JP2001151567A - 結晶配向ビスマス層状ペロブスカイト型磁器組成物及びその製造方法 - Google Patents

結晶配向ビスマス層状ペロブスカイト型磁器組成物及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電特性が大きく、焼結体密度及び配向度の
ばらつきが小さい結晶配向ビスマス層状ペロブスカイト
型磁器組成物を提供すること。また、組成が複雑であっ
ても、高圧電特性、高密度及び高配向度を有する均一か
つ大型の配向焼結体を安価に製造可能な結晶配向ビスマ
ス層状ペロブスカイト型磁器組成物の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 ビスマス層状ペロブスカイト型化合物の
擬正方{001}面が特定の軸方向にのみ平行となり、
かつ、軸配向度Q’が30%以上となるように、多結晶
体を構成する各結晶粒を配向させる。このような配向焼
結体は、板状のホスト材料とゲスト材料を含む原料から
ホスト材料が軸配向した成形体を作製し、ホスト材料の
配向性を承継させながらビスマス層状ペロブスカイト型
化合物の板状結晶を一方向に成長させることにより得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶配向ビスマス
層状ペロブスカイト型磁器組成物及びその製造方法に関
し、更に詳しくは、振動ピックアップ、圧電マイクロホ
ン、圧電点火素子、加速度センサ、ノッキングセンサ、
ソナー、超音波センサ、発振子、フィルタ、焦電型赤外
線センサ等に用いられる圧電、焦電材料として好適な結
晶配向ビスマス層状ペロブスカイト型磁器組成物及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスマス層状ペロブスカイト型化合物
は、一般式(Bi2+(Am−
3m+12+で表される化合物であり、その多くは、
誘電率が低く、かつキュリー温度が高い強誘電体として
知られている。その結晶構造は、BO酸素八面体が頂
点共有した状態でc軸方向にm個積み重なった擬ペロブ
スカイト層と、Bi層とがc軸方向に交互に重な
りあった層状構造を呈し、正方晶から僅かに歪んだ構造
になっている。
【0003】また、ビスマス層状ペロブスカイト型化合
物の自発分極は、一般に擬正方{001}面内又は擬正
方{001}面内から擬正方<001>方向に僅かに向
きを変えた面内にあり、外部電界により、その面内で回
転あるいは反転するのみである。そのため、ビスマス層
状ペロブスカイト型化合物は、BaTiO、Pb(Z
r、Ti)O等、自発分極が三次元的に配向するペロ
ブスカイト型強誘電体に比較して、圧電、焦電特性の異
方性が大きいという特徴を有している。
【0004】従って、単純酸化物、炭酸塩等の原料粉末
を化学量論組成となるように混合し、仮焼、粉砕及び成
形を経て常圧焼結させる通常の焼結法(以下、これを
「通常焼結法」という。)を用いてビスマス層状ペロブ
スカイト型化合物の焼結体を作製すると、各結晶粒は擬
正方{001}面の発達した板状結晶となり、しかも板
状結晶が等方的に成長する。そのため、通常焼結法で
は、高い焼結体密度を有する焼結体は得られない。ま
た、得られた焼結体は、各結晶粒が無配向となるために
十分な分極処理が困難となり、大きな圧電性、焦電性は
期待できない。
【0005】例えば、Japanese J. Appl. Phys.、 Vol.1
3、 No.10、 1582-77(1974)には、代表的なビスマス層状
ペロブスカイト型化合物であり、圧電性を有するPbB
Ti15、SrBiTi15及びNa
0.5Bi4.5Ti15を通常焼結法を用いて焼
結させた例が報告されている。しかし、相対密度は、そ
れぞれ、92.5%、91.3%及び92.8%、厚み
モードの電気機械結合係数(k)は、それぞれ、0.
072、0.22及び0.15であり、低い値にとどま
っている。
【0006】そこで、この問題を解決するために、異方
性を有する強誘電体化合物の焼結体を作製する際に、各
結晶粒を一方向に配向させ、これによって焼結体密度及
び圧電定数等の諸特性を向上させる種々の方法が提案さ
れている。
【0007】例えば、Sensors Materials, vol.1, 34-4
6(1988)には、ビスマス層状ペロブスカイト型化合物の
一種である(NaBi)(1−x)/2CaBi
15(但し、x=0〜0.05)にMnを0〜1
wt%添加し、ホットフォージング法を用いて焼結させ
た例が報告されている。この方法によれば、相対密度9
2〜96%、ロットゲーリングの配向度90%以上、電
気機械結合係数(k )0.30以上である配向焼結
体が得られている。
【0008】また、窯業協会誌、93巻、485(19
85)には、フラックス法を用いて合成された板状Bi
Ti12粉末を原料粉末に用いて、ドクターブレ
ード法により厚さ0.2mm程度のテープに成形し、こ
れを積層して焼結させた例が報告されている。この方法
によれば、相対密度95%以上、(117)面と(00
6)面のピーク高さ比(=I006/(I006+I
117))で定義される配向度0.8であるBiTi
12の配向焼結体が得られている。
【0009】さらに、Proceedings of ISAF '96', P493
-946(1996)には、板状BiTi12粉末とBi
Ti12微粒子とを、板状粒子が微粒子の5〜10
体積%となる割合で混合し、テープ成形で板状粒子を配
向させ、このテープを積層して900〜1100℃で焼
結させた例が報告されている。この方法によれば、ロッ
トゲーリングの配向度95%以上である結晶配向Bi
Ti12焼結体が得られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ホットフォージング法
は、加圧装置を備えた焼結炉を用いて、まず通常焼結法
により試料を十分に焼結させ、次いでその温度を保持し
ながら、加圧装置により試料を一軸加圧し、加圧方向と
垂直な方向に試料を自由に塑性変形させるプロセスであ
