JP2001151561A - ベータアルミナ質セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

ベータアルミナ質セラミックス及びその製造方法

Info

Publication number
JP2001151561A
JP2001151561A JP32958199A JP32958199A JP2001151561A JP 2001151561 A JP2001151561 A JP 2001151561A JP 32958199 A JP32958199 A JP 32958199A JP 32958199 A JP32958199 A JP 32958199A JP 2001151561 A JP2001151561 A JP 2001151561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina
beta
component
source
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32958199A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Funahashi
佳宏 舟橋
Hideki Uematsu
秀樹 上松
Hiroki Sugiura
宏紀 杉浦
Satoshi Iio
聡 飯尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP32958199A priority Critical patent/JP2001151561A/ja
Publication of JP2001151561A publication Critical patent/JP2001151561A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工数、製造コストがかからず、高強度化及び
高靱性化と低コスト化及び良好な電気特性を両立したベ
ータアルミナ質セラミックス及びその製造方法を提供す
ること。 【構成】 破壊靭性値が2.3MPa・m0.5(JIS
R 1607に準拠する)以上、かつ、相対密度が9
7.5%以上のベータアルミナ質セラミックスとする。
特には、Ti(チタン)成分、Zr(ジルコニア)成
分、Ta(タンタル)成分から選ばれる少なくとも1種
を酸化物換算にて0.01〜20外質量%含むのが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械的特性および電気
的特性に優れたベータアルミナ質セラミックス及びその
製造方法に関する。更に詳しくは、各種センサー、溶融
塩隔壁、Na−S電池、Na溶融塩電池、AMTEC
(AlkaliMetal Thermo-Erectric Converter)等、各種
電気化学デバイスに好適なナトリウムイオン導電物質と
して利用できるベータアルミナ質セラミックスに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ベータアルミナ質セラミックスは、Na2O
・xAl2O3(x=5〜11)の組成式で表されるものをいい、高
いナトリウムイオン導電性を有することが知られてる。
ベータアルミナには、β−アルミナ(理論組成式:Na2O
・11Al2O3)とβ"−アルミナ(理論組成式:Na2O・5.3A
l2O3)の2種類の結晶型が存在する。β−アルミナより
もβ"−アルミナの方がナトリウムイオン伝導度が高い
ため、特性上、固体電解質用途に適する。β"−アルミ
ナは準安定物質であるため、通常はLi2OやMgOを安定化
剤として添加している。
【0003】ベータアルミナ質セラミックスは、主に有
底円筒状の固体電解質管として用いられる。かかる固体
電解質管は、デバイスの組立中や運転中に様々な応力を
受け、所定の限界を超えると破損する。かかる応力集中
にも十分耐えうるようにするには、単に材料強度を上げ
るのみでは足りず、セラミックスの靱性値を上げること
が必要とされる。セラミックスの靭性値が高い程、応力
集中によるクラックの発生・伸展を抑制することができ
るからである。
【0004】ベータアルミナ質セラミックスの材料強度
や靭性値を上げる方法が種々検討されている。焼結体表
面に被覆加工して高強度を得る方法が、特許第1585
336号公報、特許第2062917号公報に開示され
ている。また、特定金属の酸化物等を添加して高強度を
得る方法が、米国特許第4358516号公報、特開平
3−279258号公報、特開平6−293554号公
報、特開平9−208297号公報、特開平9−255
417号公報、特開平10−95661号公報等に開示
されている。また、組成を特定して高靭性化を図る方法
が、特開平10−101408号公報に開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ベータアルミナ質セラ
ミックスは、焼結体中に比較的大きな欠陥ができやす
い。特に焼結体表面には欠陥が集中する傾向が見られ
