JP2001150482A - 中空成形体およびその製造方法 - Google Patents

中空成形体およびその製造方法

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JP2001150482A
JP2001150482A JP34011999A JP34011999A JP2001150482A JP 2001150482 A JP2001150482 A JP 2001150482A JP 34011999 A JP34011999 A JP 34011999A JP 34011999 A JP34011999 A JP 34011999A JP 2001150482 A JP2001150482 A JP 2001150482A
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thermoplastic resin
hollow
opening
compressed fluid
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JP34011999A
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English (en)
Inventor
Akihiro Furuta
明寛 古田
Nobuhiro Usui
信裕 臼井
Takeo Kitayama
威夫 北山
Shigeyoshi Matsubara
重義 松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空成形体に形成される開口部から中空部内
に埃などの異物が混入しないようにし、且つ中空成形体
の製造時において、成形型のキャビティ面側に形成され
た圧縮流体供給部材の熱可塑性樹脂による目詰まりを無
くすことができる中空成形体およびその製造方法を提供
する。 【解決手段】 内部に設けられた中空部2aと連通する
開口部2bが表面に形成された熱可塑性樹脂からなる成
形体本体2を有する。上記開口部2bを覆うように通気
性シート3が上記成形体本体2に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に設けられた
中空部と連通する開口部が表面に形成された熱可塑性樹
脂からなる成形体本体を有する中空成形体およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂からなる中空成
形体を製造する方法として、例えば特開昭64−140
12号公報に開示されているように、圧縮流体を外部か
ら熱可塑性樹脂内部に供給することで中空成形体を製造
する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
中空成形体の製造方法では、圧縮流体として例えばガス
を熱可塑性樹脂の外部から該熱可塑性樹脂の内部に供給
するようになっているため、製造された中空成形体には
圧縮流体供給跡として熱可塑性樹脂内部に形成された中
空部と連通する開口部が形成されてしまう。
【0004】そして、この開口部を通して、中空部内に
埃などの異物が混入してしまうという問題が生じる。こ
のように中空部内に異物が混入した中空成形体を住宅な
どの壁材に使用した場合、断熱性能の低下、重量変化な
どの問題が生じると共に、衛生上の問題も生じる。
【0005】また、中空成形体を成形するための成形型
としての金型には、キャビティ面側に、圧縮流体を供給
するための多孔性コアなどからなる圧縮流体供給部材が
設けられているが、金型のキャビティ内に供給される熱
可塑性樹脂により上記圧縮流体供給部材の目詰まりが生
じ易くなり、適切に中空部を形成できないという問題が
生じることがある。
【0006】本発明は、上記の各問題点を解決するため
になされたもので、その目的は、中空成形体に形成され
る開口部から中空部内に埃などの異物が混入しないよう
にし、且つ中空成形体の製造時において、成形型のキャ
ビティ面側に形成された圧縮流体供給部材の熱可塑性樹
脂による目詰まりを無くすことができる中空成形体およ
びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために、鋭意検討した結果、中空成形体に
生じる開口部を通気性シートで覆うことにより、中空部
内への埃などの異物の混入を防ぎ、且つ中空部内の気体
などの流体が自由に外部と出入りできる中空成形体を見
いだした。
【0008】また、中空成形体を製造する場合、金型な
どに設けられた圧縮流体供給部材を通気性シートで覆う
ことで、成形中に該圧縮流体供給部材の目詰まりをなく
す製造方法を見いだした。
【0009】すなわち、本発明の中空成形体は、内部に
設けられた中空部と連通する開口部が表面に形成された
熱可塑性樹脂からなる成形体本体を有し、上記開口部を
覆うように通気性シートが上記成形体本体に設けられて
いることを特徴としている。
【0010】上記の構成によれば、成形体本体内の中空
部と連通する開口部が、通気性シートにより覆われてい
るので、開口部からほこりなどの異物侵入を防止するこ
とができ、しかも、中空部内の気体が自由に出入りでき
る。
【0011】例えば、このような中空成形体では、中空
部内の流体が熱により膨張すれば通気性シートを通して
外部に排出される一方、中空部内の流体が冷却されて収
縮すれば通気性シートを通して外気が中空部内に流入で
きるので、熱などの外的要因による中空成形体の変形を
小さくすることができる。
【0012】また、中空部を形成するために圧縮流体を
供給した圧縮流体供給跡を成形体本体の開口部とするこ
