JP2001150475A - 中空成形体の製造方法 - Google Patents

中空成形体の製造方法

Info

Publication number
JP2001150475A
JP2001150475A JP34016799A JP34016799A JP2001150475A JP 2001150475 A JP2001150475 A JP 2001150475A JP 34016799 A JP34016799 A JP 34016799A JP 34016799 A JP34016799 A JP 34016799A JP 2001150475 A JP2001150475 A JP 2001150475A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
thermoplastic resin
molding
hollow molded
molding die
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34016799A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Furuta
明寛 古田
Nobuhiro Usui
信裕 臼井
Takeo Kitayama
威夫 北山
Shigeyoshi Matsubara
重義 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP34016799A priority Critical patent/JP2001150475A/ja
Publication of JP2001150475A publication Critical patent/JP2001150475A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
    • B29C45/1705Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles using movable mould parts

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂層の破れや、中空成形体の外周
部が良好に膨らまない事態を防止できるようにする。 【解決手段】 (a)上型22と下型23とからなり、
少なくとも上型22が型開閉方向へ移動可能である金型
21を使用するとともに、上型22と下型23との間に
溶融状熱可塑性樹脂2’を供給し、賦形する工程、
(b)溶融状熱可塑性樹脂2’の未固化部分に圧縮流体
を供給して中空部2aを形成する工程、(c)金型21
内の成形品における上型22側の面を上型22の成形面
に保持する工程、(d)少なくとも上型22を型開き方
向へ移動させて、上型22と下型23との間隔を広げる
工程を含み、工程(b)と工程(c)と工程(d)との
少なくとも一部を同時に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば住宅の壁材
として使用される中空成形体の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば住宅の壁材として樹脂成形
体が使用されている。この種の成形体では、例えば断熱
機能の向上、軽量化、製品厚みの増大等を図るために、
内部に中空部が形成される。このような中空部を有する
成形体、即ち中空形成体の製造方法としては、例えば特
開平5−84764号あるいは特開平8−11151号
に開示されているように、熱可塑性樹脂を一旦賦形した
後、その熱可塑性樹脂に圧縮流体を供給しながら金型の
間隔を増大させることにより熱可塑性樹脂中に中空部を
形成する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性樹脂に圧縮流体を供給しながら金型の間隔を単に増大
させるだけの上記従来の製造方法では、中空部が形成さ
れる過程において、中空部の広がる速度と金型の間隔を
増大させる速度とが適合しなければ、熱可塑性樹脂層に
破れが生じること、あるいは中空成形体の外周部が良好
に膨らまないことなどの不具合を招来する。そして、上
記両速度を適合させることは容易ではなく、このため、
上記の不具合の発生を容易に防止することができる中空
成形体の製造方法が求められている。
【0004】したがって、本発明は、熱可塑性樹脂層の
破れや、中空成形体の外周部が良好に膨らまない事態を
容易に防止することができる中空成形体の製造方法の提
供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の中空成形体の製造方法は、(a)一対を
なす第1成形型と第2成形型とからなり、少なくとも第
1成形型が型開閉方向へ移動可能である成形型を使用す
るとともに、第1成形型と第2成形型間との間に溶融状
熱可塑性樹脂を供給し、賦形する工程、(b)前記熱可
塑性樹脂の未固化部分に圧縮流体を供給する工程、
(c)前記成形型内に供給された材料の、第1成形型の
成形面に当接する面を第1成形型の成形面に保持する工
程、(d)少なくとも第1成形型を型開き方向へ移動さ
せて、第1成形型と第2成形型との間隔を広げる工程を
含み、工程(b)と工程(c)と工程(d)との少なく
とも一部を同時に行うことを特徴としている。
【0006】上記の構成によれば、工程(a)により、
第1成形型と第2成形型間との間に溶融状熱可塑性樹脂
を供給して賦形し、工程(b)により、熱可塑性樹脂の
未固化部分に圧縮流体を供給して、熱可塑性樹脂に中空
部を形成する。
【0007】また、工程(c)により、成形型内の成形
品における第1成形型側の面を第1成形型の成形面に保
持し、工程(d)により、少なくとも第1成形型を型開
き方向へ移動させて、第1成形型と第2成形型との間隔
を広げるが、これら工程(c)と工程(d)と熱可塑性
樹脂に中空部を形成する上記工程(b)との少なくとも
一部を同時に行う。
【0008】したがって、熱可塑性樹脂に圧縮流体を供
給して中空部を形成する際には、この工程の少なくとも
一部のタイミングにおいて、第1成形型が型開き方向へ
移動し、かつ成形型内に供給された材料の、第1成形型
の成形面に当接する面が、第1成形型の成形面に保持さ
れて、第1成形型の移動に伴って型開き方向、即ち熱可
塑性樹脂層の中空部形成による厚み増加方向へ移動す
る。
【0009】これにより、熱可塑性樹脂層の破れや、中
空成形体の外周部が良好に膨らまない事態を容易に防止
することができる。
【0010】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(c)を第1成形型の成形面に形成した吸引口からの吸
引により行う構成であってもよい。
【0011】上記の構成によれば、工程(c)における
成形型内の成形品における第1成形型側の面を第1成形
型の成形面に保持する処理を簡単な構成により容易に行
うことができる。
【0012】また、成形型内の成形品が例えば多孔質材