る。
【0011】層状化合物は、一般に層間の結合力が層面
内の結合力に比べて弱いので、通常焼結法によって板状
結晶が任意方向に成長したビスマス層状ペロブスカイト
型化合物の多結晶体を一軸加圧すると、擬正方{00
1}面内及び結晶粒界ですべりが生じ、擬正方{00
1}面が圧力に垂直な方向に配向した集合組織を持つ配
向焼結体を得ることができる。
【0012】そのため、ホットフォージング法を用いて
圧電性ビスマス層状ペロブスカイト型化合物を焼結さ
せ、加圧軸と垂直な方向に電界を印加すれば、通常焼結
法で得られた無配向焼結体よりも高い圧電特性、焦電特
性を発現する。また、加圧により緻密化が進行するの
で、通常焼結法に比して高い焼結体密度が得られる。
【0013】しかしながら、ホットフォージング法を用
いて高い配向度を有する配向焼結体を得るには、図8に
示すように、熱間にて加圧治具21、22を用いて試料
9を一軸加圧し、試料9に大きな塑性変形を生じさせる
必要がある。そのため、大きな試料を作製することは困
難であり、生産性も低い。
【0014】また、図8(b)に示すように、ホットフ
ォージング中の試料9内部の応力分布は均一にはならな
い。そのため、試料9の厚さ方向及び径方向に大きな配
向度及び密度のばらつきが生じるという問題がある。す
なわち、試料9の表面よりも内部の方が低配向度とな
り、試料9の中心部よりも周辺部の方が低配向度とな
る。また、試料9の中心部よりも周辺部の方が圧力がか
かりにくいので、周辺部は低密度になりやすく、亀裂も
発生しやすい。
【0015】従って、ホットフォージング法は、配向焼
結体を得ることは可能であるが、高コストとなる。ま
た、製品の密度と配向度の観点からも歩留まりの高いプ
ロセスではなく、量産には適さない方法である。
【0016】一方、テープ成形法は、ドクターブレード
法を用いてテープ状に成形する際に、スラリー中に含ま
れる板状粒子がブレードから剪断応力を受けるので、板
状粒子は、テープ面に対して平行に配向した状態とな
る。そのため、焼結法として常圧焼結法を用いた場合で
あっても、高配向度及び高密度を有する配向焼結体が得
られるという利点がある。
【0017】しかしながら、高配向度を有するテープを
得るには、テープ成形時にスラリーに強い剪断応力を付
与する必要がある。そのためには、ブレードの開きを狭
くする必要があり、その結果、テープの厚さは、きわめ
て薄くなる。従って、電界を印加する面(以下、これを
「電界印加面」という。)の面積が大きな配向焼結体を
得るには、薄いテープを多数積層する必要があり、工程
が煩雑となる。
【0018】また、上述したテープ成形法による配向焼
結体の製造方法においては、いずれも、配向焼結体と同
一組成を有する板状粉末をフラックス法により合成し、
この板状粉末を用いてテープ成形及び焼結を行ってい
る。この方法は、チタン酸ビスマス(BiTi
12)のように、金属元素を2種類しか含まない単純な
複酸化物の配向焼結体を得るには有利な方法である。
【0019】しかしながら、上述した、PbBiTi
15、SrBiTi15、Na0.5Bi
4.5Ti15等、金属元素を3種類以上含む複酸
化物の板状粉末をフラックス法により合成しようとする
と、元素比がずれやすく、所望の化学量論組成を有する
板状粉末を得るのは困難である。
【0020】本発明が解決しようとする課題は、圧電特
性が大きく、しかも、焼結体密度及び配向度のばらつき
が小さい結晶配向ビスマス層状ペロブスカイト型磁器組
成物を提供することにある。
【0021】また、本発明が解決しようとする他の課題
は、金属元素を3種類以上含む複雑な組成を有する化合
物であっても目的とする組成を有する配向焼結体が容易
に得られ、かつ、電界印加面の面積の大きな配向焼結体
を容易に製造でき、しかも、量産性に優れた結晶配向ビ
スマス層状ペロブスカイト型磁器組成物の製造方法を提
供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る結晶配向ビスマス層状ペロブスカイト型
磁器組成物は、ビスマス層状ペロブスカイト型化合物の
多結晶体からなり、該多結晶体を構成する各結晶粒の擬
正方{001}面が、特定の軸方向にのみ平行に配向
し、該特定の軸方向から測定された軸配向度Q’が30
%以上であることを要旨とするものである。
【0023】上記構成を有する本発明に係る結晶配向ビ
スマス層状ペロブスカイト型磁器組成物は、必ずしも各
結晶粒の擬正方{001}面同志が平行に揃ってはいな
いが、擬正方{001}面がある特定の軸方向にのみ平
行に配向した組織を呈している。このような配向組織を
有する配向焼結体であっても、その特定の軸方向に沿っ
て電界を印加すれば、十分な分極処理が可能となり、高
い圧電特性が得られる。
【0024】また、本発明に係る結晶配向ビスマス層状
ペロブスカイト型磁器組成物の製造方法は、形状異方性
を有するホスト材料と、該ホスト材料と反応してビスマ
ス層状ペロブスカイト型化合物を生成するゲスト材料と
を混合する混合工程と、該混合工程で得られた混合物を
押し出すことにより成形する成形工程と、該成形工程で
得られた成形体を熱処理し、前記ホスト材料の配向性を
承継させながらビスマス層状ペロブスカイト型化合物の
結晶を成長させる加熱工程とを備えていることを要旨と
するものである。
【0025】上記構成を有する本発明に係る結晶配向ビ
スマス層状ペロブスカイト型磁器組成物の製造方法は、
形状異方性を有するホスト材料を含む混合物を押し出す
ことにより成形しているので、混合物が流れる方向に対
してのみ、ホスト材料が平行に配向した成形体が得られ
る。また、このような成形体を加熱すると、ホスト材料
の配向性を承継させながらビスマス層状ペロブスカイト
型化合物の板状結晶が一方向に成長する。そのため、擬
正方{001}面が特定の軸方向にのみ平行に配向し、
高密度かつ高配向度を有する均一な配向焼結体を効率的
に製造することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて詳細に説明する。本発明に係る結晶配向ビスマス層