る。かかる欠陥は、ベータアルミナを用いた各種電気化
学デバイスの製造歩留りの低下や、デバイス自体の信頼
性低下を招き大きな問題となっている。このように欠陥
が多くなると、焼結体の密度が低下(97.5%未満)
する傾向がある。このために高強度、高靱性の焼結体を
得ることは非常に難しい。
【0006】前述の焼結体表面に被覆加工して強度を得
る方法は、表面欠陥を解決するためには有用であるが、
かかる表面加工は工数が増え、大量生産において不適で
ある。また、焼結体の欠陥を低減する方法として、ホッ
トプレス法、HIP法(ホットアイソスタチックプレス
法)等が考えられるが、コスト、生産能力を考えると量
産には非常に不向きである。また、環境中の不純物(主
にSi成分)の混入によりベータアルミナ中に比較的大
きなポアが生じそれが破壊の起点となることが知られて
いる。クリーンルーム中で製造するなどの対策が考えら
れるが、非常にコスト高になるという問題がある。必要
な特性が得られるのであれば、工数、コストの少ない方
が有利である。
【0007】また、前述の高靱性を得る方法では、高靱
性が得られる組成が非常に限定されているため、大量生
産時にその品質を管理することが困難である。また、靱
性値も2.2MPa・m0.5以下の例しか見受けられな
い。焼結体中の欠陥に起因する強度低下を十分にカバー
しうるには、2.3MPa・m0.5以上の靭性値を得る
ことが必要と推測される。また、前述の特定の金属酸化
物等を添加する方法では、原料費が高価であり大量生産
には不向きである。また、特定の金属酸化物等の添加に
より、ナトリウムイオン伝導性が低下する問題がある。
このように、高強度化及び高靱性化と低コスト化及び電
気特性の両立は困難であった。本発明は、これらの問題
を解決するために、工数、製造コストがかからず、焼結
体の欠陥をカバーしうる特性を持ち、さらに電気的特性
も良好なベータアルミナ質セラミックス及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の構成要
件の一つとして、JIS R 1607に準拠した破壊
靱性値を2.3MPa・m0.5以上とした理由は、ベー
タアルミナ質セラミックス中に従来見受けられる程度の
欠陥が存在したとしても、製造歩留りの低下やデバイス
の信頼性低下といった問題が発生せず、十分信頼性の高
いベータアルミナ質セラミックスが得られるからであ
る。破壊靭性値の好ましい範囲は、2.5MPa・m
0.5以上、より好ましくは2.8MPa・m0.5以上、更
に好ましくは3MPa・m0.5以上である。
【0009】請求項1の発明の構成要件としては更に、
その相対密度が97.5%以上であること要旨とする。
この理由は、相対密度が97.5%より小さいと、破壊
靱性値自体は向上するが、一方、材料強度が低下してし
まい、結果的にベータアルミナ質セラミックスの信頼性
を低下させるからである。従って、本発明においては、
破壊靭性値のみならず、相対密度をも併せて規定するこ
とが極めて重要である。相対密度の好ましい範囲は、9
8%以上、より好ましくは98.5%以上、更に好まし
くは98.7%以上である。
【0010】請求項2の発明の構成要件の一つとして、
ベータアルミナ質セラミックスの結晶粒子の平均粒子径
を規定した理由は、平均粒子径が5μmより大きくなる
と破壊靭性値が低下し、平均粒子径が0.5μmより小
さくなるとナトリウムイオン伝導性が大きく低下するか
らである。平均粒子径の好ましい範囲は、0.7〜4.
5μm、より好ましくは1.0〜4.0μm、更に好ま
しくは1.0〜3.0μmである。
【0011】請求項2の発明の構成要件としては更に、
ベータアルミナ質セラミックスの結晶粒子のアスペクト
比の平均値が4以下であること要旨とする。アスペクト
比を4以下とした理由は、4より大きいと材料強度及び
破壊靭性値が低下し、ベータアルミナセラミックスの信
頼性が低下するからである。従って、本発明において
は、平均粒子径のみならず、アスペクト比をも併せて規
定することが極めて重要である。アスペクト比の好まし
い範囲は、3.6以下、より好ましくは3以下、更に好
ましくは2.5以下である。
【0012】請求項3の発明の構成要件として、内圧強
度及び比抵抗値を併せて規定した理由は、内圧強度が1
60MPa以上、かつ、比抵抗値が3.5Ω−cm以下で
あれば、各種電気化学デバイスへの応用が可能で、かつ
信頼性も確保できるからである。デバイスへの応用を図
るには、これらを兼備することが実用上必要である。内
圧強度のより好ましい範囲は200MPa以上である。
比抵抗値のより好ましい範囲は3Ω−cm以下である。か
かる範囲であれば、更に信頼性と諸特性に優れたベータ
アルミナ質セラミックスとなる。
【0013】請求項4の発明の構成要件として、ベータ
アルミナ質セラミックスに含まれる特定金属成分及びそ
の酸化物換算による含有量を規定した理由は、今までに
例のない高い破壊靱性値のベータアルミナ質セラミック
スが得られるからである。まず、第1の構成要素である
特定金属成分は、Ti(チタン)成分、Zr(ジルコニ
