JP2001151843A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2001151843A
JP2001151843A JP34190099A JP34190099A JP2001151843A JP 2001151843 A JP2001151843 A JP 2001151843A JP 34190099 A JP34190099 A JP 34190099A JP 34190099 A JP34190099 A JP 34190099A JP 2001151843 A JP2001151843 A JP 2001151843A
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compound
glycol
curable composition
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JP34190099A
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English (en)
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Tetsuo Ogawa
哲夫 小川
Yoichi Kunugi
洋一 功刀
Hisashi Isaka
尚志 井坂
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線照射による硬化不足の問題が改善さ
れ、低粘度化、高固形分化が可能で紫外線照射と加熱の
両者によって硬化可能な硬化性組成物を提供する。 【解決手段】 〔A〕(a)オルトギ酸メチル、オルト
ギ酸エチル、オルト酢酸メチル又はオルト酢酸エチルな
どのオルトエステル、(b)α−グリコール及びβ−グ
リコールから選ばれる少なくとも1種のグリコール 化
合物、及び(c)1分子中に少なくとも2個の水酸基を
有する上記(b)以外の水酸基含有化合物を反応させて
なるポリオルトエステル、〔B〕水酸基と反応性を有す
る基を1分子中に少なくとも2個有する硬化剤、〔C〕
重合性不飽和化合物及び〔D〕光ラジカル重合開始剤、
を含有する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
照射及び加熱の両者によって硬化せしめることができ、
かつ低粘度化、高固形分化が可能な硬化性組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】近年、塗膜外観、耐擦り傷
性及び耐溶剤性などの塗膜性能の向上、ならびに塗料の
有機溶剤使用量の削減などの観点から、紫外線照射によ
って硬化する塗料が広く使用されている。しかしなが
ら、紫外線照射によって硬化させる場合には、通常、膜
厚が厚いときや被塗物が曲面部、窪み部などを有してい
る場合には、紫外線が十分に照射されず硬化が不十分と
なることがある。
【0003】一方、従来から常温で又は加熱によって硬
化する塗料として、水酸基含有ポリマーと硬化剤を樹脂
成分とする塗料が広く使用されている。しかしながら、
水酸基含有ポリマーは、水酸基の水素結合力が大きいた
め、粘度が高くなって塗装方法が限定されたり、硬化剤
との相溶性が低下したり、塗料を基材に塗布したときに
極性が高く基材への濡れ性が悪くなる。また、ポリイソ
シアネート化合物やアミノ樹脂などの水酸基と反応性を
有する硬化剤を硬化剤として使用した場合に貯蔵安定性
が悪くなるといった問題がある。さらに、有機溶剤を加
えて塗料粘度を低下させることが考えられるが、塗料の
固形分比率が低下し、塗膜形成時に多量の溶剤が揮散す
るため環境保護の観点から好ましくない。
【0004】紫外線照射によって硬化する塗料中に、水
酸基含有ポリマーと硬化剤とを配合し、紫外線と加熱の
両者によって硬化せしめることにより、その硬化不足を
回避することができるが、一方で水酸基に起因する問題
が発生し易くなる。
【0005】本発明の目的は、上記した紫外線照射によ
る硬化不足の問題を改善し、さらに上記した水酸基に起
因する問題、例えば、硬化性組成物の高粘度化の問題が
なく、高固形分化が可能で、紫外線照射と加熱の両者に
よって硬化可能な硬化性組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、今回、特定のグリ
コール化合物、オルトエステル及び多価の水酸基含有化
合物を反応させてなるポリオルトエステルと、水酸基と
反応性の基を有する硬化剤と、重合性不飽和化合物と、
光ラジカル重合開始剤を組合せることによって上記課題
を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、 〔A〕(a)下記
式(1)
【0008】
【化4】
【0009】式中、R1 は、水素原子又は炭素原子数1
〜4のアルキル基を表し、3個のR2 は同一又は異なっ
て、それぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基を表す、で
示されるオルトエステル、(b)α−グリコール及びβ
−グリコールから選ばれる少なくとも1種のグリコール
化合物、及び(c)1分子中に少なくとも2個の水酸
基を有する上記(b)以外の水酸基含有化合物、を反応
させてなるポリオルトエステル、〔B〕水酸基と反応性
を有する基を1分子中に少なくとも2個有する硬化剤、
〔C〕光重合性不飽和化合物及び〔D〕光ラジカル重合
開始剤を含有することを特徴とする硬化性組成物を提供
するものである。
【0010】以下に、本発明の硬化性組成物について詳
細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の硬化性組成物は、下記ポ
リオルトエステエル〔A〕と硬化剤〔B〕と重合性不飽
和化合物〔C〕と光ラジカル重合開始剤〔D〕を含有す
るものである。
【0012】ポリオルトエステル〔A〕 ポリオルトエステル〔A〕は、下記オルトエステル
(a)とグリコール化合物(b)と水酸基含有化合物
(c)とを反応させてなるものである。オルトエステル(a): オルトエステル(a)は、下記
式(1)
【0013】
【化5】
【0014】式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1〜
4のアルキル基を表し、3個のR 2 は同一又は異なっ
て、それぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基を表す、で
示される化合物である。
【0015】上記式(1)において、R1 又はR2によ
って表わされる炭素原子数1〜4のアルキル基は直鎖状
又は分岐鎖状であり、例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−
ブチル基などを挙げることができる。
【0016】オルトエステル(a)の具体例としては、
例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト
ギ酸プロピル、オルトギ酸ブチル、オルト酢酸メチル、
オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸メチル、オルト
プロピオン酸エチル、オルト酪酸メチル、オルト酪酸エ
チルなどを挙げることができ、なかでもオルトギ酸メチ
ル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸
エチルなどが好適である。これらは、単独で又は2種以
上組合せて使用することができる。
【0017】グリコール化合物(b):(b)成分であ
るグリコール化合物は、1分子中に水酸基を2個有する
α−グリコール及びβ−グリコールから選ばれる少なく
とも1種のグリコール化合物である。
【0018】α−グリコールとしては、なかでも、下記
式(2)
【0019】
【化6】
【0020】式中、R3 、R4 、R5 及びR6 は同一又
は異なって、それぞれ水素原子又は炭素原 子数1〜
24のアルキル基、炭素原子数7〜24のアラルキル基
又はフェニル基、或いはこれらの基の一部が酸素原子で
置換されてなる基を表し、かつR3 、R4 、R5 及びR
6で表される基の炭素原子数の合計は0〜24、好まし
くは0〜10の範囲内にあり、またR4及びR5 はこれ
らが直接結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形
成していてもよい、で示される化合物を好適に使用でき
る。
【0021】上記式(2)において、 R3 、R4 、R5
又はR6によって表わされうる炭素原子数1〜24のア
ルキル基は直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、n−オク
チル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、オクタ
デシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シク
ロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル基などを挙げ
ることができる。
【0022】上記式(2)において、 R3 、R4 、R5
又はR6によって表わされうる炭素原子数7〜24のア
ラルキル基としては、フェニル置換されたアルキル基が
好ましく、具体的には、例えばベンジル、フェネチル基
などを挙げることができる。
【0023】上記式(2)において、 R3 、R4 、R5
又はR6によって表わされうるアルキル基、アラルキル
基又はフェニル基の一部が酸素原子で置換されてなる基
としては、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキ
シメチル、ブトキシメチルなどのアルコキシアルキル
基;アセトキシメチル、アセトキシエチルなどのアルカ
ノイルオキシアルキル基;フェノキシメチル、フェノキ
シエチル基などを挙げることができる。 上記式(2)
における R3 、R4 、R5又はR6は、なかでも、水素
原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基であることが好
ましい。
【0024】かくして、上記α−グリコールの代表例と
しては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3
−ブチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、
1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、ピナコール、長
鎖アルキルモノエポキシドの加水分解物;グリセリンモ
ノアセテート(α体)、グリセリンモノステアレート
(α体)などの脂肪酸モノグリセリド(α体);3−エ
トキシプロパン−1,2−ジオール、3−フェノキシプ
ロパン−1,2−ジオールなどを挙げることができる。
これらのうち、なかでも、エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオールが
好適である。
【0025】他方、β−グリコールとしては、なかで
も、下記式(3)
【0026】
【化7】
【0027】式中、R7 、R8 、R9 、R10、R11及び
12は同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素原
子数1〜24のアルキル基、炭素原子数7〜24のアラ
ルキル基又はフェニル基、或いはこれらの基の一部が酸
素原子で置換されてなる基を表し、かつR7 、R8 、R
9 、R10、R11及びR12で表される基の炭素原子数の合
計は0〜24の範囲内にあり、またR7 及びR9 、又は
R7 、R9 及びR11はこれらが直接結合する炭素原子と
一緒になって環状構造を形成していてもよい、で示され
る化合物を好適に使用することができる。
【0028】上記式(3)において、 R7 、R8 、R9
、R10、R11又はR12によって表わされうる炭素原子
数1〜24のアルキル基としては、前記式(2)におい
てR3 、R4 、R5又はR6によって表わされうるアルキ
ル基として前述したものを同様に挙げることができる。
【0029】上記式(3)において、 R7 、R8 、R9