を有する場合に、この多孔質材が含む水分を前記吸引に
よって成形型外へ排出することができるので、前記水分
が存在することによる多孔質材と熱可塑性樹脂との接着
性の低下を抑制し、これら両者の接着を良好に行うこと
ができる。
【0013】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(a)から工程(d)をこの順序で開始する構成として
もよい。
【0014】上記の構成によれば、工程(a)から工程
(d)をこの順序で開始するので、各工程を適切なタイ
ミングで行うことができ、中空成形体の製造を要領良く
行うことができる。
【0015】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(a)と工程(b)との少なくとも一部を同時に行う構
成としてもよい。
【0016】上記の構成によれば、第1成形型と第2成
形型間との間に溶融状熱可塑性樹脂を供給し、賦形する
工程(a)と、熱可塑性樹脂の未固化部分に圧縮流体を
供給して、熱可塑性樹脂に中空部を形成する工程(b)
との少なくとも一部が同時に行われるので、効率的に中
空部を形成することができる。
【0017】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(a)に先立って、第1成形型と第2成形型との間に少
なくとも1枚の表面材を配置するとともに、工程(a)
において、第1成形型側に位置する前記表面材の第2成
形型側の面に溶融状熱可塑性樹脂を供給する構成として
もよい。
【0018】上記の構成によれば、表面材を有する中空
成形体を製造することができ、表面材として例えば用途
に応じた機能を有するものを使用すれば、中空成形体に
多種の機能を付与することができる。
【0019】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(d)の開始から完了までの間に工程(c)を開始する
構成としてもよい。
【0020】上記の構成によれば、少なくとも第1成形
型を型開き方向へ移動させて、第1成形型と第2成形型
との間隔を広げる工程(d)の開始から完了までの間
に、成形型内の成形品における第1成形型側の面を第1
成形型の成形面に保持する工程(c)が開始される。し
たがって、型開き方向への第1成形型の移動の適当なタ
イミングにおいて成形型内の成形品における第1成形型
側の面を第1成形型の成形面に保持することができるの
で、熱可塑性樹脂層の破れや、中空成形体の外周部が良
好に膨らまない事態を適切に防止することができる。
【0021】上記の中空成形体の製造方法は、少なくと
も工程(b)の開始以後に前記熱可塑性樹脂を冷却する
工程(e)を含み、工程(d)と工程(e)との少なく
とも一部を同時に行う構成としてもよい。
【0022】上記の構成によれば、少なくとも第1成形
型を型開き方向へ移動させて、第1成形型と第2成形型
との間隔を広げる工程(d)と、熱可塑性樹脂を冷却す
る工程(e)との少なくとも一部が同時に行われる。し
たがって、中空成形体の形成サイクルを短縮することが
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1ない
し図13に基づいて以下に説明する。
【0024】本実施の形態の製造方法により製造される
中空成形体は、例えば図3に示す構成である。即ち、こ
の中空成形体1は、熱可塑性樹脂層2と表面層(表面
材)3とが積層され、熱可塑性樹脂層2の内部に中空部
2aを有する構成である。
【0025】熱可塑性樹脂層2と表面層3とは、熱可塑
性樹脂層2の成形を行う際に、この成形と同時に表面層
(表面材)3が熱可塑性樹脂層2と接着され、一体化さ
れる。
【0026】表面層3としての表面材は、熱可塑性樹脂
と容易に接着あるいは溶着するものであれば、材質は特
に限定されず、適宜選択される。例えば、熱可塑性樹脂
層2と同じ熱可塑性樹脂製の表面材、あるいは溶着可能
な樹脂製表面材が用いられる。
【0027】また、表面材は、熱可塑性樹脂層2と溶着
しない材質のものであってもよく、この例としては多孔
質性硬質板が挙げられれる。多孔質性硬質板は、その材
質中に微細な空隙(孔)を有しているものであり、その
空隙は連通であっても独立気泡であってもよい。多孔質
性硬質板を使用した場合、この多孔質性硬質板と熱可塑
性樹脂層2とは、多孔質性硬質板の表面の孔または凹凸
により、高い接着強度で接着される。即ち、図4に示す
ように、両者の接着界面において、多孔質性硬質板の例
えば凹部3bに熱可塑性樹脂層2が入り込むことによ
り、接着面積が広くなり、かつアンカー効果により両者
に物理的な連結が生じる。この結果、接着強度が高くな
る。このように、表面材は、熱可塑性樹脂層2と溶着し
ない材質のものである場合、表面に微細な凹凸や穴など
の粗面を有しているものが、熱可塑性樹脂層2との接着
強度を高める上で好ましい。
【0028】上記の多孔質性硬質板の材質としては、建
築物の外装材や内装材として適する材質が好ましく用い
られる。例えば、珪酸カルシウム系、セメント系、石膏
系、あるいは焼成して得られる陶器、磁器などが使用で
き、好ましくは鉱物を原料とした無機系の材質である。
また、珪酸カルシウム系、セメント系および石膏系材料
にパルプやガラス繊維などの補強繊維を添加したものも
用いることができる。
【0029】また、目的に応じて断熱性能や不燃性能、
あるいは遮音、吸音性能、電磁波障害対策性能を有する
表面材を積層することにより、中空成形体1に様々な機
能を付加することができる。即ち、表面材は、熱可塑性
樹脂層2に積層される場合、中空成形体1に要求される
機能や意匠等によって適宜その材質が選択される。
【0030】また、表面材(表面層3)は、ある程度の
剛性を有しているものが好ましい。したがって、例えば
JIS A1408に規定される建築用ボード類の曲げ
試験方法において、5号試験体(200×150mm)
を用いた試験での曲げ破壊荷重が1kgf(10N)以
上の硬さのものが好ましく用いられる。
【0031】熱可塑性樹脂層2の材料には、一般的な射
出成形、射出圧縮成形、押出成形あるいはスタンピング
成形等において通常使用される熱可塑性樹脂をそのまま
適用可能である。即ち、熱可塑性樹脂層2の材料として
は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオ
レフィン樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、アク
リロニトリル・スチレン・ブタジエンブロック共重合
体、ナイロンなどの一般的な熱可塑性樹脂、エチレン・
プロピレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエンブ
ロック共重合体などの熱可塑性エラストマー、あるいは
これらのポリマーアロイなどが挙げられる。
【0032】また、このような樹脂は、タルクやガラス
繊維などの充填材、顔料、滑剤、帯電防止剤、酸化防止
剤などの通常使用される各種の添加剤を含有していても
