JP2001164103A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2001164103A
JP2001164103A JP34956399A JP34956399A JP2001164103A JP 2001164103 A JP2001164103 A JP 2001164103A JP 34956399 A JP34956399 A JP 34956399A JP 34956399 A JP34956399 A JP 34956399A JP 2001164103 A JP2001164103 A JP 2001164103A
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glycol
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JP34956399A
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Tetsuo Ogawa
哲夫 小川
Yoichi Kunugi
洋一 功刀
Hisashi Isaka
尚志 井坂
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性エネルギー線照射による硬化不足の問題
が改善され、低粘度化、高固形分化が可能で紫外線照射
と加熱の両者によって硬化可能な硬化性組成物を提供す
る。 【解決手段】 (a)オルトギ酸メチル、オルトギ酸エ
チル、オルト酢酸メチル又はオルト酢酸エチルなどのオ
ルトエステル、(b)α−グリコール及びβ−グリコー
ルから選ばれる少なくとも1種のグリコール化合物及び
(c)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する上記
(b)以外の化合物を反応させてなるポリオルトエステ
ル〔A〕、水酸基と反応可能な基を有する光重合性不飽
和化合物〔B〕及び光ラジカル重合開始剤〔C〕を含有
する硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
照射及び加熱の両者によって硬化せしめることができ、
かつ低粘度で高固形分化が可能な硬化性組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】近年、塗膜外観、耐擦り傷
性及び耐溶剤性などの塗膜性能の向上、ならびに塗料の
有機溶剤使用量の削減などの観点から、紫外線などの活
性エネルギー線照射によって硬化する塗料が広く使用さ
れている。しかしながら、活性エネルギー線照射によっ
て硬化させる場合には、通常、膜厚が厚いときや被塗物
が曲面部、窪み部などを有している場合には、活性エネ
ルギー線が十分に照射されず硬化が不十分となることが
ある。
【0003】一方、従来から常温で又は加熱によって硬
化する塗料として、水酸基含有ポリマーと硬化剤を樹脂
成分とする塗料が広く使用されている。しかしながら、
水酸基含有ポリマーは、水酸基の水素結合力が大きいた
め、粘度が高くなって塗装方法が限定されたり、硬化剤
との相溶性が低下したり、塗料を基材に塗布したときに
極性が高く基材への濡れ性が悪くなる。また、ポリイソ
シアネート化合物やアミノ樹脂などの水酸基と反応性を
有する硬化剤を硬化剤として使用した場合に貯蔵安定性
が悪くなるといった問題がある。さらに、有機溶剤を加
えて塗料粘度を低下させることが考えられるが、塗料の
固形分比率が低下し、塗膜形成時に多量の溶剤が揮散す
るため環境保護の観点から好ましくない。
【0004】活性エネルギー線照射によって硬化する塗
料中に、水酸基含有ポリマーと硬化剤とを配合し、活性
エネルギー線照射と加熱の両者によって硬化せしめるこ
とにより、その硬化不足を回避することができるが、一
方で水酸基に起因する問題が発生し易くなる。
【0005】本発明の目的は、上記した活性エネルギー
線照射による硬化不足の問題を改善し、さらに上記した
水酸基に起因する問題、例えば、硬化性組成物の高粘度
化の問題がなく、高固形分化が可能で、硬化剤や不飽和
化合物との相溶性、基材への濡れ性、貯蔵安定性が良好
な、活性エネルギー線照射と加熱の両者によって硬化可
能な硬化性組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、今回、特定のグリ
コール化合物、オルトエステル及び多価の水酸基含有化
合物を反応させてなるポリオルトエステルと、水酸基と
反応可能な基を有する光重合性不飽和化合物と、光ラジ
カル重合開始剤を組合せることによって上記課題を解決
できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、 〔A〕(a)下記
式(1)
【0008】
【化4】
【0009】式中、R1 は、水素原子又は炭素原子数1
〜4のアルキル基を表し、3個のR2 は同一又は異なっ
て、それぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基を表す、 で示されるオルトエステル、(b)α−グリコール及び
β−グリコールから選ばれる少なくとも1種のグリコー
ル化合物、及び(c)1分子中に少なくとも2個の水酸
基を有する上記(b)以外の水酸基含有化合物、を反応
させてなるポリオルトエステル、〔B〕水酸基と反応可
能な基を有する光重合性不飽和化合物及び〔C〕光ラジ
カル重合開始剤を含有することを特徴とする硬化性組成
物を提供するものである。
【0010】以下に、本発明の硬化性組成物について詳
細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の硬化性組成物は、下記ポ
リオルトエステエル〔A〕と水酸基と反応可能な基を有
する光重合性不飽和化合物〔B〕と光ラジカル重合開始
剤〔C〕を含有するものである。
【0012】ポリオルトエステル〔A〕 ポリオルトエステル〔A〕は、下記オルトエステル
(a)とグリコール化合物(b)と水酸基含有化合物
(c)とを反応させてなるものである。
【0013】オルトエステル(a):オルトエステル
(a)は、下記式(1)
【0014】
【化5】
【0015】式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1〜
4のアルキル基を表し、3個のR 2 は同一又は異なっ
て、それぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基を表す、で
示される化合物である。
【0016】上記式(1)において、R1 又はR2によ
って表わされる炭素原子数1〜4のアルキル基は直鎖状
又は分岐鎖状であり、例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−
ブチル基などを挙げることができる。
【0017】オルトエステル(a)の具体例としては、
例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト
ギ酸プロピル、オルトギ酸ブチル、オルト酢酸メチル、
オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸メチル、オルト
プロピオン酸エチル、オルト酪酸メチル、オルト酪酸エ
チルなどを挙げることができ、なかでもオルトギ酸メチ
ル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸
エチルなどが好適である。これらは、単独で又は2種以
上組合せて使用することができる。
【0018】グリコール化合物(b):(b)成分であ
るグリコール化合物は、1分子中に水酸基を2個有する
α−グリコール及びβ−グリコールから選ばれる少なく
とも1種のグリコール化合物である。
【0019】α−グリコールとしては、なかでも、下記
式(2)
【0020】
【化6】
【0021】式中、R3 、R4 、R5 及びR6 は同一又
は異なって、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜24
のアルキル基、炭素原子数7〜24のアラルキル基又は
フェニル基、或いはこれらの基の一部が酸素原子で置換
されてなる基を表し、かつR3 、R4 、R5 及びR6
表される基の炭素原子数の合計は0〜24、好ましくは
0〜10の範囲内にあり、またR4及びR5 はこれらが
直接結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成し
ていてもよい、 で示される化合物を好適に使用できる。
【0022】上記式(2)において、 R3 、R4 、R5
又はR6によって表わされうる炭素原子数1〜24のア
ルキル基は直鎖状、分岐鎖状又は環状であり、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、n−オク
チル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、オクタ
デシル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シク
ロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル基などを挙げ
ることができる。
【0023】上記式(2)において、 R3 、R4 、R5