、R10、R11又はR12によって表わされうる炭素原子
数1〜24のアラルキル基としては、フェニル置換され
たアルキル基が好ましく、具体的には、例えば、ベンジ
ル、フェネチル基などを挙げることができる。
【0030】上記式(3)において、 R7 、R8 、R9
、R10、R11又はR12によって表わされうるアルキル
基、アラルキル基又はフェニル基の一部が酸素原子で置
換されてなる基としては、例えば、メトキシメチル、エ
トキシメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチルなど
のアルコキシアルキル基;アセトキシメチル、アセトキ
シエチルなどのアルカノイルオキシアルキル基;フェノ
キシメチル、フェノキシエチル基などを挙げることがで
きる。上記式(3)において、 R7及びR9 、又は
7、R9及びR11又はR12が、これらが直接結合する炭
素原子と一緒になって形成することができる環状構造と
しては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などを挙
げることができる。上記式(3)における R7 、R
8 、R9 、R1 0、R11又はR12は、なかでも、水素原子
又は炭素原子数1〜6のアルキル基であることが好まし
い。
【0031】かくして、β−グリコールの代表例として
は、例えば、ネオペンチルグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペン
タンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエ
チル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシプロ
パン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニルプ
ロパン−1,3−ジオール、1,3−プロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、ジメチロールプロ
ピオン酸、ジメチロールブタン酸、2−エチル−1,3
−オクタンジオール、1,3−ジヒドロキシシクロヘキ
サン;グリセリンモノアセテート(β体)、グリセリン
モノステアレート(β体)などの脂肪酸モノグリセリド
(β体)などを挙げることができる。これらのうち、な
かでも、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3
−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジ
オール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エ
チル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオールが好適である。
【0032】(c)水酸基含有化合物:(c)成分であ
る水酸基含有化合物は、1分子中に2個以上の水酸基を
有する上記グリコール化合物(b)以外の化合物であ
る。
【0033】水酸基含有化合物(c)としては、α−グ
リコール及びβ−グリコール以外の2個の水酸基を有す
る化合物又は1分子中に3個以上の水酸基を有する化合
物を挙げることができる。
【0034】α−グリコール及びβ−グリコール以外の
2個の水酸基を有する化合物としては、例えば、1,4
−ブタンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサ
ン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキ
サン、トリシクロデカンジメタノール、2,2−ジメチ
ル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−
ヒドロキシプロピオネート[このものはヒドロキシピバ
リン酸とネオペンチルグリコールとのエステルに相当す
る]、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(4
−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(4
−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス(1,1
−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラ以上
のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、テトラ以上のポリプロピレ
ングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドとを共重合してなる両末端に水酸基を有する共重合
体、ポリカプロラクトンジオールなどの両末端に水酸基
を有する直鎖状ポリエステル、ポリカーボネートジオー
ル、ジエポオキシドのカルボン酸付加物などを挙げるこ
とができる。
【0035】また、上記3個以上の水酸基を有する化合
物としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリ
グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、ソルビトール、マンニット、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロ
パン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、グルコン酸、3個以上の水酸基を含有するポリマー
(3個以上の水酸基を含有するポリエステル、ポリエー
テル、アクリルポリマー、ケトン樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニルのケ
ン化物であるポリビニルアルコール、グルコースなどの
天然糖類等)などを挙げることができる。
【0036】水酸基含有化合物(c)としては、分子量
が90〜100,000、特に90〜5,000の範囲
内にあり、水酸基価が20〜1850mgKOH/g、
特に40〜1650mgKOH/gの範囲内にあるもの
を好適に使用することができる。
【0037】ポリオルトエステルの製造:本発明組成物
における〔A〕成分であるポリオルトエステルを製造す
るにあたり、オルトエステル(a)とグリコール化合物
(b)と水酸基含有化合物(c)との配合比率は、特に
限定されるものではないが、水酸基含有化合物(c)中
の水酸基1当量に対して、オルトエステル(a)の量が
0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モル、さ
らに好ましくは0.1〜2モルの範囲内にあり、かつグ
リコール化合物(B)の量が0.01〜10モル、好ま
しくは0.05〜5モル、さらに好ましくは0.1〜2
モルの範囲内にある割合で用いることが、分子量制御の
し易さなどの面から適当である。
【0038】ポリオルトエステル〔A〕は、上記
(a)、(b)及び(c)の3成分を縮合反応させるこ
とによって得ることができる。例えば、上記3成分を必
要に応じて、有機溶剤及び酸触媒の存在下で、通常、室
温〜250℃、好ましくは70〜200℃の範囲内の温
度で1〜20時間程度加熱し縮合反応させることによっ
て好適に製造することができる。
【0039】本発明において、オルトエステル(a)の
アルコキシ基は、グリコール化合物(b)及び水酸基含
有化合物(c)のアルコール部分と交換反応を起こす。
その際、オルトエステル(a)は、通常、近接した水酸
基を有するグリコール化合物(b)であるα−グリコー
ル又はβ−グリコールと優先的に反応して環状構造を形
成する。すなわち、グリコール化合物(b)は、3官能
であるオルトエステル(a)の2個の官能基(アルコキ
シル基)と優先的に反応して環化する。オルトエステル
(a)の残りの1個のアルコキシ基は水酸基含有化合物
(c)と反応することができる。かくして、ポリオルト
エステル〔A〕は、その製造に際して分子間の橋架けを
伴わないため、分子量や粘度が抑制されたものであるこ
とができる。他方、グリコール化合物(b)を存在させ
ずに、オルトエステル(a)と水酸基含有化合物(c)
とを直接反応させると、分子間の架橋反応が起こり、生
成物の分子量や粘度がどんどん増大する。本発明組成物
におけるポリオルトエステル〔A〕は、オルトエステル
(a)と水酸基含有化合物(c)に、さらにグリコール
化合物(b)を加えて反応させることにより、分子量や
粘度の増大を抑制したものである。
【0040】上記の如くして製造されるポリオルトエス
テル〔A〕は、例えば、前記式(1)のオルトエステル
と、前記式(2)のα−グリコール及び1分子中に2個
の水酸基を有する化合物を原料として用いた場合、下記
式(4)
【0041】
【化8】
【0042】式中、 Y1は1分子中に2個の水酸基を有
する化合物から該2個の水酸基を除いた残基を表し、R
1、R3、R4、R5及びR6は前記定義のとおりである、
で示される構造を有することができ、また、前記式
(1)のオルトエステルと、前記式(3)のβ−グリコ
ール及び1分子中に4個の水酸基を有する化合物を原料
として用いた場合、下記式(5)
【0043】
【化9】
【0044】式中、Y2は1分子中に4個の水酸基を有
する化合物から該4個の水酸基を除いた残基を表し、R
1、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は前記定義のと
おりである、で示される構造を有することができる。
【0045】硬化剤〔B〕 本発明組成物における〔B〕成分である硬化剤は、水酸
基と反応性を有する基を1分子中に少なくとも2個有す
るものであって、前記ポリオルトエステル〔A〕のオル
トエステル基が加水分解して生成する水酸基と反応して
硬化しうるものである。
【0046】硬化剤〔B〕の代表例としては、例えば、
ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂、エポキシ基含
有化合物、アルコキシシリル基含有化合物、2個以上の
カルボン酸無水基を有する化合物などを挙げることがで
きる。
【0047】上記ポリイソシアネート化合物は、イソシ
アナト基(NCO基)がブロック化されていないもの
(以下、「非ブロック化ポリイソシアネート化合物」と
略称することがある)、及びイソシアナト基がブロック
化されたもの(以下、「ブロック化ポリイソシアネート
化合物」と略称することがある)のいずれをも包含す
る。
【0048】非ブロック化ポリイソシアネート化合物と
しては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシア
ネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシ
リレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)−
ジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチ
ル)シクロヘキサンなどの脂環式ジイソシアネート類;
トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ−
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジ
イソシアネート類;リジントリイソシアネ−トなどの3
価以上のポリイソシアネートなどの如き有機ポリイソシ
アネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシアネ
ートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もし
くは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイ
ソシアネート同志の環化重合体(例えば、イソシアヌレ
ート)、ビウレット型付加物;イソシアナトエチル(メ
タ)アクリレートや m−イソプロペニル−α,α−ジ
メチルベンジルイソシアネートなどのイソシアナト基含
有エチレン性不飽和化合物とその他のエチレン性不飽和
化合物との共重合体などが挙げられる。
【0049】ブロック化ポリイソシアネート化合物は、
