JP2001149092A - ホモシステインの測定方法 - Google Patents
ホモシステインの測定方法Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 多検体について、簡便かつ精度良くホモシス
テインが定量でき、吸光光度計を検出器とする自動分析
機を使用するホモシステインの定量方法を提供する。 【解決手段】 ホモシステインを含有する被検体にホモ
システインデスルフラーゼを作用させて該被検体中のホ
モシステインを2−ケト酪酸に転化させ、次いでアンモ
ニア又はアンモニウム塩、酸化型又は還元型のニコチン
アミド補酵素、及び該ニコチンアミド補酵素と異なる型
のチオニコチンアミド補酵素の存在下に、前記工程で得
られた2−ケト酪酸に2−ケト酪酸にアミノ酸脱水素酵
素を作用させ、前記ニコチンアミド補酵素或いは前記チ
オニコチンアミド補酵素の消費量、又は、それぞれ使用
した補酵素の型と異なる型のニコチンアミド補酵素或い
はチオニコチンアミド補酵素の生成量を例えば吸光光度
法により測定し、ホモシステインの量を決定する。
テインが定量でき、吸光光度計を検出器とする自動分析
機を使用するホモシステインの定量方法を提供する。 【解決手段】 ホモシステインを含有する被検体にホモ
システインデスルフラーゼを作用させて該被検体中のホ
モシステインを2−ケト酪酸に転化させ、次いでアンモ
ニア又はアンモニウム塩、酸化型又は還元型のニコチン
アミド補酵素、及び該ニコチンアミド補酵素と異なる型
のチオニコチンアミド補酵素の存在下に、前記工程で得
られた2−ケト酪酸に2−ケト酪酸にアミノ酸脱水素酵
素を作用させ、前記ニコチンアミド補酵素或いは前記チ
オニコチンアミド補酵素の消費量、又は、それぞれ使用
した補酵素の型と異なる型のニコチンアミド補酵素或い
はチオニコチンアミド補酵素の生成量を例えば吸光光度
法により測定し、ホモシステインの量を決定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検体中のホモシス
テインを極めて高感度に定量する新規な方法に関するも
のである。特に、生体内の各臓器及び体液中のホモシス
テイン定量に対して有効であり、例えば臨床検査などの
診断用試薬分野において広く利用することができる。
テインを極めて高感度に定量する新規な方法に関するも
のである。特に、生体内の各臓器及び体液中のホモシス
テイン定量に対して有効であり、例えば臨床検査などの
診断用試薬分野において広く利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来のホモシステインの定量方法として
は、下記(i)〜(iv)に示すような方法が知られている。
は、下記(i)〜(iv)に示すような方法が知られている。
【0003】(i) 被検体中のホモシステインをSH基
と反応する蛍光標識試薬を使用して標識した後に高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)により分離して定量
するプレラベルHPLC法{例えば、Methods in Enzym
ology、143巻、67頁(1987年)}。
と反応する蛍光標識試薬を使用して標識した後に高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)により分離して定量
するプレラベルHPLC法{例えば、Methods in Enzym
ology、143巻、67頁(1987年)}。
【0004】(ii) 被検体からホモシステインをHPL
Cにより分離した後にSH基と反応する蛍光標識試薬と
反応させて検出定量するポストラベルHPLC法{例え
ば Analytical Biochemistry、227巻、14頁(1995
年)}。
Cにより分離した後にSH基と反応する蛍光標識試薬と
反応させて検出定量するポストラベルHPLC法{例え
ば Analytical Biochemistry、227巻、14頁(1995
年)}。
【0005】(iii) 被検体中のホモシステインと特異
的に作用する酵素等(例えばアデノシン及びS-アデノシ
ルホモシステイン合成酵素)を作用させて、その酵素反
応生成物(例えばS-アデノシルホモシステイン)を抗体
法によって検出定量する酵素免疫法{例えば、特表平8-
50648号公報、及びClinical Chemistry、44巻、311頁
(1998年)}。
的に作用する酵素等(例えばアデノシン及びS-アデノシ
ルホモシステイン合成酵素)を作用させて、その酵素反
応生成物(例えばS-アデノシルホモシステイン)を抗体
法によって検出定量する酵素免疫法{例えば、特表平8-
50648号公報、及びClinical Chemistry、44巻、311頁
(1998年)}。
【0006】(iv) 被検体中のホモシステインに特異的
に作用する酵素を作用させた後に、その生成物を酵素法
で検出定量する酵素法。該方法の例としては、被検体中
のホモシステインをホモシステイナーゼなる酵素と作用
せしめ、生成した硫化水素を色素に導いた後に比色分析
することによってホモシステインを定量する方法(国際
特許WO-9905311号公報)、及び被検体中のホモシステイ
ンをホモシステインデスルフラーゼなる酵素と作用せし
め、生成した2−ケト酪酸を還元型ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド(以下、NADHと略記することも
ある。)の存在下で乳酸脱水素酵素あるいはピルビン酸
脱水素酵素と作用せしめ、生成する酸化型ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチド(以下、NADと略記するこ
ともある。)を定量することによってホモシステインを
定量する方法(国際特許WO-9807872号公報)が挙げられ
る。
に作用する酵素を作用させた後に、その生成物を酵素法
で検出定量する酵素法。該方法の例としては、被検体中
のホモシステインをホモシステイナーゼなる酵素と作用
せしめ、生成した硫化水素を色素に導いた後に比色分析
することによってホモシステインを定量する方法(国際
特許WO-9905311号公報)、及び被検体中のホモシステイ
ンをホモシステインデスルフラーゼなる酵素と作用せし
め、生成した2−ケト酪酸を還元型ニコチンアミドアデ
ニンジヌクレオチド(以下、NADHと略記することも
ある。)の存在下で乳酸脱水素酵素あるいはピルビン酸
脱水素酵素と作用せしめ、生成する酸化型ニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチド(以下、NADと略記するこ
ともある。)を定量することによってホモシステインを
定量する方法(国際特許WO-9807872号公報)が挙げられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の定量方法には測定精度あるいは操作性に問題があ
り、これら方法により多検体について簡便かつ精度良く
ホモシステインを定量する事はできないのが実状であっ
た。
従来の定量方法には測定精度あるいは操作性に問題があ
り、これら方法により多検体について簡便かつ精度良く
ホモシステインを定量する事はできないのが実状であっ
た。
【0008】即ち、前記(i)のプレラベルHPLC法
は、高感度化は図られてはいるが、被検体中のチオール
化合物を高感度蛍光ラベル試薬でラベルするプレラベル
化反応の操作が煩雑であり、被検体の処理能力が低い等
の難点を有している。
は、高感度化は図られてはいるが、被検体中のチオール
化合物を高感度蛍光ラベル試薬でラベルするプレラベル
化反応の操作が煩雑であり、被検体の処理能力が低い等
の難点を有している。
【0009】また、前記(ii)のポストラベルHPLC法
は、上記プレラベル化反応の煩雑さを解決する方法とし
て開発されたものであるが、検体処理能力が低いという
問題は依然解決されていない上に、ポストラベル化にお
いて高価な蛍光試薬をに多量に使用するという問題があ
る。
は、上記プレラベル化反応の煩雑さを解決する方法とし
て開発されたものであるが、検体処理能力が低いという
問題は依然解決されていない上に、ポストラベル化にお
いて高価な蛍光試薬をに多量に使用するという問題があ
る。
【0010】また、前記(iii)の酵素免疫法は、上記の
ようなHPLC法と比較すれば多検体の処理能力の点で
は有利になってはいるが、酵素反応と酵素免疫法を組み
合わせた煩雑さや高価な抗体を使用する欠点を有してい
る。
ようなHPLC法と比較すれば多検体の処理能力の点で
は有利になってはいるが、酵素反応と酵素免疫法を組み
合わせた煩雑さや高価な抗体を使用する欠点を有してい
る。
【0011】さらに、前記(iv)の酵素法の内、比色分析
することによってホモシステインを定量する方法は、色
素法であるため感度が低い難点を有している。また、酵
素反応により生成するNADを定量することによってホ
モシステインを定量する方法は、高感度である有利さは
ある一方、定量工程の途中でNADHを分解させる煩雑
な工程を経た後に酵素サイクリングを行わしめる方法で
あり、更に臨床検査の分野で広く用いられている吸光光
度計を検出器とする自動分析機で定量することが困難で
あるという難点を有している。
することによってホモシステインを定量する方法は、色
素法であるため感度が低い難点を有している。また、酵
素反応により生成するNADを定量することによってホ
モシステインを定量する方法は、高感度である有利さは
ある一方、定量工程の途中でNADHを分解させる煩雑
な工程を経た後に酵素サイクリングを行わしめる方法で
あり、更に臨床検査の分野で広く用いられている吸光光
度計を検出器とする自動分析機で定量することが困難で
あるという難点を有している。
【0012】この様に、多検体について簡便かつ精度良
くホモシステインを定量する方法はこれまで知られてお
らず、この様な方法、特に上記のような一般的に使用さ
れている自動分析機に適用可能なホモシステインの定量
方法が望まれている。
くホモシステインを定量する方法はこれまで知られてお
らず、この様な方法、特に上記のような一般的に使用さ
れている自動分析機に適用可能なホモシステインの定量
方法が望まれている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来の
技術の課題を解決するために、高感度化が実現されてい
る酵素サイクリングを利用した酵素法に着目し、その操
作性を向上させるべく鋭意検討を行った。その結果、被
検体中のホモシステインにホモシステインデスルフラー
ゼを作用させて得られる生成した2−ケト酪酸をNAD
Hの存在下、特定の条件で酵素サイクリング反応を行っ
た場合には、NADHの分解操作という煩雑な操作を行
うことなくホモシステインが定量出来ることを見出し、
本発明を完成するに至った。
技術の課題を解決するために、高感度化が実現されてい
る酵素サイクリングを利用した酵素法に着目し、その操
作性を向上させるべく鋭意検討を行った。その結果、被
検体中のホモシステインにホモシステインデスルフラー
ゼを作用させて得られる生成した2−ケト酪酸をNAD
Hの存在下、特定の条件で酵素サイクリング反応を行っ
た場合には、NADHの分解操作という煩雑な操作を行
うことなくホモシステインが定量出来ることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0014】即ち、第一の本発明は、下記(1)〜
(3)の工程を含んでなることを特徴とするホモシステ
インの測定方法である。
(3)の工程を含んでなることを特徴とするホモシステ
インの測定方法である。
【0015】(1) ホモシステインを含有する被検体
にホモシステインデスルフラーゼを作用させて該被検体
中のホモシステインを2−ケト酪酸に転化させる工程。
にホモシステインデスルフラーゼを作用させて該被検体
中のホモシステインを2−ケト酪酸に転化させる工程。