又はR6によって表わされうる炭素原子数7〜24のア
ラルキル基としては、フェニル置換されたアルキル基が
好ましく、具体的には、例えばベンジル、フェネチル基
などを挙げることができる。
【0024】上記式(2)において、 R3 、R4 、R5
又はR6によって表わされうるアルキル基、アラルキル
基又はフェニル基の一部が酸素原子で置換されてなる基
としては、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキ
シメチル、ブトキシメチルなどのアルコキシアルキル
基;アセトキシメチル、アセトキシエチルなどのアルカ
ノイルオキシアルキル基;フェノキシメチル、フェノキ
シエチル基などを挙げることができる。 上記式(2)
における R3 、R4 、R5又はR6は、なかでも、水素
原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基であることが好
ましい。
【0025】かくして、上記α−グリコールの代表例と
しては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3
−ブチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、
1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、ピナコール、長
鎖アルキルモノエポキシドの加水分解物;グリセリンモ
ノアセテート(α体)、グリセリンモノステアレート
(α体)などの脂肪酸モノグリセリド(α体);3−エ
トキシプロパン−1,2−ジオール、3−フェノキシプ
ロパン−1,2−ジオールなどを挙げることができる。
これらのうち、なかでも、エチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオールが
好適である。
【0026】他方、β−グリコールとしては、なかで
も、下記式(3)
【0027】
【化7】
【0028】式中、R7 、R8 、R9 、R10、R11及び
12は同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素原
子数1〜24のアルキル基、炭素原子数7〜24のアラ
ルキル基又はフェニル基、或いはこれらの基の一部が酸
素原子で置換されてなる基を表し、かつR7 、R8 、R
9 、R10、R11及びR12で表される基の炭素原子数の合
計は0〜24の範囲内にあり、また R7 及びR9 、又
はR7 、R9 及びR11 はこれらが直接結合する炭素原
子と一緒になって環状構造を形成していてもよい、 で示される化合物を好適に使用することができる。
【0029】上記式(3)において、 R7 、R8 、R9
、R10、R11又はR12によって表わされうる炭素原子
数1〜24のアルキル基としては、前記式(2)におい
てR3 、R4 、R5又はR6によって表わされうるアルキ
ル基として前述したものを同様に挙げることができる。
【0030】上記式(3)において、 R7 、R8 、R9
、R10、R11又はR12によって表わされうる炭素原子
数1〜24のアラルキル基としては、フェニル置換され
たアルキル基が好ましく、具体的には、例えば、ベンジ
ル、フェネチル基などを挙げることができる。
【0031】上記式(3)において、 R7 、R8 、R9
、R10、R11又はR12によって表わされうるアルキル
基、アラルキル基又はフェニル基の一部が酸素原子で置
換されてなる基としては、例えば、メトキシメチル、エ
トキシメチル、プロポキシメチル、ブトキシメチルなど
のアルコキシアルキル基;アセトキシメチル、アセトキ
シエチルなどのアルカノイルオキシアルキル基;フェノ
キシメチル、フェノキシエチル基などを挙げることがで
きる。上記式(3)において、 R7及びR9 、又は
7、R9及びR11又はR12が、これらが直接結合する炭
素原子と一緒になって形成することができる環状構造と
しては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などを挙
げることができる。上記式(3)における R7 、R
8 、R9 、R1 0、R11又はR12は、なかでも、水素原子
又は炭素原子数1〜6のアルキル基であることが好まし
い。
【0032】かくして、β−グリコールの代表例として
は、例えば、ネオペンチルグリコール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペン
タンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエ
チル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシプロ
パン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニルプ
ロパン−1,3−ジオール、1,3−プロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、ジメチロールプロ
ピオン酸、ジメチロールブタン酸、2−エチル−1,3
−オクタンジオール、1,3−ジヒドロキシシクロヘキ
サン;グリセリンモノアセテート(β体)、グリセリン
モノステアレート(β体)などの脂肪酸モノグリセリド
(β体)などを挙げることができる。これらのうち、な
かでも、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3
−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジ
オール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エ
チル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオールが好適である。
【0033】(c)水酸基含有化合物:(c)成分であ
る水酸基含有化合物は、1分子中に2個以上の水酸基を
有する上記グリコール化合物(b)以外の化合物であ
る。
【0034】水酸基含有化合物(c)としては、α−グ
リコール及びβ−グリコール以外の2個の水酸基を有す
る化合物又は1分子中に3個以上の水酸基を有する化合
物を挙げることができる。
【0035】α−グリコール及びβ−グリコール以外の
2個の水酸基を有する化合物としては、例えば、1,4
−ブタンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサ
ン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5
−ペンタンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキ
サン、トリシクロデカンジメタノール、2,2−ジメチ
ル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−
ヒドロキシプロピオネート[このものはヒドロキシピバ
リン酸とネオペンチルグリコールとのエステルに相当す
る]、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス(4
−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(4
−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス(1,1
−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラ以上
のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、テトラ以上のポリプロピレ
ングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドとを共重合してなる両末端に水酸基を有する共重合
体、ポリカプロラクトンジオールなどの両末端に水酸基
を有する直鎖状ポリエステル、ポリカーボネートジオー
ル、ジエポオキシドのカルボン酸付加物などを挙げるこ
とができる。
【0036】また、上記3個以上の水酸基を有する化合
物としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリ
グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリ
トール、ソルビトール、マンニット、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロ
パン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、グルコン酸、3個以上の水酸基を含有するポリマー
(3個以上の水酸基を含有するポリエステル、ポリエー
テル、アクリルポリマー、ケトン樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニルのケ
ン化物であるポリビニルアルコール、グルコースなどの
天然糖類等)などを挙げることができる。
【0037】水酸基含有化合物(c)としては、分子量
が90〜100,000、特に90〜5,000の範囲
内にあり、水酸基価が20〜1850mgKOH/g、
特に40〜1650mgKOH/gの範囲内にあるもの