上記の非ブロック化ポリイソシアネート化合物のイソシ
アナト基をブロック化剤でブロック化してなるものであ
り、その際に用いられるブロック化剤としては、例え
ば、フェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェ
ノール系;ε−カプロラクタム;δ−バレロラクタム、
γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどラクタ
ム系;メタノール、エタノール、n−又はi−プロピル
アルコール、n−,i−又はt−ブチルアルコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコー
ルなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトア
ルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、
ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シ
クロヘキサンオキシムなどオキシム系;マロン酸ジメチ
ル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸
メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系などの
ブロック化剤を好適に使用することができる。非ブロッ
ク化ポリイソシアネートとブロック化剤とを混合するこ
とによって容易にポリイソシアネートのイソシアナト基
をブロック化することができる。
【0050】これらのポリイソシアネート化合物は単独
で又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0051】硬化剤〔B〕として使用可能なアミノ樹脂
としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミ
ン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログア
ナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒド
との反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙
げられる。アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデ
ヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベン
ズアルデヒド等が挙げられる。また、このメチロール化
アミノ樹脂を1種又は2種以上のアルコールによってエ
ーテル化したものも上記アミノ樹脂に包含される。この
エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、
2−エチルヘキサノール等の1価アルコールが挙げられ
る。これらのうち、なかでもメチロール化メラミン樹脂
のメチロール基の少なくとも一部を炭素原子数1〜4 の
1価アルコールでエーテル化してなるメラミン樹脂が好
適である。
【0052】上記メラミン樹脂の具体例としては、例え
ば、サイメル300、同303、同325、同327、
同350、同730、同736、同738[以上、いず
れも三井サイテック(株)製]、メラン522、同52
3[以上、いずれも日立化成(株)製]、ニカラックM
S001、同MX430、同MX650[以上、いずれ
も三和ケミカル(株)製]、スミマールM−55、同M
−100、同M−40S[以上、いずれも住友化学
(株)製]、レジミン740、同747[以上、いずれ
もモンサント社製]などのメチルエーテル化メラミン樹
脂;ユーバン20SE、同225[以上、いずれも三井
東圧(株)製]、スーパーベッカミンJ820−60、
同L−117−60、同L−109−65、同47−5
08−60、同L−118−60、同G821−60
[以上、いずれも大日本インキ化学工業(株)製]など
のブチルエーテル化メラミン樹脂;サイメル232、同
266、同XV−514、同1130[以上、いずれも
三井サイテック(株)製]、ニカラックMX500、同
MX600、同MS35、同MS95[以上、いずれも
三和ケミカル(株)製]、レジミン753、同755
[以上、いずれもモンサント社製]、スミマールM−6
6B[住友化学(株)製]などのメチルエーテルとブチ
ルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂などを挙げ
ることができる。これらのメラミン樹脂は単独で又は2
種以上組合せて使用することができる。
【0053】硬化剤〔B〕として使用可能なエポキシ基
含有化合物は、1分子中にエポキシ基を2個以上有する
化合物であり、その代表例としては、エチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジ
グリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル、2,6−ジグリシジルフェニルエーテル、ソルビト
ールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシア
ヌレート、ジグリシジルアミン、ジグリシジルベンジル
アミン、フタル酸ジグリシジルエステル、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル、ブタジエンジオキサイド、
ジシクロペンタジエンジオキサイド、3,4−エポキシ
シクロヘキセンカルボン酸とエチレングリコールとのジ
エステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキ
シレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、ジシクロペンタジエンオールエポキシ
ドグリシジルエーテル、ジペンテンジオキサイド、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂とエチレンオキサイドとの
付加物、エポリードGT300(ダイセル化学工業
(株)製、3官能脂環式エポキシ化合物)、エポリード
GT400(ダイセル化学工業(株)製、4官能脂環式
エポキシ化合物);エポリードGT301、同GT30
2、同GT303(以上、いずれもダイセル化学工業
(株)製、開環ε−カプロラクトン鎖含有3官能脂環式
エポキシ化合物);エポリードGT401、同GT40
2、同GT403(以上、いずれもダイセル化学工業
(株)製、開環ε−カプロラクトン鎖含有4官能脂環式
エポキシ化合物);エピコート828、同834、同1
001、(以上、いずれも油化シェルエポキシ(株)
製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂);エピコート1
54(油化シェルエポキシ(株)製、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂)、下記式(6)で表されるセロキ
サイド2081、同2082、同2083(以上、いず
れもダイセル化学工業(株)製、下記式(6)におい
て、n=1のものがセロキサイド2081、n=2のも
のがセロキサイド2082、n=3のものがセロキサイ
ド2083);下記式(7)で表されるデナコールEX
−411(ナガセ化成(株)製)などを挙げることがで
きる。
【0054】
【化10】
【0055】式(6)において、nは1〜3の整数を表
す、また、上記エポキシ基含有化合物としては、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)ア
クリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和モノマー
とその他の重合性不飽和モノマーとの共重合ポリマーも
挙げることができる。上記その他の重合性不飽和モノマ
ーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アク
リレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブ
チル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリ
レート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト等のC1 24アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸又
はメタクリル酸とのモノエステル化物;上記多価アルコ
ールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化
物にε-カプロラクトンを開環重合した化合物;ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイル
オキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−
(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシブチルフェニルジ
メトキシシランなどのアルコキシシリル基含有重合性不
飽和化合物;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルス
チレンなどのビニル芳香族化合物;アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、トリシクロデカニル(メタ)アク
リレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、酢酸ビ
ニル、ベオバモノマー(シェル化学社製)などが挙げら
れる。
【0056】上記エポキシ基含有化合物は単独で又は2
種以上を組合せて使用することができる。上記エポキシ
基含有化合物のエポキシ基の含有量は特に限定されるも
のではないが、通常、エポキシ当量が100〜3,00
0、好ましくは100〜1,500の範囲内にあること
が適当である。
【0057】硬化剤〔B〕として使用可能なアルコキシ
シリル基含有化合物は、1分子中にアルコキシシリル基
を2個以上含有する化合物であり、例えば、ジメトキシ
ジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジメトキ
シジフェニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、トリ
メトキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、ト
リメトキシプロピルシラン、トリメトキシフェニルシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシランなど
の重合性不飽和基を有さないアルコキシラン;ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
メチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−
(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルオキシブチルフェニルジ
メトキシシランなどの重合性不飽和基含有アルコキシシ
ラン;上記重合性不飽和基を有さないアルコキシラン及
び/又は重合性不飽和基含有アルコキシシランの部分縮
合物;上記重合性不飽和基含有アルコキシシランと該ア
ルコキシシランと共重合可能な重合性不飽和モノマーと
の共重合体などを挙げることができる。
【0058】上記共重合体のモノマー成分である、アル
コキシシランと共重合可能な重合性不飽和モノマーとし
ては、前記エポキシ基含有化合物が共重合ポリマーであ
る場合の、エポキシ基含有重合性不飽和モノマーと共重
合する「その他の重合性不飽和モノマー」として使用で
きるアルコキシシリル基含有重合性不飽和化合物以外の
モノマーを挙げることができる。
【0059】硬化剤〔B〕として使用可能な2個以上の
カルボン酸無水基を有する化合物(以下、「ポリ酸無水
物」と略称することがある)としては、例えば、無水ピ