【0016】(2) アンモニア又はアンモニウム塩、
酸化型又は還元型のニコチンアミド補酵素、及び該ニコ
チンアミド補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵
素の存在下に、前記工程(1)で得られた2−ケト酪酸
に2−ケト酪酸を基質としてL−2−アミノ酪酸を可逆
的に生成させる反応を触媒するアミノ酸脱水素酵素を作
用させて酵素反応を行い、任意の特定の時間内に該酵素
反応により消費される前記ニコチンアミド補酵素或いは
前記チオニコチンアミド補酵素の消費量、又は任意の特
定の時間内に該酵素反応により生成する、それぞれ使用
した補酵素の型と異なる型のニコチンアミド補酵素或い
はチオニコチンアミド補酵素の生成量を測定する工程。
酸化型又は還元型のニコチンアミド補酵素、及び該ニコ
チンアミド補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵
素の存在下に、前記工程(1)で得られた2−ケト酪酸
に2−ケト酪酸を基質としてL−2−アミノ酪酸を可逆
的に生成させる反応を触媒するアミノ酸脱水素酵素を作
用させて酵素反応を行い、任意の特定の時間内に該酵素
反応により消費される前記ニコチンアミド補酵素或いは
前記チオニコチンアミド補酵素の消費量、又は任意の特
定の時間内に該酵素反応により生成する、それぞれ使用
した補酵素の型と異なる型のニコチンアミド補酵素或い
はチオニコチンアミド補酵素の生成量を測定する工程。
【0017】(3) 前記工程(2)で測定されたこれ
ら補酵素の量から選ばれる少なくとも1つの量を指標と
して被検体中に含まれるホモシステインの量を決定する
工程。
ら補酵素の量から選ばれる少なくとも1つの量を指標と
して被検体中に含まれるホモシステインの量を決定する
工程。
【0018】上記本発明の測定方法では、例えば、アミ
ノ酸脱水素酵素と還元型ニコチンアミド補酵素との組み
合わせにより2−ケト酪酸とアンモニア又はアンモニウ
ム塩からL−2−アミノ酪酸と酸化型ニコチンアミド補
酵素生成する反応と、アミノ酸脱水素酵素と酸化型チオ
ニコチンアミド補酵素との組み合わせにより前記反応で
生成したL−2−アミノ酪酸と還元型チオニコチンアミ
ド補酵素とアンモニア又はアンモニウム塩を生成する反
応がサイクリックに進行し、反応サイクル数に応じて2
−ケト酪酸が酸化型ニコチンアミド補酵素、又は還元型
チオニコチンアミド補酵素の形で増幅される。したがっ
て、これら化合物の量を測定し、これを指標とすること
により、2−ケト酪酸ひいてはホモシステインの量を高
感度に測定することが可能となる。また、その際に煩雑
な操作を要することもない。
ノ酸脱水素酵素と還元型ニコチンアミド補酵素との組み
合わせにより2−ケト酪酸とアンモニア又はアンモニウ
ム塩からL−2−アミノ酪酸と酸化型ニコチンアミド補
酵素生成する反応と、アミノ酸脱水素酵素と酸化型チオ
ニコチンアミド補酵素との組み合わせにより前記反応で
生成したL−2−アミノ酪酸と還元型チオニコチンアミ
ド補酵素とアンモニア又はアンモニウム塩を生成する反
応がサイクリックに進行し、反応サイクル数に応じて2
−ケト酪酸が酸化型ニコチンアミド補酵素、又は還元型
チオニコチンアミド補酵素の形で増幅される。したがっ
て、これら化合物の量を測定し、これを指標とすること
により、2−ケト酪酸ひいてはホモシステインの量を高
感度に測定することが可能となる。また、その際に煩雑
な操作を要することもない。
【0019】また、第二の本発明は、前記第一の本発明
の測定方法の工程(2)における酵素反応を、ニコチン
アミド補酵素又はチオニコチンアミド補酵素を可逆的に
酸化還元する脱水素酵素、及び該脱水素酵素の基質の存
在下に行い、任意の特定の時間内に該酵素反応により生
成する、それぞれ使用した補酵素の型と異なる型のニコ
チンアミド補酵素或いはチオニコチンアミド補酵素、或
いは前記脱水素酵素の基質の脱水素体の生成量、又は任
意の特定の時間内に該酵素反応により伴い消費される前
記脱水素酵素の基質の消費量を測定し、測定されたこれ
ら化合物の量から選ばれる少なくとも1つの量を指標と
して被検体中に含まれるホモシステインの量を決定する
ことを特徴とするホモシステインの測定方法である。
の測定方法の工程(2)における酵素反応を、ニコチン
アミド補酵素又はチオニコチンアミド補酵素を可逆的に
酸化還元する脱水素酵素、及び該脱水素酵素の基質の存
在下に行い、任意の特定の時間内に該酵素反応により生
成する、それぞれ使用した補酵素の型と異なる型のニコ
チンアミド補酵素或いはチオニコチンアミド補酵素、或
いは前記脱水素酵素の基質の脱水素体の生成量、又は任
意の特定の時間内に該酵素反応により伴い消費される前
記脱水素酵素の基質の消費量を測定し、測定されたこれ
ら化合物の量から選ばれる少なくとも1つの量を指標と
して被検体中に含まれるホモシステインの量を決定する
ことを特徴とするホモシステインの測定方法である。
【0020】該測定方法によれば、酵素反応により生成
する特定の補酵素の量を吸光度測定により行う場合に於
いて、共存物の影響を受けることが少なく、より高感度
な測定を行うことが可能となる。
する特定の補酵素の量を吸光度測定により行う場合に於
いて、共存物の影響を受けることが少なく、より高感度
な測定を行うことが可能となる。
【0021】前記第一の本発明の測定方法、及び第二の
本発明の測定方法は、それぞれ、第三の本発明である
「ホモシステインデスルフラーゼ、酸化型又は還元型の
ニコチンアミド補酵素、該ニコチンアミド補酵素と異な
る型のチオニコチンアミド補酵素、2−ケト酪酸を基質
としてL−2−アミノ酪酸を可逆的に生成させる反応を
触媒するアミノ酸脱水素酵素、及びアンモニア又はアン
モニウム塩を含んでなることを特徴とするホモシステイ
ン定量試薬」、および第四の本発明である「さらに、ニ
コチンアミド補酵素又はチオニコチンアミド補酵素を可
逆的に酸化還元する脱水素酵素、及び該脱水素酵素の基
質を含んでなる前記第三の本発明のホモシステイン定量
試薬」を用いて好適に行うことが出来る。
本発明の測定方法は、それぞれ、第三の本発明である
「ホモシステインデスルフラーゼ、酸化型又は還元型の
ニコチンアミド補酵素、該ニコチンアミド補酵素と異な
る型のチオニコチンアミド補酵素、2−ケト酪酸を基質
としてL−2−アミノ酪酸を可逆的に生成させる反応を
触媒するアミノ酸脱水素酵素、及びアンモニア又はアン
モニウム塩を含んでなることを特徴とするホモシステイ
ン定量試薬」、および第四の本発明である「さらに、ニ
コチンアミド補酵素又はチオニコチンアミド補酵素を可
逆的に酸化還元する脱水素酵素、及び該脱水素酵素の基
質を含んでなる前記第三の本発明のホモシステイン定量
試薬」を用いて好適に行うことが出来る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の測定方法では、先ず、工
程(1)として被検体にホモシステインデスルフラーゼ
を作用させて該被検体中のホモシステインを2−ケト酪
酸に転化させる。
程(1)として被検体にホモシステインデスルフラーゼ
を作用させて該被検体中のホモシステインを2−ケト酪
酸に転化させる。
【0023】本発明の測定方法で使用する被検体は、ホ
モシステインを含有する溶液又は懸濁液であれば特に限
定されず、例えば、医学や臨床検査分野等におけるホモ
システインの測定対象となる被検体である血清、血漿、
細胞液、臓器抽出液、及びこれらを緩衝溶液等で希釈し
たり、濃縮あるいはイオン交換等のカラム処理をした溶
液又は懸濁液等が制限なく使用できる。
モシステインを含有する溶液又は懸濁液であれば特に限
定されず、例えば、医学や臨床検査分野等におけるホモ
システインの測定対象となる被検体である血清、血漿、
細胞液、臓器抽出液、及びこれらを緩衝溶液等で希釈し
たり、濃縮あるいはイオン交換等のカラム処理をした溶
液又は懸濁液等が制限なく使用できる。
【0024】また、該工程(1)で時使用するホモシス
テインデスルフラーゼ(EC 4.4.1.2)は、ホモシステ
インを基質として2−ケト酪酸を生成する反応を触媒す
る酵素であれば如何なるものでも良く、かかる特性を有
する公知の酵素が特に制限なく使用される。このような
特性を有する酵素を例示すれば、メソッズ イン エン
ザイモロジー{Methods in Enzymology、第2巻、318頁
(1955年)}及びジャーナル オブ バイオロジカル
ケミストリー{Journal of Biological Chemistry、192
巻、371頁(1951年)}に記載のプロテウス・モルガニ
由来のホモシステインデスルフラーゼ、ジャーナル オ
ブ バイオケミストリー{Journal of Biochemistry、7
9巻、1263頁(1976年)}、バイオケミストリー{Bioch
emistry、16巻、100頁(1977年)}、及びメソズ イン
エンザイモロジー{Methods in Enzymology、143巻、
459頁(1987年)}に記載のシュードモナス属由来のホ
モシステイナーゼ、メディカル サイエンス{Medical
Science、第13巻、493頁(1985年)}及び国際特許WO 9
807872号公報に記載の線虫トリコモナス属由来のホモシ
ステインデスルフラーゼ等が挙げられる。なお、ホモシ
ステインデスルフラーゼを選択する際には、測定対象と
なる被検体の種類や測定条件を考慮して好適なものを適
宜選択して使用するのが好ましい。
テインデスルフラーゼ(EC 4.4.1.2)は、ホモシステ
インを基質として2−ケト酪酸を生成する反応を触媒す
る酵素であれば如何なるものでも良く、かかる特性を有
する公知の酵素が特に制限なく使用される。このような
特性を有する酵素を例示すれば、メソッズ イン エン
ザイモロジー{Methods in Enzymology、第2巻、318頁
(1955年)}及びジャーナル オブ バイオロジカル
ケミストリー{Journal of Biological Chemistry、192
巻、371頁(1951年)}に記載のプロテウス・モルガニ
由来のホモシステインデスルフラーゼ、ジャーナル オ
ブ バイオケミストリー{Journal of Biochemistry、7
9巻、1263頁(1976年)}、バイオケミストリー{Bioch
emistry、16巻、100頁(1977年)}、及びメソズ イン
エンザイモロジー{Methods in Enzymology、143巻、
459頁(1987年)}に記載のシュードモナス属由来のホ
モシステイナーゼ、メディカル サイエンス{Medical
Science、第13巻、493頁(1985年)}及び国際特許WO 9
807872号公報に記載の線虫トリコモナス属由来のホモシ
ステインデスルフラーゼ等が挙げられる。なお、ホモシ
ステインデスルフラーゼを選択する際には、測定対象と
なる被検体の種類や測定条件を考慮して好適なものを適
宜選択して使用するのが好ましい。
【0025】被検体にホモシステインデスルフラーゼを
作用させる方法は、被検体とホモシステインデスルフラ
ーゼとを接触させる方法であれば特に限定されないが、
操作の簡便性から、被検体にホモシステインデスルフラ
ーゼを添加して攪拌するのが好適である。
作用させる方法は、被検体とホモシステインデスルフラ
ーゼとを接触させる方法であれば特に限定されないが、
操作の簡便性から、被検体にホモシステインデスルフラ
ーゼを添加して攪拌するのが好適である。
【0026】この時の作用(反応)条件は、被検体の種
類や測定条件に応じて適宜決定すればよい。例えば、被
検体に作用させるホモシステインデスルフラーゼの量
は、被検体中に含まれるホモシステインを全て2−ケト
酪酸に転化し得る量であれば特に限定されず、被検体の
種類や酵素の種類(活性)によって適宜決定すればよ
い。一般的には、被検体1ml当たりの酵素活性(μmo
les/min.)で表して、0.1〜1000μmoles/min.