状ペロブスカイト型磁器組成物(以下、これを「配向磁
器組成物」という。)は、ビスマス層状ペロブスカイト
型化合物(以下、これを「BLP型化合物」という。)
の多結晶体からなっている。
【0027】ここで、BLP型化合物とは、上述したよ
うに、一般式(Bi2+(Am−1
3m+12−で表される化合物である。Aは、1価〜
3価の金属元素又はこれらの中から選ばれる2以上の金
属元素の混合物であり、Na、K等のアルカリ金属、C
a、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、Y、La、G
d、Nd等の希土類金属、Pb、Cd、Bi等の重金属
等が好適な一例として挙げられる。Bは、2〜6価の金
属元素であり、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Mo、
W、Mg、Zn、Mn、Fe、Co、Ni、Cr等の遷
移金属元素が好適な一例として挙げられる。また、m
は、1〜5までの整数である。
【0028】本発明においては、あらゆる組成のBLP
型化合物が対象となり、金属元素A及び金属元素Bの種
類は、特に限定されるものではないが、金属元素Bとし
てTi、Nb及びTaの内の少なくとも1種類を含むも
のが特に好適である。これらの金属元素Bを含むBLP
型化合物は、優れた圧電特性を示すので、配向した場合
の効果も大きくなるためである。
【0029】大きな配向効果が得られるBLP型化合物
としては、例えば、SrBiNb 、SrBi
Ta、BaBiNb、BaBiTa
、PbBiNb、PbBiTa
BaBiTiNbO12、PbBiTi
15、SrBiTi15、CaBiTi
15、BaBiTi15、Na0.5Bi
4.5Ti15、K0.5Bi 4。5Ti
15、SrBiTi18、BaBi
18、PbBiTi18等が好適な一例
として挙げられる。また、これらのBLP型化合物の
内、Pbを含まないものは、環境面からも望ましい圧電
材料となる。また、非鉛の圧電材料としては、高いキュ
リー温度を有し、温度特性に優れている。
【0030】また、本発明に係る配向磁器組成物は、多
結晶体を構成する各結晶粒の擬正方晶表示における{0
01}面が特定の軸方向にのみ平行に配向している点に
特徴がある。ここで、「擬正方晶表示」とは、一般にB
LP型化合物は、正方晶から僅かに歪んだ構造を有して
いるが、その歪みは僅かであるので、これを正方晶とみ
なしてミラー指数表示することをいう。
【0031】また、「特定の軸方向にのみ平行」である
とは、直交する3軸の内の1つの軸に対してのみ擬正方
{001}面が平行に配向(以下、このような配向状態
を「軸配向」という。)していることをいう。この点、
直交する3軸の内の2つの軸に対して擬正方{001}
面が平行に配向(以下、このような配向状態を「面配
向」という。)しているホットフォージング法による配
向焼結体やテープ成形法によるテープ積層体とは異な
る。
【0032】配向磁器組成物の軸配向の程度は、次の数
1の式で表される軸配向度Q’により表すことができ
る。
【0033】
【数1】
【0034】但し、数1の式において、ΣI(hkl)
は、配向磁器組成物におけるすべての結晶面(hkl)
からのX線回折強度の総和である。また、Σ’I(HK
L)は、配向磁器組成物における特定の結晶面(HK
L)(例えば、I(006)、I(008)、I(00
10)等の擬正方{001}面に平行な結晶面)からの
X線回折強度の総和である。一方、ΣI(hkl)及
びΣ’I(HKL)は、それぞれ、配向磁器組成物と
同一組成の同一化合物であり、かつ無配向の磁器組成物
について測定されたすべての結晶面(hkl)からのX
線回折強度の総和、及び特定の結晶面(HKL)からの
X線回折強度の総和である。
【0035】数1の式に示す軸配向度Q’の値は、無配
向の場合には0%、X線回折測定における回折面に平行
な特定の結晶面(HKL)が存在しない場合には100
%となる。また、特定の結晶面(HKL)が軸配向して
いる場合、軸配向の方向から測定された結晶面(HK
L)の軸配向度Q’の値は、これと直交する方向から測
定された軸配向度Q’の値よりも突出した値となる。
【0036】本発明に係る配向磁器組成物においては、
特定の軸方向から測定された擬正方{001}面の軸配
向度Q’が30%以上であることが望ましい。軸配向度
Q’が30%未満になると、十分な分極処理が困難とな
り、圧電特性が低下するので好ましくない。
【0037】なお、数1に示す軸配向度Q’は、特定の
結晶面(HKL)が回折面に垂直であることを直接的に
示す指標ではなく、間接的に示す指標ではあるが、簡便
な指標として用いることができる。また、特定の結晶面
(HKL)が回折面に対して垂直であることを直接的に
知る方法としては、例えば、ポールフィギュア法により
結晶面(HKL)の面内分布を測定する方法がある。
【0038】さらに、本発明に係る配向磁器組成物は、
相対密度95%以上の体積が95%以上を占めているこ
とを特徴とする。配向磁器組成物の密度が高く、かつ密
度ばらつきが少ない場合には、高い生産性が得られるだ
けでなく、製造時に試料に亀裂等の欠陥が発生しにくく
なる。そのため、本発明によれば、製品歩留が著しく向
上するという利点がある。なお、このような高密度かつ
均一な配向磁器組成物は、後述する本発明に係る製造方
法によって容易に得ることができる。
【0039】次に、本発明に係る配向磁器組成物の作用
について説明する。本発明に係る配向磁器組成物は、多
結晶体を構成する各結晶粒の擬正方{001}面が軸配
向しているので、軸配向の方向に沿って分極処理すれ
ば、各結晶粒の分極軸をほぼ一方向に揃えることができ
る。そのため、軸配向の方向に沿って電界を印加すれ
ば、同一組成を有する無配向のBLP型化合物よりも優
れた圧電特性、特に圧電d 33定数、圧電g33定数、
電気機械結合係数k33が得られる。例えば、本発明に
係る配向磁器組成物によれば、ノックセンサ等の加速度
センサに必要な圧電g定数は、低配向度の焼結体の1.
