JP2001155284A - 車両配置計画立案支援システム及び方法 - Google Patents

車両配置計画立案支援システム及び方法

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JP2001155284A
JP2001155284A JP33705499A JP33705499A JP2001155284A JP 2001155284 A JP2001155284 A JP 2001155284A JP 33705499 A JP33705499 A JP 33705499A JP 33705499 A JP33705499 A JP 33705499A JP 2001155284 A JP2001155284 A JP 2001155284A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誰でも正確に車両の配置計画を立案するこ
とができるよう支援するシステム及び方法を提供する。 【解決手段】複数の地区に配置する車両の配置計画の立
案を支援するシステムであって、該地区ごとに、予め定
められた場合分けに対応する該車両の稼働時間及び収入
に関する需要実績データを記憶する実績データ記憶手段
と、立案すべき該配置計画に対応する該場合分けを受け
付ける場合分け受付手段と、該車両が現在属する地区を
受け付ける位置受付手段と、該場合分け受付手段によっ
て受け付けられた該場合分けに対応する、該実績データ
記憶手段から該需要実績データを読み出す実績データ読
み出し手段と、該車両が、該位置受付手段によって受け
付けられた該現在属する地区にそのまま存する場合と、
該複数の地区のうち該現在属する地区とは異なる各地区
のそれぞれに移動する場合と、の単位時間当たりの期待
収入額を、該実績データ読み出し手段によって読み出さ
れた該需要実績データを用いて計算する期待額計算手段
と、を有してなる、システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両配置計画立案
支援システム及び方法に関し、より詳細には、タクシー
等の車両を複数の地区に配置する配置計画の立案を支援
するシステム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】営業地域内に複数の地区を有する場合、
タクシー等の車両を該複数の地区のうちどの地区にどの
ように配置すべきか決定する配置計画は、理論的に解析
することが困難であるため、通常、過去の経験に基づく
勘によって作成されていた。例えば、営業地域内に複数
(3)の地区A、B、Cを有する場合、現在地区Aに存
するタクシーをそのまま地区Aに居させるか、それとも
地区B又は地区Cに移動させるかについての判断は、各
地区に居るとき期待できる収入やその地区への移動時間
(地区Aに居る場合は不要)等が判断すべき要因として
複雑にからみ合っているため、これまでは経験豊富な者
が様々な要因を考慮しつつ行っていた。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、勘によ
る車両の配置計画は、配置計画の立案者によって配置計
画の正確性が大幅に変動することや、限られた人でなけ
れば配置計画が立案できないこと、等といった問題を有
していた。そこで本発明では、このような問題がない、
誰でも正確に車両の配置計画を立案することができるよ
う支援するシステム及び方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の車両配置計画立案支援システム(以下、
「本システム」という。)は、複数の地区に配置する車
両の配置計画の立案を支援するシステムであって、該地
区ごとに、予め定められた場合分けに対応する該車両の
稼働時間及び収入に関する需要実績データを記憶する実
績データ記憶手段と、立案すべき該配置計画に対応する
該場合分けを受け付ける場合分け受付手段と、該車両が
現在属する地区を受け付ける位置受付手段と、該場合分
け受付手段によって受け付けられた該場合分けに対応す
る、該実績データ記憶手段から該需要実績データを読み
出す実績データ読み出し手段と、該車両が、該位置受付
手段によって受け付けられた該現在属する地区にそのま
ま存する場合と、該複数の地区のうち該現在属する地区
とは異なる各地区のそれぞれに移動する場合と、の単位
時間当たりの期待収入額を、該実績データ読み出し手段
によって読み出された該需要実績データを用いて計算す
る期待額計算手段と、を有してなる、システムである。
【0005】ここで「車両」とは、人又は荷物を積載し
て運搬するものを広く含み、特に限定されるものではな
いが、タクシー、バス、電車、宅配車等を例示すること
ができる。そして「需要実績データ」とは、地区ごと
に、予め定められた場合分けに対応する該車両の稼働時
間及び収入に関するデータをいい、特に限定されるもの
ではないが、空車(要請があれば直ちに賃走や迎車の状
態になることができる状態にもかかわらず賃走や迎車の
状態ではない状態)、賃走(現実に乗客や荷物を乗せて
運賃を得ている状態)、迎車(現実には乗客や荷物を乗
せていないが、乗客や荷物が存在する場所に乗客や荷物
を迎えに運賃を得つつ向かっている状態)、休憩(要請
があっても賃走や迎車の状態にならない状態)の4状態
の各状態間で車両状態が遷移した時刻や運賃等を例示的
に挙げることができる。
【0006】ここで「予め定められた場合分け」(以
下、単に「場合分け」という。)とは、車両の需要に影
響を与え得る予め定められた要因による場合分けをい
う。即ち、車両の需要は、曜日や時間帯等の要因によっ
て影響を受け得るため、これら車両の需要に影響を与え
得る要因によって場合分けをして、立案する配置計画の
精度を向上させるものである。前記場合分けの要因は、
車両の需要に影響を与え得る要因であればいかなるもの
であってもよく(要因は複数でも単数でもよい)、例え
ば、休日に対する関係、曜日、時間帯、降水の有無のう
ち少なくとも1を含むものであってもよい。タクシー等
の車両の需要は、休日に対する関係(ここでは乗車時刻
又は荷物を載せた時刻を含む日が、休日の前日か休日当
日か休日の翌日かそれ以外かという意味である。)、曜
日(ここでは乗車時刻又は荷物を載せた時刻が属する曜
日という意味である。)、時間帯(ここでは乗車時刻又
は荷物を載せた時刻が属する時間帯という意味であ
る。)、降水の有無(雨又は雪が降っているかどうかと
いう意味である。)といった要因によって大幅に変動す
ると共に、これら要因による車両需要への影響度合いは
数式等による規則的なものでは表しにくい。このためこ
れらの要因は場合分けにより処理する方が、立案される
配置計画の精度を容易に向上させることができる。
【0007】このような本システムでは、実績データ記
憶手段によって各地区ごとに、予め定められた場合分け
に対応する該車両の稼働時間及び収入に関する需要実績
データが記憶され、場合分け受付手段によって立案すべ
き配置計画に対応する場合分けが受け付けられ、位置受
付手段によって該車両が現在属する地区が受け付けられ
る。そして実績データ読み出し手段によって、場合分け
受付手段によって受け付けられた場合分けに対応する需
要実績データが実績データ記憶手段から読み出される。
最後に、期待額計算手段によって、車両が、位置受付手
段によって受け付けられた(車両が)現在属する地区に
そのまま存する場合と、複数の地区のうち(車両が)現
在属する地区とは異なる各地区のそれぞれに移動する場
合と、の単位時間当たりの期待収入額が、実績データ読
み出し手段によって読み出された(場合分けに対応す
る)需要実績データを用いて運賃等の収入額を稼働時間
によって除することで計算される。これによって本シス
テムは、車両が、現在属する地区にそのまま存する場合
と、複数の地区のうち現在属する地区とは異なる各地区
のそれぞれに移動する場合と、のそれぞれについて単位
時間当たりの期待収入額を計算するので、この期待収入
額の大小によって複数の地区に配置する車両の配置計画
の立案を支援することができる(基本的には、期待収入
額が大なる地区に車両が存するような車両配置計画を立
案すればよい。)。
【0008】前記場合分けの要因に、流しとセンタ配車
との少なくとも2種類に分けられた営業形態を含み、前
記期待収入額が、該営業形態別に計算されるものであっ
てもよい(以下、この場合を「営業形態別計算」とい
う。)。ここに「流し」の営業形態とは、空車の状態で
走行している間に乗客に乗車又は荷物を載せることを要
請されて賃走の状態になる営業形態をいう。一方、「セ
ンタ配車」の営業形態とは、車両の運行等を管理する事
務所からの指示によって乗客を迎えに行ったり荷物を受
け取りに行くことで空車状態から賃走又は迎車状態にな
る営業形態をいう。なお、各車両はこれら流しとセンタ
配車との営業形態を混合した営業形態をとる場合もあ
り、このときには「流し」と「センタ配車」と「流しと
センタ配車との混合」の3種類に分けられた営業形態
が、前記場合分けを行う要因に含まれてもよい。これら
の営業形態の違いによって車両需要が大幅に変動するの
で、期待収入額は営業形態の違いによって大きく影響さ
れることからこれら営業形態別に計算されることが好ま
しい。これら営業形態による期待収入額への影響度合い
は数式等による規則的なものでは表しにくい。このため
営業形態は場合分けにより処理する方が、立案される車
両の配置計画の精度を容易に向上させることができる。
【0009】営業形態別計算の場合、前記営業形態が流
しの場合、前記需要実績データは運賃実績額、流し場所
移動時間、顧客探索時間、乗車時間を決定するためのデ
ータを含み、前記期待収入額が、運賃実績額/(流し場
所移動時間+顧客探索時間+乗車時間)によって算出さ
れるものであってもよい。このような式で期待収入額を
計算することで、営業形態が流しの際、場合分け受付手
段によって受け付けられた場合分けに対応する、各地区
毎に期待できる単位時間当たりの収入額である期待収入
額を正確に計算することができる。ここに「運賃実績
額」とは、各地区において得られた実績の運賃額をい
い、場合分け受付手段によって受け付けられた場合分け
に対応する各地区の需要実績データが実績データ記憶手
段から読み出され、該読み出された需要実績データに含
まれる各地区において得られた実績の運賃額を用いて計
算されてよい。なお、ここでいう「運賃実績額」とは、
各地区及び該場合分けに対応する運賃額が複数存する場
合にはこれら複数存する運賃額の代表値とされてもよ
く、該代表値としては、該複数存する運賃額の平均値、
該複数存する運賃額の中央値等を例示することができ
る。「流し場所移動時間」とは、顧客を探す場所である
顧客探索場所へ移動するために必要な時間をいい、例え
ば、車両が現在属する地区とは異なる地区に移動し該異
なる地区内で流し(営業形態)として営業するような場
合に該現在属する地区から該異なる地区への移動時間等
を例示することができる。なお、ここでいう「流し場所
移動時間」とは、各場合分けに対応する同一区間の流し
場所移動時間実績が複数存する場合(例えば、地区Aか
ら地区Bへの移動が複数存する場合)にはこれら複数存
する流し場所移動時間実績の代表値とされてもよく、該
代表値としては、該複数存する流し場所移動時間実績の
平均値、該複数存する流し場所移動時間実績の中央値等
を例示することができる。「乗車時間」とは、客が乗車
していた時間をいう。なお、ここでいう「乗車時間」と
は、各場合分けに対応する、乗車位置が属する各地区に
おいて得られた乗車時間の実績値が複数存する場合には
これら複数存する乗車時間実績の代表値とされてもよ
く、該代表値としては、該複数存する乗車時間実績の平
均値、該複数存する乗車時間実績の中央値等を例示する
ことができる。「顧客探索時間」とは、顧客探索場所に
おいて車両が顧客を探すために必要な時間をいい、例え
ば、(所要時間−休憩時間−流し場所移動時間−乗車時
間)で算出されてもよい。ここに「所要時間」は前客を
降ろしてから今客を降ろすまでの時間をいい、「休憩時
間」は休憩状態にあった時間をいい、「乗車時間」は前
述の通りである。なお、ここでいう「顧客探索時間」と
は、各場合分けに対応する各地区において得られた顧客
探索時間の実績値が複数存する場合にはこれら複数存す
る顧客探索時間実績の代表値とされてもよく、該代表値
としては、該複数存する顧客探索時間実績の平均値、該
複数存する顧客探索時間実績の中央値等を例示すること
ができる。
【0010】営業形態別計算の場合、前記営業形態がセ
ンタ配車の場合、前記需要実績データは運賃実績額、セ
ンタ場所移動時間、待機時間、迎車時間、乗車時間を決
定するためのデータを含み、前記期待収入額が、運賃実
績額/(センタ場所移動時間+待機時間+迎車時間+乗
車時間)によって算出されるものであってもよい。この
ような式で期待収入額を計算することで、営業形態がセ
ンタ配車の際、場合分け受付手段によって受け付けられ
た場合分けに対応する、各地区毎に期待できる単位時間
当たりの収入額である期待収入額を正確に計算すること
ができる。ここに「運賃実績額」とは、営業形態別計算
の際の前記営業形態が流しの場合に説明した「運賃実績
額」と同様であるのでここでは説明を省略する。なお、
ここで「運賃実績額」として、各地区及び該場合分けに
対応する運賃額が複数存する場合に複数存する運賃額の
代表値とされてよいことも同様である。ここでいう「セ
ンタ場所移動時間」とは、センタからの配車指示を受け
るまで待機する場所である待機場所が属する地区の少な
くともいずれかの場所まで移動するのに必要な時間をい
い、例えば、車両が現在属する地区とは異なる地区に移
動し該異なる地区内に存する待機場所において待機して
センタからの配車指示を待つような場合(営業形態はセ
ンタ配車)に該現在属する地区から該待機場所への移動
時間等を例示することができる。なお、ここでいう「セ
ンタ場所移動時間」とは、各場合分けに対応する同一区
間のセンタ場所移動時間実績が複数存する場合(例え
ば、地区Aから地区Bに存する待機場所への移動が複数
存する場合)にはこれら複数存するセンタ場所移動時間
実績の代表値とされてもよく、該代表値としては、該複
数存するセンタ場所移動時間実績の平均値、該複数存す
るセンタ場所移動時間実績の中央値等を例示することが
できる。「待機時間」とは、待機場所に到着してからセ
ンタからの配車指示を受けるまでの時間をいう。なお、
ここでいう「待機時間」とは、同じ地区における同じ場
合分けに対応する待機時間実績が複数存する場合にはこ
れら複数存する待機時間実績の代表値とされてもよく、
該代表値としては、該複数存する待機時間実績の平均
値、該複数存する待機時間実績の中央値等を例示するこ
とができる。「迎車時間」とは、待機場所に待機してい
る状態でセンタからの配車指示を受けて乗客等を迎えに
行き乗客等を乗せる際の配車指示を受けてから乗客等を
乗せるまでの時間をいう。なお、ここでいう「迎車時
間」とは、同じ地区における同じ場合分けに対応する迎
車時間実績が複数存する場合にはこれら複数存する迎車
時間実績の代表値とされてもよく、該代表値としては、
該複数存する迎車時間実績の平均値、該複数存する迎車
時間実績の中央値等を例示することができる。「乗車時
間」とは、営業形態別計算の際の前記営業形態が流しの
場合に説明した「乗車時間」と同様であるのでここでは
説明を省略する。なお、ここで「乗車時間」として、各
地区(乗車位置が属する地区)及び場合分けに対応する
乗車時間実績が複数存する場合に複数存する乗車時間実
績の代表値とされてよいことも同様である。
【0011】営業形態別計算で前記営業形態がセンタ配
車の場合に、前記需要実績データは運賃実績額、センタ
場所移動時間、待機時間、迎車時間、乗車時間を決定す
るためのデータを含み、前記期待収入額が、運賃実績額
/(センタ場所移動時間+待機時間+迎車時間+乗車時
間)によって算出されるとき、該待機時間が、各地区に
おいて現在待機している車両台数と、前記現在属する地
区から各地区それぞれへ該車両が移動する予想移動時間
と、各地区それぞれにおいて乗客が乗車することで実車
となる単位時間当たりの頻度である実車発生速度と、実
車状態から乗客が降車して空車となったものが各地区そ
れぞれにおいてセンタ配車を待つ待機状態となる単位時
間当たりの頻度である空車発生速度と、を用いて決定さ
れるものであってもよい。待機時間は、上述のように、
待機場所に到着してからセンタからの配車指示を受ける
までの時間であり、センタは通常、待機場所に到着した
順番に配車指示をするので、待機場所に到着した際にそ
こで該車両よりも前から待機している車両台数に該車両
1台を加えた台数を、各地区それぞれにおいて乗客が乗
車することで実車となる単位時間当たりの頻度である実
車発生速度によって除すことによって算出することがで
きる。ここに待機場所に到着した際にそこで該車両より
も前から待機している車両台数は、各地区において現在
待機している車両台数(「現在待機台数」という)か
ら、前記現在属する地区から各地区それぞれへ該車両が
移動する予想移動時間内に配車指示を受けることで該現
在待機している車両台数から減少する台数(「実車発生
台数」という)を減じ、そして該予想移動時間内に賃走
状態から乗客が降車して空車となったものが各地区それ
ぞれにおいてセンタ配車を待つ待機状態となる台数
(「空車発生台数」という)を加えることで算出するこ
とができる。即ち、待機時間は、式:(現在待機台数−
実車発生台数+空車発生台数+1)/実車発生速度によ
って算出することができる。そして、実車発生台数は該
予想移動時間に実車発生速度を乗じて算出することがで
き、空車発生台数は該予想移動時間に空車発生速度を乗
じて算出することができる。このため待機時間は、式:
(現在待機台数−予想移動時間×実車発生速度+予想移
動時間×空車発生速度+1)/実車発生速度によって算
出することができる。
【0012】前記実車発生速度を得ることはいかなる方
法によってもよく、例えば、各地区において前記場合分
けごとに発生する実車発生速度の実績値を記憶してお
き、立案すべき配置計画に対応する地区及び場合分けに
応じて該実績値を読み出して用いる(以下、「実車発生
速度記憶取得法」という。)ようにしてもよい。また、
前記場合分けの要因の少なくとも一部を含む要因による
場合分けである実車場合分けごとに前記実車発生速度の
実績値を記憶する実車発生速度記憶手段と、前記車両の
需要に影響を与える変動要因の程度を示す変動要因の実
績値(以下、「変動要因実績データ」という。)を該実
車場合分けごとに記憶する実車変動要因実績記憶手段
と、該実車場合分けごとに、該実車変動要因実績記憶手
段に記憶された該変動要因の実績値と該実車発生速度記
憶手段に記憶された該実車発生速度の実績値とから変動
要因と実車発生速度との関係である実車関係を求める実
車関係決定手段と、該実車関係決定手段によって求めら
れた該実車関係を該実車場合分けごとに記憶する実車関
係記憶手段と、立案すべき前記配置計画に対応する該変
動要因の計画値を受け付ける変動要因受付手段と、前記
場合分け受付手段によって受け付けられた前記場合分け
に対応する、該実車関係記憶手段から該実車関係を読み
出す実車関係読み出し手段と、該変動要因受付手段によ
って受け付けられた変動要因の計画値と該実車関係読み
出し手段によって読み出された該実車関係とを用いて実
車発生速度を算出する実車発生速度算出手段と、を含ん
でなる実車シミュレーション手段をさらに有するように
して、該実車発生速度算出手段によって該算出された実
車発生速度を用いるようにしてもよい。ここに「変動要
因」とは、本システムにおいて車両の需要に影響を与え
又は与えうると考え本システム内で考慮する要因をい
う。従って、変動要因は、場合分けの要因とは関係なく
選択されればよく、例えば、変動要因と場合分けの要因
とに重複する要因(変動要因と場合分けの要因との両方
に含まれる要因)が有っても無くてもよい。前記実車関
係決定手段によって前記実車変動要因実績記憶手段に記
憶された前記変動要因の実績値(変動要因実績データ)
と前記実車発生速度記憶手段に記憶された前記実車発生
速度の実績値とから変動要因と実車発生速度との関係で
ある実車関係を求める。このため場合分けの中で、ある
まとまった1種類の実車関係(例えば、関係式)でうま
く表すことができるような要因を変動要因とすることが
好ましい。このようにすることで実車シミュレーション
手段は次のように機能する。即ち、実車発生速度記憶手
段によって前記実車場合分けごとに実車発生速度の実績
値が記憶され、実車変動要因実績記憶手段によって前記
実車場合分けごとに変動要因実績データが記憶され、実
車関係決定手段によって前記実車変動要因実績記憶手段
に記憶された前記変動要因実績データと前記実車発生速
度記憶手段に記憶された前記実車発生速度の実績値とか
ら変動要因と実車発生速度との関係である実車関係が前
記実車場合分けごとに求められ、実車関係記憶手段によ
って実車関係決定手段により求められた該実車関係が前
記実車場合分けごとに記憶される。そして変動要因受付
手段によって、立案すべき前記配置計画に対応する該変
動要因の計画値が受け付けられ、実車関係読み出し手段
によって、前記場合分け受付手段によって受け付けられ
た前記場合分けに対応する前記実車関係が該実車関係記
憶手段から読み出され、実車発生速度算出手段によっ
て、該変動要因受付手段によって受け付けられた変動要
因の計画値と該実車関係読み出し手段によって読み出さ
れた該実車関係とを用いて実車発生速度が算出される。
なお、実車関係記憶手段においては実車場合分けごとに
実車関係が記憶されるが、該実車場合分けは前記場合分
けの要因の少なくとも一部を含む要因による場合分けで
あるため、前記場合分け受付手段によって受け付けられ
た前記場合分けに対応する実車場合分けを決定すること
ができ、前記場合分け受付手段によって受け付けられた
前記場合分けに対応する前記実車関係が該実車関係記憶
手段から読み出されることができる。例えば、実車場合
分けの要因がF、Gの2要因であるときに、前記場合分
けの要因がF、G、Hの3要因であれば(実車場合分け
は、前記場合分け要因F、G、Hの一部であるF、Gを
含む要因F、Gによる場合分けである。)、前記場合分
けを要因F、G、Hによって決定したときに要因F、G
に基づいて、該決定された前記場合分けに対応する実車
場合分けを決定することができる。そして実車場合分け
は前記場合分けの要因の少なくとも一部を含む要因によ
る場合分けであり、実車場合分けの要因の1と前記場合
分けの要因の1とが少なくとも同じものであれば足りる
が、実車場合分けの要因の全てと前記場合分けの要因の
全てが完全に一致していてもよい(この完全一致の場合
は、実車場合分けと前記場合分けとが全く同じ概念にな
る。)。以上のように、実車発生速度を実車発生速度記
憶取得法によって十分な精度で得るためには膨大な数の
場合分けを要するが、実車場合分けと関係(例えば、関
係式)とを併用することで精度を高く維持しつつ場合分
けの数を著しく減少させることができる。なお、前記実
車関係決定手段が求める前記実車関係(前記変動要因実
績データと前記実車発生速度の実績値とから求められる
変動要因と実車発生速度との関係)が、前記変動要因実
績データを構成する各数値とそれに対応する係数とを乗
じた項を加えてなる線形一次式によって表されるもので
あってもよい。こうすることで前記実車関係が線形一次
式により表されるので、複雑な計算式とならず簡単に前
記実車関係を決定することができることに加え、得られ
た前記実車関係を用いて実車発生速度を簡単に算出する
ことができる。
【0013】前記変動要因が、不快指数と厳寒指数との
うち少なくとも1を含むものであってもよい。前記実車
関係決定手段によって、実車場合分けごとに、前記実車
発生速度の実績値と前記変動要因実績データとの実車関
係を求めるが、この際、不快指数や厳寒指数が実車発生
速度に与える影響は、数式等による規則的なもので表し
やすい。従って、不快指数と厳寒指数は変動要因とする
方が、場合分け数を減少させることができ、本システム
を簡単にすることができる。そしてこれら不快指数や厳
寒指数そのもの又はこれらのものを算出するための情報
を本システムの外部情報源から自動的に取り込む該外部
情報源と連絡した情報取り込み手段を、さらに有するも
のであってもよい。こうすることで格別の操作を要する
ことなく、該情報取り込み手段が不快指数や厳寒指数を
得るための情報(不快指数、厳寒指数そのもの又はこれ
らのものを算出するための情報)を自動的に取り込むの
で取り込み忘れもなく便利である。なお、外部情報源と
の連絡は、確実に情報を取り込みことができるものであ
ればいかなる方法によってもよく、例えば、インターネ
ット、電話回線(有線、携帯電話、PHS等を含む)、
無線等を用いてもよい。さらに前記変動要因が、突発的
な実車発生速度の変化に応じる突発影響要因を含むもの
であってもよい。実車発生速度は、通常は関係ないが突
発的に起こったり発生等するものによって大幅に変動す
ることがある。かかる場合であっても、変動要因に突発
的な実車発生速度の変化に応じる突発影響要因を含める
ことで、需要予測の精度を十分高く維持することができ
る。例えば、開催されるイベントによる影響を考慮する
場合、前記突発影響要因が、地区ごとに実車発生速度に
影響を与えるイベントへの参加人数と該参加人数のうち
該車両の利用者の割合とを乗じたイベント指数を含むも
のであってもよい。こうすることでイベントの参加人数
と該参加人数のうち車両の利用者の割合とがわかれば、
イベントが開催されることで影響を受ける地区の実車発
生速度を高い精度で算出することができる。なお、降雪
や積雪が希な地区において、降雪や積雪があったとき
も、突発影響要因によって処理することができる。加え
て、前記変動要因が、実車発生速度に影響を与える経済
状況に関する経済データを含むものであってもよい。車
両の需要(実車発生速度)は経済状況に大きく影響され
ることから、経済状況に関する経済データを前記変動要