/mlの濃度範囲、好適には0.2〜500μmoles/mi
n./mlの濃度範囲で使用される。
類や測定条件に応じて適宜決定すればよい。例えば、被
検体に作用させるホモシステインデスルフラーゼの量
は、被検体中に含まれるホモシステインを全て2−ケト
酪酸に転化し得る量であれば特に限定されず、被検体の
種類や酵素の種類(活性)によって適宜決定すればよ
い。一般的には、被検体1ml当たりの酵素活性(μmo
les/min.)で表して、0.1〜1000μmoles/min.
/mlの濃度範囲、好適には0.2〜500μmoles/mi
n./mlの濃度範囲で使用される。
【0027】また、ホモシステインデスルフラーゼを作
用させる際のpHは、酵素の由来によって適宜選ばれる
が、一般的にはpH3.5〜10.5の範囲、特にpH
4.0〜10.0の範囲が好適に選ばれる。また、ホモ
システインデスルフラーゼを作用させる際の反応温度
は、一般的には20〜45℃の温度範囲、好ましくは2
5〜40℃の温度範囲が選ばれる。
用させる際のpHは、酵素の由来によって適宜選ばれる
が、一般的にはpH3.5〜10.5の範囲、特にpH
4.0〜10.0の範囲が好適に選ばれる。また、ホモ
システインデスルフラーゼを作用させる際の反応温度
は、一般的には20〜45℃の温度範囲、好ましくは2
5〜40℃の温度範囲が選ばれる。
【0028】なお、工程(1)において、後で詳述する
工程(2)を行う前に被検体に含まれるホモシステイン
の全てを2−ケト酪酸に転化させる必要は必ずしもな
く、転化して得られた2−ケト酪酸が逐次前記工程
(2)の酵素反応に供されるような態様、すなわち被検
体中のホモシステインを2−ケト酪酸に変換せしめつ
つ、L−2−アミノ酪酸との可逆反応あるいは該可逆反
応と補酵素の再生反応を同時進行させてもよい。測定時
間短縮の観点からは、むしろ後者の態様が好適である。
工程(2)を行う前に被検体に含まれるホモシステイン
の全てを2−ケト酪酸に転化させる必要は必ずしもな
く、転化して得られた2−ケト酪酸が逐次前記工程
(2)の酵素反応に供されるような態様、すなわち被検
体中のホモシステインを2−ケト酪酸に変換せしめつ
つ、L−2−アミノ酪酸との可逆反応あるいは該可逆反
応と補酵素の再生反応を同時進行させてもよい。測定時
間短縮の観点からは、むしろ後者の態様が好適である。
【0029】本発明の測定方法は、特定の酵素及び補酵
素を用いた酵素サイクリング法により、前記工程(1)
で得られた2−ケト酪酸を別な化合物の形で増幅し、増
幅された該化合物を定量する工程(2)を含む。
素を用いた酵素サイクリング法により、前記工程(1)
で得られた2−ケト酪酸を別な化合物の形で増幅し、増
幅された該化合物を定量する工程(2)を含む。
【0030】該工程(2)で採用できる酵素サイクリン
グ法としては、アンモニア又はアンモニウム塩、酸化型
又は還元型のニコチンアミド補酵素、及び該ニコチンア
ミド補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素の存
在下に、前記工程(1)で得られた2−ケト酪酸に“2
−ケト酪酸を基質としてL−2−アミノ酪酸を可逆的に
生成させる反応を触媒するアミノ酸脱水素酵素(以下、
本アミノ酸脱水素酵素ともいう。)”を作用させて酵素
反応を行う酵素サイクリング法が挙げられる。
グ法としては、アンモニア又はアンモニウム塩、酸化型
又は還元型のニコチンアミド補酵素、及び該ニコチンア
ミド補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素の存
在下に、前記工程(1)で得られた2−ケト酪酸に“2
−ケト酪酸を基質としてL−2−アミノ酪酸を可逆的に
生成させる反応を触媒するアミノ酸脱水素酵素(以下、
本アミノ酸脱水素酵素ともいう。)”を作用させて酵素
反応を行う酵素サイクリング法が挙げられる。
【0031】工程(2)において、上記酵素サイクリン
グ法を採用した場合には、該酵素サイクリング反応の進
行に伴い、本アミノ酸脱水素酵素と共存させる酸化型又
は還元型のニコチンアミド補酵素及び該ニコチンアミド
補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素が消費さ
れ、それと同時に、これら共存補酵素の組み合わせに応
じて、それぞれ使用した各補酵素と異なる型(ここで、
異なる型とは、酸化型に対する還元型のように、対応す
る反対の型を意味する。)のニコチンアミド補酵素およ
びチオニコチンアミド補酵素が生成する。
グ法を採用した場合には、該酵素サイクリング反応の進
行に伴い、本アミノ酸脱水素酵素と共存させる酸化型又
は還元型のニコチンアミド補酵素及び該ニコチンアミド
補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素が消費さ
れ、それと同時に、これら共存補酵素の組み合わせに応
じて、それぞれ使用した各補酵素と異なる型(ここで、
異なる型とは、酸化型に対する還元型のように、対応す
る反対の型を意味する。)のニコチンアミド補酵素およ
びチオニコチンアミド補酵素が生成する。
【0032】例えば、還元型のニコチンアミド補酵素及
び酸化型のチオニコチンアミド補酵素を共存させた場合
に、酵素反応の進行に伴いこれらが消費され、酸化型の
ニコチンアミド補酵素及び還元型のチオニコチンアミド
補酵素が生成する。また、酸化型のニコチンアミド補酵
素及び還元型のチオニコチンアミド補酵素を共存させた
場合に、酵素反応の進行に伴いこれらが消費され、還元
型のニコチンアミド補酵素及び酸化型のチオニコチンア
ミド補酵素が生成する。
び酸化型のチオニコチンアミド補酵素を共存させた場合
に、酵素反応の進行に伴いこれらが消費され、酸化型の
ニコチンアミド補酵素及び還元型のチオニコチンアミド
補酵素が生成する。また、酸化型のニコチンアミド補酵
素及び還元型のチオニコチンアミド補酵素を共存させた
場合に、酵素反応の進行に伴いこれらが消費され、還元
型のニコチンアミド補酵素及び酸化型のチオニコチンア
ミド補酵素が生成する。
【0033】参考のため、共存させる還元型ニコチンア
ミド補酵素及び酸化型のチオニコチンアミド補酵素とし
て、それぞれNDAH及び酸化型チオニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド(チオNAD)を用いたときの酵
素サイクリングを下記式(A)に示す。
ミド補酵素及び酸化型のチオニコチンアミド補酵素とし
て、それぞれNDAH及び酸化型チオニコチンアミドア
デニンジヌクレオチド(チオNAD)を用いたときの酵
素サイクリングを下記式(A)に示す。
【0034】
【化1】
【0035】工程(2)における前記酵素サイクリング
反応は、工程(1)を経た後の被検体、或いは工程
(1)を行っている最中の被検体に、アンモニア又はア
ンモニウム塩、酸化型又は還元型のニコチンアミド補酵
素、該ニコチンアミド補酵素と異なる型のチオニコチン
アミド補酵素、及び本アミノ酸脱水素酵素を添加混合す
ることにより好適に行うことが出来る。
反応は、工程(1)を経た後の被検体、或いは工程
(1)を行っている最中の被検体に、アンモニア又はア
ンモニウム塩、酸化型又は還元型のニコチンアミド補酵
素、該ニコチンアミド補酵素と異なる型のチオニコチン
アミド補酵素、及び本アミノ酸脱水素酵素を添加混合す
ることにより好適に行うことが出来る。
【0036】このとき使用されるアンモニア又はアンモ
ニウム塩は、特に限定されないが、アンモニア水溶液;
硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム、あるいは塩化アンモニウム等に代表される無機ア
ンモニウム塩類;及び酢酸アンモニウム、蓚酸アンモニ
ウム、あるいは酒石酸アンモニウム等に代表される有機
アンモニウム塩類が好適に使用出来る。また、使用され
るアンモニア又はアンモニウム塩の濃度は、被検体の種
類や使用される本アミノ酸脱水素酵素の種類によって適
宜決定されるが、一般的には0.01〜100mMの濃
度範囲、特に0.05〜50mMの濃度範囲が好適に使
用される。
ニウム塩は、特に限定されないが、アンモニア水溶液;
硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム、あるいは塩化アンモニウム等に代表される無機ア
ンモニウム塩類;及び酢酸アンモニウム、蓚酸アンモニ
ウム、あるいは酒石酸アンモニウム等に代表される有機
アンモニウム塩類が好適に使用出来る。また、使用され
るアンモニア又はアンモニウム塩の濃度は、被検体の種
類や使用される本アミノ酸脱水素酵素の種類によって適
宜決定されるが、一般的には0.01〜100mMの濃
度範囲、特に0.05〜50mMの濃度範囲が好適に使
用される。
【0037】また、工程(2)で使用される酸化型又は
還元型のニコチンアミド補酵素とは、酸化型ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、還元型ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH);酸化型
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェイト
(NADP)、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチドホスフェイト(NADPH);酸化型又は還元型
アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド;酸化型又は
還元型アセチルピリジンアデニンジヌクレオチドホスフ
ェイト;酸化型又は還元型ニコチンアミドヒポキサンチ
ンジヌクレオチド;又は酸化型又は還元型ニコチンアミ
ドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェイト等であ
