JP2001150110A - 溶融金属排出ゲートにおけるゲートプレート仮止め用磁気吸引装置 - Google Patents

溶融金属排出ゲートにおけるゲートプレート仮止め用磁気吸引装置

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JP2001150110A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】スライドゲート装置の交換の際の安全性の確保
を図り、ゲートプレートの摺動面からの大気吸引を防止
し、磁石の吸着力を長期にわたって維持でき、スライド
ゲートプレート交換作業の機械化、自動化を図る。 【構成】溶融金属容器の底面に固着したハウジングと、
該ハウジングの下面に開閉可能に設けたハウジングカバ
ーとを有し、これらにより囲まれた空間に、磁性材を張
着したスライドゲートプレートを装入・保持した溶融金
属排出ゲート構造において、スライドゲートプレートに
向って出入するようにハウジングに滑動隙間を有して遊
嵌された磁石構造物と、該磁石構造物の背部を囲包する
ようにハウジングに設けられた小室とを有し、磁石構造
物を前記スライドゲートプレートに向って押し出すよう
に作用する加圧ガスが前記小室に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、連続鋳造装置の
タンディッシュやレードル等の溶融金属容器の溶鋼排出
ゲートに設けられるスライドゲート装置、特にそのスラ
イドゲートプレートを交換する際のゲートプレート仮止
め用磁気吸引装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、連続鋳造装置のレードルやタン
ディッシュ等の溶鋼容器から内部の溶鋼を排出する場
合、該溶鋼容器の底部溶鋼流出口にスライドゲート装置
を設置して溶鋼の流量を制御しつつ溶鋼を排出すること
は既に知られている。前記スライドゲート装置は、ゲー
トを構成するスライドゲートプレートと称する耐火物構
造体と、前記スライドゲートプレートを支持し、かつ摺
動駆動する機械装置とから構成される。前記スライドゲ
ートプレートは通常数時間乃至10数時間で溶損した
り、溶鋼中のアルミナの付着によるノズルの目詰まり等
で使用不能となるので、その損耗の度合いに応じて、一
定のサイクルで交換される。この交換作業は、前記レー
ドルやタンディッシュを90°傾転した後、スライドゲ
ートプレートを支持する機械装置部分をドア状に開い
て、内部の損耗した耐火物(スライドゲートプレート)
を取り外し、新しいものと入れ替える。この時、ドア状
に開いた前記機械装置のスライドゲートプレート支持部
にスライドゲートプレートを仮止めし、作業の機械化、
省力化を図るために、磁石体をスライドゲート装置内に
組み込み、鉄皮で表面を補強した前記スライドゲートプ
レートを磁気吸着して仮止めする手段が開示されている
(例えば実開平5−28555号公報、米国特許第4,
415,103号明細書等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁石をスライドゲート
装置内に組み込んでスライドゲートプレートの交換中に
該ゲートプレートが落下しないように前記磁石の吸引力
を利用して保持することは、前述の如く従来から提案さ
れているが、この種の溶融金属容器においては、磁石の
取付環境温度が400〜500℃と厳しく、近年の耐火
物の小形化とともに一層高温化する傾向にあり、前記磁
石に対する熱対策が問題となっている。また取付手段と
してのモルタルなどで固定する方法はモルタルに寸法上
の不安定要素があり、耐火物の鉄皮と磁石が密着せず、
吸着保持の安全性の点でも問題がある。さらに前記磁石
を滑動可能に取り付けると、滑動部の隙間からモルタル
の成分粒が入り込み易く、特にモルタルを水で練って磁
石周囲を囲包する際、モルタル成分を含んだ水が滑動部
から装置内に入り、発錆や滑動不能などのトラブルが発
生する。
【0004】本発明は上述の問題を解決し、スライドゲ
ート装置の交換の際の安全性の確保を図り、ゲートプレ
ートの摺動面からの大気吸引を防止し、磁石の吸着力を
長期にわたって維持でき、スライドゲートプレート交換
作業の機械化、自動化を図り得る溶融金属排出ゲートの
ゲートプレート仮止め用磁気吸引装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、溶融金
属容器の底面に固着したハウジングと、該ハウジングの