因が含むことで経済状況が変化しても正確に実車発生速
度を算出することができる。ここで用いる経済データと
しては、景気不景気を示す指標となるものを用いること
が好ましく、国や地方自治体が発表する統計月報の消費
者物価指数、1世帯当たりの月間収入及び支出、学区・
町別世帯数等を例示的に挙げることができる。
【0014】前記空車発生速度を得ることはいかなる方
法によってもよく、例えば、各地区において前記場合分
けごとに発生する空車発生速度の実績値を記憶してお
き、立案すべき配置計画に対応する地区及び場合分けに
応じて該実績値を読み出して用いる(以下、「空車発生
速度記憶取得法」という。)ようにしてもよい。また、
前記場合分けの要因の少なくとも一部を含む要因による
場合分けである空車場合分けごとに前記空車発生速度の
実績値を記憶する空車発生速度記憶手段と、前記車両の
需要に影響を与える変動要因の程度を示す変動要因の実
績値を該空車場合分けごとに記憶する空車変動要因実績
記憶手段と、該空車場合分けごとに、該空車変動要因実
績記憶手段に記憶された該変動要因の実績値と該空車発
生速度記憶手段に記憶された該空車発生速度の実績値と
から変動要因と空車発生速度との関係である空車関係を
求める空車関係決定手段と、該空車関係決定手段によっ
て求められた該空車関係を該空車場合分けごとに記憶す
る空車関係記憶手段と、立案すべき前記配置計画に対応
する該変動要因の計画値を受け付ける変動要因受付手段
と、前記場合分け受付手段によって受け付けられた前記
場合分けに対応する、該空車関係記憶手段から該空車関
係を読み出す空車関係読み出し手段と、該変動要因受付
手段によって受け付けられた変動要因の計画値と該空車
関係読み出し手段によって読み出された該空車関係とを
用いて空車発生速度を算出する空車発生速度算出手段
と、を含んでなる空車シミュレーション手段をさらに有
するようにして、該空車発生速度算出手段によって該算
出された空車発生速度を用いるようにしてもよい。ここ
に「変動要因」とは、実車発生速度を得る方法において
説明した「変動要因」と同様である。そして、前記空車
関係決定手段によって前記空車変動要因実績記憶手段に
記憶された前記変動要因実績データと前記空車発生速度
記憶手段に記憶された前記空車発生速度の実績値とから
変動要因と空車発生速度との関係である空車関係を求め
る。このため場合分けの中で、あるまとまった1種類の
前記空車関係(例えば、関係式)でうまく表すことがで
きるような要因を変動要因とすることが好ましい。この
ようにすることで空車シミュレーション手段は次のよう
に機能する。即ち、空車発生速度記憶手段によって空車
場合分けごとに空車発生速度の実績値が記憶され、空車
変動要因実績記憶手段によって前記空車場合分けごとに
変動要因実績データが記憶され、空車関係決定手段によ
って空車変動要因実績記憶手段に記憶された変動要因実
績データと前記空車発生速度記憶手段に記憶された前記
空車発生速度の実績値とから変動要因と空車発生速度と
の関係である空車関係が前記空車場合分けごとに求めら
れ、空車関係記憶手段によって空車関係決定手段により
求められた該空車関係が前記空車場合分けごとに記憶さ
れる。そして変動要因受付手段によって、立案すべき前
記配置計画に対応する該変動要因の計画値が受け付けら
れ、空車関係読み出し手段によって、前記場合分け受付
手段によって受け付けられた前記場合分けに対応する前
記空車関係が該空車関係記憶手段から読み出され、空車
発生速度算出手段によって、該変動要因受付手段によっ
て受け付けられた変動要因の計画値と該空車関係読み出
し手段によって読み出された該空車関係とを用いて空車
発生速度が算出される。なお、空車関係記憶手段におい
ては空車場合分けごとに空車関係が記憶されるが、該空
車場合分けは前記場合分けの要因の少なくとも一部を含
む要因による場合分けであるため、前記場合分け受付手
段によって受け付けられた前記場合分けに対応する空車
場合分けを決定することができ、前記場合分け受付手段
によって受け付けられた前記場合分けに対応する前記空
車関係が該空車関係記憶手段から読み出されることがで
きる。例えば、空車場合分けの要因がF、Gの2要因で
あるときに、前記場合分けの要因がF、G、Hの3要因
であれば(空車場合分けは、前記場合分け要因F、G、
Hの一部であるF、Gを含む要因F、Gによる場合分け
である。)、前記場合分けを要因F、G、Hによって決
定したときに要因F、Gに基づいて、該決定された前記
場合分けに対応する空車場合分けを決定することができ
る。そして空車場合分けは前記場合分けの要因の少なく
とも一部を含む要因による場合分けであり、空車場合分
けの要因の1と前記場合分けの要因の1とが少なくとも
同じものであれば足りるが、空車場合分けの要因の全て
と前記場合分けの要因の全てが完全に一致していてもよ
い(この完全一致の場合は、空車場合分けと前記場合分
けとが全く同じ概念になる。)。以上のように、空車発
生速度を空車発生速度記憶取得法によって十分な精度で
得るためには膨大な数の場合分けを要するが、空車場合
分けと関係(例えば、関係式)とを併用することで精度
を高く維持しつつ場合分けの数を著しく減少させること
ができる。なお、前記空車関係決定手段が求める前記空
車関係(前記変動要因実績データと前記空車発生速度の
実績値とから求められた変動要因と空車発生速度との関
係)が、前記変動要因実績データを構成する各数値とそ
れに対応する係数とを乗じた項を加えてなる線形一次式
によって表されるものであってもよい。こうすることで
前記空車関係が線形一次式により表されるので、複雑な
計算式とならず簡単に前記空車関係を決定することがで
きることに加え、得られた前記空車関係を用いて空車発
生速度を簡単に算出することができる。
【0015】前記期待額計算手段によって計算された前
記期待収入額を前記車両に通知する通知手段をさらに有
するものであってもよい。こうすることで該車両が、前
記位置受付手段によって受け付けられた(該車両が)現
在属する地区にそのまま存する場合と、複数の地区のう
ち該現在属する地区とは異なる各地区のそれぞれに移動
する場合と、の単位時間当たりの期待収入額を、該車両
の乗務員が知ることができ、該乗務員が自らの状況や好
みを考えていずれの地区にするかを決定することができ
る。なお、ここにいう「期待収入額を通知」するとは、
必ずしも期待収入額の具体的な値を通知することのみな
らず、各地区ごとの期待収入額の大小や最も期待収入額
が大きい地区を知らせることも含まれる。そして通知手
段としては、本システムから車両に期待収入額が通知可
能なものであればよく、特に限定されるものではない
が、例えば、音声、各地区ごとの期待収入額の大小を特
定するための信号、最も期待収入額が大きい地区を特定
するための信号を車両に送信する無線及び電話(携帯電
話やPHSを含む)等を挙げることができる。
【0016】本システムは、各車両に関する前記需要実
績データを作成するための実績データ(需要実績データ
そのものを含んでもよく、需要実績データそのものと一
致してもよい。)を入力する実績入力手段を有してもよ
い。該実績入力手段は、各車両に搭載され該各車両に関
する該実績データを該各車両の状態変化毎に実績記憶媒
体に累積的に書き込む実績書き込み手段と、システム本
体側に配置され該実績記憶媒体に書き込まれた該実績デ
ータを読み出す実績読み出し手段と、を有してなるもの
であってもよい。ここに「状態変化毎」とは、空車、賃
走、迎車、休憩の4状態の各状態間を遷移するいずれか
の時ごとに、の意味であるが、これら各状態間の遷移全
ての場合ごとでなくてもよい。また、「累積的に書き込
む」とは、順次発生したデータが後に時系列的に把握で
きる状態で書き込む、という意味である。こうすること
で、各車両に搭載された実績書き込み手段によって各車
両に関する該実績データが状態変化毎に実績記憶媒体に
累積的に書き込まれ、システム本体側に配置された実績
読み出し手段によって該実績記憶媒体に書き込まれた該
実績データが読み出され、システム本体に該実績データ
が収容される。従って、各車両とシステム本体との間で
のデータ授受が、ICカード、フレキシブルディスク
(フロッピィーディスク)、コンパクトディスク等とい
った軽量小型の該実績記憶媒体を介して行われるので、
各車両に関する該実績データをシステム本体に入力する
際の労力を軽減することができる。
【0017】本システムは、コンピュータに上記システ
ムとしての機能を実行させるためのプログラムを内蔵す
ることでも実現することが可能であり、該プログラムは
該コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録するこ
とができる。
【0018】さらに、上記課題を解決するために、本発
明の車両配置計画の立案を支援する方法(以下、「本方
法」という。)は、複数の地区に配置する車両の配置計
画の立案をコンピュータを用いて支援する方法であっ
て、該地区ごとに予め定められた場合分けに対応する、
該車両の稼働時間及び収入に関する需要実績データを記
憶する実績データ記憶ステップと、立案すべき該配置計
画に対応する該場合分けを受け付ける場合分け受付ステ
ップと、該車両の現在属する地区を受け付ける位置受付
ステップと、該場合分け受付ステップによって受け付け
られた該場合分けに対応する、該実績データ記憶ステッ
プによって記憶された該需要実績データを読み出す実績
データ読み出しステップと、該車両が、該位置受付ステ
ップによって受け付けられた該現在属する地区にそのま
ま存する場合と、該複数の地区のうち該現在属する地区
とは異なる各地区のそれぞれに移動する場合と、の単位
時間当たりの期待収入額を、該実績データ読み出しステ
ップによって読み出された該需要実績データを用いて計
算する期待額計算ステップと、を有してなる、方法であ
る。
【0019】ここで「車両」、「需要実績データ」、
「予め定められた場合分け」については本システムにお
いて説明したものと同様であるので、ここでは説明を省
略する。
【0020】このような本方法では、実績データ記憶ス
テップにおいて各地区ごとに予め定められた場合分けに
対応する、該車両の稼働時間及び収入に関する需要実績
データが記憶され、場合分け受付ステップにおいて立案
すべき配置計画に対応する場合分けが受け付けられ、位
置受付ステップにおいて該車両が現在属する地区が受け
付けられる。そして実績データ読み出しステップにおい
て、場合分け受付ステップにおいて受け付けられた場合
分けに対応する需要実績データが読み出される。最後
に、期待額計算ステップにおいて、車両が、位置受付ス
テップにおいて受け付けられた(車両が)現在属する地
区にそのまま存する場合と、複数の地区のうち(車両
が)現在属する地区とは異なる各地区のそれぞれに移動
する場合と、の単位時間当たりの期待収入額が、実績デ
ータ読み出しステップにおいて読み出された(場合分け
に対応する)需要実績データを用いて計算される。これ
によって本方法は、車両が、現在属する地区にそのまま
存する場合と、複数の地区のうち現在属する地区とは異
なる各地区のそれぞれに移動する場合と、のそれぞれに
ついて単位時間当たりの期待収入額を計算するので、こ
の期待収入額の大小によって複数の地区に配置する車両
の配置計画の立案を支援することができる(基本的に
は、期待収入額が大なる地区に車両が存するような車両
配置計画を立案すればよい。)。
【0021】前記場合分けの要因に、流しとセンタ配車
との少なくとも2種類に分けられた営業形態を含み、前
記期待収入額が、該営業形態別に計算されるものであっ
てもよい(以下、この場合を「営業形態別計算」とい
う。)。ここに「流し」と「センタ配車」との営業形態
については、本システムにおいて説明したものと同様で
あるので、ここでは説明を省略する。なお、各車両はこ
れら流しとセンタ配車との営業形態を混合した営業形態
をとる場合もあり、このときには「流し」と「センタ配
車」と「流しとセンタ配車との混合」の3種類に分けら
れた営業形態が、前記場合分けを行う要因に含まれてよ
いことも本システムと同様である。これらの営業形態の
違いによって車両需要が大幅に変動するので、期待収入
額は営業形態の違いによって大きく影響されることから
これら営業形態別に計算されることが好ましい。これら
営業形態による期待収入額への影響度合いは数式等によ
る規則的なものでは表しにくい。このため営業形態は場
合分けにより処理する方が、立案される車両の配置計画
の精度を容易に向上させることができる。
【0022】営業形態別計算の場合、前記営業形態が流
しの場合、前記需要実績データは運賃実績額、流し場所
移動時間、顧客探索時間、乗車時間を決定するためのデ
ータを含み、前記期待収入額が、運賃実績額/(流し場
所移動時間+顧客探索時間+乗車時間)によって算出さ
れるものであってもよい。このような式で期待収入額を
計算することで、営業形態が流しの際、場合分け受付手
段によって受け付けられた場合分けに対応する、各地区
毎に期待できる単位時間当たりの収入額である期待収入
額を正確に計算することができる。ここに「運賃実績
額」、「流し場所移動時間」、「顧客探索時間」、「乗
車時間」については、本システムにおいて説明したもの
と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0023】営業形態別計算の場合、前記営業形態がセ
ンタ配車の場合、前記需要実績データは運賃実績額、セ
ンタ場所移動時間、待機時間、迎車時間、乗車時間を決
定するためのデータを含み、前記期待収入額が、運賃実
績額/(センタ場所移動時間+待機時間+迎車時間+乗
車時間)によって算出されるものであってもよい。この
ような式で期待収入額を計算することで、営業形態がセ
ンタ配車の際、場合分け受付手段によって受け付けられ
た場合分けに対応する、各地区毎に期待できる単位時間
当たりの収入額である期待収入額を正確に計算すること
ができる。ここに「運賃実績額」、「センタ場所移動時
間」、「待機時間」、「迎車時間」、「乗車時間」につ
いては、本システムにおいて説明したものと同様である
ので、ここでは説明を省略する。
【0024】前記待機時間は、上述のように、待機場所
に到着した際にそこで該車両よりも前から待機している
車両台数に該車両1台を加えた台数を、各地区それぞれ
において乗客が乗車することで実車となる単位時間当た
りの頻度である実車発生速度によって除すことによって
算出することができ、これは式:(現在待機台数−実車
発生台数+空車発生台数+1)/実車発生速度によって
算出することができ、さらにこの式は式:(現在待機台
数−予想移動時間×実車発生速度+予想移動時間×空車
発生速度+1)/実車発生速度と書き換えることができ
る。これら待機時間を求める際に用いる実車発生速度を
得ることはいかなる方法によってもよく、例えば、各地
区において前記場合分けごとに発生する実車発生速度の
実績値を記憶しておき、立案すべき配置計画に対応する
地区及び場合分けに応じて該実績値を読み出して用いる
(以下、「実車発生速度記憶取得法」という。)ように
してもよい。また、前記場合分けの要因の少なくとも一
部を含む要因による場合分けである実車場合分けごとに
前記実車発生速度の実績値を記憶する実車発生速度記憶
ステップと、前記車両の需要に影響を与える変動要因の
程度を示す変動要因の実績値を該実車場合分けごとに記
憶する実車変動要因実績記憶ステップと、該実車場合分
けごとに、該実車変動要因実績記憶ステップにおいて記
憶された該変動要因の実績値と該実車発生速度記憶ステ
ップにおいて記憶された該実車発生速度の実績値とから
変動要因と実車発生速度との関係である実車関係を求め
る実車関係決定ステップと、該実車関係決定ステップに
よって求められた該実車関係を該実車場合分けごとに記
憶する実車関係記憶ステップと、立案すべき前記配置計
画に対応する該変動要因の計画値を受け付ける変動要因
受付ステップと、前記場合分け受付ステップによって受
け付けられた前記場合分けに対応する、該実車関係記憶
ステップにおいて記憶された該実車関係を読み出す実車
関係読み出しステップと、該変動要因受付ステップにお
いて受け付けられた変動要因の計画値と該実車関係読み
出しステップにおいて読み出された該実車関係とを用い
て実車発生速度を算出する実車発生速度算出ステップ
と、を含んでなる実車シミュレーションステップをさら
に有するようにして、該実車発生速度算出ステップにお
いて該算出された実車発生速度を用いるようにしてもよ
い。ここに「変動要因」とは、本システムにおいて説明
した通りであるので、ここでは説明を省略する。このよ
うにすることで実車シミュレーションステップは次のよ
うに機能する。即ち、実車発生速度記憶ステップにおい
て実車場合分けごとに実車発生速度の実績値が記憶さ
れ、実車変動要因実績記憶ステップにおいて実車場合分
けごとに変動要因実績データが記憶され、実車関係決定
ステップにおいて前記実車変動要因実績記憶ステップに
おいて記憶された前記変動要因実績データと前記実車発
生速度記憶ステップにおいて記憶された前記実車発生速
度の実績値とから変動要因と実車発生速度との関係であ
る実車関係が実車場合分けごとに求められ、実車関係記
憶ステップにおいて実車関係決定ステップにより求めら
れた該実車関係が実車場合分けごとに記憶される。そし
て変動要因受付ステップにおいて、立案すべき前記配置
計画に対応する該変動要因の計画値が受け付けられ、実
車関係読み出しステップにおいて、前記場合分け受付ス
テップにおいて受け付けられた前記場合分けに対応する
前記実車関係が読み出され、実車発生速度算出ステップ
において、該変動要因受付ステップにおいて受け付けら
れた変動要因の計画値と該実車関係読み出しステップに
おいて読み出された該実車関係とを用いて実車発生速度
が算出される。なお、実車関係記憶ステップにおいては
実車場合分けごとに実車関係が記憶されるが、該実車場
合分けは前記場合分けの要因の少なくとも一部を含む要
因による場合分けであるため、前記場合分け受付ステッ
プによって受け付けられた前記場合分けに対応する実車
場合分けを決定することができ、前記場合分け受付ステ
ップによって受け付けられた前記場合分けに対応する前
記実車関係が読み出されることができる。例えば、実車
場合分けの要因がF、Gの2要因であるときに、前記場
合分けの要因がF、G、Hの3要因であれば(実車場合
分けは、前記場合分け要因F、G、Hの一部であるF、
Gを含む要因F、Gによる場合分けである。)、前記場
合分けを要因F、G、Hによって決定したときに要因
F、Gに基づいて、該決定された前記場合分けに対応す
る実車場合分けを決定することができる。そして、前述
のように、実車場合分けは前記場合分けの要因の少なく
とも一部を含む要因による場合分けであり、実車場合分
けの要因の1と前記場合分けの要因の1とが少なくとも
同じものであれば足りるが、実車場合分けの要因の全て
と前記場合分けの要因の全てが完全に一致していてもよ
い(この完全一致の場合は、実車場合分けと前記場合分
けとが全く同じ概念になる。)。以上のように、実車発
生速度を実車発生速度記憶取得法によって十分な精度で
得るためには膨大な数の場合分けを要するが、実車場合
分けと関係(例えば、関係式)とを併用することで精度
を高く維持しつつ場合分けの数を著しく減少させること
ができる。なお、前記実車関係決定ステップにおいて求
める前記実車関係(前記変動要因実績データと前記実車
発生速度の実績値とから求められる変動要因と実車発生
速度との関係)が、前記変動要因実績データを構成する
各数値とそれに対応する係数とを乗じた項を加えてなる
線形一次式によって表されるものであってもよい。こう
することで前記実車関係が線形一次式により表されるの
で、複雑な計算式とならず簡単に前記実車関係を決定す
ることができることに加え、得られた前記実車関係を用
いて実車発生速度を簡単に算出することができる。
【0025】前記空車発生速度を得ることはいかなる方
法によってもよく、例えば、各地区において前記場合分
けごとに発生する空車発生速度の実績値を記憶してお
き、立案すべき配置計画に対応する地区及び場合分けに
応じて該実績値を読み出して用いる(以下、「空車発生
速度記憶取得法」という。)ようにしてもよい。また、
前記場合分けの要因の少なくとも一部を含む要因による
場合分けである空車場合分けごとに前記空車発生速度の
実績値を記憶する空車発生速度記憶ステップと、前記車
両の需要に影響を与える変動要因の程度を示す変動要因
の実績値を該空車場合分けごとに記憶する空車変動要因
実績記憶ステップと、該空車場合分けごとに、該空車変
動要因実績記憶ステップにおいて記憶された該変動要因
の実績値と該空車発生速度記憶ステップにおいて記憶さ
れた該空車発生速度の実績値とから変動要因と空車発生
速度との関係である空車関係を求める空車関係決定ステ
ップと、該空車関係決定ステップによって求められた該
空車関係を該空車場合分けごとに記憶する空車関係記憶
ステップと、立案すべき前記配置計画に対応する該変動
要因の計画値を受け付ける変動要因受付ステップと、前
記場合分け受付ステップによって受け付けられた前記場
合分けに対応する、該空車関係記憶ステップにおいて記
憶された該空車関係を読み出す空車関係読み出しステッ
プと、該変動要因受付ステップにおいて受け付けられた
変動要因の計画値と該空車関係読み出しステップにおい
て読み出された該空車関係とを用いて空車発生速度を算
出する空車発生速度算出ステップと、を含んでなる空車
シミュレーションステップをさらに有するようにして、
該空車発生速度算出ステップにおいて該算出された空車
発生速度を用いるようにしてもよい。ここに「変動要
因」とは、本システムにおいて説明したのと同様である
ので、ここでは説明を省略する。このようにすることで
空車シミュレーションステップは次のように機能する。
即ち、空車発生速度記憶ステップにおいて空車場合分け
ごとに空車発生速度の実績値が記憶され、空車変動要因
実績記憶ステップにおいて空車場合分けごとに変動要因
実績データが記憶され、空車関係決定ステップにおいて
前記空車変動要因実績記憶ステップにおいて記憶された
前記変動要因実績データと前記空車発生速度記憶ステッ
プにおいて記憶された前記空車発生速度の実績値とから
変動要因と空車発生速度との関係である空車関係が空車
場合分けごとに求められ、空車関係記憶ステップにおい
て空車関係決定ステップにより求められた該空車関係が
空車場合分けごとに記憶される。そして変動要因受付ス
テップにおいて、立案すべき前記配置計画に対応する該
変動要因の計画値が受け付けられ、空車関係読み出しス
テップにおいて、前記場合分け受付ステップにおいて受
け付けられた前記場合分けに対応する前記空車関係が読
み出され、空車発生速度算出ステップにおいて、該変動
要因受付ステップにおいて受け付けられた変動要因の計
画値と該空車関係読み出しステップにおいて読み出され
た該空車関係とを用いて空車発生速度が算出される。な
お、空車関係記憶ステップにおいては空車場合分けごと
に空車関係が記憶されるが、該空車場合分けは前記場合
分けの要因の少なくとも一部を含む要因による場合分け
であるため、前記場合分け受付ステップによって受け付
けられた前記場合分けに対応する空車場合分けを決定す
ることができ、前記場合分け受付ステップによって受け
付けられた前記場合分けに対応する前記空車関係が読み
出されることができる。例えば、空車場合分けの要因が
F、Gの2要因であるときに、前記場合分けの要因が
F、G、Hの3要因であれば(空車場合分けは、前記場
合分け要因F、G、Hの一部であるF、Gを含む要因
F、Gによる場合分けである。)、前記場合分けを要因
F、G、Hによって決定したときに要因F、Gに基づい
て、該決定された前記場合分けに対応する空車場合分け
を決定することができる。そして、前述のように、空車
場合分けは前記場合分けの要因の少なくとも一部を含む
要因による場合分けであり、空車場合分けの要因の1と
前記場合分けの要因の1とが少なくとも同じものであれ
ば足りるが、空車場合分けの要因の全てと前記場合分け
の要因の全てが完全に一致していてもよい(この完全一
致の場合は、空車場合分けと前記場合分けとが全く同じ
概念になる。)。以上のように、空車発生速度を空車発
生速度記憶取得法によって十分な精度で得るためには膨
大な数の場合分けを要するが、空車場合分けと関係(例
えば、関係式)とを併用することで精度を高く維持しつ
つ場合分けの数を著しく減少させることができる。な
お、前記空車関係決定ステップにおいて求める前記空車
関係(前記変動要因実績データと前記空車発生速度の実
績値とから求められる変動要因と実車発生速度との関
係)が、前記変動要因実績データを構成する各数値とそ
れに対応する係数とを乗じた項を加えてなる線形一次式
によって表されるものであってもよい。こうすることで
前記空車関係が線形一次式により表されるので、複雑な
計算式とならず簡単に前記空車関係を決定することがで
きることに加え、得られた前記空車関係を用いて空車発
生速度を簡単に算出することができる。
【0026】前記期待額計算ステップにおいて計算され
た前記期待収入額を前記車両に通知する通知ステップを
さらに有するものであってもよい。こうすることで該車
両が、前記位置受付ステップにおいて受け付けられた
(該車両が)現在属する地区にそのまま存する場合と、
複数の地区のうち該現在属する地区とは異なる各地区の
それぞれに移動する場合と、の単位時間当たりの期待収
入額を、該車両の乗務員が知ることができ、該乗務員が
自らの状況や好みを考えていずれの地区にするかを決定
することができる。なお、ここにいう「期待収入額を通
知」するとは、本システムにおいて説明した通りである
ので、ここでは説明を省略する。そして通知ステップに
おいて通知する手段についても、本システムにおいて説
明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
【0027】本方法は、各車両に関する前記需要実績デ
ータを作成するための実績データ(需要実績データその
ものを含んでもよく、需要実績データそのものと一致し