る。
還元型のニコチンアミド補酵素とは、酸化型ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、還元型ニコチ
ンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH);酸化型
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェイト
(NADP)、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチドホスフェイト(NADPH);酸化型又は還元型
アセチルピリジンアデニンジヌクレオチド;酸化型又は
還元型アセチルピリジンアデニンジヌクレオチドホスフ
ェイト;酸化型又は還元型ニコチンアミドヒポキサンチ
ンジヌクレオチド;又は酸化型又は還元型ニコチンアミ
ドヒポキサンチンジヌクレオチドホスフェイト等であ
る。
【0038】また、工程(2)で使用できる酸化型又は
還元型のチオニコチンアミド補酵素とは、酸化型チオニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド(チオNAD)、
還元型チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(チ
オNADH);酸化型チオニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチドホスフェイト(チオNADP)、還元型チオ
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェイト
(チオNADPH);酸化型又は還元型チオニコチンア
ミドヒポキサンチンジヌクレオチド;又は酸化型又は還
元型チオニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチド
ホスフェイトである。
還元型のチオニコチンアミド補酵素とは、酸化型チオニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド(チオNAD)、
還元型チオニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(チ
オNADH);酸化型チオニコチンアミドアデニンジヌ
クレオチドホスフェイト(チオNADP)、還元型チオ
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェイト
(チオNADPH);酸化型又は還元型チオニコチンア
ミドヒポキサンチンジヌクレオチド;又は酸化型又は還
元型チオニコチンアミドヒポキサンチンジヌクレオチド
ホスフェイトである。
【0039】なお、工程(2)で使用する上記チオニコ
チンアミド補酵素は、併用するニコチンアミド補酵素と
異なる型のものを用いる必要がある。すなわち、酸化型
のニコチンアミド補酵素を用いる場合には還元型のチオ
ニコチンアミド補酵素を用い、逆に還元型のニコチンア
ミド補酵素を用いる場合には酸化型のチオニコチンアミ
ド補酵素を用いる必要がある。この様な条件を満足すれ
ば、ニコチンアミド補酵素とチオニコチンアミド補酵素
の組み合わせは、特に限定されないが、後述する補酵素
ように、酵素サイクリングで生成する補酵素量又は消費
される補酵素量を測定するときに吸光度法を用いた場合
にその検出が容易であるという観点から、NDAH及び
チオNAD、又はNDA及びチオNADHの組み合わせ
を選択するのが好適である。
チンアミド補酵素は、併用するニコチンアミド補酵素と
異なる型のものを用いる必要がある。すなわち、酸化型
のニコチンアミド補酵素を用いる場合には還元型のチオ
ニコチンアミド補酵素を用い、逆に還元型のニコチンア
ミド補酵素を用いる場合には酸化型のチオニコチンアミ
ド補酵素を用いる必要がある。この様な条件を満足すれ
ば、ニコチンアミド補酵素とチオニコチンアミド補酵素
の組み合わせは、特に限定されないが、後述する補酵素
ように、酵素サイクリングで生成する補酵素量又は消費
される補酵素量を測定するときに吸光度法を用いた場合
にその検出が容易であるという観点から、NDAH及び
チオNAD、又はNDA及びチオNADHの組み合わせ
を選択するのが好適である。
【0040】前記工程(2)で使用される酸化型又は還
元型のニコチンアミド補酵素及びそれとは異なる型のチ
オニコチンアミド補酵素の濃度は特に限定されないが、
通常は、それぞれ共に通常1μM〜200mMの範囲で
あるが、5μM〜100mMの濃度範囲が好適である。
元型のニコチンアミド補酵素及びそれとは異なる型のチ
オニコチンアミド補酵素の濃度は特に限定されないが、
通常は、それぞれ共に通常1μM〜200mMの範囲で
あるが、5μM〜100mMの濃度範囲が好適である。
【0041】前記工程(2)で使用する本アミノ酸脱水
素酵素としては、アンモニア又はアンモニウム塩、酸化
型又は還元型ニコチンアミド補酵素、及び該ニコチンア
ミド補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素存在
下で2−ケト酪酸からL−2−アミノ酪酸を可逆的に生
成する反応を触媒する酵素であれば、公知の酵素が特に
制限なく使用される。このような特性を有する酵素を例
示すれば、バイオヒミカ バイオフィジカ アクタ{Bi
ochimica Biophisica Acta、96巻、248頁(1965年)}
に記載のバチルス・ズブチルス由来のL−アラニン脱水
素酵素(EC 1.4.1.1)、アーカイブ マイクロバイオ
ロジー{Arch. Microbiology、125巻、137頁(1980
年)}に記載のストレプトミセス属由来のL−アラニン
脱水素酵素(EC 1.4.1.1)、特開昭58−21278
2号公報に記載のサーマス・フラバス由来のL−アラニ
ン脱水素酵素(EC 1.4.1.1)、特開平1−16828
0号公報に記載のストレプトミセス属由来のL−アラニ
ン脱水素酵素(EC 1.4.1.1)、あるいはジャーナル
オブ バイオロジカル ケミストリー{Journal of Bio
logical Chemistry、253巻、5719頁(1978年)}に記載
のL−ロイシン脱水素酵素(EC 1.4.1.9)等のL−ア
ミノ酸脱水素酵素が挙げられるが、特にバチルス・ズブ
チルス由来のL−アラニン脱水素酵素、ストレプトミセ
ス属由来のL−アラニン脱水素酵素、あるいはL−ロイ
シン脱水素酵素が入手の容易さで好適に使用出来る。
素酵素としては、アンモニア又はアンモニウム塩、酸化
型又は還元型ニコチンアミド補酵素、及び該ニコチンア
ミド補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素存在
下で2−ケト酪酸からL−2−アミノ酪酸を可逆的に生
成する反応を触媒する酵素であれば、公知の酵素が特に
制限なく使用される。このような特性を有する酵素を例
示すれば、バイオヒミカ バイオフィジカ アクタ{Bi
ochimica Biophisica Acta、96巻、248頁(1965年)}
に記載のバチルス・ズブチルス由来のL−アラニン脱水
素酵素(EC 1.4.1.1)、アーカイブ マイクロバイオ
ロジー{Arch. Microbiology、125巻、137頁(1980
年)}に記載のストレプトミセス属由来のL−アラニン
脱水素酵素(EC 1.4.1.1)、特開昭58−21278
2号公報に記載のサーマス・フラバス由来のL−アラニ
ン脱水素酵素(EC 1.4.1.1)、特開平1−16828
0号公報に記載のストレプトミセス属由来のL−アラニ
ン脱水素酵素(EC 1.4.1.1)、あるいはジャーナル
オブ バイオロジカル ケミストリー{Journal of Bio
logical Chemistry、253巻、5719頁(1978年)}に記載
のL−ロイシン脱水素酵素(EC 1.4.1.9)等のL−ア
ミノ酸脱水素酵素が挙げられるが、特にバチルス・ズブ
チルス由来のL−アラニン脱水素酵素、ストレプトミセ
ス属由来のL−アラニン脱水素酵素、あるいはL−ロイ
シン脱水素酵素が入手の容易さで好適に使用出来る。
【0042】本アミノ酸脱水素酵素の使用量は、使用す
る被検体の種類や測定条件あるいは酵素の由来によって
適宜決定されるが、一般的には、被検体1ml当たりの
酵素活性で表して、0.1〜1000μmoles/min/mlの
濃度範囲、特に0.5〜500μmoles/min/mlの濃度範
囲が好適に使用される。
る被検体の種類や測定条件あるいは酵素の由来によって
適宜決定されるが、一般的には、被検体1ml当たりの
酵素活性で表して、0.1〜1000μmoles/min/mlの
濃度範囲、特に0.5〜500μmoles/min/mlの濃度範
囲が好適に使用される。
【0043】工程(2)の前記酵素サイクリング反応を
行うときの反応pHは、使用する酵素によって適宜決定
されるが、一般的にはpH4.0〜10.5の範囲、特
にpH4.5〜10.0の範囲が好適である。また、反
応温度は、一般的には20〜45℃の温度範囲、特に2
5〜40℃の温度範囲が好適に選ばれる。
行うときの反応pHは、使用する酵素によって適宜決定
されるが、一般的にはpH4.0〜10.5の範囲、特
にpH4.5〜10.0の範囲が好適である。また、反
応温度は、一般的には20〜45℃の温度範囲、特に2
5〜40℃の温度範囲が好適に選ばれる。
【0044】工程(2)の前記酵素サイクリングで使用
する各補酵素の消費量、及び該酵素サイクリングで生成
する各補酵素の量は前記工程(1)で得られた2−ケト
酪酸の量(初期濃度)および酵素サイクリングの反応サ
イクル数に依存し、反応時間の経過(すなわち、反応サ
イクル数の増大)に伴って増大する。したがって、予め
定めておいた任意の特定の時間反応を行えば、前記工程
(1)で得られた2−ケト酪酸が、反応条件に応じた特
定の倍率をもって前記補酵素量の生成量又は消費量とし