下面に開閉可能に設けたハウジングカバーとを有し、こ
れらにより囲まれた空間に、磁性材を張着したスライド
ゲートプレートを装入・保持した溶融金属排出ゲート構
造において、前記スライドゲートプレートに向って出入
するように前記ハウジングに滑動隙間を有して遊嵌され
た磁石構造物と、該磁石構造物の背部を囲包するように
前記ハウジングに設けられた小室とを有し、前記磁石構
造物を前記スライドゲートプレートに向って押し出すよ
うに作用する加圧ガスを前記小室に供給するようにした
溶融金属排出ゲートのゲートプレート仮止め用磁気吸引
装置が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す好適な
実施形態につき説明する。図1は本発明の1実施形態に
係るスライドゲート装置(スライドゲート金物)の長手
方向(スライドプレートの摺動する方向)に沿った断面
図、図2は図1の実施形態でハウジングカバーを取り外
した状態の底面図である。この実施形態でスライドゲー
トプレートは3層式の耐火物で構成され、溶融金属容器
17の底部に設けた上ノズル52の下面に所定の面圧で
密着される上プレート1と、上プレート1に上下間隔を
有して結合部材(図示省略)によって固着された下プレ
ート3と、これらの上下プレート1,3間に挟まれて摺
動するスライドプレート2とから構成されている。上下
プレート1,3は互いに整合したノズル孔を有し、スラ
イドプレート2は該プレート2のノズル孔が上下プレー
ト1,3のノズル孔に整合した位置と該ノズル孔からず
れた位置との間で摺動する。図1の状態はスライドプレ
ート2のノズル孔が上下プレート1,3のノズル孔から
ずれた位置にあり、これによって上ノズル52が閉塞さ
れた状態となっている。またこの3層式スライドゲート
プレートの外側面は磁性材の鋼板(鉄皮)で覆われてい
る。
【0007】上下プレート1,2およびスライドプレー
ト3は、互いのノズル孔が孔合わせされた状態で機外の
予熱装置(図示省略)に装填されて予熱され、長手方向
(スライドプレート3の摺動方向)の端面が合わせられ
た状態(図1の状態)で溶融金属容器17底部のスライ
ドゲート装置に対して取り付け、取り外しがなされる。
【0008】図1,図2を参照すれば、スライドゲート
装置は溶融金属容器17の底部にボルト19で取り付け
られたハウジング18を有している。ハウジング18の
一側端には、後述するスライダ20を駆動する制御シリ
ンダ21が装着されると共に、下面にはスライドゲート
プレートを収容する凹部を有している。またハウジング
18の中央部には上プレート1の上面に突出した断面形
状が台形状の凸部1cの外形部分と嵌合する孔22が形
成されると共に、該孔22に隣接して、上プレート1の
外面を被冠する磁性板(鉄皮)1aを介して上プレート
1を吸着する磁石構造物23が設けられている。
【0009】スライダ20は、図3に示すように、左右
両側面に凸設された凸条部20aを介して、ハウジング
18内側に設けたガイド溝24及びガイド板25(図
2,図3)によりハウジング18内に摺動可能に支持さ
れている。スライダ20の中央部には前記上プレート1
が通過可能な大きさを持つスライドプレート装着用開口
部26を有している。該開口部26の一端にはスライド
プレート2をスライダ20に装着するクランパ27が設
けられ、該クランパ27はスライダ20の一端に設けた
ねじジャッキ28によりクランプロッド29を介して進
退できるようになっている。30はプレート着脱ハンド
用スペースである。
【0010】ハウジング18の下側には、下プレート3
の下面の突出部3cが嵌合する開口を備えたカバー31
が設けられている。図2は前記カバー31を除去した状
態であるが、この図2において、符号38はカバー開閉
駆動装置、40はハウジング18に枢着されたカバー開
閉用シリンダであり、カバー31(図1)はピン32お
よびカバー駆動軸33によりハウジング18に枢支さ
れ、ハウジング18とカバー31の側面間に設けられた
面圧付加装置36の開放により、カバー31はハウジン
グ18に対しドア状に開閉可能となっているが、これら
の詳細な構造については説明を省略する。
【0011】次に、図4を参照して本発明に係る磁石構
造物23を説明する。この実施形態の磁石構造物23は
永久磁石23aと、該磁石23aの周部および背部を囲
包する磁性材のヨーク23bと、永久磁石23aとヨー
ク23bとの間に介在された非磁性体スペーサ23cと
から構成されている。図示のようにヨーク23bの先端