よい。
【0033】表面層3は、図5に示す中空成形体11の
ように、熱可塑性樹脂層2の両面に積層されることが意
匠性の面から好ましいものの、その積層対象面や範囲に
ついては用途に応じて適宜選択される。また、例えば、
図6に示す中空成形体12のように、表面層3が設けら
れていない構成とすることも可能である。また、表面層
3には穴などの開口部や切り欠きが形成されていてもよ
く、特に形状は制限されない。
【0034】また、中空成形体1(他の中空成形体も含
む。以下、同様)において、熱可塑性樹脂層2に積層さ
れる表面層3は、1枚状のものでもよいし、熱可塑性樹
脂層2の同一面上に並べて積層された複数枚からなるも
のであってもよい。
【0035】上記の複数枚からなる表面層3の場合、そ
れらは互いに同材質のもの、あるいは異材質のものの何
れであってもよく、形状や厚みも互いに同じものあるい
は異なるものであってもよい。
【0036】また、中空成形体1は、熱可塑性樹脂層2
が中空部2aを有する構造とすることにより、断熱機能
が付加され、あるいは剛性を高めることが可能となる。
【0037】また、中空成形体11において、熱可塑性
樹脂層2の両面に積層される表面層3(表面材)は、互
いに同材質のもの、あるいは異材質のものの何れであっ
てもよく、形状や厚みも互いに同じものあるいは異なる
ものであってもよい。
【0038】また、本発明の中空成形体の製造方法に使
用される製造装置は、例えば図1(a)に示す金型(成
形型)21を備えている。この金型21は、上型(第1
成形型)22と下型(第2成形型)23からなり、上型
22には例えば2本の吸引通路26が形成されている。
この吸引通路26のキャビティ側の端部(吸引口)は上
型22の下面に開口している。吸引通路26には、吸引
動作を行う吸引装置(図示せず)が接続されている。
【0039】下型23には、キャビティ内に溶融状熱可
塑性樹脂を供給するための樹脂通路24と、上記溶融状
熱可塑性樹脂内に圧縮流体、例えば圧縮空気を供給する
ための圧縮流体通路25とが形成されている。上記樹脂
通路24には、溶融状熱可塑性樹脂を供給する樹脂供給
装置(図示せず)が接続され、圧縮流体通路25には、
圧縮流体供給装置(図示せず)が接続されている。
【0040】次に、上記中空成形体1の製造方法につい
て説明する。
【0041】先ず、熱可塑性樹脂層2の片面のみに表面
層3が積層されている中空成形体1の製造方法について
説明する。
【0042】先ず、図1(a)に示すように、下型23
に対して上型22が開いた状態に金型21を型開きし、
この状態において、図1(b)に示すように、下型23
上に表面層3となる表面材6を配する。
【0043】次に、図1(c)に示すように、上型22
を降下させて金型21内にキャビティを形成した状態に
おいて、樹脂通路24を通じて下型23の上面と表面材
6との間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給する。
【0044】次に、図1(d)に示すように、型締めを
行い、溶融状熱可塑性樹脂2’を賦形する。
【0045】次に、図2(a)に示すように、圧縮流体
通路25を通じて溶融状熱可塑性樹脂2’内に圧縮流体
として例えば圧縮空気を送り込む。また、上記圧縮空気
の供給動作と並行して、上型22を上方、即ち型開き方
向へ移動させる。これによって、図2(b)に示すよう
に、熱可塑性樹脂層2内に中空部2aが形成される。さ
らに、この上型22の移動の際には、吸引装置を作動さ
せて上型22の下面(成形面)に表面材6を吸着させ
る。吸引装置を作動させるタイミングは、中空部2aの
形成のための圧縮空気の供給に伴って上型22の移動を
開始する時点以前であってもよい。
【0046】その後、所定の冷却期間をおいた後、金型
21を開き、熱可塑性樹脂層2の片面に表面層3が積層
され、かつ内部に中空部2aを有する構造の中空成形体
1を金型21内から取り出す。
【0047】次に、熱可塑性樹脂層2の片面のみに表面
層3が積層されている中空成形体1の製造方法におい
て、予め表面層3となる表面材6を上型22の下面に配
置する場合について説明する。
【0048】先ず、図7(a)に示すように、下型23
に対して上型22が開いた状態に金型21を型開きし、
この状態において、図7(b)に示すように、上型22
の下面に表面材6を配する。このときには、吸引装置を
作動させ、吸引通路26を通じて吸引を行うことによ
り、表面材6を上型22の下面に吸着する。
【0049】次に、図7(c)に示すように、上型22
を降下させて金型21内にキャビティを形成した状態に
おいて、樹脂通路24を通じて下型23の上面と表面材
6との間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給する。
【0050】次に、図7(d)に示すように、型締めを
行い、溶融状熱可塑性樹脂2’を賦形する。その後、吸
引装置による吸引を継続し、図2(a)(b)の工程を
経て、中空成形体1を得る。
【0051】次に、熱可塑性樹脂層2の両面に表面層3
が積層されている積層パネル11の製造方法について説
明する。
【0052】先ず、図8(a)に示すように、下型23
に対して上型22が開いた状態に金型21を型開きし、
この状態において、図8(b)に示すように、下型23
上に表面層3となる表面材5、6を配する。下側の表面
材5には、表面材5、6間に樹脂通路24を連通させる
ための切欠き部5aと流体通路25を連通させるための
切欠き部5bとが形成されている。
【0053】次に、図8(c)に示すように、上型22
を降下させて金型21内にキャビティを形成した状態に
おいて、樹脂通路24を通じて表面材5と表面材6との
間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給する。
【0054】次に、図8(d)に示すように、型締めを
行い、溶融状熱可塑性樹脂2’を賦形する。
【0055】次に、図9(a)に示すように、圧縮流体
通路25を通じて溶融状熱可塑性樹脂2’内に圧縮流体
として例えば空気を送り込む。また、上記圧縮空気の供
給動作と並行して、上型22を上方、即ち型開き方向へ
移動させる。これによって、図9(b)に示すように、
熱可塑性樹脂層2内に中空部2aが形成される。さら
に、この上型22の移動の際には、吸引装置を作動させ
て上型22の下面に表面材6を吸着させる。
【0056】その後、所定の冷却期間をおいた後、金型
21を開き、熱可塑性樹脂層2の両面に表面層3が積層
され、かつ内部に中空部2aを有する構造の積層パネル
11を金型21内から取り出す。
【0057】次に、熱可塑性樹脂層2の両面に表面層3
が積層されている中空成形体11の製造方法において、
表面層3となる表面材6を予め上型22の下面に配置す
る場合について説明する。
【0058】先ず、図10(a)に示すように、下型2
3に対して上型22が開いた状態に金型21を型開きす
る。この状態において、図10(b)に示すように、下
型23の上面に表面材5を配し、吸引装置を作動させて