て増幅されることになる。このように、反応時間は、本
アミノ酸脱水素酵素の活性や反応条件に応じて適宜任意
に定めることができるが、全測定時間の短縮及び高感度
化の点から、通常1分〜120分、特に2〜30分とす
るのが好適である。
する各補酵素の消費量、及び該酵素サイクリングで生成
する各補酵素の量は前記工程(1)で得られた2−ケト
酪酸の量(初期濃度)および酵素サイクリングの反応サ
イクル数に依存し、反応時間の経過(すなわち、反応サ
イクル数の増大)に伴って増大する。したがって、予め
定めておいた任意の特定の時間反応を行えば、前記工程
(1)で得られた2−ケト酪酸が、反応条件に応じた特
定の倍率をもって前記補酵素量の生成量又は消費量とし
て増幅されることになる。このように、反応時間は、本
アミノ酸脱水素酵素の活性や反応条件に応じて適宜任意
に定めることができるが、全測定時間の短縮及び高感度
化の点から、通常1分〜120分、特に2〜30分とす
るのが好適である。
【0045】なお、前記酵素サイクリング反応の停止
は、加熱処理や酸性あるいはアルカリ処理することによ
り行うことができるが、測定方法によっては必ずしも反
応を停止する必要はない。例えば吸光度法により測定を
行う場合には、セル内で反応を行えば反応を継続しなが
ら任意の反応時間経過後における補酵素量を測定するこ
とが可能である。
は、加熱処理や酸性あるいはアルカリ処理することによ
り行うことができるが、測定方法によっては必ずしも反
応を停止する必要はない。例えば吸光度法により測定を
行う場合には、セル内で反応を行えば反応を継続しなが
ら任意の反応時間経過後における補酵素量を測定するこ
とが可能である。
【0046】工程(2)では、前記酵素サイクリングに
より生成する補酵素の量、又は該酵素サイクリングによ
り消費される補酵素の量を測定する。これら量の測定方
法は特に限定されないが、操作の簡便性や汎用の自動分
析機を用いた測定が可能であるという点から各補酵素の
極大分子吸光係数を示す波長における吸光度分析により
行うのが好適である。例えば、酵素サイクリング開始時
に共存させる、酸化型又は還元型ニコチンアミド補酵素
と該ニコチンアミド補酵素と異なる型のチオニコチンア
ミド補酵素の組み合わせとして、NDAH及びチオNA
D、又はNDA及びチオNADHの組み合わせを採用し
た場合には、NADHについては340nm付近、チオ
NDAHについては400nm付近における吸光度を測
定すればよいので、両者が共存していても精度の高い測
定が可能である。
より生成する補酵素の量、又は該酵素サイクリングによ
り消費される補酵素の量を測定する。これら量の測定方
法は特に限定されないが、操作の簡便性や汎用の自動分
析機を用いた測定が可能であるという点から各補酵素の
極大分子吸光係数を示す波長における吸光度分析により
行うのが好適である。例えば、酵素サイクリング開始時
に共存させる、酸化型又は還元型ニコチンアミド補酵素
と該ニコチンアミド補酵素と異なる型のチオニコチンア
ミド補酵素の組み合わせとして、NDAH及びチオNA
D、又はNDA及びチオNADHの組み合わせを採用し
た場合には、NADHについては340nm付近、チオ
NDAHについては400nm付近における吸光度を測
定すればよいので、両者が共存していても精度の高い測
定が可能である。
【0047】吸光度測定により各補酵素量を測定する場
合に於いて、各補酵素の量は、予め各補酵素の濃度が既
知の標準試料を用いて濃度と吸光度の関係を調べた検量
線を作成しておき、この検量線に基づいて測定試料につ
いて実測された吸光度から各補酵素の濃度を知ることが
出来る。しかしながら、吸光度と各補酵素量に明瞭な相
関関係があることが明らかな場合は、後述する工程
(3)に於いては各補酵素量の代わりに吸光度の変化量
を用いてもよい。この時、吸光度の変化量は、反応開始
時の吸光度を基準とする必要は必ずしもなく、反応初期
の任意の時点における吸光度を基準とすることが出来
る。
合に於いて、各補酵素の量は、予め各補酵素の濃度が既
知の標準試料を用いて濃度と吸光度の関係を調べた検量
線を作成しておき、この検量線に基づいて測定試料につ
いて実測された吸光度から各補酵素の濃度を知ることが
出来る。しかしながら、吸光度と各補酵素量に明瞭な相
関関係があることが明らかな場合は、後述する工程
(3)に於いては各補酵素量の代わりに吸光度の変化量
を用いてもよい。この時、吸光度の変化量は、反応開始
時の吸光度を基準とする必要は必ずしもなく、反応初期
の任意の時点における吸光度を基準とすることが出来
る。
【0048】なお、工程(2)において、最終的に酵素
サイクリング反応の経過に伴って増減するニコチンアミ
ド補酵素またはチオニコチンアミド補酵素を定量する
際、条件によっては各々の補酵素がそれぞれ補酵素の定
量を妨害することがあるが、このような問題は、該酵素
サイクリング開始時に共存させる酸化型或いは還元型ニ
コチンアミド補酵素、又は該ニコチンアミド補酵素と異
なる型のチオニコチンアミド補酵素のうち実際に定量す
る特定の補酵素(以下、測定補酵素ともいう。)と別の
種類の補酵素(以下、非測定補酵素とも言う。)を再生
する酵素サイクリング反応を組み合わせることで解決す
ることが出来る。すなわち、この様な非測定補酵素酵素
サイクリングを組み合わせることによりニコチンアミド
補酵素濃度とチオニコチンアミド補酵素濃度の差が大き
くなり妨害を少なくすることが可能となる。しかも、こ
の場合には、単なる非測定補酵素補酵素の再生反応を組
み合わせた場合と異なり、該補酵素の濃度が安定してい
るので2−ケト酪酸/L−2−アミノ酪酸酵素サイクリ
ング反応に悪影響を与えることもない。
サイクリング反応の経過に伴って増減するニコチンアミ
ド補酵素またはチオニコチンアミド補酵素を定量する
際、条件によっては各々の補酵素がそれぞれ補酵素の定
量を妨害することがあるが、このような問題は、該酵素
サイクリング開始時に共存させる酸化型或いは還元型ニ
コチンアミド補酵素、又は該ニコチンアミド補酵素と異
なる型のチオニコチンアミド補酵素のうち実際に定量す
る特定の補酵素(以下、測定補酵素ともいう。)と別の
種類の補酵素(以下、非測定補酵素とも言う。)を再生
する酵素サイクリング反応を組み合わせることで解決す
ることが出来る。すなわち、この様な非測定補酵素酵素
サイクリングを組み合わせることによりニコチンアミド
補酵素濃度とチオニコチンアミド補酵素濃度の差が大き
くなり妨害を少なくすることが可能となる。しかも、こ
の場合には、単なる非測定補酵素補酵素の再生反応を組
み合わせた場合と異なり、該補酵素の濃度が安定してい
るので2−ケト酪酸/L−2−アミノ酪酸酵素サイクリ
ング反応に悪影響を与えることもない。
【0049】上記非測定補酵素再生酵素サイクリング
は、2−ケト酪酸/L−2−アミノ酪酸酵素サイクリン
グ反応を行う際に、該反応に悪影響を与えず、且つ非測
定補酵素となるニコチンアミド補酵素あるいはチオニコ
チンアミド補酵素を可逆的に酸化還元する脱水素酵素お
よびその基質を共存させることにより好適に行うことが
出来る。
は、2−ケト酪酸/L−2−アミノ酪酸酵素サイクリン
グ反応を行う際に、該反応に悪影響を与えず、且つ非測
定補酵素となるニコチンアミド補酵素あるいはチオニコ
チンアミド補酵素を可逆的に酸化還元する脱水素酵素お
よびその基質を共存させることにより好適に行うことが
出来る。
【0050】この時、好適に使用できる脱水素酵素及び
その基質の組み合わせを例示すると、アルコール脱水素
酵素(EC 1.1.1.1、またはEC 1.1.1.2)とエタノー
ルあるいはアセトアルデヒドの組み合わせ;グリセロー
ル脱水素酵素(EC 1.1.1.6)とグリセロールあるいは
ジヒドロキシアセトンとの組み合わせ;アラビニトール
脱水素酵素(EC 1.1.1.12、あるいはEC 1.1.1.14)
とアラビニトール、キシルロースあるいはリブロースと
の組み合わせ;グリセリン酸脱水素酵素(EC1.1.1.2
9)とグリセリン酸あるいはヒドロキシピルビン酸との
組み合わせ;リンゴ酸脱水素酵素(EC 1.1.1.37、あ
るいはEC 1.1.1.82)とリンゴ酸あるいはオギザロ酢
酸との組み合わせ;アリールアルコール脱水素酵素(E
C 1.1.1.90)とベンジルアルコールあるいはベンズア
ルデヒドとの組み合わせ;酒石酸脱水素酵素(EC 1.
1.1.93)と酒石酸あるいはオギザログリコール酸との組
み合わせ;等が挙げられる。
その基質の組み合わせを例示すると、アルコール脱水素
酵素(EC 1.1.1.1、またはEC 1.1.1.2)とエタノー
ルあるいはアセトアルデヒドの組み合わせ;グリセロー
ル脱水素酵素(EC 1.1.1.6)とグリセロールあるいは
ジヒドロキシアセトンとの組み合わせ;アラビニトール
脱水素酵素(EC 1.1.1.12、あるいはEC 1.1.1.14)
とアラビニトール、キシルロースあるいはリブロースと
の組み合わせ;グリセリン酸脱水素酵素(EC1.1.1.2
9)とグリセリン酸あるいはヒドロキシピルビン酸との
組み合わせ;リンゴ酸脱水素酵素(EC 1.1.1.37、あ
るいはEC 1.1.1.82)とリンゴ酸あるいはオギザロ酢
酸との組み合わせ;アリールアルコール脱水素酵素(E
C 1.1.1.90)とベンジルアルコールあるいはベンズア
ルデヒドとの組み合わせ;酒石酸脱水素酵素(EC 1.
1.1.93)と酒石酸あるいはオギザログリコール酸との組
み合わせ;等が挙げられる。
【0051】上記のような脱水素酵素の濃度は、使用さ
れる補酵素の種類や濃度によって異なるが、一般的には
0.1〜1000μmoles/min/mlの濃度範囲、特に0.
5〜500μmoles/min/mlの範囲が好適に使用される。
また、該脱水素酵素の基質の濃度は、0.1〜5000
mMの範囲が好適である。
れる補酵素の種類や濃度によって異なるが、一般的には
0.1〜1000μmoles/min/mlの濃度範囲、特に0.