てもよい。)を入力する実績入力ステップとして、各車
両において該各車両に関する該実績データを該各車両の
状態変化毎に実績記憶媒体に累積的に書き込む実績書き
込みステップと、該実績記憶媒体に書き込まれた該実績
データを読み出す実績読み出しステップと、を有してな
るものであってもよい。ここに「状態変化毎」、「累積
的に書き込む」とは、本システムにおいて説明したもの
と同様であるので、ここでは説明を省略する。こうする
ことで、各車両で実績書き込みステップにおいて各車両
に関する該実績データが状態変化毎に実績記憶媒体に累
積的に書き込まれ、実績読み出しステップによって該実
績記憶媒体に書き込まれた該実績データが読み出され、
実績データが収容される。従って、各車両とシステム本
体との間でのデータ授受が、ICカード、フレキシブル
ディスク(フロッピィーディスク)、コンパクトディス
ク等といった軽量小型の該実績記憶媒体を介して行われ
るので、各車両に関する該実績データを入力する際の労
力を軽減することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0029】ここでは複数の地区に車両たるタクシーを
配置する配置計画の立案を支援するシステム及び方法に
ついて説明する。図1はタクシー11と営業所31と基
地51とのつながりを示す略構成図である。図1を参照
して、本システム各部のつながりについて説明する。な
お、本実施形態では、前記予め定められた場合分け(前
記場合分け)の要因と、実車場合分けの要因と、空車場
合分けの要因と、は全て同じ(流しとセンタ配車とを含
む営業形態、降雨の有無、曜日、時間帯との4要因)で
あるが、必要に応じてこれら前記場合分けの要因と実車
場合分けの要因と空車場合分けの要因とは互いに異なる
ものであってもよい。例えば、前記場合分けの要因を流
しとセンタ配車とを含む営業形態、降雨の有無、曜日、
時間帯との4要因とし、実車場合分けの要因と空車場合
分けの要因とを流しとセンタ配車とを含む営業形態、曜
日、時間帯との3要因にしてもよい。
【0030】タクシー11は、タクシー11の現在位置
等を検出するグローバルポジショニングシステム(以
下、「GPS」という。)13と、タクシー11の速度
を検出するデータ受け取り部15と、GPS13とデー
タ受け取り部15とからデータを得て実績データ(需要
実績データを作成するためのデータ(需要実績データそ
のものを含んでもよく、需要実績データそのものと一致
してもよい。)をいう。)を算出等する制御部23と、
実績データ等を表示する表示部17と、実績データを実
績記憶媒体たるICカード21に書き込むデータ書き込
み部19と、を有している。これらGPS13、データ
受け取り部15、表示部17及びデータ書き込み部19
と制御部23とは、データ授受が可能なようにケーブル
25によって連結されている。本実施形態では、GPS
13、データ受け取り部15、データ書き込み部19と
制御部23とによって実績書き込み手段が形成されてお
り、実績書き込み手段は、後述のように、タクシーに搭
載されタクシーに関する実績データをタクシーの状態変
化毎にICカード21(実績記憶媒体)に累積的に書き
込む。なお、ここでは1台のタクシー11についてのみ
示しているが、これと同様な複数台のタクシーが存在し
ている。
【0031】営業所31は、タクシー11に関する実績
データが書き込まれたICカード21(実績記憶媒体)
の該実績データを読み出すカード読み取り部33と、カ
ード読み取り部33によって読み出された実績データを
処理及び記憶する営業所コンピュータ35と、を有して
いる。カード読み取り部33と営業所コンピュータ35
とは、データ授受が可能なようにケーブル37によって
連結されている。本実施形態では、カード読み取り部3
3が、システム本体側に配置された実績読み出し手段に
相当する。なお、システム本体とは、システム全体から
車両(ここではタクシー11)を除いた残部をいう。そ
して、本実施形態では、ICカード21(実績記憶媒
体)を介してタクシー11に関する実績データが受け渡
されているが、これに限定されるものではなく、例え
ば、携帯電話、PHS、無線等を用いて実績データを受
け渡してもよく、またその際には、タクシーの状態変化
毎に実績データを受け渡すようにしても、一定時間経過
毎に実績データを受け渡すようにしても、タクシー11
が一定距離移動する毎に実績データを受け渡すようにし
てもよく、そしてこれらの状態変化、一定時間経過、一
定距離移動を組み合わせたタイミングで実績データを受
け渡すようにしてもよい。
【0032】基地51は、主として実車発生速度及び空
車発生速度を算出する第一基地コンピュータ53と、主
として期待収入額を算出する第二基地コンピュータ58
と、第一基地コンピュータ53と第二基地コンピュータ
58との記憶装置として働くデータサーバー55(実績
データ記憶手段と実車発生速度記憶手段と変動要因実績
記憶手段と実車関係記憶手段と空車発生速度記憶手段と
空車関係記憶手段として働く)を有している。第一基地
コンピュータ53と第二基地コンピュータ58とデータ
サーバー55とは、互いに自由にデータ授受が可能なよ
うにケーブル59によって連結されている。第一基地コ
ンピュータ53は、営業所コンピュータ35に記憶され
た実績データをケーブル41を通じて受け取ると共に、
タクシ11の需要に影響を与える変動要因の程度を示す
変動要因実績データそのもの又はそれを算出するために
必要なデータを取り込み、データサーバー55へ出力す
る。
【0033】ここで実績データは、各データが地区情報
(乗車又は降車がいずれの地区で発生したかが少なくと
も明らかになる情報)と場合分け要因(流しとセンタ配
車とを含む営業形態、降雨の有無、曜日、時間帯との4
要因による。本実施形態では、前記場合分け、実車場合
分け、空車場合分けの場合分け要因となる。)のうち降
雨の有無以外の要因情報を含むものであり、各地区ごと
に各場合分けごとの情報を抽出することができる。そし
て、変動要因実績データそのもの又はそれを算出するた
めに必要なデータについても、各データがいずれの地区
に属し、場合分けのうちいずれの曜日と時間帯に属する
かが明らかになるように地区情報と場合分け情報を含む
ようになっている。このため実績データのうちの各デー
タが、いずれの変動要因実績データそのもの又はそれを
算出するために必要なデータ(変動要因実績データ等と
いう。)に関係するかの対応関係が明らかになる。な
お、実績データのうちの各データと変動要因実績データ
等との対応関係が、これら地区情報と場合分け情報とで
は一義に定まらない場合(例えば、両データが複数週間
に及ぶような場合であれば、地区情報と、営業形態、曜
日、時間帯の3要因のみによる場合分けとでは、同じ曜
日であっても異なる日のものが存するので、一義に対応
できなくなる場合がある。)には、適宜他の属性(例え
ば、年月日)を両データに持たせておき、両データの該
他の属性をも参照して両データの対応関係を明らかにす
ればよい。データサーバー55では、実績データの各デ
ータが有する乗車した乗車地区と降車した降車地区にお
いて降雨の有無を示す降雨情報を含めて(該各データの
地区情報と場合分け情報と必要な場合には前記他の属性
とによって、乗車地区及び降車地区の降水有無を、降水
の有無の情報をも記憶している変動要因実績記憶手段か
ら該当するものを読み出して実績データとを結びつけ
る。なお、この結びつけは、データサーバー55に先に
実績データを格納した後に、降水有無の情報をデータサ
ーバー55に該実績データと対応関係をとりつつ格納し
ても、また、実績データと降水有無の情報とを対応させ
つつデータサーバー55に格納してもよい。)、需要実
績データが記憶され、そして変動要因実績データも記憶
される。この点からは、データサーバー55は、地区ご
とに、予め定められた場合分けに対応する需要実績デー
タを記憶することから実績データ記憶手段として働くと
共に、変動要因実績データを該場合分けごとに記憶する
ことから変動要因実績記憶手段(実車変動要因実績記憶
手段と空車変動要因実績記憶手段との両方として機能す
る。)としても働く。
【0034】第一基地コンピュータ53によって取り込
まれるデータ(変動要因実績データ等を含む。)は、本
実施形態においては、天気、気温(℃)、風向、風速
(m/s)、降水量(mm)、湿度(%)であり、本シ
ステムの外部情報源たる民間気象情報提供業者のホーム
ページから第一基地コンピュータ53が、自動的に所定
時間に各地区ごとにインターネット57を用いて収集す
る。即ち、第一基地コンピュータ53は、該外部情報源
たる民間気象情報提供業者のホームページとインターネ
ット57によって連絡されており、情報取り込み手段と
してもはたらく。なお、ここではホームページからの情
報収集を例として挙げたが、これに限定されるものでは
なく、例えば、有線又は無線の専用回線等を用いて収集
してよいことはいうまでもない。そして、第一基地コン
ピュータ53が自動的に情報を収集するのは、所定時間
間隔毎に行うようにしてもよい。これら取り込まれた天
気、気温(℃)、風向、風速(m/s)、降水量(m
m)、湿度(%)は、前述のように、各データがいずれ
の地区に属し、場合分けのうちいずれの曜日と時間帯に
属するかが明らかになり、さらに各データが採取された
年月日が明らかになるような情報を含むようになってい
る。なお、第一基地コンピュータ53と営業所コンピュ
ータ35との間は、本実施形態ではケーブル41によっ
て連結されデータ授受を行っているが、特にこれに限定
されるものではなく、例えば、有線電話、インターネッ
ト、携帯電話、PHS、無線等を用いてデータ授受を行
うようにしてもよい。
【0035】上述のようにデータサーバー55に記憶さ
れた需要実績データには、乗車した乗車地区と降車した
降車地区が含まれ、それらがいずれの場合分けに属する
かが明らかになる形になっている。即ち、該記憶された
需要実績データには実車発生速度(各地区それぞれにお
いて乗客が乗車することで実車となる単位時間当たりの
頻度をいう。なお、各乗車はその乗車地が属する地区の
実車発生頻度の実績値に分類される。)の実績値と空車
発生速度(実車状態から乗客が降車して空車となったも
のが各地区それぞれにおいてセンタ配車を待つ待機状態
となる単位時間当たりの頻度をいう。なお、本実施形態
では、各降車はその降車地が属する地区の空車発生頻度
の実績値に分類される。)の実績値とが場合分けごとに
含まれることから(ここでは前記場合分けと実車場合分
けと空車場合分けとの要因が一致しているので、実車場
合分けごと、空車場合分けごとに含まれていることにな
る。)、データサーバー55は実車発生速度記憶手段と
空車発生速度記憶手段としても働く。
【0036】そして所定量の需要実績データがデータサ
ーバー55に蓄積されたら、第一基地コンピュータ53
はデータサーバー55に記憶されている需要実績データ
から各地区ごと前記場合分けごとに属する乗車回数及び
降車回数を計数する。一方、第一基地コンピュータ53
は、変動要因実績記憶手段としてのデータサーバー55
から各地区ごと前記場合分けごとに変動要因実績データ
を読み出す。そして第一基地コンピュータ53は、各地
区ごと実車場合分けごとに、乗車回数(場合分けの要因
の1である時間帯当たりの乗車回数であるので、実車発
生速度の実績値となる)と変動要因実績データとから変
動要因と実車発生速度との関係である実車関係を求める
(ここでは第一基地コンピュータ53は実車関係決定手
段として働く)。また、第一基地コンピュータ53は、
各地区ごと空車場合分けごとに、降車回数(場合分けの
要因の1である時間帯当たりの降車回数であるので、空
車発生速度の実績値となる)と変動要因実績データとか
ら変動要因と空車発生速度との関係である空車関係を求
める(ここでは第一基地コンピュータ53は空車関係決
定手段として働く)。なお、ここでは実車場合分けの要
因と空車場合分けの要因とは一致している。これら第一
基地コンピュータ53によって求められた実車関係及び
空車関係は、それぞれ各地区ごと場合分け(実車場合分
け、空車場合分け)ごとにデータサーバー55に記憶さ
れる。即ち、データサーバー55は、ここで実車関係を
記憶する際には実車関係記憶手段として働き、空車関係
を記憶する際には空車関係記憶手段として働く。
【0037】そしてタクシー11の状態が変化したとき
は、GPS13が検出した現在タクシー11が存する経
度と緯度とからなる位置情報と該状態変化情報とが、制
御部23によって自動的に基地51へと無線によって発
せられる。基地51では、この信号を受信して、第二基
地コンピュータ58が該位置情報とそれに随伴する状態
変化情報とを取り込む。なお、該位置情報のタクシー1
1からの送信及び基地51における受信は、現在でもA
VMシステム(Automatic Vehicle
Monitoring System、無線を利用しタ
クシー等の自動車の状態を管理するシステムをいう。)
として既知であるのでここでは説明を省略する。第二基
地コンピュータ58は該位置情報を基にタクシー11が
現在属する地区をわりだし、該割り出されたタクシー1
1が現在属する地区を受け付ける(位置受付手段)。こ
のような各地区における各タクシーの状態変化情報は、
第二基地コンピュータ58によって各地区におけるタク
シー台数及びそれらのタクシーの現在の状況として把握
される(各地区待機台数把握部)。
【0038】一方、前記状態変化情報が、乗客が降車し
て空車となったものであれば、第二基地コンピュータ5
8は、立案すべき配置計画に対応する前記場合分けを受
け付けるように働く(場合分け受付手段)。具体的に
は、ここでは場合分けの要因のうち、曜日と時間帯との
2要因については第二基地コンピュータ58が内蔵する
内蔵時計が発する現在のデータをそのまま取り込み、場
合分けの要因のうち降雨の有無については各地区の天気
予報等を参考にして本システムのオペレータが各地区に
該当するものを入力する。なお、降雨の有無について
は、このようにオペレータが入力するようにしなくて
も、情報取り込み手段を通じてインターネット経由で自
動的に該当するデータを取り込むようにしてもよい。以
上のように、各地区の降雨の有無、曜日、時間帯の場合
分けの3要因が受け付けられ、これらに応じて第二基地
コンピュータ58が実績データ記憶手段たるデータサー
バー55から該地区の降雨の有無、曜日、時間帯の場合
分けに応じた各地区の需要実績データを読み出す(実績
データ読み出し手段)。さらに、該読み出された需要実
績データは、流しとセンタ配車との2種類の営業形態に
分類されているので、これら営業形態の別に分類し、第
二基地コンピュータ58がそれぞれの営業形態別に各地
区における期待収入額を計算する(期待額計算手段)。
なお、営業形態別各地区別の期待収入額の計算におい
て、センタ配車の営業形態による期待収入額を計算する
際に(待機時間算出のため)用いる実車発生速度及び空
車発生速度は第一基地コンピュータ53によって求めら
れ、第一基地コンピュータ53から第二基地コンピュー
タ58に送信される。即ち、立案すべき配置計画に対応
する場合分けを受け付けた第二基地コンピュータ58
(場合分け受付手段)は、第一基地コンピュータ53に
該受け付けた場合分けを通知する。通知をうけた第一基
地コンピュータ53は、通知された場合分けに対応する
実車関係を実車関係記憶手段たるデータサーバー55か
ら読み出す(実車関係読み出し手段)と共に、通知され
た場合分けに対応する空車関係を空車関係記憶手段たる
データサーバー55から読み出す(空車関係読み出し手
段)。一方、情報取り込み手段たる第一基地コンピュー
タ53は、通知された場合分けと各地区に対応する天
気、気温(℃)、風向、風速(m/s)、降水量(m
m)、湿度(%)を含む変動要因の計画値等をインター
ネット57を通じて外部情報源たる民間気象情報提供業
者のホームページから取り込み、そしてこれらから変動
要因の計画値を算出すると共に受け付ける(変動要因受
付手段)。そして受け付けられた変動要因の計画値と前
記読み出された実車関係とを用いて実車発生速度を算出
し(実車発生速度算出手段)、第二基地コンピュータ5
8(待機時間算出部)に送信される。同様に、受け付け
られた変動要因の計画値と前記読み出された空車関係と
を用いて空車発生速度を算出し(空車発生速度算出手
段)、第二基地コンピュータ58(待機時間算出部)に
送信される。
【0039】最後に、前記計算された営業形態別各地区
別の期待収入額を、第二基地コンピュータ58は、乗客
が降車して空車となったタクシー11に無線によって通
知する。通知されたタクシー11では、営業形態別各地
区別の期待収入額を車内に存するディスプレイに表示す
ることで、タクシー11の乗務員が該期待収入額を知る
ことができる。なお、該期待収入額のタクシー11への
送信及びタクシー11における受信等は、現在でもAV
Mシステムとして既知であるのでここでは説明を省略す
る。また、ここでは通知された営業形態別各地区別の期
待収入額を車内に存するディスプレイに表示するように
しているが、これに加えて又はこれとは別に音声によっ
て出力するようにしてもよい。
【0040】ついでタクシー11と営業所31と基地5
1とに配置されたシステムについて詳しく説明する。第
一に、タクシーに配置されたシステムについて詳述す
る。図2に、タクシー11に搭載された搭載本体部61
の外観構成を示す。搭載本体部61は、タクシー料金メ
ータと一体になっており、本体63、第一画像モニター
65a(主として従来のタクシー料金メータが表示する
内容、例えば、現在の運賃等を表示する)と第二画像モ
ニター65b(主として実績データやセンターから送信
された営業形態別各地区別の期待収入額を表示する)と
からなり表示部17の一部を構成する画像モニター6
5、状態変化ボタン67a、67b、67c、67d
(状態変化ボタン67aは賃走になったとき、状態変化
ボタン67bは空車になったとき、状態変化ボタン67
cは迎車になったとき、そして状態変化ボタン67dは
休憩になったとき、それぞれ押す。なお、流しの営業形
態で賃走となったときは状態変化ボタン67aの上部6
7aaを押し、センター配車の営業形態で賃走となった
ときは状態変化ボタン67aの下部67abを押すこと
で、後述のようにこれら営業形態の別が実績データの一
部として記録される。以下、状態変化ボタン67aを押
すとは、その上部67aaを押すこととその下部67a
bを押すこととの両方を含む。)、実績データをICカ
ード21に書き込むデータ書き込み部19たるICカー
ドレコーダ71と、第二画像モニター65bに表示する
実績データの種類を選択する表示データ選択ボタン69
a、69b(表示データ選択ボタン69aが押されると
直近のデータから表示され、表示データ選択ボタン69
bが押されると古いデータから表示される。)を有す
る。また、搭載本体部61には、タクシー11の現在位
置等の情報を搭載本体部61に供給するGPSレシーバ
ー13と、既知の方法(例えば、スピードメータへの信
号を分取すること等によってもよい)によってタクシー
11の速度を検出し搭載本体部61に供給するデータ受
け取り部15と、を有している。
【0041】搭載本体部61について説明する。まず、
画像モニター65を構成する第一画像モニター65a及
び第二画像モニター65bはそれぞれ独立したカラー液
晶ディスプレイにより構成される。第一画像モニター6
5aは、従来のタクシー料金メータが表示していた内容
を主として表示するものであり、例えば、現在の運賃や
車両の状態(賃走、空車、迎車及び休憩の別、そして深
夜割増等)を表示する。第二画像モニター65bは、主
として実績データやセンターから送信された営業形態別
各地区別の期待収入額を表示するためのものであり、前
述のように表示データ選択ボタン69a、69bのいず
れを押し下げるかによって表示される実績データの種類
を選択することができると共に、センタからの営業形態
別各地区別の期待収入額が通知されるとそれが自動的に
表示される(期待収入額が表示された状態から、表示デ
ータ選択ボタン69a、69bのいずれかを押し下げる
かによって実績データを表示させることができる。)。
そして状態変化ボタン67a(流しで賃走となったとき
は上部67aaを押し、センター配車で賃走となったと
きは下部67abを押す)、67b、67c、67d
は、タクシー11が賃走になったとき、空車になったと
き、迎車になったとき、休憩になったとき乗務員(運転
手)によってそれぞれ押し下げられる。これら状態変化
ボタン67a、67b、67c、67dのいずれかが押
し下げられると本体63(制御部23)がそのことを感
知し、本体63(制御部23)がデータ書き込み部19
たるICカードレコーダ71へ書き込むべき実績データ
を提供しICカード21への書き込みを命令する。な
お、ICカード21へ書き込まれる実績データについて
は後で詳述する。なお、ここでは表示データ選択ボタン
69a、69bや状態変化ボタン67a、67b、67
c、67dのように機械式ボタンを用いているが、タッ
チパネルによって行っても、またジョイスティックやマ
ウス等の他のポインティングデバイスを用いたりするこ
とができる。
【0042】ICカードレコーダ71は、図2では図示
しないICカード21を抜き差しできるようになってお
り、本体63(制御部23)からの指示によって、差し
込まれたICカード21にデータを書き込んだり、差し
込まれたICカード21に書き込まれているデータを読
み出すことができる。本体63は、コンピュータにこれ
を制御するプログラムを内蔵したものである。図3に本
体63のハードウエア構成を示す概略ブロック図を示
す。本体63は演算処理を行うCPU151a、CPU
151aの作業領域等となるRAM151b、制御プロ
グラム等を記録するROM151c、搭載本体部61の
他の構成機器等との情報のやり取りを行うためのインタ
ーフェイス151dを有する。
【0043】図4に、図3のハードウエアとROM15
1cに記録されるプログラムにより実現される本体63
の機能ブロック図を示す。本体63は機能的には、位置
受付部101、時刻受付部103、速度受付部105、
状態受付部107、料金計算部109、書き込みデータ
生成部111、データ読み出し部113、データ選択部
115、出力部117、配置案受信部119、状態送信
部121とからなる。
【0044】位置受付部101は、GPSレシーバー1
3からの緯度および経度よりなる位置データの入力を受
け付けて、該位置データを書き込みデータ生成部111
と状態送信部121とへ出力する。時刻受付部103
は、GPSレシーバー13からの西暦年月日及び時刻よ
りなる時刻データの入力を受け付けて、料金計算部10
9と書き込みデータ生成部111へ出力する。なお、こ
こでは時刻データをGPSレシーバが発生及び供給する
が、通常の時計によって発生及び供給しても、そして本
体63に内蔵された時計によって発生及び供給してもよ
いことは言うまでもない。
【0045】速度受付部105は、データ受け取り部1
5によって検出されたタクシー11の速度データの入力
を受け付けて、料金計算部109へ出力する。状態受付
部107は、状態変化ボタン67(67a、67b、6
7c、67d)のうちいずれのものが押されかの入力を
受け付けて、それを料金計算部109、出力部117、
書き込みデータ生成部111、状態送信部121へ並列
的に出力する。ここで状態変化ボタン67aが押された
場合、その上部67aaが押されたかその下部67ab
が押されたかについて書き込みデータ生成部111が認
識できるよう出力される。
【0046】料金計算部109は、賃走となった場合に
押される状態変化ボタン67aが押されたこと又は迎車
となった場合に押される状態変化ボタン67cが押され
たことを示す信号を状態受付部107から受信すると、
押された状態変化ボタンが状態変化ボタン67a(賃
走)か状態変化ボタン67c(迎車)かいずれであるか
に応じて運賃(料金)の計算を開始する。この運賃計算
は、賃走と迎車それぞれについて算出方法が予め定めら
れており、時刻受付部103から出力された時刻データ
から得られる時間経過と、速度受付部105から出力さ
れた速度データから得られる移動距離と、必要な場合に
は速度受付部105から出力された速度データと、を考
慮して行われる(タクシーの運賃計算方法については既
知であるのでここでは説明を省略する。)。計算された
現在の運賃は書き込みデータ生成部111と出力部11
7へ並列的に出力される。そして、空車となった場合に
押される状態変化ボタン67bが押されたこと又は休憩
となった場合に押される状態変化ボタン67dが押され
たことを示す信号を状態受付部107から料金計算部1
09が受け付けると、その時点で運賃計算は中止され
る。なお、迎車となった場合に押される状態変化ボタン
67cが押された後走行し、そして賃走となった場合に
押される状態変化ボタン67aが押された場合には、状
態変化ボタン67cが押されてから状態変化ボタン67
aが押される迄の迎車料金に加えて状態変化ボタン67
aが押された後の賃走料金が加算される。なお、ここで
は運賃を得る状態として、賃走と迎車のみを考慮してい
るが、その他の状態、例えば、待機等を考慮するように
してもよい。
【0047】状態送信部121は、状態変化ボタン67
(67a、67b、67c、67d)のうちいずれかの
ものが押された信号を状態受付部107から受け付ける
と、状態変化ボタン67(67a、67b、67c、6
7d)のうちいずれのものが押されたかの状態受付部1
07からの信号と、GPSレシーバー13から受け付け
た緯度および経度よりなる位置データよりなる位置受付
部101からの信号と、を無線(本実施形態では、業務
用無線を使用している。)を通じて基地51の第二基地
コンピュータ58に送信する。この信号を基地51(第
二基地コンピュータ58)が受信することで、基地51
(第二基地コンピュータ58)が、各タクシー11がど
の位置においていかなる状態変化をしたかについて把握
することができる。