ア)成分、Ta(タンタル)成分から選ばれる少なくと
も1種である。Zr成分、Ti(チタン)成分、Ta
(タンタル)成分を添加することで、ベータアルミナ質
セラミックスの破壊靭性値及び材料強度を効果的に向上
することができる。
【0014】特定金属成分の酸化物換算による含有量を
規定した理由は、0.01外質量%未満の場合、破壊靭
性値を高める効果が顕著に表れず、また、その酸化物換
算による含有量が20外質量%を越える場合、破壊靭性
値は高くなるものの、比抵抗値が徐々に高くなっていく
からである。その酸化物換算による含有量の好ましい範
囲は0.1〜18外質量%、より好ましくは0.3〜1
5外質量%、更に好ましくは0.5〜10外質量%であ
る。かかる範囲内であれば、各金属成分単体でも、また
は任意の組み合わせでも添加することができる。ところ
で、前記特定金属成分毎に奏する効果の度合いが若干異
なるため、諸特性を所望の値に調製するためには、以下
のように特定金属成分毎に添加量の最適化を行うのがよ
い。
【0015】Zr成分の酸化物換算による含有量の好ま
しい範囲は、1〜15外質量%である。Zr成分の酸化
物換算による好ましい含有量をこの範囲に規定した理由
は、1外質量%未満の場合、破壊靭性値を高める効果が
顕著に表れず、また、15外質量%を越える場合、破壊
靭性値は高くなるものの、比抵抗値が徐々に高くなって
いくからである。Zr成分の酸化物換算による含有量の
より好ましい範囲は2〜10外質量%、更に好ましくは
3〜10外質量%である。他の金属成分を含めた合計量
が、前述の含有量の範囲にあればよい。
【0016】Ti成分の酸化物換算による含有量の好ま
しい範囲は、0.01〜2外質量%である。Ti成分の
酸化物換算による好ましい含有量をこの範囲に規定した
理由は、0.01外質量%未満の場合、破壊靭性値を高
める効果が顕著に表れず、また、2外質量%を越える場
合、結晶粒子の成長が過度に進み、相対密度を上げにく
くなるとともに、機械強度も得られなくなるからであ
る。Ti成分の酸化物換算による含有量のより好ましい
範囲は0.05〜1外質量%、更に好ましくは0.1〜
0.5外質量%である。他の金属成分を含めた合計量
が、前述の含有量の範囲にあればよい。
【0017】特にTi成分添加系の場合、従来問題とな
っていた欠陥を含んでいても、十分な材料強度と破壊靭
性値を兼備することができる。これは、Ti成分の添加
により、ベータアルミナ質セラミックスの結晶粒界特性
が改善されたためと推察される。また、クリーンルーム
などを必要とせず通常の製造管理で高性能なベータアル
ミナ質セラミックスを安価に製造できる。
【0018】Ta成分の酸化物換算による含有量の好ま
しい範囲は、0.01〜2外質量%である。Ta成分の
酸化物換算による好ましい含有量をこの範囲に規定した
理由は、0.01外質量%未満の場合、破壊靭性値を高
める効果が顕著に表れず、また、2外質量%を越える場
合、結晶粒子の成長が過度に進み、相対密度を上げにく
くなるとともに、機械強度も得られなくなるからであ
る。Ta成分の酸化物換算による含有量のより好ましい
範囲は0.01〜1外質量%、更に好ましくは0.01
〜0.5外質量%である。他の金属成分を含めた合計量
が、前述の含有量の範囲にあればよい。
【0019】請求項5の発明は、Ti成分及び/又はT
a成分を、実質的にベータアルミナ質セラミックス中の
結晶粒界及び/又は3重点に存在させることによって、
破壊靭性値及び相対密度と併せて、比抵抗値を良好にす
るものである。比抵抗値が良好になる理由は、Ti成分
及び/又はTa成分が、結晶粒界に存在するガラス成分
の組成を、ナトリウムイオン伝導性に優れた組成に変化
させるためと推察される。
【0020】ここにいう「実質的」とは、公知の元素分
析手法を用いて、その存在が確認できることをいう。例
えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察された
焼結体の組織から、3重点、結晶粒界、結晶粒子内部に
ついて元素分析を行い、Ti成分及び/又はTa成分
(例えば、TiO2、Ta25として特定される。)が
3重点及び/又は結晶粒界に存在していることが明確に
確認できることをいう。
【0021】請求項6において、Zr成分の粒子の平均
粒子径を規定した理由は、5.0μmより大きいと、ベ
ータアルミナ質セラミックス中への分散性が悪くなるた
め、破壊靭性値及び相対密度を向上させる効果が不十分
になるからである。Zr成分の粒子(例えば、Zr
2)には、希土類元素(例えば、Y、La、Nd、P
r、Er、Gd等)が含まれているとよい。平均粒子径
の好ましい範囲は、2.0μm以下である。より好まし
くは1.0μm以下、更に好ましくは0.2μm以下で
ある。
【0022】請求項7において、リチウム安定化型ベー
タアルミナ質セラミックスに規定した理由は、リチウム
安定化型ベータアルミナ質セラミックスは比較的低温に
て焼成可能となるからである。焼成温度の低温化は、焼
成に必要な電気代、また電気炉の寿命を考えるとコスト