部にはフランジ部23b′が形成され、またヨーク背部
近くの周部にスナップリング23dが取り付けられてい
る。
【0012】永久磁石23aを収容したヨーク23bは
ハウジング18の孔に滑動隙間を有して挿入されるが、
ハウジング18の下側孔端は座ぐり状に大径となってお
り、この座ぐり部にヨーク23bの前記フランジ部23
b′が係合するようになっている。この状態では、図4
に明示されるように、磁石構造物23はハウジング18
に対して最も後退した状態であり、磁石構造物23の先
端面はハウジング18の内面と略同一面に位置する。ま
た、この状態でヨーク23bのスナップリング23dと
ヨーク挿入部におけるハウジング18の上面との間には
一定の間隔が存在し、この間隔の範囲内で磁石構造物2
3がハウジング18に対して出入可能である。
【0013】ヨーク23bの背部にはハウジング18に
対して閉塞された小室54が形成されるように小室カバ
ー53がボルトによって固着されている。小室カバー5
3にはガス供給口56が形成され、この供給口53から
一定圧のガスが小室54内に供給され、これによって小
室54内は加圧状態になる。ガスはヨーク23bとハウ
ジング18との間の滑動面55の滑動隙間からハウジン
グ内側(スライドゲートプレート側)へ漏出するように
なっている。前記ガスには不活性ガスが好適に用いられ
る。
【0014】次に、プレートの交換方法について順を追
って説明すれば、まず、前記スライダ制御用シリンダ2
1の駆動により、スライドゲートからの溶鋼流出量のコ
ントロールと共に、スライドプレート2の端面を揃える
端面合わせ位置及びこの端面合わせ位置から数mm〜1
0数mm程度シリンダロッドを突き出したプレート交換
位置に選択的にスライダ20の位置を停止できるように
なっている。スライダ20をプレート交換位置に合わ
せ、スライドプレートクランパ27を一杯に後退させ、
スライダ20の開口部26を上プレート1が通過できる
ようにする。
【0015】次いで、面圧付加装置36を開放してカバ
ー31をドア状に開く。予熱を終了したスライドゲート
プレートを端面合わせした状態で上プレート1の上面に
モルタル等の目地材51を付け、上下プレート1,2お
よびスライドプレート3から成るスライドゲートプレー
トを一体として図示しないハンドリング装置でスライド
ゲート装置内に装入する。この時、前記目地材51の分
量は、通常上ノズル52と上プレート1の上面に形成し
た突出部1cとの空間に十分に充満する量とするため、
目地材51の一部が上ノズル52下面に触れる程度に上
プレート1を押し込んでも該プレート1はハウジング1
8の下面には密着しない。
【0016】そして、上プレート1が略定位置まで入る
と、ハウジング18に組み込んだ磁石構造物23が上プ
レート1に被冠した鉄皮1aに吸い付けられるように自
らの吸着力で飛び出し、上プレート1に被冠した鉄皮1
aを吸着する。この時、上プレート1は上プレート1の
上面に形成した突出部1cがハウジング18の嵌合孔2
2に入っているので、該プレート1の重量を前記孔22
の縁に預けて磁石構造物23の吸着力で転倒を防止する
ようにハウジング18側に受け渡されるので、図示しな
いハンドリング装置を開放しても落下するようなことは
ない。
【0017】磁石構造物23のハウジング18の下面か
らの飛び出し量は通常1〜2mmで十分であるが、目地
材(モルタル)51の圧縮量を大きめに見込む場合、或
は、目地材51を付け過ぎた場合等を考えると大きな飛
び出し量が無いと磁石構造物23が上プレート1に被冠
した鉄皮1aを吸着できないか、或は、目地材51が上
ノズル52に接触するまで上プレート1を押し付けても
磁石構造物23と前記鉄皮1aとの距離が大きいために
磁石構造物23の吸引力が弱く、磁石構造物23が飛び
出さないので、上プレート1を吸着できない場合も考え
られる。
【0018】しかし本発明においては、前述の如く、磁
石構造物23の背面、即ち、前記溶融金属容器17側に
形成した小室54内のガス圧により、常時磁石構造物2
3が飛び出す方向に圧力がかけられており、上プレート
1の吸着が確実になされ、吸着不良により、スライドゲ
ートプレートが脱落するという心配はない。
【0019】このガスは磁石構造物23とハウジング1
8との滑動面55の滑動隙間に異物が付着するのを防止
し、磁石構造物23の動きを円滑にすると共に、磁石構
造物23の加熱を防止する機能も有している。更に、前
記ガスとして不活性ガスを用いれば磁石構造物の前記滑
動隙間から吹き出し、プレート周辺の雰囲気ガスとして