【0048】書き込みデータ生成部111は、位置受付
部101からの位置データ(具体的には、経度と緯度)
と、時刻受付部103からの時刻データ(具体的には、
西暦年月及び時刻)と、料金計算部109からの運賃
と、状態受付部107からの状態変化ボタン67の押し
下げ感知信号(この中には状態変化ボタン67aが押さ
れた際に、その上部67aaが押されたかそれともその
下部67abが押されたかを識別可能にする信号も含ま
れている。)と、を受信して、書き込みデータを生成す
る。そして状態受付部107からの状態変化ボタン67
の押し下げ感知信号を受信する毎に生成した書き込みデ
ータをICカードレコーダー71に送信する。書き込み
データを受信したICカードレコーダー71は、自動的
に該受信した書き込みデータをICカード21に書き込
む。ここで書き込みデータ生成部111が生成する前記
書き込みデータは、状態変化ボタン67の押し下げ感知
信号を状態受付部107から書き込みデータ生成部11
1が受信した際の日付及び時刻、状態変化ボタン67の
押し下げ感知信号を状態受付部107から書き込みデー
タ生成部111が受信した際の位置(経度・緯度)、状
態変化ボタン67の押し下げ感知信号を状態受付部10
7から書き込みデータ生成部111が受信した際の運賃
(額)、押し下げられた状態変化ボタン67の種類(状
態変化ボタン67aが押し下げられた場合であれば、そ
の上部67aaとその下部67abとのいずれが押し下
げられたかも区別する。)を含む。なお、ここでは各乗
務員(運転手)それぞれに決まったICカードを用いる
ようにしており、最初から各ICカードにはどの乗務員
が使用するものか認識できるように情報(例えば、乗務
員の識別番号等)が書き込まれている。そして勤務開始
(即ち、出庫)と同時に乗務員がICカード21をIC
カードレコーダー71に差し入れそれによりその差し入
れた時刻が差し入れたICカードに出庫日時として書き
込まれるとともに、勤務終了(即ち、入庫)と同時に乗
務員が図示しない抜き取りボタンを押すことでICカー
ドレコーダー71がICカードにその抜き取りボタンを
押した時刻を入庫日時として書き込み、ICカードレコ
ーダー71からICカードが排出(イジェクト)され
る。
【0049】データ読み出し部113は、データ選択部
115の命令を受けそれに従ってICカードに書き込ま
れているデータを読み出すようにICカードレコーダ7
1に命令すると共に、読み出されたデータをデータ選択
部115へと出力する。データ選択部115は、表示デ
ータ選択ボタン69a、69bが押し下げられた信号を
受け付ける。表示データ選択ボタン69aが押し下げら
れた場合はICカードに書き込まれているデータのうち
直近のデータから順に古いデータに向かって読み出すよ
うにデータ読み出し部113に命令し、表示データ選択
ボタン69bが押し下げられた場合はICカードに書き
込まれているデータのうち古いデータから順に新しいデ
ータに向かって読み出すようにデータ読み出し部113
に命令する。そしてデータ選択部115は、データ読み
出し部113から受け取ったデータを出力部117に出
力する。
【0050】配置案受信部119は、乗客が降車して空
車に状態変化した際に基地51(第二基地コンピュータ
58)によって計算され無線(本実施形態では、業務用
無線を用いる。)によってタクシー11に向けて送信さ
れた営業形態別各地区別の期待収入額に関する信号を受
信し、その受信した営業形態別各地区別の期待収入額に
関するデータを出力部117に出力する。
【0051】出力部117は、料金計算部109によっ
て計算される現在までの料金と、状態受付部107から
受け付けたタクシー11の状態(賃走、空車、迎車、休
憩)と、を画像に合成して第一画像モニタ65aに出力
する。そして配置案受信部119から受け取った前記営
業形態別各地区別の期待収入額を出力部117は画像に
合成して第二画像モニタ65bに出力する。これによっ
てタクシー11の乗務員が該期待収入額を知ることがで
き、その後にどのように営業すべきか(流しとセンタ配
車とのいずれの営業形態で、いずれの地区で営業する
か)についての判断材料を得ることができる。なお、デ
ータ選択部115からのデータを出力部117が受信し
ている際には、出力部117は、データ選択部115か
らのデータを画像に合成して第二画像モニタ65bに出
力する。そして、表示データ選択ボタン69a、69b
が押し下げが終わった時点から所定時間が経過すると、
データ選択部115から出力部117へのデータ出力を
中止するようになっている。
【0052】なお、本体63は、一般的なコンピュータ
に上記機能もしくは下記の動作を達成させるようなプロ
グラムを内蔵させることによっても実現可能であり、こ
のプログラムは前記コンピュータに読み出し可能なCD
−ROMのような記録媒体に記録することができる。ま
た、当該プログラムは、遠隔に設けられた記憶媒体から
インターネット等の通信網を介して読み出すことも可能
である。
【0053】次に、このようにしてデータを記憶したI
Cカード21の内容について説明する。表1にICカー
ド21の記録内容を模式的に表した表を示す。
【0054】 (表1) ICカードの記録内容例 1.乗務員コード NO.3 2.出庫日時 1999年4月20日(火曜日)午前7時48分 3.入庫日時 1999年4月20日(火曜日)午後8時21分 4.実績 状態変化 変化日時 変化位置 運 賃 データ1 賃走(流し) 4月20日 133.4582E 0 8時11分 35.8643N データ2 空車 4月20日 133.4961E 620 8時17分 35.9006N データ3 迎車 4月20日 133.5003E 0 8時55分 35.8908N データ4 賃走(センタ配車) 4月20日 133.5059E 500 8時59分 35.9084N データ5 空車 4月20日 133.4799E 2100 9時12分 35.9503N データ6 休憩 4月20日 133.3988E 0 9時34分 36.0291N データ7 空車 4月20日 133.3988E 0 9時44分 36.0291N データ8 賃走(流し) 4月20日 133.3329E 0 10時01分 36.0791N データ9 空車 4月20日 133.3653E 1650 10時09分 36.1020N ・ ・
【0055】表1は、乗務員コードNO.3の乗務員の1
999年4月20日(火曜日)の実績データの一部(最
初の部分)を示している。表1を参照して、実績データ
について説明する。ICカードに書き込まれたデータ
は、乗務員を表すデータ(乗務員コード)と出庫日時と
入庫日時と経時的な変化を示す実績との部分からなって
いる。まず、乗務員を表すデータについては、各乗務員
コード(ここでは3)が各ICカードのコードと一致す
るようにされており、換言すれば、同じ乗務員は常に同
じICカードを用いるようにする。出庫日時と入庫日時
とについては、前述のように、勤務開始と同時に乗務員
がICカード21をICカードレコーダー71に差し入
れた時刻と、勤務終了と同時に乗務員がICカード21
をICカードレコーダー71から抜き取るために図示し
ない抜き取りボタンを押した時刻と、がそれぞれ書き込
まれている。経時的な変化を示す実績は、乗務員が状態
変化ボタン67(67aa、67ab、67b、67
c、67d)のいずれかを押すたびに押された順番に累
積的に書き込まれており、押された状態変化ボタン67
の種類に応じた状態変化、その変化日時、経度と緯度と
の対によって示される変化位置、そして状態変化ボタン
67が押された際の運賃、とからなる。
【0056】以下、表1に示された具体的内容について
説明する。乗務員コードNO.3の乗務員は、1999年
4月20日(火曜日)の午前7時48分(出庫日時)に
出庫し勤務を開始し、同日午後8時21分(入庫日時)
に入庫し勤務を終了している。 (データ1)勤務を開始して流しの営業形態で営業して
いたところ、同日8時11分に乗客が乗車し賃走状態に
なっている。このとき乗車と同時に該乗務員が状態変化
ボタン67aの上部67aaを押し、流しの営業形態で
賃走状態になったことが記録され、このとき日時及び位
置も同時に記録されている。なお、このときは賃走状態
になったばかりなので運賃は0である。 (データ2)データ1で乗車した乗客を目的地まで送り
届けて空車になっている。目的地到着後、該乗務員が状
態変化ボタン67bを押し、空車状態になったことが記
録され、このとき日時(8時17分)及び位置も同時に
記録されている。なお、データ1からデータ2までの運
賃として620円が記録されている。 (データ3)データ2の後、データ2が生じた地区(即
ち、133.4961E、35.9006Nが属する地区)の中でセンタ
配車の営業形態に切り替え、該地区においてセンタ配車
の指示を待つ待機状態になった。その後、8時55分に
センターから無線で乗客を迎えに行くように指示があっ
た。このため同時に該乗務員が状態変化ボタン67cを
押し、迎車状態になったことが記録され、このとき日時
及び位置も同時に記録されている。 (データ4)データ3において迎車状態となり8時59
分に乗客のところに到着した。そこで乗客を乗せると同
時に、該乗務員が状態変化ボタン67aの下部67ab
を押し、センター配車の営業形態で賃走状態になったこ
とが記録され、このとき日時及び位置も同時に記録され
ている。なお、このときはデータ3からデータ4までは
有料の迎車なので、迎車料金たる運賃として500円が
記録されている。そしてデータ4から後の賃走で生じた
運賃はこの迎車料金たる運賃(500円)に加算されて
ゆく。 (データ5)データ4で乗車した乗客を目的地まで運
び、該乗客が9時12分に降車した。目的地到着後、該
乗務員が状態変化ボタン67bを押し、空車状態になっ
たことが記録され、このとき日時(9時12分)及び位
置も同時に記録されている。なお、データ3からデータ
5までの運賃として2100円が記録されている。従っ
て、データ3からデータ4までの迎車料金は500円で
あったから、データ4からデータ5までの賃走状態で加
わった運賃は1600円(2100円−500円)であ
ったことがわかる。 (データ6)データ5の後、流しの営業形態で営業する
が乗客が見つからなかったので休憩することにした。該
乗務員が状態変化ボタン67dを押し、休憩状態になっ
たことが記録され、このとき日時(9時34分)及び位
置も同時に記録されている。運賃はもちろん0である。 (データ7)データ6から休憩状態に入ったが、再び営
業に戻る。該乗務員が状態変化ボタン67bを押し、空
車状態(即ち、営業状態)になったことが記録され、こ
のとき日時(9時44分)及び位置も同時に記録されて
いる。データ6からデータ7の間は休憩していたので、
両データに記録されている位置は同じである。なお、デ
ータ6からデータ7の間の休憩状態は10分間(9時4
4分−9時34分)である。 (データ8)データ7から再び営業状態になり、流しの
営業形態で営業していたところ、乗客が見つかった。乗
客を乗せると同時に、該乗務員が状態変化ボタン67a
の上部67aaを押し、流しの営業形態で賃走状態にな
ったことが記録され、このとき日時(10時01分)及
び位置も同時に記録されている。 (データ9)データ8で乗車した乗客を目的地まで送り
届けて空車になっている。目的地到着後、該乗務員が状
態変化ボタン67bを押し、空車状態になったことが記
録され、このとき日時(10時09分)及び位置も同時
に記録されている。なお、データ8からデータ9までの
運賃として1650円が記録されている。
【0057】続いて、以上の構成を有する搭載本体部6
1の動作について本体63の動作を中心に説明する。図
5に、本体63の動作を表すフローチャートを示す。ま
ず、タクシー11の移動に伴いGPSレシーバー13
は、次々と緯度および経度よりなる位置データと時刻デ
ータとを受信する。本体63では、GPSレシーバ13
からの新たな位置データを位置受付部101が受け付
け、GPSレシーバ13からの新たな時刻データを時刻
受付部103が受け付ける(s101)。位置受付部1
01が受け付けた位置データと時刻受付部103が受け
付けた時刻データとは、常時、書き込みデータ生成部1
11へ供給される。そして位置受付部101が受け付け
た位置データは、常時、状態送信部121へ供給され、
時刻受付部103が受け付けた時刻データは、常時、料
金計算部109へ供給される。そしてデータ受取部15
が既知の方法によってタクシー11の車速を連続して検
知する。本体63では、データ受取部15からの車速デ
ータを速度受付部105が受け付ける(s102)。そ
して速度受付部105が受け付けた車速データは、常
時、料金計算部109へと供給される。
【0058】ここで本体63の状態受付部107が、状
態変化ボタン67のいずれかが押されたか否かを判断し
(s103)、押された場合(YES)には、状態変化
ボタン67(67aa、67ab、67b、67c、6
7d)のいずれが押されたかがわかるように状態受付部
107が料金計算部109、出力部117、書き込みデ
ータ生成部111、状態送信部121へ通知する。この
通知を受けた状態送信部121は、状態受付部107か
らのいずれの状態変化ボタン67が押されたかのデータ
と、状態受付部107から該データを受け取ったときの
位置受付部101からの位置データと、を組み合わせて
基地51(第二基地コンピュータ58)に無線送信する
(s104)。なお、ここでは状態変化ボタン67のい
ずれかが押された場合のみ基地51(第二基地コンピュ
ータ58)に無線送信するようにしているが、これに限
定されるものではなく、例えば、状態変化ボタン67が
押された場合に加え、現在の状態と位置データとを一定
期間ごとに定期に送信するようにしてもよい。そして、
状態受付部107からの前記通知を受けた書き込みデー
タ生成部111は、状態受付部107からのいずれの状
態変化ボタン67が押されたかのデータと位置受付部1
01からの位置データと時刻受付部103からの時刻デ
ータと料金計算部109からの料金データ(後述する)
とから書き込みデータを作成し該作成された書き込みデ
ータをICカードレコーダ71へ送信する(s10
5)。一方、s103において、状態変化ボタン67の
いずれも押されていないと状態受付部107が判断した
場合(NO)には、後述のs110へ行く。
【0059】さらに、状態受付部107からの前記通知
を受けた料金計算部109は、s103において押され
たと判断された状態変化ボタン67が、状態変化ボタン
67a(状態変化ボタン67aaか状態変化ボタン67
abのいずれか)か状態変化ボタン67cであるか(即
ち、賃走又は迎車状態への状態変化かどうか)を料金計
算部109が判断し(s106)、状態変化ボタン67
a又は状態変化ボタン67cであれば(即ち、賃走又は
迎車状態への状態変化であれば)(YES)、料金計算
部109が料金の計算を開始すると共に現在の運賃を示
す運賃データを出力部117へと出力を開始する(s1
07)。なお、この運賃データの出力部117への出力
は、後述のs109によって料金計算が終了するまで継
続され、運賃データを受け取った出力部117は現在の
運賃を表示する画像データを第一画像モニター65aに
供給し、第一画像モニター65aに現在の運賃額が表示
される(なお、状態受付部107から供給される現在の
状態を示すデータを出力部117は受け取り、第一画像
モニター65aへ該状態を表示する画像データを供給す
ることで、賃走・空車・迎車・休憩の別も第一画像モニ
ター65aに表示される。)。一方、s106におい
て、s103で押されたと判断された状態変化ボタン6
7が、状態変化ボタン67aか状態変化ボタン67cの
いずれでもないと判断された場合(即ち、賃走又は迎車
状態への状態変化ではない場合)(NO)、後述のs1
08に行く。
【0060】ついでs103において押されたと判断さ
れた状態変化ボタン67が、状態変化ボタン67b(空
車状態への変更)か状態変化ボタン67d(休憩状態へ
の変更)であり、かつ状態変化ボタン67が押されたと
判断したs103のときに賃走又は迎車状態であったか
否かを料金計算部109が判断し(s108)、そうで
あれば(YES)、料金計算部109が料金の計算を終
了する(s109)。なお、料金計算部109から出力
部117への運賃データの出力は、所定の支払い手続き
をすることで終了されるようになっている。s108の
判断がNOであれば、後述のs110へ行く。
【0061】そして出力部117が、配置案受信部11
9が基地51(第二基地コンピュータ58)によって計
算されタクシー11に向けて送信された営業形態別各地
区別の期待収入額に関する信号を受信したかどうか判断
し(s110)、受信したと判断した場合(YES)に
は該期待収入額に関するデータを受け取った出力部11
7は該期待収入額を表示する画像データを第二画像モニ
ター65bに供給し、第二画像モニター65bに営業形
態別各地区別の期待収入額が表示される(s111)。
なお、配置案受信部119は、基地51(第二基地コン
ピュータ58)からタクシー11へ送信された営業形態
別各地区別の期待収入額に関する信号を受信した後、記
憶するようにされている。そして、出力部117が、配
置案受信部119が該期待収入額に関する信号を受信し
たかどうか判断することは、配置案受信部119が該期
待収入額に関する信号を受信した際にのみ出力部117
へ発する信号の有無によって判断する。そして出力部1
17が、配置案受信部119が営業形態別各地区別の期
待収入額に関する信号を受信していないと判断した場合
(NO)には、後述のs113に行く。
【0062】次いで、データ選択部115が、表示デー
タ選択ボタン69のいずれか(69a、69b)が押さ
れたか否かを判断し(s112)、押されたと判断した
場合(YES)には、押された表示データ選択ボタン6
9の種類(69a、69b)に応じたデータをICカー
ドレコーダ71から読み出すようにデータ読み出し部1
13へ命令し、データ読み出し部113はその命令に従
ってICカードレコーダ71にアクセスして所定のデー
タを読み出し、該所定のデータはデータ読み出し部11
3からデータ選択部115を介して出力部117へと出
力される(s113)。その後、出力部117が、該所
定のデータを受け取り、それを画像データとして第二画
像モニター65bへ出力することで(s114)、IC
カード21に書き込まれていたデータを第二画像モニタ
ー65b上に表示させ見ることができる。s112の判
断で表示データ選択ボタン69のいずれも(69a、6
9b)押されていないと判断した場合(NO)には、後
述のs115へ行く。その後、作業が終了したかどうか
判断し(s115)、作業を終了するか(エンド)、s
101へ戻る。なお、第二画像モニター65b上には、
営業形態別各地区別の期待収入額とICカード21に書
き込まれていたデータとを同時に表示させるように出力
部117に画像データを出力させるようにしても、いず
れか一方しか表示しないもののいずれであってもよい。
後者の場合には、配置案受信部119が該期待収入額を
受信した際には該期待収入額を表示させ、その後、表示
データ選択ボタン69のいずれか(69a、69b)が
押されるまで又は該期待収入額の表示から所定時間経過
まで該期待収入額を表示させておく等してもよい。
【0063】第二に、営業所31に配置されたシステム
について詳述する。営業所31に配置されたシステム
は、営業所コンピュータ35とそれに接続されたカード
読み取り部33とによって構成されている。営業所コン
ピュータ35は、一般的なコンピュータにそれを制御す
るプログラムを内蔵したものであり、カード読み取り部
33は、ICカード21に書き込まれたデータを読み出
し営業所コンピュータ35に提供できる一般的なICカ
ードリーダーを用いている。前述のようなタクシー11
が営業を終え勤務を終了する際に、乗務員が、タクシー
11のICカードレコーダー71からICカード21を
抜き取るための図示しない抜き取りボタンを押してIC
カード21を抜き取り、営業所31内に配置されたシス
テムのところへICカード21を持参する。そして該乗
務員又は該営業所の事務担当者等がICカード21をカ
ード読み取り部33に挿入し、ICカード21に書き込
まれた実績データの読み取りを開始する。ICカード2
1からカード読み取り部33によって読みとられたデー
タは、順次、カード読み取り部33から営業所コンピュ
ータ35へとケーブル37を経由して送信される。そし
てこのようなICカード21は各乗務員ごとのものを使
用するので、乗務員が複数いれば複数用いられることか
ら、該読みとられたデータは営業所コンピュータ35内
では各乗務員(乗務員コード)ごとに整理され記憶され
る。そして所定の期間内(例えば、本実施形態では1
日)の営業に係る全実績データ(ICカード21が一枚
であればその一枚に書き込まれた実績データの全てであ
り、ICカード21が複数枚であればその複数枚に書き
込まれた実績データの全て)が営業所コンピュータ35
に整理及び記憶された後、営業所コンピュータ35か
ら、第一基地コンピュータ53と営業所コンピュータ3
5とを連絡するケーブル41を経て第一基地コンピュー
タ53へと該全実績データが送信される。該全実績デー
タの内容としては、各乗務員コードについて表1に示し
たようなものが複数集合(複数の乗務員がいる場合)し
たものとなる。なお、営業所は、乗務員コードによって
区別できるようになっている(例えば、イ営業所所属の
乗務員は乗務員コードが1〜6であり、ロ営業所所属の
乗務員は乗務員コードが11〜18である等)。そし
て、ここでは図示していないが、このような営業所31
が複数存しており、換言すれば、1の基地51が複数の
営業所31からのデータを収集する。営業所31に配置
されたシステムは、ここではICカード21に書き込ま
れた実績データを読み出し、該読み出された実績データ
を各乗務員(乗務員コード)ごとに整理記憶し、該整理
記憶された実績データを第一基地コンピュータ53に送
信する役割を有するが、必ずしも必須のものではなく、
基地51に配置されたシステムに上記役割を果たさせる
ようにすれば営業所31に配置されたシステムはなくて
も本システムを構成することができる。
【0064】第三に、基地51に配置されたシステムに
ついて詳述する。基地51に配置されたシステムは、第
一基地コンピュータ53と、第二基地コンピュータ58
と、第一基地コンピュータ53と第二基地コンピュータ
58との記憶装置として働くデータサーバー55と、を
有している(第一基地コンピュータ53と第二基地コン
ピュータ58とデータサーバー55とは、互いに自由に
データ授受が可能なようにケーブル59によって連結さ
れている)。第一基地コンピュータ53及び第二基地コ
ンピュータ58は、一般的なコンピュータ(CRTディ
スプレイとキーボードとが接続されたもの)にそれを制
御するプログラムを内蔵したものであり、データサーバ
ー55は、第一基地コンピュータ53及び第二基地コン
ピュータ58からのデータを記憶したり記憶したデータ
を第一基地コンピュータ53及び第二基地コンピュータ
58に出力することができる大容量記憶装置を有してい
る。そして第一基地コンピュータ53は、インターネッ
ト通信網57に自由にアクセスして必要なデータを得る
ことができるようになっている。図6に第一基地コンピ
ュータ53のハードウエア構成を示す概略ブロック図を
示す。第一基地コンピュータ53は演算処理を行うCP
U251a、CPU251aの作業領域等となるRAM
251b、制御プログラム等を記録するROM251
c、CRTディスプレイ253、キーボード255、他
の構成機器等との情報のやり取りを行うためのインター
フェイス251dを有する。図7に第二基地コンピュー
タ58のハードウエア構成を示す概略ブロック図を示
す。第二基地コンピュータ58は演算処理を行うCPU
351a、CPU351aの作業領域等となるRAM3
51b、制御プログラム等を記録するROM351c、
CRTディスプレイ353、キーボード355、他の構
成機器等との情報のやり取りを行うためのインターフェ
イス351dを有する。
【0065】図8に、図6のハードウエアとROM25
1cに記録されるプログラムにより実現される第一基地
コンピュータ53の機能ブロック図を示す。第一基地コ
ンピュータ53は機能的には、需要実績データ受付部2
01、実車関係決定部203(実車関係決定手段)、実
車関係読み出し部205(実車関係読み出し手段)、実
車発生速度算出部207(実車発生速度算出手段)、情
報取り込み部209、変動要因受付部211(変動要因
受付手段)、降雨情報読み出し部213、空車関係決定
部215(空車関係決定手段)、空車関係読み出し部2
17(空車関係読み出し手段)、空車発生速度算出部2
19(空車発生速度算出手段)とからなる。
【0066】需要実績データ受付部201は、営業所コ
ンピュータ35からケーブル41を経由して実績データ
を受信し、受信した実績データの中に含まれる各状態変
化をした位置を示す経度緯度のデータから該各状態変化
をした位置が属する地区(変化地区)を割り出す。図9
は、営業地域と地区との関係を示す模式図である。図9
を参照して、場合分け要因のうちの「地区」について説
明する。図9に示された図形は、あるタクシー会社の営
業地域190を示すものである。営業地域190は地域
境界線192によって非営業地域194と区別されてい
る。営業地域190は、地区境界線196によって地区
A、地区B、地区C、地区D、地区E、地区F、地区G
の7地区に区分けされている。ここでこの地域境界線1
92と地区境界線196の位置は経度と緯度とによって
第一基地コンピュータ53が記憶している。このため経
度と緯度とで位置が特定されれば、上記7地区のうちい
ずれに属するか確実に決定できる。従って、実績データ
に含まれる状態変化位置のデータ(表1中、変化位置)
によって、その状態変化がいずれの地区で発生したか特
定できる。例えば、表1中のデータ1の乗車位置(133.