面で非常に有利である。
【0023】請求項8の発明は、原料粉末であるアルミ
ナ源、ナトリウム源の特性を所定の範囲に特定したベー
タアルミナ質セラミックスの製造方法を要旨とする。純
度を99.9%以上としたのは、99.9%より低い純
度の場合、不純物として混入するCaやSiが多くなり
すぎて、電気的特性に悪影響を与えるからである。アル
ミナ源となる原料粉として、αアルミナを選定した理由
は、コストが安く安定的に入手できる原料だからであ
る。αアルミナの平均粒子径を0.5〜3.0μmとし
たのは、この範囲より小さいと焼結時に結晶粒子の成長
が進みすぎて粗大化して、必要とされる機械的特性が得
られないからである。また平均粒子径が範囲より大きい
と、緻密化が促進されず、機械的特性及び電気的特性共
に必要レベルに至らないためである。
【0024】請求項9の発明は、アルミナ源、ナトリウ
ム源及びリチウム源の特性や原料等を所定の範囲に特定
したリチウム安定化型ベータアルミナ質セラミックスの
製造方法を要旨とする。特徴点は、リチウム源として純
度99.0%以上の炭酸リチウム、酢酸リチウム、酸化
リチウムを用いる点にある。純度を99.0%以上とし
た理由は、K、Ca、Si等の不純物の存在が多いと、
リチウムの拡散と焼結のコントロールができず、結晶粒
子の成長が激しくなり、平均粒径が大きくなり、破壊靭
性値の劣化及び相対密度の低下の原因となるからであ
る。また、これらの不純物に起因して発生するナトリウ
ムイオン伝導性を有さない析出物によって、著しく電気
的特性が劣化するとともに、固体電解質中に電流集中を
起こし、機械的特性を悪化させる原因となるからであ
る。リチウム源を規定した理由は、安価でベータアルミ
ナ質セラミックスの構造安定に適したリチウム源を選択
した結果である。
【0025】請求項10は、アルミナ源とナトリウム源
を混合後熱処理を行いベータアルミナ質粉末を合成した
後、所定の原材料を添加して、水湿式にて水系スラリー
を調整し、該スラリーを噴霧乾燥造粒した造粒粉を用い
て成形体を形成、焼成してリチウム安定化型ベータアル
ミナ質セラミックスを得る方法を要旨とする。本製造方
法は水を用いたスラリーから造粒する方法のため、基本
的に安全性が高く、かつ、安価な製造方法であり、安定
的に高性能のリチウム安定化型ベータアルミナ質セラミ
ックスを製造できる。
【0026】請求項11は、アルミナ源とナトリウム源
及び他の原材料を水湿式にて水系スラリーを調整し、該
スラリーを噴霧乾燥造粒した造粒粉を用いて成形体を形
成、焼成して、いわゆる反応焼結によりリチウム安定化
型ベータアルミナ質セラミックスを得る方法を要旨とす
る。本製造法はいわゆる反応焼結法であるため、仮焼成
工程が不要で焼成工程が1回で済み、非常に安価な製造
方法が提供できる。
【0027】請求項12の発明は、前記水系スラリに添
加する特定金属成分が、純度99.0%以上、かつ、平
均粒径が5.0μm以下の粒子であることを要旨とす
る。純度を99.0%以上とした理由は、不純物の存在
が多いとリチウムの拡散と焼結のコントロールができ
ず、結晶粒子の成長が激しくなり、平均粒径が大きくな
り、機械的特性が劣化するからである。粒子の平均粒子
径を規定した理由は、5.0μmより大きいと、ベータ
アルミナ質セラミックス中への分散性が悪くなるため、
破壊靭性値及び相対密度を向上させる効果が不十分にな
るからである。
【0028】これら特定金属成分の粒子(例えば、Zr
2、TiO2、Ta25。)には、希土類元素(例え
ば、Y、La、Nd、Pr、Er、Gd等)が含まれて
いるとよい。平均粒子径の好ましい範囲は、2.0μm
以下である。より好ましくは1.0μm以下、更に好ま
しくは0.2μm以下である。
【0029】請求項13の発明は、潤滑剤の量が、アル
ミナ源粉末とナトリウム源粉末を加えた粉末量(酸化物
換算)に対して0.05〜0.5内質量%であることを
要旨とする。例えば、Ti成分を添加したベータアルミ
ナの造粒子は、従来のベータアルミナの造粒子より潰れ
にくくなる。そこで、予めスラリに潤滑剤を添加して、
成形時のつぶれやすさを調整する必要がある。潤滑剤の
量をかかる範囲に規定した理由は、潤滑剤の量が0.0
5内質量%未満であると効果が小さいため、焼結体中に
大きな欠陥が残り、破壊靭性値の劣化及び相対密度の低
下の原因となり、また、潤滑剤の量が0.5内質量%を
越えると焼結性の劣化を招き、やはり破壊靭性値の劣化
及び相対密度の低下の原因となるからである。潤滑剤の
好ましい添加量は、0.05〜0.3内質量%である。
潤滑剤としては公知のものを用いることができる。例え
ば、ステアリン酸系潤滑剤やポリエーテル系潤滑剤を用
いることができる。
【0030】
【実施例】(実施例1)実施例1は、チタン成分添加系
ベータアルミナ質セラミックスの実施例である。出発原
料として平均粒子径が1.9μmで、不純物元素(Ca
及びSi)の含有量が酸化物換算でそれぞれ0.01内
質量%(Ca)、0.05内質量%(Si)である純度
99.9%のαアルミナ粉末と、純度99.9%の炭酸
ナトリウム粉末を用い、それぞれ酸化物換算で90.2