5〜4倍となる。
【0040】また、上述したような圧電特性の向上は、
本発明のように擬正方{001}面を軸配向させた場合
に限らず、面配向させた場合にも得られるものである。
しかしながら、擬正方{001}面を面配向させるため
には、ホットフォージング法やテープ成形法を用いる必
要があり、上述したような亀裂の発生、焼結体密度及び
配向度の不均一、並びにこれらに起因する製品歩留の低
下、さらには、工程が煩雑化することに起因する生産性
の低下等の問題は避けられない。
【0041】これに対し、擬正方{001}面が軸配向
した焼結体は、ホットフォージング法やテープ成形法を
用いることなく製造できる。そのため、亀裂の発生、焼
結体密度及び配向度の不均一、並びにこれらに起因する
製品歩留の低下が抑制される。また、製造工程が簡略化
されるので、生産性も向上する。
【0042】さらに、ホットフォージング法やテープ成
形法を用いる場合、本質的には、大きな体積を有する配
向焼結体を得るのは困難である。しかしながら、本発明
に係る配向磁器組成物は、これらの製造方法を用いるこ
となく製造可能なので、0.5cm以上の体積を有す
る大型の素子、特に電界印加面の面積の大きな素子であ
っても容易に製造できる。
【0043】次に、本発明に係る配向磁器組成物の製造
に用いられるホスト材料及びゲスト材料について説明す
る。本発明に係る配向磁器組成物の製造方法は、ホスト
材料を成形体中に配向させ、ホスト材料とゲスト材料を
反応させることにより、ホスト材料の配向性を承継させ
ながらBLP型化合物の板状結晶を一方向に成長させ、
これによって焼結体内部に所望の配向組織を導入する点
に特徴がある。
【0044】本発明に係る配向磁器組成物の製造を可能
とするためには、ホスト材料は、以下の条件を満たして
いる必要がある。まず第1に、ホスト材料は、形状異方
性を有している必要がある。形状異方性がないと、成形
時に所望の配向組織が得られないので好ましくない。具
体的には、針状あるいは板状であればよい。特に、板状
粒子は、比較的成形が容易であるので、ホスト材料の形
状として好適である。
【0045】ホスト材料が板状粉末である場合、そのア
スペクト比は、5以上であることが好ましい。板状粉末
のアスペクト比は、さらに好ましくは、10以上であ
る。また、長手方向の長さは、少なくとも0.5μm以
上であることが好ましく、さらに好ましくは、5μm以
上である。板状粉末のアスペクト比が小さく、かつ、長
手方向の長さが短い場合には、成形時に板状粉末に作用
する剪断応力が小さくなり、高い配向度が得られないの
で好ましくない。
【0046】第2に、ホスト材料は、ゲスト材料との反
応によって最終組成物であるBLP型化合物を生成可能
なものでなければならない。従って、ホスト材料は、必
ずしも最終組成物であるBLP型化合物と同一組成を有
する化合物である必要はない。むしろ、ホスト材料とし
ては、最終組成物よりも単純な組成を有する化合物又は
固溶体を用いた方が好ましい。これは、単純な組成を有
する化合物又は固溶体の方が、形状異方性を有する粉末
を合成する際に元素比のずれが起きにくく、所望の化学
量論組成を有する粉末が得やすいためである。
【0047】第3に、ホスト材料は、その配向性を承継
させながらBLP型化合物の板状結晶を成長させること
ができるものでなければならない。例えば、ホスト材料
が板状粉末である場合、ホスト材料は、板状粉末の最も
面積の広い面(以下、これを「発達面」という。)に対
してBLP型化合物の擬正方{001}面が平行となる
ように合成反応が生じる化合物又は固溶体でなければな
らない。
【0048】以上のような条件を満たす材料であれば、
いずれもホスト材料として用いることができる。このよ
うな条件を満たす材料としては、種々の化合物、固溶体
が挙げられるが、中でも、配向磁器組成物よりも単純な
組成を有するBLP型化合物は、ホスト材料として特に
好適である。
【0049】ホスト材料として用いるBLP型化合物
は、具体的には、配向磁器組成物より単純な組成を有す
る化合物であって、BiとBiを除く2〜6価の金属元
素のうち少なくとも1種類の金属元素Bを含むBLP型
化合物、あるいは、前者の構成元素に加え、さらにBi
を除く1〜3価の金属元素のうち少なくとも1種類の金
属元素Aを含むBLP型化合物、と定義することができ
る。
【0050】例えば、配向磁器組成物がBaBiTi
NbO12、PbBiTi 15、SrBi
15、CaBiTi15、BaBiTi
15、Na0.5Bi4。5Ti15、K
0.5Bi4。5Ti15、SrBiTi
18、BaBiTi18、PbBiTi
18等である場合には、ホスト材料として、チタン酸
ビスマス(BiTi 12)を用いることができ
る。また、例えば、配向磁器組成物がSrBiNb
、BaBiNb、PbBiNb
BaBiTiNbO12等である場合には、ホスト
材料として、ニオブ酸ビスマス(BiNb15
を用いることができる。
【0051】また、配向磁器組成物が2種以上の金属元
素Bを含んでいる場合には、2種以上のホスト材料を用
いても良い。例えば、配向磁器組成物がBaBiTi
NbO12である場合には、ホスト材料として、チタ
ン酸ビスマス及びニオブ酸ビスマスの双方を用いること
ができる。
【0052】その他、BiVO5.5、BiWO
など、Ti及びNb以外の金属元素Bを含むBLP型化
合物であっても、ホスト材料として使用可能である。さ
らに、金属元素Bを3種類含む複雑な組成を有する配向
磁器組成物を製造する場合には、金属元素Bを1種類含
むBLP型化合物及び/又は金属元素Bを2種類含むB
LP型化合物をホスト材料として用いることができる。
同様に、金属元素Bを4種類以上含む配向磁器組成物を
製造する場合には、最終組成物より単純な組成を有する
BLP型化合物であれば、いずれもホスト材料として用
いることができる。
【0053】また、ホスト材料の他の好適な一例として
は、ラドルスデン−ポッパー(Ruddlesden-Popper)型
層状ペロブスカイト化合物(以下、これを「RP型化合
物」という。)が挙げられる。例えば、配向磁器組成物
が金属元素A及び金属元素Bとして、それぞれ、Sr及
びTiを含むものである場合、ホスト材料には、Sr
TiO、SrTi、SrTi10など
を用いることができる。同様に、配向磁器組成物が金属
元素A及び金属元素Bとして、それぞれ、Ca及びTi
を含むものである場合、ホスト材料には、CaTi