4582E、35.8643N)が図9中×印で示される位置であれ
ば、地区Fでデータ1の状態変化(ここでは乗車)が起
きたことになる。このような予め定められた地区によっ
て場合分けをし、それぞれの状態変化が地区別に分類さ
れる。
【0067】このように需要実績データ受付部201に
よって各状態変化がいずれの地区で起きたか割り出され
た実績データは、需要実績データ受付部201からデー
タサーバ55(実績データ記憶手段と実車発生速度記憶
手段と空車発生速度記憶手段として機能する)へ送信さ
れる。実績データ記憶手段と実車発生速度記憶手段と空
車発生速度記憶手段としてのデータサーバ55は、需要
実績データ受付部201から受け取った実績データを記
憶する。一方、後述のように、インターネット57又は
キーボードを経由して情報取り込み部209によって取
り込まれ変動要因実績記憶手段(実車変動要因実績記憶
手段と空車変動要因実績記憶手段との両方として機能す
る。)たるデータサーバ55に記憶された変動要因実績
データから、データサーバ55に記憶された実績データ
の前記各状態変化が起きた際の降雨の有無を降雨情報読
み出し部213が読み出す。そして各状態変化が起きた
際の降雨の有無を、データサーバ55に記憶された実績
データの該各状態変化に降雨情報読み出し部213が付
記してゆく。ここでは先に実績データがデータサーバ5
5に記憶され、その後、降雨の有無を該実績データに付
記するようにしているが、これに限定されるものではな
く、例えば、実績データとそのときの降水の有無とを対
応付けながら両者を一緒にデータサーバ55に記憶する
ようにしてもよい。このように実績データに降雨の有無
が付記されて需要実績データになる(全ての場合分け要
因と一緒に記憶され需要実績データとなる。)。ここで
降雨の有無の情報が付記されデータサーバ55に記憶さ
れる需要実績データの一例を表2に示す。なお、表2の
変化地区は例として挙げたもので、ここでは変化位置と
図9の地図に示された地区とを対応させて地区を割り出
したものではない。そして、降水の有無については、各
地区ごと各時間帯ごとに収集された降水量データ(m
m)が1時間当たり1mm以上であれば降水があったと
判断しそれ未満であれば降水がなかったと判断し、降水
があった場合は1、降水がなかった場合は0として表し
ている。各状態変化が発生した日の降水量データから、
各状態変化が発生した地区及び時間帯(例えば、表2の
1999年4月20日(火曜日)分、乗務員コード N
O.3、データ1は地区Fと8時の時間帯(後述する)
になる。)に対応するデータ(前例で言えば、1999
年4月20日(火曜日)、地区Fと8時の時間帯に対応
する降水量データ)を抽出してそれぞれ判断する。
【0068】 (表2) データサーバに記憶された需要実績データの内容例 (1999年4月20日(火曜日)分) 1.乗務員コード NO.3 出庫日時 1999年4月20日午前7時48分 入庫日時 1999年4月20日午後8時21分 実績 状態変化 変化日時 変化地区 運 賃 降水有無 データ1 賃走(流し) 4月20日 地区F 0 1 8時11分 データ2 空車 4月20日 地区B 620 0 8時17分 データ3 迎車 4月20日 地区D 0 0 8時55分 データ4 賃走(センタ配車) 4月20日 地区A 500 0 8時59分 データ5 空車 4月20日 地区C 2100 1 9時12分 データ6 休憩 4月20日 地区G 0 1 9時34分 データ7 空車 4月20日 地区G 0 0 9時44分 データ8 賃走(流し) 4月20日 地区E 0 0 10時01分 データ9 空車 4月20日 地区B 1650 0 10時09分 ・ ・ 2.乗務員コード NO.4 出庫日時 1999年4月20日(火曜日)午前7時25分 入庫日時 1999年4月20日(火曜日)午後8時07分 実績 状態変化 変化日時 変化位置 運 賃 降水有無 データ1 賃走(流し) 4月20日 地区C 0 1 7時33分 ・ ・ 3.乗務員コード NO.5 出庫日時 1999年4月20日(火曜日)午前8時28分 入庫日時 1999年4月20日(火曜日)午後9時29分 実績 状態変化 変化日時 変化位置 運 賃 降水有無 データ1 賃走(流し) 4月20日 地区G 0 0 9時01分 ・ ・ (1999年4月21日分) 1.乗務員コード NO.1 出庫日時 1999年4月21日(水曜日)午前7時42分 入庫日時 1999年4月21日(水曜日)午後8時20分 実績 状態変化 変化日時 変化位置 運 賃 降水有無 データ1 賃走(流し) 4月21日 地区B 0 1 7時49分 ・ ・ 2.乗務員コード NO.2 ・ ・ ・ (1999年4月22日(木曜日)分) ・ ・
【0069】そして情報取り込み部209は、各地区ご
と各時間帯ごとに天気、気温(℃)、風向、風速(m/
s)、降水量(mm)、湿度(%)を示す実績データを
本システムの外部情報源たる民間気象情報提供業者のホ
ームページから自動的にインターネット57を経由して
収集する。これら取り込まれた天気、気温(℃)、風
向、風速(m/s)、降水量(mm)、湿度(%)は、
前述のように、各データがいずれの地区に関するもの
か、そのデータが採取された年月日及び時間帯が明らか
になるような情報を含む。そして第一基地コンピュータ
53に接続されたキーボードを用いて、これら採取され
たデータを修正又は削除したり、該採取されたデータに
さらにデータを追加したりすることができる。さらに、
営業所31にこれら気象情報の検知装置(例えば、温度
計、湿度計、降水量計等)を設置し、これら検知装置が
検知した気象情報データを営業所コンピュータ35に取
り込んで、営業所コンピュータ35からケーブル41を
用いて該データを第一基地コンピュータ53へと送信す
るようにしてもよい。かかる場合、各地区に営業所31
が存すれば、自社内の情報網を用いて各地区の気象情報
データを収集することができる。さらに情報取り込み部
209には、本実施形態で変動要因として用いた突発影
響要因たるイベント指数がキーボードを経由して入力さ
れる。イベント指数は、地区(地区A、地区B、地区
C、地区D、地区E、地区F、地区G)の車両需要に影
響を与えるイベントへの参加人数と該参加人数のうちタ
クシーの利用者の割合(この割合を以下「影響度」とい
う)とを乗じたものである。イベント指数は、そのイベ
ントが車両需要に影響を与えた地区、そのイベントが開
催された年月日、そのイベントが車両需要に影響を与え
た時間帯が明らかになるように情報取り込み部209に
入力される。なお、イベントの開催時間が複数の時間帯
に跨るときは、該開催時間の間にどのようにイベント参
加者がタクシーを利用するか(即ち、利用パターン)を
考慮してイベント指数を算出すればよく、例えば、該開
催時間の間ほぼ平均してタクシー利用者が生じる場合
(例えば、献血)は該複数の時間帯に平均して割り振っ
たり、該開催時間の最初と最後に集中してタクシー利用
者が生じる場合(例えば、コンサート)は該開催時間の
該最初と該最後が属する時間帯に割り振ること等によっ
て、対応してもよい。これら割り振りは人間が検討して
その結果のみを入力しても、また利用パターンを第一基
地コンピュータ53に入力して第一基地コンピュータ5
3が所定の規則に従って割り振るようにしてもよい。そ
して、ここでは第一基地コンピュータ53に接続された
キーボードを操作することでイベント指数を第一基地コ
ンピュータ53に入力しているが、直接イベント指数を
入力することを必ずしも要するものではなく、イベント
への参加人数と影響度とを入力して第一基地コンピュー
タ53にイベント指数を計算させるようにしてもよい。
このようにして採取された変動要因実績データ等(イベ
ント指数を含む)は、各データがいずれの地区に関しそ
のデータが採取された年月日及び時間帯が明らかになる
ように、情報取り込み部209から変動要因実績記憶手
段(実車変動要因実績記憶手段、空車変動要因実績記憶
手段)たるデータサーバ55に送信され、データサーバ
55によって各データがいずれの地区に関しそのデータ
が採取された年月日及び時間帯が明らかになるように記
憶される。表3にデータサーバ55に記憶される変動要
因実績データ等の一例を示す。表3の降水量はそれぞれ
の時間帯に降った降水量合計を示している。なお変動要
因実績データ(イベント指数も含まれる)には、場合分
けの要因(ここでは前記場合分けと実車場合分けと空車
場合分けとの全ての要因が同じである。)のうち営業形
態(流し、センター配車)は関係ないので、曜日が日曜
日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日
の7に場合分けされ、時間帯が0時から23時の24に
場合分けされるので、合計168通り(7×24=16
8)の場合分けに対応付けて入力される。換言すれば、
営業形態によっても場合分けされる需要実績データと変
動要因実績データ(イベント指数も含まれる)とを対応
付ける際には、営業形態による対応付けは行わない。そ
して各場合分け全てについてデータがない(例えば、各
場合分け毎に計測しない場合や計測できなかった場合
等)ときには、隣接又は類似するデータ等を用いたり、
又は隣接又は類似するデータ等からの推定値を用いるよ
うにしてもよい。
【0070】 (表3) データサーバに記憶された変動要因実績データ等の内容例 (データ採取年月日:1999年4月20日(火曜日)) 地 区 時間帯 天気 気温 風向 風 速 降水量 湿度 イヘ゛ント指数 A 0時 晴れ 17 南 1.0 0 60 50 A 1時 晴れ 16 南 1.5 0 65 30 A 2時 晴れ 14 南 2.5 0 60 10 A 3時 曇り 13 南東 2.0 3 75 0 ・ ・ A 23時 雨 19 南 3.5 10 80 0 B 0時 曇り 18 南西 1.5 0 65 0 B 1時 曇り 17 南西 1.0 0 65 0 ・ ・ B 23時 雨 20 西 4.5 0 85 20 C ・ ・ G 23時 曇り 19 南西 2.0 0 75 0 (データ採取年月日:1999年4月21日(水曜日)) 地 区 時間帯 天気 気温 風向 風 速 降水量 湿度 イヘ゛ント指数 A 0時 雨 19 南 4.0 15 85 0 ・ ・ G 23時 曇り 19 南西 2.0 0 75 0 (データ採取年月日:1999年4月22日(木曜日)) ・ ・
【0071】そして所定量の乗車に関する需要実績デー
タがデータサーバー55(実車発生速度記憶手段)に蓄
積されたら、実車関係決定部203は、データサーバー
55に記憶されている需要実績データから年月日ごと各
地区(乗車した位置が属する地区に分類される。)ごと
実車場合分けごとに属する乗車回数を計数すると共に、
該計数された乗車回数に対応する年月日、地区、場合分
けに該当する変動要因実績データ等をデータサーバ55
(実車変動要因実績記憶手段)から読み出す。これによ
って実車関係決定部203は、各年月日ごと各地区ごと
各実車場合分けごとに、該計数された乗車回数と該読み
出された変動要因実績データ等との組を作成する。な
お、前述のように、乗車回数は営業形態別に計数されて
いるが、変動要因実績データ等は営業形態は考慮しな
い。そして実車関係決定部203は、各地区ごと実車場
合分けごとに、乗車回数(実車発生速度の実績値)と変
動要因実績データとから変動要因と実車発生速度との関
係である実車関係を求める。
【0072】ここでは前記場合分けと実車場合分けと空
車場合分けとは同じ要因を用いており、曜日、時間帯、
流しとセンター配車との2種類の営業形態、降雨の有
無、の4つの要因によって行った。なお、これら4の要
因のうち、曜日、時間帯については乗車の発生によって
判断する。場合分け要因のうちの「曜日」は、乗車が1
週間のうちの日曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜
日、金曜日、土曜日のいずれの日に起きたかということ
である。具体的には、需要実績データに含まれる変化日
時の中の日(乗車した日、必要な場合には年を考慮す
る。)から曜日を割り出し、該割り出された曜日によっ
て「曜日」の要因はどれに属するか判断し分類する。な
お、本実施形態ではそうしていないが、休日に対する関
係によって場合分けしてもよい。ここで「休日に対する
関係」とは、発生した事実(例えば、乗車)が休日(日
曜日や祝日、場合によっては土曜日等)の前日、休日当
日、休日の後日(休日の翌日)、これら以外の日(休日
の前日、休日当日、休日の後日のいずれにも該当しない
日)のいずれの日に起きたかということである。そし
て、これら「曜日」と「休日に対する関係」との両方で
場合分けしてもよい。さらに、休日のうち、定休日(通
常は日曜日、場合によっては、土曜日を含む。)と祝日
とを別扱いにしてもよい。
【0073】場合分け要因のうちの「時間帯」は、乗車
がいずれの時間帯に発生したかということである。本実
施形態では、0時から23時の毎正時の前30分から丁
度1時間の時間帯を該正時という(即ち、n時30分は
(n+1)時に属し、n時30分よりも少しでも前であ
ればn時に属する)。このように本実施形態では、全て
の時間帯は1時間と同じ長さにされているが、それぞれ
の時間帯の長さが異なってもよい。この時間帯の要因の
場合分けは、需要実績データに含まれる変化日時の中の
時からどの時間帯に属するか判断し分類する。
【0074】場合分け要因のうちの「流しとセンター配
車との2種類の営業形態」とは、乗客が乗車した際の営
業形態がどちらであったかによる分類であり、特に目的
地もなく空車の状態で走っている際に乗客を見つけて乗
車させた場合であれば「流し」の営業形態に分類され、
タクシーの営業を管理するセンター(通常、そこに受付
電話を設置し、配車依頼を受けるとタクシーに連絡す
る)から無線や電話等で乗客を迎えに行くよう指示を受
け乗客を迎えに行って乗車させた場合であれば「センタ
ー配車」の営業形態に分類される。なお、これは賃走に
なったときに、乗務員が状態変化ボタン67aのうち上
部67aaを押したかそれとも下部67abを押したか
によって区別され、需要実績データに含まれる状態変化
の中の賃走には(流し)か(センター配車)かが併記さ
れるのでこれを用いて分類する。
【0075】場合分け要因のうちの「降水の有無」につ
いては、前記読み出された変動要因実績データ等に含ま
れる降水量(mm)によって判断し、降水量(mm)が
1時間(即ち、本実施形態では各時間帯の1時間)当た
り1mm以上であれば降水があったと判断(「1」とし
てあらわす。)しそれ未満であれば降水がなかったと判
断(「0」としてあらわす。)する。以上のように、本
実施形態においては曜日、時間帯、流しとセンター配車
との2種類の営業形態、降水の有無の4つの要因に関し
て場合分け(前記場合分け、実車場合分け、空車場合分
け)がされ、従って本実施形態の場合分けは、曜日が日
曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜
日の7に場合分けされ、時間帯が0時から23時の24
に場合分けされ、営業形態が流しとセンター配車の2に
場合分けされ、そして降水の有無の2に場合分けされる
ので、合計672通り(7×24×2×2=672)に
場合分けされることになる。そして地区では、地区A、
地区B、地区C、地区D、地区E、地区F、地区Gの7
に分けられるので、地区を含めると、4704通り(6
72×7=4704)に分類されることになる。
【0076】本実施形態においては、変動要因として、
不快指数、突発影響要因たるイベント指数を用いた。変
動要因としてはこれらに制限されるものではなく、前述
のように、寒冷期であれば不快指数に変えて厳寒指数を
用いてもよく、タクシーの需要に影響を与える経済状況
に関する経済データを用いてよいことは言うまでもな
い。そしてここでは降水の有無を場合分け要因に用いて
いるが、降水の有無を変動要因に含めて場合分け要因か
らは除いてもよい。この不快指数は、データサーバー5
5(実車及び空車変動要因実績記憶手段)から読み出さ
れた変動要因実績データ等に含まれる各地区ごと各時間
帯ごとの気温t(℃)と湿度U(相対湿度、単位%)と
を用いて、実車関係決定部203が、式:0.81t+
0.01U(0.99t−14.3)+46.3によっ
て各地区ごと各時間帯ごとに算出する。なお、厳寒期に
は、不快指数に替えて厳寒指数を用いてもよく、この厳
寒指数は、気温t(℃)と風速v(m/秒)とにより、
式:(1+0.272v)(1−0.04t)を用いて
計算される。またイベント指数は、データサーバー55
(実車及び空車変動要因実績記憶手段)から読み出され
た変動要因実績データ等に含まれる数値(表3参照)を
そのまま用いた。このようにして、実車関係決定部20
3が作成した、各年月日ごと各地区ごと各場合分けごと
の、前記計数された乗車回数と、不快指数及びイベント
指数と、の組の一例を表4に示す。なお、表4中に挙げ
た各数値は例示であり、前述の表の数値と整合させたも
のではない。
【0077】 (表4) 乗車回数と、不快指数及びイベント指数と、の組の一例 (データ採取年月日:1999年4月20日(火曜日)) 地区 曜日 時間帯 営業形態 降雨有無 乗車回数 不快指数 イヘ゛ント指数 A 火 0 流し 0 13 60 50 A 火 0 センター配車 0 9 60 50 A 火 1 流し 0 8 55 30 A 火 1 センター配車 0 7 55 30 A 火 2 流し 0 5 45 10 A 火 2 センター配車 0 5 45 10 ・ ・ A 火 23 センター配車 1 18 75 0 B 火 0 流し 0 22 70 0 B 火 0 センター配車 0 19 70 0 ・ ・ ・ ・ G 火 23 センター配車 0 8 75 0 (データ採取年月日:1999年4月21日(水曜日)) 地区 曜日 時間帯 営業形態 降雨有無 乗車回数 不快指数 イヘ゛ント指数 A 水 0 流し 1 19 80 0 ・ ・ G 水 23 センター配車 0 10 70 0 (データ採取年月日:1999年4月22日(木曜日)) 地区 曜日 時間帯 営業形態 降雨有無 乗車回数 不快指数 イヘ゛ント指数 A 木 0 流し 0 10 55 0 ・ ・ G 木 23 センター配車 0 5 50 0 (データ採取年月日:1999年4月23日(金曜日)) ・ ・
【0078】そして実車関係決定部203は、前述した
ように、各地区(地区A、地区B、地区C、地区D、地
区E、地区F、地区G)ごと実車場合分け(要因は、曜
日、時間帯、営業形態、降雨の有無、の4要因)ごと
に、乗車回数(実車発生速度の実績値)と変動要因実績
データ(ここでは不快指数及びイベント指数)とから変
動要因と実車発生速度との関係である実車関係を求め
る。ここで乗車回数と変動要因実績データ(不快指数、
イベント指数)との実車関係は、変動要因実績データを
構成する各数値、即ち、不快指数の数値、イベント指数
の数値とそれに対応する係数とを乗じた項を加えてなる
線形一次式として求められる。即ち、各地区ごと前記場
合分けごとの乗車回数(w)は、w=a+cy+dzな
る線形一次式(以下、この式を「本関係式」という。)
によって示される。ここにaは変動要因実績データに影
響されないオフセットの項(定数項)である。yは不快
指数の数値であり、cはyに乗じる係数である。zはイ
ベント指数の数値であり、dはzに乗じる係数である。
【0079】即ち、本実施形態では、前記実車関係を求
めることは、本関係式の定数a、c、dそれぞれを各地
区ごと前記場合分けごとに求めることである。この定数
a、c、dを求める方法は、各地区ごと前記場合分けご
とに分類された(w,y,z)の複数組から各地区ごと
前記場合分けごとに求める。従って、定数(a,c,
d)の組は、各地区ごと前記場合分けごとについて存在
することになる。具体的な定数a、c、dを求める方法
は、複数組の(w,y,z)の組を用いる既知のいかな
る方法を用いてもよく(最も簡単な方法としては、連立
一次方程式の解法によればよい)、たくさんの方法が知
られているのでここではそれらの説明を省略する。ま
た、いわゆる統計的手法を用いて定数a、c、dを決定
してもよく、例えば、重回帰分析法等を好適に用いるこ
とができる。そして本関係式はa、cy、dzの3項の
合計として表されているが、寄与率の小さな項について
は削除する等してもよい(該項の係数を0としてもよ
い)。これらの統計的手法による定数の決定方法の一例
について後述する。このようにして各地区ごと前記場合
分けごとに乗車回数(実車発生速度の実績値)と変動要
因実績データ(ここでは不快指数及びイベント指数)と
から変動要因と実車発生速度との関係である実車関係を
求めることができる。そして実車関係決定部203によ
って各地区ごと前記場合分けごとに求められた実車関係
(定数a、c、dが定まった本関係式w=a+cy+d
z)が、実車関係決定部203から実車関係記憶手段た
るデータサーバ55へ各地区ごと実車場合分けごとに出
力され、該出力された実車関係は実車関係記憶手段たる
データサーバ55で各地区ごと実車場合分けごとに記憶
される。
【0080】前に述べた本関係式の定数を統計的手法に
よって求める方法の一例を示す。ここでの定数決定方法
は、定数算出と検定とによって構成される。図10は、
前記定数算出における実車関係決定部203の動作を示
すフローチャートである。図10を参照して、定数決定
方法の前半部である定数算出について説明する。まず、
本関係式w=a+cy+dzから、変数項cy、dzか
らなる群より選ばれた1項を取り除いた式を作成し、該
作成された式それぞれを本関係式w=a+cy+dzと
共に記憶領域に記憶する(s701)。即ち、cyを除
去したw=a+dz(以下、「第一式」という)、dz
を除去したw=a+cy(以下、「第二式」という)を
作成すると共に、これら第一式及び第二式を本関係式w
=a+cy+dzと共に記憶領域に記憶する。次に、定
数a、c、dを求めたい地区及び前記場合分けに分類さ
れた(w,y,z)の複数の組を抽出する(s70
2)。例えば、地区Aにおいて、火曜日、時間帯0時、
営業形態流し、降雨なし、の場合分けに該当する定数
a、c、dを求めたい際には、地区A、火曜日、時間帯
0時、営業形態流し、降雨なしに該当する乗車回数
(w)、不快指数(y)、イベント指数(z)を抽出す
ればよく、表4を例にとれば(w,y,z)の一組は
(13、60、50)が抽出され、それ以外にも地区
A、火曜日、時間帯0時、営業形態流し、降雨なしに該
当する(w,y,z)の組を抽出する。s701で記憶
領域に記憶された第一式及び第二式と本関係式との3式
のうちから1の式(定数が算出されていないもの)を読
み出し(s703)、s702で抽出された(w,y,
z)の複数組から最小2乗法によって定数a、c、d