上型22の下面に表面材6を配する。
【0059】次に、図10(c)に示すように、上型2
2を降下させて金型21内にキャビティを形成した状態
において、樹脂通路24を通じて表面材5と表面材6と
の間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給する。
【0060】次に、図10(d)に示すように、型締め
を行い、溶融状熱可塑性樹脂2’を賦形する。その後、
図9(a)(b)の工程を経て、中空成形体11を得
る。
【0061】以上の製造方法において、上型22の下面
に予め表面材6を配する方法としては、上記の吸引ばか
りでなく、例えば両面テープや上型22に設けた吸盤に
て上型22の下面に表面材6を貼着してもよい。この場
合には、表面材6を予め上型22の下面に保持しておく
ための、図7(b)から図7(d)および図10(b)
から図10(d)までの吸引装置による吸引動作は、特
に行う必要がない。
【0062】また、表面材6を上型22の下面に保持す
るための吸引動作(図7(b)から図7(d)、および
図10(b)から図10(d)までの工程)、および表
面材6を上型22の上昇に伴って上昇させるための吸引
動作(図2(a)から図2(b)、および図9(a)か
ら図9(b)までの工程)に代えて、金型21において
表面材6を予め上型22の下面に取り外し可能に機械的
に固定しておく構成を採用することも可能である。
【0063】なお、表面材6を上型22の下面に吸着す
る工程を行った場合には、表面材6に含まれる水分を上
記吸引によって金型21外へ排出することができる。
【0064】上記の吸引を行うことは、表面材6として
多孔質性硬質板を使用する場合に特に有効である。即
ち、多孔質性硬質板は、その材質中あるいは内部の空隙
中等に水分を含んでおり、溶融状熱可塑性樹脂2’が供
給されたときに、その熱によって上記水分が多孔質性硬
質板から蒸発する。この影響により、溶融状熱可塑性樹
脂2’(熱可塑性樹脂層2)と多孔質性硬質板との接着
が良好に行えなくなる。
【0065】上記問題の対策の一つとしては、予め多孔
質性硬質板に含まれる水分量を低くしておくことが考え
られる。その方法としては、多孔質性硬質板の加熱によ
る乾燥や、自然放置による乾燥、加圧による水分の除去
などである。しかしながら、これらの方法は、独立した
工程として中空成形体の製造における工数増をもたら
し、製造コストの上昇を招来する。
【0066】そこで、多孔質性硬質板に含まれる水分あ
るいは多孔質性硬質板から蒸発する水分は、上記のよう
に、熱可塑性樹脂層2の成形と同時に、金型21外へ排
出すればよい。これにより、多孔質性硬質板からの独立
した脱水工程を必要とせず、したがって大幅なコスト増
を伴うことなく、熱可塑性樹脂層2と多孔質性硬質板と
を良好に接着することができる。
【0067】また、溶融状熱可塑性樹脂2’を供給する
前に、予め多孔質性硬質板に含まれる水分を上記吸引に
より金型21外へ排出した場合には、水分が溶融状熱可
塑性樹脂2’の熱によって蒸発し、その影響により、多
孔質性硬質板と熱可塑性樹脂層2との接着性が低下する
事態も抑制することができる。
【0068】次に、表面層3を備えず、熱可塑性樹脂層
2のみからなる中空成形体12の製造方法について説明
する。
【0069】先ず、図11(a)に示すように、下型2
3に対して上型22が開いた状態に金型21を型開きす
る。
【0070】次に、図11(b)に示すように、上型2
2を降下させて金型21内にキャビティを形成した状態
において、樹脂通路24を通じて下型23と上型22と
の間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給する。
【0071】次に、図11(c)に示すように、型締め
を行い、溶融状熱可塑性樹脂2’を賦形する。
【0072】次に、図12(a)に示すように、圧縮流
体通路25を通じて溶融状熱可塑性樹脂2’内に圧縮流
体として例えば圧縮空気を送り込む。また、上記圧縮空
気の供給動作と並行して、上型22を上方、即ち型開き
方向へ移動させる。これによって、図12(b)に示す
ように、熱可塑性樹脂層2内に中空部2aが形成され
る。さらに、この上型22の移動の際には、吸引装置を
作動させて上型22の下面に溶融状熱可塑性樹脂2’を
吸着させる。
【0073】その後、所定の冷却期間をおいた後、金型
21を開き、熱可塑性樹脂層2の内部に中空部2aを有
する構造の中空成形体12を金型21内から取り出す。
【0074】上記の製造方法において、溶融状熱可塑性
樹脂2’内への圧縮流体の供給動作と、上型22の上昇
動作と、吸引装置による表面材6の吸引動作とは、少な
くとも一部のタイミングにおいて同時に行われていれば
よい。
【0075】また、以上の製造方法において、キャビテ
ィ内への溶融状熱可塑性樹脂2’の供給方法としては、
供給された溶融状熱可塑性樹脂2’を不必要に冷却させ
ないためにも、例えば図1(c)に示したように、金型
21に設けた樹脂通路24を経由して直接キャビティ内
に射出供給する方法が好ましいが、型締めを溶融状熱可
塑性樹脂2’の供給完了後に行う場合には樹脂供給ノズ
ルなどを備えた外部供給手段によってキャビティ内に供
給する方法であってもよく、これらの方法が適宜採用さ
れる。
【0076】また、他の方法としては、溶融状熱可塑性
樹脂2’を予め型締めされた金型21内に射出供給する
方法でもよい。さらに、未閉鎖の金型21に溶融状熱可
塑性樹脂を供給し、この樹脂の供給完了後に金型21の
型締めを開始して金型21を閉じ、予め設定された加圧
力で型締めすることにより溶融状熱可塑性樹脂2’を加
圧してキャビティ内に押し広げる方法でもよい。
【0077】また、溶融状熱可塑性樹脂2’の供給中に
型締めを開始したり、あるいは連続的な型締め動作中に
溶融状熱可塑性樹脂2’の供給を開始して、金型21を
閉じる動作と溶融状熱可塑性樹脂2’の供給動作とを並
行して行い、型締め完了と同時または型締めが完了する
前に溶融状熱可塑性樹脂2’の供給が完了するようにし
てもよい。
【0078】また、表面層3としては、例えば中空成形
体に加飾を施すための加飾層であってもよい。
【0079】また、上記の製造方法において、賦形完了
後には所定の加圧面圧(型締力を中空成形体の投影面積
で割ったもの)で熱可塑性樹脂層2を加圧、冷却して、
中空成形体1、11、12を得ている。この場合には、
同一の加圧面圧にて型締めを継続してもよいし、加圧中
に加圧面圧を適宜変化させてもよい。例えば、溶融状熱
可塑性樹脂2’の賦形完了から所定時間の経過後に加圧
面圧を低下させてもよい。
【0080】また、ほぼ製品厚みに型締めした金型間に
溶融状熱可塑性樹脂を供給する場合にも、所定の加圧面
圧で加圧、冷却して成形体を得てもよい。あるいは、そ
のままの型閉め位置から型締めせずに、ほぼ無負荷の状
態で冷却を行ってもよい。
【0081】上記の加圧面圧は、中空成形体の大きさや
成形条件によっても異なるが、溶融状熱可塑性樹脂賦形
完了時には通常0.3〜15MPaとし、賦形完了から
