイドされながら、図示しない移動手段によって矢印A
方向に所定の移動速度で移動する。
【0034】移動台61は、パネル部2の長手方向と自
身の移動方向が一致するように陰極線管1を保持し、且
つ陰極線の両側に一対の反射部材64,64を固定的に
配置している。この反射部材64は、図9の斜視図に示
されるように四角推の隣接する2つの側面64a,64
bを有し、この側面が光を反射するための鏡面となって
いる。そして図8に示すように、陰極線管1の両側にあ
って、互いの鏡面が向かい合って陰極線管1の中心を含
む互いに直交する基準面65a,65bに対して各々面
対称となるように配置されている。
【0035】カバー66は、移動台61に載置されて移
動する陰極線管1を覆うようにガイドレール62,63
に沿って形成されている。カバー66の傾斜面66a及
び66bは、移動台61に載置された陰極線管1のファ
ンネル部3の外部面3a及び3bに各々略平行に、且つ
所定の間隔を保つ位置に形成されている。各傾斜面66
a及び66bの内部側には、陰極線管1のファンネル部
3の外部面3a及び3bに各々対向する位置に平板状の
赤外線加熱器67,68が傾斜面に沿って固定的に配置
されている。
【0036】そして赤外線加熱器67とファンネル部3
の外部面3aとの間にはフィルタ69が、また赤外線加
熱器68とファンネル部3の外部面3bとの間にはフィ
ルタ70がそれぞれ配置されている。これらのフィルタ
69,70は、前記したような冷却路付のフィルタで、
ファンネル部3の鉛ガラスと同じ材料で形成され、支持
手段を兼ねた供給経路パイプ69c,70cで傾斜面の
外側に形成された冷却ガス受入口69a,70aに通
じ、同じく支持手段を兼ねた排出経路パイプ69d,7
0dで傾斜面の外側に形成された冷却ガス排出口69
b,70bに通じている。
【0037】それぞれの冷却ガス受入口69a,70a
には図示しない冷却ガス供給系から冷却された窒素ガス
が注入され、そしてそれぞれの冷却ガス排出口69b,
70bからは、フィルタを冷却して温度が上がった窒素
ガスが図示しない冷却ガス排出系に排出される。
【0038】以上の様に構成されたファンネル部加熱工
程で使用される装置において、移動台61に載置された
陰極線管1がカバー66内を移動するとき、ファンネル
部3の外部面3aには、主にフィルタ69を介した赤外
線加熱器67からの赤外線が照射され、ファンネル部3
の外部面3bには、主にフィルタ70を介した赤外線加
熱器68からの赤外線が照射される。
【0039】更に、ファンネル部3の外部面3cには、
フィルタを介した両赤外線加熱器67,68からの赤外
線が各々反射部材64の反射面64a,64bで反射し
て照射され、ファンネル部3の外部面3dには、フィル
タを介した両赤外線加熱器67,68からの赤外線が各
々反射部材64の反射面64b,64aで反射して照射
される。以上のように、実施の形態4の本発明装置によ
れば、生産ラインにおいて、ファンネル部の外部面に、
全面的にむらなくフィルタを介した赤外線を照射するこ
とができる。
【0040】尚、前記実施の形態では、フィルタ材料と
してファンネルガラスと同じ材料を使用したがこれに限
定されるものではなく、ファンネルガラスの赤外吸収の
メインピークはシロキサン結合によるものなので、例え
ばこのシロキサン結合を有する溶融石英や耐熱性ガラス
を用いても同様の効果を得ることができる。
【0041】また、前記したように、冷却ガスとして窒
素の他に、ハロゲンガス(Cl2、F2など)、酸素、
水素などの対称2原子分子や、ネオン、アルゴン、ヘリ
ウム、キセノンなどの単原子分子を適用してもよいなど
種々の態様を取り得るものである。
【0042】また、前記実施の形態では、陰極の熱分解
処理(図1の工程24)を、ゲッタフラッシュ(図1の
工程23)の後に行なったが、加熱排気の工程21(図
1)中に行なってもよい。更に、前記実施の形態では、
赤外線をファンネル部6に照射するように説明したが、
ファンネル部6に連続してその内側に内部導電膜5が形
成されたネック部4の一部をも同時に照射するように構
成してもよいことは勿論である。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、エージング工程の前工
程で、陰極線管のファンネル部を加熱する際に、ファン
ネル部のガラスで形成された外郭の温度を上げることな
く、その内側に配置された内部導電膜やマスクなどの内
部構成部材を直接加熱できるので、処理終了後、速やか
に、且つ容易に次工程に移すことができる。
【0044】本発明によれば、所望の波長を有する特殊
な赤外線加熱器必要としないため、装置の製作コストを
抑え、且つ製作期間を短縮することができる。
【0045】本発明によれば、赤外線から熱を吸収する
フィルタを冷却媒体で冷却するので、フィルタの過昇温
を抑えることが可能となり、フィルタの取り扱いが容易
となるばかりでなく、その寿命を延ばすことができる。