(s701において本関係式から取り除かれた項に含ま
れていた定数は0とする)を算出する(s704)。s
704によって算出された定数a、c、dを、s703
において読み出された式に関係付けてs701にて記憶
された式と一緒に記憶領域に記憶する(s705)。そ
して最後に、s701において記憶された式の全てにつ
いて定数を算出したか判断し(s706)、全てについ
て定数を算出し終えたら(YES)定数算出は終了し後
述の検定にすすみ、全てについて定数を算出し終えてい
なかったら(NO)s703へ行き、定数未定式の定数
を算出する。
【0081】図11は、前記検定における実車関係決定
部203の動作を示すフローチャートである。図11を
参照して、定数決定方法の後半部である検定について説
明する。検定においては、前記定数算出(図10に示さ
れたs701〜s706)によって定数a、c、dが算
出された本関係式、第一式及び第二式との3式それぞれ
について、次に示すように分散分析を行い、いずれか一
式を選択する。ここに重回帰の分散分析表を表5に示す
(説明変数p個、データ数n)。
【0082】 表5 重回帰の分散分析表 変動要因 平方和 自由度 不偏分散 分散比 回帰による変動 SR p VR=SR/p F0=VR/VE 残差の変動 SE n-p-1 VE=SE/(n-p-1) 全変動 Sr n−1
【0083】基本的原理としては、回帰からの残差は正
規分布に従うという仮定をおくと、分散比F0=VR/VEは
自由度(p,n−p−1)のF分布になる。よって重回
帰式の有意性を、「帰無仮説H0:求めた重回帰式はw
の推定に何ら役にたたない。」のもとで、有意水準α%
に対するF−分布のF(p,n−p−1:α)に対応す
る値と分散比F0=VR/VEの値を比較して、もし、F0=VR
/VE>F(p,n−p−1:α)ならば、危険率α%で
H0を棄却し、重回帰式を受け入れることとなる。以
下、これを用いて検定を行う。まず、前記定数算出(図
10に示されたs701〜s706)によって定数a、
c、dが算出された本関係式、第一式及び第二式との3
式から1式を読み出す(s801)。次いで、定数算出
のs702において抽出された(w,y,z)の複数の
組から、s801において読み出された式のSR(表5
参照、算出方法については公知)を算出する(s80
2)。そして、s802と同様に、SEを算出する(s
803)。算出されたSRと自由度p(説明変数個数)
とからVR(=SR/p)を求めると共に、算出されたSE
とデータ数nと自由度p(説明変数個数)とからVE(=
SE/(n-p-1))を求め、求められたVRとVEとを用いてF0
(=VR/VE)を求める(s804)。一方、予め記憶さ
せておいたF−分布表からデータ数nと自由度pと予め
定めておいた危険率αとに対応するF(p,n−p−
1:α)の値を求める(s805)。なお、これは分布
表を用いずに積分計算を行うことによって得ることもで
きる。そしてF0>F(p,n−p−1:α)か否か判断
し(s806)、F0>F(p,n−p−1:α)であれ
ば(YES)s801において読み出された式(検定
式:検定された式)を記憶し(s807)、F0>F
(p,n−p−1:α)でなければ(NO)s801へ
戻り未検定式を読み出し再び検定を行う。s807にお
いて式を記憶した後、検定対象の3式全てについて検定
を行ったか判断し(s808)、3式全てについて検定
を行ったと判断した場合(YES)には、s807にお
いて記憶された式の中からs804において算出したF0
が最大のものを選択して出力し(s809)作業を終わ
り、3式全てについて検定を行っていないと判断した場
合(NO)にはs801に行く。以上のようにして、本
関係式の定数(0を含む)を求めることができ、各地区
ごと前記場合分けごとについて以上のことを行えば、各
地区ごと実車場合分けごと全て(つまり全地区において
実車場合分け全て)について実車関係(関係式)を決定
することができる。
【0084】上では実車関係を求め、実車関係記憶手段
たるデータサーバー55に該求められた実車関係(関係
式)を記憶させることを説明したが、これと同様に空車
関係を求め、空車関係記憶手段たるデータサーバー55
に該求められた空車関係(関係式)を記憶させることが
できる。即ち、所定量の降車に関する需要実績データが
データサーバー55(空車発生速度記憶手段)に蓄積さ
れたら、空車関係決定部215は、データサーバー55
に記憶されている需要実績データから年月日ごと各地区
(乗客の降車した位置が属する地区に分類される。)ご
と空車場合分けごとに属する降車回数を計数すると共
に、該計数された降車回数に対応する年月日、地区、空
車場合分けに該当する変動要因実績データ等をデータサ
ーバ55(空車変動要因実績記憶手段)から読み出す。
これによって空車関係決定部215は、各年月日ごと各
地区ごと各空車場合分けごとに、該計数された降車回数
と該読み出された変動要因実績データ等との組を作成す
る。なお、前述のように、降車回数は営業形態別に計数
されているが、変動要因実績データ等は営業形態は考慮
しない。そして空車関係決定部215は、各地区ごと空
車場合分けごとに、降車回数(空車発生速度の実績値)
と変動要因実績データとから変動要因と空車発生速度と
の関係である空車関係を求める。この空車関係を求める
方法は、前述の実車関係を求める方法を同様に行うこと
ができるので、ここでは説明を省略する。
【0085】そして、実車関係読み出し部205は、場
合分け受付部(第二基地コンピュータ58)が受け付け
た立案すべき配置計画に対応する場合分け(要因は、曜
日、時間帯、営業形態、降雨の有無、の4要因)が場合
分け受付部(第二基地コンピュータ58)から通知され
ると、該場合分けに対応した実車関係を実車関係記憶手
段たるデータサーバー55から読み出し、該読み出され
た実車関係を実車発生速度算出部207に通知する。一
方、情報取り込み部209は、立案すべき配置計画に対
応する変動要因の計画値を第一基地コンピュータ53に
接続されたキーボードを介して取り込み、該取り込まれ
た変動要因の計画値を変動要因受付部211へ通知す
る。ここでは変動要因の計画値としては、不快指数の数
値(予測値)とイベント指数(予測値)であり、これを
各地区ごとに該キーボードを介して情報取り込み部20
9が取り込む。なお、ここでは不快指数の数値(予測
値)とイベント指数(予測値)とのいずれも各地区ごと
に該キーボードを介して取り込んでいるが、不快指数の
数値(予測値)とイベント指数(予測値)とのいずれか
一方又は両方をインターネット57を介して自動的に取
り込むようにしてもよい。変動要因受付部211は、情
報取り込み部209から通知された変動要因の計画値
(不快指数の数値(予測値)、イベント指数(予測
値))を各地区ごとに実車発生速度算出部207に通知
する。そして、実車発生速度算出部207は、実車関係
読み出し部205から通知された前記実車関係(本関係
式w=a+cy+dz、定数a、c、dは既決)関係
式)と、変動要因受付部211から通知された前記変動
要因の計画値(不快指数の数値(予測値):y、イベン
ト指数(予測値):z)と、を用いて実車発生速度
(w)を算出し、該算出された実車発生速度(w)を後
述の期待額計算部の待機時間算出部(第二基地コンピュ
ータ58)に通知する。
【0086】同様に、空車関係読み出し部217は、場
合分け受付部が受け付けた立案すべき配置計画に対応す
る場合分けが場合分け受付部から通知されると、該場合
分けに対応した空車関係を空車関係記憶手段たるデータ
サーバー55から読み出し、該読み出された空車関係を
空車発生速度算出部219に通知する。一方、情報取り
込み部209によって取り込まれた立案すべき配置計画
に対応する変動要因の計画値(不快指数の数値(予測
値)、イベント指数(予測値))は、変動要因受付部2
11へ通知され、変動要因受付部211から空車発生速
度算出部219に通知される。そして、空車発生速度算
出部219は、空車関係読み出し部217から通知され
た空車関係(関係式v=e+fy+gz、定数e、f、
gは既決)関係式)と、変動要因受付部211から通知
された前記変動要因の計画値(不快指数の数値(予測
値):y、イベント指数(予測値):z)と、を用いて
空車発生速度(v)を算出し、該算出された空車発生速
度(v)を後述の期待額計算部の待機時間算出部(第二
基地コンピュータ58)に通知する。
【0087】次に、図12及び図13を参照して、第二
基地コンピュータ58について説明する。図12に、図
7のハードウエアとROM351cに記録されるプログ
ラムにより実現される第二基地コンピュータ58の機能
ブロック図を示す。第二基地コンピュータ58は機能的
には、場合分け受付部401(場合分け受付手段)、実
績データ読み出し部403(実績データ読み出し手
段)、状態位置受付部405(位置受付手段)、期待額
計算部411(期待額計算手段)、通知部441(通知
手段)とからなる。そして図13は、期待額計算部41
1を詳細に示した機能ブロック図である。期待額計算部
411は機能的には、移動時間決定部417、営業形態
分類部413、流し運賃実績決定部415、流し顧客探
索時間決定部419、流し乗車時間決定部421、流し
期待収入額算出部423、各地区待機台数把握部42
5、センタ運賃実績決定部429、迎車時間決定部43
1、センタ乗車時間決定部433、待機時間算出部43
5、センタ期待収入額算出部437、期待収入出力部4
39とからなる。
【0088】タクシー11の状態変化のたびに、現在タ
クシー11が存する経度と緯度とからなる位置情報と該
状態変化情報とが自動的に基地51へと無線によって発
せられる。基地51の第二基地コンピュータ58の状態
位置受付部405は、該発せられた位置情報と状態変化
情報とを含む信号を受信する。ここで状態位置受付部4
05は、受信した位置情報から該状態変化がいずれの地
区で発生したか判断し、該状態変化とそれが発生した地
区とが特定できるような信号を場合分け受付部401と
期待額計算部411の各地区待機台数把握部425とに
並列的に送信する。なお、状態位置受付部405が経度
と緯度とからなる位置情報からそれがいずれの地区に属
するか判断することは、図9において需要実績データ受
付部201が経度緯度のデータからその位置が属する地
区を割り出すことと同様に行うことができるので、ここ
では説明を省略する。
【0089】そして、場合分け受付部401は、前述の
ように状態位置受付部405から送信された前記状態変
化情報を受信し、それが乗客が降車して空車となったと
の情報であれば、立案すべき配置計画に対応する前記場
合分けを受け付ける。具体的には、ここでは場合分けの
要因のうち、曜日と時間帯との2要因については第二基
地コンピュータ58が内蔵する内蔵時計が発する現在の
データをそのまま取り込み、場合分けの要因のうち降雨
の有無については各地区の現在の天気や天気予報等を参
考にして本システムのオペレータが各地区に該当するも
のをキーボードを経由して入力する。なお、降雨の有無
については、このようにオペレータが入力するようにし
なくても、情報取り込み手段を通じてインターネット経
由で自動的に該当するデータを取り込むようにしてもよ
い。また、曜日と時間帯との2要因についても、本シス
テムのオペレータが第二基地コンピュータ58に接続さ
れたキーボード等を経由して入力するようにしてもよ
い。以上のように、各地区の降雨の有無、曜日、時間帯
の場合分けの3要因が場合分け受付部401によって受
け付けられる。なお、場合分け要因のうちここでは営業
形態については入力せず、期待収入額は流しとセンタ配
車との2種類の営業形態別々にタクシーに通知するよう
にしているが、ここで場合分け受付部401に流しとセ
ンタ配車とのいずれかの営業形態を入力することで該入
力された営業形態のみについて期待収入額を通知するよ
うにしてもよい。そして、場合分け受付部401は、受
け付けた場合分け要因のデータ(曜日、時間帯、降雨の
有無)を実績データ読み出し部403、空車関係読み出
し部217、実車関係読み出し部205へ並列的に送信
する。場合分け受付部401からの場合分け要因のデー
タを受信した空車関係読み出し部217は、前述の通
り、該場合分け要因に対応した空車関係を空車関係記憶
手段たるデータサーバー55から読み出し、該読み出さ
れた空車関係を空車発生速度算出部219に通知する。
同様に、場合分け受付部401からの場合分け要因のデ
ータを受信した実車関係読み出し部205は、前述の通
り、該場合分け要因に対応した実車関係を実車関係記憶
手段たるデータサーバー55から読み出し、該読み出さ
れた実車関係を実車発生速度算出部207に通知する。
【0090】一方、場合分け受付部401からの場合分
け要因のデータを受信した実績データ読み出し部403
は、実績データ記憶手段たるデータサーバー55に記憶
された需要実績データの中から状態が賃走に変化したデ
ータ(賃走変化データ)のうち、該受信した場合分け要
因に合致するものを抽出する。即ち、該受信した場合分
け要因に含まれる曜日において賃走に変化し、かつ該受
信した場合分け要因に含まれる時間帯において賃走に変
化し、かつ該受信した場合分け要因に含まれる降雨有無
に該当する賃走変化データのみを抽出する。そして実績
データ読み出し部403は、該抽出された賃走変化デー
タから始まる賃走1回の過程ごとに注目する。これは該
賃走変化データから始まる賃走1回ごとを、前回の賃走
が乗客の降車によって終了した後(出庫して営業開始
後、初めての賃走の場合には出庫した後)から今回の賃
走が乗客の降車によって終了するまでを今回の賃走過程
1回ととらえ、その賃走過程1回ごとを1データとして
分析する。具体的には、実績データ読み出し部403
は、該抽出された賃走変化データから始まる賃走1回
を、その直前の賃走が乗客の降車によって終了した後
(出庫して営業開始後、初めての賃走の場合には出庫し
た後)から今回の賃走が乗客の降車によって終了するま
でを今回の賃走過程1回として取り扱う。例えば、前述
の表1を例にとれば、表1中のデータ4が前記受信した
場合分け要因に合致する賃走変化データであるとする
と、その賃走過程は表1中データ2から始まり表1中デ
ータ5によって終了している。このような前記受信した
場合分け要因に合致する賃走変化データから始まる賃走
過程1回に含まれる需要実績データ(前述の表1の例で
いえば、データ2、データ3、データ4、データ5)を
ひとまとめにする。このような賃走過程1回に含まれひ
とまとめにされた需要実績データ(以下、「データ束」
という。)は、単数の場合もあるが複数の場合もある。
実績データ読み出し部403は、このようなデータ束を
期待額計算部411の移動時間決定部417と営業形態
分類部413とに送信する。
【0091】移動時間決定部417は、実績データ読み
出し部403からのデータ束それぞれを乗車地区と降車
地区とが同一のもの同士を分類する(例えば、地区Aに
て乗車し地区Aにて降車したものを1グループとし、地
区Aにて乗車し地区Bにて降車したものを他の1グルー
プとし、・・・地区Bにて乗車し地区Aにて降車したも
のをさらなる他の1グループとし、地区Bにて乗車し地
区Bにて降車したものを・・・といったようにグループ
分けする。)。ついで、移動時間決定部417は、これ
ら乗車地区と降車地区とが同一のもの同士(グループ)
に分類されたデータ束から、乗車から降車までにかかっ
た時間を抽出する。そして移動時間決定部417は、該
抽出された時間の中央値を該乗車地区から該降車地区へ
の期待移動時間とする。例えば、地区Aで乗車し地区B
で降車したデータ束から抽出された時間が4分と6分と
仮にすると、これらの中央値たる5分((4+6)/
2)が地区Aから地区Bへの期待移動時間となる。これ
を乗車地区と降車地区とを全ての地区について行うこと
で、全ての地区から全ての地区(同一地区内での移動も
含む。)への期待移動時間を移動時間決定部417は決
定することができる。決定された各地区から各地区への
期待移動時間の例を表6に示す。表6の例からは、火曜
日、時間帯10時、降雨なしの場合には、地区Aから地
区Aへの期待移動時間は5分であり、地区Cから地区B
への期待移動時間は10分であることがわかる。そして
決定された各地区から各地区への期待移動時間データを
移動時間決定部417は記憶しておき、後述の流し期待
収入額算出部423、待機時間算出部435、センタ期
待収入額算出部437からの要求に応じて期待移動時間
データを流し期待収入額算出部423、待機時間算出部
435、センタ期待収入額算出部437に提供する。
【0092】 (表6)各地区から各地区への期待移動時間(火曜日、時間帯10時、降雨な し) 降車地区 地区A 地区B 地区C ・・・・ 乗車地区 地区A 5分 12分 14分 ・・・・ 地区B 9分 6分 11分 ・・・・ 地区C 15分 10分 7分 ・・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
【0093】一方、営業形態分類部413は、実績デー
タ読み出し部403から送信されたデータ束の中の営業
形態が流しかセンタ配車かによって各データ束を分類
し、営業形態が流しのデータ束は流し運賃実績決定部4
15、流し顧客探索時間決定部419、流し乗車時間決
定部421に送信し、営業形態がセンタ配車のデータ束
はセンタ運賃実績決定部429、迎車時間決定部43
1、センタ乗車時間決定部433に送信する。
【0094】流し運賃実績決定部415は、受信した営
業形態が流しのデータ束(営業形態分類部413から送
信されたもの)を乗車地がいずれの地区(地区A、地区
B、地区C、地区D、地区E、地区F、地区G)かによ
って分類する。そして乗車地が同一地区に分類されたデ
ータ束から実績の運賃額(賃走料金)を抽出し、該抽出
された運賃額の中央値を該同一地区の期待運賃額とす
る。例えば、地区Aで乗車したデータ束から抽出された
運賃額が620円、750円、800円、900円、2
600円と仮にすると、これら運賃額の中央値たる80
0円が地区Aの期待運賃額となる。そして流し運賃実績
決定部415は、各地区ごとの期待運賃額をこのように
して決定し、それらを流し期待収入額算出部423に送
信する。流し顧客探索時間決定部419は、同一地区内
において流しの営業形態で乗客を発見するまでに要する
時間である顧客探索時間の期待値を決定する。このため
に流し顧客探索時間決定部419は、受信した営業形態
が流しのデータ束(営業形態分類部413から送信され
たもの)から、前回の賃走の終了である降車位置が属す
る降車地区と今回の賃走の開始である乗車位置が属する
乗車地区とが同一地区であるデータ束を抽出し、該抽出
されたデータ束をさらに乗車地区別に分類する。そして
流し顧客探索時間決定部419は、同一乗車地区に分類
されたデータ束から前回の賃走の終了である降車時刻か
ら今回の賃走の開始である乗車時刻までの時間を抽出
し、該抽出された時間の中央値を該同一地区の期待顧客
探索時間とする。例えば、地区Aに分類されたデータ束
から前回降車時刻から今回乗車時刻までの時間が9分、
15分、18分、35分、49分と仮に抽出されたとす
ると、これら時間の中央値たる18分が地区Aの期待顧
客探索時間となる。そして流し顧客探索時間決定部41
9は、各地区ごとの期待顧客探索時間をこのようにして
決定し、それらを流し期待収入額算出部423に送信す
る。流し乗車時間決定部421は、受信した営業形態が
流しのデータ束(営業形態分類部413から送信された
もの)を乗車地がいずれの地区(地区A、地区B、地区
C、地区D、地区E、地区F、地区G)かによって分類
する。そして乗車地が同一地区に分類されたデータ束か
ら実績の乗車時間(今回の乗車時刻から今回の降車時刻
までの時間)を抽出し、該抽出された乗車時間の中央値
を該同一地区の期待乗車時間とする。例えば、地区Aで
乗車したデータ束から抽出された乗車時間が6分、9
分、10分、18分、45分と仮にすると、これら乗車
時間の中央値たる10分が地区Aの期待乗車時間とな
る。そして流し乗車時間決定部421は、各地区ごとの
期待乗車時間をこのようにして決定し、それらを流し期
待収入額算出部423に送信する。
【0095】一方、各地区待機台数把握部425は、状
態位置受付部405から各タクシーの状態変化等に関す
る情報を受け取り、各地区において各タクシーがセンタ
配車における待機状態を含めていかなる状態になってい
るかを把握する。ここに現在配置計画を立案すべき対象
たるタクシーは、前述のように、状態位置受付部405
から空車に変化したとの状態変化情報を受信したタクシ
ーであることを各地区待機台数把握部425は把握して
おり、各地区待機台数把握部425は現在配置計画を立
案すべき対象たるタクシーがいずれの地区に存するかを
流し期待収入額算出部423に通知する。
【0096】以上のようにして、流し期待収入額算出部
423は、流し運賃実績決定部415から各地区ごとの
期待運賃額と、流し顧客探索時間決定部419から各地
区ごとの期待顧客探索時間と、流し乗車時間決定部42
1から各地区ごとの期待乗車時間と、を受信すると共
に、現在配置計画を立案すべき対象たるタクシーがいず
れの地区に存するかの情報を得ることができる。そして
前述のように、現在配置計画を立案すべき対象たるタク
シーが存する地区から他の地区に移動するための流し場
所移動時間として用いる期待移動時間を移動時間決定部
417から得ることができる。表7に、流し期待収入額
算出部423が受信した各地区ごとの期待運賃額と各地
区ごとの期待顧客探索時間と各地区ごとの期待乗車時間
との例を挙げる。
【0097】 (表7)流し期待収入額算出部が受信した期待運賃額と期待顧客探索時間と 期待乗車時間の一例(火曜日、時間帯10時、降雨なし) 地 区 期待運賃額 期待顧客探索時間 期待乗車時間 A 100円 10分 10分 B 200円 20分 20分 C 300円 30分 30分 ・ ・
【0098】以上のような情報を用いて流し期待収入額
算出部423は、配置計画を立案すべき対象たるタクシ
ーが現在存する地区にそのまま存する場合と、複数の地
区のうち該現在属する地区とは異なる各地区のそれぞれ
に移動する場合と、の単位時間当たりの期待収入額を算
出することができる。即ち、該タクシーの単位時間当た
りの期待収入額(営業形態が流しの場合)は、式:(期
待運賃額)/((流し場所移動時間)+(期待顧客探索
時間)+(期待乗車時間))によって各地区別に算出で
きる。なお、ここでは流し場所移動時間は、移動時間決
定部417から得る期待移動時間を用い、これから地区
を変える場合のみ考慮し、これから地区を変えず同一地
区内で流しをする場合には0として取り扱う。例えば、
配置計画を立案すべき対象たるタクシーが現在地区Bに