とができる。この結果、中空成形体の変形防止の為に中
空部と連通する開口部を設ける場合に、別工程を必要と
しないので、中空成形体の製造工程を簡略化できる。
【0013】さらに、上記通気性シートの成形体本体へ
の設け方としては、熱可塑性樹脂内に中空部が形成され
た成形体本体に対して貼りつける方法の他に、成形体本
体を形成する際に、通気性シートを熱可塑性樹脂に一体
的に成形してもよい。
【0014】この場合、通気性シートを成形体本体に貼
りつける場合に比べて、製造工程を簡略化できる。
【0015】また、成形体本体に、加飾層などの表面層
(表面材)が形成されてもよい。この場合、表面材が成
形体本体の開口部側に設けられれば、開口部に対応する
表面材にも開口部を形成する必要がある。
【0016】ここで、内部に設けられた中空部と連通す
る開口部が表面に形成された熱可塑性樹脂からなる成形
体本体を有する中空成形体の製造方法は、雌雄一対の成
形型の少なくとも一方のキャビティ面に設けられた圧縮
流体供給部材を覆うように該成形型のキャビティ面上に
通気性シートを配置する工程、上記成形型のキャビティ
内に溶融状の熱可塑性樹脂を供給する工程、及び上記圧
縮流体供給部材から上記通気性シートを介して上記熱可
塑性樹脂内に圧縮流体を供給し、該熱可塑性樹脂内に中
空部を形成する工程を含んでいる。
【0017】この方法によれば、上記の通気性シートに
より、圧縮流体供給部材の圧縮流体の流通孔に熱可塑性
樹脂が入り込めなくなる。つまり、キャビティ面に設け
られた圧縮流体供給部材を覆うように該キャビティ面に
通気性シートを配置することにより、成形型内に溶融状
の熱可塑性樹脂が供給された場合に、この熱可塑性樹脂
による圧縮流体供給部材の目詰まりを無くすことができ
る。
【0018】これにより、熱可塑性樹脂内に圧縮流体を
確実に供給することができ、中空部を適切に形成するこ
とができる。
【0019】また、内部に設けられた中空部と連通する
開口部が表面に形成された熱可塑性樹脂からなる成形体
本体と、上記成形体本体の開口部が形成された面に積層
された表面層とを有する中空成形体の製造方法は、雌雄
一対の成形型の少なくとも一方のキャビティ面に設けら
れた圧縮流体供給部材を覆うように通気性シートを該成
形型のキャビティ面上に配置する工程、上記成形体本体
の表面層となり、且つ上記圧縮流体供給部材に対応する
部分に開口部が形成された表面材を上記通気性シートを
配置された成形型のキャビティ面に配置する工程、上記
表面材を上記キャビティ面に配置した状態で、上記成形
型のキャビティ内に溶融状熱可塑性樹脂を供給する工
程、及び上記圧縮流体供給部材から上記通気性シートお
よび上記表面材の開口部を介して熱可塑性樹脂内に圧縮
流体を供給し、上記成形体本体内に中空部を形成する工
程を含んでいる。
【0020】この場合、通気性シートを、上記表面材の
開口部を覆うように貼り合わせた状態で、成形型に配置
すれば、通気性シートを成形体本体に対して確実に貼り
つけることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1ないし図11に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。なお、本実施の形態では、中空成形体を製造する
成形型として金型を用いた例について説明する。
【0022】図1に示すように、本実施の形態の中空成
形体1は、熱可塑性樹脂からなる成形体本体2内部に中
空部2aが形成された構造となっており、該成形体本体
2には、上記中空部2aと連通する開口部2bが形成さ
れている。
【0023】上記開口部2bは、成形体本体2内部に中
空部2aを形成するために圧縮流体であるガスを供給し
た跡である。この開口部2bは、例えば図4に示すよう
に、成形された後の成形体本体2の四カ所形成され、該
開口部2bよりも大きな通気性シート3により覆われて
いる。
【0024】また、上記開口部2bは、成形体本体2を
成形した後、後工程で施されたものであっても、上述の
ように、成形体本体2の形成と同時に形成されたもので
あってもよい。
【0025】なお、上記開口部2bは、中空部2aと連
通していればよく、その大きさや形状は特に限定され
ず、また、成形品自体の形状や大きさ、形成数も特に限
定されない。したがって、開口部2bの形成箇所および
数は、形成される中空部2aの大きさや熱可塑性樹脂の
種類などにより適宜設定される。
【0026】また、成形体本体2内部に中空部2aを形
成する一般的な方法として、ガスアシスト成形方法があ
る。この場合、圧縮流体であるガスを供給して成形体本
体2内部に中空部2aを形成するようになっているの
で、この中空部2a形成時に、圧縮流体の供給跡である
開口部2bが形成されることになる。
【0027】上記の中空部2aの形成後に接着剤、粘着
テープなどを用いて、通気性シート3を上記開口部2b
を覆うように上記成形体本体2に接着してもよいし、成
形体本体2を成形するための金型(成形型)内に事前に
通気性シート3を配置しておいて、成形と同時に開口部
2bを覆うように該成形体本体2に接着させてもよい。
【0028】例えば、図1に示す中空成形体1では、成
形体本体2の成形後に、開口部2bを覆うようにして、
通気性シート3を接着剤により接着した状態を示してい
る。
【0029】上記の通気性シート3としては、材質は特
に限定されず、空気を通すが埃などのある程度大きな異
物を通さない材質が好ましい。したがって、通気性シー
ト3として好適に用いられるのは、不織布、織布、編物
などがある。
【0030】また、上記通気性シート3の厚みや形状は
特に限定されず、中空成形体1に形成される開口部2b
を覆うだけの厚さや、大きさがあればよく、コストなど