を好適に使用することができる。
【0038】ポリオルトエステルの製造:本発明組成物
における〔A〕成分であるポリオルトエステルを製造す
るにあたり、オルトエステル(a)とグリコール化合物
(b)と水酸基含有化合物(c)との配合比率は、特に
限定されるものではないが、水酸基含有化合物(c)中
の水酸基1当量に対して、オルトエステル(a)の量が
0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モル、さ
らに好ましくは0.1〜2モルの範囲内にあり、かつグ
リコール化合物(B)の量が0.01〜10モル、好ま
しくは0.05〜5モル、さらに好ましくは0.1〜2
モルの範囲内にある割合で用いることが、分子量制御の
し易さなどの面から適当である。
【0039】ポリオルトエステル〔A〕は、上記
(a)、(b)及び(c)の3成分を縮合反応させるこ
とによって得ることができる。例えば、上記3成分を必
要に応じて、有機溶剤及び酸触媒の存在下で、通常、室
温〜250℃、好ましくは70〜200℃の範囲内の温
度で1〜20時間程度加熱し縮合反応させることによっ
て好適に製造することができる。
【0040】本発明において、オルトエステル(a)の
アルコキシ基は、グリコール化合物(b)及び水酸基含
有化合物(c)のアルコール部分と交換反応を起こす。
その際、オルトエステル(a)は、通常、近接した水酸
基を有するグリコール化合物(b)であるα−グリコー
ル又はβ−グリコールと優先的に反応して環状構造を形
成する。すなわち、グリコール化合物(b)は、3官能
であるオルトエステル(a)の2個の官能基(アルコキ
シル基)と優先的に反応して環化する。オルトエステル
(a)の残りの1個のアルコキシ基は水酸基含有化合物
(c)と反応することができる。かくして、ポリオルト
エステル〔A〕は、その製造に際して分子間の橋架けを
伴わないため、分子量や粘度が抑制されたものであるこ
とができる。他方、グリコール化合物(b)を存在させ
ずに、オルトエステル(a)と水酸基含有化合物(c)
とを直接反応させると、分子間の架橋反応が起こり、生
成物の分子量や粘度がどんどん増大する。本発明組成物
におけるポリオルトエステル〔A〕は、オルトエステル
(a)と水酸基含有化合物(c)に、さらにグリコール
化合物(b)を加えて反応させることにより、分子量や
粘度の増大を抑制したものである。
【0041】上記の如くして製造されるポリオルトエス
テル〔A〕は、例えば、前記式(1)のオルトエステル
と、前記式(2)のα−グリコール及び1分子中に2個
の水酸基を有する化合物を原料として用いた場合、下記
式(4)
【0042】
【化8】
【0043】式中、 Y1は1分子中に2個の水酸基を有
する化合物から該2個の水酸基を除いた残基を表し、R
1、R3、R4、R5及びR6は前記定義のとおりである、 で示される構造を有することができ、また、前記式
(1)のオルトエステルと、前記式(3)のβ−グリコ
ール及び1分子中に4個の水酸基を有する化合物を原料
として用いた場合、下記式(5)
【0044】
【化9】
【0045】式中、Y2は1分子中に4個の水酸基を有
する化合物から該4個の水酸基を除いた残基を表し、R
1、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は前記定義のと
おりである、 で示される構造を有することができる。
【0046】水酸基と反応可能な基を有する光重合性不
飽和化合物〔B〕 本発明組成物における〔B〕成分である水酸基と反応可
能な基を有する光重合性不飽和化合物は、1分子中に、
少なくとも1個の水酸基と反応性を有する基と、少なく
とも1個の重合性不飽和基とを有する化合物である。上
記水酸基と反応性を有する基としては、イソシアナト
基、エポキシ基、N−メチロール基、N−アルコキシメ
チル基、アルコキシシリル基、カルボン酸無水基などが
好適である。
【0047】水酸基と反応可能な基を有する重合性不飽
和化合物〔B〕の具体例としては、イソシアナトエチル
(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−
ジメチルベンジルイソシアネート、グリシジル(メタ)
アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、無水マレイン
酸、無水イタコン酸等のモノマー類を挙げることができ
る。また、これらのモノマー類をモノマーの1成分とす
る(共)重合体に重合性不飽和基を導入したものであっ
てもよい。また、水酸基と反応可能な基と重合性不飽和
基を含有する各種樹脂(エポキシ樹脂、ポリウレタン、
ポリシロキサン、アミノ樹脂等)も該重合性不飽和化合
物〔B〕として使用することができる。
【0048】光ラジカル重合開始剤〔C〕 光ラジカル重合開始剤〔C〕としては、紫外線などの活
性エネルギー線照射によって励起されてラジカルを発生
して、上記水酸基と反応可能な基を有する重合性不飽和
化合物〔B〕中の重合性不飽和基に基く光ラジカル重合
反応を開始させるものである。
【0049】上記光ラジカル重合開始剤としては、例え
ばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、2−メチルベンゾイン、ベンジル、ベ
ンジルジメチルケタ−ル、ジフェニルスルフィド、テト
ラメチルチウラムモノサルファイド、ジアセチル、エオ
シン、チオニン、ミヒラーケトン、アントラセン、アン
トラキノン、クロルアントラキノン、メチルアントラキ
ノン、アセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェ
ノン、p−イソプロピル−α−ヒロドキシイソブチルフ
ェノン、α,α′−ジクロル−4−フェノキシアセトフ
ェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフ
ェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェ
ノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
メチルベンゾイルフォルメイト、2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパ
ノン−1、チオキサントン、ベンゾフェノン、2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキ
サイドなどを挙げることができる。これらの光ラジカル
重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して使用でき
る。
【0050】本発明の硬化性組成物 本発明の硬化性組成物は、前記ポリオルトエステル
〔A〕、水酸基と反応可能な基を有する光重合性不飽和
化合物〔B〕及び光ラジカル重合開始剤〔C〕を必須成
分として含有する。上記〔A〕、〔B〕及び〔C〕成分
の配合割合は特に限定されるものではないが、通常、
〔A〕及び〔B〕成分の固形分合計100重量部に基い
て、下記の範囲内にあることが適当である。 〔A〕成分:5〜95重量部、好ましくは20〜80重
量部、 〔B〕成分:5〜95重量部、好ましくは20〜80重
量部、 〔C〕成分:0.02〜30重量部、好ましくは0.0
5〜5重量部。
【0051】本発明の硬化性組成物は、上記必須成分で
ある〔A〕、〔B〕及び〔C〕成分以外に、さらに必要
に応じて、水酸基含有ポリマー、硬化剤、酸触媒、上記
〔B〕成分以外の重合性不飽和化合物、光増感促進剤、
有機溶剤、硬化触媒、顔料;塗面調整剤、酸化防止剤、
流動性調整剤(有機樹脂微粒子も包含する)、ワックス
等を適宜含有することができる。
【0052】本発明組成物中に必要に応じて含有できる
上記水酸基含有ポリマーは、分子中に水酸基を有し、光
重合性不飽和化合物〔B〕と反応して硬化できるもので
あり、例えば、水酸基価が3〜500mgKOH/g、
好ましくは20〜300mgKOH/g の範囲内にあ
り、数平均分子量が500〜50,000、好ましくは
1,000〜30,000の範囲内にあるポリマーを挙
げることができる。水酸基含有ポリマーの樹脂種として
は、代表例としてアクリル樹脂、ポリエステル樹脂(ア
ルキド樹脂も包含する)、シリコンポリエステル樹脂、
シリコンアクリル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂など
を挙げることができる。これらのうち、なかでもアクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂を好適に使用することができ
る。水酸基含有ポリマーを配合する場合には、その配合
量は、通常、〔A〕及び〔B〕成分の合計量100重量
部に基いて、100重量部以下の範囲であることが好適
である。
【0053】本発明組成物中に必要に応じて含有できる
硬化剤は、水酸基と反応性を有する基を1分子中に少な
くとも2個有するものであって、前記ポリオルトエステ
ル〔A〕のオルトエステル基が加水分解して生成する水
酸基と反応して硬化するものである。
【0054】硬化剤の代表例としては、水酸基含有化合
物の硬化剤として、塗料分野などにおいて、それ自体既
知の硬化剤、例えば、ポリイソシアネート化合物、アミ
ノ樹脂、エポキシ基含有化合物、アルコキシシリル基含
有化合物及び2個以上のカルボン酸無水基を有する化合