ロメリット酸、エチレングリコール1モルと無水トリメ
リット酸2モルとの縮合物[エチレンビス(アンヒドロ
トリメリテート)]、グリセリン1モルと無水トリメリ
ット酸3モルとの縮合物[グリセリントリス(アンヒド
ロトリメリテート)]など;コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、
エチル−オクタデカン二酸、フェニル−ヘキサデカン二
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの多塩基
酸が分子間縮合した直鎖状又は環状ポリ酸無水物;無水
マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水物などの重合性
不飽和酸無水物を一単量体成分とするポリマーを挙げる
ことができる。該ポリマーを形成することができる重合
性不飽和酸無水物以外の単量体としては、例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレート等のC1 24アルキル
(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸などの重合性不飽和モノカルボン酸;スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどのビニル
芳香族化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、ベオバモノ
マー(シェル化学社製)が挙げられる。
【0060】上記ポリ酸無水物の酸無水基の含有量は特
に限定されるものではないが、通常、酸無水基に基づく
全酸価が50〜1,100mgKOH/g、好ましくは
80〜800mgKOH/gの範囲内にあることが好適
である。
【0061】上記各硬化剤〔B〕は、それぞれ単独で又
は2種以上を組合わせて使用することができる。
【0062】光重合性不飽和化合物〔C〕 本発明の〔C〕成分である光重合性不飽和化合物は、紫
外線などの光照射によりラジカル重合可能な重合性不飽
和基を有するものであり、代表例として、ラジカル重合
性ポリマー、ラジカル重合性ビニルモノマーなどを挙げ
ることができる。また、エチレン性不飽和基含有微粒
子、例えば、非水分散重合やエマルション重合などの重
合法によって得られた有機樹脂微粒子にエチレン性不飽
和基を導入してなる有機樹脂微粒子、コロイダルシリカ
の表面にエチレン性不飽和基を導入してなる微粒子も光
重合性不飽和化合物として使用することができる。
【0063】光重合性不飽和化合物〔C〕は、80〜1
00,000、特に90〜10,000の範囲内の分子
量及び0.1〜12モル/kg、特に0.5〜10モル
/kgの範囲内の重合性不飽和基含有量を有するもので
あることが好適である。
【0064】上記ラジカル重合性ポリマーとしては、エ
チレン性不飽和基含有ポリマーが包含され、具体的に
は、例えば、ポリエステルに(メタ)アクリル酸を縮合
させたエチレン性不飽和基含有ポリエステルポリマー、
エチレン性不飽和基含有ポリウレタン、エチレン性不飽
和基含有エポキシポリマー、エチレン性不飽和基とリン
酸エステル基を含有するエポキシポリマー、エチレン性
不飽和基含有アクリルポリマー、エチレン性不飽和基含
有シリコンポリマー、エチレン性不飽和基含有メラミン
−ホルムアルデヒド縮合物などが挙げられる。
【0065】前記ラジカル重合性ビニルモノマーとして
は、ラジカル重合性不飽和モノマーのみではなく、ラジ
カル重合性不飽和オリゴマーも包含され、具体的には次
に例示するものを挙げることができる。
【0066】ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸
ブチル(n−,i−,t−)、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル
(n−,i−,t−)、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル又はシクロア
ルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリ
ル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、
メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタク
リル酸のアルコキシアルキルエステルなどのアクリル酸
またはメタクリル酸と炭素原子数1〜28個の1価アル
コールとのエステル化物:スチレン、ビニルトルエン、
メチルスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンな
どのビニル芳香族化合物;アクリル酸、メタクリル酸な
どのカルボキシル基含有モノマー;2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどの水酸基含有モノマ
ー;ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネートな
どのポリイソシアネートと上記水酸基含有モノマーとの
付加物、リン酸と上記水酸基含有モノマーとの付加物;
ビニルピロリドン、ビニルピリジンなどの含窒素複素環
を有する不飽和モノマー;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビ
ニルイソブチルエーテル、メチルビニルエーテル、アク
リロニトリル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなど
のその他のビニル化合物などが挙げられる。
【0067】またラジカル重合性不飽和オリゴマーとし
ては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、グリセリンジ(メタ)
アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソシア
ヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)アクリ
レート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタ
ンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒド
ロキシメチル)エタントリ(メタ)アクリレートなどの
ジ−、トリ−もしくはテトラ−ビニル化合物などのポリ
ビニル化合物;エチレングリコール、グリセリン、ブチ
レングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオールなどの多価アルコールとエチレンオキシドま
たはプロピレンオキシドとの付加物に、アクリル酸およ
び/又はメタクリル酸を反応せしめた生成物;上記多価
アルコールとε−カプロラクトンとの付加物に、アクリ
ル酸および/又はメタクリル酸を反応せしめた生成物;
含リン重合性不飽和オリゴマーなどが挙げられる。
【0068】上記エチレン性不飽和基含有ポリマー、ラ
ジカル重合性不飽和モノマー及びラジカル重合性不飽和
オリゴマーはそれぞれ単独で又は2種以上組合せて使用
できる。
【0069】光ラジカル重合開始剤〔D〕 光ラジカル重合開始剤〔D〕としては、紫外線照射によ
って励起されてラジカルを発生して、重合性不飽和化合
物〔C〕の硬化を開始させるものである。
【0070】上記光ラジカル重合開始剤としては、例え
ばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、2−メチルベンゾイン、ベンジル、ベ
ンジルジメチルケタ−ル、ジフェニルスルフィド、テト
ラメチルチウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオ
シン、チオニン、ミヒラーケトン、アントラセン、アン
トラキノン、クロルアントラキノン、メチルアントラキ
ノン、アセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェ
ノン、p−イソプロピル−α−ヒロドキシイソブチルフ
ェノン、α・α′−ジクロル−4−フェノキシアセトフ
ェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフ
ェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェ
ノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
メチルベンゾイルフォルメイト、2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパ
ノン−1、チオキサントン、ベンゾフェノン、2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキ
サイドなどを挙げることができる。これらの光ラジカル
重合開始剤は、それぞれ単独で又は2種以上を組合せて
使用できる。
【0071】本発明の硬化性組成物 本発明の硬化性組成物は、以上に述べたポリオルトエス
テル〔A〕、硬化剤〔B〕、光重合性不飽和化合物
〔C〕及び光ラジカル重合開始剤〔D〕を必須成分とし
て含有する。上記〔A〕、〔B〕、〔C〕及び〔D〕成
分の配合割合は特に限定されるものではないが、通常、
〔A〕、〔B〕及び〔C〕成分の合計量100重量部に
基いて、下記の範囲内にあることが適当である。 〔A〕成分:5〜95重量部、好ましくは20〜80重
量部、 〔B〕成分:5〜95重量部、好ましくは20〜80重
量部、 〔C〕成分:0.1〜90重量部、好ましくは0.5〜
60重量部、 〔D〕成分:0.01〜30重量部、好ましくは0.0
5〜5重量部。
【0072】本発明の硬化性組成物は、必須成分である
〔A〕、〔B〕、〔C〕及び〔D〕成分以外に、さらに
必要に応じて、水酸基含有ポリマー、酸触媒、光増感促
進剤、有機溶剤、硬化触媒、顔料、流動性調整剤(有機
樹脂微粒子も包含する)、塗面調整剤、酸化防止剤、ワ
ックス等を適宜含有することができる。
【0073】上記水酸基含有ポリマーは、分子中に水酸
基を有し、硬化剤〔B〕と反応して硬化できるものであ
り、例えば、水酸基価が3〜500mgKOH/g、好
ましくは20〜300mgKOH/g の範囲内にあ
り、数平均分子量が500〜50,000、好ましくは
1,000〜30,000の範囲内にあるポリマーを挙
げることができる。水酸基含有ポリマーの樹脂種として
は、代表例としてアクリル樹脂、ポリエステル樹脂(ア
ルキド樹脂も包含する)、シリコンポリエステル樹脂、
シリコンアクリル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂など
を挙げることができる。これらのうち、なかでもアクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂を好適に使用することができ
る。上記水酸基含有ポリマーを配合する場合、その配合
量は、通常、〔A〕、〔B〕及び〔C〕成分の合計量1
00重量部に基いて、100重量部以下の範囲であるこ
とが好適である。本発明組成物中に必要に応じて含有で
きる上記酸触媒は、〔A〕成分中のオルトエステル基を
脱ブロック化して水酸基を再生する反応を促進するため
の触媒であり、特に制限されるものではなく、例えば、
塩酸、硫酸、硝酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンジスルホン酸などのスルホン酸化合物;上記スルホ
ン酸化合物のアミンなどの塩基による中和物;上記スル
ホン酸化合物と、n−プロパノール、 n−ブタノー
ル、 n−ヘキサノール、n−オクタノール、イソプロ
パノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オ
クタノール、シクロヘキサノールなどの第1級又は第2
級アルコール類とのエステル化物;上記スルホン酸化合
物と、酢酸グリシジル、ブチルグリシジルエーテルなど
のオキシラン基含有化合物との反応によって得られるβ
−ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類;蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、オク