、CaTi10などを用いることができる。
【0054】なお、このような形状及び組成を有するホ
スト材料は、ホスト材料の原料となる物質を液相又は気
相中で合成することにより、容易に得ることができる。
特に、アスペクト比の大きな板状粉末を得るには、高温
の融液中で合成するフラックス法、アルカリ水溶液と共
にオートクレーブ中で加熱する水熱法、過飽和溶液中で
析出させる析出法などを用いると良い。
【0055】次に、ゲスト材料について説明する。ゲス
ト材料は、上述したホスト材料と反応して、ビスマス層
状ペロブスカイト型化合物となるものであればよい。従
って、ゲスト材料に含まれる金属元素の種類は、配向磁
器組成物の組成とホスト材料の組成が定まれば、一義的
に定まる。
【0056】例えば、ホスト材料として、配向磁器組成
物より単純な組成を有するBLP型化合物を用いる場
合、ゲスト材料には、1〜3価の金属元素のうち少なく
とも1種類の金属元素A、及び2〜6価の金属元素のう
ち少なくとも1種類の金属元素Bを含む、1種又は2種
以上の原料が用いられる。この場合、ゲスト材料中の金
属元素A及び金属元素Bの比率は、配向磁器組成物中の
(Am−13m+ )構造が維持されるような比
率でなければならない。
【0057】なお、ゲスト材料は、単純酸化物の他、複
酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、有機酸
塩、アルコキシドなど、熱分解によって酸化物となり得
る原料であれば、いずれであっても良い。これらは、固
体や液体として使用しても良く、あるいは、水や有機溶
媒に溶解もしくは懸濁している状態又は錯体の状態で使
用しても良い。また、ゲスト材料として気相の原料を用
い、ホスト材料の表面に付着させて使用しても良い。さ
らに、ゲスト材料が固体である場合、その形状は、板
状、針状、等軸状等、いずれであっても良く、特に限定
されるものではない。
【0058】次に、本発明に係る配向磁器組成物の製造
方法について説明する。本発明に係る配向磁器組成物の
製造方法は、混合工程と、成形工程と、加熱工程とを備
えている。
【0059】初めに混合工程について説明する。混合工
程は、上述した形状異方性を有するホスト材料とゲスト
材料とを混合する工程である。ホスト材料及びゲスト材
料の混合比率は、目的とする配向磁器組成物が得られる
限り、任意に選択することができる。
【0060】但し、ホスト材料の混合比率が過少になる
と、焼結時に板状結晶が任意方向に成長しやすくなり、
得られる配向磁器組成物の配向度が低下するので好まし
くない。従って、配向磁器組成物中のBサイト元素の少
なくとも5%がホスト材料中のBサイト元素として供給
されるような混合比率とするのが望ましい。
【0061】例えば、配向磁器組成物がCaBiTi
15であり、ホスト材料としてチタン酸ビスマス板
状粉末(BiTi12)を用いる場合、ホスト材
料1モルに対し、ゲスト材料として、金属元素Aを含む
原料である炭酸カルシウム(CaCO)と金属元素B
を含む原料である酸化チタン(TiO)を各1モルず
つ混合する。あるいは、チタン酸カルシウム(CaTi
)のように金属元素Aと金属元素Bの両方を含む複
合酸化物をゲスト材料として用いても良い。
【0062】あるいは、ホスト材料であるチタン酸ビス
マス板状粉末(BiTi12)1モルに対し、ゲ
スト材料として、金属元素Aを含む原料である炭酸カル
シウム(CaCO)2モル及び酸化ビスマス(Bi
)2モル、並びに金属元素Bを含む原料である酸化
チタン(TiO)5モルを混合する。この場合、Ca
及びTiの一部をチタン酸カルシウム(CaTiO
として添加しても良い。
【0063】また、例えば、配向磁器組成物がSrBi
Nbであり、ホスト材料としてニオブ酸ビスマ
ス板状粉末(BiNb15)を用いる場合、ホス
ト材料0.4モルに対し、ゲスト材料として、金属元素
Aを含む原料である炭酸ストロンチウム(SrCO
1モルと、金属元素Bを含む原料である酸化ニオブ(N
)0.4モルを混合する。
【0064】また、例えば、配向磁器組成物がBaBi
TiNbO12のように、TiとNbの2種類のB
サイト元素を含む場合には、ホスト材料として、チタン
酸ビスマス板状粉末(BiTi12)及び/又は
ニオブ酸ビスマス板状粉末(BiNb15)を用
い、最終組成が得られるように、Ba、Bi、Ti及び
/又はNbを含むゲスト材料を所定量混合すればよい。
【0065】また、例えば、配向磁器組成物がCaBi
Ti15であり、ホスト材料としてRP型化合物
であるCaTi板状粉末を用いる場合、ホスト
材料1モルに対し、ゲスト材料として、Biを6
モル、TiOを10モル加えて混合する。あるいは、
ホスト材料として同じくRP型化合物であるCaTi
10板状粉末を用いる場合には、ホスト材料1モル
に対し、ゲスト材料として、Biを8モル、Ti
を13モル加えて混合してもよい。
【0066】また、例えば、配向磁器組成物がSrBi
Ti15であり、ホスト材料としてRP型化合物
であるSrTi板状粉末を用いる場合、ホスト
材料1モルに対し、ゲスト材料として、Biを6
モル、TiOを10モル加えて混合すればよい。
【0067】なお、混合は、乾式で行っても良いが、水
又は有機溶媒中でボールミルや攪拌機を用いて混合する
湿式で行っても良い。また、必要に応じて、結合材、分
散剤、可塑剤等を添加しても良い。結合材等は、原料の
混合と同時に添加するか、あるいは混合の途中で原料に
添加するのが一般的であるが、湿式法で混合した後、ス
ラリーを乾燥させ、その後で再び結合材や可塑剤を添加
して混合しても良い。
【0068】次に、成形工程について説明する。成形工
程は、上述した混合工程で得られた混合物をホスト材料
が配向するように成形し、所望の形状を有する成形体を
得る工程である。成形中にホスト材料を配向させるため
には、その成形方法は、少なくとも、形状異方性を有す
るホスト材料を含む混合物に対して、非等方的な応力が
付与されるものでなければならない。
【0069】このような成形方法としては、具体的に
は、湿式又は乾式の射出成形法、押出成形法、鋳込み成
形法、ドクターブレードを用いたテープ成形法、圧延
法、遠心成形法などが一例として挙げられる。これらの
内、湿式又は乾式の射出成形法、押出成形法及び鋳込み
成形法は、ノズル、ダイス等からスラリー又は混合粉末
が押し出される際に、スラリー又は混合粉末の流れに沿