5〜500μmoles/min/mlの範囲が好適に使用される。
また、該脱水素酵素の基質の濃度は、0.1〜5000
mMの範囲が好適である。
【0052】なお、非測定補酵素再生酵素サイクリング
を組み合わせた場合には、前記工程(1)で得られた2
−ケト酪酸の量およびサイクル数に応じて前記脱水素酵
素の基質の脱水素体が生成するので、測定補酵素の代わ
りに該脱水素体の量を測定してもよい。
を組み合わせた場合には、前記工程(1)で得られた2
−ケト酪酸の量およびサイクル数に応じて前記脱水素酵
素の基質の脱水素体が生成するので、測定補酵素の代わ
りに該脱水素体の量を測定してもよい。
【0053】非測定補酵素再生酵素サイクリングを組み
合わせたケースについて、下記式(B)に示すような、
工程(2)の前記式(A)で示される2−ケト酪酸/L
−2−アミノ酪酸酵素サイクリング反応において、測定
補酵素としてチオNADHを選択し(チオNADの減少
量を測定してもよいことは勿論である。)、非測定補酵
素であるNADHを再生する酵素サイクリング反応を組
み込むためにアルコール脱水素酵素及びエタノールを添
加した場合を例に、更に詳しく説明する。
合わせたケースについて、下記式(B)に示すような、
工程(2)の前記式(A)で示される2−ケト酪酸/L
−2−アミノ酪酸酵素サイクリング反応において、測定
補酵素としてチオNADHを選択し(チオNADの減少
量を測定してもよいことは勿論である。)、非測定補酵
素であるNADHを再生する酵素サイクリング反応を組
み込むためにアルコール脱水素酵素及びエタノールを添
加した場合を例に、更に詳しく説明する。
【0054】
【化2】
【0055】上記式に示される酵素サイクリング反応で
は、前記工程(1)で得られた2−ケト酪酸に、アンモ
ニア又はアンモニウム塩、高濃度のチオNAD、及び低
濃度のNADH素の存在下で本アミノ酸脱水素酵素を作
用させると、可逆反応の進行に伴ってチオNADHが生
成すると共に、NADHが消費されて行く。NADHが
消費されて行くと、通常は該可逆反応は速度が低下する
か或るいは停止する。しかし、アルコール脱水素酵素及
びエタノールが共存する場合には、エタノールの脱水素
化物であるアセトアルデヒドを生成しながら消費された
NADHがNADから再生され、前記可逆反応が継続す
ると共にNADとNADHの濃度の割合が比較的一定に
なる。このため、2−ケト酪酸/L−2−アミノ酪酸酵
素サイクリング反応の反応速度が減少することなく継続
し、しかも反応停止後は、チオNADH濃度に比べNA
D(及びNADH)濃度は相対的に低くなるので、これ
らの影響をほとんど受けることなく吸光度法等によりチ
オNADH量を測定することが可能となる。
は、前記工程(1)で得られた2−ケト酪酸に、アンモ
ニア又はアンモニウム塩、高濃度のチオNAD、及び低
濃度のNADH素の存在下で本アミノ酸脱水素酵素を作
用させると、可逆反応の進行に伴ってチオNADHが生
成すると共に、NADHが消費されて行く。NADHが
消費されて行くと、通常は該可逆反応は速度が低下する
か或るいは停止する。しかし、アルコール脱水素酵素及
びエタノールが共存する場合には、エタノールの脱水素
化物であるアセトアルデヒドを生成しながら消費された
NADHがNADから再生され、前記可逆反応が継続す
ると共にNADとNADHの濃度の割合が比較的一定に
なる。このため、2−ケト酪酸/L−2−アミノ酪酸酵
素サイクリング反応の反応速度が減少することなく継続
し、しかも反応停止後は、チオNADH濃度に比べNA
D(及びNADH)濃度は相対的に低くなるので、これ
らの影響をほとんど受けることなく吸光度法等によりチ
オNADH量を測定することが可能となる。
【0056】上記のようなケースでは、工程(2)で生
成する補酵素量、又は前脱水素酵素の基質の脱水素体
(添加基質脱水素体ともいう。)の生成量を指標として
被検体中に含まれるホモシステインの量を決定すること
ができる。
成する補酵素量、又は前脱水素酵素の基質の脱水素体
(添加基質脱水素体ともいう。)の生成量を指標として
被検体中に含まれるホモシステインの量を決定すること
ができる。
【0057】したがって、本発明の測定方法で被検体中
のホモシステイン量の指標となる量(以下、指標量とも
いう。)を整理すると、2−ケト酪酸/L−2−アミノ
酪酸酵素サイクリング反応のみを行う場合には、該反
応の開始時に添加した酸化型(或いは還元型)のニコチ
ンアミド補酵素の消費量、該反応の開始時に添加した
還元型(或いは酸化型)のチオニコチンアミド補酵素の
消費量、該反応で生成した還元型(或いは酸化型)の
ニコチンアミド補酵素の生成量、又は該反応で生成し
た酸化型(或いは還元型)のチオニコチンアミド補酵素
の生成量の少なくとも1つである。また、非測定補酵素
再生酵素サイクリング反応を組み合わせたときは、非測
定補酵素の選択に応じて、前記、、或いは添加基
質脱水素体量の少なくとも1つ(非測定補酵素としてチ
オニコチンアミド補酵素を選択した場合)、又は前記
、、或いは添加基質脱水素体量の少なくとも1つ
(非測定補酵素としてニコチンアミド補酵素を選択した
場合)である。
のホモシステイン量の指標となる量(以下、指標量とも
いう。)を整理すると、2−ケト酪酸/L−2−アミノ
酪酸酵素サイクリング反応のみを行う場合には、該反
応の開始時に添加した酸化型(或いは還元型)のニコチ
ンアミド補酵素の消費量、該反応の開始時に添加した
還元型(或いは酸化型)のチオニコチンアミド補酵素の
消費量、該反応で生成した還元型(或いは酸化型)の
ニコチンアミド補酵素の生成量、又は該反応で生成し
た酸化型(或いは還元型)のチオニコチンアミド補酵素
の生成量の少なくとも1つである。また、非測定補酵素
再生酵素サイクリング反応を組み合わせたときは、非測
定補酵素の選択に応じて、前記、、或いは添加基
質脱水素体量の少なくとも1つ(非測定補酵素としてチ
オニコチンアミド補酵素を選択した場合)、又は前記
、、或いは添加基質脱水素体量の少なくとも1つ
(非測定補酵素としてニコチンアミド補酵素を選択した
場合)である。
【0058】これら指標量を指標として被検体中に含ま
れるホモシステインの量を決定する方法は特に限定され
ないが、工程(2)において、工程(1)で得られた2
−ケト酪酸の代わりに既知量の2−ケト酪酸を用いる他
は実際の測定と同様にして調製した標準試料を2−ケト
酪酸量を変えて複数調整し、これら標準試料について実
際の反応と同一条件で反応を行い。指標となる各物質毎
にその量を測定して、2−ケト酪酸量と各指標量との検
量線を作成し、この検量線に基づいて実際の測定値から
2−ケト酪酸量を求める方法により好適に行うことが出
来る。前記工程(1)では、最終的に被検体中のホモシ
ステインは全て2−ケト酪酸に転化するので、得られた
2−ケト酪酸量が被検体中のホモシステイン量となる。
れるホモシステインの量を決定する方法は特に限定され
ないが、工程(2)において、工程(1)で得られた2
−ケト酪酸の代わりに既知量の2−ケト酪酸を用いる他
は実際の測定と同様にして調製した標準試料を2−ケト
酪酸量を変えて複数調整し、これら標準試料について実
際の反応と同一条件で反応を行い。指標となる各物質毎
にその量を測定して、2−ケト酪酸量と各指標量との検
量線を作成し、この検量線に基づいて実際の測定値から
2−ケト酪酸量を求める方法により好適に行うことが出
来る。前記工程(1)では、最終的に被検体中のホモシ
ステインは全て2−ケト酪酸に転化するので、得られた
2−ケト酪酸量が被検体中のホモシステイン量となる。
【0059】本発明の測定方法における前記工程(1)
及び工程(2)は、ホモシステインデスルフラーゼ、酸
化型又は還元型のニコチンアミド補酵素、該ニコチンア
ミド補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素、2
−ケト酪酸を基質としてL−2−アミノ酪酸を可逆的に
生成させる反応を触媒するアミノ酸脱水素酵素、及びア
ンモニア又はアンモニウム塩を含んでなるホモシステイ
ン定量試薬(以下、HCY定量試薬1ともいう。)、又
は該HCY定量試薬1にさらに、ニコチンアミド補酵素
又はチオニコチンアミド補酵素を可逆的に酸化還元する
脱水素酵素、及び該脱水素酵素の基質を加えたホモシス
テイン定量試薬(以下、HCY定量試薬2ともいう。)
を用いることによりより簡便に行うことが出来る。
及び工程(2)は、ホモシステインデスルフラーゼ、酸
化型又は還元型のニコチンアミド補酵素、該ニコチンア
ミド補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素、2
−ケト酪酸を基質としてL−2−アミノ酪酸を可逆的に
生成させる反応を触媒するアミノ酸脱水素酵素、及びア
ンモニア又はアンモニウム塩を含んでなるホモシステイ
ン定量試薬(以下、HCY定量試薬1ともいう。)、又
は該HCY定量試薬1にさらに、ニコチンアミド補酵素
又はチオニコチンアミド補酵素を可逆的に酸化還元する
脱水素酵素、及び該脱水素酵素の基質を加えたホモシス
テイン定量試薬(以下、HCY定量試薬2ともいう。)
を用いることによりより簡便に行うことが出来る。
【0060】即ち、上記HCY定量試薬1或いはHCY
定量試薬2、又はこれら試薬の構成成分を2若しくはそ
れ以上に分けた試薬を予め調製しておくことにより、そ
れらを所定量採り被検体に加えることにより直ちに前記
工程(1)及び/又は前記工程(2)を開始することが
出来る。
定量試薬2、又はこれら試薬の構成成分を2若しくはそ
れ以上に分けた試薬を予め調製しておくことにより、そ
れらを所定量採り被検体に加えることにより直ちに前記
工程(1)及び/又は前記工程(2)を開始することが
出来る。
【0061】上記HCY定量試薬1は、前記の各必須成
分を含むものであれば特に限定されないが、試薬自身で
酵素反応の進行せず、かつ組成が経時変化を起こさない
ことが必要である。測定の簡便さから判断すれば、臨床
化学自動分析機を使用する場合は試薬を2つに分けて使
用することが一般的な方法として採用されている。さら
に本発明の測定法を実施する際、工程(1)と工程
(2)から成る工程を、分離させて実施する測定法と、
同時に行わしめて実施する測定法の2通りの測定方法が
可能である。このようなことからHCY定量試薬1は、
これら2通りの測定法に対応できる2つの測定試薬にし
て使用することが一般的であり、特に工程(1)の反応
を進行させるホモシステインデスルフラーゼと緩衝液と
からなる第1の測定試薬液と、工程(2)の酵素サイク
リングを進行させるチオニコチンアミド補酵素、ニコチ
ンアミド補酵素、2−ケト酪酸を基質としてL−2−ア
ミノ酪酸を可逆的に生成させる反応を触媒するアミノ酸
脱水素酵素、および緩衝液から成る第2の測定試薬液の
組み合わせが好適である。
分を含むものであれば特に限定されないが、試薬自身で
酵素反応の進行せず、かつ組成が経時変化を起こさない
ことが必要である。測定の簡便さから判断すれば、臨床
化学自動分析機を使用する場合は試薬を2つに分けて使
用することが一般的な方法として採用されている。さら
に本発明の測定法を実施する際、工程(1)と工程
(2)から成る工程を、分離させて実施する測定法と、
同時に行わしめて実施する測定法の2通りの測定方法が
可能である。このようなことからHCY定量試薬1は、
これら2通りの測定法に対応できる2つの測定試薬にし
て使用することが一般的であり、特に工程(1)の反応
を進行させるホモシステインデスルフラーゼと緩衝液と
からなる第1の測定試薬液と、工程(2)の酵素サイク
リングを進行させるチオニコチンアミド補酵素、ニコチ
ンアミド補酵素、2−ケト酪酸を基質としてL−2−ア
ミノ酪酸を可逆的に生成させる反応を触媒するアミノ酸
脱水素酵素、および緩衝液から成る第2の測定試薬液の