所定の時間の経過後には通常0〜10MPaに低下させ
ており、このように設定するのが好ましい。加圧面圧を
変化させるタイミングとしては、賦形完了から、中空成
形体を取出すまでの任意の時点が適宜選択されるが、好
ましくは賦形完了後1秒から20秒の間である。
【0082】中空部2aを形成するために溶融状熱可塑
性樹脂2’に注入される圧縮流体としては、一般的には
圧縮ガスが多いものの、液体でもよい。即ち、上記圧縮
流体として空気、窒素、二酸化炭素などの圧縮気体が一
般的であるものの、溶融状熱可塑性樹脂2’の熱により
容易に気化する液化炭酸ガスや水等の液体も用いること
ができる。圧縮流体は1MPa以上の高圧ガスであって
もよいし、1MPa未満の低圧ガスであってもよいが、
製造コストの点からは後者が好ましい。また、圧縮流体
の注入圧力は、注入開始から終了まで一定であってもよ
いし、注入中に任意に変化させてもよい。
【0083】上記の圧縮流体を供給するタイミングは、
キャビティ内に供給された溶融状熱可塑性樹脂2’がキ
ャビティ内の圧縮流体注入口(流体通路25)に到達し
た後、中空部2aを形成することが可能である間なら特
に限定されず、任意である。圧縮流体の供給のし易さの
点から、好ましくは、溶融状熱可塑性樹脂2’の賦形完
了後1秒から20秒の間である。
【0084】圧縮流体の供給は、溶融状熱可塑性樹脂
2’が金型内で冷却、固化されるまでの間において連続
的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。また、中
空部2aが形成された後は、溶融状熱可塑性樹脂2’を
冷却固化させている途中で流体の供給を停止して圧力を
保持するような形態でもよい。
【0085】上記圧縮流体の供給は、一箇所のみから行
なう必要はなく、中空成形体の形状や大きさなど必要に
応じて適宜複数個所から行なってもよい。
【0086】溶融状熱可塑性樹脂2’に供給した中空部
形成用の圧縮流体は、圧縮流体の供給開始と同時、また
は供給開始後に、金型21内へ供給しながら金型21内
の中空成形体の一部分から放出するとともに、中空部2
a内を循環させてもよい。これによって溶融状熱可塑性
樹脂2’の冷却が促進されて成形サイクルを短縮するこ
とができる。
【0087】溶融状熱可塑性樹脂2’からの圧縮流体の
放出方法としては、多点から圧縮流体の供給操作を行
い、圧縮流体の供給圧力に差を設けて圧力の低い方から
流体が放出されるようにしてもよいし、放出専用の媒体
放出口を設けてもよい。あるいは圧縮流体を供給した供
給口から放出するようにしてもよく、この場合には圧縮
流体の供給と放出とを繰り返し行ってもよい。これら圧
縮流体の放出方法は、適宜選択でき、特に限定されな
い。
【0088】圧縮流体の放出を開始するタイミングは、
圧縮流体の供給開始と同時でも、圧縮流体の供給開始か
ら一定時間経過後でもよい。もちろん、圧縮流体の供給
と放出を並行して行ってもよいし、これらを交互に行っ
てもよく、また、圧縮流体の供給終了後にも圧縮流体の
放出を継続してもよい。
【0089】中空部2aを形成するために上下型22、
23の間隔を増大させるタイミングとしては、上下型2
2、23の間隔の増大により中空部2aが形成可能な時
期なら特に制限されない。即ち、上記工程は、圧縮流体
の供給開始後、任意のタイミングで行うことができ、圧
縮流体の供給開始後1秒から20秒のタイミングで行う
ことが、中空部2aの形成のし易さの点から好ましい。
このタイミングは製品の大きさ、成形条件、流体圧力、
キャビティ空間の増大量等によって適宜選択される。
【0090】以上のように、本中空成形体の製造方法に
おいては、溶融状熱可塑性樹脂2’内に中空部2aを形
成する際の上型22の上昇に伴って金型21内の成形品
の上面を引き上げる構成となっている。これにより、熱
可塑性樹脂層2の破れや、中空成形体の外周部が良好に
膨らまない事態を容易に防止することができる。なお、
上記成形品の上面とは、表面材6が上面となっている場
合にはこの表面材6であり、表面材6を有していない場
合には熱可塑性樹脂層2(溶融状熱可塑性樹脂2’)で
ある。
【0091】また、上記の製造方法において、中空部2
a形成の際の可動型の型開き方法への移動、即ち上型2
2の上昇に伴って、吸引により成形品の上面を引き上げ
る構成の場合、少なくとも上型22の上昇工程の一部と
吸引工程の一部とが同時に行われることが必要である。
【0092】また、上記吸引工程は、溶融状熱可塑性樹
脂2’の賦形完了後から金型間隔の増大工程が終了する
までの間において行うことが好ましいが、特に溶融状熱
可塑性樹脂の賦形完了直後に吸引を開始し、少なくとも
金型間隔の増大工程が終了するまで吸引を継続すること
が好ましい。
【0093】また、上記吸引工程は、溶融状熱可塑性樹
脂2’の供給に先立って少なくとも表面材6を配置する
場合には、表面材6の配置後から金型間隔の増大工程が
終了するまでの間において行うことが好ましい。
【0094】熱可塑性樹脂層2に積層される表面層3、
例えば加飾層としては、軟質のものや硬質ものなど任意
のものが使用可能であり、熱可塑性樹脂層2の両面に積
層される場合には、同材質のものでも異材質のものでも
よい。また、それらの形状についても同形状でも異形状
でもよく、特に限定されない。このような、加飾層が積
層される場合には、上記吸引工程を特に効率よく行うこ
とができ、好ましい。
【0095】金型21内に表面材6を予め配置して中空
成形体の成形を行う場合、上記吸引工程は、熱可塑性樹
脂層2の供給前から開始してもよく、また、そのまま金
型間隔増大工程が終了するまで継続してもよい。さらに
は、中空成形体取出しの型開きまで吸引を継続してもよ
く、吸引工程は任意のタイミングまで継続可能である。
また、効率的に吸引工程を行うために、金型21の面に
吸引口を取り囲むように軟質部材を設けてもよい。
【0096】上記吸引工程は、本実施の形態において、
専用に設けた吸引通路26を使用して行っているが、金
型面に予め存在する割り線、あるいはエジェクターピン
やスライドブロックの隙間などを利用することも可能で
ある。
【0097】また、吸引動作により表面材6の吸着を行
う場合、吸引通路26は一本のみ設けられていてもよい
が、複数本設けられていてるのが好ましい。また、吸引
通路26における金型21のキャビティ面での開口部
(穴)の総面積は、金型(上型22)におけるキャビテ
ィに面する金型面の面積の0.1〜30%とすることが
好ましい。上記開口部の総面積が0.1%より小さい場
合には効率的な吸引が行えない場合がある一方、30%
より大きい場合には、上記開口部によって中空成形体に
凹凸が生じてしまう場合がある。したがって、上記開口
部の総面積は上記の範囲内とするのが好ましい。
【0098】また、図13に示すように、吸引通路26
におけるキャビティ側の端部(開口部)に多孔質部材3
1を設け、この多孔質部材31を介して上記吸引を行う
構成とすれば、中空成形体に上記凹凸が生じる事態を防
止することができる。また、多孔質部材31を上型22
における成形品との対向面の全面に設けた構成とすれ