ってホスト材料に強い剪断応力が作用するので、板状の
ホスト材料を軸配向させる成形方法として特に好適であ
る。
【0070】なお、ホスト材料が板状粉末であり、成形
方法として、湿式又は乾式のテープ成形、圧延もしくは
遠心成形法を用いた場合又はこれらを組み合わせて用い
た場合には、ホスト材料が面配向した成形体を得ること
ができる。擬正方{001}面が面配向した配向磁器組
成物を作製する必要がある場合には、これらの成形方法
を用いると良い。この場合、成形体の厚みを増したり、
配向度を上げるために、成形体に対し、さらに積層圧
着、プレス、圧延などの処理を行っても良い。
【0071】次に、焼結工程について説明する。焼結工
程は、上述した成形工程で得られた成形体を熱処理し、
ホスト材料の配向性を承継させながらBLP型化合物の
板状結晶を一方向に成長させる工程である。一般に、B
LP型化合物の合成は、1000℃程度の温度で完了す
るが、さらに緻密な焼結体とするためには、これを超え
る温度で熱処理を行うことが必要である。熱処理の温度
は、作製しようとする配向磁器組成物の組成に応じて最
適な温度を選択すればよい。
【0072】例えば、配向磁器組成物がSrBiTi
15あるいはCaBiTi15である場合、
熱処理温度は、1100℃〜1250℃が好ましい。熱
処理温度が1100℃未満では、十分に緻密化しないの
で好ましくない。また、熱処理温度が1250℃を超え
ると、試料の一部が溶融するおそれがあるので好ましく
ない。
【0073】加熱手段は、電気炉、ガス炉、イメージ炉
など各種の炉が使用できる。また、ホスト材料が単純組
成を有するBLP型化合物である場合、マイクロ波やミ
リ波等を用いた加熱炉は、ホスト材料を優先的に加熱で
き、ホスト材料の反応を促進できる。また、焼結時間を
短縮するための加熱手段としても好適である。これは、
ホスト材料の誘電率が比較的大きいために、成形体にマ
イクロ波等を照射すると、ホスト材料において大きな誘
電損失が発生し、ホスト材料が優先的に加熱されるため
である。
【0074】また、焼結は、大気中で行っても良いが、
高い密度の焼結体を得るには、酸素雰囲気中で焼結する
ことが望ましい。これは、一般に焼結が進行し、焼結体
内部に孤立した気孔が形成されると、気孔内部に残留し
た雰囲気ガスによって焼結が阻害されるが、酸素雰囲気
中で焼結した場合には、気孔内に残留した窒素が粒界を
通って容易に外部に排出され、焼結を阻害しないためで
ある。
【0075】なお、結合材を含む成形体の場合には、焼
結工程の前に、脱脂を主目的とする熱処理を行っても良
い。この場合、熱処理の温度は、少なくとも結合材を熱
分解させるに十分な温度で行えばよい。
【0076】また、脱脂を主目的とする熱処理を行った
場合、成形体中のホスト材料の配向度が低下する場合が
ある。また、ホスト材料とゲスト材料からBLP型化合
物が合成される際に、成形体に膨れが発生する場合があ
る。このような配向度の低下、あるいは成形体の膨れに
起因する密度の低下を抑制するためには、脱脂を主目的
とする熱処理を行った後、成形体に対して、さらに静水
圧(CIP)処理を行うことが望ましい。
【0077】このCIP処理の前に行う熱処理の最適温
度は、配向磁器組成物の組成によって異なるが、一般的
には、BLP型化合物の合成反応が開始する温度より高
く、かつ、緻密化が大きく進行する温度より低いことが
望ましい。熱処理の条件と、配向磁器組成物の種類によ
っては、脱脂を主目的とする熱処理の際に合成反応の一
部が進行する場合とすべてが終了する場合があるが、い
ずれであってもかまわない。
【0078】また、擬正方{001}面を面配向させる
ために、テープ成形法を用いた場合には、緻密化を助け
るために、焼成中に試料に対し加圧処理を行っても良
い。但し、いわゆるホットフォージング処理のように高
い圧力を加える必要はなく、試料に錘を乗せて焼結する
程度、即ち0.1MPa程度の加圧で十分な効果が得ら
れる。むしろ、ホットフォージング処理のように、10
MPaを超えるような圧力で加圧すると、焼結体中の配
向度のばらつきを大きくし、均一な特性を有する製品を
作製することができないので好ましくない。
【0079】次に、本発明に係る製造方法の作用につい
て説明する。本発明に係る製造方法は、形状異方性を有
するホスト材料を出発原料に用いているので、ホスト材
料に対して非等方的な応力が作用するような成形方法を
用いて成形すると、ホスト材料が配向した成形体を得る
ことができる。このような配向組織を呈する成形体を所
定温度に加熱すると、ホスト材料とゲスト材料が反応
し、ホスト材料の配向性を承継しながらBLP型化合物
の板状結晶が合成される。
【0080】特に、ホスト材料としてBLP型化合物、
RP型化合物等の板状粉末を用い、射出成形、押出成形
等、スラリー又は混合粉末を一方向に押し出すような成
形方法を用いて成形した場合には、スラリー又は混合粉
末の流れに沿って板状粉末が軸配向した成形体を得るこ
とができる。また、この成形体を適当な温度で熱処理す
れば、板状粉末の配向組織が承継され、擬正方{00
1}面の軸配向度Q’が30%以上である配向磁器組成
物を得ることができる。そのため、得られた配向磁器組
成物を軸配向の方向に沿って電界を印加すれば、十分な
分極処理が可能となり、高い圧電特性が得られる。
【0081】また、射出成形法、押出成形法等の成形方
法で得られる配向組織を有する成形体は、通常焼結法に
比較して緻密化しやすいので、緻密化を促進させるため
の一軸加圧を行う必要がない。そのため、焼結体密度及
び配向度のばらつきが抑制され、相対密度95%以上の
体積が95%以上を占める均一な配向磁器組成物を容易
に製造することができる。また、0.5cm以上の体
積を有する大型素子、特に電界印加面の面積が大きい素
子であっても、歩留良く製造することができる。さら
に、テープ成形法のような積層工程が不要であるので、
製造工程が簡略化され、生産性も向上する。
【0082】また、ホスト材料及びゲスト材料から最終
組成物を合成しているので、製造工程において、元素比
のずれがおきにくい。そのため、3種類以上の金属元素
を含む複雑な組成を有するBLP型化合物であっても、
所望の化学量論組成と配向組織を有する配向磁器組成物
を容易に得ることができる。
【0083】
【実施例】ホスト材料として、板状BiTi12
粉末及び板状BiNb15粉末を用いて、配向磁
器組成物を作製した。配向磁器組成物は、CaBi