に応じて形状や厚みなどは適宜選択すればよい。
【0031】このように、成形後の中空成形体1に形成
されている開口部2bが通気性シート3により覆われて
いることにより、中空部2a内部に埃などの異物が侵入
することを防ぐと共に、中空部2a内の気体などの流体
が開口部2bおよび通気性シート3を介して自由に出入
りすることができる。
【0032】また、上述したように、通気性シート3
は、成形後の成形体本体2の開口部2bを覆うように後
から接着剤などにより接着してもよいが、成形体本体2
の成形時に開口部2bを覆うように接着してもよい。こ
の場合、通気性シート3は、成形体本体2に一体的に接
着されることになる。つまり、図2に示すように、通気
性シート3が成形体本体2にめり込んだ状態、すなわち
一体的に成形された状態の中空成形体11となる。
【0033】上記の中空成形体11の場合では、通気性
シート3が成形体本体2の成形時に同時に接着されるこ
とになるので、図1に示すように、通気性シート3を成
形体本体2の成形後に接着する場合に比べて製造工程を
簡略化できる。しかも、成形体本体2を構成する熱可塑
性樹脂が通気性シート3を接着するための接着剤の働き
をするようになるので、接着剤を使用する必要がなくな
り、製造費の低減が図れる。
【0034】上記成形体本体2には、加飾層などの表面
層が片面あるいは両面に積層されてもよい。この場合、
積層される表面層としては、軟質材からなるものや硬質
材からなるものなど必要に応じて適宜選択される。ま
た、両面に表面層を積層する場合には、それぞれの表面
層が同材質でも異材質でもよい。また、表面層の積層さ
れる形状についても、両面において同形状でも異形状で
もよく、特に限定されるものではない。
【0035】例えば図3では、成形体本体2の片面に表
面層5が積層された中空成形体12を示している。この
中空成形体12では、成形体本体2の開口部2bに対応
する表面層5の部分に開口部5bを設け、この開口部5
bを覆うようにして通気性シート3が該表面層5に接着
されている。この通気性シート3の表面層5への接着
は、成形体本体2の成形後であっても成形時であっても
どちらでもよい。
【0036】また、上記通気性シート3は、表面層5か
ら露出している成形体本体2の開口部2bに直接接着し
てもよい。なお、図3に示す中空成形体1では、通気性
シート3は表面層5に接着されると共に、成形体本体2
の樹脂部分にも接着された状態を示している。
【0037】上記のように、中空成形体1の成形体本体
2の中空部2aと連通する開口部2bを通気性シート3
で覆うことにより、埃などの異物が中空部2a内に侵入
することがなくなるので、このような中空成形体1を住
宅などの壁材に使用した場合、中空部2aに異物が侵入
することによる問題、すなわち断熱性能の低下、重量変
化、衛生上の問題などを生じさせない。
【0038】本発明の中空成形体の成形体本体の材料と
しては、一般の射出成形、射出圧縮成形、押出成形、ス
タンピング成形などにおいて通常使用される熱可塑性樹
脂がそのまま適用され、例えばポリエチレンやポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエ
ンブロツク共重合体、ナイロンなどの一般的な熱可塑性
樹脂、エチレン・プロピレンブロック共重合体、スチレ
ン・ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性エラス
トマー、あるいはこれらのポリマーアロイなどが挙げら
れる。したがって、本発明でいう熱可塑性樹脂とはこれ
ら全て包含するものである。
【0039】また、このような熱可塑性樹脂は、タルク
やガラス繊維などの充填材、顔料、滑剤、帯電防止剤、
酸化防止剤などの通常使用される各種の添加剤を含有し
ていてもよい。
【0040】ここで、本発明の中空成形体の製造方法に
ついて以下に説明する。なお、上述したように、図1に
示す中空成形体1では、通気性シート3を該中空成形体
1の成形後に貼りつけるだけであるので、説明は省略
し、図2に示す中空成形体11と図3に示す中空成形体
12の製造方法について以下に説明する。
【0041】始めに、図2に示す中空成形体11の製造
方法について、図5および図6を参照しながら以下に説
明する。なお、ここでは、本発明の中空成形体の一例の
製造方法について例示するが、他の中空成形体について
も、この製造方法を同様に、あるいは一部の処理を省略
あるいは変更することにより適用可能である。また、説
明の便宜上、成形体本体2への圧縮流体の供給は、1箇
所についてのみとする。
【0042】まず、図5(a)に示すように、雌雄一対
の成形型としての金型21の上型22を下型23に対し
て開いた状態に配し、下型23のキャビティ側の面、す
なわちキャビティ面に形成された圧縮流体の供給口とな
る圧縮流体供給部材25aを覆うように通気性シート3
を配置する。このとき、通気性シート3は、キャビティ
面上でずれないように、下型23に対して接着テープな
どにより軽く固定された状態となっている。
【0043】上記圧縮流体供給部材25aは、流体通路
25に接続され、該流体通路25からの圧縮流体を金型
21のキャビティ内に導くための部材であり、流体が流
通可能な流通孔を複数備えた多孔性コア、例えば焼結銅
や焼結ステンレスなどの焼結金属、焼結フッ素樹脂など
の焼結樹脂が好適に用いられる。
【0044】ここで、上記下型23には、上記流体通路
25の他に金型21のキャビティ内に溶融状熱可塑性樹
脂4を供給するための樹脂通路24が設けられている。
この樹脂通路24は、金型21のキャビティ内に溶融状
熱可塑性樹脂4を供給するための通路であり、流体通路