物などを挙げることができる。
【0055】上記ポリイソシアネート化合物は、イソシ
アナト基(NCO基)がブロック化されていないもの
(以下、「非ブロック化ポリイソシアネート化合物」と
略称することがある)、及びイソシアナト基がブロック
化されたもの(以下、「ブロック化ポリイソシアネート
化合物」と略称することがある)のいずれをも包含す
る。
【0056】非ブロック化ポリイソシアネート化合物と
しては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシア
ネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシ
リレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)−
ジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチ
ル)シクロヘキサンなどの環状脂肪族ジイソシアネート
類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香
族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネ−トなど
の3価以上のポリイソシアネートなどの如き有機ポリイ
ソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシ
アネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂
もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機
ジイソシアネート同志の環化重合体(例えば、イソシア
ヌレート)、ビウレット型付加物;イソシアナトエチル
(メタ)アクリレートや m−イソプロペニル−α,α
−ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアナト
基含有エチレン性不飽和化合物とその他のエチレン性不
飽和化合物との共重合体などが挙げられる。
【0057】ブロック化ポリイソシアネート化合物は、
上記非ブロック化ポリイソシアネート化合物のイソシア
ナト基をブロック化剤でブロック化してなるものであ
る。
【0058】硬化剤として使用可能なアミノ樹脂として
は、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセ
トグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、
ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応
によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられ
る。アルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアル
デヒド等が挙げられる。また、このメチロール化アミノ
樹脂を1種又は2種以上のアルコールによってエーテル
化したものも上記アミノ樹脂に包含される。このエーテ
ル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エ
チルヘキサノール等の1価アルコールが挙げられる。こ
れらのうち、なかでもメチロール化メラミン樹脂のメチ
ロール基の少なくとも一部を炭素原子数1〜4の1価ア
ルコールでエーテル化してなるメラミン樹脂が好適であ
る。硬化剤として使用可能なエポキシ基含有化合物は、
1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物である。
硬化剤として使用可能なアルコキシシリル基含有化合物
は、1分子中にアルコキシシリル基を2個以上含有する
化合物である。硬化剤として使用可能な2個以上のカル
ボン酸無水基を有する化合物である。これらの硬化剤
は、単独で又は2種以上を組合わせて使用することがで
きる。
【0059】上記硬化剤を配合する場合、その配合量
は、通常、〔A〕及び〔B〕成分の合計量100重量部
に基いて、100重量部以下の範囲であることが好適で
ある。
【0060】本発明組成物中に必要に応じて含有させる
ことができる、〔B〕成分以外の光重合性不飽和化合物
は、紫外線などの活性エネルギー線照射によりラジカル
重合可能な重合性不飽和基を有するものであり、代表例
として、〔B〕成分以外のラジカル重合性ポリマー、ラ
ジカル重合性ビニルモノマーなどを挙げることができ
る。また、エチレン性不飽和基含有微粒子、例えば、非
水分散重合やエマルション重合などの重合法によって得
られた有機樹脂微粒子にエチレン性不飽和基を導入して
なる有機樹脂微粒子、コロイダルシリカの表面にエチレ
ン性不飽和基を導入してなる微粒子も光重合性不飽和化
合物として使用することができる。
【0061】上記光重合性不飽和化合物は、80〜10
0,000、特に90〜10,000の範囲内の分子量
及び0.1〜12モル/kg、特に0.5〜10モル/
kgの範囲内の重合性不飽和基含有量を有するものであ
ることが好適である。
【0062】上記ラジカル重合性ポリマーとしては、エ
チレン性不飽和基含有ポリマーが包含され、具体的に
は、例えば、ポリエステルに(メタ)アクリル酸を縮合
させたエチレン性不飽和基含有ポリエステルポリマー、
エチレン性不飽和基含有ポリウレタン、エチレン性不飽
和基含有エポキシポリマー、エチレン性不飽和基とリン
酸エステル基を含有するエポキシポリマー、エチレン性
不飽和基含有アクリルポリマー、エチレン性不飽和基含
有シリコンポリマー、エチレン性不飽和基含有メラミン
−ホルムアルデヒド縮合物などが挙げられる。
【0063】前記ラジカル重合性ビニルモノマーとして
は、ラジカル重合性不飽和モノマーのみではなく、ラジ
カル重合性不飽和オリゴマーも包含され、具体的には次
に例示するものを挙げることができる。
【0064】ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸
ブチル(n−,i−,t−)、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル
(n−,i−,t−)、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリ
ル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル又はシクロア
ルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリ
ル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、
メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸又はメタク
リル酸のアルコキシアルキルエステルなどのアクリル酸
またはメタクリル酸と炭素原子数1〜28個の1価アル
コールとのエステル化物:スチレン、ビニルトルエン、
メチルスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼンな
どのビニル芳香族化合物;アクリル酸、メタクリル酸な
どのカルボキシル基含有モノマー;2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどの水酸基含有モノマ
ー;ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネートな
どのポリイソシアネートと上記水酸基含有モノマーとの
付加物、リン酸と上記水酸基含有モノマーとの付加物;
ビニルピロリドン、ビニルピリジンなどの含窒素複素環
を有する不飽和モノマー;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビ
ニルイソブチルエーテル、メチルビニルエーテル、アク
リロニトリル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなど
のその他のビニル化合物などが挙げられる。
【0065】またラジカル重合性不飽和オリゴマーとし
ては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、グリセリンジ(メタ)
アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソシア
ヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジア
クリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)アクリ
レート、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタ
ンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス(ヒド
ロキシメチル)エタントリ(メタ)アクリレート[本発
明において、各化合物の語尾の「(メタ)アクリレー
ト」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味す
る。]などのジ−、トリ−もしくはテトラ−ビニル化合