組み合わせが好適である。
【0062】酵素や補酵素から成る該定量試薬に含まれ
る各必須成分は、最も安定に保存できる溶液状態のもの
でも、使用直前に測定試薬液に使用する緩衝液で溶解さ
せる凍結乾燥状態のものでも任意に使用できる。なお、
該定量試薬に含まれる各必須成分は、本発明の測定方法
の説明で挙げたものが制限なく使用できる。また、緩衝
液としては、pHを調整できるものであれば特に限定さ
れないが、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、あるい
はグッド緩衝液等が使用できる。また、その他添加する
任意成分としては、該定量試薬を安定化させるためのシ
ュークロースなどの糖類や防腐のためのアジ化ナトリウ
ムや抗菌剤等の防腐剤が使用できる。なお、これら各成
分の含有量もほぼ本発明の測定方法の説明で示した反応
条件に応じて適宜決定すればよい。
る各必須成分は、最も安定に保存できる溶液状態のもの
でも、使用直前に測定試薬液に使用する緩衝液で溶解さ
せる凍結乾燥状態のものでも任意に使用できる。なお、
該定量試薬に含まれる各必須成分は、本発明の測定方法
の説明で挙げたものが制限なく使用できる。また、緩衝
液としては、pHを調整できるものであれば特に限定さ
れないが、トリス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、あるい
はグッド緩衝液等が使用できる。また、その他添加する
任意成分としては、該定量試薬を安定化させるためのシ
ュークロースなどの糖類や防腐のためのアジ化ナトリウ
ムや抗菌剤等の防腐剤が使用できる。なお、これら各成
分の含有量もほぼ本発明の測定方法の説明で示した反応
条件に応じて適宜決定すればよい。
【0063】また、前記HCY定量試薬2についても、
工程(1)用試薬及び工程(2)用試薬に分けるのが好
適であるが、ニコチンアミド補酵素又はチオニコチンア
ミド補酵素を可逆的に酸化還元する脱水素酵素、及び該
脱水素酵素の基質とニコチンアミド補酵素又はチオニコ
チンアミド補酵素を共存させた場合に酵素反応が進行す
るため、該酵素反応を進行させない組成を選択する必要
がある。このため、工程(1)用試薬としてはHCY定
量試薬1におけるものと同じものにニコチンアミド補酵
素又はチオニコチンアミド補酵素を可逆的に酸化還元す
る脱水素酵素あるいは該脱水素酵素の基質を添加した組
成物が使用でき、工程(2)用試薬としてはHCY定量
試薬1における工程(2)用試薬に、工程(1)用試薬
に添加しなかったニコチンアミド補酵素又はチオニコチ
ンアミド補酵素を可逆的に酸化還元する脱水素酵素、あ
るいは該脱水素酵素の基質を添加した組成物が使用でき
る。
工程(1)用試薬及び工程(2)用試薬に分けるのが好
適であるが、ニコチンアミド補酵素又はチオニコチンア
ミド補酵素を可逆的に酸化還元する脱水素酵素、及び該
脱水素酵素の基質とニコチンアミド補酵素又はチオニコ
チンアミド補酵素を共存させた場合に酵素反応が進行す
るため、該酵素反応を進行させない組成を選択する必要
がある。このため、工程(1)用試薬としてはHCY定
量試薬1におけるものと同じものにニコチンアミド補酵
素又はチオニコチンアミド補酵素を可逆的に酸化還元す
る脱水素酵素あるいは該脱水素酵素の基質を添加した組
成物が使用でき、工程(2)用試薬としてはHCY定量
試薬1における工程(2)用試薬に、工程(1)用試薬
に添加しなかったニコチンアミド補酵素又はチオニコチ
ンアミド補酵素を可逆的に酸化還元する脱水素酵素、あ
るいは該脱水素酵素の基質を添加した組成物が使用でき
る。
【0064】これら工程(1)用あるいは工程(2)用
試薬に添加するニコチンアミド補酵素又はチオニコチン
アミド補酵素を可逆的に酸化還元する脱水素酵素、及び
該脱水素酵素の基質の濃度はそれぞれ、0.05〜50
0U/ml及び0.1mM〜1M、特に0.1〜200
U/ml及び0.5〜500mMの濃度となるよう添加
したものが使用できる。
試薬に添加するニコチンアミド補酵素又はチオニコチン
アミド補酵素を可逆的に酸化還元する脱水素酵素、及び
該脱水素酵素の基質の濃度はそれぞれ、0.05〜50
0U/ml及び0.1mM〜1M、特に0.1〜200
U/ml及び0.5〜500mMの濃度となるよう添加
したものが使用できる。
【0065】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。尚、酵素量は37℃下で1.0μmole/minの反
応を触媒する酵素量を1.0Uとして示す。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。尚、酵素量は37℃下で1.0μmole/minの反
応を触媒する酵素量を1.0Uとして示す。
【0066】実施例1{工程(1)と工程(2)を段階
的に行った例} 先ず、以下に示す組成の測定用試液A、測定試液B、及
びホモシステイン希釈溶液を調製した。 [測定用試液A] 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.5) 10U/ml ホモシステインデスルフラーゼ(Proteu
s morganii IFO−3168由来) [測定用試液B] 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH 8.5) 5mM チオNAD(シグマ社製) 1mM NADH(シグマ社製) 5mM 塩化アンモニウム 200U/ml L-ロイシン脱水素酵素 (東洋紡社
製、Bacillus sp.由来) [ホモシステイン溶液]50μM ホモシステイン標準
水溶液(シグマ社製)を精製水にて希釈して、10μ
M、20μM、30μM、及び40μM濃度の希釈系列のホ
モシステイン希釈溶液を調製した。
的に行った例} 先ず、以下に示す組成の測定用試液A、測定試液B、及
びホモシステイン希釈溶液を調製した。 [測定用試液A] 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.5) 10U/ml ホモシステインデスルフラーゼ(Proteu
s morganii IFO−3168由来) [測定用試液B] 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH 8.5) 5mM チオNAD(シグマ社製) 1mM NADH(シグマ社製) 5mM 塩化アンモニウム 200U/ml L-ロイシン脱水素酵素 (東洋紡社
製、Bacillus sp.由来) [ホモシステイン溶液]50μM ホモシステイン標準
水溶液(シグマ社製)を精製水にて希釈して、10μ
M、20μM、30μM、及び40μM濃度の希釈系列のホ
モシステイン希釈溶液を調製した。
【0067】次に、上記ホモシステイン標準水溶液及び
上記10μM〜40μM濃度のホモシステイン希釈溶液
(標準試料)をそれぞれ20μlキュベットに分注し、
各キュベットに37℃に加温した測定用試液A0.5m
lを分注し混和後、37℃下で10分間反応させた。反
応後、各々のキュベットにあらかじめ37℃に加温した
測定試液Bを0.5mlずつ分注して混和し、測定試薬
Bを加えてから3分間後と13分間後の2回、400nm
の吸光度を測定し、それぞれの吸光度の差をΔAbsとし
た。ΔAbsと標準試料のホモシステイン濃度との関係を
図1に示す。
上記10μM〜40μM濃度のホモシステイン希釈溶液
(標準試料)をそれぞれ20μlキュベットに分注し、
各キュベットに37℃に加温した測定用試液A0.5m
lを分注し混和後、37℃下で10分間反応させた。反
応後、各々のキュベットにあらかじめ37℃に加温した
測定試液Bを0.5mlずつ分注して混和し、測定試薬
Bを加えてから3分間後と13分間後の2回、400nm
の吸光度を測定し、それぞれの吸光度の差をΔAbsとし
た。ΔAbsと標準試料のホモシステイン濃度との関係を
図1に示す。
【0068】図1は、ホモシステイン濃度が未知の水溶
液系被検体について上記と同様な条件で反応を及び吸光
度測定を行い、得られたΔAbs値からホモシステイン濃
度を求めるための検量線となるものであるが、図1に示
されるように、10μM以下のホモシステイン濃度領域
に於いてもΔAbsとホモシステイン濃度との間には良好
な直線関係が認められることから、微量のホモシステイ
ンを含む被検体についても正確なホモシステイン量の測
定ができることが判る。
液系被検体について上記と同様な条件で反応を及び吸光
度測定を行い、得られたΔAbs値からホモシステイン濃
度を求めるための検量線となるものであるが、図1に示
されるように、10μM以下のホモシステイン濃度領域
に於いてもΔAbsとホモシステイン濃度との間には良好
な直線関係が認められることから、微量のホモシステイ
ンを含む被検体についても正確なホモシステイン量の測
定ができることが判る。
【0069】実施例2{工程(1)と工程(2)を逐次
的に行った例} 実施例1で用いたのと同じ測定用試液A、測定試液B、
ホモシステイン標準溶液、及びホモシステイン希釈溶液
を用い、実施例1と同様にしてキュベット内で反応用試
料を調製した。その後、各反応用資料に予め37℃に加
温した0.5mlの測定用試液Aおよび予め37℃に加
温した0.5ml測定用試液Bをほぼ同時に添加し、混
和した。両測定用試液添加後3分間後と13分間後の2回
につて400nmの吸光度を測定し、実施例1と同様に
してΔAbsを求めた。この時得られたΔAbsと標準試料の
ホモシステイン濃度との関係を図2に示す。
的に行った例} 実施例1で用いたのと同じ測定用試液A、測定試液B、
ホモシステイン標準溶液、及びホモシステイン希釈溶液
を用い、実施例1と同様にしてキュベット内で反応用試
料を調製した。その後、各反応用資料に予め37℃に加
温した0.5mlの測定用試液Aおよび予め37℃に加
温した0.5ml測定用試液Bをほぼ同時に添加し、混
和した。両測定用試液添加後3分間後と13分間後の2回
につて400nmの吸光度を測定し、実施例1と同様に
してΔAbsを求めた。この時得られたΔAbsと標準試料の
ホモシステイン濃度との関係を図2に示す。
【0070】図2においても図1と同様に良好な直線関
係が認められることから、ホモシステインデスルフラー
ゼ反応を完結することなく酵素サイクリング反応を同時
進行させることによってもホモシステンの高感度測定が
可能であることが判る。
係が認められることから、ホモシステインデスルフラー
ゼ反応を完結することなく酵素サイクリング反応を同時
進行させることによってもホモシステンの高感度測定が
可能であることが判る。
【0071】実施例3{工程(2)に補酵素再生酵素サ
イクリング反応を組み込んだ例} まず、以下に示す組成の測定用試液C、及び測定試液D
を調製した。 [測定用試液C] 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH 8.0) 10U/ml ホモシステインデスルフラーゼ(Proteus
morganii IFO−3168由来) 200mM エタノール [測定用試液D]50mM トリス−塩酸緩衝液(pH
8.0) 5mM チオNAD(シグマ社製) 0.2mM NADH(シグマ社製) 5mM 塩化アンモニウム 300U/ml L-ロイシン脱水素酵素(東洋紡社製、
Bacillus sp.由来) 50U/ml アルコール脱水素酵素(オリエンタル酵
母社製、酵母由来) 次いで、実施例1と同様にしてキュベット内で調製した
各反応用試料に予め37℃に加温した0.5ml測定用
試液Cと0.5mlの測定用試液Dをほぼ同時に添加
し、混和した。両測定用試液添加後3分間後と13分間後
の2回につて400nmの吸光度を測定し、実施例1と
同様にしてΔAbsを求めた。この時得られたΔAbsと標準