25はキャビティ内に流体、例えば空気を供給するため
の通路である。
【0045】したがって、上記下型23は、溶融状熱可
塑性樹脂4をキャビティ内に供給するための開口24a
が形成されると共に、圧縮流体をキャビティ内の溶融状
熱可塑性樹脂4に供給するための圧縮流体供給部材25
aが設置された構造となる。
【0046】次に、図5(b)に示すように、上型22
を降下させて金型21内に樹脂通路24を通じて開口2
4aからキャビティ内に溶融状熱可塑性樹脂4を供給す
る。
【0047】次に、図5(c)に示すように、型締めを
行い、溶融状熱可塑性樹脂4を賦形する。このとき、通
気性シート3は、溶融状熱可塑性樹脂4に一体的に積層
された状態となっている。
【0048】次に、図6(a)に示すように、流体通路
25を通じて圧縮流体供給部材25aから溶融状熱可塑
性樹脂4内に圧縮流体として例えば空気を送り込む。こ
れによって、溶融状熱可塑性樹脂4中に中空部4aを形
成し、最終的に、図6(b)に示すように、内部に中空
部2aを有する成形体本体2を形成する。このとき、圧
縮された空気は、圧縮流体供給部材25aから通気性シ
ートを介して溶融状熱可塑性樹脂4内に供給される。
【0049】その後、金型21を開き、成形体本体2の
中空部2aに連通する開口部2bを覆うように通気性シ
ート3が該成形体本体2に一体的に接着された構造の中
空成形体11を該金型21内から取り出す。
【0050】続いて、図3に示す中空成形体12の製造
方法について、図7および図8を参照しながら以下に説
明する。なお、ここでは、前述の図5および図6で示し
た金型21と同じものを使用するので、使用する金型2
1についての詳細な説明は省略する。
【0051】まず、図7(a)に示すように、金型21
の上型22を下型23に対して開いた状態に配し、キャ
ビティ内の下型23上に、表面層5となる表面材15を
配する。上記表面材15は、下型23に設けられた樹脂
通路24を連通させるための開口部15aと流体通路2
5を連通させるための開口部15bとが形成されてい
る。
【0052】つまり、表面材15は、下型23の圧縮流
体供給部材25aに対応するように開口部15bが形成
され、下型23の開口24aに対応するように開口部1
5aが形成された状態となっている。
【0053】次に、図7(b)に示すように、上型22
を降下させて金型21内に樹脂通路24を通じてキャビ
ティ内に溶融状熱可塑性樹脂4を供給する。
【0054】次に、図7(c)に示すように、型締めを
行い、溶融状熱可塑性樹脂4を賦形する。
【0055】続いて、図8(a)に示すように、流体通
路25を通じて溶融状熱可塑性樹脂4内に圧縮流体とし
て例えば空気を送り込む。これによって、溶融状熱可塑
性樹脂4中に中空部4aを形成し、最終的に、図8
(b)に示すように、内部に中空部2aを有する成形体
本体2を形成する。このとき、圧縮された空気は、圧縮
流体供給部材25aから通気性シートを介して溶融状熱
可塑性樹脂4内に供給される。
【0056】その後、金型21を開き、成形体本体2の
片面に表面層5が積層された構造の中空成形体12を該
金型21内から取り出す。
【0057】上記の中空成形体の製造方法において、溶
融状熱可塑性樹脂4の金型21内への供給方法として
は、上述したように、供給された溶融状熱可塑性樹脂4
を不必要に冷却させないためにも、金型21内に設けた
樹脂通路24を経由して直接キャビティ内に射出供給す
る方法が好ましいが、型締を溶融状熱可塑性樹脂4の供
給完了後に行う場合には、樹脂供給ノズルなどを備えた
外部供給手段によって金型21間に供給する方法であっ
てもよく、必要に応じて適宜選択すればよい。
【0058】また、上記の中空成形体の製造方法におけ
る型締めと溶融状熱可塑性樹脂の供給との関係について
は、未閉鎖の金型間に溶融状熱可塑性樹脂を供給し、該
樹脂の供給完了後に雌型および/または雄型を型締方向
に移動させることにより金型を閉じて、予め設定された
加圧力で型締めすることにより溶融状熱可塑性樹脂を加
圧してキャビティ内に押し広げてもよいし、あるいは溶
融状熱可塑性樹脂の供給中に型締めを開始したり、ある
いは連続的な型締動作中に溶融状熱可塑性樹脂の供給を
開始して金型を閉じる動作と溶融状熱可塑性樹脂の供給
を並行して行い、型締完了と同時または型締が完了する
前に溶融状熱可塑性樹脂の供給が完了するように行って
もよい。
【0059】上記の中空成形体の製造方法においては、
賦形完了後、所定の加圧面圧(型締力を積層体の投影面
積で割ったもの)による加圧下に圧縮流体を供給し、冷
却して成形体(中空成形体1)を得るが、同一加圧面圧
で加圧を継続してもよいし、加圧中に加圧面圧を適宜変
化させてもよい。
【0060】例えば溶融状熱可塑性樹脂の賦形完了か
ら、所定の時間の経過後、加圧面圧を低下させることに
よって、表面層の破損や風合いの低下を防ぐことができ
る。
【0061】上記の加圧面圧は、成形品の大きさや成形
条件によっても異なるが、溶融状熱可塑性樹脂の賦形完
了時には通常0.3〜15MPaの加圧面圧で加圧し、
賦形完了から所定の時間の経過後、通常0〜10MPa
の加圧面圧に低下させることが好ましい。加圧面圧を変
化させるタイミングとしては賦形完了から、成形品を取
り出すまでの任意の時点が適宜選択されるが、好ましく
は賦形完了後1秒から20秒の間である。
【0062】中空部を形成するために用いる圧縮流体と
しては、空気、窒素、二酸化炭素などの圧縮気体が一般
的であるが、溶融状熱可塑性樹脂の熱によって容易に気
化する液化炭酸ガスや水などの液体も用いることができ
る。
【0063】上記圧縮流体のうち圧縮気体は、1MPa
以上の高圧ガスであってもよいし、1MPa未満の低圧