物などのポリビニル化合物;エチレングリコール、グリ
セリン、ブチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオールなどの多価アルコールとエチ
レンオキシドまたはプロピレンオキシドとの付加物に、
アクリル酸および/又はメタクリル酸を反応せしめた生
成物;上記多価アルコールとε−カプロラクトンとの付
加物に、アクリル酸および/又はメタクリル酸を反応せ
しめた生成物;含リン重合性不飽和オリゴマーなどが挙
げられる。
【0066】上記エチレン性不飽和基含有ポリマー、ラ
ジカル重合性不飽和モノマー及びラジカル重合性不飽和
オリゴマーは単独で又は2種以上混合して使用できる。
上記光重合性不飽和化合物を配合する場合、その配合量
は、通常、〔A〕及び〔B〕成分の合計量100重量部
に基いて、100重量部以下の範囲であることが好適で
ある。
【0067】本発明組成物中に必要に応じて含有できる
上記酸触媒は、〔A〕成分中のオルトエステル基を脱ブ
ロック化して水酸基を再生する反応を促進するための触
媒であり、特に制限されるものではなく、例えば、塩
酸、硫酸、硝酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンジスルホン酸などのスルホン酸化合物;上記スルホ
ン酸化合物のアミンなどの塩基による中和物;上記スル
ホン酸化合物と、n−プロパノール、 n−ブタノー
ル、 n−ヘキサノール、n−オクタノール、イソプロ
パノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オ
クタノール、シクロヘキサノールなどの第1級又は第2
級アルコール類とのエステル化物;上記スルホン酸化合
物と、酢酸グリシジル、ブチルグリシジルエーテルなど
のオキシラン基含有化合物との反応によって得られるβ
−ヒドロキシアルキルスルホン酸エステル類;蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、オク
タン酸などのカルボン酸;リン酸モノブチル、リン酸ジ
ブチル、リン酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプロピ
ル、リン酸モノオクチル、リン酸ジオクチル、リン酸モ
ノデシル、リン酸ジデシル、メタリン酸、オルトリン
酸、ピロリン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸ト
リブトキシエチル、トリス・クロロエチルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ートなどの有機リン酸系化合物;サイラキュアUVI−
6970、同UVI−6974、同UVI−6990
(以上、いずれも米国ユニオンカーバイド社製)、イルガ
キュア261、同264(以上、いずれもチバ・スペシ
ャリティ・ケミカルズ社製)、CIT−1682(日本
曹達(株)製)、BBI−102(みどり化学社製)、ア
デカオプトマーSP−150、同SP−170(以上、
いずれも旭電化社製)などの活性エネルギー線の照射に
よって酸を発生する光潜在性酸発生剤;ルイス酸などを
挙げることができる。これらの酸触媒は、それぞれ単独
で又は2種以上を組合せて合せて使用でき、配合する場
合には、その配合量は、本発明組成物における前記
〔A〕及び〔B〕成分の合計量100重量部に基いて、
10重量部以下、好ましくは0.1〜5重量部の範囲内
にあることが好ましい。
【0068】本発明組成物中に必要に応じて含有できる
光増感促進剤は、前記光ラジカル重合開始剤による光重
合反応を促進させるものである。該光増感促進剤として
は、例えばトリエチルアミン、トリエタノールアミン、
ジメチルアミノエタノール等の3級アミン系;トリフェ
ニルホスフィン等のアルキルホスフィン系;β−チオジ
グリコール等のチオエーテル系光増感促進剤が挙げられ
る。これらの光増感促進剤は、それぞれ単独で又は2種
以上を組合せて合せて使用でき、配合する場合には、そ
の配合量は、本発明組成物における前記〔A〕〕及び
〔B〕成分の合計量100重量部に基いて、0.1〜1
0重量部の範囲内にあることが好ましい。
【0069】本発明組成物は、通常、無溶剤又は有機溶
剤型の組成物とされ、有機溶剤型の組成物とする場合の
有機溶剤としては、本発明組成物の各成分を溶解又は分
散できるものが使用でき、例えば、ヘプタン、トルエ
ン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化
水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブ
チル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、 sec−ブタノール、イソ
ブタノール等のアルコール系溶剤;n−ブチルエーテ
ル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテ
ル系;スワゾール310、スワゾール1000、スワゾ
ール1500(以上、いずれもコスモ石油社製)、SH
ELLSOL A(シェルゾールA、シェル化学社製)
等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができる。これら
の有機溶剤は1種で又は2種以上を組合せて使用するこ
とができる。
【0070】本発明組成物中に必要に応じて配合される
上記硬化触媒は、本発明組成物の硬化反応を促進するも
のであり、その配合量は、本発明組成物における前記
〔A〕及び〔B〕成分の合計量100重量部に基いて、
通常、5量部以下の範囲内で使用することが適してい
る。硬化触媒の種類は、水酸基と反応可能な基を有する
重合性不飽和化合物〔B〕中の、水酸基と反応可能な基
の種類に応じて選択して使用することができる。
【0071】水酸基と反応可能な基がイソシアナト基で
ある場合には、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ
(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−
エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジアセテート、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオ
クチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有
機金属触媒などを挙げることができる。
【0072】水酸基と反応可能な基がN−メチロール基
又はN−アルコキシメチル基である場合には、硬化触媒
として、りん酸、スルホン酸化合物又はスルホン酸化合
物のアミン中和物が好適に用いられる。スルホン酸化合
物の代表例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン
酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げること
ができる。スルホン酸化合物のアミン中和物におけるア
ミンとしては、1級アミン、2級アミン、3級アミンの
いずれであってもよい。
【0073】水酸基と反応可能な基がエポキシ基である
場合の硬化触媒としては、例えば、テトラキス(アセチ
ルアセトナト)ジルコニウム、コバルトアセチルアセト
ナト、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、マ
ンガンアセチルアセトナトなどのキレート化合物;β−
ヒドロキシアミノ構造を有する化合物と酸化鉛(II)の
キレート化反応物;2−エチルヘキサン酸鉛、セカノイ
ック鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛、酢酸鉛、乳酸
鉛、オクチル酸ジルコニウムなどの金属カルボキシレー
ト;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−イソ
プロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール化合物な
どが挙げられる。
【0074】水酸基と反応可能な基がアルコキシシリル
基である場合の硬化触媒としては、例えば、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ジノニル
ナフタレンスルホン酸、トリフルオロスルホン酸などの
有機スルホン酸化合物;これらの有機スルホン酸化合物
のアミン中和物;リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、
リン酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプロピル、リン
酸モノオクチル、リン酸ジオクチル、リン酸モノデシ
ル、リン酸ジデシル、メタリン酸、オルトリン酸、ピロ
リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸
トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリブトキシ
エチル、トリス・クロロエチルホスフェート、トリフェ
ニルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのリ
ン酸系化合物などを挙げることができる。
【0075】水酸基と反応可能な基が酸無水基である場
合の硬化触媒としては、例えば、テトラエチルアンモニ
ウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイ
ド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチ
ルアンモニウムフルオライド、テトラブチルホスフォニ
ウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスフォニウム
クロライド、n−ドデシルトリブチルアンモニウムブロ
マイドなどの4級塩触媒;トリエチルアミン、トリブチ
ルアミンなどのアミン類などを挙げることができる。
【0076】本発明組成物に必要に応じて配合される顔
料としては、チタン白、カーボンブラック、ベンガラ、
チタン黄などの無機着色顔料;キナクリドンレッド、ア
ゾレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリ
ーン、有機黄色顔料などの有機着色顔料;アルミニウム
粉、光輝性マイカ粉、光輝性グラファイトなどの光輝性
顔料などの着色顔料;シリカ粉末、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、マイカ、クレー、タルクなどの体質顔料;
カルシウムイオン交換シリカ、リン酸塩系防錆顔料、ク
ロム酸塩系顔料などの防錆顔料などを挙げることができ
る。顔料の配合量は、本発明組成物における活性エネル
ギー線照射による光ラジカル反応に基く硬化反応を阻害
しない範囲内で使用することができる。顔料の配合量
は、〔A〕及び〔B〕成分の合計100重量部に基い
て、通常、200重量部以下、特に100重量部以下の
範囲内であることが適している。
【0077】本発明の硬化性組成物は、塗料組成物、接
着剤、インキなどの用途、なかでも、塗料組成物として
好適に使用することができる。
【0078】硬化塗膜の形成方法 本発明の硬化性組成物を使用して硬化塗膜を形成する方
法について以下に説明する。
【0079】本発明の硬化性組成物を塗装して塗膜形成
できる被塗物としては、例えば、鉄、亜鉛、アルミニウ
ム、銅、ティンフリースチール、ブリキ、亜鉛メッキ鋼
板、亜鉛と他の金属との合金メッキ鋼板などの金属板;
これらの金属にリン酸塩処理やクロメート処理を施した
化成処理金属板;これらの金属板や化成処理金属板に、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹
脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルな
どの樹脂フィルムが積層されてなる樹脂フィルム積層金
属板;これらの金属板、化成処理金属板又は樹脂フィル
ム積層金属板を加工してなる自動車車体、缶などの成型
物;木材、プラスチックス、コンクリート;これらの各
種基材の表面に塗膜が形成されてなる塗装基材などを挙
げることができる。
【0080】本発明組成物は、例えば、ロールコート塗
装、スプレー塗装、ハケ塗り、バーコート塗装、ローラ
ー塗り、シルクスクリーン印刷などの方法によって塗装
することができる。本発明組成物を塗装する場合の乾燥
塗膜厚は、良好な塗膜外観、硬化性などが得られる範囲
内において適宜選択すればよいが、通常、乾燥塗膜厚と
して約2〜80μmとなる範囲であり、缶の塗装に用い
る場合には、通常、約2〜20μm、自動車車体の塗装
に用いる場合には、通常、約20〜80μmの範囲内が
好ましい。
【0081】本発明組成物は、紫外線などの活性エネル
ギー線照射と加熱の両者によって硬化させることができ
る。活性エネルギー線と加熱による硬化は同時に行って
もよいし、また逐次に行ってもよく、その際の順序は特
に制限されるものではないが、本発明発明組成物を塗布
後、塗膜が溶剤を含有する場合は、エアブロー、加熱な
どにより溶剤を除去した後、活性エネルギー線照射し、
必要に応じて加熱することによって硬化させることがで
きる。また、塗膜が溶剤を含有しない場合は、溶剤の除
去工程を省略できる。また、活性エネルギー線照射の際
に活性エネルギー線による加熱が十分に行われる場合に
は、別途の加熱を省略することができる。また、スプレ
ー塗装などによって本発明組成物を噴霧塗装する場合に
は、飛行中の塗料粒子、塗着直後の塗膜に紫外線を照射
して塗着した塗膜の粘度を上げて塗膜のタレを防止する
こともできる。
【0082】活性エネルギー線の照射条件は、塗布され
た硬化性組成物の種類や膜厚に応じて適宜選択すればよ
いが、照射する紫外線の波長としては、通常、200〜
450nmの範囲内が適当であり、感度の高い波長を有
する照射源を適宜選択して使用することができる。
【0083】活性エネルギー線の照射源としては、高圧
水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カー
ボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げ
ることができ、被膜への照射条件は、通常、線量が1〜
1000mj/cm2、特に50〜500mj/cm2
なる範囲が適している。
【0084】本発明の硬化性組成物を硬化させるための
加熱条件は、硬化剤〔B〕の種類などに応じて変えるこ
とができ、特に限定されるものではないが、通常、5分
間以上の加熱時間の場合には、通常、60〜180℃が
好適であり、5分間未満の硬化時間の場合には、通常、
60〜300℃が適当である。
【0085】本発明の硬化性組成物を塗料として使用す
る場合、プライマー塗料、中塗塗料、上塗着色塗料、上
塗クリヤ塗料のいずれにも使用可能であるが、なかでも
上塗クリヤ塗料として使用することが好適である。
【0086】本発明の硬化性組成物を上塗クリヤ塗料と
して使用する場合、上塗塗膜を形成する素材に、通常、
着色ベースコート、又はインキ層を形成し、その上に上
塗クリヤ塗料を形成する。上記上塗クリヤ塗料は、通
常、着色顔料を含有しないものであるが、必要に応じ
て、着色ベースコートが隠蔽されてしまわない程度で着
色顔料を配合することができる。
【0087】上記上塗塗膜を形成する素材としては、金
属板、例えば、化成処理した鋼板(メッキ鋼板も包含す
る)にプライマーを例えば、電着塗装、ロールコート塗
装又はスプレー塗装などにより形成し、必要に応じて中
塗り塗料を塗装した素材、各種プラスチック素材(必要
に応じて表面処理、プライマー塗装、中塗り塗装等を行
なったもの)、ポリエステルフィルムをラミネートした
金属板、これらのものが組み合わさった複合部材等が挙
げられる。
【0088】自動車車体に上塗塗膜を形成するには、自
動車工業分野で公知の上塗塗装系、素材に、例えば、着
色ベースコート/クリヤトップコートを2コート1ベー
ク方式又は2コート2ベーク方式等で形成する方法;着
色ベースコート/クリヤトップコート/クリヤトップコ
ートを3コート1ベーク方式又は3コート2ベーク方式
等で形成する方法等が適用できる。本発明の硬化性組成
物を上記2コート1ベーク方式におけるクリヤトップコ
ートとして用いる場合、前記素材上に、着色ベースコー
ト用塗料をスプレー塗装などの常法で塗装する。
【0089】着色ベースコート用塗料としては、着色顔
料を配合した前記本発明の硬化性組成物を使用してもよ
いし、従来から上塗塗膜形成に使用されている、それ自
体既知の着色ベースコート用塗料を使用してもよい。そ
れ自体既知の着色ベースコート用塗料としては、例え
ば、アクリル樹脂/アミノ樹脂(メラミン樹脂など、以
下同じ)系、アルキド樹脂/アミノ樹脂系、ポリエステ
ル樹脂アミノ樹脂系、アクリル樹脂/ポリイソシアネー
ト系、アルキド樹脂/ポリイソシアネート系、ポリエス
テル樹脂/ポリイソシアネート系などを硬化樹脂成分と
し、このものに前記着色顔料を配合してなる塗料が挙げ
られる。これらのそれ自体既知の着色ベースコート用塗
料の形態は、特に制限されず、有機溶剤、非水分散液
型、水溶液型、水分散液型、高固形分型、粉体型などの
任意の形態のものが使用できる。
【0090】着色ベースコート用塗料をスプレー塗装す
る場合に用いる塗装機としては、通常のエアスプレーガ
ン、エアレススプレーガン、エアスプレー方式静電塗装
機、エアレススプレー方式静電塗装機、回転霧化式静電
塗装機などを用いることができる。着色ベースコート用
塗料の膜厚は約10〜30μm(硬化後)の範囲が好ま
しい。着色ベースコート用塗料を塗装した後、数分間室
温に放置するか、約50〜80℃の範囲の温度で数分間
強制乾燥するかした後、本発明の硬化性組成物であるク
リヤトップコート用塗料を塗装する。
【0091】クリヤトップコート用塗料の塗装方法及び
塗装機としては、着色ベースコート用塗料の場合と同様
のものを使用することができる。クリヤトップコート用
塗料の膜厚は約20〜80μm(硬化後)の範囲が好ま
しい。
【0092】ついで、着色ベースコート塗装塗膜とクリ
ヤトップコート塗装塗膜の両者を加熱し、ついで活性エ
ネルギー線照射を行うことにより硬化させる。この場合
の加熱条件は、通常、約100〜180℃の温度で10
〜60分間程度が好適である。活性エネルギー線の照射
条件は、前記した照射条件の範囲内にあることが好適で
ある。
【0093】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。以下において、「部」及び