15、NaCaBiTi15、SrBi
Ti15及びSrBi Nbの4種類とし
た。最終化合物(すなわち、配向磁器組成物)の組成、
板状粉末の種類、ゲスト材料の種類、板状粉末の添加量
及び焼結条件を表1に示す。なお、表1中、板状粉末の
添加量は、Bサイト元素のモル%で表記した。また、板
状粉末は、いずれもフラックス法にて合成した。
【0084】
【表1】
【0085】製造方法の概略は、以下の通りである。す
なわち、No.4以外は、表1に示す比率のホスト原料
に対してゲスト材料を所定量配合し、有機溶媒中でボー
ルミル混合した。次いで、有機溶媒を除去した後、混合
粉末に結合材及び可塑剤を加えて混練し、図7に示した
ようなテーパのついた成形型を用いて押出成形を行っ
た。得られた棒状の成形体を1cmの長さに切り分け、
直径約1cm、長さ約1cmの円柱状の母試料を10個
作製した。この母試料を、大気中600℃×2hの条件
で熱処理し、脱脂を行った。さらに、No.1及びN
o.5〜No.7の母試料については、熱処理後に約3
00MPaの圧力で静水圧成形処理を行った。
【0086】これに対し、No.4については、表1に
示す比率のホスト原料及びゲスト材料を有機溶媒中でボ
ールミル混合し、結合材及び可塑剤を加えてさらにボー
ルミル混合した後、ドクターブレード法によりテープ成
形を行った。次いで、乾燥させたテープを積層し、圧着
した後、圧延処理をした。圧延後のテープ積層体をさら
に重ねて圧着し、約1cm角の立方体に近い形状の母試
料を10個作製した。得られた母試料について、押出成
形した母試料と同一の条件下で脱脂及び静水圧成形処理
を行った。
【0087】次に、これらの母試料を、それぞれ酸素中
において表1に示した条件で熱処理を行い焼結させた。
この焼結体を、押出成形した母試料の場合は円柱の高さ
方向に対して垂直に、テープ成形した母試料の場合は元
のテープ成形体のテープ面に対して垂直に、それぞれダ
イヤモンド刃で切断し、1つの母試料からそれぞれ5枚
の薄板試料を切り出した。
【0088】得られた薄板試料について、X線回折法に
て結晶相を調べた。その結果、すべての薄板試料におい
て、目的とした圧電性BLP型化合物が得られているこ
とが確認された。
【0089】また、焼結後の母試料の平均相対密度、平
均軸配向度及び歩留まりを表1に示す。なお、平均相対
密度は、各母試料から切り出されたすべての薄板試料に
ついて、アルキメデス法により測定された相対密度の平
均値である。また、平均軸配向度は、各母試料から切り
出されたすべての薄板試料の切断面について、数1の式
から求めた擬正方{001}面の軸配向度Q’の平均値
である。また、歩留まりは、総母試料数に対する、軸配
向度30%以上かつ相対密度95%以上の体積が95%
以上を占める母試料の数の比である。
【0090】本実施例で作製したすべての配向磁器組成
物において、平均相対密度は95%を越えていた。ま
た、各母試料から切り出された薄板試料の中で、相対密
度が95%未満であるものはなかった。同様に、すべて
の配向磁器組成物において、平均軸配向度は40%を越
えていた。また、各母試料から切り出された薄板試料の
中で、軸配向度Q’が30%未満であるものはなかっ
た。これは、すべての配向磁器組成物において、すべて
の母試料が「軸配向度30%以上かつ相対密度95%以
上の体積が95%以上」という条件を満たしていること
を示している。その結果、歩留まりは、すべての配向磁
器組成物について10/10となった。
【0091】押出成形法によって作製したCaBi
15配向磁器組成物(No.1)及びテープ成形
法によって作製したCaBiTi15配向磁器組
成物(No.4)から切り出された薄板試料の切断面
(押出成形体の場合は、押出方向に垂直な面、テープ成
形体の場合は元のテープ面に垂直な面)の代表的なX線
回折パターンをそれぞれ図1及び図2に示す。また、通
常焼結法により作製した無配向のCaBiTi
15焼結体のX線回折パターンを図4に示す。なお、X
線回折パターンのミラー指数はJCPDFカードと同じ
く、斜方晶表示で表してあるが、(00L)面が擬正方
晶表示の{001}面にあたる。
【0092】図1及び図2と図4とを比較すると、N
o.1及びNo.4のいずれも斜方晶(00L)面に由
来する回折ピーク、すなわち擬正方晶{001}面に由
来する回折ピークが著しく低くなっていることがわか
る。この結果は、押出方向に垂直な面又は元のテープ面
に垂直な面と平行な擬正方晶{001}面を有する結晶
粒の割合が極めて少ないことを意味している。換言すれ
ば、この結果は、押出方向又はテープ成形方向にほぼ平
行な擬正方晶{001}面を有する結晶粒の割合が多い
ことを示している。
【0093】また、図3に、No.4の配向磁器組成物
の元のテープ面に平行な面のX線回折パターンを図3に
示す。No.4の配向磁器組成物の場合、元のテープ面
に平行な面では、斜方晶(00L)面に由来する回折ピ
ーク、すなわち擬正方晶{001}面に由来する回折ピ
ークが著しく高くなっていることがわかる。この結果
は、テープ成形体の場合、元のテープ面に対して平行に
擬正方晶{001}面が面配向していることを示す。
【0094】No.4の場合、表1に示すように、元の
テープ面と垂直な面について測定された平均軸配向度
Q’は93%であった。一方、元のテープ面と平行な面
についてロットゲーリング法で求めた擬正方{001}
面の平均配向度Qは、92%であった。なお、ロットゲ
ーリング法による配向度Qは、次の数2の式で表され、
ある特定の結晶面の面配向の程度を示すものである。ま
た、数2の式中のΣI(hkl)、Σ’I(HKL)、
ΣI(hkl)及びΣ’I(HKL)は、数1式中
のものと同じ意味を表す。
【0095】
【数2】
【0096】図5及び図6に、それぞれ、No.1及び
No.4の配向磁器組成物から切り出された薄板試料の
切断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。図5及び図6よ
り、X線回折パターンから示唆されたように、その発達
面が薄板試料の切断面と直交している板状結晶の数が多
いことが確かめられた。また、テープ成形法で作製され
たNo.4の配向磁器組成物の場合、板状結晶の発達面
が元のテープ面と平行に配向していることも確認され
た。板状結晶の発達面が擬正方{001}面に相当する
ので、図6は、No.4においては擬正方{001}面