タン酸などのカルボン酸;リン酸モノブチル、リン酸ジ
ブチル、リン酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプロピ
ル、リン酸モノオクチル、リン酸ジオクチル、リン酸モ
ノデシル、リン酸ジデシル、メタリン酸、オルトリン
酸、ピロリン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸ト
リブトキシエチル、トリス・クロロエチルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ートなどの有機リン酸系化合物;サイラキュアUVI−
6970、同UVI−6974、同UVI−6990
(以上、いずれも米国ユニオンカーバイド社製)、イルガ
キュア261、同264(以上、いずれもチバ・スペシ
ャリティ・ケミカルズ社製)、CIT−1682(日本
曹達(株)製)、BBI−102(みどり化学社製)、ア
デカオプトマーSP−150、同SP−170(以上、
いずれも旭電化社製)などの紫外線の照射によって酸を
発生する光潜在性酸発生剤;ルイス酸などを挙げること
ができる。これらの酸触媒は、それぞれ単独で又は2種
以上を組合せて合せて使用でき、配合する場合には、そ
の配合量は、本発明組成物における前記〔A〕、〔B〕
及び〔C〕成分の合計量100重量部に基いて、10重
量部以下、好ましくは0.1〜5重量部の範囲内にある
ことが好ましい。
【0074】本発明組成物中に必要に応じて含有される
上記光増感促進剤は、前記光ラジカル重合開始剤による
光重合反応を促進させるものである。該光増感促進剤と
しては、例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミ
ン、ジメチルアミノエタノール等の3級アミン系;トリ
フェニルホスフィン等のアルキルホスフィン系;β−チ
オジグリコール等のチオエーテル系の光増感促進剤が挙
げられる。これらの光増感促進剤は、それぞれ単独で又
は2種以上を組合せて合せて使用でき、配合する場合に
は、その配合量は、本発明組成物における前記〔A〕、
〔B〕及び〔C〕成分の合計量100重量部に基いて、
0.1〜10重量部の範囲内にあることが好ましい。
【0075】本発明組成物は、通常、無溶剤又は有機溶
剤型の組成物とされ、有機溶剤型の組成物とする場合の
有機溶剤としては、本発明組成物の各成分を溶解又は分
散できるものが使用でき、例えば、ヘプタン、トルエ
ン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化
水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブ
チル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタ
ノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;n−ブ
チルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル
等のエーテル系;スワゾール310、スワゾール100
0、スワゾール1500(以上、いずれもコスモ石油社
製)、SHELLSOL A(シェルゾールA、シェル
化学社製)等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができ
る。これらの有機溶剤は1種で又は2種以上を組合せて
使用することができる。
【0076】本発明組成物中に必要に応じて配合される
硬化触媒は、本発明組成物の硬化反応を促進するもので
あり、その配合量は、本発明組成物における前記
〔A〕、〔B〕及び〔C〕成分の合計量100重量部に
基いて、通常、5重量部以下の範囲内で使用することが
適している。硬化触媒の種類は、硬化剤〔B〕の種類に
応じて選択して使用することができる。
【0077】硬化剤〔B〕がブロック化ポリイソシアネ
ート化合物である場合には、硬化剤であるブロック化ポ
リイソシアネート化合物のブロック剤の解離を促進する
硬化触媒が好適であり、好適な硬化触媒として、例え
ば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノ
エート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエー
ト)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイ
ド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを
挙げることができる。
【0078】硬化剤〔B〕がメラミン樹脂などのアミノ
樹脂である場合、特に低分子量の、メチルエーテル化ま
たはメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル
化メラミン樹脂である場合には、硬化触媒として、りん
酸、スルホン酸化合物又はスルホン酸化合物のアミン中
和物が好適に用いられる。スルホン酸化合物の代表例と
しては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンス
ルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナ
フタレンジスルホン酸などを挙げることができる。スル
ホン酸化合物のアミン中和物におけるアミンとしては、
1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれであって
もよい。
【0079】硬化剤〔B〕がエポキシ基含有化合物であ
る場合の硬化触媒としては、例えば、テトラキス(アセ
チルアセトナト)ジルコニウム、コバルトアセチルアセ
トナト、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、
マンガンアセチルアセトナトなどのキレート化合物;β
−ヒドロキシアミノ構造を有する化合物と酸化鉛(II)
のキレート化反応物;2−エチルヘキサン酸鉛、セカノ
イック鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛、酢酸鉛、乳酸
鉛、オクチル酸ジルコニウムなどの金属カルボキシレー
ト;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−イソ
プロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール化合物な
どが挙げられる。
【0080】硬化剤〔B〕がアルコキシシリル基含有化
合物である場合の硬化触媒としては、例えば、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ジノニ
ルナフタレンスルホン酸、トリフルオロスルホン酸など
の有機スルホン酸化合物;これらの有機スルホン酸化合
物のアミン中和物;リン酸モノブチル、リン酸ジブチ
ル、リン酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプロピル、
リン酸モノオクチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノデ
シル、リン酸ジデシル、メタリン酸、オルトリン酸、ピ
ロリン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン
酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリブトキ
シエチル、トリス・クロロエチルホスフェート、トリフ
ェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどの
リン酸系化合物などを挙げることができる。
【0081】硬化剤〔B〕がポリ酸無水物である場合の
硬化触媒としては、例えば、テトラエチルアンモニウム
ブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テ
トラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアン
モニウムフルオライド、テトラブチルホスフォニウムブ
ロマイド、トリフェニルベンジルホスフォニウムクロラ
イド、n−ドデシルトリブチルアンモニウムブロマイド
などの4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチルアミ
ンなどのアミン類などを挙げることができる。本発明組
成物に必要に応じて配合される顔料としては、例えば、
チタン白、カーボンブラック、ベンガラ、チタン黄など
の無機着色顔料;キナクリドンレッド、アゾレッド、フ
タロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、有機黄
色顔料などの有機着色顔料;アルミニウム粉、光輝性マ
イカ粉、光輝性グラファイトなどの光輝性顔料などの着
色顔料;シリカ粉末、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
マイカ、クレー、タルクなどの体質顔料;カルシウムイ
オン交換シリカ、リン酸塩系防錆顔料、クロム酸塩系顔
料などの防錆顔料などを挙げることができる。顔料の配
合量は、本発明組成物における光照射による光ラジカル
反応に基く硬化反応を阻害しない範囲内で使用すること
ができる。顔料の配合量は、〔A〕、〔B〕及び〔C〕
成分の合計量100重量部に基いて、通常、200重量
部以下、特に100重量部以下の範囲内であることが適
している。
【0082】流動性調整剤としては、塗料分野におい
て、それ自体既知の流動性調整剤を使用することがで
き、例えば、シリカ系微粉末、ベントナイト系調整剤、
ポリアミド系調整剤、ジウレア系調整剤、水系乳化重合
又は非水分散重合により製造した有機樹脂微粒子等を挙
げることができる。上記有機樹脂微粒子は各樹脂微粒子
が架橋されていてもよい。
【0083】本発明の硬化性組成物は、塗料組成物、接
着剤、インキなどの用途、なかでも、塗料組成物として
好適に使用することができる。
【0084】硬化塗膜の形成方法 本発明の硬化性組成物を使用して硬化塗膜を形成する方
法について以下に説明する。
【0085】本発明の硬化性組成物を塗装して塗膜形成
できる被塗物としては、例えば、鉄、亜鉛、アルミニウ
ム、銅、ティンフリースチール、ブリキ、亜鉛メッキ鋼
板、亜鉛と他の金属との合金メッキ鋼板などの金属板;
これらの金属にリン酸塩処理やクロメート処理を施した
化成処理金属板;これらの金属板や化成処理金属板に、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹
脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルな
どの樹脂フィルムが積層されてなる樹脂フィルム積層金
属板;これらの金属板、化成処理金属板又は樹脂フィル
ム積層金属板を加工してなる自動車車体、缶などの成型
物;木材、プラスチックス、コンクリート;これらの各
種基材の表面に塗膜が形成されてなる塗装基材などを挙
げることができる。
【0086】本発明組成物は、例えば、ロールコート塗
装、スプレー塗装、ハケ塗り、バーコート塗装、ローラ
ー塗り、シルクスクリーン印刷などの方法によって塗装
することができる。
【0087】本発明組成物を塗装する場合の乾燥塗膜厚
は、良好な塗膜外観、硬化性などが得られる範囲内にお
いて適宜選択すればよいが、通常、乾燥塗膜厚として約
2〜80μmとなる範囲であり、缶の塗装に用いる場合
には、通常、約2〜20μm、自動車車体の塗装に用い
る場合には、通常、約20〜80μmの範囲内が好まし
い。
【0088】本発明組成物は、紫外線照射と加熱の両者
によって硬化させることができる。紫外線と加熱による
硬化は同時に行ってもよいし、また逐次に行ってもよ
く、その際の順序は特に制限されるものではないが、本
発明発明組成物を塗布後、塗膜が溶剤を含有する場合
は、エアブロー、加熱などにより溶剤を除去した後、紫
外線照射し、必要に応じて加熱することによって硬化さ
せることができる。また、塗膜が溶剤を含有しない場合
は、溶剤の除去工程を省略できる。また、紫外線照射の