「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」を意味す
る。
【0094】ポリオルトエステル(A)の製造 製造例1 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び溶剤回収装置を備え
た反応装置に、オルトギ酸メチル424部、2−ブチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール640部、ペ
ンタエリスリトール136部及び90%ギ酸水溶液4部
を仕込み、アルコール交換反応により生成するメタノー
ルを留去しながら約85℃に1時間保持した。その後、
2時間かけて190℃まで昇温して365部のメタノー
ルを回収し、無色透明で液状のポリオルトエステル(A
−1)を得た。得られたポリオルトエステル(A−1)
は、ガードナー粘度X+ 、重量平均分子量1540であ
った。
【0095】製造例2 撹拌機、冷却器、温度制御装置、水分離器、精留塔、窒
素導入管及び溶剤回収装置を備えた反応装置に、1,6
−ヘキサンジオール161部、1,4−ジメチロールシ
クロヘキサン351部、トリメチロールプロパン146
部、アジピン酸114部、ヘキサヒドロ無水フタル酸3
00部及びイソフタル酸243部を仕込み、反応容器内
の窒素置換を行った後、昇温を始め170℃から230
℃へ3時間かけて縮合水を除きながら一定速度で昇温
し、ついで230℃に1時間保持した。その後、キシレ
ン50部を添加し230℃に保持したまま水分離器によ
り縮合水を除きながら、さらに3時間反応を進め、つい
で冷却し、キシレン464部を添加して、不揮発分約6
9%、ガードナー粘度(20℃)X のポリエステル溶
液(PE−1)を得た。得られた樹脂(固形分)は、樹
脂酸価6.5mgKOH/g、水酸基価120mgKO
H/g、数平均分子量1,800、重量平均分子量5,
200であった。撹拌機、冷却器、温度制御装置及び溶
剤回収装置を備えた反応装置に、オルトギ酸メチル10
6部、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ール160部、上記のポリエステル溶液(PE−1)
668部を仕込み、アルコール交換反応により生成する
メタノールを留去しながら約85℃に1時間保持した。
その後、2時間かけて190℃まで昇温して91部のメ
タノールを回収し、無色透明で液状のポリオルトエステ
ル(A−2)を得た。得られたポリオルトエステル(A
−2)は、ガードナー粘度Z 、重量平均分子量695
0であった。
【0096】硬化剤の合成 合成例1 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、メチルイソブチルケトン26
9部を仕込み、反応容器内の窒素置換を行い、加熱して
110℃に保持した。この中に、グリシジルメタクリレ
ート1000部及びアゾビスイソブチロニトリル80部
からなる混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、
110℃で30分間熟成し、次にメチルイソブチルケト
ン75部及びアゾビスイソブチロニトリル5部からなる
混合液を1時間かけて滴下し、110℃に30分間保持
し、固形分70%のエポキシ基含有樹脂溶液(ER−
1)を得た。得られたエポキシ基含有樹脂(固形分)
は、重量平均分子量4100、エポキシ当量142であ
った。
【0097】合成例2 撹拌機、冷却器、温度制御装置、窒素導入管及び滴下ロ
ートを備えた反応装置に、トルエン269部を仕込み、
反応容器内の窒素置換を行い、加熱して105℃に保持
した。この中に、γ−メタクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン1000部及びアゾビスイソブチロニ
トリル80部からなる混合物を3時間かけて滴下した。
滴下終了後、110℃で30分間熟成し、次にトルエン
75部及びアゾビスイソブチロニトリル5部からなる混
合液を1時間かけて滴下し105℃に30分間保持し、
固形分70%のトリメトキシシリル基含有樹脂溶液(S
I−2)を得た。得られた樹脂(固形分)は、重量平均
分子量4700であった。
【0098】水酸基と反応可能な基を有する光重合性不
飽和化合物(B)の製造 製造例3 撹拌機、冷却器、温度制御装置、空気吹き込み管を備え
た反応装置に、ヘキサメトキシメラミン350部、2−
ヒドロキシエチルアクリレート348部、ハイドロキノ
ン6部、p−トルエンスルホン酸の1水和物3部、トル
エン140部を仕込み、約70〜80℃でメタノールを
留去しながら6時間撹拌し、メタノール90部を回収し
た。この反応生成物にメチルイソブチルケトン100部
を加えて冷却し、固形分70%、ガードナー粘度(20
℃)D の重合性不飽和基含有メラミン化合物溶液(B
−1)を得た。このメラミン化合物(固形分)は、重合
性不飽和基含有量5.0モル/kgであった。
【0099】製造例4 合成例1で得た固形分70%のエポキシ基含有樹脂溶液
(ER−1)に、アクリル酸252部、テトラブチルア
ンモニウムブロマイド6部、ハイドロキノン1部及びメ
チルイソブチルケトン101部を仕込み、液相に空気を
吹き込みながら105℃で6時間撹拌して、固形分70
%、ガードナー粘度(20℃)S の樹脂溶液(B−
2)を得た。得られた樹脂(固形分)は、エポキシ基含
有量が0モル/kgであってエポキシ基は消失してお
り、また重合性不飽和基含有量2.8モル/Kg、重量
平均分子量4300であった。
【0100】製造例5 撹拌機、冷却器、温度制御装置、空気吹き込み管を備え
た反応装置に、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリ
イソシアヌレート体(住友バイエルウレタン社製の「デ
スモジュールN−3300」)1000部、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート232部、p−メトキシフェノ
ール2部、「ネオスタンU−100」(日東化成社製、
有機錫触媒)0.5部、メチルイソブチルケトン528
部を仕込み、液相に空気を吹き込みながら、80℃で6
時間撹拌し、固形分70%、ガードナー粘度(20℃)
V の重合性不飽和基含有イソシアネート化合物溶液
(B−3)を得た。得られた化合物(固形分)の重合性
不飽和基含有量1.6モル/kg、NCO含有量は1
0.5%であった。
【0101】製造例6 合成例2で得たトリメトキシシリル基含有樹脂溶液(S
I−4)に2−ヒドロキシエチルアクリレート116
部、「スミジュールBHT」(住友化学社製、重合禁止
剤)1部、90%ギ酸水溶液8部及びトルエン36部を
仕込み、液相に空気を吹き込みメタノールを留去しなが
ら105℃で6時間撹拌し32部のメタノールを回収し
て、固形分70%、ガードナー粘度(20℃)R の重
合性不飽和基及びアルコキシシリル基含有樹脂溶液(B
−4)を得た。得られた樹脂(固形分)の重合性不飽和
基含有量0.9モル/kgであった。
【0102】硬化性組成物の作成 実施例1 製造例1で得たポリオルトエステル(A−1) 100
部に、製造例3で得た固形分70%のメラミン化合物
(B−1)溶液274部、Nacure5543(「ネ
イキュア5543」、米国、キング・インダストリイズ
社製、スルホン酸塩系酸触媒溶液、有効成分約25%)
11.7部及びルシリンTPO(ドイツ国、BASF社
製、アシルフォスフィンオキサイド系光ラジカル重合開
始剤)2.9部を配合し、均一に混合して硬化性組成物
を得た。
【0103】実施例2〜5及び比較例1〜4 上記実施例1において、配合組成を後記表1に示すとお
りとする以外は実施例1と同様に行い各硬化性組成物を
得た。表1における(註)は下記の意味を有する。 (*1)デスモデュールN−3300:住友バイエルウ
レタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート
のトリイソシアヌレート体。 (*2)サイメル300:三井サイテック社製、低分子
量メチルエーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂。
【0104】上記実施例1〜5及び比較例1〜4で得ら
れた各硬化性組成物について、下記試験方法に基づいて
試験を行った。これらの試験結果を後記表1に示す。試験方法 耐溶剤性:ミガキ冷延鋼板に、各硬化性組成物を乾燥膜
厚が約80μmとなるように塗布し、高圧水銀灯(16
0W/cm)を用い、塗装板との距離が15cmとなる
位置からエネルギー線量が300mJ/cm2となる条
件にて紫外線を照射し、続いて120または140℃で
30分間焼付けた。この焼付け塗膜の表面を、キシレン
をしみ込ませた3枚重ねのガーゼにて、塗面に約1kg
/cm2の荷重をかけて約5cmの長さの間を20往復
させた後の塗面状態を下記基準により評価した。 ○:塗膜に傷、ツヤボケがなく、良好 △:塗膜に傷又はツヤボケが少しあり、少し劣る ×:塗膜が溶解するか、又は塗膜に著しい傷が発生。
【0105】ゲル分率:テフロンシートに各硬化性組成
物を乾燥膜厚が約80μmとなるように塗布し、高圧水
銀灯(160W/cm)を用い、塗装板との距離が15
cmとなる位置からエネルギー線量が300mJ/cm
2となる条件にて紫外線を照射し、続いて120または