%(αアルミナ)、8.85%(炭酸ナトリウム)とな
るよう所定量混合し、1250℃にて10時間保持の加
熱処理にて仮焼した後、乾式振動ミルで粉砕して粉砕仮
焼粉末を得る。
【0031】構造安定化剤として純度99.5%の炭酸
リチウムを、酸化物換算で残りの0.75%となるよう
に所定量秤量し、バインダー、水、及び粉砕仮焼粉末に
対し、純度99.9%、平均粒径0.5μmのTiO2
を表1に示す所定量(外質量%)混合して水系スラリー
とし、その後、振動ふるい機で粗大粒子、粗大不純物の
除去を行う。次いで、得られたスラリーをスプレードラ
イヤーにより造粒し、造粒粉末を得る。
【0032】得られた造粒粉末をCIP法(冷間静水圧
プレス法)により有底円筒状体に成形し、焼成を行い焼
結体を得る。ここで焼成スケジュールについては、それ
ぞれの組成における最適温度にて30分保持のスケジュ
ールにて行う。得られた焼結体の寸法は、外径45mm
×内径39mm×全長400mmである。焼結体は、各
条件毎に10本ずつ作製する。得られた焼結体は、以下
の〜の項目について調査を行う。これらの結果を表
1に示す。
【0033】焼結体密度の測定 各条件毎にそれぞれ10本作製した有底円筒状のベータ
アルミナ質セラミックス(以下、有底円筒管と称す
る。)の密度をエタノールを用いたアルキメデス法で測
定する。各条件毎に10本の平均値を求め、焼結体密度
とする。
【0034】内圧破壊強度の測定 内圧破壊強度は、有底円筒管の内壁面全体を均一に圧力
印可していき、破壊した時点での印可圧力と有底円筒の
サイズから計算して求める。有底円筒管の内半径を
1、外半径をr2、破壊した時点の印可圧力をpとした
とき、内圧破壊強度σは以下の数式1により計算され
る。各条件毎に10本の平均値を求め、内圧破壊強度と
する。
【0035】
【数1】σ=p×[(r2 2+r1 2)/(r2 2−r1 2)]
【0036】破壊靱性値の測定 各有底円筒管の一部を切り出し、平面に加工、鏡面研磨
した後、JIS R1607に基づきIF法にて測定を
行う。ビッカース圧子の押込荷重×保持時間は、5kg
×15秒にて行う。
【0037】比抵抗値の測定 各有底円筒管を用いてNa−Naセルを構成し、4端子
法にて350℃における比抵抗値を測定する。
【0038】平均粒子径及びアスペクト比の測定 各有底円筒管の一部を切り出し、平面に加工、鏡面研
磨、更に熱処理(1500℃×5分)を行った後、走査
型電子顕微鏡(SEM)にて観察を行う。画像解析処理
装置を用いて、SEM写真から平均粒子径及びアスペク
ト比を求める。
【0039】チタン成分の存在位置の確認 各有底円筒管を厚み0.1mmとなるように加工し、イ
オンミリングした後、薄肉部を透過型電子顕微鏡(TE
M)にて観察を行う。また、観察された組織から3重
点、結晶粒界、粒子内部について、元素分析を行い、チ
タン成分がどの箇所に存在しているのか確認を行う。
【0040】
【表1】
【0041】試料番号1乃至試料番号6は、相対密度が
98%以上、破壊靭性値が2.4MPa・m0.5以上、
内圧破壊強度が160MPa以上、比抵抗値が3.5Ω
−cm以下で、更にチタン成分(TiO2)を微量添加
(0.1〜2外質量%)した例である。試料番号7は、
破壊靭性値が1.8MPa・m0.5、内圧破壊強度が1
43MPa、比抵抗値が3.6Ω−cmで、更にチタン
成分(TiO2)を含まない例である。試料番号8は、
相対密度が97.1%、破壊靭性値が2.1MPa・m
0.5、内圧破壊強度が141.3MPa、結晶粒子の平
均粒子径が5μm以上(5.3μm)、そのアスペクト
比の平均値が4以上(4.2)、更にチタン成分(Ti
2)を微量添加(3外質量%)した例である。
【0042】これらの結果より、本発明の構成要件であ
る破壊靭性値(2.3MPa・m0. 5以上)及び相対密
度(97.5%以上)を兼備する試料番号1乃至試料番
号6では、かかる構成要件を兼備しない試料番号7及び
試料番号8と比較して、内圧破壊強度、比抵抗値がとも
に大きく向上していることが分かる。
【0043】試料番号2のTEM観察写真及び説明図を
図1及び図2に示す。また、試料番号2の元素分析結果
を図3乃至図5に示す。分析箇所は、図3:3重点(図
2の1)、図4:結晶粒界(図2の2)、図5:粒子内
部(図2の3)である。これらの結果より、チタン成分
は、実質的に結晶粒界若しくは3重点に存在しているこ
とが分かる。
【0044】これは、チタン成分がベータアルミナ質セ
ラミックスの結晶粒界若しくは3重点の特性を改善する
ことで、破壊時の亀裂の進展を抑制し、破壊靭性値更に
は内圧破壊強度を向上させるものと思われる。また、比
抵抗値の低減についても、チタン元素が結晶粒界もしく
は3重点に存在することで、結晶粒界のガラス組成が従
来よりナトリウムイオン伝導性に優れたものになったと
思われる。
【0045】しかし、チタン成分(TiO2)の添加量
が2外質量%を越えるにつれて、相対密度、破壊靱性
値、内圧破壊強度は低下していく。これは、チタン成分
の量が過剰になると、組織中に粗大粒子が多くなり、粒