が面配向していることを示すものである。
【0097】No.1及びNo.4の配向磁器組成物、
並びにこれらと同一組成を有し、通常焼結法で作製した
無配向の磁器組成物から切り出された薄板試料の切断面
をさらに研磨し、金電極を蒸着して分極処理を行った
後、圧電定数を測定した。結果を表2に示す。面配向さ
せたNo.4の配向磁器組成物のみならず、軸配向させ
たNo.1の配向磁器組成物であっても、通常焼結法で
作製した無配向の同組成焼結体に比べて2倍以上の圧電
特性を示した。
【0098】
【表2】
【0099】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しないで種々の改変
が可能である。
【0100】例えば、上記実施例では、圧電性を有する
BLP型化合物について本発明を適用した例について説
明したが、本発明は、圧電材料以外のBLP型化合物に
対しても同様に適用できる。例えば、高温超伝導材料と
して知られるビスマス層状構造超伝導体は、一般式Bi
SrCan−1Cuで表され、圧電性を有す
るBLP型化合物と類似の結晶構造を有している。しか
も、CuO面(a−b面)が超伝導容易面であり、超
伝導電流はa−b面内で2次元的に制限されている。従
って、本発明に係る製造方法を用いてa−b面を軸配向
させれば、電流が流れる面の面積が大きく、かつ、高い
臨界電流密度をJcを有する高温超伝導体を製造するこ
とができる。
【0101】また、上記実施例では、押出成形法によっ
て擬正方{001}面を軸配向させた例について説明し
たが、本発明に係る製造方法は、BLP型化合物以外の
層状化合物、あるいは層状構造を有しない化合物の特定
の結晶面を軸配向させる方法としても使用することがで
き、これにより上記実施の形態と同様の効果を得ること
ができる。
【0102】
【発明の効果】本発明に係る結晶配向ビスマス層状ペロ
ブスカイト型磁器組成物は、ビスマス層状ペロブスカイ
ト型化合物の多結晶体からなり、該多結晶体を構成する
各結晶粒の擬正方{001}面が、特定の軸方向にのみ
平行に配向し、該特定の軸方向から測定された軸配向度
Q’が30%以上になっているので、自発分極の方向を
ほぼ一方向に揃えることができ、高い圧電特性が得られ
るという効果がある。
【0103】さらに、本発明に係る結晶配向ビスマス層
状ペロブスカイト型磁器組成物の製造方法は、形状異方
性を有するホスト材料と、該ホスト材料と反応してビス
マス層状ペロブスカイト型化合物を生成するゲスト材料
とを混合する混合工程と、該混合工程で得られた混合物
を押し出すことにより成形する成形工程と、該成形工程
で得られた成形体を熱処理し、前記ホスト材料の配向性
を承継させながらビスマス層状ペロブスカイト型化合物
の結晶を成長させる加熱工程とを備えているので、擬正
方{001}面が特定の軸方向にのみ平行に配向した、
高密度かつ高配向度を有する均一な配向焼結体を効率的
に製造できるという効果がある。また、複雑な組成を有
する配向焼結体、あるいは電圧印加面の面積の大きい配
向焼結体であっても、容易に製造できるという効果があ
る。
【0104】以上のように、本発明によれば、高いキュ
リー温度を有し、圧電、焦電特性に優れた材料が安価な
製造プロセスにて得られるので、これを例えば、加速度
センサ、振動ピックアップ、圧電マイクロホン、焦電セ
ンサ等の各種の変換素子に応用すれば、変換素子の小型
化、高出力化、低コスト化に寄与するものであり、産業
上その効果の極めて大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出成形法で作製されたCaBiTi
15焼結体(No.1)の押出方向に垂直な切断面のX
線回折パターンを示す図である。
【図2】テープ成形法で作製されたCaBiTi
15焼結体(No.4)のテープ面に垂直な切断面のX
線回折パターンを示す図である。
【図3】テープ成形法で作製されたCaBiTi
15焼結体(No.4)のテープ面に平行な切断面のX
線回折パターンを示す図である。
【図4】通常焼結法で作製された無配向のCaBi
15焼結体のX線回折パターンを示す図である。
【図5】押出成形法で作製されたCaBiTi
15焼結体(No.1)の押出方向に垂直な研磨面の走
査型電子顕微鏡写真である。
【図6】テープ成形法で作製されたCaBiTi
15焼結体(No.4)のテープ面に垂直な研磨面の走
査型電子顕微鏡写真である。
【図7】押出成形に用いる成形用治具を示す模式図であ
る。
【図8】図8(a)は、ホットフォージング法により配
向焼結体を作製する際の試料を一軸加圧する前の状態を
示す図であり、図8(b)は、一軸加圧した状態を示す
図である。
【符号の説明】
21、22 加圧治具 9 試料
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 康善 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4G031 AA01 AA04 AA05 AA11 AA14 AA35 BA10 BA11 CA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス層状ペロブスカイト型化合物の
    多結晶体からなり、 該多結晶体を構成する各結晶粒の擬正方{001}面
    が、特定の軸方向にのみ平行に配向し、 該特定の軸方向から測定された軸配向度Q’が30%以
    上である結晶配向ビスマス層状ペロブスカイト型磁器組
    成物。
  2. 【請求項2】 相対密度95%以上の体積部分が95%
    以上である請求項1に記載の結晶配向ビスマス層状ペロ
    ブスカイト型磁器組成物。
  3. 【請求項3】 形状異方性を有するホスト材料と、該ホ
    スト材料と反応してビスマス層状ペロブスカイト型化合
    物を生成するゲスト材料とを混合する混合工程と、 該混合工程で得られた混合物を押し出すことにより成形
    する成形工程と、 該成形工程で得られた成形体を熱処理し、前記ホスト材
    料の配向性を承継させながらビスマス層状ペロブスカイ
    ト型化合物の結晶を成長させる加熱工程とを備えている
    結晶配向ビスマス層状ペロブスカイト型磁器組成物の製
    造方法。
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