ガスであってもよいが、好ましくは1MPa未満の低圧
空気を用いることにより、中空成形体を安価に成形する
ことができる。注入する圧縮気体の注入圧力は注入開始
から終了まで一定であってもよいし、注入中に任意に変
化させてもよい。
【0064】上記中空成形体の製造方法において、圧縮
流体を供給するタイミングとしては、キャビティ中の熱
可塑性樹脂内に流体を注入し、中空部を形成することが
可能である間なら特に制限されないが、熱可塑性樹脂の
賦形完了後1秒から20秒の間に行うことが圧縮流体の
供給のしやすさの点から好ましい。
【0065】圧縮流体の供給は、熱可塑性樹脂が金型内
で冷却、固化されるまで連続的に行ってもよいし、断続
的に行ってもよく、また中空部が形成された後は樹脂を
冷却固化させている途中で流体の供給を停止して圧力を
保持するような形態でもよい。
【0066】かかる流体は、必ずしも一ヶ所のみから供
給する必要はなく、成形品の形状や大きさなど必要に応
じて適宜複数個所から供給することができる。
【0067】流体の供給にあたっては、流体の供給を開
始すると同時または開始した後、流体を供給しながら金
型内の成形品の一部から流体を放出して、流体を形成さ
れた中空部内で循環させてもよく、これによって樹脂の
冷却が促進されて成形サイクルの短縮を図ることができ
る。
【0068】供給された流体の放出方法としては、多点
から流体の供給操作を行い、流体の供給圧力に差を設け
て圧力の低い方から流体を放出してもよいし、放出専用
の媒体放出口を設けてもよく、あるいは流体を供給した
供給口から放出してもよい。この場合には流体の供給と
放出を繰り返し行ってもよく、これら流体の放出方法は
適宜選択され、特に限定されるものではない。
【0069】流体の放出を開始するタイミングは、流体
の供給開始と同時でもよいし、流体の供給開始後一定時
間経過した後でもよい。流体の供給操作と放出操作とは
並行して行ってもよいし、交互に行ってもよく、流体の
供給終了後に流体の放出操作を継続してもよい。
【0070】また、流体を供給する部材としては通常の
熱可塑性樹脂の中空成形に用いられる供給部材が用いら
れ、特に限定されない。例えば、固定あるいは可動式の
圧縮流体供給ピンを用いることができ、特に、成形と同
時に通気性シートを積層する場合には、多孔質部材が好
ましく用いられる。
【0071】また、圧縮流体の供給と並行して、一部可
動とした金型のその可動部を稼動させ、もしくは金型の
間隔を増大させるなどしてキャビティを拡大させて中空
部を形成する場合、キャビティを増大させるタイミング
としてはキャビティの増大により中空部が形成可能な時
期なら特に制限されないが、圧縮流体の供給開始後1秒
から20秒のタイミングで行うことが、中空部の形成の
しやすさの点から好ましい。このタイミングは、製品の
大きさ、成形条件、流体圧力、キャビティの増大量など
によって適宜選択される。
【0072】中空成形体の成形と同時に圧縮流体供給跡
である開口部に通気性シートを一体的に成形する場合に
は、溶融状熱可塑性樹脂の供給に先立って、キャビティ
面に設けた圧縮流体供給部材を覆うように通気性シート
をキャビティ面に配置し、成形を行う。このとき、通気
性シートは、該圧縮流体供給部材と同等以上の大きさで
あれば特に限定されるものではない。
【0073】また、溶融状熱可塑性樹脂の供給によって
通気性シートの位置が圧縮流体供給部材からずれないよ
うにするために、通気性シートをキャビティ面に粘着
材、粘着テープなどで固定してもよい。この場合、通気
性シートは、成形品を取り出すときには成形体に接着す
る程度でかつ、成形中に位置ずれしない程度にキャビテ
ィ面に固定していればよい。
【0074】また、表面材に設けた圧縮流体用の開口部
から圧縮流体を供給する場合には、表面材の配置に先立
って、キャビティ面に通気性シートを配置し、表面材と
キャビティ面との間に通気性シートを配置してもよい。
この場合も、通気性シートをキャビティ面に固定しても
よいが、キャビティ面と表面材によって通気性シートは
挟まれているので、該通気性シートはキャビティ面に固
定しなくても位置ずれしない場合がある。
【0075】あるいは、事前に表面材の圧縮流体供給用
の開口部に通気性シートを接着しておき、この表面材を
金型に配置してもよい。
【0076】上述の圧縮流体供給部材は、圧縮流体を供
給するための穴が設けられいるが、通気性シートを用い
ないと、溶融状熱可塑性樹脂を供給する際に、この穴に
溶融状熱可塑性樹脂が侵入し、該穴を塞ぎ、目詰まりを
起こして圧縮流体が供給できなくなる場合がある。
【0077】しかしながら、本発明のように、圧縮流体
供給部材を覆うように通気性シートを金型内に配置する
ことにより、溶融状熱可塑性樹脂が圧縮流体供給部材の
穴に侵入するのを防ぐことができる。
【0078】すなわち、通気性シートは、圧縮流体を通
過させるが、溶融状熱可塑性樹脂の通過を防止する機能
を有し、これによって、圧縮流体供給部材の目詰まりを
防止し、安定して熱可塑性樹脂中に圧縮流体を供給する
ことができる。
【0079】ここで、通気性シートとして、不織布が好
ましく用いられるが、この場合、溶融状熱可塑性樹脂の
侵入を防止し、圧縮流体を熱可塑性樹脂に供給するため
には不織布の目付が5g/m2 以上150g/m2 以下
のものが好適に用いられ、より好ましくは10〜100
g/m2 のものが用いられ、さらに好ましくは15〜5
0g/m2 のものが用いられる。
【0080】また、供給される溶融熱可塑性樹脂の温度
供給圧力、供給速度、溶融熱可塑性樹脂供給時の金型間
隔、圧縮速度(型締速度)、金型温度などの本発明に特
定されない各種の成形条件は、使用樹脂の種類、金型形
状、積層体の大きさなどに応じて適宜選択され、本発明