界に気孔が多く存在し、その結果、相対密度が上がら
ず、内圧破壊強度も低下していくためと思われる。この
ように粗大粒子が多くなると、平均粒子径、アスペクト
比は大きくなっていくが、破壊時における亀裂の進展は
粒内を進展し易くなるため、破壊靭性値も低下してい
く。
【0046】(実施例2)実施例2は、チタン成分及び
ジルコニア成分添加系ベータアルミナ質セラミックスの
実施例である。実施例1と同様に粉砕仮焼粉末を得る。
次いで、構造安定化剤として純度99.5%の炭酸リチ
ウムを、酸化物換算で残りの0.75%となるように所
定量秤量し、バインダー、水、及び粉砕仮焼粉末に対
し、純度99.9%、平均粒子径0.5μmのTiO2
を0.3外質量%、そして、平均粒径1μmのZrO2
を表2に示す所定量(外質量%)混合して水系スラリー
とし、その後、振動ふるい機で粗大粒子、粗大不純物の
除去を行う。次いで、得られたスラリーをスプレードラ
イヤーにより造粒し、造粒粉末を得る。実施例1と同様
に有底円筒管を各条件毎に10本ずつ作製する。得られ
た焼結体は、実施例1と同様に前記〜の項目につい
て調査を行う。これらの結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】試料番号9乃至試料番号13は、相対密度
が98%以上、破壊靭性値が2.8MPa・m0.5
上、内圧破壊強度が205.6MPa以上、比抵抗値が
3.3Ω−cm以下、更にチタン成分(TiO2)及び
ジルコニア成分(ZrO2)を微量添加(1.3〜1
5.3外質量%)した例である。試料番号14は、チタ
ン成分(TiO2))及びジルコニア成分(ZrO2)を
20.3外質量%添加した例である。
【0049】これらの結果より、本発明の構成要件であ
る破壊靭性値(2.3MPa・m0. 5以上)及び相対密
度(97.5%以上)を兼備することで、内圧破壊強度
(200MPa以上)等の機械的特性を良好にできるこ
とがわかる(試料番号9乃至試料番号13)。ベータア
ルミナ質セラミックスで有底円筒状固体電解質管を作成
する際、薄肉にし電解質の抵抗を下げても十分強度が得
られる点で機械的特性の面だけでなく電気的特性につい
ても大きく向上できる。
【0050】しかし、特定金属成分の酸化物換算におけ
る含有量が所定の範囲を越えると、比抵抗値を上昇させ
ていくことがわかる(試料番号14)。これは組織中に
ナトリウムイオン伝導性を持たないこれら特定金属成分
が占める割合が多くなり、ナトリウムイオンの伝導に障
害となりはじめたためと思われる。
【0051】(実施例3)実施例3は、いわゆる反応焼
結法の例である。出発原料として平均粒子径が1.9μ
mで、不純物元素(Ca及びSi)の含有量が酸化物換
算でそれぞれ0.01内質量%(Ca)、0.05内質
量%(Si)である純度99.9%のαアルミナ粉末
と、純度99.9%の炭酸ナトリウム粉末と、純度9
9.5%の炭酸リチウムを、それぞれ酸化物換算で9
0.2%(αアルミナ)、8.85%(炭酸ナトリウ
ム)、0.75%(炭酸リチウム)となるように所定量
秤量して混合粉末とし、次いで、バインダー、水、及び
混合粉末に対し、0.15内質量%の潤滑材と、ベータ
アルミナに対して純度99.9%、平均粒子径0.5μ
mのTiO2を表3に示す所定量(外質量%)混合して
水系スラリーとし、その後、振動ふるい機で粗大粒子、
粗大不純物の除去を行う。次いで、得られたスラリーを
スプレードライヤーにより造粒し、造粒粉末を得る。
【0052】得られた造粒粉末をCIP法(冷間静水圧
プレス法)により有底円筒状体に成形し、焼成を行い焼
結体を得る。ここで焼成スケジュールについては、昇温
速度は0.5℃/分とし、それぞれの組成における最適
温度にて10分保持のスケジュールにて行う。得られた
焼結体の寸法は、外径45mm×内径39mm×全長4
00mmである。焼結体は、各条件毎に10本ずつ作製
する。得られた焼結体は、実施例1の〜の項目につ
いて調査を行う。これらの結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】これらの結果より、本発明の構成要件であ
る破壊靭性値(2.3MPa・m0. 5以上)及び相対密
度(97.5%以上)を兼備する試料番号15乃至試料
番号20では、反応焼結法によって作製しても、実施例
1と同様の良好な機械的特性及び電気的特性が得られる
ことがわかる。かかる構成要件を兼備しない試料番号2
1及び試料番号22と比較して、内圧破壊強度、比抵抗
値がともに大きく向上していることが分かる。このよう
に、非常に安価な製造方法(焼成行程が1回で済む)に
よっても、機械的特性、電気的特性に優れたベータアル
ミナ質セラミックスを提供することができる。
【0055】(実施例4)実施例4は、潤滑材の添加量
の効果を調査した実施例である。実施例1と同様に粉砕
仮焼粉末を得る。次いで、構造安定化剤として純度9
9.5%の炭酸リチウムを、酸化物換算で残りの0.7
5%となるように所定量秤量し、バインダー、水、及び
粉砕仮焼粉末に対し、純度99.9%、平均粒子径0.