際に紫外線による加熱が十分に行われる場合には、別途
の加熱を省略することができる。また、スプレー塗装な
どによって本発明組成物を噴霧塗装する場合には、飛行
中の塗料粒子、塗着直後の塗膜に紫外線を照射して塗着
した塗膜の粘度を上げて塗膜のタレを防止することもで
きる。
【0089】紫外線の照射条件は、塗布された硬化性組
成物の種類や膜厚に応じて適宜選択すればよいが、照射
する紫外線の波長としては、通常、200〜450nm
の範囲内が適当であり、感度の高い波長を有する照射源
を適宜選択して使用することができる。
【0090】紫外線の照射源としては、高圧水銀ラン
プ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアー
ク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることが
でき、被膜への照射条件は、通常、線量が1〜1000
mj/cm2、特に50〜500mj/cm2となる範囲
が適している。
【0091】本発明の硬化性組成物を硬化させるための
加熱条件は、硬化剤〔B〕の種類などに応じて変えるこ
とができ、特に限定されるものではないが、通常、5分
間以上の加熱時間の場合には、通常、60〜180℃が
好適であり、5分間未満の硬化時間の場合には、通常、
60〜300℃が適当である。
【0092】本発明の硬化性組成物を塗料として使用す
る場合、プライマー塗料、中塗塗料、上塗着色塗料、上
塗クリヤ塗料のいずれにも使用可能であるが、なかでも
上塗クリヤ塗料として使用することが好適である。
【0093】本発明の硬化性組成物を上塗クリヤ塗料と
して使用する場合、上塗塗膜を形成する素材に、通常、
着色ベースコート、又はインキ層を形成し、その上に上
塗クリヤ塗料を形成する。上記上塗クリヤ塗料は、通
常、着色顔料を含有しないものであるが、必要に応じ
て、着色ベースコートが隠蔽されてしまわない程度で着
色顔料を配合することができる。
【0094】上記上塗塗膜を形成する素材としては、金
属板、例えば、化成処理した鋼板(メッキ鋼板も包含す
る)にプライマーを例えば、電着塗装、ロールコート塗
装又はスプレー塗装などにより形成し、必要に応じて中
塗り塗料を塗装した素材、各種プラスチック素材(必要
に応じて表面処理、プライマー塗装、中塗り塗装等を行
なったもの)、ポリエステルフィルムをラミネートした
金属板、これらのものが組み合わさった複合部材等が挙
げられる。
【0095】自動車車体に上塗塗膜を形成するには、自
動車工業分野で公知の上塗塗装系、素材に、例えば、着
色ベースコート/クリヤトップコートを2コート1ベー
ク方式又は2コート2ベーク方式等で形成する方法;着
色ベースコート/クリヤトップコート/クリヤトップコ
ートを3コート1ベーク方式又は3コート2ベーク方式
等で形成する方法等が適用できる。本発明の硬化性組成
物を上記2コート1ベーク方式におけるクリヤトップコ
ートとして用いる場合、前記素材上に、着色ベースコー
ト用塗料をスプレー塗装などの常法で塗装する。
【0096】着色ベースコート用塗料としては、着色顔
料を配合した前記本発明の硬化性組成物を使用してもよ
いし、従来から上塗塗膜形成に使用されている、それ自
体既知の着色ベースコート用塗料を使用してもよい。そ
れ自体既知の着色ベースコート用塗料としては、例え
ば、アクリル樹脂/アミノ樹脂(メラミン樹脂など、以
下同じ)系、アルキド樹脂/アミノ樹脂系、ポリエステ
ル樹脂アミノ樹脂系、アクリル樹脂/ポリイソシアネー
ト系、アルキド樹脂/ポリイソシアネート系、ポリエス
テル樹脂/ポリイソシアネート系などを硬化樹脂成分と
し、このものに前記着色顔料を配合してなる塗料が挙げ
られる。これらのそれ自体既知の着色ベースコート用塗
料の形態は、特に制限されず、有機溶剤、非水分散液
型、水溶液型、水分散液型、高固形分型、粉体型などの
任意の形態のものが使用できる。
【0097】着色ベースコート用塗料をスプレー塗装す
る場合に用いる塗装機としては、通常のエアスプレーガ
ン、エアレススプレーガン、エアスプレー方式静電塗装
機、エアレススプレー方式静電塗装機、回転霧化式静電
塗装機などを用いることができる。着色ベースコート用
塗料の膜厚は約10〜30μm(硬化後)の範囲が好ま
しい。着色ベースコート用塗料を塗装した後、数分間室
温に放置するか、約50〜80℃の範囲の温度で数分間
強制乾燥するかした後、本発明の硬化性組成物であるク
リヤトップコート用塗料を塗装する。
【0098】クリヤトップコート用塗料の塗装方法及び
塗装機としては、着色ベースコート用塗料の場合と同様
のものを使用することができる。クリヤトップコート用
塗料の膜厚は約20〜80μm(硬化後)の範囲が好ま
しい。
【0099】ついで、着色ベースコート塗装塗膜とクリ
ヤトップコート塗装塗膜の両者を加熱し、ついで紫外線
照射を行うことにより硬化させる。この場合の加熱条件
は、通常、約100〜180℃の温度で10〜60分間
程度が好適である。紫外線の照射条件は、前記した照射
条件の範囲内にあることが好適である。
【0100】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。以下において、「部」及び
「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味す
る。
【0101】ポリエステル溶液の合成 合成例1 撹拌機、冷却器、温度制御装置、水分離器、精留塔、窒
素導入管及び溶剤回収装置を備えた反応装置に、1,6
−ヘキサンジオール161部、1,4−ジメチロールシ
クロヘキサン351部、トリメチロールプロパン146
部、、アジピン酸114部、ヘキサヒドロ無水フタル酸
300部及びイソフタル酸243部を仕込み、反応容器
内の窒素置換を行った後、昇温を始め170℃から23
0℃へ3時間かけて縮合水を除きながら一定速度で昇温
し、ついで230℃に1時間保持した。その後、キシレ
ン50部を添加し、230℃に保持したまま水分離器に
より縮合水を除きながら、さらに3時間反応を進め、つ
いで冷却し、キシレン464部を添加して、不揮発分約
69%、ガードナー粘度(20℃)Xのポリエステル溶
液(PE−1)を得た。得られた樹脂(固形分)は、樹
脂酸価約6.5mgKOH/g、水酸基価約120mg
KOH/g、数平均分子量1,00、重量平均分子量
5,200であった。
【0102】有機重合体微粒子の合成 合成例2 撹拌装置、温度計、冷却管及び加熱マントルを備えた1
リットルフラスコに、脱イオン水3536.5部及び
「エレミノールJS−2」(注1)51部を加え、撹拌
しながら90℃まで昇温した。この中に、「VA−08
6」(注2)12.5部を脱イオン水500部に溶解し
た水溶液の20%を加えた。フラスコ内を90℃に保持
しながら、15分後に、スチレン470部、n−ブチル
アクリレート470部及び1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート60部の混合物1000部のうちの50部
を加え、30分間撹拌した後、上記モノマー混合物の残
り全量(950部)及び上記「VA−086」の水溶液
の残り全量の滴下を開始した。モノマー混合物の滴下は
3時間、「VA−086」の水溶液の滴下は3.5時間
かけてそれぞれ行った。「VA−086」の水溶液の滴
下終了後も30分間加熱して90℃に保持した後、室温
に冷却し、濾布を用いて取り出し、固形分20%の水性
ゲル化有機樹脂微粒子水分散液を得た。水分散液中にお
ける有機樹脂微粒子の粒子径は、コールター社製、ナノ
ナイザーN−4で測定したところ約69nmであった。
この水分散液をステンレスバット上で60℃の電気熱風
式乾燥機中で乾燥させ、固形樹脂粉末としての有機樹脂
微粒子(1)を得た。
【0103】(注1)「エレミノールJS−2」:三洋
化成(株)製、商品名、スルホコハク酸系アリル基含有
アニオン性反応性乳化剤の水溶液、固形分39%。
【0104】(注2)「VA−086」:和光純薬
(株)製、商品名、水溶性アゾアミド重合開始剤、2,
2´−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエ
チル)−プロピオンアミド]。
【0105】ポリオルトエステルの製造 製造例1 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び溶剤回収装置を備え
た反応装置に、オルトギ酸メチル424部、2−ブチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール640部、ペ
ンタエリスリトール136部及び90%ギ酸水溶液4部
を仕込み、アルコール交換反応により生成するメタノー
ルを留去しながら約85℃に1時間保持した。その後、
2時間かけて190℃まで昇温して365部のメタノー
ルを回収し、固形分100%の無色透明で液状のポリオ
ルトエステル(A−1)を得た。得られたポリオルトエ
ステル(A−1)は、ガードナー粘度X+、重量平均分
子量約1540であった。
【0106】製造例2 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び溶剤回収装置を備え
た反応装置に、オルトギ酸メチル106部、2−ブチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール160部及び
合成例1で得た不揮発分約69%のポリエステル溶液
(PE−1)668部を仕込み、アルコール交換反応に
より生成するメタノールを留去しながら約85℃に1時
間保持した。その後、2時間かけて190℃まで昇温し
て91部のメタノールを回収し、不揮発分約74%の無
色透明で液状のポリオルトエステル溶液(A−2)を得
た。得られたポリオルトエステル溶液(A−2)は、ガ
ードナー粘度Z、重量平均分子量約6950であった。
ポリオルトエステル溶液(A−2)をキシレンで希釈し
て固形分69%にしたときのガードナー粘度はVであ
り、合成例1で得た不揮発分約69%のポリエステル溶
液(PE−1)の粘度Xより低かった。
【0107】製造例3(比較用) 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び溶剤回収装置を備え
た反応装置に、オルトギ酸メチル212部、ペンタエリ
スリトール136部及び90%ギ酸水溶液4部を仕込
み、アルコール交換反応により生成するメタノールを留
去しながら約85℃に1時間保持した。その後、2時間
かけて190℃まで昇温して130部のメタノールを回
収し、オルトエステル化物を得たが、室温で結晶化し
た。
【0108】製造例4(比較用) 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び溶剤回収装置を備え
た反応装置に、オルトギ酸メチル35部及び合成例1で
得た不揮発分約69%のポリエステル溶液(PE−1)
668部を仕込み、アルコール交換反応により生成する
メタノールを留去しながら約85℃に1時間保持した。
その後、2時間かけて190℃まで昇温して16部のメ
タノールを回収した時点でゲル化した。
【0109】製造例2と製造例4(比較用)において
は、酸触媒を配合していないが、ポリエステル溶液(P
E−1)における樹脂中のカルボキシル基が触媒として
働く。
【0110】水酸基と反応性を有する基を1分子中に少
なくとも2個有する硬化剤〔B〕の製造 製造例5 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、キシレン983部、3−メト
キシブチルアセテート240部を仕込み、反応容器内の
窒素置換を行い、加熱して135℃に保持した。この中
に、スチレン720部、2−エチルヘキシルアクリレー
ト720部、グリシジルメタクリレート960部及びア
ゾビスイソブチロニトリル192部からなる混合物を4
時間かけて滴下した。滴下終了後、135℃で30分間
熟成し、次にキシレン168部及びアゾビスイソブチロ
ニトリル12部からなる混合液を1時間かけて滴下し、
その後30分間135℃に保持して、不揮発分約63
%、ガードナー粘度(20℃)S のエポキシ基含有ア
クリル樹脂溶液(B−1)を得た。得られた樹脂(固形
分)は、エポキシ当量約370、数平均分子量約2,1
00、重量平均分子量約4,900を有していた。