の方法において特に限定されるものではない。
【0081】なお、図5ないし図8を参照した上記説明
では、上下型からなる金型を用いる場合について述べた
が、金型の開閉方向は、上下方向に限定されず、任意の
方向に設定可能である。
【0082】また、図5ないし図8を参照して本発明に
係る中空成形体の製造方法の実施の形態を説明したが、
本発明は、前述の方法に種々の変更を加えた態様を包含
する。
【0083】例えば、本発明において、溶融状熱可塑性
樹脂の賦形には、射出成形法、圧縮成形法など種々の成
形方法を適用することができる。一例として、溶融状熱
可塑性樹脂を予め型締めされた金型間に射出供給し賦形
することができる。この方法を用いる場合、所定の加圧
面圧により加圧下に圧縮流体を供給し、冷却して中空成
形体を形成してもよいし、溶融状熱可塑性樹脂の供給完
了後、加圧せずにほぼ無負荷状態で圧縮流体を供給し、
冷却して中空成形体を形成することもできる。
【0084】また、圧縮流体の供給を開始するタイミン
グについては、キャビティ中の熱可塑性樹脂が圧縮流体
供給部材に達した後であって、熱可塑性樹脂内に圧縮流
体を注入し中空部を形成することが可能である間であれ
ばよく、金型のキャビティが熱可塑性樹脂で満たされる
前に圧縮流体の供給を開始することもできる。さらに
は、溶融状熱可塑性樹脂の供給中に圧縮流体を供給する
こともできる。
【0085】また、中空成形体を建材として用いる場
合、例えば図11に示す打込み型コンクリート型枠31
が考えられる。この打込み型コンクリート型枠31は、
成形体本体としての型枠部材32の通気性シート3が配
設された面とは反対面側に表面層5および加飾層として
の加飾部5aが一体的に積層された構造となっている。
このように建材として用いる場合には、上記表面層5と
して、多孔質性硬質板を使用するのが好ましい。
【0086】上記の多孔質性硬質板は、その材質中に微
細な空隙を有しているものであり、その空隙は連通であ
っても独泡であってもよい。また、型枠部材32との接
着強度の面から、多孔質性硬質板の該型枠部材32に接
着される側の面に微細な穴や凹凸などの粗面を有してい
るようなものがよい。
【0087】また、多孔質性硬質板の硬さとしては、例
えばJIS A1408に規定される建築用ボード類の
曲げ試験方法において、5号試験体を用いた試験での曲
げ破壊荷重が1kgf(9.8N)以上のものが好まし
く用いられる。
【0088】多孔質性硬質板の材質としては、建築物の
外装材、内装材として適する材質が好ましく用いられ
る。一般には、珪酸カルシウム系、セメント系、石膏
系、あるいは焼成して得られる陶器、磁器などが使用で
き、好ましくは鉱物を原料とした無機系の材質が用いら
れる。また、これら珪酸カルシウム、セメント、石膏な
どにパルプやガラス繊維などの補強繊維を添加したもの
も用いることができる。
【0089】この打込み型コンクリート型枠31は、図
9(a)(b)に示すように、前記成形体本体2に相当
する型枠部材32と表面層5との積層体からなる。
【0090】型枠部材32は、せき板部34と枠板状リ
ブ35とリテーナ係合部36とを備えている。せき板部
34は型枠部材32の平板部分を構成する。枠板状リブ
35は、せき板部34の背面から所定の立ち上がり高さ
で立ち上がった形状を有する。枠板状リブ35は、せき
板部34の外形に対応した長方形枠状をなし、せき板部
34の全外周に沿うように形成され、せき板部34を補
強している。リテーナ係合部36は、せき板部34の背
面における枠板状リブ35の内方位置に、突起状に多数
個設けられている。各リテーナ係合部36には、リテー
ナ37(図10(a)参照)の端部を嵌入するための、
3個のリテーナ嵌合孔36a…が形成されている。
【0091】型枠部材32の表面に積層された表面層5
は、表面に前記加飾部5aを有する。表面層5として
は、例えば断熱材あるいは防火材を使用することができ
る。断熱材としては、発泡珪酸カルシウム板を例示でき
る。防火材としては、珪酸カルシウム板を例示できる。
【0092】打込み型コンクリート型枠31は、図10
(a)(b)に示すリテーナ37により連結される。こ
のリテーナ37は、例えば2枚の打込み型コンクリート
型枠31・31を背面同士が対向する状態に配置したと
きに、両打込み型コンクリート型枠31・31同士の間
隔を所定の距離に保持するものである。このとき、リテ
ーナ37の一方の端部は一方の型枠部材32におけるリ
テーナ係合部36のリテーナ嵌合孔36aに嵌入され、
同様に、他方の端部は他方の型枠部材32におけるリテ
ーナ係合部36のリテーナ嵌合孔36aに嵌入される。
これにより、両打込み型コンクリート型枠31・31
は、両者の対向方向の内側および外側に倒れることな
く、所定の間隔に保持される。
【0093】この状態において、2枚の打込み型コンク
リート型枠31・31間にコンクリートが打ち込まれる
と、各リテーナ37は完全にコンクリート内に埋設さ
れ、打込み型コンクリート型枠31も背面側がコンクリ
ートに埋設された状態となる。この打込み型コンクリー
ト型枠31は、コンクリートの硬化後にも取り外すこと
なく、例えば壁材としてそのまま使用される。
【0094】また、打込み型コンクリート型枠31の断
面は、図11に示すように、せき板部34に前記中空部
2aに相当する中空部34aが形成されている。
【0095】上記のような打込み型コンクリート型枠3
1の構成では、断熱材からなる表面層5を有しているの
で、コンクリート打設後に、加飾部5aを有する断熱材
が例えばコンクリート壁面に設けられた状態となる。即
ち、予め工場において、加飾部5aが設けられた表面層
5を型枠部材32に積層する作業、あるいは表面層5を