ば、成形品の表面に局部的な負荷が加わらず、良好な吸
引動作を行うことができる。
【0099】また、供給される溶融状熱可塑性樹脂2’
の温度、供給圧力、供給速度、溶融状熱可塑性樹脂2’
の供給時の金型間隔、圧縮速度(型締速度)、金型温度
などの本発明に特定されない各種の成形条件は、使用樹
脂の種類、金型形状、中空成形体の大きさなどに応じて
適宜選択され、本発明の方法において特に限定されるも
のではない。
【0100】さらに、ここまでは、少なくとも第1成形
型が上下方向に移動可能である成形型を用いる場合につ
いて説明したが、成形型の移動方向は上下方向には限定
されず、例えば水平方向でもよく任意に選択することが
できる。
【0101】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。なお、以
下の説明においては図8〜図12を参照することができ
る。また、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
なく、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、スタンピン
グ成形にも適用可能であることは言うまでもない。
【0102】〔実施例1〕雌雄(上下)一対の金型21
において、上型22の下面に圧縮流体通路26の開口部
を設け、この開口部に多孔質部材31を設けた。圧縮流
体通路26には吸引装置を接続し、この吸引装置により
上型22の下面、即ち多孔質部材31から吸引可能とし
た。
【0103】中空成形体12の製造の際には、金型21
が未閉鎖の状態から、上型22を20mm/secの速
度で降下させ、型締めを開始した。このとき、上型22
と下型23の金型クリアランスが20mmの位置で型締
めを一旦停止した。この位置でポリプロピレン84.5
重量部(住友化学工業(株)製、住友ノーブレンAX5
68、メルトフローインデックス65g/10min)
と、ガラス繊維15重量部(日本板硝子(株)製 RE
S03X−TP69A、繊維長3mm、繊維径13μ
m)と、変性剤0.5重量部(三洋化成工業(株)製、
ユーメックス1001)とを混練した溶融状熱可塑性樹
脂2’を260℃で下型23に設けた樹脂通路24から
金型21内に供給した。
【0104】溶融状熱可塑性樹脂2’の供給完了後、型
締め動作を再開して上型22を再下降させ、1MPaの
成形圧力で加圧賦形した。
【0105】溶融状熱可塑性樹脂2’の賦形完了から1
秒後に上型22からの吸引を開始した。さらにその1秒
後に、下型23に設けた圧縮流体通路25から、中空部
2a形成のために、0.6MPaの低圧空気の供給を開
始し、この空気供給開始から10秒後に上型22を8m
m上昇させた。
【0106】その後、60秒間冷却し、中空成形体の取
出しのための型開き開始5秒前に上記圧縮空気の供給を
停止した。また、中空部2a形成のための上記の上型2
2上昇完了から2秒後に、上型22からの吸引を停止し
た。
【0107】この結果、熱可塑性樹脂層2からなり、か
つ側壁の破れや側壁の形状不良がない中空成形体12を
得た。
【0108】〔実施例2〕実施例1の製造方法におい
て、未閉鎖の金型21の下型23上に、所定の形状に切
断された、表面材としての2枚の珪酸カルシウム板(浅
野スレート(株)製、ハイラックN #80、厚み:5
mm)を重ね合わせて載置し、下型23と接する側の珪
酸カルシウム板に、溶融状熱可塑性樹脂2’供給用の開
口部と、圧縮流体供給用の開口部とを設け、前記開口部
を通じて下型23に設けた樹脂通路24から2枚の珪酸
カルシウム板間に溶融状熱可塑性樹脂2’を供給した。
この処理以外は、実施例1と同様にして成形を行った。
【0109】その結果、熱可塑性樹脂層2の両面に珪酸
カルシウム板を有する中空成形体11を得た。この中空
成形体11は、熱可塑性樹脂層2と両珪酸カルシウム板
とが良好に接着され、かつ側壁の破れや側壁の形状不良
がないものであった。
【0110】〔実施例3〕予め、型締めした上下型22
・23間に溶融状熱可塑性樹脂2’を圧入し、賦形し
た。賦形完了後は前記実施例2と同様の処理を行った。
その結果、熱可塑性樹脂層2の内部に中空部2aを有
し、熱可塑性樹脂層2の両面に珪酸カルシウム板が積層
された中空成形体11を得た。この中空成形体11は、
熱可塑性樹脂層2と珪酸カルシウム板とが良好に接着さ
れ、かつ側壁の破れや側壁の形状不良がないものであっ
た。
【0111】
【発明の効果】以上のように、本発明の中空成形体の製
造方法は、(a)一対をなす第1成形型と第2成形型と
からなり、少なくとも第1成形型が型開閉方向へ移動可
能である成形型を使用するとともに、第1成形型と第2
成形型間との間に溶融状熱可塑性樹脂を供給し、賦形す
る工程、(b)前記熱可塑性樹脂の未固化部分に圧縮流
体を供給して、前記熱可塑性樹脂に中空部を形成する工
程、(c)前記成形型内に供給された材料の、第1成形
型の成形面に当接する面を第1成形型の成形面に保持す
る工程(d)少なくとも第1成形型を型開き方向へ移動
させて、第1成形型と第2成形型との間隔を広げる工程
を含み、工程(b)と工程(c)と工程(d)との少な
くとも一部を同時に行うことを特徴としている。
【0112】これにより、熱可塑性樹脂に圧縮流体を供
給して中空部を形成する際には、この工程の少なくとも
一部のタイミングにおいて、第1成形型が型開き方向へ
移動し、かつ成形型内に供給された材料の、第1成形型
の成形面に当接する面が、第1成形型の成形面に保持さ
れて、第1成形型の移動に伴って型開き方向、即ち熱可
塑性樹脂層の中空部形成による厚み増加方向へ移動す
る。
【0113】したがって、熱可塑性樹脂層の破れや、中
空成形体の外周部が良好に膨らまない事態を容易に防止
することができる。
【0114】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(c)を第1成形型の成形面に形成した吸引口からの吸
引により行う構成であってもよい。
【0115】上記の構成によれば、工程(c)における
成形型内の成形品における第1成形型側の面を第1成形
型の成形面に保持する処理を簡単な構成により容易に行
うことができる。
【0116】また、成形型内の成形品が例えば多孔質材
を有する場合に、この多孔質材が含む水分を前記吸引に
よって成形型外へ排出することができるので、前記水分
が存在することによる多孔質材と熱可塑性樹脂との接着
性の低下を抑制し、これら両者の接着を良好に行うこと
ができる。
【0117】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(a)から工程(d)をこの順序で開始する構成として
もよい。
【0118】上記の構成によれば、工程(a)から工程
(d)をこの順序で開始するので、各工程を適切なタイ
ミングで行うことができ、中空成形体の製造を要領良く
行うことができる。
【0119】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(a)と工程(b)との少なくとも一部を同時に行う構