【0111】製造例6 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、キシレン983部及び3−メ
トキシブチルアセテート240部を仕込み、反応容器内
の窒素置換を行い、加熱して135℃に保持した。この
中に、スチレン600部、無水マレイン酸600部、n
−ブチルアクリレート1200部及びアゾビスイソブチ
ロニトリル192部からなる混合物を4時間かけて滴下
した。滴下終了後、135℃で30分間熟成し、次にキ
シレン168部及びアゾビスイソブチロニトリル12部
からなる混合液を1時間かけて滴下し、その後30分間
135℃に保持して、不揮発分約63%、ガードナー粘
度(20℃)R- の酸無水基含有アクリル樹脂溶液(B
−2)を得た。得られた樹脂(固形分)は、全酸価約2
66mgKOH/g、半酸価約138mgKOH/g
、数平均分子量約1,900、重量平均分子量約4,
800を有していた。
【0112】製造例7 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、キシレン983部及び3−メ
トキシブチルアセテート240部を仕込み、反応容器内
の窒素置換を行い、加熱して135℃に保持した。この
中に、スチレン720部、n−ブチルメタクリレート7
20部、2−エチルヘキシルアクリレート480部、γ
−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン4
80部及びアゾビスイソブチロニトリル192部からな
る混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後、135
℃で30分間熟成し、次にキシレン168部及びアゾビ
スイソブチロニトリル12部からなる混合液を1時間か
けて滴下し、その後30分間135℃に保持して、不揮
発分約63%、ガードナー粘度(20℃)W のアルコ
キシシリル基含有アクリル樹脂溶液(B−3)を得た。
得られた樹脂(固形分)は、数平均分子量約2,80
0、重量平均分子量約5,500を有していた。
【0113】製造例8 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、キシレン983部及び3−メ
トキシブチルアセテート240部を仕込み、反応容器内
の窒素置換を行い、加熱して135℃に保持した。この
中に、スチレン480部、無水マレイン酸480部、グ
リシジルメタクリレート480部、2−エチルヘキシル
アクリレート960部及びアゾビスイソブチロニトリル
192部からなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下
終了後、135℃で30分間熟成し、次にキシレン16
8部及びアゾビスイソブチロニトリル12部からなる混
合液を1時間かけて滴下し、その後30分間135℃に
保持して、不揮発分約63%、ガードナー粘度(20
℃)S+ のエポキシ基と酸無水基とを有するアクリル樹
脂溶液(B−4)を得た。得られた樹脂(固形分)は、
エポキシ当量約710、半酸価約102mgKOH/g
、数平均分子量約2,200、重量平均分子量約4,
900を有していた。
【0114】重合性不飽和化合物〔C〕の製造 製造例9 不飽和アクリル樹脂の製造 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、トルエン765部を仕込み、
反応容器内の窒素置換を行い、加熱して105℃に保持
した。この中に、イソブチルメタクリレート400部、
グリシジルメタクリレート600部及びアゾビスイソブ
チロニトリル150部からなる混合物を3時間かけて滴
下した。滴下終了後、105℃で30分間熟成し、次に
トルエン80部及びアゾビスイソブチロニトリル5部か
らなる混合液を1時間かけて滴下し、その後30分間1
05℃に保持して、不揮発分約53%、ガードナー粘度
(20℃)B+のエポキシ基含有アクリル樹脂溶液を得
た。得られた樹脂(固形分)は、数平均分子量約2,0
00、重量平均分子量約3,600であった。続いて、
反応装置中の樹脂溶液にアクリル酸274部、スミジュ
ールBHT(住友化学社製の重合禁止剤)1部及びトリ
エチルアミン5部を仕込み、空気を吹込ながら、攪拌下
にて105℃で3時間反応させ、固形分約59%、ガー
ドナー粘度(20℃)Uの樹脂液(C−1)を得た。得
られた樹脂(固形分)は、樹脂酸価が0であり、重合性
不飽和基含有量が3.0モル/kgであった。
【0115】製造例10 不飽和アクリル樹脂の製造 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン76
5部を仕込み、反応容器内の窒素置換を行い、加熱して
105℃に保持した。この中に、イソブチルメタクリレ
ート400部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6
00部及びアゾビスイソブチロニトリル150部からな
る混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、105
℃で30分間熟成し、次にメチルイソブチルケトン80
部及びアゾビスイソブチロニトリル5部からなる混合液
を1時間かけて滴下し、その後30分間105℃に保持
して、不揮発分約50%、ガードナー粘度(20℃)K
の水酸基含有アクリル樹脂溶液を得た。得られた樹脂
(固形分)は、数平均分子量約2,200、重量平均分
子量約3,900を有していた。続いて、反応装置中の
樹脂溶液に空気を吹込ながら、2−イソシアナトエチル
メタクリレート643部、「スミジュールBHT」(住
友化学社製の重合禁止剤)1部、「ネオスタンU−10
0」(日東化成社製、有機錫触媒)2部を仕込み、80
℃で3時間撹拌して固形分約62%、ガードナー粘度
(20℃)Zの樹脂液(C−2)を得た。得られた樹脂
(固形分)は、イソシアネート価が0であり、重合性不
飽和基含有量が2.5モル/kgであった。
【0116】製造例11 不飽和ポリウレタン混合液
の製造 撹拌機、冷却器、温度制御装置、空気吹込管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、「EO−20」(新日本理化
社製の、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物)650.4部、「アロニクスM−240」(東亜合
成化学社製、2官能性重合性不飽和モノマー)600.
7部及びp−メトキシフェノール1部を仕込み、50℃
で2時間撹拌して固形の「EO−20」を溶解した。つ
いで冷却して液温を室温に戻した後、イソホロンジイソ
シアネート888部を添加し、80℃に保ちながら「ネ
オスタンU100」(日東化成社製、有機錫触媒)0.
5部を添加し80℃で3時間撹拌して、イソシアネート
価77の樹脂液を得た。この樹脂液に、「アロニクスM
−240」を400.5部仕込み、空気を吹込みなが
ら、2−ヒドロキシエチルアクリレート464部を1時
間かけて滴下し、滴下終了後、10時間撹拌を続けたと
ころ、イソシアネート価が0の不飽和基含有樹脂液が得
られた。この不飽和基含有樹脂液に「アロニクスM−2
40」を332.2部加え、ガードナー粘度(20℃)
5の樹脂液(C−3)を得た。得られた樹脂液(C−
3)は、不飽和ポリウレタン/「アロニクスM−24
0」=60/40(重量比)の混合樹脂液である。樹脂
液(C−3)中の不飽和ポリウレタンは、数平均分子量
約950、重量平均分子量約1,700であり、重合性
不飽和基含有量が2.0モル/kgであった。
【0117】製造例12 不飽和ポリエステルの製造 撹拌機、冷却器、温度制御装置、水分離器を備えた反応
装置に、無水マレイン酸1372部、無水フタル酸88
8部、ジエチレングリコール848部及びプロピレング
リコール1140部を仕込み、160℃から220℃ま
で3時間かけて昇温した。220℃で30分間撹拌した
後、220℃に保ちながら、還流溶剤としてトルエンを
加えた。3時間還流後、120℃まで冷却し減圧してト
ルエンを除去して、固形分100%、ガードナー粘度Z
6の樹脂液(C−4)を得た。得られた樹脂(固形分)
は、樹脂酸価3mgKOH/g、数平均分子量120
0、重量平均分子量2700であり、重合性不飽和基含
有量が3.6モル/kgであった。
【0118】製造例13 不飽和エポキシ樹脂液の製
造 撹拌機、冷却器、温度制御装置、空気吹込管を備えた反
応装置に、トルエン868部、「エピコート1004」
(油化シェルエポキシ社製のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂)1860部、アクリル酸130部、ハイドロキ
ノン1部、テトラエチルアンモニウムブロマイド6部を
仕込み、液相に空気を吹込ながら、110℃で5時間撹
拌して、固形分約70%の不飽和樹脂液を得た。得られ
た樹脂(固形分)の樹脂酸価は4.5であった。次に、
この固形分約70%の不飽和樹脂液2865部中に、
「カヤマーPM−1」(日本化薬社製のリン酸基含有モ
ノマー)51.5部を添加して1時間撹拌してエポキシ
基とリン酸基とを反応させ、固形分約70%の樹脂液
(C−5)を得た。得られた樹脂(固形分)は、樹脂酸
価6mgKOH/g、数平均分子量1720、重量平均
分子量3450であり、重合性不飽和基含有量が0.9
モル/kgであった。
【0119】製造例14 重合性不飽和基を有するア
クリル樹脂微粒子の製造 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、トルエン7348部を仕込
み、反応容器内の窒素置換を行い、加熱して105℃に
保持した。この中に、スチレン150部、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート200部、n−ブチルメタクリ
レート650部及びアゾビスイソブチロニトリル200
部からなる混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了
後、105℃で30分間熟成し、次にトルエン80部及
びアゾビスイソブチロニトリル5部からなる混合液を1
時間かけて滴下し、その後30分間105℃に保持し
た。この中へ、2−イソシアナトエチルメタクリレート
31部、「ネオスタンU−100」 0.1部、「スミ
ジュールBHT」(住友化学社製の重合禁止剤)1部を
添加し、1時間撹拌して固形分約55%の樹脂溶液を得
た。
【0120】上記のようにして得られた樹脂溶液605
部とトルエン554部を反応装置に仕込み、105℃に
加温し、この中に、上記樹脂溶液1211部、スチレン
100部、2−メトキシエチルアクリレート800部、
アクリロニトリル50部、1,6−ヘキサンジオールの
ジアクリレート50部及びアゾビスイソブチロニトリル
20部の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、
105℃で30分間熟成し、次にトルエン80部とアゾ
ビスイソブチロニトリル5部との混合液を1時間かけて
滴下し、その後30分間105℃に保持した。ついで溶
液の温度を80℃に下げて液中に空気を吹込ながら、2
−イソシアネートエチルメタクリレート217部、「ネ
オスタンU−100」 1部、「スミジュールBHT」
2部を添加し、3時間撹拌したところ、溶液のイソシ
アネート価が0となった。この中へ、「アロニクスM−
240」を950部加え、減圧下にトルエンを留去し、
溶剤を含有しない、重合性不飽和基を有する内部架橋さ
れたアクリル樹脂微粒子/「アロニクスM−240」=
70/30(重量比)の不飽和溶液(C−6)を得た。
上記アクリル樹脂微粒子における重合性不飽和基含量
は、0.6モル/kgであった。
【0121】製造例15 重合性不飽和基を有するシ
リカ微粒子の製造 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び溶剤分
離器を備えた反応装置に、「MIBK−ST」(日産化
学工業社製、コロイダルシリカのメチルイソブチルケト
ン分散液、固形分30%)333.3部とγ−メタクリ
ロイルオキシプロピルメタクリレート20部、「スミジ
ュールBHT」 0.1部を仕込み、液中に空気を吹込
ながら80℃で6時間加熱、撹拌した。留出してきたメ
タノールは6.1部であった。この中に、「アロニクス
M−240」 113部を加え、減圧下にメチルエチル
ケトンとメタノールを留去し、重合性不飽和基含有シリ