スライドゲートプレートのプレート間からの空気の吸引
を防止するのに役立ち、鋳造する製品の品質の向上にも
寄与する。
【0020】次に、図示しないプレートハンドリング装
置を後退させてカバー開閉用シリンダ40のロッドを押
し出し方向に作動させてカバー31(下プレート保持金
具)を閉じる。この時、下プレート3の下面に突出させ
て設けた突出部3cはカバー31中央の孔57に収まる
と共に、前記磁石構造物23が上プレート1に押されて
ハウジング18内に後退し(図4の状態)、上プレート
1はハウジング18の下面に密着する。これでスライド
ゲートプレートの交換が終了する。
【0021】
【発明の効果】このように本発明によれば、スライドゲ
ートプレートの交換に際して、スライドゲート装置内に
組み込んだ磁石構造物により前記スライドゲートプレー
トを吸着して前記スライドゲート装置に仮止めする磁石
構造物取付構造において、前記磁石構造物の背部に小室
を設け、該小室に所定圧のガスを満たし、このガス圧で
前記磁石構造物を前記スライドゲートプレート側へ突出
させて前記スライドゲートプレートを吸着するようにし
たので、モルタルなどの寸法不安定要素を吸収して確実
な吸着、保持が可能となる。また前記小室から磁石構造
物周囲の滑動隙間を通してガスを流出させる構造とする
ことにより、前記ガスの冷却作用で前記磁石構造物の熱
による劣化、吸着力の低下を防止でき、永久磁石の耐用
寿命の増大を図ることができる。さらに前記磁石構造物
を保持するハウジングの熱変形も緩和され、またスライ
ドプレートの摺動面からの大気吸引も防止でき、この種
スライドゲートプレートの交換作業の機械化、自動化が
達成される。
【0022】なお、本発明に係る磁石構造物の取付構造
は、スライドゲートプレートの交換を人手により行い、
ボルト、ウエッジなどにより前記スライドゲートプレー
トをスライドゲート装置内に固定する形式のものにおい
ても、その固定装置を解除中に前記スライドゲートプレ
ートが転落することを防止できるので、従来のように前
記スライドゲートプレートを片手で押えて、落下防止し
ながら前記固定装置を操作する必要もなく、この点でも
作業能率および安全性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す3層式スライドゲート
装置の長手方向断面図である。
【図2】ハウジングカバーを取り外した状態の図1のス
ライドゲート装置の底面図である。
【図3】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る磁石構造物の取付部の
縦断面図である。
【符号の説明】
1 上プレート 2 スライドプレート 3 下プレート 17 溶融金属容器 18 ハウジング 20 スライダ 23 磁石構造物 23a 永久磁石 23b ヨーク 23d スナップリング 31 カバー 53 小室カバー 54 小室 55 滑動面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融金属容器の底面に固着したハウジング
    と、該ハウジングの下面に開閉可能に設けたハウジング
    カバーとを有し、これらにより囲まれた空間に、磁性材
    を張着したスライドゲートプレートを装入・保持した溶
    融金属排出ゲート構造において、前記スライドゲートプ
    レートに向って出入するように前記ハウジングに滑動隙
    間を有して遊嵌された磁石構造物と、該磁石構造物の背
    部を囲包するように前記ハウジングに設けられた小室と
    を有し、前記磁石構造物を前記スライドゲートプレート
    に向って押し出すように作用する加圧ガスが前記小室に
    供給されることを特徴とするゲートプレート仮止め用磁
    気吸引装置。
  2. 【請求項2】前記加圧ガスは不活性ガスであり、該不活
    性ガスが前記小室から前記ハウジングと前記磁石構造物
    との間の前記滑動隙間を通って前記スライドゲートプレ
    ートへ向けて流出することを特徴とする請求項第1項に
    記載したゲートプレート仮止め用磁気吸引装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102289350B1 (ko) * 2020-12-01 2021-08-13 주식회사 다원시스 용융물의 배출을 제어하는 배출제어장치 및 이를 포함하는 처리시스템

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