【0046】更に、本発明によれば、冷却媒体を熱交換
器で冷却して循環使用することができるので、冷却媒体
として可燃性ガスの水素や、不活性ガスの窒素を用いる
場合の取り扱い上の困難さや、冷却媒体の使い捨てによ
るコスト的な問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による陰極線管の製造工程を説明する
ための作業工程図である。
【図2】 本発明装置及び方法によって真空処理される
一般的な陰極線管の要部構成図である。
【図3】 本発明で用いられる加熱装置の構成図であ
る。
【図4】 本発明で用いられる加熱装置の別の構成図で
ある。
【図5】 本発明で用いられる加熱装置の更に別の構成
図である。
【図6】 加熱装置を構成するフィルタの構成図であ
る。
【図7】 加熱装置を構成するフィルタの別の構成図で
ある。
【図8】 本発明装置を生産ラインのファンネル部加熱
工程で使用する場合の実施の形態を示す構成図である。
【図9】 反射部材の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 陰極線管、2 パネル部、3 ファンネル部、3a
外部面、3b 外部面、3c 外部面、3d 外部
面、4 ネック部、5 内部導電膜、6 ゲッタ膜、7
マスク、8 電子銃、9 チップ管、10 ゲッタス
プリング、11アノードボタン、12 残留ガス、13
保持部、31 加熱装置、32 赤外線加熱器、33
フィルタ、41 加熱装置、43 冷却路付フィル
タ、43a受入口、43b 排出口、43c 中空部、
43d 外筐、44 冷却ガス供給系、45 冷却ガズ
排出系、46 供給経路、47 排出経路、49 冷却
路付フィルタ、49a 受入口、49b 排出口、49
c 中空部、49d 外筐、49e 仕切板、51 加
熱装置、58 熱交換器、61 移動台、62 ガイド
レール、63 ガイドレール、64 反射部材、65
基準面、66 カバー、66a 傾斜面、66b 傾斜
面、67 赤外線加熱器、68 赤外線加熱器、69
フィルタ、69a 冷却ガス受入口、69b 冷却ガス
排出口、69c 供給経路パイプ、69d 排出経路パ
イプ、70 フィルタ、70a 冷却ガス受入口、70
b 冷却ガス排出口、70c 供給経路パイプ、70d
排出経路パイプ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極線管の製造工程で、陰極線管内を排
    気して該陰極線管を封止し、更にゲッタフラッシュを行
    なった後に、前記陰極線管の少なくともファンネル部を
    加熱するための加熱装置であり、 赤外線を出力する赤外線加熱器と、 前記ファンネル部の外郭を形成するガラスと同じ赤外の
    吸収帯を有する素材で形成されたフィルタとを有し、前
    記赤外線加熱器から出力された赤外線を前記フィルタを
    通して前記ファンネル部に照射し、少なくとも前記陰極
    線管内の前記ファンネル部内側に形成された内部導電膜
    を加熱することを特徴とする陰極線管の加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記フィルタに冷却路を設け、更に該冷
    却路に赤外域に吸収帯を持たない冷却媒体を供給する冷
    却手段を有することを特徴とする請求項1記載の陰極線
    管の加熱装置。
  3. 【請求項3】 前記フィルタを前記ファンネル部のガラ
    スと同じ材料で形成したことを特徴とする請求項1記載
    の陰極線管の加熱装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却手段は、前記フィルタの熱を吸
    収した冷却媒体を冷却する熱交換器を有し、冷却した前
    記冷却媒体を再度前記フィルタに供給して循環させるこ
    とを特徴とする請求項2記載の陰極線管の加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記冷却媒体を窒素ガスとしたことを特
    徴とする請求項2記載の陰極線管の加熱装置。
  6. 【請求項6】 陰極線管の製造工程で、陰極線管内を排
    気して該陰極線管を封止し、更にゲッタフラッシュを行
    なった後に、前記陰極線管の少なくともファンネル部を
    加熱する際に、 前記ファンネル部の外郭を形成するガラスと同じ赤外の
    吸収帯を有する素材で形成されたフィルタを通った赤外
    線を前記ファンネル部に照射することを特徴とする陰極
    線管の加熱方法。
JP33434699A 1999-11-25 1999-11-25 陰極線管の加熱装置及び加熱方法 Withdrawn JP2001155637A (ja)

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