5μmのTiO2及び潤滑材を表4に示す所定量(外質
量%)混合して水系スラリーとし、その後、振動ふるい
機で粗大粒子、粗大不純物の除去を行う。尚、ここでの
潤滑剤の添加量は、αアルミナと炭酸ナトリウムの混合
粉末量に対する外質量%である。次いで、得られたスラ
リーをスプレードライヤーにより造粒し、造粒粉末を得
る。実施例1と同様に有底円筒管を各条件毎に10本ず
つ作製する。得られた焼結体は、実施例1と同様に前記
〜の項目について調査を行う。これらの結果を表4
に示す。
【0056】
【表4】
【0057】以上の結果より、潤滑剤を添加することに
より、添加していない試料番号2(表1)と比較して内
圧破壊強度が向上できることが分かる(試料番号23乃
至試料番号26)。これは、成形時の造粒子の潰れ性が
向上したことにより、緻密な成形体が得られるようにな
ったためと思われる。また、滑材の添加量が多くなると
(0.5内重量%を越える)、内圧破壊強度が低下して
いくことがわかる(試料番号27)。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、機械的特性、電気的特
性ともに優れたベータアルミナ質セラミックスを、安価
に安定的に得られるため、様々な電気化学デバイスへの
応用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料番号2のベータアルミナ質セラミックスの
TEM観察写真。
【図2】試料番号2のベータアルミナ質セラミックスの
TEM観察写真の説明図。
【図3】試料番号2のベータアルミナ質セラミックスの
3重点の元素分析結果を示すチャート。
【図4】試料番号2のベータアルミナ質セラミックスの
結晶粒界の元素分析結果を示すチャート。
【図5】試料番号2のベータアルミナ質セラミックスの
結晶粒子内部の元素分析結果を示すチャート。
【符号の説明】
1 試料番号2のベータアルミナ質セラミックスの
3重点。 2 試料番号2のベータアルミナ質セラミックスの
結晶粒界。 3 試料番号2のベータアルミナ質セラミックスの
結晶粒子内部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯尾 聡 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA16 AA17 AA21 AA36 BA03 BA20 CA04 CA05 GA09 GA11 GA18 5G301 CA02 CA12 CA17 CA25 CA28 CA30 CD01 CE02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)及び(b)の特性を兼備す
    ることを特徴とするベータアルミナ質セラミックス。 (a)破壊靭性値が2.3MPa・m0.5(JIS R
    1607に準拠する)以上。 (b)相対密度が97.5%以上。
  2. 【請求項2】 前記ベータアルミナ質セラミックスの結
    晶粒子が以下の(c)及び(d)の特性を兼備すること
    を特徴とする請求項1に記載のベータアルミナ質セラミ
    ックス。 (c)結晶粒子の平均粒子径が0.5〜5μm。 (d)結晶粒子のアスペクト比の平均値が4以下。
  3. 【請求項3】 以下の(e)及び(f)の特性を兼備す
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベー
    タアルミナ質セラミックス。 (e)内圧破壊強度が160MPa以上。 (f)比抵抗値が3.5Ω−cm以下。
  4. 【請求項4】 Ti(チタン)成分、Zr(ジルコニ
    ア)成分、Ta(タンタル)成分から選ばれる少なくと
    も1種を酸化物換算にて0.01〜20外質量%含むこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のベータア
    ルミナ質セラミックス。
  5. 【請求項5】 前記Ti(チタン)成分及び/又は前記
    Ta(タンタル)成分が、実質的にベータアルミナ質セ
    ラミックスの結晶粒界及び/又は3重点に存在すること
    を特徴とする請求項4に記載のベータアルミナ質セラミ
    ックス。
  6. 【請求項6】 前記Zr(ジルコニア)成分が平均粒径
    5μm以下の粒子で存在することを特徴とする請求項4
    に記載のベータアルミナ質セラミックス。
  7. 【請求項7】 リチウム安定化型ベータアルミナ質セラ
    ミックスであることを特徴とする請求項1乃至請求項6
    に記載のベータアルミナ質セラミックス。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のベータアルミナ
    質セラミックスの製造方法であって、 原料粉末として、純度99.9%以上のアルミナ源及び
    ナトリウム源を用いるとともに、 該アルミナ源がαアルミナ粉末であり、かつ、該αアル
    ミナ粉末が以下の(g)、(h)、(i)の特性を兼備
    することを特徴とするベータアルミナ質セラミックスの
    製造方法。 (g)平均粒径が0.5〜3μm。 (h)Ca(カルシウム)成分の含有量が酸化物換算に
    て0.02内質量%以下。 (i)Si(シリコン)成分の含有量が酸化物換算にて
    0.06内質量%以下。
  9. 【請求項9】 請求項7のリチウム安定化型ベータアル
    ミナ質セラミックスの製造方法であって、 原料粉末として、純度99.9%以上のアルミナ源及び
    ナトリウム源と、純度99.0%以上の炭酸塩、有機酸
    塩、酸化物から選ばれる少なくとも1種からなるリチウ
    ム源を用いるとともに、 該アルミナ源がαアルミナ粉末であり、かつ、該αアル
    ミナ粉末が以下の(g)、(h)、(i)の特性を兼備
    することを特徴とするベータアルミナ質セラミックスの
    製造方法。 (g)平均粒径が0.5〜3μm。 (h)Ca(カルシウム)成分の含有量が酸化物換算に
    て0.02内質量%以下。 (i)Si(シリコン)成分の含有量が酸化物換算にて
    0.06内質量%以下。
  10. 【請求項10】 アルミナ源とナトリウム源とを混合後
    熱処理し、ベータアルミナ質粉末を合成する工程と、 該合成粉末と、リチウム源と、Ti(チタン)成分、Z
    r(ジルコニア)成分、Ta(タンタル)成分から選ば
    れる少なくとも1種とを含む水系スラリを調製する工程
    と、 該水系スラリを噴霧乾燥して造粒粉末を得る工程と、 該造粒粉末を用いて成形体を得る工程と、 該成形体を焼成してベータアルミナ質セラミックスを得
    る工程とを含むことを特徴とする請求項9に記載のベー