存する場合を例にとって説明する。これから地区A(地
区を変える)に移動して流しをする場合の期待収入額
は、(期待運賃額)/((流し場所移動時間)+(期待
顧客探索時間)+(期待乗車時間))=100/(9+
10+10)によって算出される。なお、流し場所移動
時間の9(分)は、表6の地区B乗車から地区A降車の
データを用いており、期待運賃額、期待顧客探索時間、
期待乗車時間は表7の地区Aのものを使用している。こ
れから地区B(地区を変えない)のまま流しをする場合
の期待収入額は、(期待運賃額)/((流し場所移動時
間)+(期待顧客探索時間)+(期待乗車時間))=2
00/(0+20+20)によって算出される。なお、
流し場所移動時間は地区を変えず同一地区内で流しをす
るので0としており、期待運賃額、期待顧客探索時間、
期待乗車時間は表7の地区Bのものを使用している。こ
れから地区C(地区を変える)に移動して流しをする場
合の期待収入額は、(期待運賃額)/((流し場所移動
時間)+(期待顧客探索時間)+(期待乗車時間))=
300/(11+30+30)によって算出される。な
お、流し場所移動時間の11(分)は、表6の地区B乗
車から地区C降車のデータを用いており、期待運賃額、
期待顧客探索時間、期待乗車時間は表7の地区Cのもの
を使用している。これ以外の他の地区における期待収入
額も同様に算出されることができる。以上のように、流
し期待収入額算出部423は、各地区ごとにおける流し
の期待収入額を算出し、それぞれを期待収入出力部43
9へ通知する。期待収入出力部439は、後述の各地区
ごとにおけるセンタ配車の期待収入額と該各地区ごとに
おける流しの期待収入額とをまとめて通知部441へ送
信し、通知部441から配置計画を立案すべき対象たる
タクシーに無線を経由してこれら期待収入額が通知され
る。
【0099】そして、営業形態分類部413によって営
業形態がセンタ配車に分類されたデータ束は、センタ運
賃実績決定部429、迎車時間決定部431、センタ乗
車時間決定部433に送信される。センタ運賃実績決定
部429は、受信した営業形態がセンタ配車のデータ束
(営業形態分類部413から送信されたもの)を乗車地
がいずれの地区(地区A、地区B、地区C、地区D、地
区E、地区F、地区G)かによって分類する。そして乗
車地が同一地区に分類されたデータ束から実績の運賃額
(センタ配車のここでは迎車料金と賃走料金とを加えた
もの。表1中のデータ2からデータ5までのデータから
なるデータ束でいえば、2100円)を抽出し、該抽出
された運賃額の中央値を該同一地区の期待運賃額とす
る。中央値のとりかたは前述の流しの場合と同様である
ので、ここでは説明を省略する。そしてセンタ運賃実績
決定部429は、各地区ごとの期待運賃額をこのように
して決定し、それらをセンタ期待収入額算出部437に
送信する。迎車時間決定部431は、受信した営業形態
がセンタ配車のデータ束(営業形態分類部413から送
信されたもの)を乗車地がいずれの地区(地区A、地区
B、地区C、地区D、地区E、地区F、地区G)かによ
って分類する。そして乗車地が同一地区に分類されたデ
ータ束から実績の迎車時間(センタからの配車指示を受
けてから乗客が乗車するまでの時間。例えば、表1中の
データ3からデータ4までの時間)を抽出し、該抽出さ
れた迎車時間の中央値を該同一地区の期待迎車時間とす
る。中央値のとりかたは前述したので、ここでは説明を
省略する。そして迎車時間決定部431は、各地区ごと
の期待迎車時間をこのようにして決定し、それらをセン
タ期待収入額算出部437に送信する。なお、迎車時間
は移動時間決定部417が記憶している各地区内の期待
移動時間を用いることもでき、例えば、表6中の期待移
動時間データの乗車地区Aから降車地区Aへの値(5
分)を地区Aにおける期待迎車時間とすることもでき
る。同様に、乗車地区Bから降車地区Bへの値(6分)
を地区Bにおける期待迎車時間とし、乗車地区Cから降
車地区Cへの値(7分)を地区Cにおける期待迎車時間
とすることもできる。センタ乗車時間決定部433は、
受信した営業形態がセンタ配車のデータ束(営業形態分
類部413から送信されたもの)を乗車地がいずれの地
区(地区A、地区B、地区C、地区D、地区E、地区
F、地区G)かによって分類する。そして乗車地が同一
地区に分類されたデータ束から実績の乗車時間(今回の
乗車時刻から今回の降車時刻までの時間)を抽出し、該
抽出された乗車時間の中央値を該同一地区の期待乗車時
間とする。中央値のとりかたは前述したので、ここでは
説明を省略する。そしてセンタ乗車時間決定部433
は、各地区ごとの期待乗車時間をこのようにして決定
し、それらをセンタ期待収入額算出部437に送信す
る。
【0100】待機時間算出部435は、各地区待機台数
把握部425から各地区におけるセンタ配車におけるタ
クシーの待機台数及び現在配置計画を立案すべき対象た
るタクシーがいずれの地区に存するかの情報と、実車発
生速度算出部207から各地区における実車発生速度
と、空車発生速度算出部219から各地区における空車
発生速度と、を受信する。そして前述のように、現在配
置計画を立案すべき対象たるタクシーが存する地区から
他の地区に移動するためのセンタ場所移動時間を移動時
間決定部417から得ることができる。表8に、待機時
間算出部435が受信した各地区ごとの待機台数、実車
発生速度及び空車発生速度と、現在配置計画を立案すべ
き対象たるタクシーが存する地区と、の例を挙げる。
【0101】 (表8) 待機時間算出部が受信した各地区ごとの待機台数、実車発生速度及び 空車発生速度と、現在配置計画を立案すべき対象たるタクシーが存する地区と、 の一例(火曜日、時間帯10時、降雨なし) 1.配置計画を立案すべき対象たるタクシーの現存地区:地区B 2.各地区ごとの待機台数、実車発生速度及び空車発生速度 地 区 待機台数 実車発生速度 空車発生速度 A 1台 3台/時間 2台/時間 B 1台 1台/時間 0台/時間 C 3台 8台/時間 4台/時間 ・ ・
【0102】これら表8に挙げられた情報から待機時間
算出部435は、式:((現在待機台数−センタ場所移
動時間×実車発生速度+センタ場所移動時間×空車発生
速度+1)/実車発生速度)によって各地区ごとの待機
時間を算出し、該算出された各地区ごとの待機時間をセ
ンタ期待収入額算出部437へ送信する。待機時間の算
出は、次のように行われる。 ・地区Aについて 待機時間=((現在待機台数−センタ場所移動時間×実
車発生速度+センタ場所移動時間×空車発生速度+1)
/実車発生速度)=((1−9/60×3+9/60×
2+1)/3×60 ここに現在待機台数については表8における地区Aの待
機台数を用い、センタ場所移動時間は、移動時間決定部
417から提供される各地区から各地区への期待移動時
間データ(表6)の乗車地区Bから降車地区Aへの値
(9分)を用い、これを60で除している(9/60)
のは単位を分から時間に変換するためである。そして実
車発生速度と空車発生速度とは、それぞれ表8における
地区Aの実車発生速度と空車発生速度とを用いた。な
お、最後に60を乗じているのは、待機時間を分の単位
で求めるためである。 ・地区Bについて 待機時間=((現在待機台数−センタ場所移動時間×実
車発生速度+センタ場所移動時間×空車発生速度+1)
/実車発生速度)=((1−0/60×1+0/60×
0+1)/1×60 ここに現在待機台数については表8における地区Bの待
機台数を用い、センタ場所移動時間については配置計画
を立案すべき対象たるタクシーの現存地区が地区Bであ
り地区を変えない(地区Bのまま)のでセンタ場所移動
時間を0とした。なお、60で除しているのは単位を分
から時間に変換するためである。そして実車発生速度と
空車発生速度とは、それぞれ表8における地区Bの実車
発生速度と空車発生速度とを用いた。なお、最後に60
を乗じているのは、待機時間を分の単位で求めるためで
ある。 ・地区Cについて 待機時間=((現在待機台数−センタ場所移動時間×実
車発生速度+センタ場所移動時間×空車発生速度+1)
/実車発生速度)=((3−11/60×8+11/6
0×4+1)/8×60 ここに現在待機台数については表8における地区Cの待
機台数を用い、センタ場所移動時間については移動時間
決定部417から提供される各地区から各地区への期待
移動時間データ(表6)の乗車地区Bから降車地区Cへ
の値(11分)を用い、これを60で除している(11
/60)のは単位を分から時間に変換するためである。
そして実車発生速度と空車発生速度とは、それぞれ表8
における地区Cの実車発生速度と空車発生速度とを用い
た。なお、最後に60を乗じているのは、待機時間を分
の単位で求めるためである。以下、他の地区についても
同様に待機時間を求めればよい。そして、待機時間算出
部435は、算出された各地区ごとの待機時間をセンタ
期待収入額算出部437へ送信する。
【0103】以上のようにして、センタ期待収入額算出
部437は、センタ運賃実績決定部429から各地区ご
との期待運賃額と、迎車時間決定部431から各地区ご
との期待迎車時間と、センタ乗車時間決定部433から
各地区ごとの期待乗車時間と、待機時間算出部435か
ら各地区ごとの待機時間及び配置計画を立案すべき対象
たるタクシーが現在存する地区の情報と、を受信する。
そして前述のように、センタ期待収入額算出部437
は、配置計画を立案すべき対象たるタクシーが現在存す
る地区から他の地区に移動するためのセンタ場所移動時
間として用いる期待場所移動時間を移動時間決定部41
7から得ることができる。表9に、センタ期待収入額算
出部437が受信した、各地区ごとの期待運賃額と各地
区ごとの期待迎車時間と各地区ごとの期待乗車時間と各
地区ごとの期待待機時間と該タクシーが現在存する地区
との例を挙げる。
【0104】 (表9) センタ期待収入額算出部が受信した各地区ごとの期待運賃額、各地区 ごとの期待迎車時間、各地区ごとの期待乗車時間、各地区ごとの期待待機時間、 該タクシーが現在存する地区の一例 1.該タクシーの現存地区:地区B 2.各地区ごとの期待運賃額、期待迎車時間、期待乗車時間、期待待機時間 地 区 期待運賃額 期待迎車時間 期待乗車時間 期待待機時間 A 100円 4分 10分 10分 B 200円 6分 20分 20分 C 300円 6分 30分 30分 ・ ・
【0105】このような情報を用いてセンタ期待収入額
算出部437は、配置計画を立案すべき対象たるタクシ
ーが現在存する地区にそのまま存する場合と、複数の地
区のうち該現在属する地区とは異なる各地区のそれぞれ
に移動する場合と、の単位時間当たりの期待収入額を算
出する。即ち、該タクシーの単位時間当たりの期待収入
額(営業形態がセンタ配車の場合)は、式:(運賃実績
額/(センタ場所移動時間+待機時間+迎車時間+乗車
時間))によって各地区別に算出できる。なお、ここで
はセンタ場所移動時間は、これから地区を変える場合の
み考慮し、これから地区を変えず同一地区内でセンタ配
車による営業をする場合には0として取り扱う。例え
ば、配置計画を立案すべき対象たるタクシーが現在地区
Bに存する場合を例にとって説明する。これから地区A
(地区を変える)に移動してセンタ配車による営業をす
る場合の期待収入額=(運賃実績額/(センタ場所移動
時間+待機時間+迎車時間+乗車時間))=100/
(9+10+4+10)によって算出される。なお、セ
ンタ場所移動時間の9(分)は、表6の地区B乗車から
地区A降車のデータを用いており、運賃実績額、待機時
間、迎車時間、乗車時間は、表9の地区Aの期待運賃
額、期待待機時間、期待迎車時間、期待乗車時間をそれ
ぞれ使用している。これから地区B(地区を変えない)
のままセンタ配車による営業をする場合の期待収入額=
(運賃実績額/(センタ場所移動時間+待機時間+迎車
時間+乗車時間))=200/(0+20+6+20)
によって算出される。なお、センタ場所移動時間は地区
を変えず同一地区内でセンタ配車による営業をするので
0としており、運賃実績額、待機時間、迎車時間、乗車
時間は、表9の地区Bの期待運賃額、期待待機時間、期
待迎車時間、期待乗車時間をそれぞれ使用している。こ
れから地区C(地区を変える)に移動してセンタ配車に
よる営業をする場合の期待収入額=(運賃実績額/(セ
ンタ場所移動時間+待機時間+迎車時間+乗車時間))
=300/(11+30+6+30)によって算出され
る。なお、センタ場所移動時間の11(分)は、表6の
地区B乗車から地区C降車のデータを用いており、運賃
実績額、待機時間、迎車時間、乗車時間は、表9の地区
Cの期待運賃額、期待待機時間、期待迎車時間、期待乗
車時間をそれぞれ使用している。これ以外の他の地区に
おける期待収入額も同様に算出されることができる。以
上のように、センタ期待収入額算出部437は、各地区
ごとにおけるセンタ配車による営業の期待収入額を算出
し、それぞれを期待収入出力部439へ通知する。期待
収入出力部439は、前述の各地区ごとにおける流しの
期待収入額と各地区ごとにおけるセンタ配車による営業
の期待収入額とをまとめて通知部441へ送信し、通知
部441から配置計画を立案すべき対象たるタクシーに
無線を経由してこれら期待収入額が通知される。
【0106】続いて、以上の構成を有する第一基地コン
ピュータ53及び第二基地コンピュータ58の動作を説
明する。まず、図14に、主として実績データの入力、
実車発生速度の算出、空車発生速度の算出に関する動作
のフローチャートを示し、図15に、主として情報取り
込みに関する動作のフローチャートを示し、図16に、
主として実車関係及び空車関係の決定に関する動作のフ
ローチャートを示す。図14乃至図16を順に参照し
て、第一基地コンピュータ53の動作を説明する。
【0107】図14を参照して、主として実績データの
入力、実車発生速度の算出、空車発生速度の算出に関す
る動作について説明する。まず、需要実績データ受付部
201が、営業所コンピュータ35からケーブル41を
経由して実績データを受信したか否か判断し(s30
1)、受信したと判断した場合(YES)には、受信し
た実績データの中に含まれる各状態変化をした位置を示
す経度緯度のデータから該各状態変化をした位置が属す
る地区(変化地区)を割り出す(s302)。なお、需
要実績データ受付部201が、実績データを受信してい
ないと判断した場合(NO)には、後述のs305へ行
く。s302にて状態変化をした地区(変化地区)が割
り出された実績データは、需要実績データ受付部201
からデータサーバ55へ送信され、記憶される(s30
3)。一方、後述のように、インターネット57又はキ
ーボードを経由して情報取り込み部209によって取り
込まれデータサーバ55に記憶された変動要因実績デー
タから、データサーバ55に記憶された実績データの前
記各状態変化が起きた際の降雨の有無を降雨情報読み出
し部213が読み出し、データサーバ55に記憶された
実績データの該各状態変化に降雨の有無を降雨情報読み
出し部213が付記してゆく(s304)。
【0108】そして、実車関係読み出し部205が、場
合分け受付部401(第二基地コンピュータ58)から
立案すべき配車計画に対応する場合分けが通知されたか
否か判断し(s305)、場合分けを受け付けたと判断
した場合(YES)には、該場合分けに対応した実車関
係を実車関係記憶手段たるデータサーバー55から読み
出し、該読み出された実車関係を実車発生速度算出部2
07に通知する(s306)。なお、実車関係読み出し
部205が、場合分け受付部401(第二基地コンピュ
ータ58)から立案すべき配車計画に対応する場合分け
を受け付けていないと判断した場合(NO)には、後述
のs311へ行く。一方、情報取り込み部209は、立
案すべき配置計画に対応する変動要因の計画値を第一基
地コンピュータ53に接続されたキーボードを介して取
り込み、該取り込まれた変動要因の計画値を変動要因受
付部211へ通知する(s307)。そして、実車発生
速度算出部207が、実車関係読み出し部205から通
知された前記実車関係と、変動要因受付部211から通
知された前記変動要因の計画値と、を用いて実車発生速
度を算出し、該算出された実車発生速度を期待額計算部
411の待機時間算出部435(第二基地コンピュータ
58)に通知する(s308)。空車関係読み出し部2
17が、s305において受け付けたと判断した場合分
けに対応した空車関係を空車関係記憶手段たるデータサ
ーバー55から読み出し、該読み出された空車関係を空
車発生速度算出部219に通知する(s309)。そし
てs307において情報取り込み部209によって取り
込まれた変動要因の計画値は、変動要因受付部211へ
通知され、変動要因受付部211から空車発生速度算出
部219に通知される。そして、空車発生速度算出部2
19は、空車関係読み出し部217から通知された空車
関係と、変動要因受付部211から通知された前記変動
要因の計画値と、を用いて空車発生速度を算出し、該算
出された空車発生速度を期待額計算部411の待機時間
算出部435(第二基地コンピュータ58)に通知する
(s310)。その後、作業が終了したかどうか判断し
(s311)、作業終了の場合(YES)作業を終了
(エンド)し、作業終了ではない場合(NO)s301
へ戻る。
【0109】図15を参照して、主として情報取り込み
に関する動作について説明する。まず、情報取り込み部
209が、変動要因実績データ等の情報を取り込むべき
所定の時刻か否かを判断(s321)し、情報を取り込
むべき所定の時刻であると判断した場合(YES)、天
気、気温(℃)、風向、風速(m/s)、降水量(m
m)、湿度(%)を示す実績データを本システムの外部
情報源たる民間気象情報提供業者のホームページから自
動的にインターネット57を経由して取り込む(s32
2)。情報取り込み部209が、変動要因実績データ等
の情報を取り込むべき所定の時刻ではないと判断した場
合(NO)、s321に戻る。そしてs322が終わる
と、さらに情報取り込み部209は、突発影響要因たる
イベント指数がキーボードを経由して入力される(s3
23)。なお、キーボードを経由して入力されたイベン
ト指数は情報取り込み部209によって記憶されるよう
になっており、その記憶されたイベント指数が存すると
きはそれを用いる。このようにして採取された変動要因
実績データ等(イベント指数を含む)は、各データがい
ずれの地区に関しそのデータが採取された年月日及び時
間帯が明らかになるように、情報取り込み部209から
変動要因実績記憶手段(実車及び空車変動要因実績記憶
手段)たるデータサーバ55に送信され(s324)、
データサーバ55によって各データがいずれの地区に関
しそのデータが採取された年月日及び時間帯が明らかに
なるように記憶される。その後、作業が終了したかどう
か判断し(s325)、作業終了の場合(YES)作業
を終了(エンド)し、作業終了ではない場合(NO)s
321へ戻る。
【0110】図16を参照して、主として実車関係及び
空車関係の決定に関する動作について説明する。まず、
実車関係決定部203が、所定量の乗車に関する需要実
績データがデータサーバー55に蓄積されたか否か判断
(s341)し、蓄積されたと判断した場合(YE
S)、実車関係決定部203は、データサーバー55に
記憶されている需要実績データから年月日ごと各地区ご
と実車場合分けごとに属する乗車回数を計数する(s3
42)と共に、該計数された乗車回数に対応する年月
日、地区、場合分けに該当する変動要因実績データ等を
データサーバ55から読み出す(s343)。なお、実
車関係決定部203が、s341において所定量の需要
実績データがデータサーバー55に蓄積されていないと
判断した場合(NO)、後述のs347に行く。そして
実車関係決定部203は、該計数された乗車回数と該読
み出された変動要因実績データ等との組を作成する(s
344)。その後、実車関係決定部203は、各地区ご
と実車場合分けごとに、乗車回数と変動要因実績データ
とから変動要因と実車発生速度との関係である実車関係
を求め決定する(s345)。そして実車関係決定部2
03は、実車関係記憶手段たるデータサーバー55に該
求められた実車関係を出力通知し(s346)、データ
サーバー55に記憶させる。同様に、空車関係決定部2
15が、所定量の降車に関する需要実績データがデータ
サーバー55に蓄積されたか否か判断(s347)し、
蓄積されたと判断した場合(YES)、空車関係決定部
215は、データサーバー55に記憶されている需要実
績データから年月日ごと各地区ごと空車場合分けごとに
属する降車回数を計数する(s348)と共に、該計数
された降車回数に対応する年月日、地区、場合分けに該
当する変動要因実績データ等をデータサーバ55から読
み出す(s349)。なお、空車関係決定部215が、
s347において所定量の需要実績データがデータサー
バー55に蓄積されていないと判断した場合(NO)、
後述のs353に行く。そして空車関係決定部215
は、該計数された降車回数と該読み出された変動要因実
績データ等との組を作成する(s350)。その後、空
車関係決定部215は、各地区ごと空車場合分けごと
に、降車回数と変動要因実績データとから変動要因と空
車発生速度との関係である空車関係を求め決定する(s
351)。そして空車関係決定部215は、空車関係記
憶手段たるデータサーバー55に該求められた空車関係
を出力通知し(s352)、データサーバー55に記憶
させる。その後、作業が終了したかどうか判断し(s3
53)、作業終了の場合(YES)作業を終了(エン
ド)し、作業終了ではない場合(NO)s341へ戻
る。
【0111】図17に、第二基地コンピュータの動作の
フローチャートを示す。図17を参照して、第二基地コ
ンピュータ58の動作を説明する。まず、状態位置受付
部405は、タクシーから発せられた位置情報と状態変
化情報とを含む信号を受信したか否かを判断する(s3
71)。s371にて状態位置受付部405が該信号を
受信したと判断した場合(YES)には、状態位置受付
部405は、受信した位置情報から該状態変化がいずれ
の地区で発生したか判断し割り出し(s372)、該状
態変化とそれが発生した地区とが特定できるような信号
を場合分け受付部401と期待額計算部411の各地区
待機台数把握部425とに並列的に送信する。s371
にて状態位置受付部405が該信号を受信していないと
判断した場合(NO)には、s371に戻る。そして、
場合分け受付部401は、状態位置受付部405から送
信された前記状態変化情報を受信し、それが乗客が降車
して空車となったとの情報か否かを判断する(s37
3)。s373において場合分け受付部401が、前記
状態変化情報が乗客が降車して空車となったとの情報で
あると判断した場合(YES)には場合分け受付部40
1は立案すべき配置計画に対応する場合分けを受け付け