カ粒子/アロニクスM−240」=50/50(重量
比)の不飽和溶液(C−7)を得た。上記重合性不飽和
基含有シリカ微粒子における重合性不飽和基含量は、
0.7モル/kgであった。
【0122】硬化性組成物の作成 実施例1 製造例9で得た固形分約59%の樹脂液(C−1)68
部(固形分量で40部)と「アロニクスM−240」1
0部とを混合し、脱溶剤を行って固形分(不飽和化合物
含量)100%の不飽和樹脂液50部を得た。得られた
この不飽和樹脂液50部、製造例1で得たポリオルトエ
ステル(A−1)100部、デスモデュールN−330
0(住友バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソ
シアネートのトリイソシアヌレート体)191部、Na
cure5543(「ネイキュア5543」、米国、キ
ング・インダストリイズ社製、スルホン酸塩系酸触媒溶
液、有効成分約25%)11.6部及び1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン3.4部を配合して硬化
性組成物を得た。
【0123】実施例2〜15及び比較例1〜4 上記実施例1において、配合組成を後記表1に示すとお
りとする以外は実施例1と同様に行い各硬化性組成物を
得た。樹脂液が溶剤を含有しない場合には、脱溶剤工程
は行わなかった。
【0124】表1における(註)は、下記の意味を有す
る。 (*1)アロニクスM−408:1分子中に4個の重合
性不飽和基を有する4官能性不飽和化合物。
【0125】上記実施例1〜15及び比較例1〜4で得
られた各硬化性組成物について、硬化塗膜の耐溶剤性及
びゲル分率について下記試験方法に基づいて試験を行っ
た。これらの試験結果を後記表1に示す。
【0126】試験方法 耐溶剤性:ミガキ冷延鋼板に、各硬化性組成物を乾燥膜
厚が約50μmとなるように塗布し、高圧水銀灯(16
0W/cm)を用い、塗装板との距離が15cmとなる
位置からエネルギー線量が300mJ/cm2となる条
件にて紫外線を照射し、続いて120または140℃で
30分間焼付けた。この焼付け塗膜の表面を、キシレン
をしみ込ませた3枚重ねのガーゼにて、塗面に約1kg
/cm2の荷重をかけて約5cmの長さの間を20往復
させた後の塗面状態を下記基準により評価した。 ○:塗膜に傷、ツヤボケがなく、良好 △:塗膜に傷又はツヤボケが少しあり、少し劣る ×:塗膜が溶解するか、又は塗膜に著しい傷が発生。
【0127】ゲル分率:テフロンシートに各硬化性組成
物を乾燥膜厚が約50μmとなるように塗布し、高圧水
銀灯(160W/cm)を用い、塗装板との距離が15
cmとなる位置からエネルギー線量が300mJ/cm
2となる条件にて紫外線を照射し、続いて120または
140℃で30分間焼付けた。この焼付け塗膜を剥離し
てフリー塗膜を得た。フリー塗膜をアセトン中にて、還
流下で6時間抽出を行い、抽出前後の塗膜重量から次式
に従ってゲル分率(%)を求めた。 ゲル分率(%)=(抽出後の塗膜重量/抽出前の塗膜重
量)×100 耐タレ性:垂直に立てたミガキ冷延鋼板に、各硬化性組
成物をスプレー塗装し、塗装直後に、高圧水銀灯(16
0W/cm)を用い、塗装板との距離が15cmとなる
位置からエネルギー線量が300mJ/cm2となる条
件にて紫外線を照射し、続いて塗装板を垂直にしたまま
140℃で30分間焼付けた。その焼付け塗装板の塗膜
のタレの状況を調べ下記基準にて評価した。塗装膜厚
は、乾燥膜厚で50μm及び100μmの2段階とし
た。 ○:塗膜にタレが認められない ×:塗膜にタレが認められる。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、紫外線照射に
よる硬化不足の問題が改善され、かつ低粘度化、高固形
分化でき、紫外線照射と加熱の両者によって硬化可能で
ある。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA01 AB07 AC01 AE11 CA02 CA04 CA06 CA09 CB01 CD03 FC35 HA05 HB06 HD07 JB232 JE032 JE052 JE092 JE152 JE162 JE172 JE182 4J034 BA02 BA08 CA01 CC27 CC37 CC44 CC45 DF01 DF16 DK01 DM01 DP15 DP18 FA02 FB01 FC01 HA01 HA07 HA08 HB07 HB08 HC03 HC12 HC17 HC22 HC35 HC46 HC52 HC64 HC67 HC71 HC73 HD03 HD04 HD05 HD12 LA23 LA33 QA05 QB11 RA07 4J035 GA01 GA02 GA03 GA05 GA07 GB02 GB03 LB01 LB02 4J038 CD092 CG002 DA132 DB002 DD002 DG262 DL032 FA011 FA041 FA051 FA061 FA081 FA121 FA211 FA231 FA241 FA251 FA261 FA281 GA03 JA29 JA42 JA69 JC34 KA03 KA04 KA06 NA24 PA17 PA19 PB05 PB07 PC02 PC04 PC06 PC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔A〕(a)下記式(1) 【化1】 式中、R1 は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキ
    ル基を表し、3個のR2 は同一又は異なって、それぞれ
    炭素原子数1〜4のアルキル基を表す、で示されるオル
    トエステル、 (b)α−グリコール及びβ−グリコールから選ばれる
    少なくとも1種のグリコール化合物、及び (c)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する上記
    (b)以外の水酸基含有化合物、を反応させてなるポリ
    オルトエステル、 〔B〕水酸基と反応性を有する基を1分子中に少なくと
    も2個有する硬化剤、 〔C〕光重合性不飽和化合物及び 〔D〕光ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とす
    る硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 オルトエステル(a)が、オルトギ酸メ
    チル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル及びオルト
    酢酸エチルから選ばれる少なくとも1種の化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 グリコール化合物(b)が、下記式
    (2) 【化2】 式中、R3 、R4 、R5 及びR6 は同一又は異なって、
    それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜24のアルキル
    基、炭素原子数7〜24のアラルキル基又はフェニル基
    を表すか、或いはこれらの基の一部が酸素原子で置換さ
    れてなる基を表し、 かつR3 、R4 、R5 及びR6
    表される基の炭素原子数の合計は0〜24の範囲内にあ
    り、またR4及びR5 はこれらが直接結合する炭素原子
    と一緒になって環状構造を形成していてもよい、で示さ
    れるα−グリコール及び下記式(3) 【化3】 式中、R7 、R8 、R9 、R10、R11及びR12は同一又
    は異なって、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜24
    のアルキル基、炭素原子数7〜24のアラルキル基又は
    フェニル基を表すか、或いはこれらの基の一部が酸素原
    子で置換されてなる基を表し、かつR7 、R8 、R9
    10、R11及びR12で表される基の炭素原子数の合計は
    0〜24の範囲内にあり、またR7 及びR9 、又はR
    7 、R9 及びR11は、これらが直接結合する炭素原子と
    一緒になって環状構造を形成していてもよい、で示され
    るβ−グリコールから選ばれる少なくとも1種のグリコ
    ール化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 グリコール化合物(b)が、エチレング
    リコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ヘ
    キサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル
    −1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペ
    ンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオー
    ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−
    ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−ト
    リメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2
    −エチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる少な
    くとも1種の化合物である請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 水酸基含有化合物(c)が、90〜10
    0,000の範囲内の分子量及び20〜1,850の範
    囲内の水酸基価を有することを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 水酸基含有化合物(c)中の水酸基が、
    オルトエステル(a)とグリコール化合物(b)とで構
    成される5員環又は6員環のオルトエステルによってブ
    ロックされてなることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 硬化剤〔B〕が、ポリイソシアネート化
    合物、アミノ樹脂、エポキシ基含有化合物、アルコキシ
    シリル基含有化合物及び2個以上のカルボン酸無水基を
    有する化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項
    1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 光重合性不飽和化合物〔C〕が、80〜
    100,000の範囲内の分子量及び0.1〜12モル
    /kgの範囲内の重合性不飽和基含有量を有する請求項
    1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. 【請求項9】 ポリオルトエステル〔A〕、硬化剤
    〔B〕、化合物〔C〕及び光ラジカル重合開始剤の配合
    割合が、〔A〕、〔B〕及び〔C〕成分の合計量100
    重量部に基いて、〔A〕成分が5〜95重量部、〔B〕
    成分が5〜95重量部、及び〔C〕成分が0.1〜90
    重量部の範囲内にあり、且つ光ラジカル重合開始剤
    〔D〕が0.01〜30重量部の範囲内にある請求項1
    〜8のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  10. 【請求項10】 水酸基含有ポリマーをさらに含有する
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の
    硬化性組成物。
  11. 【請求項11】 酸触媒をさらに含有することを特徴と
    する請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化性組成
    物。
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