成としてもよい。
【0120】上記の構成によれば、第1成形型と第2成
形型間との間に溶融状熱可塑性樹脂を供給し、賦形する
工程(a)と、熱可塑性樹脂の未固化部分に圧縮流体を
供給して、熱可塑性樹脂に中空部を形成する工程(b)
との少なくとも一部が同時に行われるので、中空成形体
の成形サイクルを短縮することができる。
【0121】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(a)に先立って、第1成形型と第2成形型との間に少
なくとも1枚の表面材を配置するとともに、工程(a)
において、第1成形型側に位置する前記表面材の第2成
形型側の面に溶融状熱可塑性樹脂を供給する構成として
もよい。
【0122】上記の構成によれば、表面材を有する中空
成形体を製造することができ、表面材として例えば用途
に応じた機能を有するものを使用すれば、中空成形体に
多種の機能を付与することができる。
【0123】上記の中空成形体の製造方法は、工程
(d)の開始から完了までの間に工程(c)を開始する
構成としてもよい。
【0124】上記の構成によれば、少なくとも第1成形
型を型開き方向へ移動させて、第1成形型と第2成形型
との間隔を広げる工程(d)の開始から完了までの間
に、成形型内の成形品における第1成形型側の面を第1
成形型の成形面に保持する工程(c)が開始される。し
たがって、型開き方向への第1成形型の移動の適当なタ
イミングにおいて成形型内の成形品における第1成形型
側の面を第1成形型の成形面に保持することができるの
で、熱可塑性樹脂層の破れや、中空成形体の外周部が良
好に膨らまない事態を適切に防止することができる。
【0125】上記の中空成形体の製造方法は、少なくと
も工程(b)の開始以後に前記熱可塑性樹脂を冷却する
工程(e)を含み、工程(d)と工程(e)との少なく
とも一部を同時に行う構成としてもよい。
【0126】上記の構成によれば、少なくとも第1成形
型を型開き方向へ移動させて、第1成形型と第2成形型
との間隔を広げる工程(d)と、熱可塑性樹脂を冷却す
る工程(e)との少なくとも一部が同時に行われる。し
たがって、中空成形体の形成サイクルを短縮することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の実施の一形態の中空成
形体の製造方法において、金型の型開きの状態を示す断
面図、図1(b)は、熱可塑性樹脂層の片面に表面材が
積層された中空成形体を製造する場合に、下型に表面材
をセットする工程を示す断面図、図1(c)は下型と表
面材との間に溶融状熱可塑性樹脂を供給する工程を示す
断面図、図1(d)は、型締め、賦形工程を示す断面図
である。
【図2】図2(a)は、図1(d)に続く製造工程であ
って、溶融状熱可塑性樹脂への中空部形成用の空気の注
入工程、上型上昇工程、および上型への表面材吸着工程
を示す断面図、図2(b)は、図2(a)の工程後の中
空部の形成完了状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の一形態の製造方法により製造さ
れる中空成形体を示す断面図である。
【図4】図3に示した中空成形体における各層の接合部
の構造を示す断面図である。
【図5】図3に示した中空成形体の他の例を示すもので
あって、熱可塑性樹脂層の両面に表面層を有する中空成
形体の断面図である。
【図6】図3に示した中空成形体の他の例を示すもので
あって、熱可塑性樹脂層のみからなる中空成形体の断面
図である。
【図7】図7(a)は、本発明の実施の他の形態の積層
パネルの製造方法において、金型の型開きの状態を示す
断面図、図7(b)は、熱可塑性樹脂層の片面に表面層
が積層された中空成形体を製造する場合に、上型に表面
材をセットする工程を示す断面図、図7(c)は下型と
表面材との間に溶融状熱可塑性樹脂を供給する工程を示
す断面図、図7(d)は、型締め、賦形工程を示す断面
図である。
【図8】図8(a)は、本発明の実施のさらに他の形態
の中空成形体の製造方法において、金型の型開きの状態
を示す断面図、図8(b)は、熱可塑性樹脂層の両面に
表面層が積層された中空成形体を製造する場合に、下型
に2枚の表面材をセットする工程を示す断面図、図8
(c)は2枚の表面材間に溶融状熱可塑性樹脂を供給す
る工程を示す断面図、図8(d)は、型締め賦形工程を
示す断面図である。
【図9】図9(a)は、図8(d)に続く製造工程であ
って、溶融状熱可塑性樹脂への中空部形成用の空気の注
入工程、上型上昇工程、および上型への表面材吸着工程
を示す断面図、図9(b)は、図9(a)の工程後の中
空部の形成完了状態を示す断面図である。
【図10】図10(a)は、本発明の実施の他の形態の
積層パネルの製造方法において、金型の型開きの状態を
示す断面図、図10(b)は、熱可塑性樹脂層の両面に
表面層が積層された中空成形体を製造する場合に、下型
の上面と上型の下面とに表面材をセットする工程を示す
断面図、図10(c)は両表面材の間に溶融状熱可塑性
樹脂を供給する工程を示す断面図、図10(d)は、型
締め、賦形工程を示す断面図である。
【図11】図11(a)は、本発明の実施の他の形態の
積層パネルの製造方法において、金型の型開きの状態を
示す断面図、図11(b)は、熱可塑性樹脂層のみから
なる中空成形体を製造する場合に、上下の金型間に溶融
状熱可塑性樹脂を供給する工程を示す断面図、図11
(c)は、型締め、賦形工程を示す断面図である。
【図12】図12(a)は、図11(c)に続く製造工
程であって、溶融状熱可塑性樹脂への中空部形成用の空
気の注入工程、上型上昇工程、および上型への成形品上
面の吸着工程を示す断面図、図12(b)は、図12
(a)の工程後の中空部の形成完了状態を示す断面図で
ある。
【図13】例えば図1(a)に示した金型の他の例であ
って、吸引通路のキャビティ側端部に多孔質部材が設け
られた構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 中空成形体 2 熱可塑性樹脂層 2' 溶融状熱可塑性樹脂 2a 中空部 3 表面層 5 表面材 6 表面材 11 中空成形体 12 中空成形体 21 金型(成形型) 22 上型(第1成形型) 23 下型(第2成形型) 24 樹脂通路 25 圧縮流体通路 26 吸引通路 31 多孔質部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 威夫 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 松原 重義 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AG07 AH48 AM32 CA11 CB01 CK19 CN01 CN05 4F206 AG07 AH48 AM32 JA05 JB13 JM16 JN22 JN27 JN33 JQ81 JT05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一対をなす第1成形型と第2成形型