試料のホモシステイン濃度との関係を図3に示す。
イクリング反応を組み込んだ例} まず、以下に示す組成の測定用試液C、及び測定試液D
を調製した。 [測定用試液C] 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH 8.0) 10U/ml ホモシステインデスルフラーゼ(Proteus
morganii IFO−3168由来) 200mM エタノール [測定用試液D]50mM トリス−塩酸緩衝液(pH
8.0) 5mM チオNAD(シグマ社製) 0.2mM NADH(シグマ社製) 5mM 塩化アンモニウム 300U/ml L-ロイシン脱水素酵素(東洋紡社製、
Bacillus sp.由来) 50U/ml アルコール脱水素酵素(オリエンタル酵
母社製、酵母由来) 次いで、実施例1と同様にしてキュベット内で調製した
各反応用試料に予め37℃に加温した0.5ml測定用
試液Cと0.5mlの測定用試液Dをほぼ同時に添加
し、混和した。両測定用試液添加後3分間後と13分間後
の2回につて400nmの吸光度を測定し、実施例1と
同様にしてΔAbsを求めた。この時得られたΔAbsと標準
試料のホモシステイン濃度との関係を図3に示す。
【0072】図3と図2を比較すると、図3の方がホモ
システイン濃度変化に対するΔAbs変化が大きいことか
ら、操作は煩雑になるが更に高感度に被検体中のホモシ
ステイン量を測定できることが判る。
システイン濃度変化に対するΔAbs変化が大きいことか
ら、操作は煩雑になるが更に高感度に被検体中のホモシ
ステイン量を測定できることが判る。
【0073】実施例4(血清サンプル中のホモシステイ
ン量の測定) I.検量線の作製 測定用試液Aに変えて下記組成の測定用試液Eを用いる
他は実施例1と同様にして反応及び吸光度測定を行いΔ
Abs求めた。 [測定用試液E] 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.5) 10mM ジチオスレイトール(DTT) 10U/ml ホモシステインデスルフラーゼ(Proteu
s morganii IFO−3168由来) 得られたΔAbsとホモシステイン濃度との関係から検量
線を作製した。なお、該検量線は、図1とほぼ一致して
いた。
ン量の測定) I.検量線の作製 測定用試液Aに変えて下記組成の測定用試液Eを用いる
他は実施例1と同様にして反応及び吸光度測定を行いΔ
Abs求めた。 [測定用試液E] 50mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.5) 10mM ジチオスレイトール(DTT) 10U/ml ホモシステインデスルフラーゼ(Proteu
s morganii IFO−3168由来) 得られたΔAbsとホモシステイン濃度との関係から検量
線を作製した。なお、該検量線は、図1とほぼ一致して
いた。
【0074】II. 血清サンプル中のホモシステイン量
の測定 先ず、健常者の血液から常法に従って血清分離を行って
5種類の血清サンプル(血清サンプル1〜5)を調製し
た。
の測定 先ず、健常者の血液から常法に従って血清分離を行って
5種類の血清サンプル(血清サンプル1〜5)を調製し
た。
【0075】次いで、検量作製時に使用した標準試料に
代えて上記血清サンプルを用いる以外は検量線作成時と
同様にして反応および吸光度測定を行いΔAbsを測定
し、該ΔAbsから検量線を用いてホモシステイン濃度を
求めた。測定されたΔAbs値及び検量線から求められた
ホモシステイン濃度を併せて表1に示す。
代えて上記血清サンプルを用いる以外は検量線作成時と
同様にして反応および吸光度測定を行いΔAbsを測定
し、該ΔAbsから検量線を用いてホモシステイン濃度を
求めた。測定されたΔAbs値及び検量線から求められた
ホモシステイン濃度を併せて表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明のホモシステインの測定法法によ
れば、簡便な操作で被検体中の極微量のホモシステイン
を正確に定量することができる。しかも、実質的に吸光
度法に検出が可能であるので、この様な検出器を有する
従来の自動分析装置に適用することも可能である。この
ため、多検体測定も容易となり、血清や血漿等の被検体
中のホモシステインを定量するような臨床検査等の医療
分野に大きく貢献するものである。
れば、簡便な操作で被検体中の極微量のホモシステイン
を正確に定量することができる。しかも、実質的に吸光
度法に検出が可能であるので、この様な検出器を有する
従来の自動分析装置に適用することも可能である。この
ため、多検体測定も容易となり、血清や血漿等の被検体
中のホモシステインを定量するような臨床検査等の医療
分野に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の測定法でホモシステイン標準希釈
水溶液を測定した場合のホモシステイン濃度と吸光度と
の関係を示す。
水溶液を測定した場合のホモシステイン濃度と吸光度と
の関係を示す。
【図2】 実施例2の測定法でホモシステイン標準希釈
水溶液を測定した場合のホモシステイン濃度と吸光度と
の関係を示す。
水溶液を測定した場合のホモシステイン濃度と吸光度と
の関係を示す。
【図3】 実施例3の測定法でホモシステイン標準希釈
水溶液を測定した場合のホモシステイン濃度と吸光度と
の関係を示す。
水溶液を測定した場合のホモシステイン濃度と吸光度と
の関係を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記(1)〜(3)の工程を含んでなる
ことを特徴とするホモシステインの測定方法。 (1) ホモシステインを含有する被検体にホモシステ
インデスルフラーゼを作用させて該被検体中のホモシス
テインを2−ケト酪酸に転化させる工程 (2) アンモニア又はアンモニウム塩、酸化型又は還
元型のニコチンアミド補酵素、及び該ニコチンアミド補
酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素の存在下
に、前記工程(1)で得られた2−ケト酪酸に2−ケト
酪酸を基質としてL−2−アミノ酪酸を可逆的に生成さ
せる反応を触媒するアミノ酸脱水素酵素を作用させて酵
素反応を行い、任意の特定の時間内に該酵素反応により
消費される前記ニコチンアミド補酵素或いは前記チオニ
コチンアミド補酵素の消費量、又は任意の特定の時間内
に該酵素反応により生成する、それぞれ使用した補酵素
の型と異なる型のニコチンアミド補酵素或いはチオニコ
チンアミド補酵素の生成量を測定する工程 (3) 前記工程(2)で測定されたこれら補酵素の量
から選ばれる少なくとも1つの量を指標として被検体中
に含まれるホモシステインの量を決定する工程 - 【請求項2】 請求項1の工程(2)における酵素反応
を、ニコチンアミド補酵素又はチオニコチンアミド補酵
素を可逆的に酸化還元する脱水素酵素、及び該脱水素酵
素の基質の存在下に行い、任意の特定の時間内に該酵素
反応により生成する、それぞれ使用した補酵素の型と異
なる型のニコチンアミド補酵素或いはチオニコチンアミ
ド補酵素、或いは前記脱水素酵素の基質の脱水素体の生
成量、又は任意の特定の時間内に該酵素反応により伴い
消費される前記脱水素酵素の基質の消費量を測定し、測
定されたこれら化合物の量から選ばれる少なくとも1つ
の量を指標として被検体中に含まれるホモシステインの
量を決定することを特徴とするホモシステインの測定方
法。 - 【請求項3】 ホモシステインデスルフラーゼ、酸化型
又は還元型のニコチンアミド補酵素、該ニコチンアミド
補酵素と異なる型のチオニコチンアミド補酵素、2−ケ
ト酪酸を基質としてL−2−アミノ酪酸を可逆的に生成
させる反応を触媒するアミノ酸脱水素酵素、及びアンモ
ニア又はアンモニウム塩を含んでなることを特徴とする
ホモシステイン定量試薬。 - 【請求項4】 さらに、ニコチンアミド補酵素又はチオ
ニコチンアミド補酵素を可逆的に酸化還元する脱水素酵
素、及び該脱水素酵素の基質を含んでなる請求項3記載
のホモシステイン定量試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33664899A JP3869601B2 (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | ホモシステインの測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33664899A JP3869601B2 (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | ホモシステインの測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001149092A true JP2001149092A (ja) | 2001-06-05 |
JP3869601B2 JP3869601B2 (ja) | 2007-01-17 |
Family
ID=18301349
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33664899A Expired - Fee Related JP3869601B2 (ja) | 1999-11-26 | 1999-11-26 | ホモシステインの測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3869601B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6686172B2 (en) | 2000-06-30 | 2004-02-03 | Azwell, Inc. | Method of measuring total homocysteine |
US7341830B2 (en) | 2002-05-16 | 2008-03-11 | Roche Diagnostics Operations, Inc. | Method and reagent system having a non-regenerative enzyme-coenzyme complex |
-
1999
- 1999-11-26 JP JP33664899A patent/JP3869601B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6686172B2 (en) | 2000-06-30 | 2004-02-03 | Azwell, Inc. | Method of measuring total homocysteine |
US7341830B2 (en) | 2002-05-16 | 2008-03-11 | Roche Diagnostics Operations, Inc. | Method and reagent system having a non-regenerative enzyme-coenzyme complex |
US7951581B2 (en) | 2002-05-16 | 2011-05-31 | Roche Diagnostics Operations, Inc. | Method and reagent system with non-regenerable enzyme-coenzyme complex |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3869601B2 (ja) | 2007-01-17 |
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