る(s374)。なお、場合分け受付部401は受け付
けた場合分けを記憶しておき、場合分け受付部401
は、該記憶された場合分けが書き換えられるまで該記憶
された場合分けを受け付けたものとして取り扱う。s3
73において場合分け受付部401が、前記状態変化情
報が乗客が降車して空車となったとの情報でないと判断
した場合(NO)には、後述のs384へ行く。そし
て、場合分け受付部401は、受け付けた場合分け要因
のデータを実績データ読み出し部403、空車関係読み
出し部217、実車関係読み出し部205へ並列的に送
信する。場合分け受付部401からの場合分け要因のデ
ータを受信した実績データ読み出し部403は、実績デ
ータ記憶手段たるデータサーバー55に記憶された需要
実績データの中から状態が賃走に変化したデータ(賃走
変化データ)のうち、該受信した場合分け要因に合致す
るものを抽出する。実績データ読み出し部403は、該
抽出された賃走変化データから始まる賃走1回ごとを、
前回の賃走が乗客の降車によって終了した後(出庫して
営業開始後、初めての賃走の場合には出庫した後)から
今回の賃走が乗客の降車によって終了するまでを今回の
賃走過程1回ととらえ、その賃走過程1回ごとを1デー
タとしてデータ束にまとめて読み出す(s375)。実
績データ読み出し部403は、このようなデータ束を期
待額計算部411の移動時間決定部417と営業形態分
類部413とに送信する。移動時間決定部417は、実
績データ読み出し部403からのデータ束それぞれを乗
車地区と降車地区とが同一のもの同士を分類し、次い
で、移動時間決定部417は、これら乗車地区と降車地
区とが同一のもの同士(グループ)に分類されたデータ
束から、乗車から降車までにかかった時間を抽出する。
そして移動時間決定部417は、該抽出された時間の中
央値を該乗車地区から該降車地区への期待移動時間とす
る。これを乗車地区と降車地区とを全ての地区について
行うことで、全ての地区から全ての地区(同一地区内で
の移動も含む。)への期待移動時間を移動時間決定部4
17は決定する(s376)。一方、営業形態分類部4
13は、実績データ読み出し部403から送信されたデ
ータ束の中の営業形態が流しかセンタ配車かによって各
データ束を分類し(s377)、営業形態が流しのデー
タ束は流し運賃実績決定部415、流し顧客探索時間決
定部419、流し乗車時間決定部421に送信し、営業
形態がセンタ配車のデータ束はセンタ運賃実績決定部4
29、迎車時間決定部431、センタ乗車時間決定部4
33に送信する。
【0112】前述のように、流し運賃実績決定部415
は受信した営業形態が流しのデータ束から各地区ごとの
期待運賃額を決定し、流し顧客探索時間決定部419は
受信した営業形態が流しのデータ束から各地区ごとの期
待顧客探索時間を決定し、そして流し乗車時間決定部4
21は受信した営業形態が流しのデータ束から各地区ご
との期待乗車時間を決定し(s378)、これら期待運
賃額、期待顧客探索時間、期待乗車時間は流し期待収入
額算出部423に送信される。流し期待収入額算出部4
23は、流し運賃実績決定部415から各地区ごとの期
待運賃額と、流し顧客探索時間決定部419から各地区
ごとの期待顧客探索時間と、流し乗車時間決定部421
から各地区ごとの期待乗車時間と、を受信すると共に、
現在配置計画を立案すべき対象たるタクシーがいずれの
地区に存するかの情報を得ることができ、現在配置計画
を立案すべき対象たるタクシーが存する地区から他の地
区に移動するための期待移動時間を移動時間決定部41
7から得ることができるので、これらの情報から流しに
よる期待収入額を算出する(s379)。一方、前述の
ように、センタ運賃実績決定部429は受信した営業形
態がセンタ配車のデータ束から各地区ごとの期待運賃額
を決定し、迎車時間決定部431は受信した営業形態が
センタ配車のデータ束から各地区ごとの期待迎車時間を
決定し、センタ乗車時間決定部433は受信した営業形
態がセンタ配車のデータ束から各地区ごとの期待乗車時
間を決定し(s380)、これら決定された期待運賃
額、期待迎車時間、期待乗車時間はセンタ期待収入額算
出部437に送信される。待機時間算出部435は、前
述のように、各地区ごとの待機時間を算出(s381)
し、該算出された各地区ごとの待機時間をセンタ期待収
入額算出部437へ送信する。センタ期待収入額算出部
437は、前述のように、配置計画を立案すべき対象た
るタクシーが現在存する地区にそのまま存する場合と、
複数の地区のうち該現在属する地区とは異なる各地区の
それぞれに移動する場合と、の単位時間当たりの期待収
入額を算出する(s382)。センタ期待収入額算出部
437は、算出した期待収入額それぞれを期待収入出力
部439へ通知する。期待収入出力部439は、前述の
各地区ごとにおける流しの期待収入額と各地区ごとにお
けるセンタ配車による営業の期待収入額とをまとめて通
知部441へ送信し、通知部441から配置計画を立案
すべき対象たるタクシーに無線を経由してこれら期待収
入額が送信される(s383)。その後、作業が終了し
たかどうか判断し(s384)、作業終了の場合(YE
S)作業を終了(エンド)し、作業終了ではない場合
(NO)s371へ戻る。
【0113】本実施形態においては、基地51には第一
基地コンピュータ53と第二基地コンピュータ58との
2台のコンピュータによって本システムを構成するよう
にしているが、用いるコンピュータによってコンピュー
タの台数は適宜定めればよく、例えば、1台のコンピュ
ータのみによって構成しても、また3台以上のコンピュ
ータによって構成してよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】タクシーと営業所と基地とのつながりを示す略
構成図である。
【図2】タクシーに搭載された搭載本体部の外観構成図
である。
【図3】本体のハードウエア構成を示す概略ブロック図
である。
【図4】図3のハードウエアとROMに記録されるプロ
グラムにより実現される本体の機能ブロック図である。
【図5】本体の動作を表すフローチャートである。
【図6】第一基地コンピュータのハードウエア構成を示
す概略ブロック図である。
【図7】第二基地コンピュータのハードウエア構成を示
す概略ブロック図である。
【図8】図6のハードウエアとROMに記録されるプロ
グラムにより実現される第一基地コンピュータの機能ブ
ロック図である。
【図9】営業地域と地区との関係を示す模式図である。
【図10】定数算出における実車関係決定部の動作を示
すフローチャートである。
【図11】検定における実車関係決定部の動作を示すフ
ローチャートである。
【図12】図7のハードウエアとROMに記録されるプ
ログラムにより実現される第二基地コンピュータの機能
ブロック図である。
【図13】期待額計算部を詳細に示した機能ブロック図
である。
【図14】主として実績データの入力、実車発生速度の
算出、空車発生速度の算出に関する第一基地コンピュー
タの動作のフローチャートである。
【図15】主として情報取り込みに関する第一基地コン
ピュータの動作のフローチャートである。
【図16】主として実車関係及び空車関係の決定に関す
る第一基地コンピュータの動作のフローチャートであ
る。
【図17】第二基地コンピュータの動作のフローチャー
トである。
【符号の簡単な説明】
11 タクシー(車両) 13 グローバルポジショニングシステム(GP
S) 15 データ受け取り部 17 表示部 19 データ書き込み部 21 ICカード(実績記憶媒体) 23 制御部 25 ケーブル 31 営業所 33 カード読み取り部 35 営業所コンピュータ 37 ケーブル 41 ケーブル 51 基地 53 第一基地コンピュータ 55 データサーバー 57 インターネット 58 第二基地コンピュータ 59 ケーブル 61 搭載本体部 63 本体 65 画像モニター 65a 第一画像モニター 65b 第二画像モニター 67a、67b、67c、67d、67aa、67ab
状態変化ボタン 69a、69b 表示データ選択ボタン 71 ICカードレコーダ 101 位置受付部 103 時刻受付部 105 速度受付部 107 状態受付部 109 料金計算部 111 書き込みデータ生成部 113 データ読み出し部 115 データ選択部 117 出力部 119 配置案受信部 121 状態送信部 151a、251a、351a CPU 151b、251b、351b RAM 151c、251c、351c ROM 151d、251d、351d インターフェイス 190 営業地域 192 地域境界線 194 非営業地域 196 地区境界線 201 需要実績データ受付部 203 実車関係決定部 205 実車関係読み出し部 207 実車発生速度算出部 209 情報取り込み部 211 変動要因受付部 213 降雨情報読み出し部 215 空車関係決定部 217 空車関係読み出し部 219 空車発生速度算出部 253、353 CRTディスプレイ 255、355 キーボード 401 場合分け受付部 403 実績データ読み出し部 405 状態位置受付部 411 期待額計算部 413 営業形態分類部 415 流し運賃実績決定部 417 移動時間決定部 419 流し顧客探索時間決定部 421 流し乗車時間決定部 423 流し期待収入額算出部 425 各地区待機台数把握部 429 センタ運賃実績決定部 431 迎車時間決定部 433 センタ乗車時間決定部 435 待機時間算出部 437 センタ期待収入額算出部 439 期待収入出力部 441 通知部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E038 AA08 AA09 BA09 BB04 CA06 CA07 CB02 CB03 FA03 GA02 JA04 5B049 BB31 CC40 DD01 DD04 EE01 EE05 EE07 EE28 EE41 FF03 FF04 FF08 GG04 GG06 GG07 GG09 5H180 AA14 AA15 BB05 BB12 BB15 CC12 EE02 EE10 EE12 FF01 FF05 FF10 FF13

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の地区に配置する車両の配置計画の立
    案を支援するシステムであって、 該地区ごとに、予め定められた場合分けに対応する該車
    両の稼働時間及び収入に関する需要実績データを記憶す
    る実績データ記憶手段と、 立案すべき該配置計画に対応する該場合分けを受け付け
    る場合分け受付手段と、 該車両が現在属する地区を受け付ける位置受付手段と、 該場合分け受付手段によって受け付けられた該場合分け
    に対応する、該実績データ記憶手段から該需要実績デー
    タを読み出す実績データ読み出し手段と、 該車両が、該位置受付手段によって受け付けられた該現
    在属する地区にそのまま存する場合と、該複数の地区の
    うち該現在属する地区とは異なる各地区のそれぞれに移
    動する場合と、の単位時間当たりの期待収入額を、該実
    績データ読み出し手段によって読み出された該需要実績
    データを用いて計算する期待額計算手段と、を有してな
    る、システム。
  2. 【請求項2】前記場合分けの要因に、流しとセンタ配車
    との少なくとも2種類に分けられた営業形態を含み、 前記期待収入額が、該営業形態別に計算されるものであ
    る、請求項1に記載のシステム。
  3. 【請求項3】前記営業形態が流しの場合、前記需要実績
    データは運賃実績額、流し場所移動時間、顧客探索時
    間、乗車時間を決定するためのデータを含み、 前記期待収入額が、運賃実績額/(流し場所移動時間+
    顧客探索時間+乗車時間)によって算出されるものであ
    る、請求項2に記載のシステム。
  4. 【請求項4】前記営業形態がセンタ配車の場合、前記需
    要実績データは運賃実績額、センタ場所移動時間、待機
    時間、迎車時間、乗車時間を決定するためのデータを含
    み、 前記期待収入額が、運賃実績額/(センタ場所移動時間
    +待機時間+迎車時間+乗車時間)によって算出される
    ものである、請求項2又は3に記載のシステム。
  5. 【請求項5】前記待機時間が、各地区において現在待機
    している車両台数と、前記現在属する地区から各地区そ
    れぞれへ該車両が移動する予想移動時間と、各地区それ
    ぞれにおいて乗客が乗車することで実車となる単位時間
    当たりの頻度である実車発生速度と、実車状態から乗客
    が降車して空車となったものが各地区それぞれにおいて
    センタ配車を待つ待機状態となる単位時間当たりの頻度
    である空車発生速度と、を用いて決定されるものであ
    る、請求項4に記載のシステム。
  6. 【請求項6】前記場合分けの要因の少なくとも一部を含
    む要因による場合分けである実車場合分けごとに前記実
    車発生速度の実績値を記憶する実車発生速度記憶手段
    と、 前記車両の需要に影響を与える変動要因の程度を示す変
    動要因の実績値を該実車場合分けごとに記憶する実車変
    動要因実績記憶手段と、 該実車場合分けごとに、該実車変動要因実績記憶手段に
    記憶された該変動要因の実績値と該実車発生速度記憶手
    段に記憶された該実車発生速度の実績値とから変動要因
    と実車発生速度との関係である実車関係を求める実車関
    係決定手段と、 該実車関係決定手段によって求められた該実車関係を該
    実車場合分けごとに記憶する実車関係記憶手段と、 立案すべき前記配置計画に対応する該変動要因の計画値
    を受け付ける変動要因受付手段と、 前記場合分け受付手段によって受け付けられた前記場合
    分けに対応する、該実車関係記憶手段から該実車関係を
    読み出す実車関係読み出し手段と、 該変動要因受付手段によって受け付けられた変動要因の
    計画値と該実車関係読み出し手段によって読み出された
    該実車関係とを用いて実車発生速度を算出する実車発生
    速度算出手段と、を含んでなる実車シミュレーション手
    段をさらに有するものである、請求項5に記載のシステ
    ム。
  7. 【請求項7】前記場合分けの要因の少なくとも一部を含
    む要因による場合分けである空車場合分けごとに前記空
    車発生速度の実績値を記憶する空車発生速度記憶手段
    と、 前記車両の需要に影響を与える変動要因の程度を示す変
    動要因の実績値を該空車場合分けごとに記憶する空車変
    動要因実績記憶手段と、 該空車場合分けごとに、該空車変動要因実績記憶手段に
    記憶された該変動要因の実績値と該空車発生速度記憶手
    段に記憶された該空車発生速度の実績値とから変動要因
    と空車発生速度との関係である空車関係を求める空車関
    係決定手段と、 該空車関係決定手段によって求められた該空車関係を該
    空車場合分けごとに記憶する空車関係記憶手段と、 立案すべき前記配置計画に対応する該変動要因の計画値
    を受け付ける変動要因受付手段と、 前記場合分け受付手段によって受け付けられた前記場合
    分けに対応する、該空車関係記憶手段から該空車関係を
    読み出す空車関係読み出し手段と、該変動要因受付手段
    によって受け付けられた変動要因の計画値と該空車関係
    読み出し手段によって読み出された該空車関係とを用い
    て空車発生速度を算出する空車発生速度算出手段と、を
    含んでなる空車シミュレーション手段をさらに有するも
    のである、請求項5又は6に記載のシステム。
  8. 【請求項8】前記期待額計算手段によって計算された前
    記期待収入額を前記車両に通知する通知手段をさらに有
    するものである、請求項1乃至7のいずれかに記載のシ
    ステム。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかに記載の前記シ
    ステムとしての機能をコンピュータに実行させるための
    プログラムを記録した該コンピュータに読み取り可能な
    記録媒体。
  10. 【請求項10】複数の地区に配置する車両の配置計画の
    立案をコンピュータを用いて支援する方法であって、 該地区ごとに、予め定められた場合分けに対応する該車
    両の稼働時間及び収入に関する需要実績データを記憶す
    る実績データ記憶ステップと、 立案すべき該配置計画に対応する該場合分けを受け付け
    る場合分け受付ステップと、 該車両の現在属する地区を受け付ける位置受付ステップ
    と、 該場合分け受付ステップによって受け付けられた該場合
    分けに対応する、該実績データ記憶ステップによって記
    憶された該需要実績データを読み出す実績データ読み出
    しステップと、 該車両が、該位置受付ステップによって受け付けられた
    該現在属する地区にそのまま存する場合と、該複数の地
    区のうち該現在属する地区とは異なる各地区のそれぞれ
    に移動する場合と、の単位時間当たりの期待収入額を、
    該実績データ読み出しステップによって読み出された該
    需要実績データを用いて計算する期待額計算ステップ
    と、を有してなる、方法。
  11. 【請求項11】前記場合分けの要因に、流しとセンタ配
    車との少なくとも2種類に分けられた営業形態を含み、 前記期待収入額が、該営業形態別に計算されるものであ
    る、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記営業形態が流しの場合、前記需要実
    績データは運賃実績額、流し場所移動時間、顧客探索時
    間、乗車時間を決定するためのデータを含み、 前記期待収入額が、運賃実績額/(流し場所移動時間+
    顧客探索時間+乗車時間)によって算出されるものであ
    る、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記営業形態がセンタ配車の場合、前記
    需要実績データは運賃実績額、センタ場所移動時間、待
    機時間、迎車時間、乗車時間を決定するためのデータを
    含み、 前記期待収入額が、運賃実績額/(センタ場所移動時間
    +待機時間+迎車時間+乗車時間)によって算出される
    ものである、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記待機時間が、各地区において現在待
    機している車両台数と、前記現在属する地区から各地区
    それぞれへ該車両が移動する予想移動時間と、各地区そ
    れぞれにおいて乗客が乗車することで実車となる単位時
    間当たりの頻度である実車発生速度と、実車状態から乗
    客が降車して空車となったものが各地区それぞれにおい
    てセンタ配車を待つ待機状態となる単位時間当たりの頻
    度である空車発生速度と、を用いて決定されるものであ
    る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】前記場合分けの要因の少なくとも一部を
    含む要因による場合分けである実車場合分けごとに前記
    実車発生速度の実績値を記憶する実車発生速度記憶ステ
    ップと、 前記車両の需要に影響を与える変動要因の程度を示す変
    動要因の実績値を該実車場合分けごとに記憶する実車変
    動要因実績記憶ステップと、 該実車場合分けごとに、該実車変動要因実績記憶ステッ
    プにおいて記憶された該変動要因の実績値と該実車発生
    速度記憶ステップにおいて記憶された該実車発生速度の
    実績値とから変動要因と実車発生速度との関係である実
    車関係を求める実車関係決定ステップと、 該実車関係決定ステップによって求められた該実車関係
    を該実車場合分けごとに記憶する実車関係記憶ステップ
    と、 立案すべき前記配置計画に対応する該変動要因の計画値
    を受け付ける変動要因受付ステップと、 前記場合分け受付ステップによって受け付けられた前記
    場合分けに対応する、該実車関係記憶ステップにおいて
    記憶された該実車関係を読み出す実車関係読み出しステ
    ップと、 該変動要因受付ステップにおいて受け付けられた変動要
    因の計画値と該実車関係読み出しステップにおいて読み
    出された該実車関係とを用いて実車発生速度を算出する
    実車発生速度算出ステップと、を含んでなる実車シミュ
    レーションステップをさらに有するものである、請求項
    14に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記場合分けの要因の少なくとも一部を
    含む要因による場合分けである空車場合分けごとに前記
    空車発生速度の実績値を記憶する空車発生速度記憶ステ
    ップと、 前記車両の需要に影響を与える変動要因の程度を示す変
    動要因の実績値を該空車場合分けごとに記憶する空車変
    動要因実績記憶ステップと、 該空車場合分けごとに、該空車変動要因実績記憶ステッ
    プにおいて記憶された該変動要因の実績値と該空車発生
    速度記憶ステップにおいて記憶された該空車発生速度の
    実績値とから変動要因と空車発生速度との関係である空
    車関係を求める空車関係決定ステップと、 該空車関係決定ステップによって求められた該空車関係
    を該空車場合分けごとに記憶する空車関係記憶ステップ
    と、 立案すべき前記配置計画に対応する該変動要因の計画値
    を受け付ける変動要因受付ステップと、 前記場合分け受付ステップによって受け付けられた前記
    場合分けに対応する、該空車関係記憶ステップにおいて
    記憶された該空車関係を読み出す空車関係読み出しステ
    ップと、 該変動要因受付ステップにおいて受け付けられた変動要
    因の計画値と該空車関係読み出しステップにおいて読み
    出された該空車関係とを用いて空車発生速度を算出する
    空車発生速度算出ステップと、を含んでなる空車シミュ
    レーションステップをさらに有するものである、請求項
    14又は15に記載の方法。
  17. 【請求項17】前記期待額計算ステップによって計算さ
    れた前記期待収入額を前記車両に通知する通知ステップ
    をさらに有するものである、請求項10乃至16のいず
    れかに記載の方法。
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