    とからなり、少なくとも第1成形型が型開閉方向へ移動
    可能である成形型を使用するとともに、第1成形型と第
    2成形型間との間に溶融状熱可塑性樹脂を供給し、賦形
    する工程 (b)前記熱可塑性樹脂の未固化部分に圧縮流体を供給
    する工程 (c)前記成形型内に供給された材料の、第1成形型の
    成形面に当接する面を第1成形型の成形面に保持する工
    程 (d)少なくとも第1成形型を型開き方向へ移動させ
    て、第1成形型と第2成形型との間隔を広げる工程 を含み、工程(b)と工程(c)と工程(d)との少な
    くとも一部を同時に行うことを特徴とする中空成形体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】工程(c)を第1成形型の成形面に形成し
    た吸引口からの吸引により行うことを特徴とする請求項
    1に記載の中空成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】工程(a)から工程(d)をこの順序で開
    始することを特徴とする請求項1または2に記載の中空
    成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】工程(a)と工程(b)との少なくとも一
    部を同時に行うことを特徴とする請求項1から3の何れ
    かに記載の中空成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】工程(a)に先立って、第1成形型と第2
    成形型との間に少なくとも1枚の表面材を配置するとと
    もに、工程(a)において、第1成形型側に位置する前
    記表面材の第2成形型側の面に溶融状熱可塑性樹脂を供
    給することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載
    の中空成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】工程(d)の開始から完了までの間に工程
    (c)を開始することを特徴とする請求項1から5の何
    れかに記載の中空成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】少なくとも工程(b)の開始以後に前記熱
    可塑性樹脂を冷却する工程(e)を含み、工程(d)と
    工程(e)との少なくとも一部を同時に行うことを特徴
    とする請求項1から6の何れかに記載の中空成形体の製
    造方法。
JP34016799A 1999-11-30 1999-11-30 中空成形体の製造方法 Pending JP2001150475A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34016799A JP2001150475A (ja) 1999-11-30 1999-11-30 中空成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34016799A JP2001150475A (ja) 1999-11-30 1999-11-30 中空成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001150475A true JP2001150475A (ja) 2001-06-05

Family

ID=18334381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34016799A Pending JP2001150475A (ja) 1999-11-30 1999-11-30 中空成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001150475A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102211385A (zh) * 2010-04-06 2011-10-12 苏州柯福礼品实业有限公司 具有凸缘的塑胶容器的构造及其模具与制造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102211385A (zh) * 2010-04-06 2011-10-12 苏州柯福礼品实业有限公司 具有凸缘的塑胶容器的构造及其模具与制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1276418C (en) Process and apparatus for manufacturing embossed articles of synthetic resin
AU2011275973B2 (en) Method for manufacturing an insulated pipe using a bag
US6193916B1 (en) Method for manufacturing a plastic board
WO2003037600A8 (en) Interior trim component and method of forming same
JP5953667B2 (ja) 多層発泡体の製造方法
JP2001150475A (ja) 中空成形体の製造方法
JP4529250B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂膨張成形体の製造方法
JP4761376B2 (ja) 合成樹脂成形品のパッケージ製造方法
JP4819987B2 (ja) 積層樹脂成形品およびその製造方法
JP2001150581A (ja) 積層パネルおよびその製造方法
JP2001150467A (ja) 積層パネルの製造方法
JP2001150463A (ja) 中空成形体の製造方法
JP2002160224A (ja) 熱可塑性樹脂軽量成形体製造用金型およびこれを用いた熱可塑性樹脂軽量成形体の製造方法
JP2001150468A (ja) 積層パネルの製造方法
JP3082493B2 (ja) ブロー成形方法
JP3858408B2 (ja) 多層成形品成形用金型
JP2001150464A (ja) 成形体の製造方法および成形体
JP2001225342A (ja) 樹脂成形品の製造方法及びその装置
JP4820050B2 (ja) 積層樹脂材
JP2001150482A (ja) 中空成形体およびその製造方法
JP2002103492A (ja) 樹脂積層体及びその製造方法
JP2000006174A (ja) 積層成形体およびその製造方法
JP2003276076A (ja) 中空成形体の成形装置および成形方法
JP2001162707A (ja) 積層成形体の成形方法
JP2001047538A (ja) 積層パネル