140℃で30分間焼付けた。この焼付け塗膜を剥離し
てフリー塗膜を得た。フリー塗膜をアセトン中にて、還
流下で6時間抽出を行い、抽出前後の塗膜重量から次式
に従ってゲル分率(%)を求めた。 ゲル分率(%)=(抽出後の塗膜重量/抽出前の塗膜重
量)×100 耐タレ性:垂直に立てたミガキ冷延鋼板に、各硬化性組
成物をスプレー塗装し、塗装直後に、高圧水銀灯(16
0W/cm)を用い、塗装板との距離が15cmとなる
位置からエネルギー線量が300mJ/cm2となる条
件にて紫外線を照射し、続いて塗装板を垂直にしたまま
140℃で30分間焼付けた。その焼付け塗装板の塗膜
のタレの状況を調べ下記基準にて評価した。塗装膜厚
は、乾燥膜厚で80μm及び150μmの2段階とし
た。 ○:塗膜にタレが認められない ×:塗膜にタレが認められる。
【0106】
【表1】
【0107】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物は、活性エネルギ
ー線照射による硬化不足の問題が改善され、かつ低粘度
化、高固形分化でき、活性エネルギー線照射と加熱の両
者によって硬化可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 75/04 C08L 75/04 83/06 83/06 101/06 101/06 Fターム(参考) 4J002 CF001 EA067 ED016 EE037 EE047 EE057 EF076 EH106 EL146 EP016 ER006 EV167 EV317 EV337 EW137 EX036 GH01 4J029 AB01 AB07 AE11 BA02 BA03 BA05 BA07 BA08 BA10 BB12A BB13A BD04A BE07 BF09 BF18 BF25 FC03 FC08 FC43 JB142 JE072 JE082 JE092 JE142 JE152 JE162 JE172 JE182 JE192 4J034 BA08 CA01 CA03 CA04 CA05 CC03 DA01 DF02 DF12 DP18 HA01 HA07 HA08 HC03 HC12 HC17 HC22 HD01 JA21 JA22 KC17 KD02 QA05 RA07 4J036 AJ03 AJ08 AJ13 AJ14 AJ16 BA09 DB02 DB17 DB25 FB09 GA26 HA02 JA01 KA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔A〕(a)下記式(1) 【化1】 式中、R1 は、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキ
    ル基を表し、3個のR2 は同一又は異なって、それぞれ
    炭素原子数1〜4のアルキル基を表す、 で示されるオルトエステル、 (b)α−グリコール及びβ−グリコールから選ばれる
    少なくとも1種のグリコール化合物、及び (c)1分子中に少なくとも2個の水酸基を有する上記
    (b)以外の水酸基含有化合物、を反応させてなるポリ
    オルトエステル、 〔B〕水酸基と反応可能な基を有する光重合性不飽和化
    合物及び 〔C〕光ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とす
    る硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 オルトエステル(a)が、オルトギ酸メ
    チル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル及びオルト
    酢酸エチルから選ばれる少なくとも1種の化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 グリコール化合物(b)が、下記式
    (2) 【化2】 式中、R3 、R4 、R5 及びR6 は同一又は異なって、
    それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜24のアルキル
    基、炭素原子数7〜24のアラルキル基又はフェニル
    基、或いはこれらの基の一部が酸素原子で置換されてな
    る基を表し、かつR3 、R4 、R5 及びR6 で表され
    る基の炭素原子数の合計は0〜24の範囲内にあり、ま
    たR4及びR5 はこれらが直接結合する炭素原子と一緒
    になって環状構造を形成していてもよい、 で示されるα−グリコール及び下記式(3) 【化3】 式中、R7 、R8 、R9 、R10、R11及びR12は、同一
    又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素原子数1〜2
    4のアルキル基、炭素原子数7〜24のアラルキル基又
    はフェニル基、或いはこれらの基の一部が酸素原子で置
    換されてなる基を表し、かつR7 、R8 、R9 、R10
    11及びR12で表される基の炭素原子数の合計は0〜2
    4の範囲内にあり、またR7 及びR9 、又はR7 、R9
    及びR11は、これらが直接結合する炭素原子と一緒にな
    って環状構造を形成していてもよい、 で示されるβ−グリコールから選ばれる少なくとも1種
    のグリコール化合物であることを特徴とする請求項1又
    は2記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 グリコール化合物(b)が、エチレング
    リコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ヘ
    キサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル
    −1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペ
    ンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオー
    ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−
    ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−ト
    リメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2
    −エチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる少な
    くとも1種の化合物である請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 水酸基含有化合物(c)が、分子量90
    〜100,000の範囲内にあり、かつ水酸基価が20
    〜1,850の範囲内にあることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 水酸基含有化合物(c)中の水酸基が、
    オルトエステル(a)とグリコール化合物(b)とで構
    成される5員環又は6員環のオルトエステルによってブ
    ロックされてなることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 水酸基と反応可能な基を有する重合性不
    飽和化合物〔B〕が、1分子中に少なくとも1個の重合
    性不飽和基と、イソシアナト基、エポキシ基、N−メチ
    ロール基、N−アルコキシメチル基、アルコキシシリル
    基及びカルボン酸無水基から選ばれる少なくとも1種の
    水酸基と反応性を有する基を有する化合物である請求項
    1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 ポリオルトエステル〔A〕、水酸基と反
    応可能な基を有する光重合性不飽和化合物〔B〕及び光
    ラジカル重合開始剤〔C〕の配合割合が、〔A〕及び
    〔B〕成分の固形分合計100重量部に基いて、〔A〕
    成分が5〜95重量部及び〔B〕成分が5〜95重量部
    の範囲内にあり、〔C〕成分が0.01〜30重量部の
    範囲内にある請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化
    性組成物。
  9. 【請求項9】 水酸基含有ポリマーをさらに含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬
    化性組成物。
  10. 【請求項10】 水酸基と反応性を有する基を1分子中
    に2個以上有する硬化剤をさらに含有することを特徴と
    する請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成
    物。
  11. 【請求項11】 酸触媒をさらに含有することを特徴と
    する請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化性組成
    物。
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