    タアルミナ質セラミックスの製造方法。
  11. 【請求項11】 アルミナ源と、ナトリウム源と、リチ
    ウム源と、Ti(チタン)成分、Zr(ジルコニア)成
    分、Ta(タンタル)成分から選ばれる少なくとも1種
    とを含む水系スラリを調製する工程と、 該水系スラリを噴霧乾燥して造粒粉末を得る工程と、 該造粒粉末を用いて成形体を得る工程と、 該成形体を焼成してベータアルミナ質セラミックスを得
    る工程とを含むことを特徴とする請求項9に記載のベー
    タアルミナ質セラミックスの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記水系スラリに添加する前記Ti
    (チタン)成分、前記Zr(ジルコニア)成分、前記T
    a(タンタル)成分がいずれも純度99.0%以上、か
    つ、平均粒径が5μm以下の粒子であることを特徴とす
    る請求項10又は請求項11に記載のベータアルミナ質
    セラミックスの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記水系スラリに潤滑剤をアルミナ源
    とナトリウム源の合計(酸化物換算)に対して0.05
    〜0.5内質量%添加することを特徴とする請求項10
    乃至請求項12に記載のベータアルミナ質セラミックス
    の製造方法。
JP32958199A 1999-11-19 1999-11-19 ベータアルミナ質セラミックス及びその製造方法 Pending JP2001151561A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32958199A JP2001151561A (ja) 1999-11-19 1999-11-19 ベータアルミナ質セラミックス及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32958199A JP2001151561A (ja) 1999-11-19 1999-11-19 ベータアルミナ質セラミックス及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001151561A true JP2001151561A (ja) 2001-06-05

Family

ID=18222958

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32958199A Pending JP2001151561A (ja) 1999-11-19 1999-11-19 ベータアルミナ質セラミックス及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001151561A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013008684A (ja) * 2005-07-27 2013-01-10 Nippon Shokubai Co Ltd 固体電解質シート
KR101410940B1 (ko) 2012-07-13 2014-07-01 재단법인 포항산업과학연구원 베타 알루미나 소결체 및 그의 제조방법
WO2017090717A1 (ja) * 2015-11-28 2017-06-01 京セラ株式会社 釣り糸用ガイド部材

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013008684A (ja) * 2005-07-27 2013-01-10 Nippon Shokubai Co Ltd 固体電解質シート
KR101410940B1 (ko) 2012-07-13 2014-07-01 재단법인 포항산업과학연구원 베타 알루미나 소결체 및 그의 제조방법
WO2017090717A1 (ja) * 2015-11-28 2017-06-01 京セラ株式会社 釣り糸用ガイド部材
JPWO2017090717A1 (ja) * 2015-11-28 2017-11-24 京セラ株式会社 釣り糸用ガイド部材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4803183A (en) Dense molded bodies of polycrystalline aluminum nitride and process for preparation without use of sintering aids
JP2001064080A (ja) 窒化珪素焼結体及びその製造方法
JP6982000B2 (ja) 配向AlN焼結体及びその製法
JP2002316866A (ja) 耐久性にすぐれたアルミナ質焼結体からなる熱処理用部材
JP2001151561A (ja) ベータアルミナ質セラミックス及びその製造方法
JP2002220282A (ja) 窒化アルミニウム焼結体とその製造方法
JP2002128563A (ja) 耐熱衝撃抵抗性に優れたセラミック製熱処理用部材
US6667264B2 (en) Silicon nitride sintered material and process for production thereof
JP5673945B2 (ja) 窒化ケイ素系セラミックスの製造方法
JP5312523B2 (ja) セラミック製刃物およびその製造方法
JP2004315293A (ja) ジルコニア製熱処理用部材とその製造方法
CN101665352A (zh) 氧化铝烧结体及其制造方法
JP2006327924A (ja) セラミック製刃物およびその製造方法
JP2006347829A (ja) 珪酸ジルコニウム焼結体およびその製造方法
JP3121996B2 (ja) アルミナ質焼結体
JP3656899B2 (ja) 高密度ジルコニウム酸バリウム焼結体および製造法
JPH1179848A (ja) 窒化珪素質焼結体
JP2003034575A (ja) 固体電解質素子
JP2001002466A (ja) 高耐電圧性アルミナ基焼結体およびその製造方法
JP2961389B2 (ja) 高強度マグネシア焼結体及びその製造方法
JP3446093B2 (ja) ベ−タ・アルミナ焼結体およびその製造方法
JP2024053480A (ja) 窒化ケイ素焼結体の製造方法
JP2793635B2 (ja) 窒化ケイ素粉末組成物
JPH07215759A (ja) ジルコニア磁器及びその製法
JP2000226261A (ja) 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法