型枠部材32に積層し、表面層5の表面に加飾部5aを
設ける作業を効率良く行なっておくことにより、上記作
業に不向きな例えば建築現場での断熱材や加飾部5aの
施工工程を省略することができる。
【0096】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明がこれらに限定されるものではない。なお、本発明
の中空成形体の製造方法が、射出成形、射出圧縮成形、
圧縮成形、スタンピング成形、押し出し成形、ブロー成
形にも適用可能である。
【0097】(実施例1)雌雄一対の未閉鎖の上下型か
らなる金型において、下型面の8箇所に直径10mmの
焼結金属を圧縮流体供給部材として設けた。この圧縮流
体供給部材は、直径25mmのエポキシ樹脂の中央に配
置した。そして、目付け50g/m2 の不織布を直径5
0mmの円形に裁断し、8箇所の圧縮流体供給部材を覆
うように外周部を両面テープで下型に固定した。
【0098】上型を20mm/secの速度で降下し、
型締めを行った。上型と下型の金型クリアランスが20
mmの位置で型締めを一旦停止した。この位置で、ポリ
プロピレン84.5重量部(住友化学工業(株)製 住
友ノーブレンAX568、メルトフローインデックス6
5g/10min)とガラス繊維15重量部(日本板硝
子(株)製 RES03X−TP69A、繊維長3m
m、繊維径13μm)と変性剤0.5重量部(三洋化成
工業(株)製 ユーメックス1001)とを混練した溶
融状熱可塑性樹脂を260℃で下型に設けた樹脂通路か
ら金型のキャビティ内に供給した。
【0099】樹脂の供給完了後、上型を再下降させ、型
締動作を再開し、1MPaの成形圧力で加圧賦形した。
溶融状熱可塑性樹脂の賦形完了後、2秒後に下型に設け
た圧縮流体を供給するための流体供給口から0.6MP
aの低圧空気を供給し、空気供給開始10秒後に上型を
8mm上昇させ、60秒冷却し、成形品の取り出しのた
めの型開き開始5秒前に空気の供給を停止した。
【0100】この結果、空気供給跡である開口部に通気
性シートが接着された熱可塑性樹脂からなる中空成形体
が得られた。
【0101】(実施例2)本実施例では、実施例1にお
いて、目付け50g/m2 の不織布を直径5cmの円形
に裁断し、圧縮流体供給部材を覆うように配置した後、
所定の形状に切断され、かつ圧縮流体供給用の開口部を
有する表面材として珪酸カルシウム板(浅野スレート
(株)製、ハイラックN ♯80,厚み:5mm)を下
型上に配置した以外は同様にして成形を行った。
【0102】この結果、表面材として珪酸カルシウム板
の開口部に形成された空気供給跡である開口部に通気性
シートが接着された熱可塑性樹脂からな中空成形体が得
られた。
【0103】
【発明の効果】本発明の中空成形体は、以上のように、
内部に設けられた中空部と連通する開口部が表面に形成
された熱可塑性樹脂からなる成形体本体を有し、上記開
口部を覆うように通気性シートが上記成形体本体に設け
られている構成である。
【0104】それゆえ、成形体本体内の中空部と連通す
る開口部が、通気性シートにより覆われているので、開
口部からほこりなどの異物侵入を防止することができ、
しかも、中空部内の気体が自由に出入りできる。
【0105】したがって、このような中空成形体は、中
空部内のガスが熱により膨張すれば通気性シートを通し
て外部に排気される一方、中空部内のガスが冷却されて
収縮すれば通気性シートを通して外気が中空部内に流入
できるので、熱などの外的要因による変形を小さくする
ことができるという効果を奏する。
【0106】また、本発明の中空成形体の製造方法は、
雌雄一対の成形型の少なくとも一方の成形型のキャビテ
ィ面に設けられた圧縮流体供給部材を覆うように該成形
型のキャビティ面上に通気性シートを配置した後、上記
成形型のキャビティ内に溶融状の熱可塑性樹脂を供給、
賦形し、上記圧縮流体供給部材から上記通気性シートを
介して熱可塑性樹脂内に圧縮流体を供給し、該熱可塑性
樹脂内に中空部を形成する工程を含んでいる。
【0107】それゆえ、上記の通気性シートにより、圧
縮流体供給部材の圧縮流体の流通孔に熱可塑性樹脂が入
り込めなくなる。つまり、キャビティ面に設けられた圧
縮流体供給部材を覆うように該キャビティ面に通気性シ
ートを配置することにより、成形型内に溶融状の熱可塑
性樹脂が供給された場合に、この熱可塑性樹脂による圧
縮流体供給部材の目詰まりを無くすことができる。
【0108】これにより、熱可塑性樹脂内に圧縮流体を
確実に供給することができ、中空部を適切に形成するこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる中空成形体の断
面図である。
【図2】本発明の一実施の形態にかかる他の例の中空成
形体の断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態にかかるさらに他の例の
中空成形体の断面図である。
【図4】図1に示した中空成形体の通気性シートを接着
した状態を示す説明図である。
【図5】(a)は、本発明の中空成形体の一例の製造方
法において、金型に通気性シートをセットする工程を示
す断面図、(b)は、金型のキャビティ内に溶融状熱可
塑性樹脂を供給する工程を示す断面図、(c)は、型締
め、賦形工程を示す断面図である。
【図6】(a)は、図5(c)に続く製造工程であっ
て、溶融状熱可塑性樹脂への空気注入工程を示す断面
図、(b)は、成形完了後の上型上昇工程を示す断面図
である。
【図7】(a)は、本発明の中空成形体の他の例の製造
方法において、金型に通気性シートと表面材とをセット
する工程を示す断面図、(b)は、金型のキャビティ内
に溶融状熱可塑性樹脂を供給する工程を示す断面図、
(c)は、型締め、賦形工程を示す断面図である。
【図8】(a)は、図7(c)に続く製造工程であっ
て、溶融状熱可塑性樹脂への空気注入工程を示す断面
図、(b)は、成形完了後の上型上昇工程を示す断面図
である。
【図9】(a)は、本発明の中空成形体を積層パネルと
した場合に、該積層パネルが適用された打込み型コンク
リート型枠の背面構造を示す斜視図、(b)は、同表面
構造を示す斜視図である。
【図10】(a)は、図9(a)に示した打込み型コン
クリート型枠の使用状態を示す斜視図、(b)は、同縦
断面図である。
【図11】図9(a)(b)に示す積層パネルに対応す
る打込み型コンクリート型枠を示す断面図である。
【符号の説明】
1 中空成形体 2 成形体本体 2a 中空部 2b 開口部 3 通気性シート 4 溶融状熱可塑性樹脂 5 表面層 15 表面材 15a 開口部 15b 開口部 21 金型 22 上型 23 下型 25a 圧縮流体供給部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:10 B29L 31:10 (72)発明者 北山 威夫 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 松原 重義 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA03 AA13 AA28 AD16 AG07 AH46 CA11 CB01 CB12 CK19 CQ01 4F206 AA03 AA13 AA28 AD16 AG07 AH46 JA05 JB12 JF05 JN22 JN27 JQ81

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に設けられた中空部と連通する開口部
    が表面に形成された熱可塑性樹脂からなる成形体本体を
    有し、 上記開口部を覆うように通気性シートが上記成形体本体
    に設けられていることを特徴とする中空成形体。
  2. 【請求項2】内部に設けられた中空部と連通する開口部
    が表面に形成された熱可塑性樹脂からなる成形体本体
    と、 上記成形体本体の開口部が形成された面に積層された表
    面層とを有し、 上記表面層には、上記成形体本体の開口部に連通する開
    口部が形成され、該表面層に形成された開口部を覆うよ
    うに通気性シートが設けられていることを特徴とする中
    空成形体。
  3. 【請求項3】上記成形体本体に形成された開口部は、中
    空部を形成するために圧縮流体を供給した圧縮流体供給
    跡であることを特徴とする請求項1または2記載の中空
    成形体。
  4. 【請求項4】上記通気性シートは、上記成形体本体に一
    体的に成形されていることを特徴とする請求項1ないし
    3の何れかに記載の中空成形体。
  5. 【請求項5】内部に設けられた中空部と連通する開口部
    が表面に形成された熱可塑性樹脂からなる成形体本体を
    有する中空成形体の製造方法において、 雌雄一対の成形型の少なくとも一方のキャビティ面に設
    けられた圧縮流体供給部材を覆うように該成形型のキャ
    ビティ面上に通気性シートを配置する工程、上記成形型
    のキャビティ内に溶融状の熱可塑性樹脂を供給する工
    程、及び上記圧縮流体供給部材から上記通気性シートを
    介して上記熱可塑性樹脂内に圧縮流体を供給し、該熱可
    塑性樹脂内に中空部を形成する工程を含むことを特徴と
    する中空成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】内部に設けられた中空部と連通する開口部
    が表面に形成された熱可塑性樹脂からなる成形体本体
    と、上記成形体本体の開口部が形成された面に積層され
    た表面層とを有する中空成形体の製造方法において、 雌雄一対の成形型の少なくとも一方のキャビティ面に設
    けられた圧縮流体供給部材を覆うように通気性シートを
    該成形型のキャビティ面に配置する工程、上記成形体本
    体の表面層となり、且つ上記圧縮流体供給部材に対応す
    る部分に開口部が形成された表面材を上記通気性シート
    を配置された成形型のキャビティ面に配置する工程、上
    記表面材を上記キャビティ面に配置した状態で、上記成
    形型のキャビティ内に溶融状の熱可塑性樹脂を供給する
    工程、及び上記圧縮流体供給部材から上記通気性シート
    および上記表面材の開口部を介して熱可塑性樹脂内に圧
    縮流体を供給し、該熱可塑性樹脂内に中空部を形成する
    工程を含むことを特徴とする中空成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】上記通気性シートを、上記表面材の開口部
    を覆うように貼り合した状態で、成形型のキャビティ面
    に配置することを特徴とする請求項6記載の中空成形体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】上記通気性シートが不織布であることを特
    徴とする請求項5ないし7の何れかに記載の中空成形体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】上記不織布の目付が5g/m2 以上150
    g/m2 以下であることを特徴とする請求項8記載の中
    空成形体の製造方法。
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